JPH0620267A - 磁気ディスクのバニシング方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 量産に適した磁気ディスクのバニシング方法
を提供する。 【構成】 突起検出用素子５を具備した突起検出用ヘッ
ド１０とバニシング用のバニシュヘッド８とを独立して
備えた構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスクの両表面に
存在する異物等からなる突起を除去する磁気ディスクの
バニシング方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、磁気ディスクドライブ装置におい
ては高速回転する磁気ディスク（以下にディスクとい
う）表面に浮上磁気ヘッドによって記録再生をするが、
ディスクの高容量化・高密度化に伴い磁気ヘッドの浮上
高さは低くなる傾向にあるため、回転しているディスク
と磁気ヘッドが接触してヘッドクラッシュを起こす危険
性が高くなっている。このヘッドクラッシュを起こす原
因には、ディスク表面に存在する突起に起因するものが
ある。したがって、このような事故を未然に防止しヘッ
ド浮上を安定させるためにはこの突起をあらかじめ除去
（バニシング）しておく必要がある。この突起の除去装
置（バニシャ）が開発されている。

【０００３】以下に従来のバニシング方法について説明
する。図３ａは従来のバニシャの要部平面図であり、ｂ
はその要部側面図である。１はバニシャのベース，２は
スピンドル，３は磁気記録媒体であるディスク，４はデ
ィスク３の表面にできた異物等からなる突起，５は圧電
素子やアコースティックエミッション（ＡＥ）素子等か
らなる突起の検出素子，６は突起検出・バニシング兼用
ヘッド，７は突起検出・バニシング兼用ヘッド６を保持
するヘッドアーム、ｒ１，ｒ２は各々磁気ヘッド浮上保
証領域の外側および内側の半径である。

【０００４】以上のような構成要素をもつバニシャにつ
いて、以下そのバニシング方法を説明する。

【０００５】バニシャのベース１上のスピンドル２にデ
ィスク３が装着された後、スピンドル２の回転によって
ディスク３が回転し、ディスク３の表面の突起４の有無
を検出するため、検出素子５を装着した突起検出・バニ
シング兼用ヘッド６が図中矢印Ａで示すようにディスク
３の表面をディスク３の直径方向にディスク３のヘッド
浮上保証領域である半径ｒ１からｒ２まで浮上保証高さ
ｈ１（図示せず）で浮上しながら１回シークすることに
よってｈ１よりも高い突起を検出する。このとき、ｈ１
より高い突起４と突起検出・バニシング兼用ヘッド６が
衝突することによって発生する衝撃力を検出素子５が検
出することによって突起４の存在を判定する。

【０００６】次いで、検出した突起４を除去するため突
起検出・バニシング兼用ヘッド６が図中矢印Ａで示すよ
うに、ディスク３の表面をディスクの直径方向に半径ｒ
１からｒ２までをヘッド浮上高さがｈ１（図示せず）よ
り低い高さｈ２（図示せず）で複数回シークして突起を
除去する。

【０００７】再度突起検出・バニシング兼用ヘッド６が
突起検出をヘッド浮上高さｈ１で実行し、突起４を検出
すると上記と同様に突起検出・バニシング兼用ヘッド６
が突起の除去をヘッド浮上高さｈ２で実行し、以後、突
起が検出されなくなるで、この動作を繰り返す。

【０００８】バニシングに要する時間ｔはバニシュヘッ
ドのシーク距離Ｌ１，シーク速度ｖ，シーク回数ｎ１、
および検出用ヘッドで突起が検出されなくなるまで繰り
返されるバニシング回数ｎ２から、［ｔ＝（Ｌ１／ｖ）
×ｎ１×ｎ２］で求められる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、突起検出工程とバニシング工程では同一
ヘッドが用いられるため両工程でヘッドおよび機構に優
位性を持たせることができず、また、両工程を同時に実
行させることができなかった。その結果、ディスク生産
性を著しく低下させ、原価を高め、量産性を阻害すると
いう問題点を有していた。

