JPH06203644A - はんだ付け可能な絶縁電線 - Google Patents

はんだ付け可能な絶縁電線

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JPH06203644A
JPH06203644A JP5001588A JP158893A JPH06203644A JP H06203644 A JPH06203644 A JP H06203644A JP 5001588 A JP5001588 A JP 5001588A JP 158893 A JP158893 A JP 158893A JP H06203644 A JPH06203644 A JP H06203644A
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JP
Japan
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formula
chemical
group
chemical formula
insulating coating
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Application number
JP5001588A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Tajima
哲夫 田島
Ryoichi Sudo
亮一 須藤
Mitsuo Otsu
満雄 大津
Kozo Watanabe
孝三 渡辺
Hiroshi Takeda
博 武田
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Hitachi Cable Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Media Electronics Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Mizusawa Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、耐熱性及びはんだ付け性の良い絶縁
電線に関し、特に導体上に汎用ポリウレタン樹脂を被覆
させた後、さらにその上から特定のポリイミド樹脂を被
覆させた絶縁電線を提供することにある。 【構成】導体上に汎用ポリウレタン樹脂を被覆させた
後、その上に、一般式(化84) で示されるポリアミド酸を含む絶縁塗料を塗布し、焼き
付けることにより達成される。 【効果】耐熱性及びはんだ付け性の両立化により、トラ
ンス等の電気機器に広く、作業性良く用いられる効果を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ、はんだ
付け性の良い絶縁電線及び絶縁塗料に関し、さらに詳し
くは、汎用ポリウレタン樹脂皮膜層を導体上に形成させ
た後に、その上から特定のポリイミド樹脂皮膜層を形成
させたはんだ付け可能な絶縁電線及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】最近、テレビ等家電製品の小型・軽量化
が一層進み、これに対応して、モ−タ−やトランス等の
電気機器の小型・軽量化・高性能化は著しく、また、そ
の信頼性向上も強く望まれている。
【0003】これらの観点から、上記電気機器等に用い
られている絶縁電線の被覆材料としては耐熱性の優れた
材料が望まれ、ポリエステル樹脂塗料を用いた電線がB
種(130℃)またはF種(155℃)の絶縁電線とし
て用いられている。他に、さらに耐熱性の優れた材料と
してポリイミド樹脂が知られている。
【0004】一方、電気機器の小型・軽量化・高性能化
には電線の細線化を必要とし、細線化されたポリエステ
ル絶縁電線には、一層高性能なものが求められるように
なった。
【0005】さらに、これらのポリエステル絶縁電線は
過酷な環境下で使用される為、耐熱性、電気絶縁性の他
に耐化学薬品性、耐溶剤性、耐加水分解性および耐アル
カリ性が求められている。
【0006】また、原価低減を目的に工程の合理化が求
められている。
【0007】その一環として絶縁電線の端末はく離処理
の合理化およびライン化がある。
【0008】現在、この端末はく離の処理方法には、機
械はく離、熱分解はく離、薬品はく離およびはんだはく
離等の諸方法があるが、作業時間、細線の導体の無傷化
および連続処理化等を考えると、上記のはんだはく離処
理方法が最も好ましい。
【0009】しかし、ポリエステル絶縁電線は、薬品は
く離によるライン化は、すでに行なわれているものの、
薬品中への浸漬に一定時間を必要とし、また洗浄も必要
になる。取扱う上でも薬品の危険があるため、はんだは
く離のライン化が試みられたが、従来のポリエステル絶
縁電線ではいずれもはんだはく離性を有していなかっ
た。
【0010】また、耐熱性が優れたものとしてポリイミ
ド絶縁電線があるが(特開平1−124905号)、は
んだはく離性を有していない。
【0011】はんだはく離処理が可能な絶縁電線として
は、特開昭64−90268号に見られるようにポリウ
レタン樹脂を主成分とするポリウレタン絶縁電線がある
が、耐熱性がE種(120℃)と低いものである。
【0012】このため、はんだはく離処理ができる、耐
熱性がB種(130℃)以上の耐熱性樹脂被覆の絶縁電
線の出現が強く望まれている。
【0013】また、最近、多数のより合わせ絶縁電線を
はんだ付けする場合には、絶縁皮膜が被ったままの絶縁
電線を直接はんだ浴に浸漬することによって絶縁皮膜の
はく離とはんだ付けを一挙に行なう端末処理が増えてき
た。
【0014】このためには、はんだ浴への浸漬に続いて
絶縁皮膜はできるだけ速やかに除去されねばならない。
はんだ浴への浸漬が短時間であればある程に良いことは
当然である。
【0015】はんだはく離においては、溶融はんだ浴の
温度が450℃を超えるとはんだ浴の酸化劣化が著しく
進み、導体である銅がはんだに溶解する速度が速くなる
ために絶縁電線の線細りの問題が生じて来る。
【0016】上記のようなはんだはく離性を考慮して、
ポリエステルイミド樹脂系の絶縁皮膜を有する絶縁電線
(特開昭63−289711号)や、ポリエステルイミ
ドとイソシアネ−トから形成されるポリウレタン系の組
成物(特開昭63−69819号)等が提案されている
が、これらは皮膜の化学構造が異なり、また、原料が特
殊なものであったり、反応が複雑であるので、製品が高
価格となる上、極性基濃度が高いため電気絶縁性に劣る
欠点がある。更に、エステル型の架橋構造が多いためは
んだ付け性に劣る可能性がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題点に鑑み、
本発明は絶縁電線被覆層全体としてのの耐熱性がB種
(130℃)以上で、被覆材料のはく離とはんだ付けを
450℃以下の温度で一挙にできる、優れた熱的、機械
的、電気的、化学的特性をもつはんだ付け可能な絶縁電
線を、比較的容易にかつ低価格にて提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、導体上に汎用
