JPH062032A - 鋼板の焼鈍酸洗方法 - Google Patents
鋼板の焼鈍酸洗方法Info
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- JPH062032A JPH062032A JP16564192A JP16564192A JPH062032A JP H062032 A JPH062032 A JP H062032A JP 16564192 A JP16564192 A JP 16564192A JP 16564192 A JP16564192 A JP 16564192A JP H062032 A JPH062032 A JP H062032A
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- JP
- Japan
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- pickling
- annealing
- stainless steel
- steel sheet
- flame
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- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 加熱能力を増大させて脱スケール性を向上さ
せる。 【構成】 鋼板の焼鈍酸洗方法において、焼鈍炉41に
直火バーナ42を設け、熱間圧延ステンレス鋼板11を
空気比1以上の状態で単位時間当たりの温度上昇量30
℃/S以上で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗
に適する温度まで冷却した後に酸洗を行うようにし、ま
た、空気比1未満の状態では任意の単位時間当たりの温
度上昇量で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に
適する温度まで冷却した後に酸洗を行う。
せる。 【構成】 鋼板の焼鈍酸洗方法において、焼鈍炉41に
直火バーナ42を設け、熱間圧延ステンレス鋼板11を
空気比1以上の状態で単位時間当たりの温度上昇量30
℃/S以上で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗
に適する温度まで冷却した後に酸洗を行うようにし、ま
た、空気比1未満の状態では任意の単位時間当たりの温
度上昇量で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に
適する温度まで冷却した後に酸洗を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱間圧延ステンレス鋼板
などを連続的に焼鈍酸洗する鋼板の焼鈍酸洗方法に関す
る。
などを連続的に焼鈍酸洗する鋼板の焼鈍酸洗方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図4に従来の熱間圧延ステンレス鋼板の
連続焼鈍酸洗装置を表す処理ラインの概略構成を示す。
連続焼鈍酸洗装置を表す処理ラインの概略構成を示す。
【0003】図4に示すように、熱間圧延ステンレス鋼
板11はペイオフリール12から巻き出されてシャー1
3及びウェルダ14、ピンチロール15、ルーピングピ
ット16、ブライドルロール17を経て焼鈍炉18に送
られる。この焼鈍炉18は側面部に複数のサイドバーナ
19が取付けられており、このサイドバーナ19で形成
される火炎は直接ステンレス鋼板11には衝突せず、壁
面及び火炎からの熱輻射によって間接的にステンレス鋼
板11を加熱する。この焼鈍炉18において、オーステ
ナイト系ステンレス鋼では最高約1150℃、フェライ
ト系ステンレス鋼では最高約880℃まで加熱されて再
結晶軟化が行われる。
板11はペイオフリール12から巻き出されてシャー1
3及びウェルダ14、ピンチロール15、ルーピングピ
ット16、ブライドルロール17を経て焼鈍炉18に送
られる。この焼鈍炉18は側面部に複数のサイドバーナ