【００１０】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、バニシング時間を短縮して生産性を上げることによ
って原価を下げ、量産に適した磁気ディスクのバニシン
グ方法の提供を目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のディスクのバニシング方法は、突起検出用素
子を具備した突起検出用ヘッドとバニシング加工のため
の複数のバニシュヘッドとを独立して有し、バニシュヘ
ッドを磁気ディスクの浮上保証領域内で浮上保証高さよ
りも低い高さでシークさせ突起を除去する前期突起除去
工程と、突起検出用ヘッドを浮上保証高さに維持しなが
らシークさせ前工程で除去されなかった浮上保証高さよ
り高い突起を検出し記憶する突起検出記憶工程と、検出
した突起をバニシュヘッドで浮上保証高さよりも低い高
さで局部的に往復シークさせ突起を除去する後期突起除
去工程とを含む構成を有する。

【００１２】

【作用】この構成によって、ディスク表面の突起検出工
程とバニシング工程では各々専用のヘッドを用いている
ため両工程でヘッドおよび機構に優位性を持たせること
が可能で、また、両工程を同時に実行させることがで
き、しかも複数のバニシュヘッドを用いて作業できる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図１および
図２を参照しながら説明する。

【００１４】本発明のバニシング方法は、前期突起除去
工程、突起検出記憶工程、後期突起除去工程の３工程で
構成されている。

【００１５】図１ａは本発明のバニシャの前期突起除去
工程における要部平面図であり、ｂはその要部側面図で
ある。１はバニシャのベース，２はスピンドル，３はデ
ィスク，４は突起，５は検出素子，ｒ１，ｒ２は各々磁
気ヘッド浮上保証領域の外側と内側の半径であり、これ
らは従来例と同様のものであるので同一番号を付し説明
を省略する。

【００１６】８はバニシュヘッドで、本実施例の場合３
本配してある。以下、３本のバニシュヘッド８の動作、
機能は共通である。９はバニシュヘッド８を保持するヘ
ッドアーム、１０は突起検出用ヘッド、１１は突起検出
用ヘッド１０を保持するヘッドアーム、１２はディスク
中心、矢印Ｂはバニシュヘッド８のシーク方向、矢印Ｃ
は突起検出用ヘッド１０のシーク方向，ｒ３はバニシュ
ヘッド８のディスク中心１２からの距離，ｒ４は突起検
出用ヘッド１０のディスク中心１２からの距離である。

【００１７】図２ａは後期突起除去工程におけるバニシ
ュヘッド８および突起４近辺の拡大平面図であり、ｂは
その側面図である。Ｌ２はバニシュヘッド８のディスク
３の直径方向の長さ、Ｌ３は突起４の幅、ｒ５は突起４
のディスク中心１２からの距離、ｒ６，ｒ７はバニシュ
ヘッド８の往復シーク時のディスク中心１２からの距離
である。

【００１８】以上のような構成要素をもつバニシャにつ
いて、以下その各構成要素の相互の関係と動作、そして
ディスクのバニシング方法を説明する。

【００１９】前期突起除去工程では、３本バニシュヘッ
ド８が同時にディスク３の表面をディスクの矢印Ｂ方向
に半径ｒ１からｒ２までをヘッド浮上高さが浮上保証高
さｈ１よりも高さｈ２で１回シークすることによってあ
らかじめ除去容易な突起を除去する。

【００２０】突起検出記憶工程では前期突起除去工程で
除去できなかった突起を検出するため、突起検出用ヘッ
ド１０がディスク３の表面をディスクの矢印Ｃ方向に半
径ｒ１からｒ２までを浮上保証高さｈ１のヘッド浮上高
さで浮上しながら１回シークしてｈ１よりも高い突起を
検出する。このとき検出した突起４のディスク中心１２
からの距離ｒ５はメモリ（図示せず）上に記憶される。

【００２１】これらの前期突起除去工程、突起検出記憶
工程においては、工数の削減を図るめたバニシュヘッド
８および突起検出用ヘッド１０のシークは並行して実行
される。しかし、バニシュヘッド８がシークしている間
は［ｒ３＜ｒ４］の関係が保たれている。