のウレタン樹脂組成物を塗布し焼き付け、その上から、
さらに特定の化学構造のポリアミド酸又はポリイミドを
含む絶縁塗料を塗布し焼き付けることによって、上記の
要望に応える絶縁電線が得られることを見い出し、本発
明に到達した。すなわち、本発明は、汎用のウレタン樹
脂組成物、例えば、下記に示す多価アルコ−ル、多価イ
ソシアネ−ト及び溶媒を種々組み合わせた組成物を導体
上に、塗布し焼き付け、その上から、下記に示す特定の
化学構造のポリアミド酸又はポリイミドを含む絶縁塗料
を塗布し焼き付けてなる絶縁電線に関する。
【0019】まず、上記ウレタン樹脂組成物について説
明する。
【0020】本発明に用いられる多価アルコ−ルとして
は、例えば、次の化合物を挙げられる。
【0021】(1)フタル酸、アジピン酸及びエチレン
グリコ−ル、プロピレングリコ−ル、グリセリン、トリ
メチロ−ルプロパンを出発物質として得られるポリエス
テルポリオ−ル (2)化学式(化38)
【0022】
【化38】
【0023】からなる群より選ばれるビスフエノ−ル類
とトリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ル、ブタ
ンジオ−ル、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、
ヘキサンジオ−ル、グリセリン等のポリオ−ル及び/又
はエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロ
フラン、テトラヒドロピラン等のアルキレンオキサイド
を反応させて得られたポリオ−ル (3)エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリ
エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピ
レングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、1,3−
ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘ
キサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、グリセリ
ン、トリメチロ−ルプロパン、トリメチロ−ルエタン、
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト、ペン
タエリスリト−ル等のポリオ−ルに対し、テレフタル
酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸、アジピン酸、コハク
酸、マレイン酸等の多価カルボン酸又はその誘導体及び
2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレン
ジイソシアネ−ト、4,4´−ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、メタキ
シリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソ
シアネ−ト等のポリイソシアネ−トを反応させて得られ
るポリオ−ル 又、本発明に用いられる多価イソシアネ−トとしては、
例えば、フェニレンジイソシアネ−ト、トリレンジイソ
シアネ−ト、1−エチルベンゼン−2,4−ジイソシア
ネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1−イソ
プロピルベンゼン−2,4−ジイソシアネ−ト、1−ク
ロルベンゼン−2,4−ジイソシアネ−ト、キシリレン
ジイソシアネ−ト、1−ニトロベンゼン−2,4−ジイ
ソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、1−メト
キシベンゼン−2,4−ジイソシアネ−ト、ナフタレン
ジイソシアネ−ト、ジメチルビフェニレンジイソシアネ
−ト、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシア
ネ−ト、トリフェニルメタントリイソシアネ−ト、1,
3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシ
アネ−ト、ナフタレン−1,3,7−トリイソシアネ−
ト、ビフェニル−2,4,4´−トリイソシアネ−ト、
ヘキサメチレンジイソシアネ−ト等のポリイソシアネ−
トをフェノ−ル、クレゾ−ル、キシレノ−ル、クロルフ
ェノ−ル、メチルエチルケトンオキシム、トリメチロ−
ルプロパン、ヘキサントリオ−ル、1,3−ブタンジオ
−ル、1,4−ブタンジオ−ル、エチレングリコ−ル、
ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロ
ピレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、ブタンジオ−
ル、グリセリン等の活性水素を有する化合物と反応させ
てブロック化されたポリイソシアネ−トを挙げられる。
これらの化学商品としては、日本ポリウレタン社製コロ
ネ−トAPステ−ブル、コロネ−ト2501、コロネ−
ト2503、コロネ−ト2505、コロネ−ト251
5、ミリオネ−トMS−50、住友バイエルウレタン社
製デスモジュ−ルAPステ−ブル、デスモジュ−ルAP
−12ステ−ブル、デスモジュ−ルCTステ−ブル等を
挙げることができる。
【0024】又、本発明に用いられるウレタン樹脂組成
物用の溶媒としては、例えば、フェノ−ル、クレゾ−
ル、キシレノ−ル、キシレン、トルエン等を挙げられ
る。
【0025】さらに、ウレタン樹脂組成物中に、反応促
進の為の触媒を添加しても良く、例えば触媒として、N
−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリエチレン
ジアミン、トリブチル錫アセテ−ト、ジブチル錫ジアセ
テ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、オクチル酸鉛、ナフ
テン酸亜鉛、1,8ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7,2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノ−ル等を挙げられる。
【0026】なお、上記ウレタン樹脂組成物は、通常、
上記の多価アルコ−ルの水酸基1当量につき多価イソシ
アネ−トのイソシアネ−ト基0.4〜2.0当量の割合
で、含有量が20〜80重量%になるように上記溶媒に
溶解して得られる。さらに、反応促進の為の触媒添加量
は、上記の多価イソシアネ−ト100重量部当り、通常
0.1〜10重量部が望ましい。
【0027】次に、上記ポリアミド酸又はポリイミドを
含む絶縁塗料及び絶縁電線について説明する。
【0028】一般式(化39)
【0029】
【化39】
【0030】で示されるポリアミド酸を含む絶縁塗料を
上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗布し、焼き付けて、ポ
リイミド樹脂皮膜を有する絶縁電線を製造する。
