JPH06202187A - エキストラ・システム速度の決定と活用による非標準表示サイズおよび/または異焦点距離撮影モードのための撮影露出パラメータの自動最適化方法および装置 - Google Patents

エキストラ・システム速度の決定と活用による非標準表示サイズおよび/または異焦点距離撮影モードのための撮影露出パラメータの自動最適化方法および装置

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JPH06202187A
JPH06202187A JP5275212A JP27521293A JPH06202187A JP H06202187 A JPH06202187 A JP H06202187A JP 5275212 A JP5275212 A JP 5275212A JP 27521293 A JP27521293 A JP 27521293A JP H06202187 A JPH06202187 A JP H06202187A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ユーザの選択する非標準表示サイズおよび/
または異焦点距離撮影モードについて、カメラにより生
成される許容可能で且つ ISO/ANSI 露出規格により得ら
れるものより高品質の画像の数を増加するために、撮影
用カメラで使用される露出制御装置および種々の関連す
る方法を提供する。 【構成】 品質改善は、種々の撮影用露出パラメータ
(露出セッティング、必要に応じて、フラッシュ・パラ
メータ)のサイズとモードについての最適化(350)に基
づいて、捕獲される各イメージに対して所望の表示サイ
ズ324 および/または焦点距離撮影モード322 を、ユー
ザが選択することに依って達成される。所望の表示サイ
ズと焦点距離撮影モードについて、ISO/ANSI 露出規格
に準拠して得られるものよりも画像品質を改善するため
に必要であれば、これらの規格は無視される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影される画像の全体
的な品質を改善する、すなわち、非標準表示サイズおよ
び/または異焦点距離(different focal length)の撮影
モードに於いてカメラに依って生成される許容可能で高
品質の画像の数を増加するために、写真用カメラに使用
される装置と種々の関連する方法に関する。この品質改
善は、撮影場面の要求とフィルム品質特性、および、必
要に応じて、ISO/ANSI 露出規格に準じて指示される対
応する露出値からの偏差に基づく種々の撮影露出パラメ
ータ(露出セッティングおよび必要に応じてフラッシュ
・パラメータ)に関して、そのサイズおよび/またはモ
ードに対して、最適化に依って追随された所望の表示サ
イズおよび/または焦点距離の撮影モードを、ユーザが
選択することに依って達成される。
【0002】
【従来の技術】写真用カメラは頻繁に幅広く用いられて
きた。基本的に、そのようなカメラは、光に反応する媒
体の一部、すなわち、フィルムのフレームを、撮影場面
の照度に相応して予め設定された時間の間、露出するこ
とに依って動作する。光は、一定の、しばしば可変の、
サイズの口径を持つレンズを経由してフレームの上に集
束される。レンズの後部で、かつ、フィルムの前部に位
置するシャッタは、光がそれらを通って、フィルムを照
明し、かつ、露出することを可能にするために、選定さ
れた時間の間開く。適切に露出され、かつ、続いて現像
される結果として、フィルムは、フレーム全体にわたる
2次元的な基準の写真化学プロセスを経て、フレームの
各々の部分の光学的な透過性を、フレームのその部分に
撮影場面の対応する部分から到達する照明の量に比例し
て、局部的に変え、それによって、反転またはネガフィ
ルムのいずれが使用されているかに基づいて、撮影場面
の2次元的なポジティブまたはネガティブな光学画像を
生成する。こうして、撮影場面に現れた色調の変動がフ
ィルムのフレーム中に捕獲(capture) される。しばし
ば、写真用プリントはネガから作られるが、透明画(一
般的に“スライド”と呼ばれる)はポジから作られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フィルムの感光材とし
てハロゲン化銀の使用に依存しているこの全体的なプロ
セスは、基本的に長年にわたって変えられずにきたが、
このプロセスは、強く非直線的であり、かつ、その使用
性をかなり複雑にする非常に数多くの変動要因に依存し
ている。特に、露出(E) は、標準化された定義の下で、
照度(I) とフィルムがこの照度に露出される時間(t) と
が掛け算された積であると定義される。この点に関して
は、特に ANSI (アメリカ規格協会)規格 PH 3.49-197
1 “汎用撮影露出メーターのためのアメリカ規格”(AN
SI 規格 PH 3.49-1987 として 1987 年に改正なしに、
そのまま再確認された)〔以降、 ANSI 規格 PH 3.49-1
987と引用される〕および ANSI 規格 PH 2.7-1986“撮
影のためのアメリカ規格 --撮影用露出ガイド”および
特にその13頁を参照されたい。カメラの場合、2つのセ
ッティング、すなわち、レンズ口径 lens aperture(レ
ンズ開口部 lens opening のサイズ)とシャッタ速度
(シャッタが開いている時間)の組み合わせが、主とし
て特定の露出を定める。残念ながら、レンズ口径とシャ
ッタ速度とは最適露出量以上のものを定義し、これらの
セッティングは画 picture(以降、プリントと透明画の
両方を含める)の品質にも劇的に影響し、そこで、各撮
影状況に於いて最適に選択されなければならない。そう
しないと、低い品質をもつ画(以降、画像image ともい
う)になる。
【0004】優れた撮影者は、或る照明条件の下で、適
切な撮影セッティング、例えば、レンズ口径とシャッタ
速度のセッティング、レンズ焦点距離の選択、フラッシ
ュ照明の使用とその量、を選ぶ際にしばしば困難を経験
する。これらの状況は、例えば、比較的厚みのある対象
物(thick subject)の撮影場面(すなわち、十分に幅広
い被写界深度(depth-of-field)を与えるレンズ口径セッ
ティングを必要とするもの)を、比較的低レベルの光(l
ow-light) の下で、かつ、特にフラッシュ・ユニットま
たは三脚(またはカメラを露出中に確実に保持する他の
類似の装置)を利用せずに、撮影することを含んでい
る。一部の照明条件は、前述の低レベルの光条件のよう
に、それらは単純にプロの写真家でも処理されることが
できず、また、比較的長い焦点距離をもつ望遠レンズを
使用しても処理できないほど極端であるが、ほとんどの
撮影場面の照明条件は、幸運なことに、この領域に入ら
ない。それにもかかわらず、時々現実の撮影条件は、許
容可能な品質の画を撮影するアマチュアの写真家の能力
を事実上損ねさせるほどかなりの難しさを示すことがあ
る。実際に、それほど豊富な経験がないアマチュアの場
合、レンズ口径サイズとシャッタ速度セッティングの選
択が当て推量より悪い状態になり、そのために、アマチ
ュアが間違ったセッティングを選択して、直ちに失望さ
せられるという可能性が高い。失望感は、それが頻繁に
発生すると、不満足を招き、これは、アマチュア写真家
の間では、写真家が写真をとることを単純に止めて、彼
または彼女が写真より苦労が少なく、かつ、より満足で
きると考える他のレジャーに変わることを、しばしば意
味することとなる。アマチュア写真家は、装置とフィル
ムの両方を含めて、写真マーケットの大部分を形成して
いるので、彼らが引き続き満足感を抱くことが写真業界
にとって不可欠な条件である。
【0005】この事実を認識して、技術は、寿命のある
限り、少なくとも許容可能で且つ使用時に従来のカメラ
による品質より一層高いレベルの品質を示す数多くの画
を生成し、同時に、当面の照明条件に適した撮影セッテ
ィングを選ぶ際に付随する退屈さと難しさを写真家から
解放することのできるカメラを開発するという目標を、
長年にわたって追求してきた。
【0006】従って、その間に、かなりの研究が、撮影
される当面の場面に適したレンズ口径サイズおよび/ま
たはシャッタ速度を自動的に選択するカメラを与える技
術に費やされてきた。しかし、これらの自動化されたカ
メラの大半は、それらの露出セッティングについて ISO
/ANSI 露出規格に厳格に準じることに一様に基礎を置い
ていた。そうすることに依って、これらのカメラは、数
多くの撮影条件に対して、単純に許容できないレベルの
品質を与えることとなっている。引用を簡単にするため
に、これらの自動カメラは以降“ISO/ANSI”基準自動化
カメラとして引用される。
【0007】本質的に、このような ISO/ANSI 基準自動
化カメラを使用すると、一度或る値の露出パラメータ
(シャッタ速度のような)が選択されると、他のパラメ
ータ(例えばレンズ口径)の値は、撮影される撮影場面
のいわゆるISO “通常の(normal)”露出を生成するため
に要求される値で表される。例えば、技術的に周知のこ
とである数多くの廉価なシングル・モードと高価なマル
チ・モードの ISO/ANSI基準自動化カメラ〔後者は、シ
ャッタ優先モード(この場合、写真家は手動でシャッタ
速度を選択すると、カメラがレンズ口径サイズを選択す
る)、口径優先モード(この場合、写真家は手動でレン
ズ口径サイズを選択すると、カメラがシャッタ速度を選
択する)および/またはプログラム・モード(この場
合、カメラはシャッタ速度とレンズ口径サイズを共に選
択する)で作動できるカメラを含んでいる〕の場合、一
度或る露出パラメータ・セッティングが固定されると、
他のパラメータ・セッティング(例えば、レンズ口径サ
イズまたはシャッタ速度の各々)は、前者のパラメータ
・セッティングを ISO(ASA) フィルム速度と共に標準IS
O 計測式に代入し、そして、後者のパラメータの値を求
める。カメラは、次に、単純にシャッタ速度とレンズ口
径メカニズムを対応するパラメータ値にセットし、次い
で、シャッタを作動して撮影場面の画像を捕獲する。
【0008】この点に関して、“通常の”露出は、ISO/
ANSI 規格に依って最小の対数露出(log exposure)値、
すなわち、シングル・ポイント、使用中のフィルムの各
層に適した露出対濃度特性曲線上のいわゆる“通常の”
露出ポイントであって、忠実な色調(tone)の再生に関し
て、“優れた”品質の画像をその層に生成するものとし
て定義される。対照的に、ISO(ASA) フィルム速度は、
フィルムの各層の上で指定値の画像濃度の特定の値を生
成するために必要な露出から定義される。各層に適した
“通常の”露出ポイントの値および全体としてのフィル
ムに適した関連する標準的な露出の定義が与えられる
と、各々ISO “通常”露出を生成することとなるレンズ
口径とシャッタ速度のセッティングの組は、ISO(ASA)フ
ィルム速度および撮影場面の輝度に対する値をISO 標準
計測式(ISO standard metering equation)に代入して結
果を計算することに依って、容易に求められることがで
きる。特に、ANSI規格 PH 2.27-1988 “スチル写真のカ
ラーネガフィルムの ISO(ASA) 速度の決定に関するアメ
リカ規格”と ISO 規格 588ー1979 、ここで、前者のAN
SI規格はフィルム速度を決定するために後者のISO 規格
を採用しているが、およびANSI規格3.49-1987 、特にIS
O 標準計測式に関する21頁とともに、 D. M. Zwick著
“撮影速度決定の技術基準または何が通常の露出か”
(SMPTE Journal 、88 号、No.8、1979年8 月、533ー57
3 頁(以降 Zwick の文献として引用される))を参照
されたい。引用を簡単にするために、関連する規格は以
降“ISO/ANSI露出規格”として引用され、これらの規格
に依って定義される露出は以降ISO“規格”または通常
の露出のいずれかと同じ意味で引用され、なおかつ、通
常露出ポイントはISO 標準露出ポイントとして引用され
る。これらの定義および標準計測式の使用から、ISO 標
準露出ポイントは、ISO(ASA) 速度ポイントに関連する
ものより、対数露出対濃度曲線上により高い濃度と露出
値で現れる。
【0009】ISO/ANSI規格は、実際の撮影場面の内容で
なく、むしろ例えば撮影場面の輝度に基づいて決定され
るので、最終的な露出セッティングは、或る場合には、
撮影場面の実際の要求に一致せず、その結果、これらの
場合には、むしろ低品質の画像を生成することになる。
例えば、撮影者がシャッタ速度を選択して(シャッタ優
先モードの ISO/ANSI 基準自動化カメラのように)比較
的厚みのある対象物を伴う撮影場面を撮影していた場
合、カメラは、ISO/ANSI 標準計測式とフィルムの速度
を使用していても、ISO 通常露出を生成するレンズ口径
を選択することになる。残念ながら、この口径選択は実
際の撮影場面の内容を検討せずに行われるので、最終的
なレンズ口径は、全体の対象物の厚みを適正にカバーで
きる十分な被写界深度を与えない。そこで、最終的に撮
影される画像においては、対象物の周辺部が焦点が外れ
てボケて現れることとなる。更に、撮影者が手動でレン
ズ口径を選択していた場合(口径優先モードに於けるカ
メラの操作のように)、ISO通常露出に適した最終的な
シャッタ速度は、使用されているレンズのサイズおよび
実際の撮影者の安定性(またはその不足)を与えられた
実際のまたは予測されるカメラの振動(camera shake)に
対して十分に補償できないこととなり、それにより、完
全にボケて、損なわれた画像を招くことになる。そのう
え、単純に不慣れのために、アマチュアの写真家は、カ
メラを口径優先またはシャッタ優先モードで操作してい
る時に、与えられた対象物の厚みに適していない被写界
深度を単純に与えるレンズ口径サイズ、または、実際の
或いは予測されるカメラの振動を完全に吸収できないシ
ャッタ速度を、それぞれ、しばしば選択し、不具合なセ
ッティングが低品質の画像を生成する結果を招くことと
なっている。
【0010】或る撮影条件の下で ISO/ANSI 規格を厳守
したことからしばしば現れる低レベルの付随する画像品
質に関して、本出願人に於いて進行中の試みは、長年に
わたって幅広く用いられてきた普通の考えとは逆に、そ
れらの規格は、絶対的なものでなく、なおかつ、実際の
撮影場面の要求とフィルム品質特性に基づいて、改善さ
れる画像品質になると思われる場合には、故意に無視さ
れるべきであるという認識に達した。この点に関して、
アメリカ特許第 5,049,916号(1991年9 月17日にW.R.O'
Such他に発行されたもので、以降 O'Such '916 特許と
して引用され、且つ、本出願人に共通して譲渡されてい
る)は、必要に応じて、ISO/ANSI 露出規格を故意に無
視し、実際の撮影場面の要求に対する適合性とフィルム
の品質特性の活用に基づいて、特に優れた画像を広範囲
にわたる多種多様な撮影条件の下で生成することのでき
る露出(および、必要に応じて、フラッシュ)のパラメ
ータ・セッティングを与える自動露出制御システムにつ
いて開示している。実際に、このシステムに依って生成
される最終的な画像品質は、ISO/ANSI 露出規格を厳守
して達成できる品質より遥かに優れている。
【0011】特に、撮影される場面に関して、O'Such '
916 特許に説明されている露出制御システムは、(a) そ
の撮影場面のベースラインの露出、典型的にはISO 通常
露出、を与えるために必要な初期露出(initial exposur
e)セッティング(例えば、シャッタ速度、レンズ口径お
よび、必要に応じて、フラッシュ・パラメータ)を決定
し、(b) 例えば、予測される或いは実際のカメラの振動
で現れる画像ボケおよび撮影場面で要求される被写界深
度が与える実際の対象物の厚みのように、撮影場面の要
求を実際に満足する対応露出(corresponding exposure)
セッティング(および、必要に応じて、フラッシュ・パ
ラメータ)を確認し、(c) 初期および対応露出セッティ
ングの間の違いに応じて、任意のエキストラ・システム
速度(extra system speed)が存在するかどうか、もしそ
の場合に、撮影場面を撮影する際に使用できるエキスト
ラ・システム速度の早さについて検討し、(d) 最後に、
可能ならば、そのエキストラ・システム速度を予め設定
され優先順位が定められた増分方式で適切に活用して、
ベースライン露出セッティング(および、必要に応じ
て、フラッシュ・パラメータ)を変更し、所望のレベル
の品質、例えば、ISO/ANSI規格を厳守して得るレベルよ
り優れている品質、を生成する。
【0012】ISO/ANSI 露出セッティングを発散する基
準点として(むしろ従来の“ISO/ANSI”基準自動化カメ
ラの最終セッティングとしてよりも)効果的に活用し、
且つ、次にこれらのセッティングから実際の撮影場面の
要求を満足するために必要な場合に的確に逸脱すること
に依って、O'Such '916 特許に説明されているシステム
は、ISO/ANSI 規格に準じる場合よりも許容可能で且つ
一般的に高レベルの品質を備えた非常に数多くの画像を
有効に生成する。
【0013】しかし、我々は、O'Such '916 特許に説明
されているシステムは、無視すれば、このシステムを用
いることにより達成できる品質改善を人為的に制限する
こととなる潜在的に存在する仮定を含んでいることに気
づいた。特に、殆どの画像形成システムと同様に、O'Su
ch '916 特許に説明されているシステムは、出力画像
は、1つの標準表示サイズ、例えば 3 1/2" × 5" (約
8.9 cm ×12.7 cm )写真プリントで、なおかつ、そこ
からの標準視野距離(viewing distance)で見られること
を仮定している。そして、露出セッティングはこの仮定
に基づくパラメータ値を用いて最適化される。しかしな
がら、実際は、写真画像は1つだけの標準表示サイズに
必ずしも拡大されるわけでない。
【0014】この点に関して、写真ネガ上に位置決めさ
れる画像は多種多様の異なる表示サイズにわたってしば
しば拡大される。時々、写真の仕上げ前に、個々の撮影
者は、画像を特定のネガ上に、例えば、 3 1/2" × 5"
のような或る表示サイズから、互いに 8" ×10" (約 2
0.3 cm× 25.4 cm)のような他のサイズ、または、非標
準サイズにも、拡大することを選ぶ場合がある。更に、
非標準(疑似)焦点距離撮影モード、すなわち、疑似全
景(pseudo-panoramic)と疑似望遠(pseudo-telephoto)モ
ードの実現の可能性から、我々は、非標準サイズに対し
て益々高まる要望を近い将来に予想している。特に、末
端の業者処理装置を用いてカメラに依って記録されたデ
ータを変換する技術で最近開発された種々の情報変換プ
ロセスに依り、撮影者は、画像捕獲(image capture) 時
に、最終プリントに関して所望の表示タイプおよび/ま
たは焦点距離撮影モードを指定するデータをフィルムに
保存することができる。このデータは、各フレームの近
辺のフィルム上に保存されると思われ、そして、所望の
表示サイズおよび/または焦点距離撮影モードを指定し
てすなわち通常プリントとして、あるいは、疑似全景
(パノラマ)または疑似望遠画像のいずれかとして画像
を拡大する際に使用される。使用する際に、フィルムが
現像され次にプリントされる準備が済むと、このデータ
は、次にフォトプリンタに依る拡大中に読み取られ、な
おかつ、適切にそのオペレーション(例えば的確な再生
倍率比の設定)を制御して、所望の表示サイズと焦点距
離撮影モードを定める。撮影モードに関して、疑似パノ
ラマ画像の場合、ネガ上の画像は、例えば 3.5" ×10"
(約 8.9 cm ×25.4 cm )プリントを形成するために水
平方向を非常に好まれる特定のアスペクト比を用いて拡
大され(垂直クロップcroppingの有無にかかわらず)、
他方、疑似望遠画像の場合には、ネガの画像は、順に指
定サイズに適正に拡大される画像の中心部を生成するた
めに水平と垂直の両方向にクロップされることとなる。
適切なクロップは画像捕獲時にレンズによっても行われ
る。疑似パノラマと疑似望遠機能を備えたカメラの更な
る詳細な説明については、アメリカ特許第5,025,275 号
(1991年6 月18日に N. Taniguchi 他に発行されたもの
で、以降 Taniguchi '275 特許として引用される)、第
5,003,340 号(1991年3 月26日に D. M. Harvey に発行
され、且つ、本出願人にも譲渡された)、第4,860,039
号(1989年8 月22日に Y. Hata他に発行された)、第4,
583,831 号(1986年4 月22日に発行された)、第Re. 3
2,797号(1988年12月6 日に発行されたもので、後の2
つの特許は共に D. M. Harvey に発行され、且つ、本出
願人にも譲渡された)を参照されたい。疑似パノラマま
たは疑似望遠のタイプの画像はともに、非標準表示サイ
ズを生成する或る代表的な状況だけ示しているが、我々
は、拡大装置が広範囲にわたる多種多様の異なるプリン
ト・サイズ(標準と非標準の両方)を生成できるという
容易さを増大することが、画像を幅広い表示サイズにわ
たって生成したいという要望を特に高めることになると
予想している。
【0015】残念なことに、非標準表示サイズの活用は
感覚的な画像品質に影響するが、この要素は O'Such '9
16 特許に説明されている最適化プロセスに於いて考慮
されていない。従って、我々は、非標準表示サイズと視
野距離に関して、この最適化プロセスから達成できる最
終画像品質はなお非常に満足できる、すなわち、ISO/AN
SI 規格に準じて得るレベルと少なくとも等しくて且つ
普通は上回るものであるが、画像品質に於ける更なる改
善は、この最適化プロセスがこの要素を的確に考慮して
修正されるならば、可能になると考えた。
【0016】特に、撮影場面の要求を満足するレンズ口
径サイズを決めるために、その口径サイズは、少なくと
も、十分な被写界深度を最終的な写真に与えて、明確に
対象物の全体的な厚みを捕獲しなければならない。O'Su
ch '916 特許に説明されているように、近傍および遠方
の対象物の距離測定(または、例えばそのための統計的
な仮定)を用いて、要求される被写界深度を決定し、撮
影場面の画像を忠実に撮影する。その後に、およその最
大レンズ口径開口部は、測定される近傍および遠方の対
象物の距離と使用するレンズの焦点距離だけでなく、い
わゆる“ボケ円基準”(“許容錯乱円”として広く知ら
れている)に関する周知の関数として決定される。よく
知られているように、任意の焦点距離のレンズとその口
径セッティングに対して、レンズが対象とする被写界の
任意のポイントから最終焦点面に向けて放射する光を完
全に集束させるレンズからの距離は、ただ1つだけ存在
する。これが与えられると、ボケ円基準(適当な再生倍
率比に依って掛け算される時に)は、与えられた、例え
ば標準的な、視野距離で見られる時に、人間の観察者に
とって単一のポイントとして一般的に現れるようなプリ
ント上の円の直径を定める。従って、この円で囲まれる
区域と等しいか、あるいは、狭いプリント上の区域にわ
たって延在する任意のボケは、裸眼では標準的な視野距
離に於いて見えないと思われる。基本的に、ボケ円基準
と測定された近傍および遠方の対象物の距離を用いるこ
とにより、レンズ口径セッティングは、要求される被写
界深度の十分な範囲にわたって許容可能なボケの大きさ
を持つ画像を捕獲するものとして定義されることができ
る。そこで、要求される被写界深度内に入る画像の最終
的な部分は、標準視野距離に於いて明確かつ鋭く集束さ
れて現れる。
【0017】一般的に、カメラのデザインおよび O'Suc
h '916 特許に説明されている露出制御システムに於い
て、ボケ円基準そのものは、例えばアマチュア用の撮影
カメラの場合、固定された値、例えば、135 型フィルム
についてネガの上で 0.002"(約 0.005 cm )になる。
鋭さを高められた画像の場合、プロ用のカメラに実施さ
れているように、この基準は 0.001" (約 0.0025 cm)
になる。いかなる場合でも、アマチュア用カメラで行わ
れている標準的な 3.5" ×5"プリントの場合、ネガは、
プリント上で 0.008" (約 0.020 cm )のボケ円を生じ
ることとなる 3.9-4×のプリント倍率係数(ここでは
“再生倍率比”としても引用される)に依って一般的に
拡大される。ネガ上の0.001"( 約0.0025cm) ボケ円の場
合、この標準サイズのプリント上の最終的なボケ円は
0.004" (約 0.010 cm )になる。この倍率の画像ボケ
は、このプリントが、例えば 10"(約 25.4 cm)前後の
ような、標準的な視野距離に保持される時に、人間の観
察者には普通は見えない。この点については、 L. Stro
ebel他著"Photographic Materials and Processes"(著
作権取得 1986 年: Focal Press, Boston)の 160-161
頁を更に詳細に参照されたい。ここで、再生倍率比が大
きくなると(比較的小さいサイズのネガ、例えば、3.9-
4 ×の比率を要求する135 型フィルムより、むしろ 3.