19が取付けられており、このサイドバーナ19で形成
される火炎は直接ステンレス鋼板11には衝突せず、壁
面及び火炎からの熱輻射によって間接的にステンレス鋼
板11を加熱する。この焼鈍炉18において、オーステ
ナイト系ステンレス鋼では最高約1150℃、フェライ
ト系ステンレス鋼では最高約880℃まで加熱されて再
結晶軟化が行われる。
【0004】そして、焼鈍炉18から送り出されたステ
ンレス鋼板11は均熱炉20に送られてここで一定時間
保持されCr炭化物の均一な固溶化が行われる。この均
熱炉20も側面部に複数のサイドバーナ21が取付けら
れており、このサイドバーナ21で形成される火炎の熱
輻射により炉内が均熱温度に保持され、ステンレス鋼板
11の均熱が行われる。均熱炉20から出されたステン
レス鋼板11は冷却帯22に入り、酸洗に適した温度ま
で冷却される。
ンレス鋼板11は均熱炉20に送られてここで一定時間
保持されCr炭化物の均一な固溶化が行われる。この均
熱炉20も側面部に複数のサイドバーナ21が取付けら
れており、このサイドバーナ21で形成される火炎の熱
輻射により炉内が均熱温度に保持され、ステンレス鋼板
11の均熱が行われる。均熱炉20から出されたステン
レス鋼板11は冷却帯22に入り、酸洗に適した温度ま
で冷却される。
【0005】熱間圧延ステンレス鋼板11は圧延時及び
焼鈍時に極めて厚いスケールが形成されるので、ショッ
トブラスト23などの機械的脱スケール法にて予めこの
スケールを破壊除去あるいはクラックさせておく。その
後、硫酸または硝沸酸を溜めた3つの酸洗槽24を通過
させて完全な脱スケールを行う。そして、酸洗槽24を
出たステンレス鋼板11はスクラバー25、リンスタン
ク26、ドライヤー27、ブライドルロール28、ルー
ピングピット29、ブライドルロール30、シャー31
を経てテンションロール32に巻き取られる。
焼鈍時に極めて厚いスケールが形成されるので、ショッ
トブラスト23などの機械的脱スケール法にて予めこの
スケールを破壊除去あるいはクラックさせておく。その
後、硫酸または硝沸酸を溜めた3つの酸洗槽24を通過
させて完全な脱スケールを行う。そして、酸洗槽24を
出たステンレス鋼板11はスクラバー25、リンスタン
ク26、ドライヤー27、ブライドルロール28、ルー
ピングピット29、ブライドルロール30、シャー31
を経てテンションロール32に巻き取られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の熱間圧
延ステンレス鋼板の連続焼鈍酸洗装置にあっては、焼鈍
炉18において側面にサイドバーナ19が取付けられて
おり、ステンレス鋼板11はこのバーナ火炎及びバーナ
火炎で加熱された壁面からの熱輻射により間接的に加熱
されていた。ところが、このようにステンレス鋼板11
を壁面及び火炎からの熱輻射により間接的にステンレス
鋼板11を加熱する方法ではステンレス鋼板11の加熱
能力に限界があり、また、ステンレス鋼板11の脱スケ
ール性も良くなかった。
延ステンレス鋼板の連続焼鈍酸洗装置にあっては、焼鈍
炉18において側面にサイドバーナ19が取付けられて
おり、ステンレス鋼板11はこのバーナ火炎及びバーナ
火炎で加熱された壁面からの熱輻射により間接的に加熱
されていた。ところが、このようにステンレス鋼板11
を壁面及び火炎からの熱輻射により間接的にステンレス
鋼板11を加熱する方法ではステンレス鋼板11の加熱
能力に限界があり、また、ステンレス鋼板11の脱スケ
ール性も良くなかった。
【0007】また、ステンレス鋼板11の熱輻射による
加熱能力を上昇させるには、バーナ火炎の温度を上昇さ
せたり、炉の壁面温度を上昇させて輻射熱流束増大させ
る必要があるが、この場合、炉壁の耐久性が著しく低下
したり、炉の本体から放射熱や排ガス持出し熱が増大し
たりした熱効率が低下してしまうという問題を生じてし
まう。従って、従来の焼鈍酸洗装置では、加熱能力を極
めて大きくすることができず、焼鈍炉18の全長を長く
してステンレス鋼板11を終端温度まで加熱することで
対応していた。
