JPH06203410A - 光学情報記録媒体 - Google Patents

光学情報記録媒体

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JPH06203410A
JPH06203410A JP50A JP160793A JPH06203410A JP H06203410 A JPH06203410 A JP H06203410A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 160793 A JP160793 A JP 160793A JP H06203410 A JPH06203410 A JP H06203410A
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JP50A
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Rie Kojima
理恵 児島
Noboru Yamada
昇 山田
Shigeaki Furukawa
惠昭 古川
Katsumi Kawahara
克巳 河原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 基板1上に光干渉層2、記録層3、光干渉層
4、光反射層5を順次スパッタリング法により積層し接
着性樹脂6を塗布してダミ−基板7と貼り合わせた構成
である。記録層3は結晶相とアモルファス相との間で可
逆的相変態を起こす材料を適用する。光反射層5はCu
を主成分とするCu−M合金を用い、MはSi,Ti,
Nb,Cr,Ni,Al,Znより選ばれ、添加濃度は
5原子%以下である。 【効果】 Cu−M合金薄膜のM濃度が5原子%以下で
あれば、Cu−M合金薄膜はCuの光学的特性と熱的特
性をあまり変化させずに耐食性の向上が図れる。また、
M濃度を調整することで熱伝導率の微調が可能であり、
ドライブの使用条件に応じてオ−バ−ライト特性を向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報を記録再
生消去する情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学情報記録媒体として例えば光ディス
クは、一般に記録層・光反射層・光干渉層を有する多層
構造になっており、多重干渉効果を利用して信号を読み
出す。
【0003】光反射層は記録層に吸収される光量を増大
させるとともに、記録層で生じた熱を速やかに拡散させ
る働きも兼ねている。光反射層の材料としては熱伝導率
や反射率の大きな材料として、例えばAu,Al等が用
いられていた。特にAuは耐食性にも優れており、膜厚
を薄くして且つ急冷条件を満足する光反射層材料として
は最も適している。また、耐食性を上げる目的でAlに
Ti,Cr等を添加することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Auは
Alや他の金属と比べると非常に高価であり、媒体のコ
スト増につながる。また、特性的には単元素であるので
光学特性および熱的特性はAu固有の値であり、媒体の
使用条件に合わせて特性を調整することが不可能、とい
う課題を有していた。
【0005】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、Auよりもはるかに低コストでしかもAuとほぼ同
等の光学特性及び熱的特性を有し、かつ特性の微調整の
可能な反射層を適用した光学情報記録媒体の提供を目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の光学情報記録媒体は、光を吸収し物理的ま
たは化学的変化を生ずる記録層と、記録層に吸収される
光量を増大させるための光反射層と、光の行路長を調節
して記録層への光吸収効率を高めるための光干渉層とを
基板上に備えた光学情報記録媒体において、光反射層と
してCu−M合金を主成分とする薄膜を用いる(MはS
i,Ti,Nb,Cr,Ni,Al,Znより選ばれ
る)。
【0007】
【作用】添加物Mを含むCu−M合金は、Auよりもは
るかにコストが低い。しかもM濃度が小さい間はAuと
非常に近い光学定数ならびにAuと同じオーダーの大き