5" ×5"プリントに対して約 7.2×の比率を要求する110
型フィルムを使用するか、または、広く用いられてい
るサイズ、例えば135 型、のネガから更に大きいプリン
トを生成することに依って)、プリント上に同じサイズ
のボケ円そしてそれにより画像の鋭さを保持するため
に、ネガに対するボケ円基準は、それに伴って小さくな
らなければならない。
【0018】残念なことに、実際の表示サイズにかかわ
らず、固定された数値が O'Such '916 特許に用いられ
るボケ円基準として用いられている。従って、この特許
に説明されている露出制御システムは、非標準表示サイ
ズを持つプリントに適した最適露出(および、必要に応
じて、フラッシュ)のセッティングを必ずしも生成しな
いので、従って、これはこのシステムの使用によって達
成しうる品質改善を制限することとなる。
【0019】或る試みが、比較的高い再生倍率比で増加
された画像ノイズ(粒状性)に起因する画像劣化(image
degradation) を抑制するために(O'Such '916 特許に
説明されているものと全体的に異なる露出制御システム
であるが)、Taniguchi '275特許に特に図示されている
技術の中で行われているが、この試みは、表示サイズの
変動に起因する画像品質の変動に関する逆効果を十分に
解消するとは思えない。特に、Taniguchi '275特許は、
対応する比較的荒い粒子を含有する比較的高速のフィル
ム(ISO(ASA)400 速度を越えるような)を使用して、撮
影者が、比較的大きい“疑似焦点距離(pseudo focal le
ngth) ”を選択する時に、必ず、再生倍率比を制限する
ことを教示している。
【0020】そこで、当面の利用可能な自動カメラを使
用する際に付随する退屈さと難しさと当て推量を更に少
なくして、広範囲の多種多様な異なる照明条件のもとで
写真を撮影するだけでなく、それらの全体的な品質レベ
ルをいま周知の技術の該露出制御システムから達成でき
るレベルより更に高める写真も提供するという必要性
が、カメラで用の自動露出制御システムを与える技術に
存在する。その点に関して、現在、O'Such '916 特許に
説明されているシステムに現れる方式のように、撮影場
面の要求と捕獲される画像に適したフィルム品質特性に
基づいて適切な露出セッティングを自動的に選択するだ
けでなく、これらのセッティングをその画像の最終表示
サイズおよび/またはそれに付随する焦点距離撮影モー
ドの変動に対して適切に補償するという特殊な必要性
が、露出制御システムに存在する。
【0021】
【課題を解決するための手段】周知の技術の自動露出制
御システムを使用するカメラに特有の、これらの且つ他
の欠点は、本発明の教示に従って実質的に解決される。
その点に関して、我々は、画像ボケの変動は、再生倍率
比の変動に起因するだけでなく、技術が示すと思われる
ように、最終的な画像が見られる距離(すなわち“視野
距離(viewing distance)”)の変動にも起因することに
気づいた。実際に、我々は、共に再生倍率比と視野距離
が、認識される画像ボケに独自に影響するので、表示サ
イズの任意の変動から生じる最終的なボケを十分に且つ
正確に特徴づけるためには共に必要なことに気づいた。
【0022】これらの方針に沿って、我々は、表示され
る画像の画像ボケ、従って、画像の表示サイズの変動に
起因する対応するネガのボケ円基準に対する影響を、我
々が正確に定量化することを可能にする視野距離と表示
サイズの間の概念的な関係を発見した。当業者が考える
と思われることとは逆に、視野距離の変動は表示サイズ
の変動に対して単純に(すなわち、その1次関数とし
て)倍増されない。
【0023】ここで、このことに注意して、O'Such '91
6 特許に説明されている最適化プロセスを変更し、所望
の表示サイズに適した適切な露出(および、必要に応じ
て、フラッシュ)パラメータ・セッティングを設定する
ために、我々は、表示サイズにおいて、画像捕獲時に指
定される所望の変化に対する再生倍率比と感覚的な視野
距離の独立した変動に基づいたボケ円基準およびいわゆ
る焦点距離ファクタに於ける変動を特徴づけるところ
の、いわゆる“表示サイズファクタ”(displaysize fa
ctor)(DSF) を開発した。DSF が再生倍率比の変動と関
係なしに変化する限り、このファクタは一定の表示サイ
ズに適した焦点距離撮影モードの変動を特徴づけるため
に用いられることができる。
【0024】本発明に特有の考えに従って、フィルム・
エンコーダーが、画像捕獲時に撮影者に依って選択され
る所望の表示サイズおよび/または所望の再生倍率比
(一般に例えば焦点距離撮影モードに関して関連し、且
つ、それにより表される)を指定するデータを記録する
ために、カメラと共に用いられる。選択されたサイズと
モードは、撮影者に依ってカメラ・ボディ上に位置する
関連するスイッチを適切に調整して選択される。最終デ
ータは、フィルムの上に記録され、且つ、一般的に当面
の捕獲されている画像を保持するフレームの近くに配置
される。表示サイズとモード・データも、撮影場面に基
づく測定値およびフィルム品質に関する蓄積データに関
連して、カメラに依って行われる露出制御プロセスの内
部で用いられ、標準サイズから所望のサイズにかけての
表示サイズの変更および表示される画像に関連する有効
焦点距離の変更を十分に考慮した最適露出(および、必
要に応じて、フラッシュ)パラメータ・セッティングが
的確に選択される。これらのパラメータ・セッティング
が決定され且つシャッタとレンズ口径(および、必要に
応じて、フラッシュ)がそれに加えて自動的にセットさ
れると、シャッタ(およびフラッシュ)が作動され、且
つ、画像が写真光学的に記録される。続いて、写真の仕
上げ(photo-finishing) 中に、フォトプリンタが、その
フレームに関連するデータを読み取り、且つ、その再生
倍率比をセットして、撮影される画像を拡大し、所望の
表示サイズのプリントを生成し、そして、それは所望の
焦点距離撮影モードを示すこととなる。露出(およびフ
ラッシュ)パラメータは、通常の焦点距離撮影モードお
よび想定された標準表示サイズに対するよりも、その特
定のモードと表示サイズに対して選択されることとなる
ので、プリントされる、すなわち、実際に表示される最
終画像は、既に達成できていたレベルより高く認識され
る品質レベルを持つことになる。従って、本発明に依っ
て生成される出力画像は、従来の技術で達成できるレベ
ルより特に高いレベルの品質を、表示サイズ、特に非標
準表示サイズおよび焦点距離撮影モードの広い範囲にわ
たって、均一に持つことになる。
【0025】特に、カメラ自体の内部に於いて、選択さ
れた表示サイズとモードは、典型的には、テーブル・ル
ックアップ・オペレーションに依って、DSF の対応する
値を決定するために用いられる。このDSF 値はボケ円基
準と焦点距離ファクタの両方の値を適切に調整するため
に用いられる。最終的に調整された値は、それ以前に固
定されていた値の代わりに、露出制御プロセスに用いら
れて、撮影される撮影場面、および、同様に重要な、最
終的な結果となる画像の特定のサイズと有効焦点距離に
ついて、最適の露出(および、必要に応じて、フラッシ
ュ)パラメータの値を決定する。
【0026】露出制御プロセス自体に関して、種々の露
出パラメータ(シャッタ速度とレンズ口径サイズ、およ
び必要に応じてフラッシュ・パラメータのような露出セ
ッティングを含めて)の初期値は、各々撮影条件に相応
して、すなわち、撮影される場面、用いられるフィル
ム、カメラ(レンズ、および、用いられている場合に
は、フラッシュ・ユニットに依って生成されるような補
助の撮影場面照明装置を含む)を含めて決定され、これ
はその場面のベースライン露出を与える。このベースラ
イン露出は、典型的にISO 通常露出である。これらのパ
ラメータの初期値が決定されると、これらのパラメータ
の対応する値(corresponding value) は、基本的に ISO
/ANSI 露出規格と関係なしに、撮影場面の実際の要求に
実質的に適合し、且つ、使用されるべき選択された表示
サイズおよび焦点距離撮影モードに特定化して決定され
る。例えば、或る周囲の照明状況に於いて、撮影場面の
要求は、撮影場面の主な対象物と背景部分の両方を、十
分に鋭く、完全に包合するために、十分な被写界深度を
与えるレンズ口径セッティングとともにカメラの振動に
起因する画像ボケ(選択された表示サイズに相応して調
整されている)を効果的に減少することのできる十分な
早さのシャッタ速度を含むと思われる。その後で、これ
らのパラメータ、例えばレンズ口径とシャッタ速度セッ
ティング、の初期値と対応する値の間に現れる差に基づ
いて、これらのパラメータの1つまたは複数の初期値
は、そのように実施することが、ベースライン露出を用
いては得られないベースライン露出を用いて得られない
同じ撮影場面の画像と少なくとも等しく、かつ、好都合
に優れている品質のレベルを持つ、画像を与えるなら
ば、新しい値に変更される。パラメータの新しい値は、
必要に応じて他のそのようなパラメータの変更されない
いずれかの値と共に、カメラのレンズとシャッタ・メカ
ニズムに送られて、次にフィルムを露出し、撮影場面の
画像を捕獲する。“エキストラ・システム速度(extra s
ystem speed)”は、露出パラメータの初期値と対応する
値の使用の際に、最終的な露出に利用可能な変動の累積
的な測定値(cumulative measure) として用いられる。
エキストラ・システム速度は、それが発生すると、優先
順位が設定された増分形態(priorifized incremental f
ashion) で用いられて、種々の露出パラメータ(露出セ
ッティングおよび必要に応じてフラッシュ・パラメータ
を含む)を変更し、更なる改善を画像品質に提供する。
【0027】各撮影状況は、“エキストラ・システム速
度”がその状況に存在するかどうかについて、かつ、そ
の場合に、その“エキストラ・システム速度”がその撮
影場面の撮影される画像の最終的な品質を効果的に改善
するために最適な状態で用いられることができるかを決
定するために、別々に検討される。“エキストラ・シス
テム速度”は、撮影システム(カメラ、レンズ、フィル
ムおよび、用いられている場合には、フラッシュ・ユニ
ットを含む)に利用可能な単純な速度(対数露出により
測定される)として“システム速度”を越えて定義され
る。“システム速度”は、当面撮影されている撮影場面
の要求(“標準的な撮影場面の要求”)を満足するため
に必要なフィルム速度の量である。特に、システム速度
は、当面の撮影場面のISO 通常露出を与えるために、代
表的な ISO/ANSI 露出規格を用いて要求されるところの
対数露出により測定された露出の量である。撮影システ
ムに利用できる速度が撮影場面に依って要求される速度
にちょうど適合する場合、対応する初期(“ベースライ
ン”)露出パラメータ(例えばレンズ口径とシャッタ速
度および必要に応じてフラッシュ・パラメータを含めた
露出セッティング)は、シャッタ速度が最終的に撮影さ
れた画像におけるカメラの振動のいかなる悪い影響をも
実質的に除去できる十分な速度になると思われ、また、
レンズ口径サイズが十分な被写界深度を撮影される画像
に与えて撮影場面の対象物の厚みを完全にカバーすると
思われるように、撮影場面を撮影するためにに選択され
る。これらの露出セッティングは、ISO 通常露出ポイン
トで定義されるものと少なくとも等しい露出と品質レベ
ルを備えた画になると思われる。
【0028】ここで、“エキストラ・システム速度”が
撮影状況に存在する場合、すなわち、システム速度が撮
影場面に依って要求される速度を越えて使用できる場
合、本発明のプロセスは、そのエキストラ・システム速
度を、予め設定され優先順位基準に基づいて初期露出パ
ラメータを修正するために利用し、ISO/ANSI 露出規格
に準じて達成できる品質を上回る画像品質を更に改善す
る。
【0029】このことに注意して、本発明のプロセス
は、調整されるボケ円基準と調整される焦点距離ファク
タを用いて、(a) 選択された表示サイズと焦点距離撮影
モードを考慮して、撮影される場面のベースライン露出
を与えるために要求される露出パラメータの初期値を決
定することと、(b) 使用時に選択される表示サイズと焦
点距離撮影モードに関して、例えばカメラの振動や要求
される被写界深度のような、撮影場面の要求に、撮影場
面の要求に実際に適合する対応する露出パラメータを検
討することと、(c) 初期と対応する露出パラメータの間
の違いに対応して、いかなるエキストラ・システム速度
が存在するかどうかについて、且つ、存在する場合に、
現場の撮影時に使用できるエキストラ・システム速度の
量を確認することと、(d) 最後に、可能な場合に、その
エキストラ・システム速度を予め設定された優先増分方
式で用いてベースライン露出パラメータを調節し、選択
された表示サイズと焦点距離撮影モードに対して、初期
すなわちISO 通常露出のセッティングを使用して達成さ
れると思われる品質と、少なくとも等しくて、且つ、数
多くの事例に於いて、それらを十分に上回って改善され
た品質のレベルを備えた撮影場面の露出を提供するこ
と、に特に依存している。
【0030】好都合に、本発明のプロセスは、周囲のフ
ィル(fill)およびフル(full)のフラッシュ照明条件を取
り扱っている。従って、周知の技術の自動カメラに現れ
るものと際立って対照的に、本発明のシステムは、好都
合に ISO/ANSI 露出規格を外れて、必要に応じて、露出
パラメータ(レンズ口径とシャッタ速度に限定されない
ものを含めて)を、ISO/ANSI 露出規格の使用、すなわ
ち、ISO 通常露出(すなわち露出時間に依って掛け算さ
れる強度)の使用と最終的なISO 通常露出セッティン
グ、により得られる品質を上回って、画像品質を実際に
改善する値にセットする。
【0031】エキストラ・システム速度が当面の撮影条
件に存在するかどうかについて決定し、かつ、そのエキ
ストラ・システム速度を用いて、例えば予め設定された
優先順位構成に基づいて、最終的に表示される画像の品
質を、画像捕獲時の表示サイズおよび/または焦点距離
撮影モードに関するユーザに依る選択を特に考慮して、
改善するという全体的な概念とは別に、本発明は独自に
用いられることができる幾つかの新しい別個の特徴を有
している。
【0032】まず、現在利用可能で、かつ、特に廉価な
カメラに使用することができる本発明の1つの特徴は、
いわゆる調節された焦点距離ファクタ(ADJUSTED _FOCA
L _LENGTH_FACTOR) (ユーザ指定表示サイズに適して
いる)を掛け算された焦点距離の逆数に基づいて、適切
なシャッタ速度を選択し、カメラの振動を最小限にする
ことを含んでいる。シャッタ速度をこの方式で選択する
ことは、レンズがズ−ムされる時に焦点距離したがって
最小シャッタ速度が変化する場合、ズーム・レンズを具
備するカメラに於いて特に有用になると思われる。この
場合、実際のリアルタイム振動情報の測定は、本発明の
プロセスからは取り除かれ、且つ、カメラが体験するユ
ーザに起因するカメラ振動の予測される量を近似するた
めに、製造中にセットされた適切な予め設定された定数
と置き換えられることとなる。カメラは、1つまたは複
数のそのような定数を記憶することができる。複数の定
数が記憶される場合、ユーザは、彼または彼女がカメラ
上に配置されている適切なユーザ操作スイッチをセット
することにより、任意の場合に、希望するこれらの定数
のうちの一つを選択することができる。
【0033】更に、表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SI
ZE_FACTOR) を用いると、事実上いかなる複雑なカメラ
も、非標準表示サイズに対して、確実に当面得られるも
のより高い品質レベルで、卓越した品質の画像を容易に
提供することができる。DSFが再生倍率比と視野距離の
両者で管理される限り、クロップされるかまたはフル・
フレームであるかにかかわらず、本発明の方法で事実上
任意の表示サイズが可能になる。
【0034】次に、特に、廉価なカメラ、特に固定され
た焦点レンズを使用するが撮影者に非標準表示サイズお
よび/または非標準(すなわち異なる different)焦点
距離撮影モード(例えば疑似望遠または疑似パノラマ)
を画像捕獲中に選択する機能を提供するカメラに於い
て、画像品質を改善するために用いられることが可能な
本発明の更なる特徴は、所望の表示サイズと焦点距離撮
影モードに対して必要な被写界深度を与えるための口径
をセットすることと、次にシャッタ速度を高速にして、
すなわち、シャッタが開かれる時間を短縮して、該非標
準サイズと焦点距離撮影モードの選択から生じる増大す
る画像ボケを補償することとを含んでいる。特に、標準
表示サイズと標準焦点距離撮影モード(すなわち非疑似
望遠と非疑似全景)に対して、初期口径セッティング
は、全ての範囲の対象物の距離(例えば、4フィート
(約 1.2 m)から無限大まで)を再びカメラ・レンズの
焦点を定め直すことなく捕獲するに十分な被写界深度を
与えることによって、撮影場面の要求に適合するように
最初に決定される。その後、初期シャッタ速度が、例示
されるように、カメラが安定して保持されることができ
る最長時間に基づいて速度を決定するための、いわゆる
焦点距離ファクタ(FOCAL_LENGTH_FACTOR) を用いて、
決定される。次に、撮影者が非標準表示サイズおよび/
または異焦点距離 different focal length)撮影モード
を選択していた場合、口径セッティングは、そうしない
と結果として増大することとなる画像ボケのために、標
準表示サイズと選択された非標準表示サイズの間、およ
び、標準焦点距離撮影モードと選択された非標準焦点距
離撮影モードの間でプリント上に同じ被写界深度とボケ
円を保持するような新しいセッティングに調整される。
特に、標準表示サイズに適した最大レンズ口径セッティ
ングは、画像捕獲の前に、DSF の逆数を掛け算されて、
非標準表示サイズと非標準焦点距離撮影モードに適した
最大レンズ口径セッティングを得ることとなる。この新
しい口径セッティングが与えられると、シャッタ速度は
表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR) の値に
依って掛け算で大きくされて、そうしないと非標準表示
サイズおよび/または非標準焦点距離撮影モードに現れ
ると思われる増大するボケを補償する。このようにし
て、初期シャッタ速度および口径セッティングは、基本
的に、対応する下限(すなわち、捕獲される当面の画像
に対して最も遅い使用可能なシャッタ速度と最大レンズ
開口部)を当面捕獲されている画像に対して定義する。
この単純な技術を用いて、エキストラ・システム速度の
存在を決定し且つ増分してそれを使用する精巧性を備え
ていない廉価なカメラは、それにもかかわらず、より限
定的なレンズ口径とシャッタ速度セッティングにより、
暗黙のうちにシステム速度を用いて、標準型から非標準
表示サイズおよび/または異焦点距離撮影モードまで
の、共通するネガの上に画像を拡大する際に、そうしな
いと現れると思われる大きくされた画像ボケを補償して
いる。
【0035】本発明に依るプロセスに関して他の分離で
きる部分は、自動焦点設定(autofocusing)ゾーンを採用
するカメラに表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FA
CTOR) を使用することを含んでおり、これらのカメラ
が、次の拡大時に、画像を非標準サイズおよび/または
異焦点距離撮影モードに於いて、数多くの事例で、現在
得られている品質より遥かに高められた品質で与えるこ
とを可能にする。被写界深度がボケ円と口径サイズの関
数である限り、表示サイズ・ファクタの逆数は、使用す
るレンズの口径セッティングで掛け算される時に、ボケ
円と被写界深度を非標準および標準の表示サイズの間お
よび/または例えば疑似望遠または疑似全景と標準焦点
距離撮影モードとの間でプリントの上に保存するよう
な、調整された口径セッティングを設定する。従って、
或る程度の露出制御と幾つかのゾーンの機能を搭載して
いるが、明確に対象物の厚み測定は含まない周知の技術
のカメラの場合、指定された数のゾーンに適している最
大レンズ口径は、カメラの設計と製造中に被写界深度を
与えるものとして、ゾーンを重複させるために頻繁に決
定され、そこで、対象物の画像を殆ど任意の距離におい
て捕獲する機能を提供すると一方、与えられた予め設定
されたボケ円限界を維持することができる。DSFを具備
し、かつ、活用することに依って、これらのカメラは、
高められた画像品質を、高いレベルで、非標準表示サイ
ズまたは非標準焦点距離撮影モードのユーザ選択に対し
て提供することができる。特に、各ゾーンに適した最大
レンズ口径値は、カメラの設計中に決定され、次に、画
像捕獲前に、DSF の逆数に依って掛け算される初期値に
なる。最終シャッタ速度もDSF で掛け算される初期値に
なる。レンズ口径とシャッタ速度セッティングをこの方
式でそのようなゾーンの各々に対して調整することに依
って、プリント上のボケ円は、非標準表示サイズおよび
/または非標準焦点距離撮影モードに対して保持され
る。最大レンズ口径セッティングがこの形態で変更され
ていなかった時に、最終的な非標準サイズ・プリントま
たは非標準焦点距離撮影モードの使用から生じる画像
は、特に比較的厚い対象物または隣接する自動焦点設定
ゾーンの交差部に近い距離にある対象物に対して、非標
準表示サイズまたは非標準焦点距離撮影モードの場合
に、増大する画像ボケのためにボケて現れることとな
り、これは大きくされた再生倍率比から生じると思われ
る。基本的に、DSF をそのようなカメラに使用すると、
非標準表示サイズおよび/または非標準焦点距離撮影モ
ードの使用のため露出セッティングのプログラム・シフ
ト (program shift)に効果的に影響する。これらの周知
のカメラは対象物の厚みを測定しないので実際に撮影場
面の要求を満足するレンズ口径セッティングを決定でき
ないが(本発明で実現できることと対照的に)、それに
もかかわらず、DSF の使用に基づいて最大レンズ口径と
シャッタ速度を調整することは、撮影される画像を非標
準表示サイズに相応しておよび/または、非標準焦点距
離撮影モードに関連する再生倍率比に依って、拡大する
時に現れると思われる増大された画像ボケを補償するこ
とに依って、画像品質に大幅な改善を与えることにな
る。
【0036】
【実施例】本発明の考えは、次に示す詳細な説明を、添
付図面とともに、検討することによって、容易に理解さ
れるであろう。より理解しやすくするために、同じ参照
数字ができるだけ、かつ、適切に各図で共通する同じ要
素を指示するように用いられている。
【0037】発明を実施するモード 次に示す説明を読むと、当業者は、本発明のシステム、
特にそれに包合される本発明のプロセスは、広範囲の多
種多様の異なる画像捕獲装置の任意の1つに於いて、特
に、幅広く変わるフィルム・フォーマットを集約して採
用する広範囲の多種多様の写真用カメラのうちの例示的
な任意の1つにおいて、同時に、異なる画像サイズを生
成できる写真仕上げ装置と共に、用いられて、自動露出
制御と改善された全体的な画像品質を提供できることを
容易に理解するであろう。更に、或る本発明のプロセス
の分離可能な部分は、以下に示されるように、そのプロ
セスの残りの部分と別に、カメラにおいて用いられて全
体の画像品質におけるそれに相応して益々改善された成
果を提供することができる。それにもかかわらず、以下
の説明を単純にするために、我々は本発明を 35 mm 撮
影用カメラを用いて説明するものとする。
【0038】次に示す説明の全体にわたって、我々は、
繰り返し、シャッタ速度を“増加する”(または減少す
る)とレンズ口径セッティングを“増加する”(または
減少する)という語句を引用する。正しく読者に理解し
て貰うために、我々は、ここで、シャッタ速度を増加す
る(減少する)ことは、シャッタが開かれている時間の
長さを減少(増加)するためにシャッタの速度を変更す
るいう意味に定義する。この点に関して、シャッタ速度
は、シャッタ速度の分数の分母の数値が、例えば 1/125
秒から 1/250 秒のように、増加する時に高速にな
る。我々は、レンズ口径を増加する(減少する)こと
は、その口径に依って与えられる開口部の実際のサイズ
を減少(増加)するために口径を変更するという意味に
定義する。この点に関して、レンズ口径は、f-絞りで測
定された時に、レンズ口径の数値が、例えば f/11 から
f/22 のように、増加し、そして、その口径の対応する
物理的なサイズ(開口部の直径)が減少する時に、必ず
増加する。
【0039】A. ISO 通常露出の定義と品質限度 ここで、十分に本発明のプロセスの基本原理を認識する
ために、どのようにしてISO 通常露出ポイントが、フィ
ルム、および、数多くの図解を用いて、本発明の概念の
“エキストラ・システム速度”に対して一般的に決定さ
れるかについて最初に説明される。その後、我々は、ど
のようにして“エキストラ・システム速度”が撮影現場
に現れることができ、且つ、対応する画像品質の改善に
最も効果的に活用されることができるかについて述べ
る。それを行った後に、我々は、本発明のプロセスを実
現するために用いられる特別のハードウェアについて述
べ、本発明のプロセスの全てに関する詳細な説明を続け
ることにする。
【0040】図1は、本発明のプロセスで用いられると
思われる代表的な写真用カラー・ネガ・プリント・フィ
ルムの1つの層について、濃度対対数露出 (log exposu
re)、粒状度対対数露出、相対彩度 (relative saturati
on)対対数露出および、15サイクル/mmにおける変調伝
達 (modulation transter)対対数露出曲線10, 20, 30,
40との関係を、それぞれ、示している。曲線10に依って
示されているように、濃度は、その層が最小限度の露出
Ea に露出されるまでは、最小値Dminに於いて、比較的
一定の状態を維持する。露出(E) は、或る標準化された
定義のもとで、撮影場面の照度(I) とフィルムがこの照
明に露出される時間(t) の積として定義される。最小露
出 Ea になるまで、フィルム層は単純に対象物の細部す
なわち色調の差 (tonal difference) を記録できない。
そこで、潜像はこれらの低い露出レベルで形成されな
い。対数露出の高い方のレベルに於いては、濃度は基本
的に対数露出の増加する値に直線的に比例して増加して
いる。直線範囲は露出EaとEbで境界づけられている。こ
の曲線が与えられると、通常露出ポイントは、全体の代
表的な撮影場面が、その色調の内容に関して、曲線の直
線部分に適合することを一般的に可能にするような、露
出の絞りに関して測定される、フィルム層の感度を定義
し、なおかつ、現像されたプリントのセンシトメトリー
分析から決定されるように、いわゆる“最も優れてい
る”品質のプリントを生成するような露出の最も低い値
に一般的になる。図示されているように、このポイント
は、濃度対対数露出曲線10の直線部分に位置する露出値
Enに依って定義される。そのような露出ポイントに依っ
て、撮影場面の中間色調の灰色はISO 通常露出ポイント
に関連する露出を生成するが、これに対して、中間色調
より明るく、また、より暗い撮影場面の色調部分は、曲
線上のこのポイントで生成される濃度より、それぞれ高
いかあるいは、低い位置にある露出になる。直線部分
は、図では、ISO 通常露出ポイントより2フル・ストッ
プ (two full stops) 低く、且つ、それより8ストップ
まで高く延在している。このフィルムのISO 通常露出ポ
イントは、全体として、フィルムの個々の感光層の全て
に対するISO 通常露出ポイントの値の関数として導かれ
る。ISO(ASA) フィルム速度は、特定の値の画像濃度を
フィルムの各々の層の上に生成するために必要な露出Es
から定義される。通常露出ポイントの露出をフィルム層
に対して生成するレンズ口径とシャッタ速度セッティン
グは、ISO(ASA) フィルム速度と撮影場面照度の値をIS
O 標準計測式(特に後で説明される式(1) )に代入し、
結果を計算することに依って、容易に決定されることが
できる。特に、ANSI(American National Standerds In
stitute)規格“スチル写真用のカラー・ネガフィルムの
アメリカ規格(ISO速度 ANSI PH 2.27-1987 の決定)"と
ISO 規格 588-1979 、ここで前者のANSI規格はフィルム
速度を決定するために後者のISO 規格を採用しており、
そして、ANSI(American National Standerds Institut
e)規格 PH 3.49-1971 “汎用写真露出メーターのアメリ
カ規格”(ANSI規格 PH 3.49-1987 として1987年に修正
なしに、その全部が再確認された)〔以降、 ANSI 規格
3.49 1987 として引用される〕、特にISO 標準計測式
に関するその21頁、を参照されたい。また、濃度対露出
特性とフィルム速度の詳細な説明について、読者は、L.
Stoebel他著Photographic Materials and Processes
(著作権 1986 : Focal Press; Boston Mass.)特にそ
の 42-56 頁、およびD. M. Zwick著 "The Technical B
asis of Photographic Speed Determinationor What is
Normal Exposure" (SMPTE Journal 、88 号、No.8、
1979年8 月、533ー573 頁) も参照されたい。引用を簡単
にするために、関連する規格は、以降、“ISO/ANSI 露
出規格”として引用され、これらの規格に依って定義さ
れる露出は以降ISO “標準”または“通常”の露出の何
れかと同じ意味で引用され、なおかつ、通常露出ポイン
トはISO 通常露出ポイントとして引用される。図1から
見られることができるように、ISO 通常露出ポイント
は、ISO(ASA) 速度ポイントに関連するものより、対数
露出対濃度曲線上により高い濃度と露出値で現れる。
【0041】更に、ネガ・プリント・フィルムが益々大
きい露出値を検出すると、そのフィルムから生成される
対応するプリントは、曲線20に依って図示されるよう
に、より低い露出値で現れる値より小さい粒状性を示
す。更に、曲線30と40に依って図示されるように、カラ
ー表現性(color rendition)と変調伝達は、露出が高く
なるにつれて向上する。
【0042】B. エキストラ・システム速度の存在およ
びISO 通常露出を超えて画像品質を改善する時のその使
ISO 通常露出ポイントが与えられたフィルムに対してセ
ンシトメトリー分析から決定されると、そのフィルムの
性能は1つの数値に依って特徴づけられる。ISO 通常露
出ポイントの値は或る露出寛容度を示すが、周知の技術
の自動カメラは、ISO 通常露出ポイントに依って与えら
れる1つの値に単純に依存して、完全にフィルムの性能
を特徴づけ、且つ、適切なレンズ口径とシャッタ速度セ
ッティングを決定する。図1から明らかであるように、
この特徴は、色調再生、鮮鋭度、粒状性、カラー表現性
の中で釣り合いをとり、最適の画像品質を備えたプリン
トを必ずしも生成しないことになる。実際に、フィルム
から得ることができる最高度の品質のプリントは ISO/A
NSI 露出規格に従ってフィルムを露出しても必ずしも生
成されない。例えば、図1に図示されているように、改
善された画像の細部(鮮鋭度)とカラー表現性と低減さ
れた粒状性は、卓越した品質レベルに、ISO通常露出ポ
イントで定義されたレベルを上回るようにこの特定のフ
ィルムを意図的に過剰に露出することに依って保持され
ることができる。
【0043】しばしば従来の技術に現れていたように、
そのISO 通常露出ポイントに依ってだけ示されるフィル
ム性能を使用して設定されたレンズ口径とシャッタ速度
セッティングの基本とすることの欠陥を認めて、“エキ
ストラ・システム速度”(同意語としてここでは簡単に
“エキストラ速度”としても引用される)の概念が、画
像品質がISO(ASA) 速度に依って定められる露出セッテ
ィングに依って生成される品質を上回って改善されるこ
とができる場合、これらの撮影状況を定義するために用
いられる。本発明のプロセスに従って、各撮影状況が、
すなわち、撮影される場面、所望の表示サイズ、用いら
れるフィルムおよびカメラ(レンズ、および、採用され
ている場合に、フラッシュ・ユニットに依って生成され
るような補助撮影場面照明装置を含む)を含めて、“エ
キストラ・システム速度”がこの状況に対して存在する
かどうかについて、そして、もし存在する場合、どのよ
うにしたら“エキストラ・システム速度”が最後に表示
される最終的な画像品質を効果的に改善するために最適
な状態で用いられるかについて決定するために、検討さ
れる。
【0044】“エキストラ・システム速度”は、撮影シ
ステム(カメラ、レンズ、フィルム、および、用いられ
ている場合に、補助照明装置、--例えばフラッシュ・ユ
ニットを含む)に“システム速度”を超えて使用できる
速度(対数露出に関して測定された)として、単純に定
義される。“システム速度”は、当面の撮影されている
撮影場面の要求(“標準的な撮影場面の要求”)を満足
するために必要なフィルム速度の量である。特に、シス
テム速度は、当面の撮影場面のISO 通常露出を与えるた
めに、いわゆる ISO/ANSI 露出規格を用いて典型的に要
求されるところの対数露出に関して測定された露出の量
である。
【0045】撮影システムに使用できる速度が撮影場面
(所望の表示サイズを含めて)で要求される速度にちょ
うど適合する場合、対応する初期(“ベースライン”)
露出セッティング(例えば、レンズ口径とシャッタ速
度)および、必要に応じて、フラッシュ・パラメータ
が、本発明のプロセスを用いて選択されて、その場面を
撮影(および、その最終画像を所望の表示サイズに拡
大)したとしても、シャッタ速度は、十分に高速なの
で、最終的に表示される画像に対するカメラの振動によ
るいかなる悪影響をも実質的に除去でき、同時に、レン
ズ口径のサイズは、十分な被写界深度をこの画像に与え
て、撮影場面の対象物の厚みを完全にカバーできると思
われる。これらの露出セッティングは、ISO 通常露出ポ
イントに現れるものと少なくとも等しい露出と品質レベ
ルを備えた画面になると考えられる。“エキストラ・シ
ステム速度”、すなわち、撮影場面に依って要求される
速度を超えるシステム速度の増分量が存在する場合、そ
のエキストラ・システム速度は、例示として、かつ、詳
細に次に説明されるように、露出セッティングを修正し
て更に画像品質を改善するために、用いられることがで
きる。すなわち、故意にフィルムを過剰に露出し、必要
に応じて、ISO/ANSI 露出規格に依って要求されるより
高速のシャッタ速度またはより小さいレンズ口径サイズ
を選択するか、または、フラッシュ状況によっては、フ
ラッシュ出力の絞りを下げることおよび/またはまたは
跳ね返りと拡散のフル・フラッシュ照明を採用すること
を実施する。
【0046】ここで、エキストラ・システム速度の概念
は、エキストラ・システム速度が存在する撮影状況に関
して3つの異なる単純な例示とそれが存在しない別の同
様な例示を考えると、明確に理解されることができる。
問題を単純にするために、撮影者が共通する標準的な表
示サイズをこれらの例の各々について選択したと仮定す
る。エキストラ・システム速度の概念が読者に理解され
たとすれば、次に、選択される表示サイズの変化および
露出セッティングに対する最終的な影響に依って必要と
される変形例について示すこととする。
【0047】まず、100 の ISO(ASA) 速度を備えたフィ
ルムが約250 フートランベルトの光レベルを備えた撮影
場面を捕獲するために用いられるケースを考えてみる。
このレベルは、一般的に曇天の時に現れるレベルとほぼ
一致している。これらの量が与えられると、周知の“su
nny 16 rule of thumb”を用いて(ここでは式(1) に依
って規定されており、特に後に説明される)、ISO 通常
露出の露出セッティングは容易に計算されることができ
る。特に、典型的な晴天の日に現れる撮影場面の照明に
関連する露出、すなわち、1000フートランベルトは、f/