【0031】但し、上記式中、Xは、ポリアミド酸のエ
ンドキャップ剤であるヒドロキシルアミン中の主鎖とな
るアルキレン基又はアルキレンフェニレン基であり、特
に望ましくは、Xは、化学式(化40)
【0032】
【化40】
【0033】からなる群より選ばれるアルキレン基又は
化学式(化41)
【0034】
【化41】
【0035】からなる群より選ばれるアルキレンフェニ
レン基である。
【0036】すなわち、上記式中、HO−Xは、化学式
(化42)
【0037】
【化42】
【0038】からなる群より選ばれる1価の有機基であ
り、これらのモノアミンはエンドキャップ剤として同等
に用いられるものである。
【0039】以下本願明細書全体を通じてXについては
同様である。
【0040】また、Rは、化学式(化43)
【0041】
【化43】
【0042】からなる群より選ばれる4価の有機基であ
り、hは2〜16の整数、iおよびjは2〜10の整数
である(以下本願明細書全体を通じて同様である)。
【0043】R2は、化学式(化44)
【0044】
【化44】
【0045】からなる群より選ばれる2価の有機基であ
る(以下本願明細書全体を通じて同様である)。
【0046】また、nは正の整数であり、皮膜の機械的
強度の点からnは5以上であることが望ましい。
【0047】上記の絶縁電線は次のようにして製造する
ことができる。
【0048】一般式(化45)
【0049】
【化45】
【0050】で示されるヒドロキシルアミンと一般式
(化46)
【0051】
【化46】
【0052】で示されるテトラカルボン酸二無水物と、
一般式(化47)
【0053】
【化47】
【0054】で示されるジアミンとを、有機溶媒の存在
下に反応させ、一般式(化48)
【0055】
【化48】
【0056】で示されるポリアミド酸を生成させた後、
これを含む絶縁塗料を上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗
布し、焼き付けて、一般式(化48)中のアミド基とカル
ボキシル基とを分子内反応させてイミド化してポリイミ
ド樹脂皮膜層とするはんだ付け可能な絶縁電線を製造す
る。
【0057】上記ポリイミド樹脂皮膜の製造に用いられ
る有機溶媒は、反応促進のために必要であり、例えば、
ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−メ
チルカプロラクタム、ジメチルスルホン、ジメチルホル
ムアミド及びジメチルスルホキシド、キシレン、トルエ
ン等である。
【0058】また、上記製造方法において、絶縁塗料中
に触媒量の第三級アミンを加えても良い。これらは、例
えば、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジ
メチルドデシルアミン、ピリジン、4−イソプロピルピ
リジン、N−ジメチルベンジルアミン、イソキノリン及
びN−メチルモルホリン等である。
【0059】図1は、本発明に係る絶縁電線の断面図で
ある。図1において、1は銅線などの導体であり、導体
1には、絶縁塗料を塗布し焼き付けることにより、絶縁
皮膜2(ポリウレタン樹脂皮膜)及び絶縁皮膜3(ポリイ
ミド樹脂皮膜)が形成されている。
【0060】一般式(化49)
【0061】
【化49】
【0062】で示されるポリアミド酸を含む絶縁塗料を
ポリウレタン樹脂皮膜上に塗布し、焼き付けることによ
り、一般式(化49)中のアミド基とカルボキシル基とが
分子内反応によりイミド化してポリイミド樹脂が生成す
るとともに、溶剤が揮発して強固なポリイミド樹脂皮膜
がポリウレタン樹脂皮膜上に形成される。
【0063】また、一般式(化49)で示されるポリアミ
ド酸を含む絶縁塗料は、ポリアミド酸の合成の過程で、
反応温度が高いなどの条件によっては分子内イミド化が
起こり、一般式(化50)
【0064】
【化50】
【0065】で示されるポリイミドをも含んでいる場合
もあり得る。
【0066】また更に、絶縁塗料が一般式(化50)で示
されるポリイミドを含むように、ポリウレタン樹脂皮膜
上への塗布前にイミド化を予め進めておいても良い。こ
の場合ポリアミド酸の合成反応時に有機溶媒の中にイミ
ド化触媒を添加しておくことが望ましい。イミド化触媒
は上記した第三級アミンなどである。
【0067】すなわち、一般式(化50)で示されるポリ
イミドを含む絶縁塗料をポリウレタン樹脂皮膜上に塗布
し、焼き付けて、ポリイミド樹脂皮膜を有するはんだ付
け可能な絶縁電線を製造する。さらに、一般式(化51)
【0068】
【化51】
【0069】で示されるヒドロキシルアミンと一般式
(化52)
【0070】
【化52】
【0071】で示されるテトラカルボン酸二無水物と、
一般式(化53)
【0072】
【化53】
【0073】で示されるジアミンとを、有機溶媒の存在
下に反応させ、一般式(化54)
【0074】
【化54】
【0075】で示されるポリイミドを生成させた後、こ
れを含む絶縁塗料を上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗布
し、焼き付けてはんだ付け可能な絶縁電線を製造する。
【0076】ここにおいて、ポリイミドの生成は、イミ
ド化触媒の添加あるいは、反応温度を高くする等によっ
てなされる。
【0077】また、本発明は、導体上にポリウレタン樹
脂皮膜層を有し、さらに、その上に、一般式(化55)
【0078】
【化55】
【0079】で示されるポリイミド樹脂皮膜層を有する
ことを特徴とするはんだ付け可能な絶縁電線に関する。
【0080】この絶縁皮膜の形成方法は、一般式(化5
6)
【0081】
【化56】
【0082】で示されるテトラカルボン酸二無水物と、
一般式(化57)
【0083】
【化57】
【0084】で示されるジアミンとを、有機溶媒の存在
下に反応させ、一般式(化58)
【0085】
【化58】
【0086】で示されるポリアミド酸を生成させた後、
これを含む絶縁塗料を上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗
布し、焼き付けることにより、一般式(化58)中のア
ミド基とカルボキシル基との分子内反応によりイミド化
してポリイミド樹脂皮膜層とする方法である。
【0087】ここで、有機溶媒は前述と同様であり、ま
た、上記絶縁塗料はイミド化触媒として触媒量の第三級
アミンを含むことができる。
【0088】一般式(化55)及び一般式(化59)中、n
は正の整数であり、5以上であることが望ましい。
【0089】また、一般式(化55)で示されるポリイミ
ド樹脂皮膜を有する絶縁電線は、一般式(化55)で示さ
れるポリイミドを含む絶縁塗料を上記ポリウレタン樹脂
皮膜上に塗布し、焼き付けることによっても製造でき
る。
【0090】すなわち、例えば、一般式(化59)
【0091】
【化59】
【0092】で示されるテトラカルボン酸二無水物と、
一般式(化60)
【0093】
【化60】
【0094】で示されるジアミンとを、有機溶媒の存在
下に反応させ、一般式(化61)
【0095】
【化61】
【0096】で示されるポリアミド酸を生成させ、該ポ
リアミド酸をイミド化して、一般式(化62)