加熱能力を上昇させるには、バーナ火炎の温度を上昇さ
せたり、炉の壁面温度を上昇させて輻射熱流束増大させ
る必要があるが、この場合、炉壁の耐久性が著しく低下
したり、炉の本体から放射熱や排ガス持出し熱が増大し
たりした熱効率が低下してしまうという問題を生じてし
まう。従って、従来の焼鈍酸洗装置では、加熱能力を極
めて大きくすることができず、焼鈍炉18の全長を長く
してステンレス鋼板11を終端温度まで加熱することで
対応していた。
【0008】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、焼鈍処理において加熱能力を増大させて脱スケ
ール性の向上を図った鋼板の焼鈍酸洗方法を提供するこ
とを目的とする。
あって、焼鈍処理において加熱能力を増大させて脱スケ
ール性の向上を図った鋼板の焼鈍酸洗方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の鋼板の焼鈍酸洗方法は、鋼板の焼鈍酸洗装
置において、鋼板を空気比1以上の状態で単位時間当た
りの温度上昇量30℃/S以上で加熱した後に均熱処理
を行い、次に、酸洗に適する温度まで冷却した後に酸洗
を行うことを特徴とするものである。
めの本発明の鋼板の焼鈍酸洗方法は、鋼板の焼鈍酸洗装
置において、鋼板を空気比1以上の状態で単位時間当た
りの温度上昇量30℃/S以上で加熱した後に均熱処理
を行い、次に、酸洗に適する温度まで冷却した後に酸洗
を行うことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の鋼板の焼鈍酸洗方法は、鋼
板を空気比1未満の状態で任意の単位時間当たりの温度
上昇量で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に適
する温度まで冷却した後に酸洗を行うことを特徴とする
ものである。
板を空気比1未満の状態で任意の単位時間当たりの温度
上昇量で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に適
する温度まで冷却した後に酸洗を行うことを特徴とする
ものである。
【0011】
【作用】鋼板を空気比1以上の状態で単位時間当たりの
温度上昇量30℃/S以上で加熱した後に冷却したこと
で、鋼板の加熱速度が上昇して脱スケール性が向上され
る。また、空気比1未満の状態では、鋼板を任意の単位
時間当たりの温度上昇量で加熱した後に冷却すると、前
述と同様に、脱スケール性が向上される。
温度上昇量30℃/S以上で加熱した後に冷却したこと
で、鋼板の加熱速度が上昇して脱スケール性が向上され
る。また、空気比1未満の状態では、鋼板を任意の単位
時間当たりの温度上昇量で加熱した後に冷却すると、前
述と同様に、脱スケール性が向上される。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
に説明する。
【0013】図1に本発明の一実施例に係る鋼板の焼鈍
酸洗方法を実施するための熱間圧延ステンレス鋼板の連
続焼鈍酸洗装置を表す処理ラインの概略構成、図2に直
火バーナの断面、図3にヒートサイクルの説明を示す。
なお、従来と同様の機能を有する部材には同一の符号を
付して重複する説明は省略する。
酸洗方法を実施するための熱間圧延ステンレス鋼板の連
続焼鈍酸洗装置を表す処理ラインの概略構成、図2に直
火バーナの断面、図3にヒートサイクルの説明を示す。
なお、従来と同様の機能を有する部材には同一の符号を
付して重複する説明は省略する。
【0014】本実施例の鋼板の焼鈍酸洗装置にあって
は、焼鈍炉において熱間圧延ステンレス鋼板を直火バー
ナによって直接加熱している。即ち、図1に示すよう
に、ブライドルロール17と均熱炉20との間には焼鈍
炉41が設けられている。そして、この焼鈍炉41には
搬送されるステンレス鋼板11に対して垂直方向対向す
る直火バーナ42が、そのステンレス鋼板11の幅方向
及び走行方向に複数が取付けられている。この直火バー
ナ42からは高温高速の火炎を噴射することができ、ス
テンレス鋼板11に衝突させることによってステンレス