16 レンズ口径および ISO(ASA) 速度の逆数すなわち 1
/100 秒に等しいシャッタ速度で現れる露出になる。し
かし、周囲の撮影場面の照明は、1000フートランベルト
でなく、代わりに250 フートランベルトになる。これ
は、撮影場面の照明が、実際は、“sunny 16 rule of t
humb”が根拠とする晴天時の照明の明るさの 1/4 であ
ることを意味している。2倍または半分の光の強度を与
える露出の1つの絞りが、10を底とする対数(log 10)露
出で測定された時の、0.3 の変化と等しい限り、光レベ
ルの4等分化は、対数露出で 0.6 または2ストップ未
満の減少に対応している。これは、例えば、露出時間を
4倍にしまたは露出強度(exposure intensity)を4倍に
することを必然的に伴うことになる。露出強度が、それ
自体が開口部の半径の2乗の関数であるレンズ開口部の
面積に比例する限り、レンズ口径のサイズにおける1つ
のf-ストップの相違は従って光の強度を2倍または半分
にすることとなる。このように、撮影場面を曇天時に25
0 フートランベルトで撮影することは、1/100 秒のシャ
ッタ速度に於いて、f/8 のレンズ口径(すなわち f/16
から2ストップ小さい)を要求することになる。従っ
て、必要な露出セッティングは、シャッタ速度に関して
1/100 秒に、レンズ口径に関して f/8 になる。これ
らのセッティングが与えられ、撮影される対象物は2人
の人間から構成され、最初の人はカメラ・レンズから約
6フィート(約 1.8 m)で次の人はカメラ・レンズから
約12フィート(約 3.7 m)の位置にいると仮定する。こ
こで、レンズのFナンバーと焦点距離を用いると、被写
界深度が計算できる。例示の趣旨から、f/8 口径で使用
するレンズに対して、この口径セッティングに依って与
えられる被写界深度はカメラから 5 〜 15 フィート
(約 1.5 〜 4.5 m)の範囲に延在すると仮定する。被
写界深度は最初の人の少し前の距離から次の人の背後の
距離に延在するので、全体の対象物がレンズに依って与
えられる被写界深度に入り、なおかつ、両者の撮影され
る画像も焦点に入る(in focus)。また、対象物の動き或
いはカメラの振動はいかなる認識可能な画像ボケをこの
シャッタ速度では導かないと仮定する。そこで、1/100
秒のシャッタ速度と f/8 口径の露出セッティングは、
十分に撮影場面の要求に適合するので、対象物を曇天時
に撮影するために必要な十分なシステム速度を与える。
いま、ここで、ISO(ASA) 速度100 フィルムを使用する
代わりに、ISO(ASA) 速度 400 フィルムが用いられる
ことを仮定してみる。この後者のフィルムは、同じ露出
濃度をネガに与えるために、ISO(ASA) 100 フィルムに
依って必要とされる使用可能な光の 1/4 を要求するだ
けである。これは、高速のシャッタ速度または小さいレ
ンズ口径の使用を可能にする。特に、ISO/ANSI 露出規
格に依って定められる露出セッティングが周知の技術の
自動カメラのように単純指向型であるとし、そして、シ
ャッタ速度が 1/100秒で一定に保たれているとすれば、
使用可能なフィルム速度を4倍にすることは、レンズ口
径が2ストップすなわち f/8 から f/16 に減少される
ことを必要とする。f/16 レンズ口径の場合、最終的な
被写界深度は、5 乃至 15 フィートから例示として 3乃
至 30 フィート(約 0.9 から 9 m)に増加する。被写
界深度はISO 規格露出を得るために撮影場面に依って要
求されるものより劇的に増加しているが、更なる被写界
深度は、この撮影場面に対しては単純にみて必要でな
い。撮影場面の要求が 1/100 秒のシャッタ速度と f/8
レンズ口径に於いて全て適合されている限り、レンズ
口径を2ストップだけ f/16 にして、更なる被写界深度
にしても、画像品質の顕著な改善をこの撮影状況では導
かくことはない。エキストラ・システム速度は、ISO/AN
SI 露出規格に依って一般的に表されるように、当面使
用できるものと撮影場面が実際に要求するものと間の対
数露出に於ける差であり、この状況では2ストップにな
る。画像品質は多種多様なパラメータに依って影響さ
れ、その1つが被写界深度にすぎないが、2ストップの
エキストラ・システム速度は別の方式で用いられること
ができ、その1つは、このケースにおいて実際に画像品
質を改善するためにあると思われる。例えば、一方で、
ISO(ASA) 400 速度フィルムは、過剰露出に依って、著
しい品質改善、例えば、鮮鋭度とカラー表現性を高める
粒状度の減少を示す場合、 1/100 秒のシャッタ速度と
f/8 口径セッティングは要求される被写界深度を保持
するために用いられるが、フィルムは故意に2ストップ
だけ過剰に露出されて、ISO 通常露出から得るより優れ
たものに画像品質を改善すると思われる。他方で、フィ
ルムが品質改善を過剰露出で示さない場合は、2ストッ
プのエキストラ・システム速度が、次に説明されるよう
に、画像品質を改善するための異なった方式、すなわ
ち、例示として高速シャッタ時間を用いることにより、
カメラの振動に起因する画像ボケを更に減少するため
に、使用されることができる。
【0048】基本的に、従来の技術で現れるように、IS
O 通常露出(すなわち露出時間に依って掛け算される強
度)を設定する、露出セッティングを単純に与えるより
もむしろ、本発明のプロセスは、(a) 撮影される撮影場
面の、ベースライン、典型的にはISO 通常露出、を与え
るために必要な初期露出パラメータ(露出セッティン
グ、および、必要に応じて、フラッシュ・パラメータを
含み、それらの全ては以降まとめて“露出パラメータ”
として引用される)を決定することと、(b) 選択された
表示サイズ、なおかつ、詳細に次に説明されるように、
使用中の焦点距離撮影モードに対して、例えば、カメラ
の振動や要求される被写界深度のような撮影場面の要求
に、実際に適合する対応する露出パラメータを検討する
ことと、(c) 初期および対応する露出パラメータの間の
差に応じて、エキストラ・システム速度が存在するか否
か、且つ、存在する場合に、その場面の撮影時に使用で
きるエキストラ・システム速度の量を確認することと、
(d) 最終的に、可能な場合、そのエキストラ・システム
速度を予め設定された方式で、特に優先順位が設定され
ている増分方式を用いて、使用し、ベースライン露出パ
ラメータを変化させて、選択された表示サイズと焦点距
離撮影モードについて、初期すなわちISO 通常露出のセ
ッティングを使用して達成されると思われる品質と、少
なくとも等しくて、且つ、数多くの事例に於いて、それ
らを十分に上回る品質のレベルを備えた撮影場面の露出
を提供することと、特に依存するものである。本発明の
プロセスは、周囲のフィルおよびフル(fill and full)
のフラッシュ照明条件を取り扱っている。エキストラ・
システム速度が画像品質を改善するために利用される特
別の方式は、図 3-17 に図示されているオペレーション
・ダイアグラムを用いて詳細に次に説明される。従っ
て、周知の技術の自動カメラに現れるものと際だって対
照的に、本発明のシステムは、ISO/ANSI 露出規格を無
視し、必要に応じて、露出パラメータ(レンズ口径とシ
ャッタ速度に限定されないもの、および、必要に応じ
て、フラッシュ・パラメータを含めて)を、選択された
表示サイズと焦点距離撮影モードに対して、ISO/ANSI
露出規格と最終的なISO 通常露出値を用いて得る品質を
上回る画像品質を実際に改善する値にセットする。
【0049】ここで、エキストラ・システム速度が存在
する状況を示す2つの更なる例を考えてみる。これらの
例の両方について、135 フォーマットの ISO(ASA) 速度
100プリント・フィルムがネガを形成するために露出さ
れると仮定する。3 1/2"× 5" (約 8.9 cm ×12.8 cm
)標準サイズ・プリントがこれらのネガから生成さ
れ、ボケ円基準が 0.002" (約 0.0051 cm)のネガの上
にあることも仮定する。
【0050】これらの2つの例の最初の場合、50 mm レ
ンズが、浅い被写界深度を備えた明るい太陽光線に照ら
されている撮影場面の画像を捕獲するために用いられる
と仮定する。特に、主な対象物は8フィート(約 2.4
m)、背景の対象物は 13 フィート(約 4 m)レンズか
ら離れて位置している。主、および背景の光レベルは共
に1000フートランベルトである。ここで、エキストラ・
システム速度は、“sunny 16 rule of thumb”に関連す
るISO レンズ口径セッティングに依って与えられる被写
界深度に対する撮影場面の浅い被写界深度の要求から生
じる。特に、与えられたレンズに対してカメラの振動に
起因する画像ボケを防止するために最も低速で使用可能
なシャッタ速度は、rule of thumb 標準法則を用いて、
レンズの焦点距離の逆数と等しいものとして、しばしば
当分野の技術から得られる。このように、100 mm レン
ズは 1/100 秒と等しいかあるいはより高速のシャッタ
速度を要求し、200 mm レンズは 1/200 秒と等しいか
あるいはより高速のシャッタ速度を必要とし、他のレン
ズの場合も同様である。従って、ここで用いられること
ができる最も低速のシャッタ速度は 1/50 秒である。撮
影者はごく単純に手で保持するカメラを完全に 1/50 秒
間支えるだけなので、このシャッタ速度は、安全ファク
タすなわちカメラ振動ファクタ(camera shake factor)
をしばしば掛け算されて、確実にシャッタ速度を激しい
カメラの振動に晒されないと思われる値に高める。実例
として 0.83 のカメラ振動ファクタを用いると、シャッ
タ速度は、レンズの焦点距離の逆数の 0.83 倍すなわち
0.83 ×(1/50) = 1/60 秒として計算されることができ
る。所望の撮影場面の厚みと既知の被写界深度の計算が
与えられると、f/8 レンズ口径は、十分な被写界深度を
与えて、撮影場面の主および背景の対象物をカバーする
こととなる。“sunny 16 rule of thumb”は、順に、過
剰な被写界深度をこの撮影場面に与える f/16 レンズ口
径の使用を必要とすることに注目すべきである。エキス
トラ被写界深度(extra depth-of-field)は、必要ではな
く、そして、 f/8 口径の使用から得る品質を上回る画
像品質に改善できると思えない。ISO/ANSI 露出規格か
ら、特に後に説明される式(1) に具体的に指摘されるよ
うに、1/60 秒のシャッタ速度と f/8 口径は、150 フ
ートランベルトの照明を与える撮影場面に適したISO 通
常露出になると思われる。しかし、1000フートランベル
トが実際に当面の撮影場面に存在する。従って、エキス
トラ・システム速度は、使用できるものとISO 通常露出
を生成するために要求されるものとの間の撮影場面の照
明の比率の対数として計算できる、すなわち、ここでは
log(1000/150) = 0.82/0.3 = 2 3/4 ストップのエキス
トラ・システム速度になる。このエキストラ・システム
速度は、いずれの1つまたは複数の数多くの方式に於い
ても、詳細に次に説明されるように、例えば、シャッタ
速度を、カメラの振動に起因する画像ボケが当面の場面
を撮影する際に現れる可能性を更に減少する或る試みに
おいて、更に高速にして、画像品質を改善するために用
いられることができる。
【0051】これらの2つの例の第2の場合に、35 mm
レンズが、フル・フラッシュ照明から得られる画像を捕
獲するために、フォーカルプレーンシャッタと ISO(AS
A) 速度 400 フィルムを具備して用いられると仮定す
る。ここで対象物はカメラ・レンズから4フィート(約
1.2 m)の位置にある。周囲の撮影場面の輝度は一般的
に1フートランベルトである。ガイド・ナンバー(guide
number)が64のフラッシュ・ユニットが用いられる。用
いられるレンズは深度ナンバー(depth number 、次に詳
細に定義される)が32である。この例の場合、エキスト
ラ・システム速度は、エキストラ・フラッシュ・パワー
を備えていること、すなわち、撮影場面の被写界深度の
要求に適合するために必要な深度を上回る照明深度を生
成することから生じる。特に、フル・フラッシュ撮影(f
ull flash photography)の場合、詳細に次に説明される
ように、レンズ口径セッティングは、フラッシュ・ユニ
ットに依って与えられる照明深度と一致する被写界深度
を与えるように通常は選択されるべきである。この点に
関して、余りにも狭い被写界深度を与えるレンズ口径を
選択すると、全体的な対象物の厚みを均一の鋭さで対象
物全体にわたって捕獲できなくなる。代わりに、フラッ
シュ・ユニットに依って与えられる照明深度より大きい
被写界深度を与えるレンズ口径を選択すると、システム
速度を浪費することになる。この例の場合、画像の背景
部は、レンズに依って与えられる被写界深度のために鋭
い焦点(sharp focus) になるが、不十分なフラッシュ照
明のために、これらの部分は単純に暗くなる。このよう
に、レンズに依って与えられる過剰な被写界深度は浪費
されることとなる。32の深度ナンバーが与えられると、
4フィートの位置の対象物に関して照明深度と等しい被
写界深度を与えるレンズ口径セッティングは、詳細に次
に説明されるように、対象物の距離で割り算される深度
ナンバーの値、すなわち、32/4 = f/8 として単純に与
えられる。しかし、ガイド・ナンバーは、対象物の距離
で割り算されるガイド・ナンバーの値、すなわち、64/4
= f/16 に依って与えられるISO 通常露出のレンズ口径
セッティングを必要とする 64 である。従って、ここで
使用できるエキストラ・システム速度の量は、レンズ口
径セッティングの2乗の比率の対数に等しい露出の比率
の対数、すなわち、log(16/8)2 = 2 エキストラ・スト
ップのシステム速度になる。このガイド・ナンバーが与
えられると、周知の技術の自動カメラは、フル・フラッ
シュ照明で撮影される当面の撮影場面に対して画像品質
の改善を、どんな場合でも、それほど普通は生じない f
/16 にレンズ口径セッティングを無駄に増加することと
なる。しかし、本発明の方法を用いると、画像品質は、
付加的な被写界深度だけ与えるよりもむしろ、いずれの
1つまたは複数の数多くの他の方式に於いても使用可能
なエキストラ・システム速度を活用することに依って、
すなわち、詳細に次に説明されるように、フラッシュ照
明を広げたり、或いは、跳ね返したりして更に均一の撮
影場面照明を与え、且つ、良く知られている "red-eye"
効果を最小限にし、または、故意にフィルムを過剰露出
し、必要に応じて、または、フラッシュ・パワーを必要
に応じて等の方法によって、著しく改善されることがで
きる。
【0052】エキストラ・システム速度が存在する、そ
れは撮影が一般的に行われる殆どの好ましい条件をまと
めて且つ一般的に示しているが、3つの代表的な撮影状
況について述べてきたが、我々は、ここでエキストラ・
システム速度が存在しない撮影条件を実例を用いて示
す。ISO(ASA) 25 速度フィルム(登録商標“EKTAR ”も
所有する Eastman Kodak Company 製の EKTAR 25 フィ
ルムのような)が、 100mm レンズを備え、且つ、250
フートランベルトにおいて、場面を撮影するために用い
られると仮定する。例えば、ANSI 規格“写真用アメリ
カ規格写真露出ガイド ANSI 2.7-1986”で特に述べられ
ている、“sunny 16 rule"に依って与えられる、ANSI
露出規格を用いると、このフィルムと光レベルの露出セ
ッティングは、1/25 秒のシャッタ速度と f/8 のレン
ズ口径セッティングになる。残念ながら、これらのセッ
ティングは、全体的な最終画像がカメラの振動に依って
ボケる可能性が高いので、全体的に使用できない。特
に、プロの撮影者は、アマチュアは言うまでもなく、手
で保持するカメラを 100 mm レンズで 1/25 秒の間、安
定して維持できないと思われる。従って、シャッタが開
いている間、撮影者は、或るポイントで、カメラを振動
して、認識可能な好ましくない画像ボケを全体の写真に
生成すると思われる。このように、シャッタ速度は、カ
メラの振動が認識可能な画像ボケを生成しないような値
に、増大されなければならない。そこで、少なくとも現
実には 1/100 秒のシャッタ速度が選択されると思われ
る。この点に関して、前述のように、最も低速で使用可
能なシャッタ速度は、与えられたレンズに対してカメラ
の振動に起因する画像ボケを防止するために、しばしば
当分野の技術では、rule of thumb の標準法則から、レ
ンズの焦点距離の逆数と等しくなる。従って、1/100 秒
のシャッタ速度を選択することは、1/25 秒が適正な露
出を設定するために要求される場合に、一定のレベルの
露出をフィルムの上で得るためには、f/8 から f/4 に
2ストップだけ増加されることを必要とする。ここで、
これらのセッティング、すなわち、1/100 秒のシャッタ
速度と f/4 レンズ口径は、撮影場面の露出要求に適合
していた。被写界深度については、撮影場面の背景部、
例えば、ナイアガラの滝が、カメラから遠い距離、すな
わち、いわゆる“無限大”の位置に存在し、なおかつ、
前景部、例えば、対象となる人が、カメラから僅か6フ
ィート(約 1.8 m)の位置に存在すると仮定する。f/4
レンズ口径は、単純には十分な被写界深度を与えず、全
体の撮影場面をカバーしない。実際に、適正な被写界深
度は、f/22あるいはそれより小さいレンズ口径を用いて
だけ満足されると考えられ、これは非常に長いシャッタ
時間の使用を必要とすると思われる。これは、5つ以上
のストップのシステム速度(f/4 からf/22)が、この条
件の撮影場面の要求に適合するために要求されることを
意味している。そこで、不十分なシステム速度が存在
し、実際に、この場合、エキストラ・システム速度はマ
イナスの5ストップになると思われる。残念ながら、IS
O(ASA)25速度フィルムと共に、大きいレンズ口径を比較
的長い焦点距離をもつレンズに使用すると、カメラの振
動が画像ボケを導く非常に重大な危険を招き、これは全
体の画像を損ねると思われる。このことを考慮して、シ
ャッタ速度は1/100 秒を維持して、レンズ口径サイズを
比較的浅い被写界深度を与えるサイズに効果的に制限し
なければならない。そこで、この状況に於ける負のエキ
ストラ・システム速度、および、そのために画の全ての
要素を改善できない要因があっても、本発明のプロセス
は、画面の最も重要な1つの要因、すなわち、前景の対
象物の鮮鋭度を最適化する。これは、画像ボケを防止す
るシャッタ速度を選択することに依って達成される。こ
の方式に於いて、本発明のプロセスは、撮影場面の前景
は、背景が焦点から外れていて(out-of-focus)ボケてい
ても、焦点に入る(in-focus)ことを保証する。更に、用
いられるフィルムが露出時に妥当な良質の画像を生成す
る場合、本発明のプロセスは、フィルムの実際の露出特
性に基づいて、全体の画像品質を改善する少し増加され
た被写界深度を得るために、ハーフ・ストップのよう
に、少し小さいレンズ口径サイズを選択することに依っ
て、或る露出に釣り合いをとる場合がある。ここで、撮
影場面の要求が、撮影システム(ここでは、例えば、フ
ィルム、カメラのレンズ、レンズの焦点距離、レンズ口
径、シャッタ速度を含む)が適合可能なレベルを越えて
更に求めていても、本発明のプロセスは、それにもかか
わらず、ISO 通常露出値を用いて得るより更に好ましい
画面を与えるために、2次的な画像要素の品質が低下し
ても、焦点に位置する前景対象物のように、より重要な
画像の要素が適合されることを保証するような光学的パ
ラメータを選択する。好都合にも、この例は極端な条件
であり、殆ど大半の画面は、前述の3つの典型的な条件
のいずれかのように、特に更に好適な条件のもとで撮影
される。
【0053】更に、本発明のプロセスは、比較的幅広い
寛容度を露出に関して備えているフィルム、特に、強い
露出に依存する品質特性を備えていて且つ過剰露出で向
上する品質を示すフィルムとに使用すると理想的(専用
でないが)な効果を示す。本発明のプロセスとフィルム
の反応の間の共同作用から、本発明のプロセスは、ISO/
ANSI 露出規格にかかわらず、適切な露出セッティング
(および、必要に応じて、フラッシュ・パラメータ)
を、できるだけ、撮影場面の要求に適合し、且つ、フィ
ルムが与えることができる最高の品質の画像を実質的に
提供するために選択するようにし、そこで、これは、全
体的に、これらの規格に特有の制限のために、ISO 通常
露出値を用いて得られるより著しく優れた品質改善を生
じる。図 3-17 に図示されていて且つ詳細に次に説明さ
れるように、本発明のプロセスは、自動的に適切な露出
セッティングおよび、必要に応じて、フラッシュ・パラ
メータを選択するためにマイクロコンピュータ・システ
ムを使用する比較的単純で、相互関連性があり、かつ、
予め設定されたプロセス・オペレーションで実現される
“経験”(知識)ベースのルールのネットワークによ
り、フィルム、当面の撮影場面、選択された表示サイズ
とカメラ、レンズ、およびからフラッシュ・ユニット、
に関する撮影システムに容易に使用できるデータを操作
することに依存している。これらのオペレーションがカ
メラ内のリアルタイム・オペレーションとして実現され
ることを可能とする相対的な使用容易性とコスト経済性
(cost-effectiveness)を考慮すると、これらのオペレー
ションの活用は、なかでも、撮影される画像に現れる彩
度、変調伝達、粒状度、濃度の特性を予測する比較的複
雑な式の時間消費型多元最適化(time consuming multi-
dimensional optimization)を実施するよりも明らかに
好適である。
【0054】C. 非標準表示サイズに起因する画像品質
に対する影響 エキストラ・システム速度に関する前述の説明に注意し
て、我々は、ここで、我々の論述を、非標準表示サイズ
の使用から一般的に生じる画像品質に対する影響に切り
替えることにする。撮影場面の要求に適合するレンズ口
径サイズを決定するために、その口径サイズは、少なく
とも且つ前述のように、十分な被写界深度を最終的な光
学系統に与えて、明確に対象物の全体的な厚みを捕獲し
なければならない。近傍と遠方の対象物の距離で決めら
れる適切なレンズ口径サイズの決定だけでなく(例え
ば、実際の対象物の距離の測定に基づいているかどうか
にかかわらず、この点は、本出願人に共通して譲渡さ
れ、且つ、ここに引用に依って包合される W. R. O'Suc
h他に1991年9 月17日に発行されたアメリカ特許第5,04
9,916 号に説明されている自動露出制御システムのケー
スであり、この特許は以降 O'Such '916 特許として引
用される)、その決定もいわゆるボケ円基準の関数にな
る。基本的に、周知のように、与えられたレンズ口径サ
イズに対して、ボケ円基準は、近傍から遠方の範囲の対
象物の距離、すなわち、許容可能な対象物の厚みとレン
ズからの位置、を効果的に定めるので、その対象物の撮
影される画像は、標準的な視野距離で保たれる時に、人
間の観察者にとって鮮明に見える。そこで、既知の値の
ボケ円基準と実際の対象物の距離測定を用いて、レンズ
口径セッティングは、全体の対象物にわたる許容量のボ
ケを含む撮影場面の画像を捕獲するように決定されるの
で、標準的な視野距離に於いて、明確かつ鋭い焦点設定
により現れる画像を生成できる。
【0055】カメラの設計時に、ボケ円は、好都合に固
定された値として写真ネガに関して設定され、一般的に
アマチュア用カメラのネガで 0.002" (約 0.005 cm )
およびプロ用カメラのネガで 0.001" (約 0.0025 cm)
になる。ボケ円がネガに相応して寸法設定されている限
り、ネガ上のボケ円の与えられた値に対して、画像が徐
々に拡大されるにつれて、プリント上で関連する画像ボ
ケ円のサイズも増加する。アマチュア用カメラを用いて
135 型フィルムから得た標準サイズの 3 1/2"×5"プリ
ントの場合、ネガの画像は普通は約 3.9-4×の再生倍率
比から拡大される。これは、順に、0.008"(約 0.020 c
m )のボケ円をプリントに生成する。代わりに、ネガの
上で 0.001" のボケ円の場合、この標準サイズのプリン
トの最終的なボケ円は 0.004" (約 0.010 cm )にな
る。この倍率の画像ボケは、例えば0.008" 以下である
かどうかにかかわらず、このプリントが例えば 10"(約
25.4 cm)前後の公称視野距離で維持される時に、人間
の観察者は一般的に見ることができない。
【0056】大きくされた再生倍率比を用いて形成され
る写真プリントは大きくされたボケを含んでいる。これ
らのプリントは、ユーザが、画像捕獲に続いて、しか
し、写真の最終仕上げの前に、広範囲の多種多様の大き
くされた表示サイズの任意の何れかに拡大されてネガの
上に画像が捕獲されることを決定するような、数多くの
異なる撮影モードの任意の1つによるか、または、非標
準焦点距離撮影モード、すなわち、疑似全景および/ま
たは疑似望遠撮影の可能な選択により、形成されること
ができ、これは、撮影者が、画像捕獲時に、次の写真仕
上げオペレーションを指示することを決定し、拡大中に
ネガの上で捕獲された画像の特定の部分を選択的に拡大
し、全景または望遠のような効果を達成することを可能
にする。
【0057】明らかに、再生倍率比は共通視野距離に相
応して増加するので、同じサイズのボケ円すなわち画像
の鮮鋭度をプリント上に維持するために、ネガのボケ円
基準は、再生倍率比の任意の増加に伴って減少しなけれ
ばならない。しかし、実際に、これは、ネガ上のボケ円
がカメラの設計中に固定された数となるように設定され
ている限り、単純に現れないので、共通視野距離に於い
て、徐々に大きくなる再生倍率を用いて形成されるプリ
ントは、対応して大きくされたボケを含むことになる。
【0058】更に、画像ボケは、再生倍率比の関数であ
るだけでなく、そのプリントの画像に関して認識された
鮮鋭度の関数であり、後者は、プリントが見られる距離
(すなわち“視野距離”)に依って決定される。この点
に関して、個人が同じ画像の異なるサイズの反射プリン
ト(reflection print) を、これらのプリントの対角線
の寸法の変化と全く同じ状態で直線的に変化する視野距
離において維持しようと場合、人間の目で行われる空間
的な周波数応答と統合化(integration)のために、大型
プリントに特有のボケのいかなる増加も、そのプリント
が保持されていた視野距離における一致した増加量によ
り完全に補償され、それ故肉眼では見えなくなると思わ
れる。基本的に、プリント・サイズの2倍化(例えば、
標準の 31/2" ×5" プリントから 7" ×10" プリント
に)は、人間の観察者が、両方の画像に同じ量の認識可
能な画像ボケを発生する限り、大型プリントを2倍の距
離に維持することを、要求する。しかし、我々は、与え
られた画像に対して、人間の観察者はそのようなプリン
トをこれらの距離で維持せず、同じ画像の異なるサイズ
のプリントにおいて異なる大きさのボケを認識する傾向
を示すことを見い出した。
【0059】殆どの画像形成システム(imageing syste
m)におけると同様にO'Such '916 特許に説明されている
システムは、出力画像が1つの標準表示サイズ、例えば
3 1/2" x 5"(約 8.9 cm x 12.7 cm )の写真プリント
で見られることを仮定している。そこで、露出セッティ
ングはこの想定に基づくパラメータ値を用いて最適化さ
れる。しかし、実際に、撮影画像は、1つだけの標準表
示サイズに拡大されるものではなく、また、前述のよう
に、全て1つの共通する距離で見られる反射プリントで
もない。
【0060】このことに注意して、再生倍率比または視
野距離の何れかの変化は、一定のレンズ口径セッティン
グの場合に、プリント上で認識される画像ボケに対して
逆に作用する。この点に関して、レンズ口径セッティン
グが変えられない場合、すなわち、適切に小さい開口部
に対して、再生倍率比の増加または視野距離の変化に起
因する画像ボケのいかなる認識される増大をも除去する
ために、O'Such '916特許に説明される最適化システム
は、このシステムに依って達成される品質改善を人為的
に制限する次善の最適露出セッティングを設定すること
になると思われる。
【0061】本発明の教示に従えば、我々は、まず感覚
的な関係を視野距離と表示サイズの間に発見したが、こ
れは、表示される画像の画像ボケ(例えば、特にプリン
ト)への影響、したがって、その画像の表示サイズの変
化に起因するところの対応するネガに対するボケ円基準
への影響を、我々が正確に定量化することを可能にす
る。当業者が考えると思われることとは逆に、且つ、次
に述べられるように、視野距離の変化は、表示サイズの
変化に対して単純に比例(すなわち1次関数)しない。
更に、我々は、詳細に次に説明される、いわゆる“表示
サイズ・ファクタ”(DSF) を開発したが、これは、表示
サイズおよび/または再生倍率比に於いて、画像捕獲時
に指定される所望の変化に対する再生倍率比と感覚的な
視野距離の独立した変化に基づいて、ボケ円と焦点距離
の変化を、特徴づけるものである。次に、我々は、この
ファクタを O'Such '916 特許に説明される最適化プロ
セスに巧妙に取り入れて、撮影場面の要求とフィルム品
質特性だけでなく、画像捕獲時に撮影者に依って選択さ
れる指定表示サイズおよび/または焦点距離撮影モード
に対して、最適化される露出(および、必要に応じて、
フラッシュ)パラメータ・セッティングを案出した。最
後に、本発明の考えに従って、表示サイズおよび/また
は焦点距離撮影モード・データも、それぞれ捕獲された
画像に対して、画像捕獲時に、フィルムの上に直接保存
され、次に、そのようなフレームの各々の再生倍率比
を、その拡大中に、露出パラメータ・セッティングが最
適化された指定比に適切にセットするために、フォトプ
リンタにおいて変換される。本発明の考えを用いると、
我々は、最終的に表示される画像品質の更なる改善を、
O'Such'916 特許に説明されている最適化システムに依
って達成される品質を越えて、且つ、ISO/ANSI 露出規
格を厳守して得る品質をも上回って、達成することがで
きる。
【0062】D. ハードウェアの説明 ここで、この前述の説明に注意すると、図2は、本発明
のプロセスを撮影用カメラで実現する好適な実施例の回
路のハイ・レベルのハードウェア・ブロック・ダイアグ
ラムを示している。任意のフィルム・フォーマット、お
よび殆ど任意の、全てでなくても、固定された焦点距離
のレンズ、ズーム・レンズおよび/または任意の1つの
数多くの内部交換式レンズ、内部または外部取付型フラ
ッシュ・ユニット(または、周囲の照明状況において使
用するために設計されている単純化されたカメラの場合
に、フラッシュ・ユニットがなくても)を採用するカメ
ラは、本発明のプロセスと共に用いられることができ
る。それにもかかわらず、例示の趣旨からして且つ次に
示す説明を簡単にするために、プロセスとそれを実現す
るハードウェアが、ここで、内部交換式レンズと外部取
付型フラッシュ・ユニットを備えた 35 mm カメラの使
用と関連して特に説明される。カメラ、レンズ、フラッ
シュ・ユニットに特有の要求される機能についても説明
される。的確な記述が、プロセスの各分離可能な部分お
よび適切なカメラにおいてその部分を活用して達成でき
る有益な影響についてなされるであろう。
【0063】特に、図2に図示されているように、回路
200 はマイクロコンピュータ・システム(ここでは“カ
メラ・マイクロコンピュータ”システムとしても引用さ
れる)から形成されていて、これは、マイクロプロセッ
サ235 、マルチプレクサ240、読出し専用メモリ(ROM) 2
55 と260 、ランダム・アクセス・メモリ(RAM) 265、コ
ミュニケーション・ポート270 、出力ラッチとバッファ
285 を基本的に搭載していて、全てがアドレスとデータ
・バス250 に相互接続されている。このシステムも、割
込み回路290 とタイミング、制御、電源回路295 を搭載
している。更に、特定化された入力回路は、マイクロコ
ンピュータ・システムに接続されていて、なおかつ、入
力バッファとラッチ205 と210 、光計測システム215 、
水平範囲検出システム220 、振動センサ225 、垂直範囲
検出システム230 から形成されている。出力ラッチとバ
ッファ285 は、種々のデジタル制御信号をドライバ287
(個々の出力ドライバ287a, ..., 287o から集中して形
成されている)を与えて、種々の出力アクチュエータと
ユーザ・ディスプレイ(特に図示されていないが周知の
ものである)をフィルム・エンコーダ288 と共に、全て
カメラ内部に組み込まれている状態で制御する。周知の
技術の設計検討事項と合致して、回路200の特定の構成
は、図2に図示されている構成から、本発明のプロセス
の特性に逆の影響を及ぼさずに、広い範囲にわたって変
形することができる。
【0064】ROM 255 は、カメラに使用できる異なる速
度とタイプの多種多様なフィルムに適したフィルム品質
と露出パラメータの関係を示す数多くの予め設定された
テーブルを記憶している。マイクロコンピュータ・シス
テムに依る本プロセスの実行中に、これらのテーブルの
1つは、使用可能なエキストラ・システム速度(ポジま
たはネガの何れか)を用いて、選択され次にアクセスさ
れて、詳細に次に説明されるように、当面の撮影状況に
於いて、最終的な画像品質が、意図的な過少は過剰露出
および、それに要求される露出の変形により、改善でき
るかどうかについて決定される。
【0065】ROM 260 は、図 3-17 に図示されていて且
つ詳細に次に説明されるように、本発明のプロセスを実
行するだけでなく、全体的なカメラ・マイクロコンピュ
ータ・システムのオペレーションを管理するコンピュー
タ・プログラムを記憶している。そのうえ、プログラム
は、適切なルーチンを搭載して、種々の自動カメラの機
能のオペレーションを自動露出制御とは別に、本発明と
は関係ないのでここで説明されないが、例えば自動装着
およびフィルム再巻付オペレーションのように、制御す
ることもできる。ROM 260 はまた、本発明の最適化プロ
セスに依って用いられる種々のルックアップ・テーブル
を、表示サイズ・ファクタのために数多くの予め設定さ
れた値を含めて、詳細に次に説明されるように記憶して
いる。RAM 265 は、ROM 260 に常駐するプログラムの実
行中に現れるデータのために一時的な記憶装置を提供す
る。
【0066】コミュニケーション・ポート270 は、カメ
ラ・マイクロコンピュータ・システムが、特にマイクロ
プロセッサ235 を含めて、コミュニケーション・リンク
272で、フラッシュ・ユニット275 とレンズ280 の内部
に位置する各々コンパニオン・マイクロコンピュータ・
システム277 および282 と通信することを可能にする。
前述のように、レンズとフラッシュ・ユニットは共にカ
メラから分離できる。撮影者は、異なる焦点距離の多種
多様なコンパチブル・レンズ、固定された焦点距離また
はズーム・レンズの何れか、の中の任意の1つを、カメ
ラに取り付けることができる。同様に、異なるいわゆる
ガイド・ナンバーを備えた、多種多様な異なるコンパチ
ブル・フラッシュ・ユニットの中の任意の1つも、カメ
ラに取り付けられることができる。写真光学的特性がレ
ンズ間およびフラッシュ・ユニット間で変わる限り、各
レンズまたはフラッシュ・ユニットに位置するマイクロ
コンピュータ・システムは、そのレンズまたはフラッシ
ュ・ユニットの写真光学的特性をそれぞれ定める予め設
定された定数を記憶していて、特に、各レンズに対し
て、記憶されているレンズの仕様は、例えば、焦点距離
と最大と最小のレンズ口径値を含んでおり、なおかつ、
各々フラッシュ・ユニットに対して、記憶されているフ
ラッシュの仕様は、例えば、ガイド・ナンバー、フラッ
シュ・シャッタ速度、最小フラッシュ同期(sync)速度を
含んでいる。ビット・シリアルまたは好都合なパラレル
の何れかであるリンク272 は、周知の技術であり、なお
かつ、カメラ・ボディの内部にあり、且つ、適切なピン
または周知のコネクタで終了する適切な配線から一般的
に形成されており、それらは、類似のピンまたはコネク