な熱伝導率を示す。また純Cuに比べると耐食性も向上
する。したがって、この合金材料を反射層として用いる
ことで媒体の低コスト化が図れ、しかもAuを用いた場
合に匹敵する記録特性が実現される。
【0008】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0009】図1に、本発明の光学情報記録媒体の一構
成例を示す。基板1の上に第1の光干渉層2、記録層
3、第2の光干渉層4、光反射層5を順次積層して接着
性樹脂6を塗布してダミー基板7と貼り合わせた構造と
した。基板1としては同心円またはスパイラル状の案内
溝を有するPMMA・ポリカ−ボネ−ト・アモルファス
ポリオレフィン等の樹脂またはガラス等、通常光ディス
クに用いられる透明で表面の平滑なものを選んだ。
【0010】ダミー基板7としては、基板1と同じもの
を用いることができる。第1の光干渉層2及び第2の光
干渉層4は誘電体薄膜であり、例えばSiO2,Zr
2、TiO2,Ta25等の酸化物、BN、Si34
AlN,TiN等の窒化物、ZnS,PbS等の硫化
物、SiC等の炭化物、CaF2等のフッ化物、ZnS
e等のセレン化物及びこれらの混合物としてZnS−S
iO2、SiNO等、あるいはダイヤモンド薄膜、ダイ
ヤモンドライクカーボン等を用いることができる。これ
らの薄膜は、蒸着、スパッタリング等の方法により形成
することができる。これらの光干渉層の働きは、一つに
は記録と消去を繰り返した時に記録層3が破壊されるの
を防止することであり、一つには多重干渉効果を利用し
て記録層3への光吸収効果を高めることであり、同時に
記録前後の反射光量または透過光量の変化を大きくして
CN比を上げることである。記録層3が光磁気記録膜の
場合には、反射光に対してはカ−効果を、透過光に対し
てはファラデ−効果を高めてCN比を上げる役割を果た
す。第1及び第2の光干渉層の膜厚は、例えばマトリク
ス法(例えば久保田広著「波動光学」岩波書店、197
1年、第3章を参照)に基づく計算によって、記録前後
の反射率変化がなるべく大きくなるように、また吸収率
が十分大きくなるようにといった点を満足するように厳
密に決定することができる。反射率変化と吸収率差(記
録層における結晶部での吸収率とアモルファス部での吸
収率との差)については光メモリーシンポジウム’92
論文集P.21〜22参照。
【0011】記録層3の材料としては、結晶相とアモル
ファス相との間で可逆的な相変態を起こす材料薄膜とし
て、代表的にはGe−Sb−Te,Ge−Te,In−
Sb−Te,Sb−Te,Ge−Sb−Te−Pd,A
g−Sb−In−Te,Ge−Bi−Sb−Te,Ge
−Bi−Te,Ge−Sn−Te、Ge−Sb−Te−
Se,Ge−Bi−Te−Se、Ge−Te−Sn−A
u等の系、あるいはこれらの系に酸素、窒素等の添加物
を加えた系を用いることができる。また希土類元素と遷
移金属元素よりなる光磁気記録材料としてTbーFeー
Co、GdーTbーFeーCo、DyーFeーCo、G
dーDyーFeーCo等を用いることもできる。
【0012】光反射層5としては、Cuを主成分とする
Cu−M合金を用いる。添加元素MはCuの耐食性を向
上させる上でSi、Ti、Nb、Cr、Ni、Al、Z
nが有効であり、Cu−Si、Cu−Ti、Cu−N
b、Cu−Cr、Cu−Ni、Cu−Al、Cu−Zn
合金薄膜を用いた。光反射層は、記録層に吸収される光
量を増大させる働きとともに、記録層で生じた熱を速や
かに拡散させる働きも兼ねているので、反射率が大きい
ことと熱伝導率が大きいことが要求される。そこでMと
しては、光学特性をほとんど変えないで耐食性を向上さ
せる元素が好ましい。組成的には経年変化で分相が生じ
ない、特性の連続的な制御が容易であるという見地から
固溶領域に選ぶことが好ましい。したがって、Mによっ
て異なるがその濃度は高々10原子%、望ましくは5原
子%以下である。
【0013】Cu−M合金薄膜のスパッタによる形成方
法は、Cuタ−ゲットとMタ−ゲットを用いて2元から
基板上に同時にスパッタリングする方法、Cu−Mの合
金タ−ゲットを用いてスパッタリングする方法がある。
また、Cu,Mの2ソ−スから蒸着して形成することも
できる。イオンプレ−ティングによる形成も可能であ
る。
【0014】以下、Cu−Siを例にとって本発明を詳
