JPH06202230A - リアプロジェクタ用スクリーン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２枚のレンチキュラスクリーンの拡散角が互
いに等しくても、透過して拡散した光の強度の角度特性
に異方性を持たせる。 【構成】 同一種類の２枚のレンチキュラスクリーン１
１の光拡散面が直角以外の角度で交わった状態で重畳さ
れており、しかも２枚のレンチキュラスクリーン１１の
ブラックストライプ１３が水平方向及び垂直方向に関し
て互いに対称に延在している。このため、２枚のレンチ
キュラスクリーン１１を透過した光の拡散方向１４つま
り強度は異方性を有しており、しかもブラックストライ
プ１３と走査線とが平行ではないので、これらによって
モアレが生じることもない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、画像をスクリーンの背
面へ投写して前方へ透過させるリアプロジェクタに用い
られるスクリーンに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プロジェクタは、陰極線管や液晶ディス
プレイ等に表示された画像をレンズによってスクリーン
上に拡大、投写するものであり、スクリーンの種類によ
ってフロント型（反射型）とリア型（透過型）との２種
類に分けられる。このうちのリアプロジェクタ用のスク
リーンは、一般に、図３、４に示す様なレンチキュラス
クリーン１１とフレネルスクリーン（図示せず）とで構
成されている。

【０００３】リアプロジェクタ用スクリーンのフレネル
スクリーンは、レンズによって投写された光１２をレン
チキュラスクリーン１１の入射面１１ａに垂直に入射さ
せるためのものである。また、レンチキュラスクリーン
１１は、入射した光１２を屈折させて、出射面１１ｂか
ら出射する光１２を１つの平面内で拡散させるためのも
のである。

【０００４】しかし、１枚のレンチキュラスクリーン１
１のみでは、光１２を１つの平面（以下、「光拡散面」
と称する）内でしか拡散させることができない。そこ
で、出射面１１ｂ側の空間全体に立体的に光１２を拡散
させるために、従来は、２枚のレンチキュラスクリーン
１１の光拡散面同士を直交させた状態で、これら２枚の
レンチキュラスクリーン１１を互いに重畳させていた。

【０００５】ところで、画像表示装置では、水平方向に
おいて見る角度よりも垂直方向において見る角度の方が
狭いのが一般的である。このために、また光１２を有効
に利用するためにも、リアプロジェクタ用スクリーンの
レンチキュラスクリーン１１でも、水平方向における拡
散角よりも垂直方向における拡散角を狭くすることが望
ましい。

【０００６】拡散した光１２の強度の角度特性はレンチ
キュラスクリーン１１の表面の曲率とレンチキュラスク
リーン１１を形成している材料の屈折率とによって決ま
るが、同一種類の２枚のレンチキュラスクリーン１１の
光拡散面同士を直交させた状態で、これら２枚のレンチ
キュラスクリーン１１を互いに重畳させても、拡散した
光１２の強度の角度特性は略等方的である。

【０００７】そこで、従来は、拡散角が互いに異なる２
種類のレンチキュラスクリーン１１を重畳させて用いて
いた。なお、外光に対するコントラストを向上させるた
めに、図４に示す様に、レンチキュラスクリーン１１の
出射面１１ｂのうちで光１２の出射部以外の部分に、光
拡散面と垂直に延在するブラックストライプ１３が設け
られている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の様に
拡散角が互いに異なる２種類のレンチキュラスクリーン
１１を用いていたので、従来のリアプロジェクタ用スク
リーンはコストが高かった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明によるリアプロジ
ェクタ用スクリーンは、互いに重畳されており且つ各々
の光拡散面同士が直角以外の角度で交わっている２枚の
レンチキュラスクリーン１１を具備している。

【００１０】

【作用】本発明によるリアプロジェクタ用スクリーンで
は、２枚のレンチキュラスクリーン１１の拡散角が互い
に等しくても、これら２枚のレンチキュラスクリーン１
１を透過して拡散した光１２の強度の角度特性は異方性
を有している。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を、図１、２を参照
しながら説明する。本実施例のリアプロジェクタ用スク
リーンでも、図３、４に示した様なレンチキュラスクリ
ーン１１を２枚用い、これら２枚のレンチキュラスクリ
ーン１１を互いに重畳させている。