タと特定のレンズとフラッシュ・ユニットの上で、それ
らがカメラ・ボディに取り付けられる時に係合する。本
発明のプロセスの実行中に、カメラ・マイクロコンピュ
ータ・システムは、コンパニオン・マイクロコンピュー
タ・システムにリンク272 を経て問い合わせて、以下に
定義されるように、まとめてレンズとフラッシュの仕様
を定めるパラメータの各々の値を得る。その上、コミュ
ニケーション・ポート270 も、種々の制御信号をフラッ
シュ・ユニット275 の内部のマイクロコンピュータ・シ
ステムに送って、フラッシュ拡散角度(flash spread a
ngle)をセットし、フラッシュの時間をセットして、フ
ラッシュ・ユニットを作動する。フラッシュ・ユニット
は、適切なアクチュエータと付随する回路(周知のこと
であり図示されていない)を具備して、これらのオペレ
ーションを実行する。フラッシュ・ユニットは、垂直範
囲検出システム230 を備えており、それは、詳細に次に
説明されるように、直接および間接的にフラッシュ露出
を用いて反射面の存在を確認し、そして、それに伴って
フラッシュ・ユニットの光出力を変更して露出を調整す
る。このようなフラッシュ・ユニットは、1989年12月26
日に提出され、出願番号第07/457,081号を付され、そし
て、本出願人に依って所有され、且つ、ここは引用に依
って包合される“間接反射面検出器を備えたフラッシュ
・システム”というタイトルの同時係属アメリカ特許出
願に開示されている。
【0067】出力ラッチとバッファ285 は、マイクロプ
ロセッサ235 でセットされて、適切なデジタル出力信号
を、出力ドライバ287a ... 287n を経由して、種々のア
クチュエータ(例えばソレノイド、リニア・モータ、お
よび/またはステッパ・モータ)またはディスプレイに
送って、図示するように、シャッタ速度のセット、レン
ズ口径の調整および/またはシャッタのリリースのよう
な所望の撮影オペレーションを指示し、なおかつ、カメ
ラ・ボディの外面に組み込まれているビューファインダ
および/またはフラッシュから見ることができるディス
プレイ(周知のことであり、図示されていない)を用い
て、撮影者にディスプレイに適した状態と露出インフォ
ーメーションを提供する。そのうえ、バッファ285 も適
切な出力信号を、出力ドライバ 287o を経由して、フィ
ルム・エンコーダ288 に送る。マイクロプロセッサ235
から作動されると、このエンコーダはデータをフィルム
の上とフレームの近くにプリントする。このデータは、
そのフレームの画像が次の写真仕上げオペレーション中
に拡大される所望のサイズ、または所望の表示サイズと
所望の再生倍率比そのものだけ指定する予め設定された
コードであることができる。特に、このデータは、次に
フォトプリンタに依って読み取られ、それは、順に、そ
の再生倍率比を拡大中に適切に変更し、なおかつ、露出
パラメータ(必要に応じて)を関連づけてスイッチ206
を用いて撮影者に依って既に選択済みのサイズで写真プ
リントを設定する(詳細に次に説明される)とともに、
所望の焦点距離撮影モードを表示する。周知の技術の幾
つかの異なるタイプのフィルム・ライター(film write
r)の中の任意の1つがフィルム・エンコーダ288 に用い
られることができる。例えば、アメリカ特許第5,003,32
9 号 (1991年3月26日にT. Itabashi に発行された)
に図示されているような発光ダイオード(LED) 型の光学
的フィルム・ライターは、この特別の光学的エンコーダ
に依って生成される最終的な表示サイズ・データが、フ
レームの近くで、しかし、フレーム内部より、むしろ捕
獲される画像を記憶するフレームの外部に書き込まれる
必要があるけれども、用いられることができる(そこに
教示されているように)。
【0068】割込み回路290 は、周知の位置センサと共
に用いられて、レンズの当面の口径セッティングを決定
する。このセンサ(特に図示されていない)は、レンズ
の上の口径リングが、レンズ口径のサイズを調整するた
めに、f-ストップの半分のような増分量によって回転さ
れるたびに、パルスを生成する。類似のパルスが、ま
た、レンズ内部の光学的エレメントが焦点を設定するた
めに軸方向に動かされると、第2の位置センサ(図示さ
れていない)に与えられる。そのようなパルスの各々
は、適当な割込みパルスを、ライン292 を経由して、マ
イクロプロセッサ235 に送っている割込み回路290 に、
リード291 中の別々のリードを経由して送られる。これ
らのセンサは、パルスがそれに関連する電気接続部に送
られるようになっているレンズの内部、または、適切な
機械的な連結部品がレンズとセンサーの間を走行するよ
うになっているカメラ・ボディの内部の何れかに、組み
込まれることができる。各割込みパルスに対応して、マ
イクロプロセッサ235 は、一時的に通常のプログラム処
理を保留し、次に適切な割込みサービス・ルーチンを実
行して対応する位置パルスの現在のカウントを更新し、
レンズの当面の口径と焦点セッティングを追従させる。
センサそのもの、それらのオペレーション、それらの機
械的な構造が周知の技術である限り、それらはいずれも
更にここで説明されない。他の入力(特に図示されてい
ない)も、カメラのオペレーションに関連する既知の予
め設定された故障および/または限界条件の発生に関連
する入力のように、回路290 を経由して送られ、適切な
割込みをマイクロプロセッサに送り、且つ、適切な応答
をそこから引き出す。
【0069】タイミング、制御、電源回路295 は、リー
ド297 において、カメラ・マイクロコンピュータ・シス
テムのオペレーションとそれに関連する回路を制御し、
且つ、作動させるために必要な適切なクロック、制御信
号および電圧レベルを生成して送る。電源は回路295 に
バッテリー299 を経由して送られる。図2の残りの説明
は、本発明のプロセスを用いて入力値をカメラ・マイク
ロコンピュータ・システムに集約して与える種々の撮影
場面およびフィルムのセンサとユーザ・スイッチに関し
ている。これらのセンサは、周知の技術であり且つ数多
くのドライバ方式の中の任意の1つで実現されることが
できる。これらのセンサーの各々の特殊な具体化は本発
明の一部を形成しない。そこで、次に示す説明を簡単に
するために、これらのセンサーの各々は、その主な機能
的な性質の観点から、主として説明される。
【0070】特に、入力バッファとラッチ205 にリード
207 を経由して接続されている、コンタクト203 は、予
め設定されたメタリック・パターン、すなわち、カメラ
に装着されているフィルム・キャニスターの外側に位置
する、周知の“DX”コードと接触し、なおかつ、パター
ンの内部接続部から、キャニスター内部に保たれている
フィルムに関連する“DX”コードを読み取る。このコー
ドは、まずバッファ・ラッチ205 の内部に記憶され、次
に関連するリードを経由してマルチプレクサ240 の入力
に、マイクロプロセッサ235 に依る次の使用のために、
送られる。“DX”コードは、フィルムに適した ISO(AS
A) フィルム速度とフィルム・タイプ(例えばリバーサ
ルまたはネガ・タイプ)を与える。抵抗209 は、“プル
アップ(pull-up)”抵抗として機能して、開放された回
路接点に適したハイ・ロジック・レベルを与える。 入
力ラッチとバッファ210 は、ノブ・セッティング(knob
setting) のような種々のユーザ・スイッチ、リミット
・スイッチと三脚検出器 (tripod detector)のようなカ
メラ内部のスイッチに関する現在の状態を記憶し、なお
かつ、状態情報を、対応するリードを経由して、マルチ
プレクサ240 の入力に、マイクロプロセッサ235 に依る
次の使用のために、送る。その点に関して、入力スイッ
チ206 、例示されているバイナリ・コード用多位置スイ
ッチは、リード211 とプルアップ抵抗208 を経由して、
入力バッファ・ラッチ210 に接続されている。画像を捕
獲する前に、撮影者は、この特定のスイッチをセットし
て、この画像が写真の仕上げ中に次に拡大される表示サ
イズ(例えば、標準の 3 1/2" ×5"または 8" × 10"す
なわち、それぞれ、約 9 cm × 13cm と 20 × 33cm 、
または、他予め設定されたプリント・サイズの中の任意
の数値)に対応する。別の更なるスイッチも、基本的に
スイッチ206 と同じであるが(図面を単純にするために
図示されていない)、回路200 に搭載されており、なお
かつ、スイッチ206のようにバッファ・ラッチ205 に接
続されている。この更なる(“焦点距離撮影モード”)
スイッチは、幾つかの予め設定されたモードの1つに対
応して、捕獲される特定の画像に対するカメラの焦点距
離撮影モードをセットするために、撮影者に依って用い
られることができる。これらのモードは、通常の 50 mm
レンズを用いる場合、標準の焦点距離、疑似望遠(例
えば 110 mm の一定の有効望遠焦点距離を持つ)または
疑似全景(例えば 35 mmの一定の有効広角焦点距離を持
つ)を図示するように搭載している。次に説明されるよ
うに、スイッチ206 のセッティング(“焦点距離撮影モ
ード”スイッチのセッティングだけでなく)は、マイク
ロプロセッサ235 に依って、バッファ210 から読み取ら
れ、なおかつ、特定の値の表示サイズ・ファクタ(DISPL
AY_SIZE_FACTOR) を ROM 260 の内部に記憶されてい
る対応するルックアップ・テーブルからアクセスするた
めに、用いられる。この値は、本発明のプロセスの内部
において、且つ、詳細に次に説明されるように、適切な
露出(および、必要に応じて、フラッシュ)パラメータ
の値を決定して、画像が最終的に表示されるサイズと焦
点距離撮影モードに対する最適の品質で画像を的確に捕
獲する。更に、このセッティングは、順に、マイクロプ
ロセッサに依って、このセッティングをフィルムの上お
よび捕獲された画像を保持するフレームの近くにプリン
トするためのフィルム・エンコーダ288 に送られる。
【0071】インタフェース・処理回路218 に接続され
ている光検出素子アレイ216 を搭載する光計測システム
215 は、平均の撮影場面輝度だけでなく、当面の撮影場
面の前景部と後景部に関して、別のビューファインダま
たはレンズの何れかから見られる輝度を表すデジタル・
データを与える。アレイ216 は、電荷結合デバイス(CC
D) センサのような、一般的に画素型 (pixel based)ア
レイ・センサである。回路218 は、撮影場面に於いて予
め設定された画素領域の濃度の値を処理して、“前景の
光レベル”を設定するために撮影場面の前景部の輝度を
決定し、また、背景部と仮定して“背景の光レベル”を
設定するために撮影場面の残りの部分の輝度を決定し、
そして対応するリードを経て得られた値をマルチプレク
サ240 の入力に加える。撮影場面の前景部と後景部は、
水平範囲検出システム220 に依って識別されるものと同
じである。回路218 は、アレイの全体にわたって分布す
る予め設定された画素の輝度の平均を求めて、平均の撮
影場面光レベルの値を設定する。
【0072】例えば、周知のTTL (throgh-the-lens) 位
相検出システムの活用に基づいている水平範囲 (horizo
ntal rangefinding)検出システム220 は、撮影場面の種
々の部分に於ける対象物とカメラの距離を決定して、対
応するリードを経てこれらの距離を表すデジタル・デー
タをマルチプレクサ240 の入力に送る。前景は、測定さ
れた対象物とカメラの距離が最短である撮影場面の部分
と仮定されるが、撮影場面の残りの部分は、背景を含む
と見なされる。
【0073】振動センサ225 は、発生中のインスタント
・カメラの振動の大きさを表すデジタル・データを与え
る。このセンサは、図示するようにインタフェース・条
件設定回路228 に接続されている加速度計226 から構成
されている。回路228 は、周知のバッファリングとフィ
ルタリングと拡大縮小 (scaling)機能を与える。振動セ
ンサ225 の出力は、カメラ振動情報として、マイクロプ
ロセッサ235 に依る次の使用のために、マルチプレクサ
240 の入力として対応するリードを経て送られる。CCD
型画像センサのような他の適切なセンサが、撮影場面の
動きを検出できて、なおかつ、それに関連する回路は容
易に加速計216 と回路218 の代わりになることができ
る。
【0074】本発明のプロセスは、光のフラッシュが跳
ね返されることができる表面(“跳ね返り面”)が存在
するかどうかについても検討する。カメラが水平に維持
される場合、この面は普通は天井になる。代わりに、カ
メラが垂直に維持される場合、この面は普通は壁にな
る。このように、回路200 は、適切な跳ね返り面の存在
を示す適切なロジック・レベル(天井検出信号)を与え
るための、例示として、単純な周知の赤外線三角自動焦
点設定 (triangulation auto-focusing)システムである
垂直範囲 (vertical range-finding) 検出システム230
を搭載している。この範囲検出器は、その測定用トラン
スジューサーがカメラの最上部から上向きに向けられる
ビームを放射するように、カメラに組み込まれている。
コストとカメラの緻密性によっては、垂直範囲検出シス
テムは、バイナリ(YES/NO)タイプの情報、すなわち、
適切な跳ね返り面が存在するか否かの判断、または、フ
ラッシュ・ユニットの最上部から表面にかけて測定され
た実際の距離について、提供することもできる。このよ
うな距離情報は、特に正確な露出決定のために用いられ
ることができる。
【0075】マルチプレクサ240 は、マイクロプロセッ
サ235 の制御と ROM 260 の内部に記憶されている制御
プログラムのもとで動作して、デジタル・データを回路
205、210 、215 、220 、225 、または 230 に依って
生成されるものから選択して、そのデータをマイクロプ
ロセッサに依る次の処理のためにバス250 に送る。
【0076】E. プロセスの説明 本発明のプロセスを実現するために用いられる好適な実
施例の回路を述べてきたので、説明は、ここで、図 3-1
7 に図示されているプロセスそのものについて述べるこ
とに切り替える。前述のように、本発明のプロセスは、
変動する条件のもとで行われる実質的に数多くの写真撮
影に関する過去の分析から集められた統計的経験的なデ
ータから得た知識ベースのルールの活用に依存してい
る。これらのルールは、全体的な露出制御プロセスの個
々の側面を定量化して処理するために、本発明のプロセ
スの内部において、入力パラメータ、実行機能と出力パ
ラメータに関する個々のプロセスとステップに埋め込ま
れている。これらのプロセスとステップは、順に、本発
明のプロセスの内部で相互に関連づけられて、改善され
た品質の画像がISO 通常露出セッティングの使用により
得られるものを超えて得られる状況において、できるだ
け、熟練した撮影者の技術の模写を試みることのできる
一体化され、実質的に全てを対象とする知識ベースの自
動露出制御プロセスを形成する。
【0077】本発明のプロセスがカメラ・マイクロコン
ピュータ・システムの内部で実行するためのソフトウェ
アで実現される特に詳細な方式は、当業者に依る設計選
択の問題であり、自動カメラの設計に属する、プロセッ
サのコストおよび複雑さのような、費用−便益 (cost-b
enefit) 的な釣り合いから与えられる。広範囲の多種多
様なソフトウェア・デザインの中の任意の1つが本発明
のプロセスを効果的に実現し、且つ、そのような設計の
全てと付随する低級コードが、図 3-14 に図示される情
報が与えられると、当業者にとって容易に明らかになる
限り、単純にするために、本発明のプロセスの記述は、
これらの図面と関連する説明に於いて、比較的ハイ・レ
ベルに止めることにする。
【0078】理解しやすくするために、本発明のプロセ
スは、一般プロセスから各プロセスを形成する特別のス
テップまでのプロセスのトップダウン・ビューを与える
一連のハイ・レベル・オペレーション・ダイアグラムに
より図 3-17 に描かれている。各プロセスまたはステッ
プは、そのプロセスまたはステップに関する簡潔な説明
を含んでいる円に依って表されていて、データを特別の
カテゴリーの入力撮影パラメータから引き出し、その特
別のカテゴリーの名称はボックス内部に囲われて図示さ
れる。そのようなカテゴリーの各々は1つまたは複数の
個々のパラメータを含んでいる。2つ以上のパラメータ
を含んでいるカテゴリーがプロセスまたはステップに関
連している場合、そのカテゴリーにあり且つそのステッ
プに加えられる或いはそれに依って生成される特別の個
々のパラメータも図示される。2つのクラスのパラメー
タが用いられる、すなわち、英語の大文字(頭文字)で
指定される(共に図面と付随する説明に於いて)基本デ
ータ値である“基本要素 (primitives)"と日本語で指定
される(これもまた共に図面と付随する説明に於いて)
“非基本要素 (non-primitives)"であり、それらは各々
基本要素のグループから形成されている。“太線の”円
の内部で囲われて図示されている各々プロセスは、その
特別のプロセスのオペレーションを十分に理解するため
に、任意の低いレベルのオペレーション・ダイアグラム
に対して引用が必要とされないところの基本ステップ自
体である。
【0079】このことに注意して、図3は、本発明の露
出制御プロセス300 に関連する入力と出力パラメータに
関する全体的なオペレーション・ダイアグラムを示して
いる。特に、ライン 302, 304, 306, 308, 310, 312, 3
14, 316, 318, 320,322, 324 に依って表されているよ
うに、プロセスに加えられる入力パラメータのカテゴリ
ーは、各々、ボケ円基準(BLUR _CIRCLE_CRITERIA) 、
カメラ仕様、フィルム品質対露出情報、対象物距離情
報、フィルム速度(FILM _SPEED)、振動情報、レンズ仕
様、対象物光レベル、フラッシュ仕様、リサイクル・モ
ード(RECYCLE_MODE) 、焦点距離ファクタ(FOCAL_LENG
TH_FACTOR) 、表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_
FACTOR) になる。これらの入力を用いると、プロセス30
0は、ライン 352, 354, 356, 358 に依って表されるよ
うに、4つのカテゴリーの出力パラメータ、すなわち、
露出セッティング、パワー条件(POWER_CONDITION)、フ
ラッシュ条件(flash_condition)、拡散跳ね返り条件(s
pread _bounce_condition)を生成する。
【0080】これらのカテゴリーの各々は、ここで次に
示すように定義され、各々該カテゴリーは引用を簡単に
するために特に番号が付けられる。
【0081】〔入力カテゴリー〕 1. ボケ円基準 (BLUR_CIRCLE_CRITERIA) BLUR _CIRCLE_CRITERIA は、いわゆる“ボケ円基
準”とも呼ばれ、ネガの上に存在する、ミル(1/1,000
インチまたは約0.0025cm)の単位で測定された、許容可
能なボケ円の直径として定義される。ボケ円の直径が十
分に小さい、2ミル(0.002 インチまたは約 0.005 cm
)のような場合、この円の内部に存在する最終的な画
像の不具合は、ネガから生成される妥当なサイズで拡大
されたプリント(一般的に4×サイズ)に於いて、観察
者に依って認識されない。アマチュア用カメラの場合、
このパラメータは標準サイズの公称 0.002" (約0.005c
m)になるが、高められた画像の鋭さを要求するプロ用カ
メラの場合、0.001" (約0.0025cm) 公称ボケ円が代わり
に用いられることができる。ボケ円基準(BLUR _CIRCLE
_CRITERIA) の標準値は、ユーザ選択表示サイズに特有
の感覚的に決定される画像ボケを反映するために、表示
サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR) (詳細に次
に説明されるように、再生倍率比と視野距離に於ける独
立した変動に関する両方の影響を含む)を用いて調整さ
れる。最終的に調整された値(すなわち、調整されたボ
ケ円基準(ADJUSTED _BLUR_CIRCLE_CRITERIA) )が、
標準値の代わりに、最適化プロセスの残りの部分全体で
用いられる。そこで、高められた表示サイズに相応し
て、この調整は、ボケ円の調整される値を小さくして、
順に、シャッタ速度を減少し、レンズ口径セッティング
を高めるので、そうしないと、このサイズの撮影される
プリントに生じると思われる、任意にいかなる大きくさ
れる画像ボケをも補償し、且つ、実質的にその発生を防
止する。ボケ円とシャッタ速度とレンズ口径セッティン
グに関して調整される値の逆の変化は、減少される表示
サイズに対して生じることになる。
【0082】2. カメラ仕様 カメラの仕様は、次に示すパラメータ、すなわち、Kフ
ァクタ(K_FACTOR) 、シャッタ・タイプおよびカメラ限
界 (camera limits)を含んでいて、その全ては次のよう
に定義される。
【0083】a. K _FACTOR K _FACTOR は、ISO/ANSI 速度計算に用いられる周知
の経験的な定数である。特に、この定数の値は、前述の
ANSI 3.49-1987 規格で定められているに示すISO標準
計測式から与えられる。
【0084】
【数1】
【0085】ここで: K = Kファクタ(K_FACTOR) L = フートランベルトの単位で測定された撮影場面の照
度 S = 当面使用中のフィルムの ISO(ASA) フィルム速度 T = シャッタが開いている時間 A = Fナンバーで測定されたレンズ口径 この式を“sunny 16”ルールに一致させるために、K _
FACTORの値は約3.91に設定される。K _FACTOR の値
は、必要に応じて、レンズ透過率、レンズ・フレア (le
ns flare) 、または他のカメラ特有の光損失を考慮する
ために変更される場合がある。
【0086】b. シャッタ・タイプ シャッタ・タイプは、カメラに使用できるシャッタがプ
ログラム設定式か従来方式であるかについて指定する。
プログラム設定式シャッタは、シャッタを開閉する時
間、シャッタが開いている時間、シャッタ開口部のサイ
ズが、電気的または機械的に独自に変えられるシャッタ
である。従って、精巧なプログラム設定方シャッタは、
1つの露出中で、数多くの複数の独自に変更可能なレン
ズ口径サイズの各々に対して巧みにセットされることが
できる。低速開放 (low opening)シャッタのような単純
なプログラム設定式シャッタも使用されることが可能で
ある。低速開放シャッタの場合、1つの露出の周囲部と
フラッシュのための異なる口径が、シャッタが所望の周
囲口径 (amibient aperture)が得られるまで開放状態を
継続するとともにフラッシュ口径を与えるために、指定
されたシャッタ開口部の直径になるまでフラッシュ・ト
リガー信号を遅延することにより、達成される。従来の
シャッタの場合、シャッタが開放状態を保つ時間は変化
することができるが、1つの口径サイズだけしか1つの
露出中に利用することがことができない。
【0087】そのうえ、次のオペレーション・ダイアグ
ラムに図示されている本発明のプロセスには特に用いら
れていないが、そのシャッタ・タイプは、いま使用でき
るシャッタの特別の構成について、すなわち、シャッタ
がフォーカルプレーン・シャッタまたはリーフ・シャッ
タであるかどうかについて、またはフォーカルプレーン
・シャッタとリーフ・シャッタが共に共通する露出中に
当面使用されているカメラに利用できるかどうかについ
て指定することもできる。僅かの露出制御の手段は、特
にフラッシュ条件に於いて、オペレーション・ダイアグ
ラムに図示されている本発明のプロセスに依って達成で
きるものを越えて、簡単に本発明のプロセスの適切なス
テップを、使用可能なシャッタ構成のシャッタ速度同期
限界と異なる露出効果を考慮して、容易に修正すること
により、達成されることができる。
【0088】c. カメラ限界 カメラ限界は、カメラ内部に備えられている特定のシャ
ッタについて、最高シャッタ速度(MAXIMUM_SHUTTER _
SPEED)(すなわち、シャッタが作動できる最も低速のシ
ャッタ速度)と最低シャッタ速度(MINIMUM_SHUTTER _
SPEED)(すなわち、シャッタが作動できる最も高速のシ
ャッタ速度)に、定義されるシャッタ速度限界を含んで
いる。
【0089】3. フィルム品質対露出情報 このカテゴリーは、カメラに使用できる異なるフィルム
・タイプに対する露出特性に関して経験的定められたテ
ーブルのセットを含んでおり、1つのテーブルが各々異
なるフィルム・タイプに対して存在する。これらのテー
ブルは、図2に図示される ROM 255 の内部に記憶され
ている。各テーブルは、エキストラ・システム速度の絞
りについて、(a) 使用可能なエキストラ・システム速度
の総量(テーブルに入力値として適用される)からエキ
ストラ・システム速度の量を、絞りおいて示し、それは
故意にフィルムの露出をISO 通常セッティングから変更
して画像品質の改善を達成するために用いられるもので
あり、なおかつ、(b) 次に説明されるように、更に画像
品質を過剰露出を超えて改善するために、他の技術に依
る使用のために、そのままの状態を保つエキストラ・シ
ステム速度の量を出力値として供給するという側面を提
供している。テーブルに適用されるエキストラ・システ
ム速度の入力値がマイナスの値になり、フィルムが許容
可能な品質の画像を故意に過小露出のもとで与えるよう
な状況に於いて、テーブルに依って生成される最終的な
出力エキストラ・システム速度の値は、入力値より一般
的にそれほどマイナスでないので、拡張された被写界深
度を与えて更なる対象物の厚みをカバーするために広い
レンズ口径を使用するような、画像品質を改善する他の
技術の活用を促すこことなるテーブルの例示が次のテー
ブル1に図示されている。
【0090】 テーブル1 フィルム品質対露出テーブルの例示 エキストラ・システム エキストラ・システム 速度入力 速度出力 -4 -3.5 -2 -1.5 -0.5 0 0.5 0 1.0 0 2.0 0 3.0 1.0
【0091】テーブルの任意のエントリにおける入力と
それに関連する出力値の間の数字上の差異は、フィルム
の露出を、過少または過剰露出に依って、ISO 通常値か
ら故意に変更することに依って用いられるエキストラ・
システム速度の量を特定化する。リバーサル・フィルム
はむしろ狭い露出寛容度を備えているので、このフィル
ムのISO 通常露出からの逸脱は、殆んど全て最終的な画
像品質を劣化させる傾向を示すこととなる。このよう
に、故意の過剰または過少露出は該フィルムに用いられ
ない。更に、リバーサル・フィルムのフィルム品質対露
出テーブルは、エキストラ・システム速度の入力と出力
の値の間に差がないことを一般的に示している。
【0092】従って、エキストラ・システム速度は、最
終的な画像品質を改善するために、故意に過剰または過
少露出を行う場合と異なる方式で用いられると思われ
る。
【0093】4. 対象物距離情報 このカテゴリーは、図3に図示されており、2つのパラ
メータ、すなわち、撮影される画像のカメラから前景部
と後景部にかけての距離を各々指定する主要対象物距離
(PRIMARY_SUBJECT _DISTANCE) と背景対象物距離(BAC
KGROUND _SUBJECT _DISTANCE) から成る。これらの距
離は、前述のように、図2に図示される水平範囲検出シ
ステム220 から与えられる。
【0094】5. フィルム速度(FILM _SPEED) このカテゴリーは、図3に図示されるように、1つだけ
のパラメータ、すなわち、当面使用中のフィルムの ISO
(ASA) 速度から成る。このパラメータの値は、前述のよ
うに、フィルム・キャニスターの外面に位置する“DX”
コンタクトから読み取られる。
【0095】6. 振動情報 このカテゴリーは、2つのパラメータ、すなわち、画像
ボケに関係する、標準振動端数(STANDARD _SHAKE _FR
ACTION) と振動に起因するボケ(BLUR _FROM_SHAKE)を
含んでいる。
【0096】a. 標準振動端数(STANDARD _SHAKE _FR
ACTION) 標準振動端数(STANDARD _SHAKE _FRACTION) は、カメ
ラの振動から生じる調整されるボケ円基準(ADJUSTED _
BLUR_CIRCLE_CRITERIA) の許容端数として定義され
る。このパラメータの値は、異なるカメラ・タイプに依
って普通は変わり、なおかつ、カメラの一般的なユーザ
に依って発生されると予測されるカメラの振動に基づい
てカメラの製造中にセットされる。カメラの振動に非常
に敏感な、使い捨てカメラのような、非常に軽量のカメ
ラは、カメラの振動の影響を受ける度合いが低いので、
標準振動端数(STANDARD _SHAKE _FRACTION) に関して
比較的小さい値を要求すると思われる。代わりに、プロ
用の 35 mm カメラのように、比較的堅固で重いカメラ
は、標準振動端数(STANDARD _SHAKE _FRACTION) に対
して十分に大きい値を持つこととなる。更に、このパラ
メータの値は、ポテンショメーターまたは他のユーザ・
アクセス制御手段を用いて撮影者に依ってセットされる
ことができる。このようにして、パラメータは、その特
定の個人の能力を確認してカメラを安定して保持するよ
うに調整されることができる。
【0097】b. 振動に起因するボケ(BLUR _FROM_SH
AKE) 振動に起因するボケ(BLUR _FROM_SHAKE)は、露出が行
われている間に実際に発生するカメラの振動に関して測
定される量である。前述のように、この振動量は、図2
に図示されている振動センサー225 に依って測定されて
カメラ・マイクロコンピュータ・システムに送られる。
【0098】実現コストを減少するために、振動センサ
ー225 および全ての振動情報またはその一部の処理(振
動に起因するボケ(BLUR _FROM_SHAKE)のリアルタイム
な測定とそれに関連する処理)は、詳細に次に説明され
るように、このプロセスの残りの部分から達成できる改
善された画像品質の低減されたレベルにおいては、コス
ト面で本発明のプロセスから、省略されることができ
る。
【0099】7. レンズ仕様 レンズ仕様は、図3に図示されていて且つ図2に描かれ
ているマイクロコンピュータ・システム282 に依ってカ
メラ・マイクロコンピュータ・システムに送られ且つカ
メラに取り付けられている特定のレンズの内部に配置さ
れていて、次に示すパラメータ、すなわち、口径限界
(aperture limits)と焦点距離(FOCAL_LENGTH) を含ん
でおり、それらは共に次のように定義される。
【0100】a. 口径限界 口径限界は、カメラに取り付けられる特定のレンズのた
めの最小口径(MINIMUM_APERTURE) と最大口径(MAXIMUM
_APERTURE) として定義され、なおかつ各々、このレン
ズが提供できる最小(最大Fナンバー、すなわち、パラ
メータ MAXIMUM_F _NUMBER の値)と最大の口径セッ
ティング(最小Fナンバー、すなわち、パラメータ MIN
IMUM_F _NUMBER の値)と等しい。
【0101】b. 焦点距離(FOCAL_LENGTH) 焦点距離(FOCAL_LENGTH) は、このレンズの焦点距離を
ミリメーターの単位で表した単純な数値にすぎない。レ
ンズがズーム・レンズの場合、この値は、レンズが当面
セットされている焦点距離になる。
【0102】8. 対象物光レベル このカテゴリーは、2つのパラメータ、すなわち、主要
対象物光レベル(PRIMARY_SUBJECT _LIGHT _LEVEL)と
背景光レベル(BACKGROUND _LIGHT _LEVEL)から成り、
これは、図2に図示されている光計測システム215 によ
り測定され、なおかつ、前述のように、当面撮影されて
いる場面の前景部と背景部の照明の輝度を与える。
【0103】9. フラッシュ仕様 フラッシュ仕様は、図3に図示されているように、次の
パラメータ、周囲フィル口径(AMBIENT_FILL_APERTUR
E) 、フラッシュ・シャッタ速度(FLASH_SHUTTER _SPE
ED)、フラッシュ減少限界(FLASH_FALL_OFF _LIMI
T)、トリップ・ポイント(TRIP _POINT)、最小フラッシ
ュ同期速度(MINIMUM_FLASH _SYNC_SPEED)、フィル・
フラッシュ補償ファクタ(FILL _FLASH _COMPENSATION
_FACTOR) 、エネルギー節約フラッシュ(energy _savi
ng_flash)、拡散跳ね返り(spread bounce)情報、深度
ナンバー (depth umber)情報、ガイド・ナンバー(GUIDE
_NUMBER) を含んでいて、それらの全ては次のように定
義される。
【0104】a. 周囲フィル口径(AMBIENT_FILL_APER
TURE) このパラメータの値、すなわち、限界ポイントは、周囲
の照明条件を満たすために点火されることができるレン
ズ口径の最大サイズ、すなわち、フル・フラッシュが作
動された後に、シャッタが開放状態を保つ時に、背景光
レベルを設定するために使用できるレンズ口径サイズを
定義する。この値は、フル・フラッシュ状況における周
囲の照明を完全に設定するために必要とされるレンズ口
径サイズに必ずしもならず、むしろ、フル・フラッシュ
の使用に対して、当面使用できる最大レンズ口径サイズ
になる。月夜または特に低質の光の撮影場面のような、
或る撮影状況では、周囲の照明条件は低質なので、周囲
フィル口径(AMBIENT_FILL_APERTURE) の値は、非常に
長時間の露出を除いて、周囲の照明条件を的確に完全に
設定するためには、単純には不十分となる。
【0105】b. フラッシュ・シャッタ速度(FLASH_SH
UTTER _SPEED) フラッシュ・シャッタ速度(FLASH_SHUTTER _SPEED)パ
ラメータの値は、フラッシュ露出を用いて当面の場面を
撮影する際に使用するために選択されるデフォルトシャ
ッタ速度(default shutter speed)である。
【0106】c. フラッシュ減少限界(FLASH_FALL_OF
F _LIMIT) フラッシュ減少限界(FLASH_FALL_OFF _LIMIT)パラメ
ータは、フラッシュ照明が細部を画像から除去するカメ
ラからの距離範囲を指定する。特に、対象物が余りにも
カメラに近すぎる場合、フラッシュ照明は、対象物を消
してフィルムを過剰露出するので、対象物のいかなる鮮
鋭度をも画像から除去する。代わりに、対象物がカメラ
から余りにも遠すぎる場合、対象物に対する距離の逆2
乗として減少することになる。フラッシュの輝度は、対
象物を照らして背景と区別するには単純に不十分にな
る。これらの距離において、対象物は背景と混合され
て、画像の細部は消滅する。フラッシュ照明が、フラッ
シュ減少限界(FLASH_FALL_OFF _LIMIT)に依って指定
される対象物とカメラの距離の範囲外にある物体を適正
に照らすことができない限り、このパラメータの数字的
な範囲は、被写界深度と照明深度 (depth-of-illuminat
ion)を関係づける限界をフラッシュ撮影の使用に必要と
される被写界深度に与えることになる。
【0107】d. トリップ・ポイント(TRIP _POINT) トリップ・ポイント(TRIP _POINT)パラメータの値は、
フル・フラッシュ露出が行われる最大の全体的な撮影場
面輝度を指定する定数である。一般的には全体的な撮影
場面の平均値となる全体的な撮影場面の輝度は、図2に
図示されている光計測システム215 から、または、カメ
ラに組み込まれている別の光センサーから得られること
ができる。
【0108】e. 最小フラッシュ同期速度(MINIMUM_FL
ASH _SYNC_SPEED) 最小フラッシュ同期速度(MINIMUM_FLASH _SYNC_SPEE
D)パラメータの値は、フラッシュ・ユニットがシャッタ
に同期されることができる最短のシャッタ速度を指定す
るカメラの設計に依って指示される定数である。
【0109】f. フィル・フラッシュ補償ファクタ(FIL