しく説明する。 (実施例1)1つの真空チャンバー中に直径100mm
のターゲットに対応する4つのカソードを備えたスパッ
タ装置を用い、様々な組成のCu−Si合金を作成し
た。まずCu及びSi各々のスパッタレートを測定する
ために、Cu及びSiの各々について単独に石英ガラス
基板上にスパッタした。Si濃度の小さい組成を試すた
めには、CuとSiの成膜レートの差を十分大きくしな
ければならない。したがってCuはRFスパッタ法によ
り1.0〜2.0kWの高パワーで、SiはDCスパッ
タ法により50〜400Wの低パワーでスパッタした。
Arガス圧力は2mTorrである。段差計により膜厚
を測定し、成膜レートを求めた。得られたCu及びSi
の成膜レートと各々の密度から組成比を求めた結果を
(表1)に示す。この結果から、Si濃度1原子%以下
という微量でもCu及びSiの成膜レート差を十分大き
くすることで調整可能であることが確認された。
【0015】
【表1】
【0016】(実施例2)実施例1で得られた成膜レー
トと組成比の結果から、CuターゲットとSiターゲッ
トを同時にスパッタして、Cu−Si合金薄膜の屈折率
nと消衰係数kを決定するための薄膜サンプルを作製し
た。これらのサンプルは、Si濃度の変化に対する光学
特性の変化を調べるためにSi濃度を少しずつ変え、ま
た計算の精度をあげるために各々約20nmの極く薄い
膜にして、高い透過率が得られるようにした。段差計に
より膜厚を、スペクトロメーターにより反射率と透過率
を測定し、測定結果を元に計算を行いnとkを決定し
た。その結果を図2(a)、(b)に示す。Si濃度を
0〜8.5原子%の範囲で変える間に、nは0.27〜
0.73まで直線的に変化したが、変化量は小さかっ
た。またkの値は、Si濃度が変化してもほとんど変化
せずほぼ4.8であった。
【0017】次にCu及びCu−Siの熱的特性につい
て説明する。(表2)に室温におけるCu、Cu−S
i、Au,Alの熱伝導率を示す。
【0018】
【表2】
【0019】CuーSi合金では、Siの添加濃度によ
って熱伝導率を連続的に変化させることができる。Cu
にSiを微量に添加していくと熱伝導率は徐徐に小さく
なり、8原子%程度添加するとCuの熱伝導率の約10
分の1ほどになる。Au及びAlの熱伝導率と比較する
と、Si濃度0.5原子%弱でほぼ同じ熱伝導率が得ら
れることがわかる。つまりCu−Si合金では、光学特
性を大きく変えることなく熱的特性のみを変えることが
可能であることがわかった。
【0020】(実施例3)実施例2で決定した各Si濃
度に対するn,kの値を用いてマトリクス法により第1
及び第2の光干渉層の膜厚を決定した。光干渉層にはZ
nS−SiO2混合物膜を用い、記録層3は厚さ30n
mのGe−Sb−Te膜、光反射層5のCu−Si合金
薄膜は10nmに固定して計算を行った。波長は780
nmである。その結果、例えばアモルファス部と結晶部
の間の反射率変化が15%以上、結晶部の吸収率がアモ
ルファス部よりも5%以上大きい、かつ結晶部での吸収
率が50%以上であるということを基準にとると、第1
の光干渉層2が81nm、第2の光干渉層4が150n
mの各膜厚条件が好ましかった。(各値は±5%程度の
膜厚許容巾があった。) またその結果は、Si濃度0〜5原子%まで同膜厚であ
った。これによってSi濃度のかなり広い組成範囲に渡
って光学特性への影響がないことが示された。
【0021】(実施例4)実施例3の計算結果を元にデ
ィスクを試作し、最内周部と最外周部における記録特性
及び消去特性を評価した結果を示す。1.2μmピッチ
の案内溝が形成された直径300mmのポリカ−ボネ−
ト基板1上に、第1の光干渉層2のZnS−SiO2
81nm、記録層3のGeSbTeを30nm、第2の
光干渉層4のZnS−SiO2を150nm、光反射層
5のCu−Siを10nm順次スパッタリング法により
積層し、接着性樹脂を塗布してダミー基板7を接着し
た。同じ構成で、光反射層のSi濃度が異なるディスク
を8枚試作した。
【0022】ディスクを毎分1800回転で回転させ、
記録ピ−クパワ−と消去バイアスパワ−は図3に示すよ
うな変調レ−ザ−パワ−レベルで照射した。レーザー波
長は780nmである。最内周部の線速度は8m/s、
最外周部の線速度は27m/sである。まず、記録ピー