鋼板11の急速加熱を行鵜事ができるようになってい
る。
は、焼鈍炉において熱間圧延ステンレス鋼板を直火バー
ナによって直接加熱している。即ち、図1に示すよう
に、ブライドルロール17と均熱炉20との間には焼鈍
炉41が設けられている。そして、この焼鈍炉41には
搬送されるステンレス鋼板11に対して垂直方向対向す
る直火バーナ42が、そのステンレス鋼板11の幅方向
及び走行方向に複数が取付けられている。この直火バー
ナ42からは高温高速の火炎を噴射することができ、ス
テンレス鋼板11に衝突させることによってステンレス
鋼板11の急速加熱を行鵜事ができるようになってい
る。
【0015】直火バーナ42において、図2に示すよう
に、焼鈍炉本体51には支持筒52が固定され、この支
持筒52の先端部には燃焼筒53が接続されている。ま
た、支持筒52の内部には後部からパイロットバーナ5
4が貫通すると共に、燃焼ノズル55及びミキサ56が
装着されている。なお、燃焼筒53の先端部は高速の火
炎を噴射することができるように絞り込まれた形状とな
っている。従って、空気と燃料が支持筒52の後部から
供給されてミキサ56を通過することで両者が混合さ
れ、燃焼ノズル55から混合ガスが噴射される。ここで
混合ガスはパイロットバーナ54によって点火されて燃
焼筒53内で燃焼しながらその先端から高温高速の火炎
57を噴射する。
に、焼鈍炉本体51には支持筒52が固定され、この支
持筒52の先端部には燃焼筒53が接続されている。ま
た、支持筒52の内部には後部からパイロットバーナ5
4が貫通すると共に、燃焼ノズル55及びミキサ56が
装着されている。なお、燃焼筒53の先端部は高速の火
炎を噴射することができるように絞り込まれた形状とな
っている。従って、空気と燃料が支持筒52の後部から
供給されてミキサ56を通過することで両者が混合さ
れ、燃焼ノズル55から混合ガスが噴射される。ここで
混合ガスはパイロットバーナ54によって点火されて燃
焼筒53内で燃焼しながらその先端から高温高速の火炎
57を噴射する。
【0016】次に、本実施例の焼鈍酸洗装置によるヒー
トサイクルを説明する。ここでは、板厚が6.4mmのス
テンレス鋼板11を用い、本実施例の直火バーナ42に
よる処理と従来のサイドバーナによる処理を比較して表
している。図3に示すように、処理工程として加熱処
理、均熱処理、冷却処理があり、それぞれの処理時間を
表しているが、本実施例の直火バーナ42による加熱処
理はステンレス鋼板11を直接加熱しているために加熱
速度が早く、即ち、短時間で焼鈍温度まで上昇すること
ができ、従来のサイドバーナによる加熱処理時間の半分
となっている。
トサイクルを説明する。ここでは、板厚が6.4mmのス
テンレス鋼板11を用い、本実施例の直火バーナ42に
よる処理と従来のサイドバーナによる処理を比較して表
している。図3に示すように、処理工程として加熱処
理、均熱処理、冷却処理があり、それぞれの処理時間を
表しているが、本実施例の直火バーナ42による加熱処
理はステンレス鋼板11を直接加熱しているために加熱
速度が早く、即ち、短時間で焼鈍温度まで上昇すること
ができ、従来のサイドバーナによる加熱処理時間の半分
となっている。
【0017】なお、バーナによる加熱速度はステンレス
鋼板の板厚が薄いほど大きくすることができ、従来のサ
イドバーナによる加熱処理であっても板厚が2.8mm程
度までは前述した本実施例の直火バーナ42による加熱
処理と同様の加熱速度で処理を行うことができるが、そ
れ以上の板厚を有するステンレス鋼板では不可能であ
る。熱間圧延ステンレス鋼板の板厚は、一般的に、1.
6mm〜6.0mmで程度あり、本実施例の直火バーナ42
による加熱処理にあっては十分に対応できる能力を有し
ている。
鋼板の板厚が薄いほど大きくすることができ、従来のサ
イドバーナによる加熱処理であっても板厚が2.8mm程
度までは前述した本実施例の直火バーナ42による加熱
処理と同様の加熱速度で処理を行うことができるが、そ
れ以上の板厚を有するステンレス鋼板では不可能であ
る。熱間圧延ステンレス鋼板の板厚は、一般的に、1.