L _FRASH _COMPENSATION_FACTOR) フィル・フラッシュ補償ファクタ(FILL _FRASH _COMP
ENSATION_FACTOR) パラメータは、撮影場面に用いられ
るフィル・フラッシュの量に限界を与える経験的な定数
である。フィル・フラッシュ照明は、主要対象物が陰に
位置する昼の太陽光のもとでの撮影のように、高い照明
コントラストをもつ撮影場面に於いて照明のバランスを
とるように設計されている。しかし、過剰なフィル・フ
ラッシュ照明が主要対象物に照らされていた場合、撮影
場面の照明は逆に作用して、主要対象物は明るくなり、
撮影場面の背景部はフラッシュ減少のために過度に暗く
なるので、不十分な背景部の撮影場面の照明になる。
【0110】g. エネルギー節約フラッシュ(energy _
saving_flash) このカテゴリーは、フラッシュ・ユニットが、そのフラ
ッシュ・チューブを、ユニットの内部にある記憶コンデ
ンサーに記憶されることができる総エネルギーの一部だ
けで作動できる能力を備えているかどうかについて指定
する1つのパラメータにより、単純に構成されている。
【0111】h. 拡散跳ね返り情報 このカテゴリーは、跳ね返りと拡散フラッシュ照明 (bo
unce and spread flash illumination) の利用性とその
使用に関連するパラメータを与え、なおかつ、次に示す
カテゴリーのパラメータと個々のパラメータ、すなわ
ち、天井存在(ceiling_exist)と跳ね返りカットオフ(B
OUNCE _CUTOFF) と拡散テーブル (spreadtable) を含
んでいる。図2に図示されている振動センサー225 の使
用と似ていて、垂直範囲検出システム230 は、跳ね返り
情報の処理の全てと共に、詳細に次に説明されるよう
に、本発明のプロセスの残りの部分に依って生成される
全体の画像品質における低減された改善のコストにおい
ては、本発明のプロセスから取り除かれることができ
る。代わりに、次に説明されるように、拡散跳ね返り情
報を活用する本発明のプロセスの一部は、プロセスの残
りの部分から切り離され、なおかつ、撮影場面の特性だ
けに基づいて、そのように行うと画像品質を改善する場
合に、跳ね返り照明を自動的に活用するためにカメラに
搭載されることができる。
【0112】1. 天井存在(ceiling_exist) このカテゴリーは、フラッシュ照明が跳ね返されること
ができる表面が存在するかどうかについて、デジタル的
に指定(YES/NO)する1つのパラメータを含んでいる。前
述のように、図2に図示されている垂直範囲検出システ
ム230 は、そのような表面の存在を検出して、それに適
した指示をカメラ・マイクロコンピュータ・システムに
与える。明らかに、適切な表面が存在しないか、あるい
は、有効な跳ね返り照明を生成するには不十分なフラッ
シュ・パワーしか存在していない場合、フラッシュ・パ
ワーとエキストラ・システム速度は跳ね返り照明に用い
られるべきでない、そうしないと、フラッシュ・パワー
は単純に浪費されるだけであり、目に見える改善を画像
品質に導かない結果になる。そこで、エキストラ・シス
テム速度とフラッシュ・パワーは、画像品質を改善する
ために、拡散照明と共に直接的なフラッシュを用いるよ
うに、異なる状態で用いられるべきである。
【0113】2. 跳ね返りカットオフ(BOUNCE _CUTOF
F) このパラメータの値は、跳ね返り撮影 (bounce photogr
aphy) に使用するために要求されるエキストラ・システ
ム速度の最小量を、log E で、指定する数字的な限界ポ
イントである(普通は 0.9)。エキストラ・システム速
度の量が撮影場面に存在するが跳ね返り撮影に不十分な
場合、跳ね返り撮影は、撮影される画像の品質を大幅に
改善できないので用いられない。
【0114】3. 拡散テーブル これは、適切な拡散角度(SPREAD _ANGLE)すなわちフラ
ッシュ照明が撮影場面をわたって拡散されることができ
る角度、拡散照明に用いられることができるエキストラ
・システム速度に関連する直接フラッシュ照明の量(拡
散量、SPREAD_AMOUNT) 、拡散フラッシュ照明が要求さ
れた後に使用できる残りのエキストラ・システム速度
(故意の過剰露出のような)に対して、使用可能なエキ
ストラ・システム速度に関する値のテーブルである。
【0115】拡散直接フラッシュ照明は、天井が存在し
ていない場合、または、跳ね返りカットオフ(BOUNCE _
CUTOFF) パラメータの値が使用可能なエキストラ・シス
テム速度に依って適合されることができない場合に用い
られるが、十分なエキストラ・システム速度が存在して
直接フラッシュ照明を撮影場面にわたって拡散すること
を支援できる場合には用いられない。拡散フラッシュ照
明をこの状況において使用すると、フラッシュ照明が全
く用いられていなかった場合より、優れた全体的な品質
をもつ好適な画像が生成されることとなる。
【0116】i. 深度ナンバー情報 このカテゴリーは、2つのパラメータ、すなわち、深度
ナンバー(DEPTH_NUMBER) と深度ナンバー焦点距離(DEP
TH_NUMBER_FOCAL _LENGTH) から成る。次に説明され
るように、深度ナンバー情報を処理する本発明のプロセ
スの一部は、プロセスの残りの部分から切り離され且つ
カメラに組み込まれて、自動的に画像品質を改善するこ
とができる。その点に関して、プロセスのこの部分の使
用は、詳細に次に説明されるように、与えられた対象物
距離に対して、使用可能なフラッシュ照明深度とマッチ
する被写界深度を与えるような値に、フラッシュ撮影の
レンズ口径を、セットする。エキストラ・システム速度
が存在する限り、そうようなレンズ口径セッティングが
選ばれると、そのエキストラ・システム速度は、むしろ
非拡散直接フラッシュ照明を使用するよりも、例えば、
フラッシュ照明の跳ね返りまたは拡散に対して用いら
れ、それによって、更に均一に全体の撮影場面を照ら
し、且つ、ISO 通常露出セッティングを用いるよりも画
像品質を改善することができる。ここで、最初の例の場
合、そのように行うと不必要に被写界深度を増大すると
考えられるので、レンズ口径を単純に絞ることはできな
い。
【0117】1. 深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) このパラメータは、本発明がフラッシュ撮影と共に用い
られるようにする。当面使用中のレンズの深度ナンバー
(DEPTH_NUMBER) パラメータの値が、使用中のフラッシ
ュ・ユニットのガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) の値
と等しい場合、深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) パラメー
タの値は、Fナンバーの絞りで測定される時のレンズ口
径と、カメラに組み込まれているフラッシュ・ユニット
から測定される時の主要対象物距離の積に等しくなり、
そこではレンズに依って生成される被写界深度はフラッ
シュ・ユニットに依って生成される照明深度とマッチす
る。与えられた深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) の値に対
して、レンズ口径セッティングと対象物距離の対応する
値の組の殆どは、被写界深度が照明深度とマッチするよ
うに決定されることができる。次に説明されるように、
深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) パラメータの値は、フィ
ルム速度でなく、被写界深度と照明深度の要求に基づい
て計算される。従って、深度ナンバー(DEPTH_NUMBER)
は光学的特性にだけ依存するので、同じレンズが用いら
れている限り、同じ深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) が任
意のフィルム速度に対して用いられることができる。深
度ナンバー(DEPTH_NUMBER) の値と等しいガイド・ナン
バー(GUIDE_NUMBER) 値をもつフラッシュ・ユニットが
用いられる場合、連続的な自動焦点設定と連続的なレン
ズ口径制御機能(レンズ口径サイズで量子化された変化
より連続的である)を備えた撮影システムに於いて、IS
O 通常露出は全体のフラッシュ範囲を通して達成される
ことができる。代わりに、エキストラ・システム速度
は、ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) が深度ナンバー
(DEPTH_NUMBER) を越え、そこで、ISO/ANSI露出規格を
用いて得られる品質を上回って画像品質を改善するため
に用いられることができるような状況に存在すると思わ
れる。
【0118】最も効果的なシステム速度の活用は、被写
界深度が照明深度とマッチする時に必ず現れる。この点
に関して、対象物の厚みがフラッシュ・ユニットに依っ
て与えられる使用可能な照明深度より大きい場合、照明
深度の遠方限界の外側に位置するその対象物の部分は、
不十分な状態で照らされ、それ故、撮影される場面で焦
点に入る (in-focus) 必要はない。この照明深度の限界
は、順に、レンズに要求される被写界深度を減少する。
代わりに、被写界深度が照明深度より小さいような状況
では、レンズは、フラッシュ・ユニットに依って適切に
照らされることができる全体の対象物の厚みを完全にカ
バーするには不十分な被写界深度を与える。このよう
に、その対象物は端から端までは鮮明には撮影されな
い。
【0119】深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) とガイド・
ナンバー(GUIDE_NUMBER) の値が等しい場面の場合、深
度ナンバー(DEPTH_NUMBER) は次のように導かれること
ができる。まず、与えられたレンズ口径に相応するハイ
パー焦点距離 (hyperfocal distance)、すなわち、レン
ズが無限大で焦点設定される時に画像が鮮明に現れる最
も近い距離、または、レンズが焦点設定され且つ無限大
に位置する物体が鮮明に現れる最も近い距離に等しい距
離は、周知の式(2) に依って次に示すように与えられ
る。
【0120】
【数2】
【0121】ここで:H = ハイパー焦点距離 (hyperf
ocal distance) F = 使用するレンズの焦点距離 f = Fナンバーで測定されるレンズ口径サイズ bc = ネガのボケ円の直径 式(2) を用いると、近傍と遠方の被写界深度限界は、次
に示す周知の式(3) と(4) を用いて計算されることがで
きる。
【0122】
【数3】
【0123】ここで:D+ = 遠方の被写界深度限界 D- = 近傍の被写界深度限界 d = レンズの焦点が設定される距離 項 (d-F) は、d<10F の時のクローズアップ撮影のよう
な状況においてだけ重要である。
【0124】露出の減少 (exposure fall-off)は、フラ
ッシュ・ユニットからの距離(d) の関数として次に示す
周知の式から与えられる。
【0125】
【数4】
【0126】この式は、フラッシュ・ユニットから対象
物までの距離の比率が2倍になると(例えば d2 = 8 フ
ィート(約 2.4 m)で d1 = 4 フィート(約 1.22 m
))、露出の差は0.6 または2ストップになることを
示している。加えて、以降全ての対数(log) は、特に他
に指定がない限り、底を“10”とする。式(5) が与えら
れると、近傍と遠方の被写界深度露出ファクタ、C+とC-
は次に示す式(6) と(7) を用いて計算されることができ
る。
【0127】
【数5】
【0128】これらの式が与えられると、対応する近傍
と遠方の被写界深度限界、DNとDFは、次に示す式(8) と
(9) から与えられる。
【0129】
【数6】
【0130】ここで、 ds = 対象物からフラッシュ・ユ
ニットヘの距離である。例えば、フラッシュ・ユニット
から8フィート(約 2.4 m)に位置する対象物の周囲に
於ける露出の±1ストップの変動の場合、最終的な照明
深度は、(8)(0.708) = 5.7 フィート(約 1.7 m)から
(8)(1.41) = 11.3 フィート(約 3.4 m)に延びる。こ
のように、この範囲に属する全ての物体は、対象物の1
ストップの内部の照明の量を受けることになる。
【0131】これらの式を用いると、数学的な表示は、
深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) について、近傍または遠
方の被写界深度限界を用いて導かれることができる。近
傍または遠方の被写界深度限界が選択されると、近傍ま
たは遠方の照明深度露出ファクタが各々選択される。照
明深度の全体的な範囲をカバーする被写界深度を使用す
ることが望まれ、なおかつ、我々が導いた感覚的な経験
が遠方の照明深度で生じる露出の絶対値が近傍の照明深
度限界に生じるより大きく現れる限り、深度ナンバー(D
EPTH_NUMBER) の式は、式(3) に依って指定される遠方
の被写界深度限界を用いて、ここに導かれる。まず、式
(3) は“クローズアップ”画像が実施されないことを想
定して次に示す式(10)に単純にされることができる。
【0132】
【数7】
【0133】この分数の上部と下部を (1/H)/(1/H) で
掛け算して、Hに式 F2 /(f)(bc) を代入し、その後に
最終的な分数と 1/[(f)(bc)/(f)(bc)] を掛け算する
と、
【0134】
【数8】
【0135】(d)(f)はガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBE
R) (GNと省略され且つ詳細に次に説明される)と等し
いので、式(11)は次のように表示されることができる。
【0136】
【数9】
【0137】遠方の照明深度は(C+)(d) と等しいので、
この式を設定し、遠方の被写界深度が遠方の照明深度の
式(13)と等しいことを示すと、次のようになる。
【0138】
【数10】
【0139】式(13)を単純に操作すると、次に示すガイ
ド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) の関係式は式(14)に依っ
て与えられるように次のようになる。
【0140】
【数11】
【0141】ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) の最小
値は、遠方の照明深度限界が遠方の被写界深度限界と整
合することを保証するために、深度ナンバー(DEPTH_NU
MBER)の値と等しくなるべきなので、式(14)を 12 で割
り算した後に、インチの単位をフィートに変換すると、
深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) の式(15)は次のようにな
る。
【0142】
【数12】
【0143】ここで、 F = レンズの焦点距離(単位は
インチ)
【0144】例示として、35 mm レンズ、0.45 log E
(=1.68 、±1.5 ストップ差に対する場合)の遠方末端
の照明深度露出限界、0.002 インチ(約 0.0051 cm)の
ネガのボケ円の場合、式(15)で与えられる深度ナンバー
(DEPTH_NUMBER) パラメータの値は“32”に等しい。従
って、このレンズを“32”と同じガイド・ナンバー(GUI
DE_NUMBER) を持つフラッシュ・ユニットと共に使用す
るカメラは、Fナンバー(F_NUMBER) の値と対象物距離
の積が“32”に等しい限り、整合された被写界深度と照
明深度を与える。認識可能なように、深度ナンバー(DEP
TH_NUMBER) の値は特定のレンズ焦点距離に対して1回
だけ計算される必要があるだけである。その後で、深度
ナンバー(DEPTH_NUMBER) の値は、整合された被写界深
度と照明深度を与える対象物距離に基づいてレンズ口径
サイズを選択するために用いられることができる。しか
し、深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) の値は、照明深度露
出限界が変わる場合またはネガの上で異なるボケ円が用
いられていた場合に再び計算される必要がある。式(16)
に依って示されるように、深度ナンバー(DEPTH_NUMBE
R) の値は、次のように、同じボケ円直径と遠方照明深
度限界で、異なる焦点距離のレンズに対して容易に計算
されることができる。
【0145】
【数13】
【0146】ここで、 DEPTH_NUMBER1 = 焦点距離値F1
をもつレンズの深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) の値 DEPTH_NUMBER2 = 焦点距離値F2 をもつレンズの深度
ナンバー(DEPTH_NUMBER) の値
【0147】2. 深度ナンバー焦点距離(DEPTH_NUMBER
_FOCAL _LENGTH) この深度ナンバー焦点距離(DEPTH_NUMBER_FOCAL _LE
NGTH) パラメータの値は、今の深度ナンバー(DEPTH_NU
MBER) の値が決定された位置の焦点距離(FOCAL_LENGT
H) である。
【0148】j. ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) このパラメータは、周知の技術であり、次の式(17)に依
って与えられるように、対象物距離(ds ) とレンズ口径
(FLASH_F _NUMBER) との積を、例示されている ISO(A
SA) 100 速度フィルムのような、特別の ISO(ASA) フィ
ルム速度に対して、ISO 通常露出となるようなフル・フ
ラッシュ照明に対して指定する。
【0149】
【数14】
【0150】ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) の値
は、ISO(ASA) 100 速度のような特別のフィルム速度に
対して、特定のフラッシュ・ユニットに依って生成され
る光エネルギーの大きさに依存してフラッシュ・ユニッ
トに毎に変わるので、フラッシュ・ユニットに依って供
給される出力パワーの測定値を与える。深度ナンバー(D
EPTH_NUMBER) またはガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBE
R) の値は、与えられた対象物距離のレンズ口径(FLASH
_F _NUMBER) を選択するために用いられることができ
る。レンズ口径セッティングを光学的特性、すなわち、
露出限界、レンズ焦点距離、ボケ円直径、に基づいて選
択するために用いられる深度ナンバー(DEPTH_NUMBER)
とは違って、ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) は、こ
のセッティングをフラッシュ・ユニットで与えられる出
力パワーに基づいて選択するために用いられる。使用す
る特別のフラッシュ・ユニットのに対するガイド・ナン
バー(GUIDE_NUMBER) の値が当面使用中のレンズの深度
ナンバー(DEPTH_NUMBER) より大きいようなフラッシュ
状況に於いて、エキストラ・システム速度は、前述した
例示のように、存在すると思われる。
【0151】10. リサイクル・モード(RECYCLE_MOD
E) このカテゴリーは、図3に図示されているように、2つ
のデジタル値(NORMAL/FAST) の何れか1つを、当面使用
中のフラッシュ・ユニットが自ら次の露出のためにリサ
イクルできるレートに基づいて、仮定する1つのパラメ
ータを含んでいる。このパラメータの値は、カメラの上
に位置するユーザ設定可能なスイッチからか、または、
フラッシュ・ユニットの内部のマイクロコンピュータ・
システムから送られる定数として、得られることができ
る。
【0152】11. 焦点距離ファクタ(FOCAL_LENGTH_
FACTOR) このカテゴリーは、焦点距離(FOCAL_LENGTH) の逆数に
依って掛け算される時に、次の式(18)により与えられる
ように、与えられたレンズに対して、最終画像に対する
カメラ振動のいかなる顕著な影響をも除去するために用
いることが可能な最も低速のシャッタ速度を指定するよ
うな1つのパラメータkを含んでいる。
【0153】
【数15】
【0154】パラメータkの値は、カメラの設計中に経
験的に決定された 1.0 より小さい値を持つ初期におけ
る定数であるが、そうしないと対応する異なる再生倍率
比でにおいて生じると思われる光学的な画像ボケのレベ
ル変化の影響を考慮しつつ、表示サイズ・ファクタ(DIS
PLAY_SIZE_FACTOR) を用いて調整される(普通は表示
サイズを大きくするために下の方に)。これは、順に、
大きくされた表示サイズに対して、最も低速のシャッタ
速度をより高速の(数字的にはより小さい)値にセット
する。
【0155】この点に関して、再生倍率比は、所望の情
報の内容と付随する画像ボケがプリントに均一に拡大さ
れるレベルを決定する。そこで、パラメータkは、ボケ
円基準(BLUR _CIRCLE_CRITERIA) のように、次に説明
されるように表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FA
CTOR) の掛け算によって、類似のレベルの光学的画像ボ
ケが、類似のサイズのプリントを異なる標準的な再生倍
率比から生成するシステムにより発生されるように、拡
大縮小されることとなる。
【0156】12. 表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SI
ZE_FACTOR) このカテゴリーは、選択された表示サイズに一般的に付
随する認識される画像ボケの予測量に対して、ボケ円基
準(BLUR _CIRCLE_CRITERIA) と焦点距離ファクタ(FOC
AL_LENGTH_FACTOR) の両方の標準値を、変更するため
の1つのパラメータ、特に倍数のファクタを含んでい
る。再生倍率比と表示サイズは、表示サイズでなく再生
倍率比を選択的に変更する疑似全景または疑似望遠(非
標準焦点距離撮影モード)を活用する場合のように、独
立して変わることができ、且つ、プリント上で認識され
るボケ円に逆に作用することができるので、焦点距離フ
ァクタ(FOCAL_LENGTH_FACTOR) の値は、再生倍率比ま
たは表示サイズの経験的な関数となる視野距離の何れか
の変動に伴って独自の変化を示す。
【0157】特に、我々は、普通の考えと逆に、人間の
観察者は表示サイズに直線的に関係する距離でプリント
を見ないことに気づいた。この点に関して、我々は、目
と表示の分離 (eye-to-display separation)に関する経
験に基づく感覚的な測定から、平均的な視野距離は、サ
イズを変更する際に手で保持するプリント (hand-heldp
rint) の場合、次に示す式(19)に依って特徴づけられる
ことを決定した。
【0158】
【数16】
【0159】ここで、 Vd = 視野距離(インチの単位で
特定される、目と表示の分離) D = インチの単位でのプリント(表示)の対角線の寸
法 従って、見れば分かるように、式(19)によれば、視野距
離は平均的にで表示サイズ(D) の対数関数になる。例え
ば、非標準の 4" × 5" プリント(約 10.2 cm× 12.7
cm)と非標準の 8" × 10"プリント(約 20.3 cm× 25.
4 cm)の場合、対角線は、各々、(42 + 52)1/2 = 6.4"
(約 16.3 cm)と (82 + 102)1/2 = 12.8"(約 32.5 c
m)になる。これらの対角線の値を式(19)に代入する
と、対応して12.8" と 16.2"(それぞれ約 32.5 cm と
41.2 cm)の視野距離になる。従って、プリント・サイ
ズはこの例では2倍になるが、視野距離は、約 21 % 、
再生倍率比の2倍化の影響を完全に除去するには不十分
なレートであるが、ほど延長されるだけである。上述の
ように、再生倍率の2倍化のために大きくされたボケの
影響を完全に相殺するためには、視野距離が2倍化され
る必要があると思われる。
【0160】感覚的なボケ円に対する視野距離の影響を
補償する必要性があるとともに、再生倍率比の変化に対
しても独立した影響が存在する。この点に関して、4"×
5"プリントが、オリジナルのフィルム・フレームのフ
ル・フレーム表示からか、或いは、通常のフル・フレー
ムより狭い範囲が拡大されて印画紙の上にプリントされ
る疑似焦点距離(すなわち疑似望遠)撮影モードから、
形成される撮影システムの例示を考えてみる。両方の最
終プリントの視野距離は、プリントの物理的な寸法が等
しいので、同じであるが、疑似望遠モードは 4" × 5"
プリントに要求されるより高い再生倍率比を採用してい
る。その結果、現われた画像ボケは疑似望遠倍率のレベ
ルに比例して倍増される。特に、4.0 ×の標準再生倍率
比が標準のフィルム・フレームからの 4" × 5" プリン
トに要求され、そして、8.0 ×の非標準再生倍率が 4"
× 5" プリントを疑似望遠モードで生成するために要求
される場合、疑似望遠モードで生成されるプリントは、
標準再生倍率比により拡大される画像におけるものの2
倍の光学的な画像ボケの量を示すことになる。
【0161】そこで、我々は、ここで表示サイズ・ファ
クタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR)(DSF)を式(20)に依って次
に示すように定義する。
【0162】
【数17】
【0163】ここで、 MS = 標準再生倍率比 MN = 非標準再生倍率比 VDS = 標準表示サイズの視野距離 VDN = 非標準表示サイズの視野距離 X = 幾何学的光学特性に基づいて 1.0、および、幾
何学的光学特性に特有の周知の近似化が有効でない場
合、これらのケースではより小さい値、すなわち、極端
に大きい表示サイズ DSF をこの形態で定義すると、このパラメータは、任意
の表示サイズと任意の再生倍率比に関する独立した選択
を定量的に取り入れることができる。
【0164】一例として、135 型フィルムのフル・フレ
ーム画像の 8" x 10" プリントのDSF は、まず再生倍率
比を決定して計算される。標準の 3 1/2" x 5" プリン
トの場合、再生倍率比(MS ) は 3.9 になるが、8" x 1
0" プリントは 8.9 の再生倍率比(MN ) を要求する。
前述の式(19)を用いると、これらのプリントの視野距離
は(3.64 + 11.34[log(6.1)]) = 12.5"(約 31.8 cm)と
(3.64 + 11.34[log(12.8)])= 16.2"(約 41.2 cm)にな
る。これらの値を前述の式(20)に代入すると、[3.9/8.
9][16.2/12.5] = 0.57 のDSF になる。
【0165】使用する時に、特別のDSF の値は、再生倍
率比と表示サイズのユニークな組み合わせの各々に対し
て、最初に決定され、そして、 ROM 260(図2を参照)
の内部に搭載されている表示サイズ・ファクタ(DISPLAY
_SIZE_FACTOR) テーブルに記憶される。その後、撮影
者に依ってセットされると、マイクロプロセッサー235
は、表示サイズ・スイッチ206 と“焦点距離モード”ス
イッチ(カメラに後者が具備されている場合)の両方の
セッティングを画像の捕獲前に読み取り、これらのセッ
ティングをアドレスとしてこのテーブルに適用して、テ
ーブル・ルックアップ・オペレーションを実施する。撮
影者に依って選択され、そして、テーブルに依って生成
された表示サイズと焦点距離撮影モードに適用可能な表
示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR) の最終的
な値は、本発明の最適化プロセスの全体にわたって、図
4-17 に図示されていて且つ詳細に次に説明されるよう
に、適切にボケ円基準(BLUR _CIRCLE_CRITERIA) と焦
点距離ファクタ(FOCAL_LENGTH_FACTOR) の標準値を調
整するために用いられ、それによって、その画像を最終
的に表示するための特別の表示サイズと焦点距離撮影モ
ードの両方が与えられると捕獲されることとなる特定の
画像に適した露出(および、必要に応じて、フラッシ
ュ)パラメータ値を決定する際に使用可能なシステム速
度を最も効果的に活用するものである。
【0166】〔出力カテゴリ−〕 13. 露出セッティング このカテゴリーは、次に示すパラメータ、すなわち、シ
ャッタ速度(SHUTTER_SPEED)、Fナンバー(F_NUMBER)
、フラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER)を含んで
いて、それらは、カメラを操作して、当面の撮影場面の
適切な露出を生成するために必要とされる。
【0167】a. シャッタ速度(SHUTTER_SPEED) シャッタ速度(SHUTTER_SPEED)パラメータの値は、当面
の露出に必要とされるシャッタの速度を、秒の単位で指
定する。
【0168】b. Fナンバー(F_NUMBER) Fナンバー(F_NUMBER) パラメータの値は、周囲の照明
条件のもとで当面の露出に必要とされる、レンズ口径の
サイズを、ストップにより指定する。
【0169】c. フラッシュFナンバー(FLASH_F _NU
MBER) フラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER) パラメータ
の値は、当面のフラッシュ露出に必要とされるレンズ口
径のサイズを、ストップにより指定する。
【0170】14. パワー条件(POWER_CONDITION) このカテゴリーは、発生されるフラッシュ出力パワ−、
その後フラッシュ・ユニットは自ら消えるが、の大きさ
を指定する1つの数字パラメータを含んでいる。例え
ば、エネルギー節約フラッシュ・ユニットが使用できて
且つ与えられた撮影場面がフラッシュ・ユニットに依っ
て与えられる全体的に使用可能な出力照度の半分だけ要
求される場合、パワー条件(POWER_CONDITION)パラメー
タの値は 0.5 になる。このパラメータの値は、カメラ
・マイクロコンピュータ・システムに依ってフラッシュ
・マイクロコンピュータ・システムに、フラッシュ・ユ
ニットを作動する前に与えられる。比較的単純なフラッ
シュ・ユニットの場合、このパラメータの値は、フラッ
シュ・ユニットの上にあるいわゆる“レディ(ready)”
ライトが点灯すると、フラッシュ・ユニットが再作動さ
れる準備ができて且つその内部にある記憶コンデンサの
いかなる更なる充電をも一時的に止めることを示してい
る。
【0171】15. フラッシュ条件(flash_condition) このカテゴリーは、フラッシュ照明が当面の場面を撮影
する際に完全に用いられるかどうかについて単純に指定
する (YES/NO) 1つのデジタル・パラメータである。フ
ラッシュ・ユニットは常に使用できるが、その使用は、
本発明のプロセス300 に依って決定される補助照明に対
する必要性に依って、管理される。
【0172】16. 拡散跳ね返り条件(spread _bounce
_condition) このカテゴリーは、3つのパラメータ、すなわち、拡散
量(SPREAD _AMOUNT)、拡散角度(SPREAD _ANGLE)、跳
ね返り量(BOUNCE _AMOUNT) を含んでいる。これらのパ
ラメータは、フラッシュ照明が用いられる特別の方式を
指定する。
【0173】a. 拡散量(SPREAD _AMOUNT) 前述のように、パラメータ拡散量(SPREAD _AMOUNT) の
値は、当面の場面を撮影する際の拡散フラッシュ照明に
利用されることができるエキストラ・システム速度の量
を指定する。
【0174】b. 拡散角度(SPREAD _ANGLE) 前述のように、パラメータ拡散角度(SPREAD-ANGLE)の値
は、直接フル・フラッシュ照明が当面撮影されている場
面に拡散される角度を定める。
【0175】c. 跳ね返り量(BOUNCE _AMOUNT) 跳ね返り量(BOUNCE _AMOUNT) パラメータの値は、当面
の場面を撮影する際に跳ね返りフラッシュ照明に利用さ
れることができるエキストラ・システム速度の量を定め
る。パワー条件(POWER_CONDITION)、フラッシュ条件(f
lash_condition)、拡散跳ね返り条件(spread _bounce
_condition)カテゴリーのためのパラメータの値は、フ
ラッシュ・ユニットが動作するための構成をまとめて定
義する。
【0176】これは、ここで、本発明のプロセスに適用
される入力パラメータとそれに依って生成される出力パ
ラメータに関する全体的な記述を含んでいる。説明は、
ここで、図4-17 に図示されている本発明のプロセスの
仕様を述べることにする。更なるパラメータとそのカテ
ゴリーは、必要に応じて、後の説明の途中で定義され
る。
【0177】図4は、図3に図示されている本発明の自
動露出最適化プロセス300 のハイ・レベルのオペレーシ
ョン・ダイアグラムを示している。図示されているよう
に、本プロセスは、基本プロセス330 を露出決定プロセ
ス350 の前に具備している。プロセス300 に対するエン
トリ時に、プロセス330 は、まず、ボケ円基準(BLUR_C
IRCLE_CRITERIA) と焦点距離ファクタ(FOCAL_LENGTH
_FACTOR) の公称値を、捕獲されている当面の画像に関
連するDSF を用いて、調整するように実行される。この
点に関して、前述のように、画像捕獲の直前に、カメラ
・マイクロプロセッサは表示サイズと焦点距離モ−ド・
スイッチの当面のセッティングを読み取って、これらの
セッティングに基づいて、テーブル・ルックアップ・オ
ペレーションを ROM260 (図2を参照)に記憶されてい
るDSF テーブルに対して実行して、捕獲されている当面
の画像に適したこのファクタの値とこの画像が表示され
る方式を設定する。最終的なDSF 値は、ライン324 で表
されるように(図4に図示されている)、それぞれ、ラ
イン302 と322 に依って表されるボケ円基準(BLUR_CIR
CLE_CRITERIA) と焦点距離ファクタ(FOCAL_LENGTH_F
ACTOR) の標準値と共に、プロセス330 の入力として供
給される。このプロセスは、ハイ・レベルのファンクシ
ョン・プログラミング用語で表される図18のルーチンか
ら構成されている。
【0178】ここで、最終的に調整された値は、入力と
して、ライン332 と334 に依って表されるように、順
に、最適露出(および、必要に応じて、フラッシュ)パ
ラメータ・セッティングを決定する露出決定プロセス35
0 で用いられる。露出決定プロセス350 のハイ・レベル
のオペレーション・ダイアグラムが図5−7に図示され
ている。図示されているように、このプロセスは、6つ
の基本プロセス410, 420, 430, 440, 450, 460 を含ん
でいて、そのうちの2つのプロセス、プロセス410 と44
0 が基本になる。
【0179】基本的に、撮影される画像を生成するため
に、プロセス350 は、プロセス410と420 に於いて、こ
の画像の捕獲に用いられる撮影場面の照明タイプ、すな
わち、周囲(ambient) またはフルあるいはフィル・フラ
ッシュを最初に決定することに依存する。撮影場面照明
の選択されたタイプに基づいて、プロセス350 は、プロ
セス 430、440 、450 に於いて、露出セッティングのベ
ースライン値(普通はISO 通常露出セッティング)とそ
の照明タイプに適したフラッシュ・パラメータを決定す
る。これらのパラメータは、露出セッティング、およ
び、フラッシュ照明が用いられている場合にはフラッシ
ュ・ユニットを適切にセットして制御するための、種々
の出力フラッシュ・パラメータをともに含んでいる。こ
れらのパラメータが決定されると、プロセス460 は、
(a) 部分的に撮影場面の要求に基づいて、いかなる量の
エキストラ・システム速度が当面の撮影現場に存在する
かどうかについて決定し、(b) エキストラ・システム速
度が、最終的に撮影される画像の品質を、ベースライン
露出セッティングから得る品質を上回って改善するため
に、最も効果的に用いられることができる方式を指定
し、(c) 既に決定されたベースライン露出セッティング
と出力フラッシュ・パラメータを変更して、できるだけ