クパワーに対するCN比の変化を最内周部及び最外周部
において測定した。最内周部は、消去バイアスパワーを
5mWに固定して記録ピークパワーを10mWから23
mWまで1mWずつ変化させてCN比を測定した。記録
信号は6.5MHzの単一周波数とし、パルス幅30n
secである。最外周部は消去バイアスパワーを10m
Wに固定して記録ピークパワーを15mWから28mW
まで1mWずつ変化させてCN比を測定した。記録信号
は22MHzの単一周波数とし、パルス幅14nsec
である。次に消去バイアスパワ−の変化に対するオ−バ
−ライト消去率を最内周部及び最外周部において測定し
た。最内周部は、記録ピークパワーを20mWに固定し
て消去バイアスパワーを4mWから11mWまで1mW
ずつ変化させてオーバーライト消去率を測定した。オー
バーライト消去率は、6.5MHz(f1)の信号を記
録してCN比を測定し、次に2.5MHz(f2)の信
号をオ−バ−ライトして、f1成分の減衰比から測定し
た。最外周部は、記録ピークパワーを25mWに固定し
て消去バイアスパワーを9mWから16mWまで1mW
ずつ変化させてオーバーライト消去率を測定した。f1
=22MHz、f2=8MHzである。比較のため、光
反射層にAuを用いた場合とAlCrを用いた場合の結
果も併せて(表3)に示す。
【0023】
【表3】
【0024】この結果、Cu−Si合金薄膜のSi濃度
が5原子%以下であるディスク1〜6については最内周
部から最外周部まで、Auを用いた場合と同様にCN比
≧50dBで消去率≧30dBという結果が得られてい
る。特に最内周部の消去率についてはAlCrよりもは
るかに高い値を示すことがわかる。しかしSi濃度が8
原子%であるディスク7は、最外周部の消去率は30d
Bが得られているが、最内周部の消去率が20dB程度
まで低下している。さらにSiを10原子%まで添加し
たディスク8は内外周部共に消去率が20dB以下にな
り、CN比も低下している。これらの結果から、Si濃
度は5原子%以下が望ましいことがわかる。また、最内
周部ではSi濃度が0〜0.6原子%、最外周部ではS
i濃度が5原子%のときにより高い消去率が得られてお
り、ディスクの内周部から外周部に向かってSi濃度を
増加させることにより、さらにディスク全周における消
去率を向上させることが可能である。したがって、光デ
ィスクの外周部の高線速条件においてはSi濃度をやや
多めにすることで熱伝導率を小さくして冷却速度を抑
え、最内周部の低線速条件においてはSi濃度を極微量
にすることで熱伝導率を大きくして冷却速度を上げるこ
とにより線速比の大きい場合にも、高いCN比と良好な
オ−バ−ライト特性が得られることが確認できた。
【0025】(実施例5)実施例4のディスクと同時に
スパッタした薄膜サンプルの光学特性を評価した。薄膜
はディスクと同じ膜構成で、石英ガラス上に積層されて
いる。波長780nmにおける反射率と透過率をスペク
トロメータにより測定した。吸収率は反射率と透過率よ
り求めた。反射率と吸収率を記録層が結晶相の場合とア
モルファス相の場合について(表4)に示す。この場合
の吸収率は、光反射層と記録層の吸収率を合わせた値で
ある。AuとAlCrのサンプルについても比較のため
に示す。
【0026】
【表4】
【0027】光反射層にCu−Si合金薄膜を用いたサ
ンプル1〜8の中でも、特にサンプル1〜6はAuを用
いた場合と反射率及び吸収率が非常に近い値を示した。
これは、実施例4におけるCN比と消去率の測定結果が
Cu−Si合金とAuでほぼ同等であったことと一致し
ている。また、サンプル7及び8は結晶相とアモルファ
ス相の吸収率差が小さくなっているために消去率が低下
し、反射率変化も小さいのでCN比が低下したものと思
われる。またAlCrを用いた場合に低消去率であった
のは、アモルファス相の吸収率が結晶相の吸収率よりも
大きいためであることが実測で確認できた。したがって
光反射層にCu−Si合金薄膜を用い、Si添加濃度を
5原子%程度にした場合、Auを用いた場合と同等の性
能が得られることがわかる。
【0028】(実施例6)高線速条件での消去率を上げ
るためには、結晶部とアモルファス部の到達温度を同じ
にする必要がある。そのためには、結晶部のみ有する融
解潜熱の分だけ結晶部の吸収率をアモルファス部の吸収