6mm〜6.0mmで程度あり、本実施例の直火バーナ42
による加熱処理にあっては十分に対応できる能力を有し
ている。
【0018】ここで、本実施例の鋼板の焼鈍酸洗装置の
ように、焼鈍炉11において熱間圧延ステンレス鋼板1
1を直火バーナ42によって直接加熱した場合の加熱速
度について説明する。
ように、焼鈍炉11において熱間圧延ステンレス鋼板1
1を直火バーナ42によって直接加熱した場合の加熱速
度について説明する。
【0019】ステンレス鋼板11に向かって垂直に直火
バーナ42を複数配置し、ここから噴射されるバーナ火
炎を直接衝突させることにより、ステンレス鋼板11は
火炎によって強制対流加熱される。ここで衝突する火炎
の温度は約1600℃であり、直火バーナ42の配置ピ
ッチをX、直火バーナ42とステンレス鋼板11との距
離をLと直火バーナ42の火炎噴射孔の径dとの比をL
/d≦6、火炎の噴射速度をV、火炎の動粘性係数を
ν、熱伝達率をλとすると、バーナ火炎噴射群の平均熱
伝達率αは次式で求められる。
バーナ42を複数配置し、ここから噴射されるバーナ火
炎を直接衝突させることにより、ステンレス鋼板11は
火炎によって強制対流加熱される。ここで衝突する火炎
の温度は約1600℃であり、直火バーナ42の配置ピ
ッチをX、直火バーナ42とステンレス鋼板11との距
離をLと直火バーナ42の火炎噴射孔の径dとの比をL
/d≦6、火炎の噴射速度をV、火炎の動粘性係数を
ν、熱伝達率をλとすると、バーナ火炎噴射群の平均熱
伝達率αは次式で求められる。
【0020】
【数1】
【0021】この数式1から本実施例の焼鈍酸洗装置に
よる平均熱伝達率αを求める。ここで、直火バーナ42
の配置ピッチXを100mm、火炎の噴射速度Vを150
m/s、火炎の温度約1600℃における火炎の動粘性係
数νを3.31×10-4 m2/s 、熱伝達率λを0.09
kcal/mh ℃とする。
よる平均熱伝達率αを求める。ここで、直火バーナ42
の配置ピッチXを100mm、火炎の噴射速度Vを150
m/s、火炎の温度約1600℃における火炎の動粘性係
数νを3.31×10-4 m2/s 、熱伝達率λを0.09
kcal/mh ℃とする。
【0022】
【数2】
【0023】また、ステンレス鋼板の温度が500℃に
おける本実施例の直接加熱による熱流束と従来の輻射加
熱による熱流束の大きさを比較してみる。従来の焼鈍炉
の炉壁温度を1300℃、ステンレス鋼板表面の総括熱
輻射率を0.64とすると、従来の輻射加熱による熱流
束q1 は次式で求められる。
おける本実施例の直接加熱による熱流束と従来の輻射加
熱による熱流束の大きさを比較してみる。従来の焼鈍炉
の炉壁温度を1300℃、ステンレス鋼板表面の総括熱
輻射率を0.64とすると、従来の輻射加熱による熱流
束q1 は次式で求められる。
【0024】
【数3】 q1 =0.64×4.88×10-8 ×{(273+1300)4 −(273+500)4 } =18.0×104 kcal/m2h
【0025】一方、衝突火炎温度を1600℃、焼鈍炉
の炉壁温度を従来と同様に1300℃とし、平均熱伝達
率αを前述の数式2より求めた209kcal/m2 h ℃とす
ると、本実施例の直接加熱による熱流束q2 は次式で求
められる。
の炉壁温度を従来と同様に1300℃とし、平均熱伝達
率αを前述の数式2より求めた209kcal/m2 h ℃とす
ると、本実施例の直接加熱による熱流束q2 は次式で求
められる。
【0026】
【数4】 q2 =209×(1600−500)+0.64×4.88×10-8 ×{(273+1300)4 −(273+500)4 } =23.0×104 +18.0×104 =41.0×104 kcal/m2h
【0027】このように従来の輻射加熱による熱流束1
8.0×104 kcal/m2hに対して本実施例の直接加熱に
よる熱流束q2 =41.0×104 kcal/m2hとなって加
熱速度は2倍となる。
8.0×104 kcal/m2hに対して本実施例の直接加熱に
よる熱流束q2 =41.0×104 kcal/m2hとなって加
熱速度は2倍となる。
【0028】このような実験結果から空気比1以上の状
態でステンレス鋼板を単位時間当たりの温度上昇量(加
熱速度)30℃/S以上で加熱した場合、生成されるス
ケールはX線解析による分析結果からγ−Fe2及びFe2
O4 を主体としたスケールであり、それ以下の加熱速度
では、(Fe,Cr)2O4 のスピネルを主体としたスケ
ールであることが明らかになった。更に、ここでステン
レス鋼板の脱スケール性を比較するために、小さい加熱
速度で処理した焼鈍スケールと加熱速度が30℃/Sで
処理した焼鈍スケールのそれぞれに6%の曲げ歪を与え
た後に85℃×20%H2SO4中に浸して一定時間(6
0〜150秒)毎の表面スケール残留率を比較してみ
る。すると、加熱速度が30℃/Sで処理した焼鈍スケ