エキストラ・システム速度を活用し、撮影される画像の
品質をISO 通常露出セッティングに依って得るよりも改
善する。
【0180】特に、プロセス410 は、対象物の光レベル
とフラッシュの仕様を用いて、ライン316 と318 に依っ
て表されるように、フル・フラッシュ露出が行われるか
どうかについて決定する。特に、プロセス410 は、主要
対象物の輝度とトリップ・ポイント(TRIP _POINT)パラ
メータの値を比較する。主要対象物が暗すぎる場合、す
なわち、トリップ・ポイント(TRIP _POINT)パラメータ
より低い強度の場合、フル・フラッシュが用いられる、
そうでない場合、それは用いられない。このプロセス
は、ハイ・レベルのファンクション・プログラミング用
語で表示される図19のルーチンから構成される。
【0181】ここで、出力パラメータ、フル・フラッシ
ュ条件(full _flash _condition)の値は、フル・フラ
ッシュが当面の露出に用いられるかどうかについて単純
に指定する。フル・フラッシュが用いられていない(す
なわち、フル・フラッシュ条件(full _flash _condit
ion)= “NO”)場合、ライン414 で表されるように、プ
ロセス420 は、フィル・フラッシュ(fill flash)が代わ
りに用いられるべきかどうかについて決定するために実
行される。このプロセスは、図8および9を用いて詳細
に次に説明されるように、フィル・フラッシュが用いら
れるかどうかについて決定し、パラメータ・フィル・フ
ラッシュ条件(fill _flash _condition)の値をフィル
・フラッシュが用いられるかどうかに基づいて“YES ”
または“NO”の何れかにセットし、そして、フィル・フ
ラッシュが用いられている場合に、フィル・フラッシュ
・パラメータを計算する。それを行うために、プロセス
420 は、ライン 316, 308, 310, 314, 334で表されるよ
うに、対象物光レベル、対象物距離情報、フィルム速度
(FILM _SPEED)、レンズ仕様、調整された焦点距離ファ
クタ(ADJUSTED _FOCAL _LENGTH_FACTOR) を、ライン
318 と 304 で表されるように、フラッシュ仕様およ
びカメラ仕様と共に使用する。特に、フラッシュ仕様か
ら、プロセス420 は、フィル・フラッシュ補償ファクタ
(FILL _FLASH _COMPENSATION_FACTOR) パラメータ、
エネルギー節約フラッシュ(energy _saving_falsh)パ
ラメータ、ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) パラメー
タ、最小フラッシュ同期速度(MINIMUM_FLASH _SYNC_
SPEED)を使用する。
【0182】特に図5−7には描かれていないが、フィ
ル・フラッシュ・パラメータは、フィル・フラッシュ最
大口径(FILL _FLASH _MAXIMUM _APERTURE) 、フィル
・フラッシュ口径(FILL _FLASH _APERTURE) 、照明比
率ファクタ(LIGHTING _RATIO _FACTOR) を含んでい
て、それらは全て次のように定義される。
【0183】17. フィル・フラッシュ・パラメータ a. フィル・フラッシュ最大口径(FILL _FLASH _MAXI
MUM _APERTURE) フィル・フラッシュ最大口径(FILL _FLASH _MAXIMUM
_APERTURE) パラメータの値は、当面カメラに用いられ
ることができる最大高速シャッタ速度が与えられる時
に、フィル・フラッシュ撮影に使用できる最大レンズ口
径値である。
【0184】b. フィル・フラッシュ口径(FILL _FLAS
H _APERTURE) フィル・フラッシュ口径(FILL _FLASH _APERTURE) パ
ラメータの値は、フィル・フラッシュを用いて当面の撮
影場面を捕獲するために必要とされるレンズ口径値の初
期値である。
【0185】c. 照明比率ファクタ(LIGHTING _RATIO
_FACTOR) 照明比率ファクタ(LIGHTING _RATIO _FACTOR) パラメ
ータの値は、当面撮影されている場面の背景部と主要対
象物の照度の比率の平方根として決定される。フィル・
フラッシュが用いられている(すなわち、ライン422 で
表されるようにフィル・フラッシュ条件(fill _flash
_condition)= “YES ”)場合、フィル・フラッシュ・
パラメータの値は、ライン424 で表されるように、プロ
セス430 の入力として適用される。このプロセスは、図
10を用いて詳細に次に説明されるように、露出セッティ
ングのベースライン(初期)の値を、カメラ仕様、フラ
ッシュ仕様 -- 特に、エネルギー節約フラッシュ(energ
y _saving_flash)とフィル・フラッシュ補償ファクタ
(FILL _FLASH _COMPENSATION_FACTOR) 、レンズ仕
様、対象物光レベル、フィルム速度(FILM _SPEED)を用
いて、ライン 304,318, 314, 316, 310 で表されるよ
うにして決定する。パワー条件(POWER_CONDITION)と肯
定( “YES ”) のフィル・フラッシュ条件(fill _flas
h _condition)と共に、最終的なフィル・フラッシュに
基づく露出セッティングは、ライン 434, 354, 422 に
依って表されるように、エキストラ・システム速度プロ
セス460 の入力として供給されて、エキストラ・システ
ム速度が当面の撮影現場に存在するかどうかについて決
定し、なおかつ、その場合に、最終的な画像品質を改善
するために最も効果的に用いられることができる、この
エキストラ・システム速度を決定する。
【0186】ここで、代わりに、フル・フラッシュ条件
(full _flash _condition)とフィル・フラッシュ条件
(fill _flash _condition)の両方が共に“NO”のケー
スである周囲の撮影場面の照明条件が用いられる場合、
プロセス420 から始まるライン422 に依って表されるよ
うに、プロセス440 が実行されて、周囲の照明条件に適
した露出セッティングのベースライン値を決定する。プ
ロセス440 は、周囲の露出セッティング、すなわち、F
ナンバー(F_NUMBER) とシャッタ速度(SHUTTER_SPEED)
を、フィルム速度(FILM _SPEED)、カメラ仕様 -- 特に
Kファクタ(K-FACTOR)、対象物光レベル -- 特に主要対
象物光レベル(PRIMARY_SUBJECT _LIGHT _LEVEL)、レ
ンズ仕様 -- 特に焦点設定(FOCAL_LENGTH) 、調整され
た焦点距離ファクタ(ADJUSTED _FOCAL _LENGTH_FACT
OR) を用いて、ライン 310, 304,316, 314, 334 で表
されるようにして決定する。ここで、最も高速のシャッ
タ速度は、カメラの振動を最小限にするようにして、レ
ンズの焦点設定と適切なファクタに基づいて選択され
る。次に、シャッタ速度が与えられると、Fナンバー(F
_NUMBER) で測定される、レンズ口径サイズは、、ベー
スライン露出を与えるために選択される。このプロセス
は、ハイ・レベル・ファンクション・プログラミング用
語で表される図20のルーチンから構成されている。
【0187】これらの周囲露出セッティングが決定され
ると、プロセス460 は、これらの露出セッティング、す
なわち、ここではFナンバー(F_NUMBER) とシャッタ速
度(SHUTTER_SPEED)を用いて、対応するライン444 と44
8 で表されるように実行されて、エキストラ・システム
速度が当面の撮影現場に存在するかどうかについて決定
し、なおかつ、その場合に、どのようにしてこのエキス
トラ・システム速度が最終的な画像品質を改善するため
に最も効果的に用いられるべきかについて決定する。
【0188】代わりに、フル・フラッシュが用いられる
(すなわち、フル・フラッシュ条件(full _flash _co
ndition) = “YES ”)場合、ライン412 で表されるよ
うに、プロセス450 が実行されて、フル・フラッシュ照
明に適した露出セッティングのベースライン値を決定す
る。プロセス450 は、図11-13 を用いて詳細に次に説明
されるように、フル・フラッシュ露出セッティング、す
なわち、フラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER) と
シャッタ速度(SHUTTER_SPEED)を、カメラ仕様、レンズ
仕様、フィルム速度(FILM _SPEED)、対象物光レベル、
調整されたボケ円基準(ADJUSTED _BLUR_CIRCLE_CRIT
ERIA) 、フラッシュ仕様、対象物距離情報を用いて、対
応するライン304, 314, 310, 316, 332, 318, 308 で表
されるようにして決定する。最終的なフラッシュFナン
バー(FLASH_F _NUMBER) と肯定のフル・フラッシュ条
件(full _flash _condition)は、ライン458 と412 で
表されるように、エキストラ・システム速度プロセス46
0 の入力として供給されて、エキストラ・システム速度
が当面の撮影現場に存在するかどうかについて決定し、
その場合に、どのようにしてこのエキストラ・システム
速度が最終的な画像品質を改善するために最も効果的に
用いられるべきかについて決定する。カメラのシャッタ
速度(SHUTTER_SPEED)はプロセス460 に依って決定され
る速度にセットされる。
【0189】プロセス460 は、図 14-17を用いて詳細に
次に説明されるように、まず、エキストラ・システム速
度が存在するかどうかについて決定し、その場合、当面
の撮影場面に使用できるエキストラ・システム速度の量
を決定する。このプロセスは、次に示すパラメータを入
力として、すなわち、フラッシュ仕様 -- 特に拡散跳ね
返り情報とガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) とエネル
ギー節約フラッシュ(energy _saving_flash)を、まと
めてライン318 で表されるように、カメラ仕様 -- 特に
シャッタ・タイプとシャッタ速度限界を、まとめてライ
ン304 で表されるように、レンズ仕様 -- 特に焦点距離
(FOCAL_LENGTH) と口径限界を、まとめてライン314 で
表されるように、リサイクル・モード(RECYCLE_MODE)
、フィルム品質と露出の関係、調整されたボケ円基準
(ADJUSTED _BLUR_CIRCLE_CRITERIA) 、振動情報、調
整された焦点距離ファクタ(ADJUSTED _FOCAL _LENGTH
_FACTOR) 、対象物距離情報を、対応するライン 320,
306, 332, 312, 334, 308で表されるようにして使用す
る。そのうえ、フル・フラッシュ露出が行われる場合、
プロセス460 は、プロセス450 で与えられるフラッシュ
Fナンバー(FLASH_F _NUMBER) とフル・フラッシュ条
件(full _flash _condition)も、ライン458 と412 で
表されるようにして活用する。代わりに、周囲の照明が
用いられる場合、プロセス460 は、プロセス440 で与え
られるFナンバー(F_NUMBER) とシャッタ速度(SHUTTER
_SPEED)パラメータのベースライン値を、対応するライ
ン444と448 で表されるようにして使用する。最後に、
フィル・フラッシュ露出が行われる場合、代替プロセス
460 は、プロセス420 と430 で与えられるフィル・フラ
ッシュ条件(fill _flash _condition)とベースライン
露出セッティングも、対応するライン422 と434 で表さ
れるようにして使用する。プロセス460 が現在存在する
エキストラ・システム速度の量を決定すると、このプロ
セスは、露出セッティングとフラッシュ・パラメータ
を、詳細に次に説明されるように、いま捕獲されている
画像に対して撮影者に依って選択された特定の表示サイ
ズと焦点距離撮影モードに特に関して、画像品質の改善
に使用できるエキストラ・システム速度を最も効果的に
活用する方式で変更する。このように、プロセス460
は、拡散跳ね返り条件(spread _bounce_condition)と
パワー条件(POWER_CONDITION)とフラッシュ条件(flash
_condition)と露出セッティング・パラメータ・カテゴ
リーに適した値を、ライン 358, 354, 356, 352 で表さ
れるようにして設定する。これらのパラメータの値は、
それに従ってカメラとフラッシュ・ユニットを操作する
ために用いられる。フラッシュ・ユニットを操作するた
めに特に必要とされるパラメータは、図2に図示されて
いるようにリンク272 の上で、カメラ・マイクロコンピ
ュータ・システムに依ってフラッシュ・マイクロコンピ
ュータ・システム277 に送られ、それに従ってフラッシ
ュ・ユニットを制御する。
【0190】図8は、図5−7に図示されているフィル
・フラッシュ使用決定プロセス420のオペレーション・
ダイアグラムを示している。前述のように、このプロセ
スは、撮影場面とシステム・パラメータに基づいて、フ
ィル・フラッシュが当面の場面を撮影する時の画像品質
を改善するために用いられることができるかどうかにつ
いて決定する。図示されているように、プロセス420
は、3つのステップ、そのうちの2つは基本ステップで
あるが、照明コントラストの決定ステップ510 、フィル
・フラッシュ改善条件(fill _flash _improvement _
condition)の決定ステップ520 およびフィル・フラッシ
ュ条件(fill _flash _condition)の決定ステップ530
から構成されている。プロセス420 のエントリに基づい
て、照明コントラストは、主要対象物光レベル(PRIMARY
_SUBJECT _LIGHT _LEVEL)と背景部対象物光レベル
(BACKGROUND_SUBJECT _LIGHT _LEVEL)の間の差に基
づいて、ハイまたはノーマルの何れかとしてステップ51
0 から決定される。これらのレベルは共にステップ510
にライン316 で表されるようにして適用される。その差
が十分に大きい場合、すなわち、主要対象物が背景部対
象物より 0.3 log E 明るい場合、ハイ・コントラスト
が現れる。そうでない場合、ノーマル・コントラストが
現れる。このステップはハイ・レベルのファンクション
・プログラミング用語で表される図21のルーチンから形
成される。
【0191】ステップ520 は、十分な画像品質の改善
が、フィル・フラッシュが用いられている場合に生じる
かどうかについて決定する。このステップは、図9を用
いて詳細に次に説明されるように、次にパラメータを入
力として、すなわち、対象物光レベルをライン316 で表
されるように、フラッシュ仕様 -- 特にフィル・フラッ
シュ補償ファクタ(FILL _FLASH _COMPENSATION_FACT
OR) 、エネルギー節約フラッシュ(energy _saving_fl
ash)、ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) 、最小フラッ
シュ同期速度(MINIMUM_FLASH _SYNC_SPEED)をまとめ
てライン318 で表されるように、対象物距離情報、レン
ズ仕様、カメラ仕様、調整される焦点距離ファクタ(ADJ
USTED _FOCAL _LENGTH_FACTOR) 、フィルム速度(FIL
M _SPEED)を各々ライン 308, 314, 304, 334, 310 で
表されるようにして用いて、その決定の基礎としてい
る。ステップ520 は、2つのカテゴリーのパラメータ、
すなわちフィル・フラッシュ・パラメータとフィル・フ
ラッシュ改善条件(fill _flash _improvement _cond
ition)を、ライン424 と524 で各々表されるようにして
生成する。前述のように、フィル・フラッシュ・パラメ
ータ・カテゴリーはフィル・フラッシュ最大口径(FILL
_FLASH _MAXIMUM _APERTURE) 、フィル・フラッシュ
口径(FILL _FLASH _APERTURE) と照明比率ファクタ(L
IGHTING _RATIO_FACTOR) パラメータを備えている。
フィル・フラッシュ改善条件(fill _flash _improvem
ent _condition)カテゴリーは次のように定義される。
【0192】18. フィル・フラッシュ改善条件(fill
_flash _improvement _condition) このカテゴリーは、照明コントラストの利得がフィル・
フラッシュ露出を用いると生じる可能性があるかどうか
について単純に指定(YES/NO)する1つのデジタル・パラ
メータを備えている。
【0193】画像品質の改善が、特に改善された照明コ
ントラストを用いると、フィル・フラッシュ露出から得
ることができる場合、ステップ530 は、適切にフィル・
フラッシュ条件(fill _flash _condition)出力パラメ
ータをライン422 で表されるようにして“YES ”にセッ
トする。このステップは、ハイ・レベルのファンクショ
ン・プログラミング用語で表される図22に示すルーチン
から形成されている。
【0194】フィル・フラッシュ改善条件決定ステップ
520 のオペレーション・ダイアグラムが図9に図示され
ている。前述のように、このステップは、撮影場面とシ
ステム・パラメータに基づいて、フィル・フラッシュが
用いられる場合に、十分な画像品質の改善が生じるかど
うかについて決定する。ステップ520 は、4つの基本ス
テップ、すなわち、フィル・フラッシュ口径限界の計算
(calculation of fillflash aperture limit)ステップ6
10 とフィル・フラッシュ口径の計算(calculation of f
ill flash aperture)ステップ620 と周囲照明比率ファ
クタの計算(calculation of ambient lighting radio f
actor)ステップ630 とフィル・フラッシュ改善条件の計
算(calculation of fill flash improvement conditio
n) ステップ640 から構成されている。ステップ520 の
エントリに対して、ステップ610 と620 が共に実行され
る。ステップ610 は、レンズ口径の最大と最小の撮影場
面依存限界値を、フラッシュ照明と当面の撮影場面パラ
メータと共に用いられることができる最大と最小のシャ
ッタ速度に基づいて計算する。実際のレンズ口径サイズ
が限界値を越えて決定される場合、カメラは、適切に背
景部を露出する実際の口径限界に適した特別のシャッタ
速度を使用できない。最終的なレンズ口径値は、当面使
用中のレンズの物理的な限界と比較され、なおかつ、必
要に応じて、適切な物理的な限界に依って切り取られ
る。特に、ステップ610 は、次のカテゴリーの入力パラ
メータ、すなわち、調整される焦点距離ファクタ(ADJUS
TED _FOCAL _LENGTH_FACTOR) 、対象物光レベル --
特に背景部光レベル(BACKGROUND _LIGHT _LEVEL)パラ
メータ、フィルム速度(FILM _SPEED)、フラッシュ仕様
--特に最小フラッシュ同期速度(MINIMUM_FLASH _SYN
C_SPEED)パラメータを対応するライン 334, 316, 310,
318 で表されるようにして、カメラ仕様 -- 特にKフ
ァクタ(K_FACTOR) とシャッタ速度限界とレンズ仕様 -
- 特に口径限界と焦点距離(FOCAL_LENGTH) を各々ライ
ン304 と314 で表されるように使用する。ステップ610
で生成される出力パラメータは、ライン424 で表される
ように、フィル・フラッシュ最大口径(FILL _FLASH _
MAXIMUM _APERTURE) とフィル・フラッシュ最小口径(F
ILL _FLASH _MINIMUM _APERTURE) になる。ステップ
610 は、ハイ・レベルのファンクション・プログラミン
グ用語で表される図23のルーチンから構成されている。
【0195】ステップ620 は、実行されると、フィル・
フラッシュに適したレンズ口径セッティングを計算す
る。このレンズ口径セッティングは、フラッシュ条件の
もとで、主要対象物距離に於けるベースライン(一般的
にISO 通常)露出を設定するために要求されるものとし
て決定される。特に、このステップは、次のカテゴリー
の入力パラメータ、すなわち、カメラ仕様 -- 特にシャ
ッタ速度限界、対象物距離(subject_distance) 情報 -
- 特に主要対象物距離(PRIMARY_SUBJECT _DISTANCE)
、フラッシュ仕様 -- 特にガイド・ナンバー(GUIDE_N
UMBER) 、レンズ仕様 -- 特に口径限界を、対応するラ
イン 304, 308, 318, 314 で表されるようにして使用す
る。ライン424 と624 に依って表されるように、ステッ
プ620 に依って生成される出力は、フィル・フラッシュ
口径(FILL _FLASH _APERTURE) と口径限界条件(apert
ure _limit _condition)になり、後者は次のように定
義される。
【0196】19. 口径限界条件(aperture _limit _
condition) このカテゴリーは、口径限界がフィル・フラッシュ口径
(FILL _FLASH _APERTURE) のために計算された値に依
って越えられたかどうかについて単純に指定(YES/NO)す
る1つのデジタル・パラメータを含んでいる。ステップ
620 は、ハイ・レベルのファンクション・プログラミン
グ用語で表される図24のルーチンから構成されている。
【0197】ステップ630 は、レンズ口径セッティング
を変更するために用いられることができる主要対象物と
背景対象物光レベルの輝度の比率の値を決定する。この
比率は、撮影場面の照明の差、および、実施可能なf-ス
トップによる、露出改善の量を指定する。フィル・フラ
ッシュ露出は、撮影場面の背景(または遠方の主要対象
物)が撮影場面の前景(近傍の主要対象物)より明るい
場合に用いられる。これらの状態の時に、フラッシュ・
ユニットに依って生成され且つ前景に落ちる光は、背景
部に落ちる光より遥かに多い(対応する対象物とカメラ
の距離の平方の逆数の差の関数として)ので、撮影場面
の照明コントラストを和らげる。フィル・フラッシュ
は、主要対象物が背景部より明るい場合に用いられず、
そうでない場合に、主要対象物は過度に明るくなり、背
景部は過度に暗くなる。ステップ630 は、ハイ・レベル
のファンクション・プログラミング用語で表される図25
のルーチンから構成されている。
【0198】次に、ステップ640 は、フィル・フラッシ
ュのために計算されたレンズ口径値が当面の場面の撮影
された画像の照明比率を改善するかどうかについて決定
する。改善が実現する場合、前述のように、フィル・フ
ラッシュが用いられる。そのような改善が実現しない場
合、周囲の照明が、むしろフィル・フラッシュよりも、
当面の撮影場面の露出を設定する際に用いられる。特
に、ステップ640 は、次のカテゴリーの入力パラメー
タ、すなわち、カメラ仕様 -- 特にシャッタ・タイプと
フィル・フラッシュ最大口径(FILL _FLASH _MAXIMUM
_APERTURE) とフィル・フラッシュ最小口径(FILL _FL
ASH _MINIMUM _APERTURE) と口径限界条件(aperture
_limit _condition)とフィル・フラッシュ口径(FILL
_FLASH _APERTURE) と照明比率ファクタ(LIGHTING _
RATIO _FACTOR) 、なおかつ、フラッシュ仕様 -- 特に
エネルギー節約フラッシュ(energy _saving_flash)と
フィル・フラッシュ補償ファクタ(FILL _FLASH _COMP
ENSATION_FACTOR) を、ライン304, 424, 624, 318 で
表されるようにして使用する。ライン524 で表されるよ
うに、ステップ640 で設定される出力は、フィル・フラ
ッシュ改善条件(fill _flash _improvement _condit
ion)パラメータである。ステップ640 は、ハイ・レベル
のファンクション・プログラミング用語で表される図26
のルーチンから構成されている。
【0199】特に前述のように、ステップ640 は、最初
のIFテストの判断で、十分な光がフラッシュ・ユニット
に依って生成されて、照明コントラストを和らげ且つカ
メラから比較的遠方に位置する主要対象物を適切に露出
するかどうかについて決定する。これらの対象物に関連
するコントラストを十分に和らげる光が十分に存在しな
い場合、フィル・フラッシュを使用しても大幅に画像品
質を改善しないので用いられるべきでない。このよう
に、フィル・フラッシュ改善条件(fill _flash_impro
vement _condition)パラメータは“NO”にセットされ
る。別の状態を見れば、撮影場面の照明コントラストの
ために、シャッタ速度が、シャッタがフラッシュ・ユニ
ットと同期されることができる最高速度より高速でフィ
ル・フラッシュを用いて選択された場合、すなわち、撮
影場面がフィル・フラッシュに依って大幅に改善される
ことがでない過度のコントラストを含んでいる場合、フ
ィル・フラッシュは用いられることができない。ここ
で、遠方の主要対象物のコントラストが大幅に和らげら
れることができる場合、ステップ640 は、第2のIFテス
トの判断を用いて、フィル・フラッシュが過剰な光量を
カメラから比較的近傍に位置するこれらの主要対象物に
与えて、それが現場の撮影の照明コントラストを順に効
果的に逆に作用するかどうかについて、すなわち、これ
らの近傍の対象物が明るくなり且つ背景部が暗くなるの
で画像品質に逆に作用するかどうかについて決定する。
従って、使用可能な光が大幅な改善を画像品質に与える
範囲に属している場合、フィル・フラッシュ改善条件(f
ill _flash _improvement _condition)パラメータは
“YES ”にセットされて、フィル・フラッシュが用いら
れる、そうでない場合、2つの例外を除いて、フィル・
フラッシュは用いられない。特に、これらの例外に関し
て、過剰な光が存在する場合、フィル・フラッシュは、
エネルギー節約フラッシュが、フラッシュ・ユニットを
作動するために用いられるエネルギーを押さえることに
依って使用できる場合、または、プログラム設定式シャ
ッタが周囲の照明に用いられるフラッシュ露出に対して
異なるシャッタ開口部を用いることに依って使用できる
場合に、そのまま使用されることができる。このよう
に、ステップ640 が実行されると、フィル・フラッシュ
が用いられるかどうかについての決定が行われる。フィ
ル・フラッシュが用いられる場合、フィル・フラッシュ
のベースライン露出セッティングが計算される必要があ
る。
【0200】図10は、フィル・フラッシュ露出計算プロ
セス430 のオペレーション・ダイアグラムを示してい
る。前述のように、プロセス430 は、露出セッティング
のベースライン値を決定して、今の場面をフィル・フラ
ッシュを用いて撮影する。図示されているように、プロ
セス430 は、3つの基本ステップ、すなわちフィル・フ
ラッシュ・パワーの減少 (reduction of fill flash po
wer)ステップ710 、フィル・フラッシュ口径のセッティ
ング (setting fill flash aperture)ステップ720 とフ
ィル・フラッシュ・シャッタ速度の計算 (calculation
of fill flash shutter speed)ステップ730 を含んでい
る。プロセス430 のエントリ時に、ステップ710 が最初
に実行される。エネルギー節約フラッシュ・ユニットが
用いられていて且つ撮影場面照明コントラストが最大フ
ラッシュ・パワーのフィル・フラッシュ露出がフィル・
フラッシュ画面を逆のコントラストで生成するように設
定してある場合、ステップ710 は、適切なフィル・フラ
ッシュ露出、すなわち、好ましいフィル・フラッシュ撮
影画像を与えるために用いられるフラッシュ・パワーの
減少を決定する。このステップは、次の入力、すなわ
ち、フィル・フラッシュ条件(fill _flash _conditio
n)、フラッシュ仕様、特にエネルギー節約フラッシュ(e
nergy _saving_flash)とフィル・フラッシュ補償ファ
クタ(FILL _FLASH _COMPENSATION_FACTOR) 、および
フィル・フラッシュ・パラメータを、ライン 422, 318,
424 で表されるように使用して、必要に応じて、使用
されるべき減少されたフラッシュ・パワーの量に基づい
てフィル・フラッシュ・パラメータを修正(更新)す
る。更新されたフィル・フラッシュ・パラメータとパワ
ー条件(POWER_CONDITION)の値は、ライン714 と354 で
表されるように、ステップ710の出力として与えられ
る。ステップ710 はハイ・レベルのファンクション・プ
ログラミング用語で表される図27のルーチンから構成さ
れている。
【0201】フィル・フラッシュ・パラメータがフラッ
シュ・パワーの減少を反映するためにステップ710 に依
って更新されると、ステップ720 が実行される。この後
者のステップは、フィル・フラッシュ露出に用いられる
フラッシュ・パワーの減少またはプログラム設定式シャ
ッタの使用性に関して、使用するレンズの口径限界に依
ってクリップされる適切なレンズ口径セッティングをセ
ットする。このステップは、次の入力、すなわち、フィ
ル・フラッシュ・パラメータ、フィル・フラッシュ補償
ファクタ(FILL _FLASH _COMPENSATION_FACTOR) 、カ
メラ仕様、特にシャッタ・タイプ、フィル・フラッシュ
条件(fill _flash _condition)、およびレンズ仕様、
特に口径限界を、ライン 714, 318, 304, 422, 314 で
表されるようにして使用する。ステップ720 は、出力と
して、ベースライン・フィル・フラッシュ露出に用いら
れるレンズ口径のFナンバー(F_NUMBER) を生成し、な
おかつ、この値をステップ730 に、ライン724 を経由
し、かつ、ライン434 を経由して、図5−7に図示され
ているエキストラ・システム速度計算と使用プロセス46
0 に供給する。プログラム設定式レンズ口径が存在する
場合、2つの異なるレンズ口径、が用いられることがで
き、すなわち、フラッシュの1つ且つ周囲の照明に別の
1つ、そして、近傍の主要対象物を捕獲するためにそれ
らに関連するFナンバーが異なることになると思われ
る。代わりに、通常のシャッタが用いられ、或いは、プ
ログラム設定式シャッタが用いられるが、主要対象物が
カメラから余りにも遠方に位置する場合、これらの2つ
のレンズ口径セッティングは同じになると思われる。特
に、ステップ720 は、図10に図示されているように、ハ
イ・レベルのファンクション・プログラミング用語で表
される図28のルーチンから構成されている。
【0202】レンズ口径がステップ720 に依って適切に
セットされると、ステップ730 が実行されて、当面の撮
影場面の背景を適切に露出するために必要なシャッタ速
度を計算して、ベースライン・フィル・フラッシュ露出
を設定する。この後者のステップは、次の入力、すなわ
ち、カメラ仕様 -- 特にKファクタ、対象物光レベル--
特に背景部光レベル(BACKGROUND _LIGHT _LEVEL)、
フィルム速度(FILM _SPEED)、Fナンバー(F_NUMBER)
、フィル・フラッシュ条件(fill _flash _conditio
n)を、ライン 304, 316, 310, 724, 422 で表されるよ
うにして使用する。ステップ730 の出力は、ライン434
で表されるように、シャッタ速度(SHUTTER_SPEED)の値
を特に含んでいる最新の露出セッティングである。この
ステップはハイ・レベルのファンクション・プログラミ
ング用語で表される図29のルーチンから構成されてい
る。
【0203】図11は、図5−7に図示されているフル・
フラッシュ露出決定プロセス450 のオペレーション・ダ
イアグラムを示している。プロセス450 は、前述のよう
に、フル・フラッシュ照明の露出セッティングのベース
ライン値を決定する。図示されているように、プロセス
450 は3つのステップから構成されていて、その1つは
基本ステップであり、深度ナンバー焦点距離の変更 (al
tering depth numberfocal length) ステップ810 と標
準フラッシュ露出の決定 (determining stadard flash
exposure) ステップ820 と背景部対象物に対するフラッ
シュ露出の補正(correcting flash exposure for backg
round subject) ステップ830 である。プロセス450 の
エントリに基づいて、ステップ810 が最初に実行され
る。このステップは、当面使用中のレンズの実際の焦点
距離の深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) を、深度ナンバー
(DEPTH_NUMBER) が最初に決定されていた焦点距離に相
応して単純に調整する。従って、ステップ810 は、2つ
の入力、すなわち、フラッシュ仕様、特に深度ナンバー
情報、およびレンズ仕様、特に焦点距離(FOCAL_LENGT
H) を、対応するライン318 と314 で表されるようにし
て使用する。ステップ810 の出力は、ライン814 で表さ
れるように、調整された深度ナンバー(ADJUSTED_DEPTH
_NUMBER) である。このステップは、ハイ・レベルの
ファンクション・プログラミング用語で表される図30の
ルーチンから構成されている。
【0204】調整された深度ナンバー(ADJUSTED _DEPT
H _NUMBER) がステップ810 に依って計算されると、ス
テップ820 が実行されて、最初に通常のベースライン・
フル・フラッシュ露出に必要なレンズ口径セッティング
を決定する。可能な場合かならず、ベースライン・フル
・フラッシュ露出は、整合された被写界深度と照明深度
および少なくともISO 通常露出を与える。ステップ820
は、このレンズ口径セッティングを調整することに依っ
て、たとえ背景が焦点に入っていなくとも、背景部の露
出を、当面の撮影されている場面の現実に適した可能な
レベルにまで高める。これは、撮影場面の照明コントラ
ストを減少して、好都合に撮影場面に於ける近傍の主要
対象物が“消える”すなわちフラッシュに依って過剰露
出されることを防止し、なおかつ、プリント中の露出許
容度を高めて、プリントの不具合を減少する。ライン30
4, 814, 316, 412, 310, 308, 318, 314 で表されるよ
うに、ステップ820 は、次の入力、すなわち、カメラ仕
様 -- 特にKファクタ(K_FACTOR) とシャッタ・タイ
プ、調整された深度ナンバー(ADJUSTED _DEPTH _NUMB
ER) 、対象物光レベル、フル・フラッシュ条件(full _
flash _condition)、フィルム速度(FILM _SPEED)、対
象物距離情報、フラッシュ仕様 -- 特に周囲フィル口径
(AMBIENT_FILL_APERTURE) 、フラッシュ・シャッタ速
度(FLASH_SHUTTER _SPEED)、ガイド・ナンバー(GUIDE
_NUMBER) 、およびレンズ仕様 -- 特に口径限界、を使
用する。このステップは、出力として、周囲口径(AMBIE
NT_APERTURE) とフラッシュFナンバー(FLASH_F _NU
MBER) と露出セッティングの値 -- 特にFナンバー(F_
NUMBER) とシャッタ速度(SHUTTER_SPEED)の値を、ライ
ン828, 824, 352 で表されるように、生成するが、周
囲口径(AMBIENT_APERTURE) パラメータは次のように定
義される。
【0205】20. 周囲口径(AMBIENT_APERTURE) このパラメータの値は、低速で開くシャッタの残りの周
囲の露出を与えるために用いられるレンズ口径のセッテ