【0097】
【化62】
【0098】で示されるポリイミドを生成させた後、こ
れを含む絶縁塗料を上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗布
し、焼き付けることによって絶縁電線を製造する。ここ
で、イミド化は、イミド化触媒の添加あるいは加熱など
によってなされる。イミド化触媒は前述の第三級アミン
などである。
【0099】このように、絶縁塗料がポリイミドを含ん
でいる場合には、導体又はポリウレタン樹脂皮膜上への
塗布、焼き付けによって溶媒が揮発して、強固な絶縁皮
膜が形成される。
【0100】上記絶縁塗料(ウレタン樹脂組成物を含む
塗料及びポリアミド酸又はポリイミドを含む塗料)によ
る本発明のはんだ付け可能な絶縁電線は、上記絶縁塗料
を導体上に塗布後、汎用の焼き付け塗装装置で焼き付け
て所定の皮膜厚さとすることにより提供される。
【0101】この時に使用する導体とは、例えば、銅、
銀又はステンレス鋼線であり、適用される導体径は極細
線から太線までいずれの径のものでも良く、特定の導体
径のものに限定されるものではない。一般的には径が約
0.030乃至2.0mm程度の銅線に主として適用さ
れている。
【0102】上記導体上に絶縁皮膜を形成する方法は従
来公知の方法に準拠すれば良く、例えば、フェルト絞り
方式やダイス絞り方式等の方法により絶縁塗料を塗布
し、連続的に300〜500℃の温度の焼付炉中に3〜
100秒程度ずつ、数回〜数十回通すことによって所望
の絶縁皮膜が形成される。要するに、塗料の硬化反応を
ほぼ完了し得るに充分な温度と時間焼き付けて得られ
る。また、絶縁皮膜の厚さは、JIS、NEMAあるい
はIEC等の規格に規定された皮膜厚さである。
【0103】なお、上記本発明に係る絶縁電線の皮膜を
形成するために使用される絶縁塗料はすべて、電線に限
らず各種導体の絶縁被覆を形成するために用いることも
できる。
【0104】
【作用】本発明に係る絶縁塗料は、ウレタン樹脂組成物
を含むものと特定の化学構造ののポリアミド酸又はポリ
イミドを含むものであり、ウレタン樹脂組成物を含む絶
縁塗料を導体上に塗布、焼き付けてた後に、さらに、そ
の上に、特定の化学構造のポリアミド酸又はポリイミド
を含む絶縁塗料を塗布、焼き付けて形成されるこれらの
樹脂層は、優れた熱的、機械的、電気的、化学的特性を
有し、これを皮膜とする絶縁電線は、130℃以上の耐
熱性と良好なはんだ付け性を有する。
【0105】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0106】実施例及び比較例においては、絶縁皮膜を
形成する塗料の原料をそれぞれ略称で示した。略称の意
味は次のとおりである。
【0107】イ.一般式(化63)
【0108】
【化63】
【0109】で示されるヒドロキシルアミンとして、次
の化合物を用いた。
【0110】略称S…p−アミノベンジルアルコ−ル
(化64)
【0111】
【化64】
【0112】ロ.一般式(化65)
【0113】
【化65】
【0114】で示されるテトラカルボン酸二無水物とし
て、以下の8種類の化合物を用いた。略称A1…1,3,3a,
4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2、5-ジオキソ-3
-フラニル)-ナフト〔1,2-C〕フラン-1、3-ジオン(化6
6)
【0115】
【化66】
【0116】略称A…エチレングリコ−ルビス(アン
ヒドロトリメリテ−ト)(化67)
【0117】
【化67】
【0118】略称A3…テトラメチレングリコ−ルビス
(アンヒドロトリメリテ−ト)(化68)
【0119】
【化68】
【0120】略称A4…ジエチレングリコ−ルビス(アン
ヒドロトリメリテ−ト)(化69)
【0121】
【化69】
【0122】略称A…ネオペンチルグリコ−ルビス
(アンヒドロトリメリテ−ト)(化70)
【0123】
【化70】
【0124】略称A6…1,4−シクロヘキサンジオ−ル
ビス(アンヒドロトリメリテ−ト)(化71)
【0125】
【化71】
【0126】略称A7…p−キシリレングリコ−ルビス
(アンヒドロトリメリテ−ト)(化72)
【0127】
【化72】
【0128】略称A…ハイドロキノン−ジ−(β−ヒ
ドロキシエチル)エ−テルビス(アンヒドロトリメリテ−
ト)(化73)
【0129】
【化73】
【0130】ハ.比較例に用いるテトラカルボン酸二無
水物として、以下の3種類の化合物を用いた。
【0131】略称X…ピロメリット酸二無水物(化74)
【0132】
【化74】
【0133】略称Y…ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(化75)
【0134】
【化75】
【0135】略称Z…ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物(化76)
【0136】
【化76】
【0137】ニ.一般式(化77)
【0138】
【化77】
【0139】で示されるジアミンとして、以下の5種類
の化合物を用いた。
【0140】略称B1…2,2-ビス〔4-(4´-アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン(化78)
【0141】
【化78】
【0142】略称B…1,3-ビス〔2-(4´-アミノフェ
ニル)プロピル〕ベンゼン(化79)
【0143】
【化79】
【0144】略称B3…4,4´-ジアミノジフェニルメタ
ン(化80)
【0145】
【化80】
【0146】略称B4…1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)
ベンゼン(化81)
【0147】
【化81】
【0148】略称B5…4,4´-ジアミノジフェニルエ−
テル(化82)
【0149】
【化82】
【0150】ホ.イミド化触媒の第三級アミンとして、
次の化合物を用いた。
【0151】略称C…ジメチルドデシルアミン なお、ポリアミド酸合成用の有機溶媒としては、ジメチ
ルアセトアミド(DMAc)とN−メチルピロリドン(N
MP)の混合溶媒(重量比で1:1)を用いた。
【0152】実施例1 撹拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を取り付
けた反応用1リットルフラスコに、ジメチルテレフタレ
−ト291g、エチレングリコ−ル23.25gおよび
1,3−ブタンジオ−ル236.25を入れ、窒素気流
下で7時間かけて室温から220℃まで昇温した。22
0℃で5時間加熱し、ポリエステルポリオ−ルを得た。
上記ポリエステルポリオ−ル136.8gとポリイソシ
アネ−トであるデスモジュ−ルAPステ−ブル(住友バ
イエルウレタン社製、NCO含有量12%)378g
を、クレゾ−ル/キシレン=6/4(重量比)の混合溶
媒554gに溶解させ、ナフテン酸亜鉛1gを加え、ウ
レタン樹脂組成物を含む絶縁塗料(固形分濃度48重量
%)を得た。
【0153】一方、撹拌器、温度計および窒素導入管を
取り付けた反応用1リットルフラスコ内で、窒素気流
下、25℃を保ちつつ、撹拌しながらジアミンB149.