ールが大幅に小さくなり、脱スケール性が良好であるこ
とが判明した。
態でステンレス鋼板を単位時間当たりの温度上昇量(加
熱速度)30℃/S以上で加熱した場合、生成されるス
ケールはX線解析による分析結果からγ−Fe2及びFe2
O4 を主体としたスケールであり、それ以下の加熱速度
では、(Fe,Cr)2O4 のスピネルを主体としたスケ
ールであることが明らかになった。更に、ここでステン
レス鋼板の脱スケール性を比較するために、小さい加熱
速度で処理した焼鈍スケールと加熱速度が30℃/Sで
処理した焼鈍スケールのそれぞれに6%の曲げ歪を与え
た後に85℃×20%H2SO4中に浸して一定時間(6
0〜150秒)毎の表面スケール残留率を比較してみ
る。すると、加熱速度が30℃/Sで処理した焼鈍スケ
ールが大幅に小さくなり、脱スケール性が良好であるこ
とが判明した。
【0029】また、空気比1未満の状態でステンレス鋼
板を加熱した場合、火炎中にはCO,H2 といった還元
性ガスが生成されるために表面スケール還元状態で加熱
することができる。そして、加熱後のスケールをX線解
析により分析した結果、加熱速度に関係なくFe2O3 及
びこれが還元されたFe2O4 を主体としたスケールが形
成されることが判明した。これを前述と同様に、6%の
曲げ歪を与えた後に85℃×20%H2SO4中に浸して
一定時間(60〜150秒)毎の表面スケール残留率を
調べてみると、空気比1以上の状態で加熱速度が30℃
/S以上で処理した焼鈍スケール以上に脱スケール性が
あることが判明した。このような実験的地検に基づき、
空気比1未満の状態でステンレス鋼板を加熱することに
より、表面スケール性を向上させる作用があることが判
明した。
板を加熱した場合、火炎中にはCO,H2 といった還元
性ガスが生成されるために表面スケール還元状態で加熱
することができる。そして、加熱後のスケールをX線解
析により分析した結果、加熱速度に関係なくFe2O3 及
びこれが還元されたFe2O4 を主体としたスケールが形
成されることが判明した。これを前述と同様に、6%の
曲げ歪を与えた後に85℃×20%H2SO4中に浸して
一定時間(60〜150秒)毎の表面スケール残留率を
調べてみると、空気比1以上の状態で加熱速度が30℃
/S以上で処理した焼鈍スケール以上に脱スケール性が
あることが判明した。このような実験的地検に基づき、
空気比1未満の状態でステンレス鋼板を加熱することに
より、表面スケール性を向上させる作用があることが判
明した。
【0030】更に、従来のサイドバーナによる加熱処理
では、燃焼安定性及びカーボンデポジットの問題から拡
散燃焼方式のバーナを用い、空気比は1以上、通常、
1.1〜1.3の範囲で運転されていた。本実施例の直
火バーナ42は当然このような空気比1以上の運転はも
ちろんのこと、空気比1未満においても安定燃焼を可能
とするため空気の噴出速度を燃焼速度の約60倍とし、
且つ、空気に旋回運動量を与える燃焼ノズル55を採用
し、更に、空気比1以下における問題であるカーボンデ
ポジットを抑制するために予混合燃焼方式を採用してい
る。従って、安定した空気比1未満の加熱処理が可能と
なった。
では、燃焼安定性及びカーボンデポジットの問題から拡
散燃焼方式のバーナを用い、空気比は1以上、通常、
1.1〜1.3の範囲で運転されていた。本実施例の直
火バーナ42は当然このような空気比1以上の運転はも
ちろんのこと、空気比1未満においても安定燃焼を可能
とするため空気の噴出速度を燃焼速度の約60倍とし、
且つ、空気に旋回運動量を与える燃焼ノズル55を採用
し、更に、空気比1以下における問題であるカーボンデ
ポジットを抑制するために予混合燃焼方式を採用してい
る。従って、安定した空気比1未満の加熱処理が可能と
なった。
【0031】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明の鋼板の焼鈍酸洗方法によれば、鋼板を空気
比1以上の状態で単位時間当たりの温度上昇量30℃/
S以上で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に適
する温度まで冷却した後に酸洗を行うようにし、また、
空気比1未満の状態では任意の単位時間当たりの温度上
昇量で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に適す
る温度まで冷却した後に酸洗を行うようにしたので、焼
鈍処理において加熱能力を増大させることで鋼板表面に
形成されたスケールを容易に短時間で除去することがで
き、脱スケール性を向上させることができる。その結
果、酸洗処理設備を簡素化して焼鈍酸洗装置を表す処理
ラインを短縮することができる。
うに本発明の鋼板の焼鈍酸洗方法によれば、鋼板を空気
比1以上の状態で単位時間当たりの温度上昇量30℃/