【００２２】次いで、後期突起除去工程では検出した突
起４を除去するためバニシュヘッド８がｒ２からｒ５へ
移動し、ディスク３の表面をディスクの矢印Ｂ方向に半
径ｒ６からｒ７までの範囲、ヘッド浮上高さが浮上保証
高さｈ１より低い高さｈ２で複数回往復シークして突起
を除去する。ここで半径ｒ６とｒ７は［ｒ６＝ｒ５−
（Ｌ２＋Ｌ３）／２］、［ｒ７＝ｒ５＋（Ｌ２＋Ｌ３）
／２］、ただし、Ｌ２はディスク直径方向のヘッドの長
さ、Ｌ３はディスク直径方向の突起の長さである。

【００２３】この後期突起除去工程においては、突起除
去の状況を同時にモニタするために突起検出用ヘッド１
０をｒ２からｒ５へ移動し、ディスク３の表面を浮上保
証高さｈ１で浮上させてｈ１より高い突起を検出する。
このモニタの間は［ｒ４＝ｒ５］の関係が保たれてい
る。

【００２４】このモニタは突起が検出されなくなるまで
実行され、突起が検出されなくなると次の突起除去のた
めバニシュヘッド８および突起検出用ヘッド１０は同時
に次の突起位置ｒ８（図示せず）まで移動し同様の動作
を繰り返す。

【００２５】このように本実施例によると、突起検出用
ヘッドと、バニシング用の複数のバニシングヘッドを用
いているので、バニシングに要する時間を短縮でき、し
たがって、ディスクの生産性の面でも製造工数の削減が
図れる。

【００２６】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
によると、突起検出用素子を具備した突起検出用ヘッド
とバニシング加工のための複数のバニシュヘッドとを独
立して有し、バニシュヘッドを磁気ディスクの浮上保証
領域内で浮上保証高さよりも低い高さでシークさせ突起
を除去する前期突起除去工程と、突起検出用ヘッドを浮
上保証高さに維持しながらシークさせ前工程で除去され
なかった浮上保証高さより高い突起を検出し記憶する突
起検出記憶工程と、検出した突起をバーニシュヘッドで
浮上保証高さよりも低い高さで局部的に往復シークさせ
突起を切削除去する後期突起除去工程とを含む工程を構
成しているので、ディスク表面の突起検出工程とバニシ
ング工程では各々専用のヘッドが用いられるため両工程
でヘッドおよび機構に優位性を持たせることが可能で、
また、両工程を同時に実行させることができ、しかも複
数のバニシュヘッドを用いて作業を実施するため、バニ
シングに要する時間を大幅に短縮することができ、ディ
スクの生産性の面でも製造工数の削減が図れる磁気ディ
スクのバニシング方法を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明の一実施例のバニシャの前期突起
除去工程における要部平面図 （ｂ）同要部側面図

【図２】（ａ）本発明の一実施例のバニシャの後期突起
除去工程におけるバニシングヘッドおよび突起近辺の拡
大平面図 （ｂ）同側面図

【図３】（ａ）従来のバニシャの要部平面図 （ｂ）同要部側面図

【符号の説明】

５ 検出素子 ８ バーニッシュヘッド １０ 突起検出用ヘッド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ディスクの表面に存在する異物等か
   らなる突起を検出し除去する磁気ディスクのバニシング
   方法であって、突起検出用素子を具備した突起検出用ヘ
   ッドとバニシング加工のための複数のバニシュヘッドと
   を独立して作動させるようにする磁気ディスクのバニシ
   ング方法。
2. 【請求項２】 バニシュヘッドを磁気ディスクの浮上保
   証領域内で浮上保証高さよりも低い高さでシークさせ突
   起を除去する前期突起除去工程と、突起検出用ヘッドを
   浮上保証高さに維持しながらシークさせ前工程で除去さ
   れなかった浮上保証高さより高い突起を検出し記憶する
   突起検出記憶工程と、検出した突起をバニシュヘッドで
   浮上保証高さよりも低い高さで局部的に往復シークさせ
   突起を除去する後期突起除去工程とを有する磁気ディス
   クのバニシング方法。