2g(0.12モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒640gに溶解させ、この溶液にテトラ
カルボン酸二無水物(以下、単に酸二無水物と略する)
139.6g(0.132モル)およびヒドロキシルアミンS
2.952g(0.024モル)を徐々に加えた。全部を加えた
後、窒素気流下25℃で12時間撹拌を続け、ポリアミ
ド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0154】上記ウレタン樹脂塗料を0.4mmφの銅
線に塗布し線速10m/分で炉温350℃、炉長3.0
mの炉中を複数回通して焼き付けを行ない、皮膜厚さが
約10μmのポリウレタン樹脂皮膜付き絶縁電線を得
た。さらに、この絶縁電線のポリウレタン樹脂皮膜層上
に、上記ポリアミド酸塗料を塗布し線速10m/分で炉
温380℃、炉長3.0mの炉中を複数回通して焼き付
けを行ない、皮膜厚さが約20μm(全厚さ30μm)の
樹脂皮膜付き絶縁電線を得た。なお、この樹脂皮膜の赤
外線吸収スペクトルには1780cm~1と1380cm~1にイミド基
の吸収が認められ、ポリイミド樹脂皮膜であることが確
認できた。
【0155】得られた絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を
有する)をJIS C3003-1984のエナメル銅線及びエナメル
アルミニウム線試験方法に準じて評価した。
【0156】その評価結果を表1に示す。
【0157】
【表1】
【0158】実施例2 実施例1で得たポリエステルポリオ−ル136.8gと
ポリイソシアネ−トであるコロネ−ト2503(日本ポ
リウレタン社製、NCO含有量10%)415.8g
を、クレゾ−ル/キシレン=5/5(重量比)の混合溶媒
645gに溶解させ、ナフテン酸亜鉛1gを加え、ウレ
タン樹脂組成物を含む絶縁塗料を得た。
【0159】一方、実施例1と同様に、ジアミンB2
9.536g(0.144モル)をDMAc/NMP=1/1(重
量比)の混合溶媒640gに溶解させ、この溶液に酸二
無水物A146.8g(0.156モル)およびヒドロキシル
アミンS2.952g(0.024モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0160】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0161】その評価結果を表1に示す。
【0162】実施例3 下記化学式(化83)
【0163】
【化83】
【0164】で示されるビスフェノ−ル系ポリオ−ル
(東邦化学社製ビゾ−ル4EN、m+n=4、OH価2
84mgOH/g)180.8g、ポリイソシアネ−トで
あるコロネ−ト2503(日本ポリウレタン社製)13
2gおよびミリオネ−トMS−50(日本ポリウレタン
社製)84.8gを、クレゾ−ル400gに溶解させ、
オクチル酸鉛(金属分20%)2gを加え、ウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料(固形分濃度50重量%)を得
た。
【0165】一方、実施例1と同様に、ジアミンB1
9.2g(0.12モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒640gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A254.12g(0.132モル)およびヒドロキシルア
ミンS2.952g(0.024モル)を徐々に加え、ポリアミ
ド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0166】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0167】その評価結果を表1に示す。
【0168】実施例4 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例3のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0169】一方、実施例1と同様に、ジアミンB2
7.792g(0.168モル)をDMAc/NMP=1/1(重
量比)の混合溶媒960gに溶解させ、この溶液に酸二
無水物A273.8g(0.18モル)およびヒドロキシルアミ
ンS2.952g(0.024モル)を徐々に加え、ポリアミド
酸を含む絶縁塗料を得た。
【0170】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0171】その評価結果を表1に示す。
【0172】実施例5 撹拌器、還流冷却器、温度計および窒素導入管を取り付
けた反応用1リットルフラスコに、ジメチルテレフタレ
−ト155.7g、エチレングリコ−ル119.7g、グ
リセリン177.3gおよびテトラブチルチタネ−ト0.
4gを入れ、窒素気流下で150℃から230℃まで5
時間かけ昇温した。230℃で3時間加熱し、次にこれ
を160℃に下げ、トリレンジイソシアネ−ト139.
5g、ジブチル錫ジラウレ−ト2.5g、クレゾ−ル3
36.6gを加えて5時間加熱した。ここで得られたポ
リオ−ルの溶液323.1gとポリイソシアネ−トであ
る日本ポリウレタン社製コロネ−トAPステ−ブル41
2.2gおよびコロネ−ト2501、379.8gをクレ
ゾ−ル/フェノ−ル/キシレン=3/3/4(重量比)の
混合溶媒に溶解、希釈し、ウレタン樹脂組成物を含む絶
縁塗料(固形分濃度40重量%)を得た。
【0173】一方、実施例1と同様に、ジアミンB1
9.2g(0.12モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒640gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A254.12g(0.132モル)、ヒドロキシルアミンS
2.952g(0.024モル)および第三級アミンC0.5
gを徐々に加え、ポリアミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0174】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0175】その評価結果を表1に示す。
【0176】実施例6 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0177】一方、実施例1と同様に、ジアミンB1
9.52g(0.072モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒480gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A234.44g(0.084モル)およびヒドロキシルア
ミンS2.952g(0.024モル)を徐々に加え、ポリアミ
ド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0178】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0179】その評価結果を表1に示す。
【0180】実施例7 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0181】一方、実施例1と同様に、ジアミンB1
9.2g(0.12モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒640gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A249.2g(0.12モル)を徐々に加え、ポリアミド
酸を含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンS
は用いなかった)。
【0182】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0183】その評価結果を表1に示す。
【0184】実施例8 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例3のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0185】一方、実施例1と同様に、ジアミンB2
5.04g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒640gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A148g(0.16モル)を徐々に加え、ポリアミド酸
を含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンSは
用いなかった)。
【0186】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0187】その評価結果を表1に示す。
【0188】実施例9 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0189】一方、実施例1と同様に、ジアミンB4
6.72g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒800gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A265.6g(0.16モル)を徐々に加え、ポリアミド
酸を含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンS
は用いなかった)。
【0190】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0191】その評価結果を表1に示す。
【0192】実施例10 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0193】一方、実施例1と同様に、ジアミンB5
2g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)の
混合溶媒640gに溶解させ、この溶液に酸二無水物A
265.6g(0.16モル)を徐々に加え、ポリアミド酸を含
む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンSは用い
なかった)。
【0194】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0195】その評価結果を表1に示す。
【0196】実施例11 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0197】一方、実施例1と同様に、ジアミンB2
5.04g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒800gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A371.832g(0.164モル)およびヒドロキシル