S以上で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に適
する温度まで冷却した後に酸洗を行うようにし、また、
空気比1未満の状態では任意の単位時間当たりの温度上
昇量で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に適す
る温度まで冷却した後に酸洗を行うようにしたので、焼
鈍処理において加熱能力を増大させることで鋼板表面に
形成されたスケールを容易に短時間で除去することがで
き、脱スケール性を向上させることができる。その結
果、酸洗処理設備を簡素化して焼鈍酸洗装置を表す処理
ラインを短縮することができる。
【図1】本発明の一実施例に係る鋼板の焼鈍酸洗方法を
実施するための熱間圧延ステンレス鋼板の連続焼鈍酸洗
装置を表す処理ラインの概略構成図である。
実施するための熱間圧延ステンレス鋼板の連続焼鈍酸洗
装置を表す処理ラインの概略構成図である。
【図2】直火バーナの断面図である。
【図3】ヒートサイクルの説明図である。
【図4】従来の熱間圧延ステンレス鋼板の連続焼鈍酸洗
装置を表す処理ラインの概略構成図である。
装置を表す処理ラインの概略構成図である。
11 熱間圧延ステンレス鋼板 20 均熱炉 22 冷却帯 23 ショットブラスト 24 酸洗槽 41 焼鈍炉 42 直火バーナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三原 一正 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 山口 尚雄 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内
Claims (2)
- 【請求項1】 鋼板の焼鈍酸洗装置において、鋼板を空
気比1以上の状態で単位時間当たりの温度上昇量30℃
/S以上で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に
適する温度まで冷却した後に酸洗を行うことを特徴とす
る鋼板の焼鈍酸洗方法。 - 【請求項2】 鋼板の焼鈍酸洗装置において、鋼板を空
気比1未満の状態で任意の単位時間当たりの温度上昇量
で加熱した後に均熱処理を行い、次に、酸洗に適する温
度まで冷却した後に酸洗を行うことを特徴とする鋼板の
焼鈍酸洗方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16564192A JPH062032A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 鋼板の焼鈍酸洗方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16564192A JPH062032A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 鋼板の焼鈍酸洗方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH062032A true JPH062032A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=15816225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16564192A Withdrawn JPH062032A (ja) | 1992-06-24 | 1992-06-24 | 鋼板の焼鈍酸洗方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH062032A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001026818A (ja) * | 1999-07-12 | 2001-01-30 | Kawasaki Steel Corp | ステンレス鋼帯の連続焼鈍方法及び装置 |
JP2006224120A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Nippon Steel Corp | 熱延鋼板の酸洗性向上方法および酸洗設備 |
CN109844143A (zh) * | 2016-10-19 | 2019-06-04 | 杰富意钢铁株式会社 | 含Si热轧钢板的热轧板退火设备、热轧板退火方法及除氧化皮方法 |
-
1992
- 1992-06-24 JP JP16564192A patent/JPH062032A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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