率より大きくする必要がある。Au反射層を用いた場合
についてはその条件を満足する光干渉層の膜厚条件があ
ることが確認されている。(光メモリーシンポジウム’
92論文集P.21〜22参照)そこで、実施例5と同
様に石英ガラス基板、光反射層のZnS−SiO2混合
物薄膜、記録層のGeSbTe薄膜を用いて波長780
nmを前提に、記録層の厚さを20nmから65nm、
光反射層のCu−Si合金薄膜の膜厚を3nmから40
nmまで変えた、各種の薄膜サンプルを試作し、その光
学特性を評価した。(表5)は試作した薄膜サンプルに
ついての特性評価結果を示す。表中、○印はΔR≧15
%かつΔA≧5%を満足する第1及び第2の光干渉層の
膜厚条件が十分広い膜厚域(例えば±5%以上)をもっ
て存在すること、△印はΔR≧15%かつΔA≧5%を
満足する光干渉層の膜厚条件があること、×印は上記条
件が満たされないことを示す。
【0029】
【表5】
【0030】この評価から、Cu−Si合金薄膜の膜厚
を15nm以下に選べば、記録層の結晶部の吸収率がア
モルファス部の吸収率よりも大きくなる光干渉層の膜厚
条件が広く存在することが確認できた。
【0031】(実施例7)実施例1、2、3、4、5、
6を添加元素Ti、Nb、Cr、Ni、Al、Znにつ
いても行い同様の良好な結果を得た。
【0032】(実施例8)記録層が光磁気記録膜である
場合についても説明する。1.5μmピッチの案内溝が
形成された直径300mmのポリカ−ボネ−ト基板1上
に、第1の光干渉層2のZnS−SiO2を50nm、
記録層3のGdTbTeCoを40nm、第2の光干渉
層4のZnS−SiO2を100nm、光反射層5のC
u−Siを100nm順次スパッタリング法により積層
し、接着性樹脂を塗布してダミー基板7を接着した。同
じ構成で、光反射層のSi濃度が異なるディスクを6枚
試作した。第1の光干渉層2及び第2の光干渉層4の膜
厚は反射率が低くカー回転角が最大になるように計算に
より決定した。また、記録層を薄くして光反射層を厚く
することによりカー回転だけでなくファラデー回転も利
用して見かけ上の回転角を増加させるようにした。試作
したディスクのカー回転角は0.9〜1.0度という大
きな値が得られ、光反射層にAlまたはAl合金を用い
た場合と同等の磁気特性を示すことが確認できた。
【0033】次に記録消去パワー特性について説明す
る。最内周部と最外周部において評価した。ディスクを
毎分1800回転で回転させ、予め磁化の向きを消去方
向にそろえたトラックに外部磁界を400Gauss印
加して記録パワーのみ変調して、3.7MHzの単一周
波数の信号を記録し、CN比と2次高調波を測定した。
【0034】記録した信号を連続消去パワーで消去し、
信号の減衰比から消去率を測定した。
【0035】記録パワー特性の評価結果を(表6)及び
消去パワー特性の評価結果を(表7)に示す。
【0036】比較のため光反射層にAlTi、AlC
r、Alを用いた場合の結果についても示す。記録感度
は、2次高調波が最小となる記録パワーである。
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】この結果Cu−Si反射層を光磁気記録膜
に用いても、高いCN比と記録感度が得られ、消去率に
ついても全く問題ないことが確認できた。同様の実験を
Cu−Ti、Cu−Nb、Cu−Cr、Cu−Ni、C
u−Al、Cu−Zn合金薄膜についても行った結果S
iと同等の性能が得られ、光磁気記録媒体にもCu−M
合金薄膜が適用できることがわかった。
【0040】(実施例9)Cu−M合金薄膜の耐食性に
ついて検討した結果について説明する。石英ガラス基板
上にCu,Cu−Si,Cu−Ti,Cu−Nb,Cu
−Cr,Cu−Ni,Cu−Al,Cu−Znをスパッ
タリング法により形成した。添加元素の濃度は、いずれ
も5原子%程度で膜厚は約100nmである。これらの
薄膜サンプルを85℃85%RHの環境下に300時間
放置した。比較のため、Au薄膜のサンプルも同時に試
験を行った。薄膜の腐食状況を表8に示す。
【0041】
【表8】
【0042】この結果からCu単体では耐食性が不十分
であるが、CuにSi,Ti,Nb,Cr,Ni,A
l,Znを添加することにより耐食性が向上し、Auと
同等の耐食性を有することがわかる。
【0043】なお、ディスクの構成としては図1に限ら