アミンS0.984g(0.008モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0198】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0199】その評価結果を表1に示す。
【0200】実施例12 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0201】一方、実施例1と同様に、ジアミンB5
5.6g(0.128モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒640gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A459.928g(0.132モル)およびヒドロキシル
アミンS0.984g(0.008モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0202】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0203】その評価結果を表1に示す。
【0204】実施例13 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0205】一方、実施例1と同様に、ジアミンB4
6.72g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒800gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A574.128g(0.164モル)およびヒドロキシル
アミンS0.984g(0.008モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0206】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0207】その評価結果を表1に示す。
【0208】実施例14 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0209】一方、実施例1と同様に、ジアミンB3
7.52g(0.24モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒1120gに溶解させ、この溶液に酸二
無水物A6113.216g(0.244モル)およびヒドロキ
シルアミンS0.984g(0.008モル)を徐々に加え、ポ
リアミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0210】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0211】その評価結果を表1に示す。
【0212】実施例15 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例2のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0213】一方、実施例1と同様に、ジアミンB5
1.6g(0.208モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒1040gに溶解させ、この溶液に酸二
無水物A7103.032g(0.212モル)およびヒドロキ
シルアミンS0.984g(0.008モル)を徐々に加え、ポ
リアミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0214】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0215】その評価結果を表1に示す。
【0216】実施例16 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例2のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0217】一方、実施例1と同様に、ジアミンB4
1.392g(0.176モル)をDMAc/NMP=1/1(重
量比ょの混合溶媒1040gに溶解させ、この溶液に酸
二無水物A898.28g(0.18モル)およびヒドロキシル
アミンS0.984g(0.008モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0218】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0219】その評価結果を表1に示す。
【0220】実施例17 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例2のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0221】一方、実施例1と同様に、ジアミンB5
2g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比ょの
混合溶媒720gに溶解させ、この溶液に酸二無水物A
371.832g(0.164モル)およびヒドロキシルアミン
S0.984g(0.008モル)を徐々に加え、ポリアミド酸
を含む絶縁塗料を得た。
【0222】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0223】その評価結果を表1に示す。
【0224】実施例18 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例3のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0225】一方、実施例1と同様に、ジアミンB4
6.72g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比ょの混合溶媒800gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A371.832g(0.164モル)およびヒドロキシル
アミンS0.984g(0.008モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0226】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0227】その評価結果を表1に示す。
【0228】実施例19 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例3のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0229】一方、実施例1と同様に、ジアミンB4
6.72g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒800gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A371.832g(0.164モル)およびヒドロキシル
アミンS0.984g(0.008モル)および第三級アミン
C0.4gを徐々に加え、ポリアミド酸を含む絶縁塗料
を得た。
【0230】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0231】その評価結果を表2に示す。
【0232】
【表2】
【0233】実施例20 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例3のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0234】一方、実施例1と同様に、ジアミンB4
3.36g(0.08モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒480gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A338.544g(0.088モル)およびヒドロキシル
アミンS1.968g(0.016モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た。
【0235】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0236】その評価結果を表2に示す。
【0237】実施例21 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0238】一方、実施例1と同様に、ジアミンB4
6.72g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒800gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A370.08g(0.16モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミ
ンSは用いなかった)。
【0239】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0240】その評価結果を表2に示す。
【0241】実施例22 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0242】一方、実施例1と同様に、ジアミンB5
2g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)の
混合溶媒720gに溶解させ、この溶液に酸二無水物A
370.08g(0.16モル)を徐々に加え、ポリアミド酸
を含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンSは
用いなかった)。
【0243】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0244】その評価結果を表2に示す。
【0245】実施例23 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0246】一方、実施例1と同様に、ジアミンB2
5.04g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒880gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A3を70.08g(0.16モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミ
ンSは用いなかった)。
【0247】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0248】その評価結果を表2に示す。
【0249】実施例24 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0250】一方、実施例1と同様に、ジアミンB4