【００１２】しかし、本実施例では、２枚のレンチキュ
ラスクリーン１１が同一種類であって既述の一従来例の
様に拡散角が互いに異なってはおらず、しかも２枚のレ
ンチキュラスクリーン１１の光拡散面が直角以外の角度
で交わっている。従って、図１（ａ）または（ｂ）に示
す様に、２枚のレンチキュラスクリーン１１のブラック
ストライプ１３同士の成す角度θも９０°以外の角度で
ある。

【００１３】更に、本実施例では、図１（ａ）または
（ｂ）に示す様に、２枚のレンチキュラスクリーン１１
のブラックストライプ１３が水平方向及び垂直方向に関
して互いに対称に延在している。

【００１４】この様な本実施例では、図１（ａ）と
（ｂ）との比較からも明らかな様に、ブラックストライ
プ１３同士の成す角度θを変化させることによって、２
枚のレンチキュラスクリーン１１を透過した光１２の拡
散方向１４の水平成分と垂直成分との比を変化させるこ
とができる。

【００１５】図２は、この関係を示している。レンチキ
ュラスクリーン１１を透過して直進する光１２の強度に
対して半値の強度になる光１２の拡散方向の角度をα角
としたとき、図２は、α角＝４０°のレンチキュラスク
リーン１１の２枚を図１に示した様に重畳させた場合の
水平方向のα角１５と垂直方向のα角１６とを示してい
る。

【００１６】この図２から明らかな様に、２枚のレンチ
キュラスクリーン１１を透過した光１２の拡散方向１４
の角度特性、つまり２枚のレンチキュラスクリーン１１
を透過して拡散した光１２の強度の角度特性は、２枚の
レンチキュラスクリーン１１の拡散角が互いに等しくて
も、水平方向と垂直方向とで異方性を有している。な
お、角度θ＝９０°の場合は、水平方向のα角１５と垂
直方向のα角１６とに差がなくて等方的である。

【００１７】また、本実施例では、２枚のレンチキュラ
スクリーン１１のブラックストライプ１３が水平方向及
び垂直方向に関して互いに対称に延在しているので、図
１（ａ）（ｂ）から明らかな様に、２枚のレンチキュラ
スクリーン１１を透過した画像は左右対称である。

【００１８】しかも、本実施例では、２枚のレンチキュ
ラスクリーン１１のブラックストライプ１３が水平方向
及び垂直方向に関して互いに対称に延在しているので、
何れのブラックストライプ１３も水平方向には延在して
おらず、ブラックストライプ１３と走査線とが平行では
ないので、これらによってモアレが生じることもない。
但し、ブラックストライプ１３同士の成す角度θを３０
°程度以下にすると、今度はブラックストライプ１３同
士の間でモアレが生じ易くなるので、角度θは３０°程
度以上にするのが好ましい。

【００１９】

【発明の効果】本発明によるリアプロジェクタ用スクリ
ーンでは、２枚のレンチキュラスクリーンの拡散角が互
いに等しくても、これら２枚のレンチキュラスクリーン
を透過して拡散した光の強度の角度特性は異方性を有し
ているので、１種類のレンチキュラスクリーンのみを用
いても、水平方向と垂直方向とにおける視野角等を互い
に異ならせることができる。従って、拡散角が互いに異
なる２種類のレンチキュラスクリーンを重畳させて用い
る構造に比べて、コストを低減させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の正面図であり、（ａ）と
（ｂ）とはブラックストライプ同士の成す角度θを互い
に変化させたものである。

【図２】一実施例における角度θと拡散光の強度との関
係を示すグラフである。

【図３】一実施例で使用し得る１枚のレンチキュラスク
リーンの部分側面図である。

【図４】一実施例で使用し得る１枚のレンチキュラスク
リーンの部分斜視図である。

【符号の説明】

１１ レンチキュラスクリーン １２ 光 １４ 拡散方向

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに重畳されており且つ各々の光拡散
   面同士が直角以外の角度で交わっている２枚のレンチキ
   ュラスクリーンを具備するリアプロジェクタ用スクリー
   ン。