れるものではなく、図4(a)、(b)、(c)のよう
な構成でも良い。また、薄膜が積層された基板をホット
メルト等の接着性樹脂で貼り合わせた両面構造やエアー
ギャップ構造の両面ディスクでももちろん良い。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、光を吸収し物理
的または化学的変化を生ずる記録層と、記録層に吸収さ
れる光量を増大させるための光反射層と、光の行路長を
調節して記録層への光吸収効率を高めるための光干渉層
とを基板上に備えた光学情報記録媒体であって、光反射
層がCu−M合金を主成分とする薄膜で形成され、M
は、Si,Ti,Nb,Cr,Ni,Al,Znより選
ばれることにより、Auと非常に近い屈折率と消衰係数
を示し、またAuと同等の熱伝導率を有し、且つ耐食性
に優れた低コストな光反射層を有する優れた光学的情報
記録媒体を実現できる。さらにM濃度を選択することに
より熱伝導率の微調ができ、記録薄膜材料の特性(組
成、膜厚等)および線速度等に応じて特性の調整が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例における光学情報記録媒体の
部分断面図
【図2】(a)は本発明の第2の実施例におけるSi濃
度(原子%)に対する屈折率nの変化を示す特性図 (b)は本発明の第2の実施例におけるSi濃度(原子
%)に対する消衰係数kの変化を示す特性図
【図3】第4の実施例における光学情報記録媒体への照
射パワー出力波形図
【図4】第9の実施例における光学情報記録媒体の部分
断面図
【符号の説明】
1 基板 2 第1の光干渉層 3 記録層 4 第2の光干渉層 5 光反射層 6 接着性樹脂 7 ダミー基板 8 第3の光干渉層 9 第4の光干渉層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河原 克巳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を吸収し物理的または化学的変化を生ず
    る記録層と、上記記録層に吸収される光量を増大させる
    ための光反射層と、光の行路長を調節して上記記録層へ
    の光吸収効率を高めるための光干渉層とを基板上に備え
    た光学情報記録媒体であって、上記光反射層がCu−M
    合金を主成分とする薄膜で形成され、Mは、Si,T
    i,Nb,Cr,Ni,Al,Znより選ばれることを
    特徴とする光学情報記録媒体。
  2. 【請求項2】基板がディスク状であることを特徴とする
    請求項1記載の光学情報記録媒体。
  3. 【請求項3】Cu−M合金薄膜の組成をCu100ーXX
    としたとき、Xを0<X≦5(原子%)の範囲に選ぶこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学情報記録媒体。
  4. 【請求項4】ディスク状媒体の内周部から外周部に向か
    って、Cu−M合金のMの濃度が増加することを特徴と
    する請求項2記載の光学情報記録媒体。
  5. 【請求項5】Cu−M合金薄膜の膜厚dを5≦d≦10
    0(nm)の範囲に選ぶことを特徴とする請求項1記載
    の光学情報記録媒体。
  6. 【請求項6】記録層が、結晶相とアモルファス相との間
    で可逆的に相変態を起こす材料よりなる相変化記録膜で
    あることを特徴とする請求項1記載の光学情報記録媒
    体。
  7. 【請求項7】記録層が、膜面に垂直な方向に磁化容易軸
    を有する希土類ー遷移金属合金よりなる光磁気記録膜で
    あることを特徴とする請求項1記載の光学情報記録媒
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990042064A (ko) * 1997-11-25 1999-06-15 윤종용 귀금속 반사층을 구비한 상변화 광디스크
GB2613351A (en) * 2021-11-30 2023-06-07 Imperial College Innovations Ltd Magnetic media

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