6.72g(0.16モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒880gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物A4を72.64g(0.16モル)を徐々に加え、ポリア
ミド酸を含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミ
ンSは用いなかった)。
【0251】得られた2種類の絶縁塗料を用い、実施例
1と同様にして本発明の絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層
を有する)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0252】その評価結果を表2に示す。
【0253】比較例1 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0254】一方、撹拌器、温度計および窒素導入管を
取り付けた反応用1リットルフラスコ内で、窒素気流
下、25℃を保ちつつ、撹拌しながらジアミンB530
g(0.15モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)の混
合溶媒400gに溶解させ、この溶液に酸二無水物X3
5.97g(0.165モル)およびヒドロキシルアミンS3.
69g(0.03モル)を徐々に加えた。全部を加えた後、
窒素気流下25℃で12時間撹拌を続け、ポリアミド酸
を含む絶縁塗料を得た。
【0255】上記ウレタン樹脂塗料を0.4mmφの銅
線に塗布し線速10m/分で炉温350℃、炉長3.0
mの炉中を複数回通して焼き付けを行ない、皮膜厚さが
約10μmのポリウレタン樹脂皮膜付き絶縁電線を得
た。さらに、この絶縁電線のポリウレタン樹脂皮膜層上
に、上記ポリアミド酸塗料を塗布し線速10m/分で炉
温380℃、炉長3.0mの炉中を複数回通して焼き付
けを行ない、皮膜厚さが約20μm(全厚さ30μm)の
樹脂皮膜付き絶縁電線を得た。なお、この樹脂皮膜の赤
外線吸収スペクトルには1780cm~1と1380cm~1にイミ
ド基の吸収が認められ、ポリイミド樹脂皮膜であること
が確認できた。
【0256】得られた絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を
有する)を上記実施例1と同様に、JIS C3003-1984のエ
ナメル銅線及びエナメルアルミニウム線試験方法に準じ
て評価した。
【0257】その評価結果を表2に示す。
【0258】比較例2 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0259】一方、比較例1と同様に、ジアミンB3
9.7g(0.15モル)をDMAc/NMP=1/1(重量
比)の混合溶媒400gに溶解させ、この溶液に酸二無
水物X35.97g(0.165モル)およびヒドロキシルアミ
ンS3.69g(0.03モル)を徐々に加え、ポリアミド
酸を含む絶縁塗料を得た。
【0260】得られた2種類の絶縁塗料を用い、比較例
1と同様にして絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を有す
る)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0261】その評価結果を表2に示す。
【0262】比較例3 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0263】一方、比較例1と同様に、ジアミンB5
0g(0.15モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)の
混合溶媒400gに溶解させ、この溶液に酸二無水物X
32.7g(0.15モル)を徐々に加え、ポリアミド酸を含
む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンSは用い
なかった)。
【0264】得られた2種類の絶縁塗料を用い、比較例
1と同様にして絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を有す
る)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0265】その評価結果を表2に示す。
【0266】比較例4 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例1のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0267】一方、比較例1と同様に、ジアミンB3
9.6g(0.2モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)
の混合溶媒500gに溶解させ、この溶液に酸二無水物
X43.6g(0.2モル)を徐々に加え、ポリアミド酸を
含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンSは用
いなかった)。
【0268】得られた2種類の絶縁塗料を用い、比較例
1と同様にして絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を有す
る)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0269】その評価結果を表2に示す。
【0270】比較例5 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0271】一方、比較例1と同様に、ジアミンB3
9.6g(0.2モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)
の混合溶媒600gに溶解させ、この溶液に酸二無水物
X44.69g(0.205モル)およびヒドロキシルアミンS
1.23g(0.01モル)を徐々に加え、ポリアミド酸を含
む絶縁塗料を得た。
【0272】得られた2種類の絶縁塗料を用い、比較例
1と同様にして絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を有す
る)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0273】その評価結果を表2に示す。
【0274】比較例6 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0275】一方、比較例1と同様に、ジアミンB3
9.6g(0.2モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)
の混合溶媒700gに溶解させ、この溶液に酸二無水物
Y60.27g(0.205モル)およびヒドロキシルアミンS
1.23g(0.01モル)を徐々に加え、ポリアミド酸を含
む絶縁塗料を得た。
【0276】得られた2種類の絶縁塗料を用い、比較例
1と同様にして絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を有す
る)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0277】その評価結果を表2に示す。
【0278】比較例7 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0279】一方、比較例1と同様に、ジアミンB3
9.6g(0.2モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)
の混合溶媒700gに溶解させ、この溶液に酸二無水物
Z64.4g(0.2モル)を徐々に加え、ポリアミド酸を含
む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンSは用い
なかった)。
【0280】得られた2種類の絶縁塗料を用い、比較例
1と同様にして絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を有す
る)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0281】その評価結果を表2に示す。
【0282】比較例8 ウレタン樹脂塗料として、上記実施例5のウレタン樹脂
組成物を含む絶縁塗料1000gを用いた。
【0283】一方、比較例1と同様に、ジアミンB3
9.6g(0.2モル)をDMAc/NMP=1/1(重量比)
の混合溶媒600gに溶解させ、この溶液に酸二無水物
X43.6g(0.2モル)を徐々に加え、ポリアミド酸を
含む絶縁塗料を得た(但し、ヒドロキシルアミンSは用
いなかった)。
【0284】得られた2種類の絶縁塗料を用い、比較例
1と同様にして絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を有す
る)を得、これを実施例1と同様に評価した。
【0285】その評価結果を表2に示す。
【0286】比較例9 ポリアミド酸を含む絶縁塗料を用いないで、上記実施例
1のウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料1000gを用
い、実施例1の方法で厚さ約30μmのポリウレタン樹
脂皮膜付き絶縁電線(1種類のみの樹脂皮膜層を有する)
を得た。これを実施例1と同様に評価した。
【0287】その評価結果を表2に示す。
【0288】比較例10 ウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料を用いないで、上記
実施例1のポリアミド酸を含む絶縁塗料1000gを用
い、実施例1の方法で厚さ約30μmのポリイミド樹脂
皮膜付き絶縁電線(1種類のみの樹脂皮膜層を有する)を
得た。これを実施例1と同様に評価した。
【0289】その評価結果を表2に示す。
【0290】比較例11 実施例1と同じ方法で、2種類の絶縁塗料の塗布、焼き
付け順序のみを反対にして絶縁電線試料を作った。すな
わち、最初に、上記実施例1のポリアミド酸を含む絶縁
塗料1000gを用いて、0.4mmφの銅線に塗布、
焼き付けを行ない、皮膜厚さが約20μmのポリイミド
樹脂皮膜付き絶縁電線を得た。さらに、上記実施例1の
ウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料1000gを用い
て、この絶縁電線のポリイミド樹脂皮膜層上に塗布、焼
き付けを行ない、皮膜厚さが約10μm(全厚さ30μ
m)のポリウレタン樹脂皮膜付き絶縁電線を得た。
【0291】得られた絶縁電線(2種類の樹脂皮膜層を
有する)を実施例1と同様に評価した。
【0292】その評価結果を表2に示す。
【0293】表1〜表2の結果から明らかな如く、本発
明の絶縁電線は、従来品(比較例)に比べ、一般特性にお
いて同等乃至それ以上の特性を有するとともに、優れた
はんだ付け性を有していることが明らかである。