ィングを指定する。適切なレンズ口径セッティングがス
テップ820 で計算されて背景部の露出が増加すると、ス
テップ830 が実行されて、撮影場面に適した被写界深度
の要求を再び確認し、且つ、再び確認された即ち新しい
被写界深度の要求に基づいてレンズ口径セッティングを
的確に変更する。特に、背景部の照明がフラッシュ露出
で増加すると、背景部は益々明るくなるので、全体の画
像にとって更に重要になる。これは背景部が鋭い焦点に
なることを必然的に要求する。このように、撮影場面の
要求は、ここで、増加された被写界深度を指示して、背
景部が焦点にくることを保証する。この点に関して、レ
ンズ口径セッティングが増加された背景部照明を与える
が、背景部が焦点から外れるという犠牲をはらって、最
初に選択されていた場合、新しい被写界深度の要求のた
めに、そのレンズ口径セッティングは、現実に可能なレ
ベルまで増加された被写界深度を与えるものに変更され
なければならない。これらのオペレーションを実行する
と、ステップ830 は、ライン 824, 828, 318, 308,332,
310, 316, 314, 304 で表されているように、次の入
力、すなわち、フラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMB
ER) 、周囲口径(AMBIENT_APERTURE) 、フラッシュ仕様
-- 特にフラッシュ・シャッタ速度(FLASH_SHUTTER_S
PEED)とフラッシュ減少限界(FLASH_FALL_OFF _LIMI
T)とガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) 、対象物距離情
報、調整されるボケ円基準(ADJUSTED _BLUR_CIRCLE_
CRITERIA) 、フィルム速度(FILM _SPEED)、対象物光レ
ベル、レンズ仕様 -- 特に口径限界と焦点距離(FOCAL_
LENGTH) 、およびカメラ仕様 -- 特にKファクタ(K_FA
CTOR) 、を使用する。ライン468 で表されているよう
に、ステップ830 で生成される出力は、フラッシュFナ
ンバー(FLASH_F _NUMBER) パラメータである。
【0206】図12は、図11に図示されている標準フラッ
シュ露出決定ステップ820 のオペレーション・ダイアグ
ラムを示している。前述のように、このステップは、ベ
ースライン・フル・フラッシュ露出に必要なレンズ口径
セッティングを決定し、なおかつ、現実に可能な場合、
レンズ口径セッティングを調節して背景部の露出を増加
する。このステップは、2つの分離された基本ステッ
プ、すなわち、フル・フラッシュにおける通常露出に適
した口径の決定ステップ910 (determining aperture fo
rnormal exposure with full flash) とフル・フラッシ
ュにおける残りの露出の設定ステップ920 (setting rem
aining exposure for full flash) から構成されてい
る。ステップ910 は、適切なレンズ口径セッティングを
決定して、フル・フラッシュ照明に適したベースライン
露出を設定する。特に、フラッシュ・ユニットの出力、
すなわちガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) の値、が撮
影場面に依って要求されるより大きい場面、すなわち、
調整された深度ナンバー(ADJUSTED _DEPTH _NUMBER)
の値に依って指定される場合、レンズ口径セッティング
(ここではフラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER)
)は、このステップに依って、調整された深度ナンバ
ー(ADJUSTED _DEPTH _NUMBER) の値を用いて決定さ
れ、そうでない場合は、使用可能なフラッシュ・パワー
の全てが用いられ、且つ、レンズ口径はガイド・ナンバ
ー(GUIDE_NUMBER) の値に基づくことになる。レンズ口
径の値は、必要に応じて、口径限界に依って切り取られ
る。ライン 814, 314, 308, 318, 412 で表されるよう
に、ステップ910 は、入力として、調整された深度ナン
バー(ADJUSTED _DEPTH _NUMBER) 、レンズ仕様 -- 特
に口径限界、対象物距離情報、フラッシュ仕様 -- 特に
ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) 、フル・フラッシュ
条件(full _flash _condition)を使用する。このステ
ップに依って生成される出力は、ライン824 と914 で表
されるように、フラッシュFナンバー (FLASH _F _NU
MBER) である。ステップ910 は、ハイ・レベルのファン
クション・プログラミング用語で表される図31のルーチ
ンから構成されている。
【0207】フル・フラッシュ露出のベースライン・レ
ンズ口径セッティング(ここではフラッシュFナンバー
(FLASH_F _NUMBER) )がステップ910 から決定される
と、ステップ920 が実行されて、適正にレンズ口径セッ
ティングを調節して、背景部のフィルを与える。特に、
プログラム設定式シャッタが使用可能な場合、異なるレ
ンズ口径セッティングが、周囲のフィルを与えるために
周囲口径に用いられ、そうでない場合、周囲口径は、フ
ル・フラッシュ照明と共に使用するために選択されるレ
ンズ口径セッティングと同じになる。ライン 914, 316,
310, 304, 318で表されるように、ステップ920 は、次
の入力、すなわち、フラッシュFナンバー(FLASH_F _
NUMBER) 、対象物光レベル、フィルム速度(FILM _SPEE
D)、カメラ仕様 -- 特にKファクタ(K_FACTOR) とシャ
ッタ・タイプ、およびフラッシュ仕様 -- 特に周囲フィ
ル口径(AMBIENT_FILL_APERTURE) とフラッシュ・シャ
ッタ速度(FLASH_SHUTTER _SPEED)、を使用する。出力
として、ステップ920 は、ライン828 と352 で表される
ように、周囲口径(AMBIENT_APERTURE) と露出セッティ
ング -- 特にFナンバー(F_NUMBER) とシャッタ速度(S
HUTTER_SPEED)、を生成する。ステップ920 は、ハイ・
レベルのファンクション・プログラミング用語で表され
る図32のルーチンから構成されている。
【0208】図13は、図11に図示されている背景対象物
フラッシュ露出補正ステップ830 のオペレーション・ダ
イアグラムを示している。前述のように、このステップ
は、ベースライン・レンズ口径セッティングが、背景部
のフィルを与えるために調整された後に、フル・フラッ
シュ露出において用いられ、撮影場面の被写界深度の要
求を再び確認して、要求された被写界深度を達成する際
にレンズ口径セッティングを的確に調節する。このステ
ップは、図13に図示されているように、3つの基本ステ
ップ、すなわち主要部と背景部の対象物の間の log Eの
差を計算する (calculate log E difference between p
rimary and back-graund subjects)ステップ1010とフラ
ッシュに適した被写界深度を決定する (determining de
pth-field for flash)ステップ1020とフラッシュの露出
を調整する (adjusting flash exposure) ステップ1030
から形成されている。
【0209】ステップ1010は、撮影場面の主要対象物と
背景部露出の間の露出の差を、それらがフラッシュと周
囲のフィル照明 (ambient fill illumination)から生じ
る時に、log E に換算して計算する。それを行う際に、
ステップ1010は、まず、フラッシュ log E の差(FLASH
_LOG_E _DIFFERENCE) パラメータの値を決定する
が、それは単純にフラッシュの減衰 (fall-off) に起因
する主要対象物と背景部の間の log E に依る露出の差
と定義される。次に、周囲 log E の差(AMBIENT_LOG
_E _DIFFERENCE) パラメータの値が決定される。周囲
log E の差(AMBIENT_LOG _E _DIFFERENCE) は、周
囲のフィルに起因する主要対象物と背景部の間の照明レ
ベルの差と定義される。その後に、レンズ口径セッティ
ングは、Fナンバーすなわち通常の指数Fナンバー(NOR
MAL _EXP _F _NUMBER) に換算して、周囲のフィル露
出に対して決定されて、ベースライン非フラッシュ露出
(一般的にISO 通常)値を設定する。このレンズ口径セ
ッティングと周囲口径(AMBIENT_APERTURE) セッティン
グが与えられると、フィル・フラッシュの量すなわち周
囲フィル log E の差(AMBIENT_FILL_LOG _E _DIFF
ERENCE) パラメータの値が決定される。これらの露出の
差を用いて、ステップ1010は、主要部と背景部の対象物
の間の全体的な照明の差を決定する。ライン 310, 318,
304, 316,308, 824, 828 で表されているように、ステ
ップ1010に適用される入力は、フィルム速度(FILM _SP
EED)、フラッシュ仕様 -- 特にフラッシュ・シャッタ速
度(FLASH_SHUTTER _SPEED)、カメラ仕様-- Kファク
タ(K_FACTOR) 、対象物光レベル、対象物距離情報、フ
ラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER) 、周囲口径(A
MBIENT_APERTURE) である。ステップ1010に依って生成
される出力パラメータは、ライン1014で表されているよ
うに、次のように定義される全体の log E の差(OVER
ALL _LOG _E _DIFFERENCE)となる。
【0210】21. 全体の log E の差(OVERALL _LO
G _E _DIFFERENCE) このパラメータの値は、主要対象物と背景部の間で、lo
g E に換算して測定された、総合的な全体の照明の差で
ある。ステップ1010は、ハイ・レベルのファンクション
・プログラミング用語で表される図33のルーチンから構
成されている。
【0211】ステップ1020は、背景部のフィルが生じる
場合の撮影場面の要求に適合するためにフル・フラッシ
ュ状況に要求される被写界深度を計算する。特に、ライ
ン 332, 314, 308 で図示されるように、このステップ
は、入力として、調整されたボケ円基準(ADJUSTED _BL
UR_CIRCLE_CRITERIA) 、レンズ仕様 -- 特に焦点距離
(FOCAL_LENGTH) 、対象物距離情報、を使用する。ステ
ップ1020で供給される出力は、ライン1024で表されてい
るように、被写界深度口径(DEPTH_OF_FIELD_APERTUR
E) パラメータであり、それは次のように定義される。
【0212】22. 被写界深度口径(DEPTH_OF_FIELD
_APERTURE) このパラメータの値は、撮影場面の被写界深度の要求に
適合するために必要なレンズ口径セッティングである。
ステップ1020は、ハイ・レベルのファンクション・プロ
グラミング用語で表される図34のルーチンから構成され
ている。
【0213】当面の撮影されている場面に対してステッ
プ1020に依って計算され要求される被写界深度とステッ
プ1010に依って決定された最終的な全体の主要対象物と
背景部の露出の差が与えられると、ステップ1030が次に
実行され、この被写界深度の要求に適合するためにフル
・フラッシュの使用に適したレンズ口径セッティングが
適正に調整される。基本的に、背景部がフラッシュ減衰
限界 (flash fall-offlimit) より高い露出レベルを備
えている場合、被写界深度は、撮影場面の要求に適合す
るために、フラッシュの使用可能な出力の限界まで増加
される。特に、ステップ1030は、まず、背景部が、主要
対象物より、フラッシュ減衰の観点から、まだ特に暗い
かどうかについて決定する。暗い場合、計算されたレン
ズ口径値は、フル・フラッシュ照明に対してステップ10
10で決定された前の値から、変更されない。代わりに、
露出の差がフラッシュ減衰限界より小さい場合、撮影場
面の被写界深度の要求に適合する十分なフラッシュ・パ
ワーが存在するかどうかについて決定するテストが行わ
れる。十分なパワーが存在する場合、フラッシュ口径値
(すなわち、フラッシュ露出に用いられるレンズ口径セ
ッティング)は、それに伴って、撮影場面の被写界深度
の要求を満足する値に変更される。不十分なフラッシュ
・パワーが存在する場合、レンズ口径値は、計算された
レンズ口径値に依って与えられる被写界深度の最終的な
増加が撮影場面の要求を完全に満足するには不十分な場
合でも、使用可能なパワーの全てを活用する値となるよ
うに計算される。適切なチェックが、レンズ口径の物理
的な最大と最小の限界に対する最終的なレンズ口径値に
関して行われ、必要ならば、計算されたレンズ口径は対
応する限界値にセットされる。ライン 318, 1014, 102
4, 308, 314 で表されているように、ステップ1030
は、次の項目を入力として、すなわち、フラッシュ仕様
-- フラッシュ減衰限界(FLASH_FALL_OFF _LIMIT)と
ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) 、全体の log E の
差(OVERALL _LOG _E _DIFFERENCE)、被写界深度の
口径(DEPTH_OF_FIELD _APERTURE) 、対象物距離情
報、レンズ仕様 -- 特に口径限界、を使用する。ステッ
プ1030の出力は、ライン468 で表されているように、フ
ラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER) の最新の値に
なる。ステップ1030は、ハイ・レベルのファンクション
・プログラミング用語で表される図35のルーチンから構
成されている。
【0214】ここで、図5−7に図示されている露出決
定プロセス350 におけるプロセス410 、および、プロセ
ス450 またはプロセス420 の何れか、および、プロセス
430または440 の何れかが、完全に実行された。このよ
うにして、適切な照明が選択された、すなわち、周囲の
照明、フィルまたはフル・フラッシュ照明、および適切
なベースライン露出セッティングとフラッシュ・パラメ
ータが、当面の撮影場面に対して決定された。更に、フ
ル・フラッシュ照明が用いられている場合、十分に既に
説明されたように、これらのベースライン露出セッティ
ングは、撮影場面の被写界深度の要求に適合するため
に、必要に応じて、ISO 標準露出値からの変形を、含ん
でいる。これらのベースライン露出値が与えられると、
プロセス460 がここで実行される。この特定のプロセス
は、前述のように、(a) 部分的に撮影場面の要求と選択
された表示サイズと焦点距離撮影モードに基づいて、エ
キストラ・システム速度が当面の撮影場面に存在するか
どうか、および、いかなる量であるかについて決定し、
(b) エキストラ・システム速度がベースライン露出セッ
ティングから得るよりも最終的に撮影される画像の品質
を改善するために最も効果的に用いられることができる
優先順位が設定されている増分方式 (prioritized incr
emental manner) を指定し、(c) 特に選択された表示サ
イズと焦点距離撮影モードに対して、 ISO通常露出セッ
ティングに依って得るよりも撮影された画像の品質を改
善する際に、できるだけエキストラ・システム速度を活
用するために、この方式を用いて、既に決定されている
ベースライン露出セッティングと出力フラッシュパラメ
ータを修正する。
【0215】エキストラ・システム速度計算と使用プロ
セス460 のハイ・レベルのオペレーション・ダイアグラ
ムが図14に図示されている。図示されているように、こ
のプロセスは3つのハイ・レベル・ステップから構成さ
れていて、そのうちの1つだけが、選択された撮影場面
の照明条件に基づく与えられた撮影状況のいずれかにお
いて実行される。この点に関して、プロセス460 は、周
囲照明 (ambient lighting) 条件が選択されている場合
に実行されるエキストラ速度/周囲ステップ1110と、フ
ィル・フラッシュが選択されている場合に実行されるエ
キストラ速度/フィル・フラッシュステップ1120と、フ
ル・フラッシュが選択されている場合に実行されるエキ
ストラ速度/フル・フラッシュステップ1130を備えてい
る。これらのステップの各々に適用される入力値は指定
のステップに基づいて変わるが、これらのステップの各
々は、適切な露出セッティング、すなわち、シャッタ速
度(SHUTTER_SPEED)および/またはFナンバー(F_NUMB
ER) および、必要に応じて、フラッシュFナンバー(FLA
SH_F _NUMBER) 、のための更新された出力値を生成す
る。
【0216】エキストラ速度/周囲ステップ1110は、ラ
イン 312, 306, 308, 412, 434, 422,334, 332, 314, 3
32, 304 で表されるように、次の項目を入力として、す
なわち、振動情報、フィルム品質と露出の関係、対象物
距離情報、フル・フラッシュ条件(full _flash _cond
ition)、露出セッティング -- 特にFナンバー(F_NUMB
ER) とシャッタ速度(SHUTTER_SPEED)、フィル・フラッ
シュ条件(fill _flash _condition)、調整された焦点
距離ファクタ(ADJUSTED _FOCAL _LENGTH_FACTOR) 、
調整されたボケ円基準(ADJUSTED _BLUR_CIRCLE_CRIT
ERIA) 、レンズ仕様 -- 特に焦点距離(FOCAL_LENGTH)
と口径限界、カメラ仕様 -- 特にシャッタ速度限界、を
使用する。
【0217】図15を用いて詳細に次に説明されるよう
に、このステップは、フラッシュ条件(flash_conditio
n)を、ライン356 で表されるように、“NO”として更新
し、必要に応じて、エキストラ・システム速度が周囲照
明状況に於いて存在するかどうかについて決定し、なお
かつ、露出セッティングを、ライン352 で表されるよう
に、かつ、特に(図示されていないが)シャッタ速度(S
HUTTER_SPEED)とFナンバー(F_NUMBER) について、的
確に調節して、最終的な画像品質の改善を試みる際に可
能な限りの量のエキストラ・システム速度を活用する。
【0218】エキストラ速度/フィル・フラッシュステ
ップ1120は、ライン 304, 334, 422,314, 434, 306 で
表されるように、次の項目を入力として、すなわち、カ
メラ仕様 -- 特にシャッタ速度限界、調整された焦点距
離ファクタ(ADJUSTED _FOCAL _LENGTH_FACTOR) 、フ
ィル・フラッシュ条件(fill _flash _condition)、レ
ンズ仕様 -- 特に焦点距離(FOCAL_LENGTH) 、露出セッ
ティング、フィルム品質と露出の関係、を使用する。図
16を用いて詳細に次に説明されるように、このステップ
は、フラッシュ条件(flash_condition)を、ライン356
で表されるように、“YES ”として更新し、エキストラ
・システム速度がフィル・フラッシュ照明状況に於いて
存在するかどうかについて決定し、なおかつ、露出セッ
ティングを、ライン352 で表されるように、かつ、特に
シャッタ速度(SHUTTER_SPEED)について、的確に調節し
て、最終的な画像品質の改善を試みる際に可能な限りの
量のエキストラ・システム速度を活用する。
【0219】エキストラ速度/フル・フラッシュステッ
プ1130は、ライン 308, 412, 318,458, 304, 320, 306,
314 で表されるように、次の項目を入力として、すな
わち対象物距離情報、フル・フラッシュ条件(full _fl
ash _condition)、フラッシュ仕様 -- 特にエネルギー
節約フラッシュ(energy _saving_flash)と拡散跳ね返
り情報、フラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER) 、
カメラ仕様 -- 特にシャッタ・タイプ、リサイクル・モ
ード(RECYCLE_MODE) 、フィルム品質と露出の関係、レ
ンズ仕様 -- 特に口径限界、を使用する。図17を用いて
詳細に次に説明されるように、このステップは、フラッ
シュ条件(flash_condition)をライン356 で表されるよ
うに“YES ”として更新し、エキストラ・システム速度
がフル・フラッシュ照明状況で存在するかどうかについ
て決定し、露出セッティングを、ライン352 で表される
ように、かつ、特にフラッシュFナンバー(FLASH_F _
NUMBER) とFナンバー(F_NUMBER) について、また、フ
ラッシュ・パラメータを、ライン354 と358 で表される
ように、且つ、特にパワー条件(POWER_CONDITION)と拡
散跳ね返り条件(spread _bounce_condition)について
的確に調節して、最終的な画像品質の改善を試みる際に
可能な限りの量のエキストラ・システム速度を活用す
る。エキストラ・システム速度がまだ残っている場合、
レンズ口径(ここではフラッシュFナンバー(FLASH_F
_NUMBER) )セッティングを減少して更なる被写界深度
を最終画像に適用することに依って、フィルムの故意の
過剰露出において暗黙のうちに活用されていた速度を検
討した後に、それが活用される。
【0220】エキストラ速度/周囲の決定と使用ステッ
プ1110のオペレーション・ダイアグラムが図15に図示さ
れている。図示されているように、このステップは7つ
の基本ステップから構成されており、その全ては、エキ
ストラ・システム速度が周囲照明の状況で存在するかど
うかについて、なおかつ、どのようにしてそのエキスト
ラ・システム速度が、それが存在している限り、露出セ
ッティングを調節して画像品質を改善するために最も効
果的に使用されることができるかどうかについて決定す
るために、実行される。これらの7つのステップは、最
大被写界深度が用いられるべきかどうかについて決定す
るステップ1210、周囲照明に適した新しいFナンバーを
計算するステップ1220、新しい周囲のFナンバーを制限
するステップ1230、周囲照明のエキストラ速度の量を決
定するステップ1240、振動情報を補償するステップ125
0、フィルム露出に対するエキストラ速度の使用するス
テップ1260、周囲照明に使用するシャッタ速度とFナン
バーを調節するステップ1270を備えている。
【0221】ステップ1110のエントリに基づいて、ステ
ップ1210がまず実行される。このステップは、背景部対
象物がカメラからいわゆる“無限大の”距離に位置する
かどうかについて決定し、なおかつ、その場合に、最大
限度の被写界深度を与えるために、レンズ口径の値をベ
ースライン・セッティングとして既に選択されていた値
にセットし、そうでない場合に、ベースライン・レンズ
口径セッティングより小さい被写界深度を与える更に大
きいレンズ口径セッティングが代わりに用いられること
ができるならば、このステップはエキストラ・システム
速度条件が存在すると判定する。特に、今まで、周囲照
明の条件に対して、ベースライン・シャッタ速度は、プ
ロセス440 (詳細に既に説明された図5−7を参照)か
ら、カメラの振動を和らげる最も低速のシャッタ速度で
あるとして選択されていた。このシャッタ速度が与えら
れると、ベースライン・レンズ口径サイズは、再びプロ
セス440 により、ベースライン(例えばISO 通常)露出
を与えるものとして選択されていた。ベースライン・レ
ンズ口径セッティングは、当面の撮影場面の実際の被写
界深度の要求に何らも関係せずに、選択されていた。こ
こで、撮影場面がいわゆる“無限大の”位置の部分を含
む厚い対象物を備えている場合、大きい被写界深度が全
体の対象物を鋭く捕獲するために要求される。このケー
スでは、レンズ口径の値は、当面の撮影場面のベースラ
イン露出を設定するために用いられることができる最小
の口径セッティングである、この値が、最大限の被写界
深度をこの場面の撮影される画像に与える限り、そのベ
ースライン値に図15に図示されているステップ1210によ
り単純にセットされる。エキストラ・システム速度はこ
のケースでは存在しない。代わりに、対象物が薄い、す
なわち“無限大”よりカメラの近くに位置している場
合、大きい被写界深度は必要でないと思われる。そこ
で、ベースライン・レンズ口径の値より小さい被写界深
度を与える大きいレンズ口径セッティングが、代わりに
用いられることができる。このように、エキストラ・シ
ステム速度が、この状況では存在すると思われ、そし
て、それが存在する場合に、過剰で不要な被写界深度を
当面の撮影場面に与える、そのベースライン値にレンズ
口径を単純にセットするよりも画像品質を改善できる他
の方式において、用いられることができる。このように
して、エキストラ速度の条件が存在することになる。代
わりに、フィルまたはフル・フラッシュの何れかが周囲
の照明の代わりに用いられる場合、ステップ1210の実行
は、例えば、最大被写界深度を与えるそのベースライン
の値にレンズ口径をセットせずに、最初のIFステートメ
ントで単純に終了する。特に、ステップ1210は、ライン
434, 308, 422, 412で表されるように、次の項目を入
力として、すなわち、露出セッティング -- 特にシャッ
タ速度(SHUTTER_SPEED)とFナンバー(F_NUMBER) 、対
象物距離情報、フィル・フラッシュ条件(fill _flash
_condition)、フル・フラッシュ条件(full _flash _
condition)、を使用する。ライン 352, 356, 1214 で表
されるように、ステップ1210は、露出セッティングの最
後の値を更新して、出力パラメータとしてフラッシュ条
件(flash_condition)とエキストラ速度条件(extra_sp
eed _condition)と共に供給するが、この最後のカテゴ
リーは次のように定義される。
【0222】23. エキストラ速度条件(extra_speed
_condition) このカテゴリーは、エキストラ・システム速度が存在す
るかどうかについて単純に指定(YES/NO)する1つのデジ
タル・パラメータを含んでいる。ステップ1210は、ハイ
・レベルのファンクション・プログラミング用語で表さ
れる図36のルーチンから構成されている。
【0223】エキストラ速度条件が存在する場合、ライ
ン1214で表されるように、ステップ1220が実行される。
このステップは、当面の撮影場面の主要部と背景部の両
方の対象物を鋭く捕獲するために要求される実際の非無
限大 (non-infinite) の被写界深度に適合するレンズ口
径セッティングを計算するので、撮影場面の要求を満足
することができる。特に、ライン 1214, 314, 332, 308
で表されるように、ステップ1220は、次の項目を入力
として、すなわち、エキストラ速度条件(extra_speed
_condition)、レンズ仕様 -- 特に焦点距離(FOCAL_LE
NGTH) と調整されたボケ円基準(ADJUSTED _BLUR_CIRC
LE_CRITERIA) 、対象物距離情報、を使用する。ライン
1224で表されるように、ステップ1220は、新しい値すな
わち新しいFナンバー(NEW_F _NUMBER) を、撮影場面
で要求される被写界深度に適合するレンズ口径セッティ
ングのために生成する。このステップは、ハイ・レベル
のファンクション・プログラミング用語で表される図37
のルーチンから構成されている。
【0224】新しいレンズ口径セッティングが決定され
ると、ステップ1230が実行されて、新しいレンズ口径セ
ッティングについてレンズ口径の物理的な限界をチェッ
クし、なおかつ必要に応じて、新しいレンズ口径の値を
適切な限界値に相応して切り取る。ステップ1230は、ラ
イン1224と314 で表されるように入力として新しいFナ
ンバー(NEW_F _NUMBER) とレンズ口径 -- 特に口径限
界を単純に使用する。更新された新しいFナンバー(NEW
_F _NUMBER) は、出力値として、このステップに依っ
てライン1234で表されるようにして与えられる。ステッ
プ1230は、ハイ・レベルのファンクション・プログラミ
ング用語で表される図38のルーチンから構成されてい
る。
【0225】次に、ステップ1240が実行されて、当面の
周囲の照明状態にもともと存在していたエキストラ・シ
ステム速度の量を決定する。エキストラ・システム速度
は、数字上対数露出に換算されて、ベースライン・レン
ズ口径の値と新しいレンズ口径セッティング、すなわ
ち、撮影場面の被写界深度の要求に適合する新しいFナ
ンバー(NEW_F _NUMBER) との比率として、計算され
る。エキストラ・システム速度が存在する場合、レンズ
口径は、撮影場面の要求に適合する被写界深度を与える
新しいFナンバー(NEW_F _NUMBER) の値にセットされ
る。これは、順に、使用可能なエキストラ・システム速
度が、撮影場面で必要とされる量を上回る不要な更なる
被写界深度を与える際に、むしろそれを除去する他の方
式で用いられることを可能にし、また、更なる被写界深
度は、たとえ全てでも、それほど画像品質を改善しな
い。特に、エキストラ速度の量は、新しいFナンバー(N
EW_F _NUMBER) の値とFナンバー(F_NUMBER) に対す
るベースラインの値に関して、対数に換算された速度の
差から計算される。ライン1234と434 で表されるよう
に、ステップ1240は、次の項目を入力として、すなわ
ち、新しいFナンバー(NEW_F_NUMBER) とFナンバー
(F_NUMBER) を単純に使用する。ライン1244で表される
ように、ステップ1240は、使用可能なエキストラ・シス
テム速度の量であるエキストラ速度(EXTRA_SPEED)を、
出力値として与える。ステップ1240は、ハイ・レベル・
ファンクション・プログラミング用語で表される図39の
ルーチンから構成されている。
【0226】最初に使用できるエキストラ・システム速
度の量がステップ1240から与えられると、ステップ1250
が実行されて、対応するベースラインの値より高速のシ
ャッタ速度が、カメラの振動に対して高められた補償、
したがって、改善された画像品質を与えるために、選択
されることができるかどうかについて決定する。高めら
れた振動の補償は、使用可能なエキストラ・システム速
度が周囲照明の条件で用いられることができる第1の、
かつ、我々が考えている最も重要な方式であり、そし
て、この方式で使用可能なエキストラ速度の全て或いは
その少なくとも一部を使用することが、レンズ口径を減
少して大きくされた被写界深度を与えるために使用可能
なエキストラ・システム速度を用いる中で、優先順位を
もつことになる。ベースライン・シャッタ速度が、前述
の方式で、カメラの振動を和らげるために既に選択され
ていたとしても、この速度は、特に不安定な手で操作す
る撮影者に依って乱される恐れがある経験的なルールに
基づいている。カメラの振動は、それが撮影される画像
の上で大きく影響する限り、その全体の画像を損ねるこ
とになる。
【0227】シャッタ速度が更なる振動補償を与えるた
めに高速にされる量は、使用可能なエキストラ・システ
ム速度の量と実際に測定された振動情報に依って決定さ
れる。特に、新しいシャッタ速度、すなわち、実際に現
れるカメラの振動を十分に補償できる必要なシャッタ速
度(NEEDED _SHUTTER _SPEED)は、カメラの振動に起因
する調整されたボケ円基準の許容端数すなわち標準振動
端数(STANDARD _SHAKE _FRACTION) と、実際に測定さ
れたリアルタイム・カメラ振動すなわち振動に起因する
ボケ(BLUR _FROM_SHAKE)との比率に基づいて決定され
る。最終的なベースラインと新しいシャッタ速度がそこ
で比較される。新しいシャッタ速度がベースライン・シ
ャッタ速度より高速の場合、シャッタ速度は新しいシャ
ッタ速度にセットされる。更に、使用可能なエキストラ
・システム速度の量は、より高速のシャッタ速度を使用
するために必要とされるエキストラ・システム速度の量
に依って適正に減少される。しかし、チェックとして、
残りのエキストラ・システム速度の量がマイナスの場合
に、使用可能量より多いエキストラ・システム速度が用
いられていた。そこで、新しいシャッタ速度は、シャッ
タ速度が使用可能なエキストラ・システム速度をゼロに
減少するようなものにセットされる。代わりに、カメラ
が三脚の上にたまたま置かれていて且つ基本的にカメラ
の振動が実際に測定されない場合に生じるように、ベー
スラインのシャッタ速度が新しいシャッタ速度より高速
の場合、シャッタ速度はベースラインの値のままであ
り、そして、使用可能なエキストラ・システム速度の量
は減少されない。そこで、最終的なシャッタ速度は用い
られることができる最も高速のシャッタ速度について、
物理的限界値すなわち最小シャッタ速度(MINIMUM_SHUT
TER _SPEED)と比較され、かつ、必要ならば、その限界
値に切り取られ、使用可能なエキストラ・システム速度
はその限界値を用いて再び計算される。使用可能なエキ
ストラ・システム速度の初期値および実際のシャッタ速
度を調節して用いられる量に基づいて、エキストラ・シ
ステム速度の正のゼロでない量が、後の使用のために、
次に説明されるように、当面の場面を撮影する際にその
ままの状態を保つ。特に、ステップ1250は、ライン 30
4, 1244, 334, 312, 314, 332, 434 で表されるよう
に、次の項目を入力として、すなわち、カメラ仕様 --
特にシャッタ速度の限界、エキストラ速度(EXTRA_SPEE
D)、調整された焦点距離ファクタ(ADJUSTED _FOCAL _
LENGTH_FACTOR) 、振動情報、レンズ仕様 -- 特に焦点
距離(FOCAL_LENGTH) 、調整されたボケ円基準(ADJUSTE
D _BLUR_CIRCLE_CRITERIA) 、露出セッティング --
特にシャッタ速度(SHUTTER_SPEED)、を使用する。ステ
ップ1250は、ライン1254と1258で表されるようにして、
更新されたシャッタ速度(SHUTTER_SPEED)とエキストラ
速度(EXTRA_SPEED)の値を設定する。ステップ1250は、
ハイ・レベルのファンクション・プログラミング用語で
表される図40のルーチンから構成されている。
【0228】このポイントで、レンズ口径は撮影場面の
被写界深度の要求に適合するように選択されている。ま
た、シャッタ速度は実際のカメラの振動を和らげるよう
に選択されている。エキストラ・システム速度がまだ存
在する時に、ステップ1260が実行されて、使用する指定
のフィルムの露出を変更する際に暗黙のうちに用いられ
ていたエキストラ・システム速度を、指定フィルムのフ
ィルム品質と露出特性の関係に基づいて、ISO/ANSI 露
出規格から逸脱する故意の過剰または過小露出に依って
検討する。次に説明されるように、この変更は、当面の
撮影場面の要求に適合するシャッタ速度とレンズ口径セ
ッティングの組み合わせに関する従来の選択に従って行
われる。このステップに用いられるエキストラ・システ
ム速度の量はフィルムの指定露出特性に左右される。ス
テップ1260は、ライン306 と1258で表されるように、2
つの入力、すなわち、フィルム品質と露出情報の関係
(特に予め設定された値のテーブル)とエキストラ速度
(EXTRA_SPEED)を使用する。このステップで設定される
出力は、ライン1264で表されるように、まだ存在するエ
キストラ速度(EXTRA_SPEED)に関して更新された量にな
る。本発明のプロセスは数多くの異なるタイプのフィル
ムの中の任意の1つとともに機能する。前述のように、
フィルム・タイプ情報はフィルム・キャニスターから
“DX”コンタクトを経由してカメラ・マイクロコンピュ
ータに依って読み取られる。このタイプ情報は、ステッ
プ1260と類似のステップ例えばステップ1320と1440(詳