【0294】すなわち、本発明の電線は耐熱性に優れる
とともに、はんだ付けも可能である優れた電線である。
【0295】
【発明の効果】本発明の絶縁電線は、電気特性、機械特
性及び化学特性を損なうことなく、耐熱性とはんだ付け
性の両立化を可能にしたものであり、トランス等の耐熱
性を要する電気機器に広く、作業性良く使用し得る効果
を有する。
【0296】また、本発明の絶縁塗料は、耐熱性と絶縁
性を必要とする皮膜として、各種の導体を被覆するのに
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁電線の断面図である。
【符号の説明】 1…導体、2…絶縁皮膜(ポリウレタン樹脂皮膜)、3
…絶縁皮膜(ポリイミド樹脂皮膜)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 3/30 D 9059−5G M 9059−5G 7/34 A 7244−5G (72)発明者 須藤 亮一 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 大津 満雄 岩手県水沢市真城字北野1番地株式会社日 立水沢エレクトロニクス内 (72)発明者 渡辺 孝三 岩手県水沢市真城字北野1番地株式会社日 立水沢エレクトロニクス内 (72)発明者 武田 博 東京都千代田区丸の内二丁目1番2号日立 電線株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多価アルコ−ル及び多価イソシアネ−トか
    らなるウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料を導体上に塗
    布し、焼き付けてポリウレタン樹脂皮膜層を形成し、さ
    らに、その上に、一般式(化1) 【化1】 で示されるポリアミド酸を含む絶縁塗料を塗布し、焼き
    付けてなる、ポリイミド樹脂皮膜層を有することを特徴
    とするはんだ付け可能な絶縁電線。但し、上記式中、X
    はアルキレン基又はアルキレンフェニレン基、R1は、
    化学式(化2) 【化2】 からなる群より選ばれる4価の有機基、Rは、化学式
    (化3) 【化3】 からなる群より選ばれる2価の有機基である。なお、h
    は2〜16の整数、iおよびjは2〜10、nは正の整
    数である。
  2. 【請求項2】多価アルコ−ル及び多価イソシアネ−トか
    らなるウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料を導体上に塗
    布し、焼き付けてポリウレタン樹脂皮膜層を形成し、さ
    らに、一般式(化4) 【化4】 で示されるヒドロキシルアミンと一般式(化5) 【化5】 で示されるテトラカルボン酸二無水物と、一般式(化6) 【化6】 で示されるジアミンとを、有機溶媒の存在下に反応さ
    せ、一般式(化7) 【化7】 で示されるポリアミド酸を生成させた後、これを含む絶
    縁塗料を上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗布し、焼き付
    けて、上記一般式(化7)中のアミド基とカルボキシル基
    とを分子内反応させてイミド化してポリイミド樹脂皮膜
    層とすることを特徴とするはんだ付け可能な絶縁電線の
    製造方法。但し、上記式中、Xはアルキレン基又はアル
    キレンフェニレン基、R1は、化学式(化8) 【化8】 からなる群より選ばれる4価の有機基、Rは、化学式
    (化9) 【化9】 からなる群より選ばれる2価の有機基である。なお、h
    は2〜16の整数、iおよびjは2〜10の整数、nは
    正の整数である。
  3. 【請求項3】上記ポリアミド酸絶縁塗料中に触媒量の第
    三級アミンを含むことを特徴とする請求項2記載のはん
    だ付け可能な絶縁電線の製造方法。
  4. 【請求項4】多価アルコ−ル及び多価イソシアネ−トか
    らなるウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料を導体上に塗
    布し、焼き付けてポリウレタン樹脂皮膜層を形成し、さ
    らに、その上に、一般式(化10) 【化10】 で示されるポリイミドを含む絶縁塗料を塗布し、焼き付
    けてなる、ポリイミド樹脂皮膜層を有する、はんだ付け
    可能な絶縁電線。但し、上記式中、Xはアルキレン基又
    はアルキレンフェニレン基、Rは、化学式(化11) 【化11】 からなる群より選ばれる4価の有機基、Rは、化学式
    (化12) 【化12】 からなる群より選ばれる2価の有機基である。なお、h
    は2〜16の整数、iおよびjは2〜10の整数、nは
    正の整数である。
  5. 【請求項5】多価アルコ−ル及び多価イソシアネ−トか
    らなるウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料を導体上に塗
    布し、焼き付けてポリウレタン樹脂皮膜層を形成し、さ
    らに、一般式(化13) 【化13】 で示されるヒドロキシルアミンと一般式(化14) 【化14】 で示されるテトラカルボン酸二無水物と、一般式(化1
    5) 【化15】 で示されるジアミンとを、有機溶媒の存在下に反応さ
    せ、一般式(化16) 【化16】 で示されるポリイミドを生成させた後、これを含む絶縁
    塗料を上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗布し、焼き付け
    ることを特徴とするはんだ付け可能な絶縁電線の製造方
    法。但し、上記式中、Xはアルキレン基又はアルキレン
    フェニレン基、R1は、化学式(化17) 【化17】 からなる群より選ばれる4価の有機基、Rは、化学式
    (化18) 【化18】 からなる群より選ばれる2価の有機基である。なお、h
    は2〜16の整数、iおよびjは2〜10の整数、nは
    正の整数である。
  6. 【請求項6】導体上にポリウレタン樹脂皮膜層を有し、
    さらに、その上に、一般式(化19) 【化19】 で示されるポリイミド樹脂皮膜層を有することを特徴と
    するはんだ付け可能な絶縁電線。但し、上記式中、R1
    は、化学式(化20) 【化20】 からなる群より選ばれる4価の有機基、Rは、化学式
    (化21) 【化21】 からなる群より選ばれる2価の有機基である。なお、h
    は2〜16の整数、iおよびjは2〜10の整数、nは
    正の整数である。
  7. 【請求項7】多価アルコ−ル及び多価イソシアネ−トか
    らなるウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料を導体上に塗
    布し、焼き付けてポリウレタン樹脂皮膜層を形成し、さ
    らに、一般式(化22) 【化22】 で示されるテトラカルボン酸二無水物と、一般式(化2
    3) 【化23】 で示されるジアミンとを、有機溶媒の存在下に反応さ
    せ、一般式(化24) 【化24】 で示されるポリアミド酸を生成させた後、これを含む絶
    縁塗料を上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗布し、焼き付
    けて、上記一般式(化24)中のアミド基とカルボキシ
    ル基とを分子内反応させてイミド化してポリイミド樹脂
    皮膜層とすることを特徴とするはんだ付け可能な絶縁電
    線の製造方法。但し、上記式中、R1は、化学式(化2
    5) 【化25】 からなる群より選ばれる4価の有機基、Rは、化学式
    (化26) 【化26】 からなる群より選ばれる2価の有機基である。なお、h
    は2〜16の整数、iおよびjは2〜10の整数であ
    る。また、nは正の整数である。
  8. 【請求項8】ポリアミド酸を含む絶縁塗料が触媒量の第
    三級アミンを含むことを特徴とする請求項7記載のはん
    だ付け可能な絶縁電線の製造方法。
  9. 【請求項9】多価アルコ−ル及び多価イソシアネ−トか
    らなるウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料を導体上に塗
    布し、焼き付けてポリウレタン樹脂皮膜層を形成し、さ
    らに、その上に、一般式(化27) 【化27】 で示されるポリイミドを含む絶縁塗料を塗布し、焼き付
    けることを特徴とする請求項6記載のはんだ付け可能な
    絶縁電線の製造方法。
  10. 【請求項10】多価アルコ−ル及び多価イソシアネ−ト
    からなるウレタン樹脂組成物を含む絶縁塗料を導体上に
    塗布し、焼き付けてポリウレタン樹脂皮膜層を形成し、
    さらに、一般式(化28) 【化28】 で示されるテトラカルボン酸二無水物と、一般式(化2
    9) 【化29】 で示されるジアミンとを、有機溶媒の存在下に反応さ
    せ、一般式(化30) 【化30】 で示されるポリアミド酸を生成させ、該ポリアミド酸を
    イミド化して、一般式(化31) 【化31】 で示されるポリイミドを生成させた後、これを含む絶縁
    塗料を上記ポリウレタン樹脂皮膜上に塗布し、焼き付け
    ることを特徴とするはんだ付け可能な絶縁電線の製造方
    法。但し、上記式中、Rは、化学式(化32) 【化32】 からなる群より選ばれる4価の有機基、Rは、化学式
    (化33) 【化33】 からなる群より選ばれる2価の有機基である。なお、h
    は2〜16の整数、iおよびjは2〜10の整数、nは
    正の整数である。
  11. 【請求項11】請求項10記載の電線において、ポリウ
    レタン樹脂皮膜層とポリイミド樹脂皮膜層の厚さの比
    は、絶縁特性の点から、5/95〜90/10の範囲と
    することを特徴とする絶縁電線。
  12. 【請求項12】前記Xが化学式(化34) 【化34】 からなる群より選ばれるアルキレン基又は化学式(化3
    5) 【化35】 からなる群より選ばれるアルキレンフェニレン基である
    ことを特徴とする請求項1又は4記載の絶縁電線。
  13. 【請求項13】前記Xが化学式(化36) 【化36】 からなる群より選ばれるアルキレン基又は化学式(化3
    7) 【化37】 からなる群より選ばれるアルキレンフェニレン基である
    ことを特徴とする請求項2、3又は5記載の絶縁電線の
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004238525A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Auto Kagaku Kogyo Kk ポリウレタン系電気絶縁塗料及びこれを用いたポリウレタン系絶縁電線
CN102276562A (zh) * 2011-05-28 2011-12-14 南昌大学 一种含有1,2,2-三甲基环戊基脂环结构的二酐及制备方法

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