細に次に説明される)の内部で用いられて、ROM 255 の
内部に記憶されている異なるテーブルから現在使用中の
特別のタイプのフィルムに適用されるフィルム品質と露
出値の関係に関する特定のテーブルを選択する(図2を
参照)。それにもかかわらず、次の説明を単純にするた
めに、カメラは、これから、1つのタイプのフィルムと
ともに機能することが仮定され、フィルム品質と露出値
の関係の1つのテーブルだけがROM 255 の内部に記憶さ
れることを要求するので、ステップ 1260, 1320, 1440
の内部に於いて数多くの異なるテーブルの中から1つを
フィルム・タイプに基づいて選択する必要性をなくすこ
とができる。この単純化に依って、ステップ1260は、図
15に図示されるように、ハイ・レベルのファンクション
・プログラミング用語で表される図41のルーチンから構
成され、図中に示すフィルム品質と露出テーブルの関係
が単純に図示される。
【0229】ここで、テーブルの内容は、上に示されて
いる値の中間の入力値が与えられたと、エキストラ速度
(EXTRA_SPEED)に対する出力値を決定するために直線的
に補間される。このテーブルの用途と意味を理解する際
に、シャッタ速度とレンズ口径サイズ・セッティング
は、テーブルに依って特徴づけられる指定フィルムの画
像要求に適合するために選択され、これらの指定フィル
ム・タイプのセッティングはISO 通常露出値からフィル
ムの故意の2ストップ過剰露出を導き、この過剰露出の
量は一般的にカラー・ネガ・プリント・フィルムのもの
であることに注目すべきである。品質は、前述のテーブ
ルで定められる特定のフィルムに対して、ISO通常露出
ポイントから +2 ストップの範囲内で向上する。テーブ
ルで定められる特定のフィルムは、ISO 通常露出ポイン
トを越えて露出が向上する改善された品質を示す。上記
テーブルに記載されているより過剰露出に依って更に劇
的な品質改善を示すフィルムを設計することができる。
同様に、使用する露出範囲の全体にわたって殆ど均一の
品質と露出の関係を示すことを特長とするフィルムを設
計することもできる。そこで、使用する特定のフィルム
の特性が、本発明のプロセスに依って用いられる対応す
る品質と露出の関係に入ることが望まれる。従って、異
なる品質と露出テーブルの関係が、カメラ・マイクロコ
ンピュータ・システムに、そのカメラで本発明のプロセ
スと共に用いられることができる各々異なる対応するフ
ィルム・タイプに対して記憶されるべきである。この点
に関して、与えられたフィルムの露出寛容度に関する情
報は、数多くの方式で、例えば、フィルム・キャニスタ
ーに位置するバー・コード(すなわち、いわゆる“マガ
ジン・バー・コード”)またはキャニスターに位置する
DXコンタクトのエリア11と12に符号化されている情報か
ら自動的に入手されることができる。そこで、この情報
(エリア11と12のような)は、カメラ・マイクロコンピ
ュータに依って読み取られ且つ使用中のフィルムに最も
適していて数多くの異なる記憶されている品質と露出テ
ーブルの関係の中から1つを選択するために用いられる
と思われる。露出情報のキャニスター・ベース符号化に
ついての詳細は“135 フィルム・サイズ・マガジンの撮
影と135 スチル写真用カメラのフィルムに関するアメリ
カ国家規格”(ANSI スタンダード PH 1.14M-1983) を
参照されたい。
【0230】ステップ1260を実行する直前に存在するエ
キストラ・システム速度が +2 ストップから -0.5 スト
ップの範囲にある場合、このエキストラ・システム速度
は、既にレンズ口径とシャッタ速度セッティングに含ま
れていて、なおかつ、これらのセッティングに伴って生
成される予め設定された量の故意の過剰露出に基づいて
自ら表示される。従って、エキストラ・システム速度は
残っていない。代わりに、使用可能なエキストラ・シス
テム速度が例えば +2 ストップより大きい(または対数
露出換算で 0.6と表される)場合、撮影場面の要求に適
合するレンズ口径とシャッタ速度セッティングに既に効
果的に含まれているエキストラ・システム速度を越える
残りのエキストラ・システム速度(例えば、テーブルに
図示されているように使用可能なエキストラ・システム
速度が 0.9 の場合に 0.3 などのように)は、ステッ
プ1270に送られて、画像品質を更に改善するために、シ
ャッタ速度および/またはレンズ口径セッティングを更
に調節する。この特別のタイプのプリント・フィルムの
場合、画像品質は +2 ストップの過剰露出に依って改善
されるだけである、何故ならば、フィルム露出に於ける
任意の更なる向上は逆に画像濃度を高め且つ後に画像を
フィルム・ネガからプリントするプロセスを複雑にする
からである。
【0231】ここで、適切なレンズ口径が撮影場面の被
写界深度の要求にマッチするように計算され、なおか
つ、シャッタ速度は実際に測定されるカメラの振動を和
らげるようにして選択され、なおかつ、最適に画像品質
を改善するフィルムの故意の過剰または過小露出の手段
が与えられた。上に説明したように、残りのエキストラ
・システム速度がまだ存在する場合、ステップ1270が実
行されて、残りのエキストラ・システム速度の全てを活
用して、可能な限り、更に画像品質の改善を試みる。こ
の点に関して、この露出のレベルで、画像品質を下げる
傾向を示す2ストップを越えて画像の過剰露出を更に高
める際に使用可能なエキストラ・システム速度を用いる
より、むしろ、ステップ1270は、使用可能なエキストラ
・システム速度を用いて、シャッタ速度パラメータ SHU
TTER_SPEED の数値を更に小さくするか(すなわち、シ
ャッタが開いている時間を短くするための高速のシャッ
タ速度を選択する)、および/または、レンズ口径のサ
イズを更に減少する、すなわち、Fナンバー(F_NUMBE
R) パラメータの数値を更に高めることをを実施する。
シャッタ速度をこの態様で減少することは更なる補償を
カメラの振動に対して提供し、レンズ口径のサイズを減
少することは撮影される画像に対して現場で要求される
より更に大きい被写界深度を与えることになる。図示さ
れているように、シャッタ速度とレンズ口径セッティン
グに対してステップ1270に依って行われる変更は、カメ
ラとレンズの各々のシャッタと口径の物理的な限界に依
って制限される。ステップ1110のこのポイントにおい
て、エキストラ・システム速度をもつことがしばしば現
れるとは考えられない。しかし、それが現れると思われ
る1つの例が、晴れ晴れとした晴天時の1次元の物体の
ように、明るく点灯している物体を撮影するために、非
常に高速のフィルムを用いることで、具体的に例示され
る。
【0232】ステップ1270は、ライン 1224, 314, 304,
1254, 1264 で表されるように、次の項目を入力とし
て、すなわち、新しいFナンバー(NEW_F _NUMBER) 、
レンズ仕様-- 特に口径限界、カメラ仕様 -- 特にシャ
ッタ速度の限界とシャッタ速度(SHUTTER_SPEED)、エキ
ストラ速度(EXTRA_SPEED)、を使用する。出力として、
ライン352 で表されるように、ステップ1270は、露出セ
ッティング、特にシャッタ速度(SHUTTER_SPEED)とFナ
ンバー(F_NUMBER) の最後の値を設定する。ステップ12
70は、ハイ・レベルのファンクション・プログラミング
用語で表される図42のルーチンから構成されている。
【0233】特に、使用可能なエキストラ・システム速
度が正の場合、いま図示されたばかりのルーチンから実
施される、ステップ1270は、Fナンバー(F_NUMBER) 、
すなわち、エキストラ速度口径(EXTRA_SPEED _APERTU
RE) の値を大きくするために用いられるエキストラ・シ
ステム速度と、シャッタ速度(SHUTTER_SPEED)、すなわ
ち、エキストラ速度シャッタ(EXTRA_SPEED _SHUTTER)
の値を小さくするために用いられるエキストラ・システ
ム速度との間で、エキストラ速度を等しく分割する。代
わりに、使用可能なエキストラ・システム速度が負の場
合、全てのエキストラ・システム速度がレンズ口径セッ
ティングを変更するために用いられる速度に指定され
る。エキストラ速度(EXTRA_SPEED)パラメータは、この
ルーチンの残りの部分の実行中に再び用いられないの
で、その値はゼロにリセットされる。その後に、新しい
レンズ口径の値はエキストラ速度口径(EXTRA_SPEED _
APERTURE) と新しいFナンバー(NEW_F _NUMBER) の値
に基づいて決定され、後者は撮影場面の被写界深度の要
求に適合するステップ1240(前述のように)により決定
されるレンズ口径の値になる。レンズ口径に当面使用で
きるエキストラ・システム速度の全てが新しいFナンバ
ー(F_NUMBER) の値を決定するために用いられる限り、
エキストラ速度口径(EXTRA_SPEED _APERTURE) パラメ
ータの値はゼロにセットされる。最終的なFナンバー(F
_NUMBER) の値は使用するレンズの限界に対してチェッ
クされる。この値がこのレンズの最大使用可能Fナンバ
ーすなわち最大Fナンバ−(MAXIMUM_F _NUMBER) より
大きい、すなわち、レンズが物理的に与えるより狭い口
径開口部が選択されている場合、シャッタに依って使用
できるエキストラ・システム速度は、最大Fナンバー(M
AXIMUM_F _NUMBER) パラメータの値に基づいて再び計
算される。この場合、エキストラ・システム速度は狭い
レンズ口径開口部を選択する際に用いられることができ
ないので、エキストラ・システム速度はシャッタ速度の
変更に効果的に指定される。Fナンバー(F_NUMBER) の
値は最大Fナンバー(MAXIMUM_F _NUMBER) と等しく次
にセットされる。
【0234】代わりに、Fナンバー(F_NUMBER) の最終
値がレンズの最小使用可能なFナンバーすなわち最小F
ナンバ−(MINIMUM_F _NUMBER) より小さい、すなわ
ち、レンズが物理的に与えるよりも広い口径開口部が選
択された場合、シャッタに依って使用できるエキストラ
・システム速度は最小Fナンバー(MINIMUM_F _NUMBE
R) パラメータの値に基づいて再び計算される。ここ
で、エキストラ・システム速度は広いレンズ口径の開口
部を選択する際に用いられることができないので、エキ
ストラ・システム速度はシャッタ速度の変更に効果的に
指定される。Fナンバー(F_NUMBER) の値は最小Fナン
バー(MINIMUM_F _NUMBER) と等しく次にセットされ
る。この最小限界条件は、カメラの振動を効果的に補償
するために特に高速のシャッタ速度を要求する、長い焦
点距離をもつ望遠レンズが、比較的低速のISO(ASA) フ
ィルム速度を備えたフィルムと共に用いられる場合に生
じる。どんな場合でも、Fナンバー(F_NUMBER) が的確
にセットされると、シャッタ速度は、シャッタ速度を減
少するために指定された、当面使用できるエキストラ・
システム速度 EXTRA_SPEED _SHUTTER に基づいて再び
計算される。その後、パラメータ EXTRA_SPEED _SHUT
TER はこのルーチンの残りの部分の実行中に再び用いら
れないので、このパラメータの値もゼロにリセットされ
る。
【0235】類似のテストがここで実行されて、最終的
なシャッタ速度が対応する最小(最高速)または最大
(最低速)のシャッタ速度限界を越えるかどうかについ
て決定する。そのような限界条件が現れると、ここで生
じる任意のエキストラ・システム速度は、実際に再び計
算されたシャッタ速度の代わりにシャッタ速度限界を使
用するので、レンズ口径の開口部を更に狭くするために
指定される。従って、図示されているように、露出値が
使用可能なエキストラ・システム速度を用いるために変
更される時に、レンズ口径の値がその対応する限界値の
1つに、シャッタ速度が対応する限界値に直面する前に
最初に直面する場合、残りのエキストラ・システム速度
の全てはシャッタ速度の変更に指定され、逆の場合は逆
になる。ここで使用できるエキストラ速度口径(EXTRA_
SPEED _APERTURE) の量に基づいて、レンズ口径の新し
い値が、このエキストラ・システム速度の全てを用いる
ようにして計算される。最後の最終的なレンズ口径の値
は、物理的なレンズ口径の限界値に対してチェックさ
れ、なおかつ、必要に応じて、適切な限界値に依って切
り取られる。後でシャッタ速度とレンズ口径セッティン
グが共に適切な限界値にセットされ且つ任意のエキスト
ラ・システム速度がまだ残っている場合、物理的な限界
条件(最小の口径開口部と最高速のシャッタ速度)で全
体的に操作される、カメラは、残りのエキストラ・シス
テム速度を単純に使用することができなくなる。
【0236】このポイントで、ステップ1270は、露出セ
ッティングとFナンバー(F_NUMBER) とシャッタ速度(S
HUTTER_SPEED)を適正に調整して、残りのエキストラ・
システム速度の全てを、周囲照明の状況に於けるレンズ
口径および/またはシャッタの物理的な限界まで活用す
る。このように、ステップ1270に依って設定される露出
セッティングの最後の値は、カメラ・マイクロコンピュ
ータ・システムに依って、その出力回路に適用されて、
カメラのシャッタとレンズ口径メカニズムを適正に操作
し、且つ周囲の照明を用いて当面の現場を撮影する。こ
れは、周囲照明とともに使用するための本発明のプロセ
スの実行を含んでいる。
【0237】代わりに、前述のように、エキストラ速度
/フィル・フラッシュ決定と使用ステップ1120は、フィ
ル・フラッシュ照明と共に実行される。エキストラ速度
/フィル・フラッシュ決定と使用ステップ1120のオペレ
ーション・ダイアグラムが図16に図示されている。前述
のように、このステップは、フラッシュ条件(flash_co
ndition)を“YES ”として更新して、エキストラ・シス
テム速度がフィル・フラッシュ照明条件に存在するかど
うかについて決定し、露出セッティング(特にシャッタ
速度(SHUTTER_SPEED))を調節して、そのエキストラ・
システム速度をできるだけ活用し、最終的な画像品質の
改善を試みる。図示されているように、このステップは
3つの基本ステップから構成していて、その全ては、エ
キストラ・システム速度がフィル・フラッシュ照明条件
に存在するかどうかについて、なおかつ、どのようにし
てエキストラ・システム速度が、任意に存在する限り、
露出セッティングを調節して画像品質を改善するために
最も効果的に用いられるかについて決定する。これらの
ステップは、フィル・フラッシュ照明におけるエキスト
ラ速度の量を決定するステップ1310と、フィル・フラッ
シュにおけるフィルム露出のためにエキストラ速度を使
用するステップ1320と、フィル・フラッシュ照明におけ
るシャッタ速度を短縮するステップ1330を含んでいる。
【0238】このポイントまででステップ1310に入る前
に、フィル・フラッシュに対する露出セッティングは、
当面の撮影場面の要求に適合するために要求されるレン
ズ口径サイズとシャッタ速度を与える、すなわち、ここ
では当面の撮影場面の主要対象物と背景部の両方に適切
な露出を与えるために、特にステップ720 と730 により
決定されている(図10を参照)。フィル・フラッシュ状
況の場合、前述のように、レンズ口径セッティングは、
主要対象物と背景部の間の露出の相対的な変更を決定す
る。主要対象物は、非常に短い周期の照明バーストとな
るフラッシュと、周囲の照明の両方から照らされ、背景
部は周囲の照明から照らされるだけである。従って、適
量のフィルが、異なるタイプの照明があっても、適正に
主要対象物の照明を増加し且つ的確に撮影場面のコント
ラストを所望のレベルに減少するために、既に決定され
ていて、なおかつ、適切なレンズ口径セッティングの選
択時に指示されているので、口径セッティングは、エキ
ストラ・システム速度が存在していても、その後で変更
されない。そのような変更はいずれも、撮影される画像
の主要対象物と背景部の間の最終的な照明レベルを変え
てしまい且つ画像品質に逆に作用することになる。しか
し、シャッタ速度の変化は、これらの照明レベル間の相
対的な差を効果的に保つだけでなく、画像の全体的な露
出が変更されることも可能にする。そこで、フィル・フ
ラッシュを用いると、シャッタ速度だけが、ここで次に
説明される方式で、使用可能なエキストラ・システム速
度を活用するために、変更される。
【0239】特に図16に図示されているように、ステッ
プ1120に入ると、ステップ1310がまず実行される。ステ
ップ1310は、既に決定していたよりも低速のシャッタ速
度が当面の現場を撮影するためにフィル・フラッシュの
使用に受け入れられるかどうかについて決定する。低速
のシャッタ速度が受け入れられる場合、エキストラ・シ
ステム速度は存在する。ステップ1310は、そこで、最初
に使用できるエキストラ・システム速度の量を決定す
る。ステップ1320は、そのフィルム品質と露出特性の関
係が ISO/ANSI 露出規格から与えられると、使用する特
定のフィルムを故意に過小または過剰露出する際に暗黙
のうちに用いられていたエキストラ・システム速度の量
を検討するために実行される。前述のように、当面の撮
影場面の要求に適合するシャッタ速度とレンズ口径セッ
ティングの組み合わせに関する従来の選択に基づいて、
変更が行われる。任意のエキストラ・システム速度がま
だ存在する場合、ステップ1330は、全ての残りのエキス
トラ・システム速度を活用するために、受け入れ可能な
シャッタ速度より適度に高速のシャッタ速度を選択する
ために実行される。
【0240】ステップ1310は、ライン 334, 304, 434,
422, 314 で表されるように、次の項目を入力として、
すなわち、調整された焦点距離ファクタ(ADJUSTED _FO
CAL_LENGTH_FACTOR) 、カメラ仕様 -- 特にシャッタ
速度限界、露出セッティング、フィル・フラッシュ条件
(fill _flash _condition)、レンズ仕様 -- 特に焦点
距離(FOCAL_LENGTH) 、を使用する。このステップは、
ライン356 で表されるように、フラッシュ条件(flash_
condition)の値を“YES ”に更新してフラッシュ照明が
用いられることを示し、なおかつ、ライン1314と1318で
表されるように、次の項目を出力として、すなわち、フ
ィル・フラッシュと共に用いられることができる許容シ
ャッタ速度、すなわち、新しいシャッタ速度(NEW_SHUT
TER _SPEED)、使用可能なエキストラ・システム速度の
量、すなわち、フィル・フラッシュ照明に当面使用でき
るエキストラ速度(EXTRA_SPEED)を設定する。ステップ
1310は、ハイ・レベルのファンクション・プログラミン
グ用語で表される図43のルーチンから構成されている。
【0241】前述のように、ステップ1310は、まず、使
用しているレンズの焦点距離と調整された焦点距離ファ
クタ(ADJUSTED _FOCAL _LENGTH_FACTOR) パラメータ
が与えられると、最も低速(最大)のシャッタ速度、す
なわち最大許容シャッタ速度(MAXIMUM_USABLE_SHUTTE
R _SPEED)を決定し、これは当面の現場を撮影するため
に受け入れられて、カメラの振動を和らげることができ
る。そこで、撮影場面の要求に適合する既に決定された
シャッタ速度とフィル・フラッシュにおいて当面用いら
れることができるその最大値とに基づいて、ステップ13
10は、エキストラ・システム速度が存在するかどうかに
ついて、なおかつ、どんな場合でも、最初に使用できる
エキストラ・システム速度の量を決定する。特に最大許
容シャッタ速度が決定されると、それはカメラに依って
与えられることができる最大(最高速)のシャッタ速度
と比較される。新しいシャッタ速度(NEW_SHUTTER _SP
EED)は、この2つの速度の遅い速度にセットされる。使
用可能なエキストラ・システム速度の量は、新しいシャ
ッタ速度と撮影場面の要求に適合するシャッタ速度の比
率の対数として決定される。例えば、カメラ振動の検討
に基づいて、最大許容シャッタ速度が1/125 秒になり、
それが用いられることができ、且つ、撮影場面が 1/250
秒のシャッタ速度を要求していた場合、1/125 秒が最
初に新しいシャッタ速度として選択され、そして、1ス
トップのエキストラ・システム速度(log102)になる。
【0242】当面フィル・フラッシュ照明を用いて使用
できるエキストラ・システム速度の量とそれと共に用い
られることができる新しいシャッタ速度が決定される
と、ステップ1320は、いま使用している特定のフィルム
の露出を ISO/ANSI 露出規格から故意に変更する際に、
撮影場面の要求に適合する露出とフラッシュ・パラメー
タに関する従来の選択から、暗黙のうちに用いられてい
たエキストラ・システム速度を、フィルム品質と露出特
性に基づいて検討するために、実行される。ここで用い
られるエキストラ・システム速度の量はフィルムの特定
の露出特性に左右される。ライン306 と1318で表される
ように、ステップ1320は、2つの入力、すなわち、フィ
ルム品質と露出情報(特に予め設定された値のテーブ
ル)とエキストラ速度(EXTRA_SPEED)を使用する。この
ステップに依って生成される出力は、ライン1324で表さ
れるように、まだ存在するエキストラ速度(EXTRA_SPEE
D)に関して更新された量になる。ステップ1320は、前述
のステップ1260と同じルーチンから構成されている。
【0243】ここで、このポイントで、新しいシャッタ
速度は撮影場面の要求に適合するフィル・フラッシュに
対して定められ、且つ、同時にフィルムを故意に過剰ま
たは過小露出する手段が提供されて、画像品質を改善す
る。いま述べられたばかりのように、エキストラ・シス
テム速度がまだ存在する場合、ステップ1330が実行され
て、残りのエキストラ・システム速度を使用し、シャッ
タ速度の最後の値を減少する、すなわち、シャッタが開
いている時間を更に短縮する高速のシャッタ速度を選択
する。最終的なシャッタ速度の値は、適切な物理的な限
界値に対してチェックされ、必要に応じて、対応する限
界値に依って切り取られる。ステップ1330は、ライン 1
314, 1324, 304 で表されるように、次の項目を入力と
して、すなわち、新しいシャッタ速度(NEW_SHUTTER _
SPEED)、エキストラ速度(EXTRA_SPEED)、カメラ仕様 -
- 特にシャッタ速度限界、を使用する。出力として且つ
ライン352 で表されるように、ステップ1330は、露出セ
ッティングに関する最後の値 -- 特にシャッタ速度(SHU
TTER_SPEED)を設定する。ステップ1330は、ハイ・レベ
ルのファンクション・プログラミング用語で表される図
44のルーチンから構成されている。
【0244】このポイントで、ステップ1330は、適切に
シャッタ速度を調整して、残りのエキストラ・システム
速度の全てを、フィル・フラッシュ照明に於ける、シャ
ッタの物理的な限界まで活用してきた。最終的な露出セ
ッティング、特にステップ1330に依って設定される、シ
ャッタ速度(SHUTTER_SPEED)は、撮影場面の要求に適合
するステップ720 (図10を用いて既に説明済み)から決
定されたレンズ口径の値と共に、カメラ・マイクロコン
ピュータ・システムに依って、その出力回路に加えられ
て、的確にカメラのシャッタとレンズ口径メカニズムを
操作し、フィル・フラッシュを用いて当面の現場を撮影
する。これは、フィル・フラッシュ照明を用いる本発明
のプロセスの実行を含んでいる。
【0245】最後に、フル・フラッシュ照明が用いられ
る場合、代わりに、前述のように、エキストラ速度/フ
ル・フラッシュ決定と使用ステップ1130が実行される。
エキストラ速度/フル・フラッシュ決定と使用ステップ
1130のオペレーション・ダイアグラムが図17に図示され
ている。前述のように、ステップ1130は、フラッシュ条
件(flash_condition)を“YES ”と更新して、エキスト
ラ・システム速度がフル・フラッシュ照明状態に存在す
るかどうかについて決定し、適正にフラッシュ・パラメ
ータ(特にパワー条件(POWER_CONDITION)と拡散跳ね返
り情報)を調節して、そのエキストラ・システム速度を
できるだけ活用し、最終的な画像品質の改善を試みる。
エキストラ・システム速度が、当面の撮影場面の要求に
適合する露出セッティングとフラッシュ・パラメータを
選択し且つ使用するフィルムの露出をISO 標準露出から
故意に逸脱して調節する際に暗黙のうちに用いられてい
たエキストラ・システム速度を、フィルム品質対露出テ
ーブルの関係に従って検討した後に、まだ残っている場
合、最後の手段として、残りのエキストラ・システム速
度は、レンズ口径(ここではフラッシュFナンバー(FLA
SH_F _NUMBER) )セッティングを減少して、更なる被
写界深度を最終画像に加えることに依って、更なる被写
界深度が著しい改善を画像品質に生じないと考えられる
場合でも行われる。
【0246】この点に関して、周知の技術の自動カメラ
は、フラッシュ露出を実施する際に用いられると、不具
合なことに定常的にフィルム速度の増加に伴ってレンズ
口径サイズを減少する。他の露出セッティングまたはフ
ラッシュ・パラメータは普通は変更されない。レンズか
ら与えられる更なる被写界深度は、フラッシュ・パワー
すなわちフラッシュ・ユニットから与えられる照明深度
が共に一定である限り、単純に浪費されるだけである。
このように、これらのカメラのフィルム速度を変えても
最終的な画像品質を改善しない。同様に、フラッシュ・
ユニットのガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) が増加す
る場合、これらの自動カメラは、撮影場面の被写界深度
要求が変わっても、レンズ口径サイズを定常的に減少さ
せる。ここで、また、撮影場面に依って要求されるレベ
ルを越える、更なる被写界深度は、殆ど浪費されるだけ
であり、それほど画像品質を改善しない。従来の技術の
ように更なる浪費される被写界深度を与えることと対照
的に、本発明のプロセスは、詳細に次に説明されるよう
に、まず、フラッシュ・パワーを保持するために非拡散
直接フル・フラッシュ(non-spread direct full flash)
出力を押さえることに依ってフラッシュ照明を変更する
ために、例示として、ISO(ASA)フィルム速度および/ま
たはガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) の増加(後者は
使用可能な出力フラッシュ・パワーに起因する)によ
り、使用可能なエキストラ・システム速度を使用するの
で、フラッシュ内部の記憶コンデンサーが、“赤い目(r
ed-eye)”を最小限にして非拡散直接フラッシュから得
るよりも更に均一の撮影場面の照明を与えるために、次
のフラッシュ露出の準備の際に、および/または、跳ね
返りまたは拡散フラッシュの何れかを利用して、瞬時に
再充電されることを可能にする。
【0247】レンズ口径セッティングは、マッチされた
被写界深度と照明深度の要求に適合するために既に選択
されていた値を保つ。レンズ口径は、ガイド・ナンバー
(GUIDE_NUMBER) および/またはフィルム速度の増加に
伴ってもともと絞られないので、口径セッティングをそ
の従来の値に保持することに依って生じる更なる露出の
量は、使用可能なエキストラ・システム速度を与える。
その後に、任意のエキストラ・システム速度が、跳ね返
りまたは拡散フラッシュを選択した後に、なおかつ、当
面の撮影場面の要求に適合する露出セッティングとフラ
ッシュ・パラメータを選択する際に特有の故意の過剰
(または過小)露出を行う時に暗黙のうちに用いられる
フラッシュを検討した後に残っている限り、レンズ口径
セッティングは残りのエキストラ・システム速度の全て
を活用するために変更される。ここで、口径を変更する
よりも更に優れた改善を画像品質に与えるエキストラ・
システム速度が設定されることができる活用が他に残っ
ていないので、レンズ口径セッティングは、更なる被写
界深度を最終画像に与える最後の手段として、そのよう
に実施しても、どんな場合でも、僅かの改善を画像品質
に与えるだけであるが変更される。エキストラ・システ
ム速度をこの優先順位が付けられている方式で使用(特
に、第1にフラッシュ出力を押さえ、第2に跳ね返り或
いは拡散フラッシュを活用し、第3に露出変更を検討し
て、第4に且つ最後にレンズ口径セッティングを変更)
すると、周知の技術の自動カメラに現れるよりも著しい
改善をフラッシュ撮影に於ける画像品質に好都合に提供
する。
【0248】図示されているように、ステップ1130は5
つの基本ステップから構成されていて、その全ては、エ
キストラ・システム速度がフル・フラッシュ照明状態で
存在するかどうかについて、なおかつ、どのようにして
そのエキストラ・システム速度が、任意に存在する限
り、露出セッティングを調節して画像品質を改善するた
めに最も効果的に活用されることができるかどうかにつ
いて決定する。これらのステップは、エキストラ速度を
フル・フラッシュ照明で決定するステップ1410と、フラ
ッシュ出力を計算するステップ1420と、フラッシュ拡散
と跳ね返りを計算するステップ1430と、エキストラ速度
をフィルム露出のためにフル・フラッシュで使用するス
テップ1440と、レンズ口径をフル・フラッシュで絞るス
テップ1450を備えている。
【0249】このポイントまで且つステップ1410に入る
前に、フル・フラッシュの露出セッティングは、可能な
限り、ベースライン・フル・フラッシュ露出を満足する
特にステップ910 と920 (図12を参照)と1030(図13を
参照)から決定された。特に、レンズ口径セッティング
は、主要対象物距離に対して同じ被写界深度と照明深度
を与えるものに相応して選択された。初期のシャッタ速
度は、フル・フラッシュで使用するデフォルト値すなわ
ちフラッシュ・シャッタ速度(FLASH_SHUTTER_SPEED)
パラメータとして選択された。
【0250】ステップ1130に入ると、ステップ1410が、
図17に図示されているように最初に実行される。この後
者のステップは、フラッシュ・パワーが撮影場面に依っ
て要求されるパワーを越えて存在するかどうかについて
決定する。その場合に、エキストラ・システム速度は存
在する。ステップ1410は、そこで、最初に存在する使用
可能なエキストラ・システム速度の量を決定する。エキ
ストラ・システム速度が存在する場合、ステップ1420
は、撮影場面の要求に適合するために必要なフラッシュ
・ユニットの適切な出力(出力輝度)パワーを決定し、
なおかつ、フラッシュ・ユニットの出力パワーを的確に
減少(低下)するためにエキストラ・システム速度の、
全てでない場合、一部を使用する。これは、フラッシュ
内部の記憶コンデンサーが次のフラッシュ露出を準備す
る際に瞬時に再充電することを可能にする。いくらかの
エキストラ・システム速度が残っている場合、ステップ
1430は、天井または跳ね返り照明に適した他の表面の存
在に対応して、この残りのエキストラ・システム速度
の、全てでない場合、一部を活用して、跳ね返りフラッ
シュを与える。ここでそのような表面が存在しない場
合、ステップ1430は、拡散フラッシュ照明のために残り
のエキストラ・システム速度の、全てでない場合、一部
を活用する、すなわち、直接フラッシュ照明の水平ビー
ムを増加する。まだエキストラ・システム速度が存在す
る場合、ステップ1440は、フィルム自体の露出を、その
露出特性に基づいて、ISO/ANSI 露出規格から変えるこ
とに依って、与えられた残りのエキストラ・システム速
度の量を使用する。前述のように、その変更は、当面の
撮影場面の要求に適合するシャッタ速度とレンズ口径セ
ッティングの組み合わせに関する従来の選択に依る。ま
だいくらかのエキストラ・システム速度が存在する場
合、ステップ1450が実行されて、レンズ口径(ここでは
フラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER) )セッティ
ングを押さえる即ち減少して、更なる被写界深度を最終
画像に与える。レンズ口径セッティングを小さくするこ
とが、どんな場合でも且つ殆どない場合に、僅かの改善
しか画像品質に与えない限り、この変更は、使用可能な
エキストラ・システム速度をフル・フラッシュ状況で用
いる全ての他のテクニックが費やされた後の最後の手段
として現れるだけである。
【0251】前述のように、ステップ1410は、撮影場面
に依って要求されるパワーを越えるフラッシュ・パワー
が存在するかどうかについて、なおかつ、それに基づい
て、もともとフル・フラッシュ照明について存在するエ
キストラ・システム速度の量を決定する。使用可能なフ
ル・フラッシュの量はガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBE
R) パラメータの値から与えられる、これに対して、撮
影場面で要求されるフラッシュ・パワーは、フラッシュ
Fナンバー(FLASH_F _NUMBER) と主要対象物距離の積
に等しい深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) パラメータの値
から指定される。ガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) の
値もフィルム速度の増加と共に増加する。基本的に、フ
ラッシュ・ユニットが撮影場面に依って要求されるより
多量の光学的パワーを与える場合、エキストラ・システ
ム速度は存在する。ステップ1410は、ライン 318,468,
308, 412 で表されるように、次の項目を入力として、
すなわち、フラッシュ仕様 -- 特にガイド・ナンバー(G
UIDE_NUMBER) 、フラッシュFナンバー(FLASH_F _NU
MBER) 、対象物距離情報、フル・フラッシュ条件(full
_flash _condition)、を使用する。出力として、ステ
ップ1410は、ライン356 で表されるように、フラッシュ
条件(flash_condition)の値を“YES ”に更新するの
で、フラッシュ照明が用いられていることを意味し、な
おかつ、エキストラ・システム速度、(EXTRA_SPEED)の
初期値を設定する。ステップ1410は、ハイ・レベルのフ
ァンクション・プログラミング用語で表される図45のル
ーチンから構成されている。
【0252】エキストラ・システム速度の初期値がステ
ップ1410から与えられると、ステップ1420が実行され
て、撮影場面の要求に適合するために必要なフラッシュ
・ユニットの適切な出力(出力輝度)パワーが決定さ
れ、なおかつ、適正にフラッシュ・ユニットの出力を小
さくするためにエキストラ・システム速度の、全てでな
い場合、一部を活用する。フラッシュ出力は、現在使用
中のフラッシュ・ユニットがエネルギー節約式であり且
つ高速リサイクル・モードで作動する場合にだけ、撮影
場面の要求に適合するパワーに適切に絞られる (thrott
le back)。そうでない場合、フラッシュ・ユニットの最
大光出力(すなわち、パワー条件(POWER_CONDITION)=
1)が用いられ且つエキストラ・システム速度はこのス
テップで使用されない。ステップ1420は、ライン 1414,
318, 320 で表されるように、次の項目を入力として、
すなわち、エキストラ速度(EXTRA_SPEED)、フラッシュ
仕様 -- 特にエネルギー節約フラッシュ(energy _savi
ng_flash)、リサイクル・モード(RECYCLE_MODE) 、を
使用する。出力として、ステップ1420は、エキストラ速
度(EXTRA_SPEED)の値を、ライン1424で表されるように
して更新し、なおかつ、値を、ライン354 で表されるよ
うに、パワー条件(POWER_CONDITION)に対して設定す
る。ステップ1420は、ハイ・レベルのファンクション・
プログラミング用語で表される図46のルーチンから構成
されている。
【0253】フラッシュ・ユニットが適切に絞られるこ
とができず、エキストラ・システム速度が存在しない場
合、決定は、ステップ1430により、このエキストラ・シ
ステム速度の、全てでない場合、一部が跳ね返りフラッ
シュ照明に対して用いられることができるかどうかにつ
いて行われる。ここで、跳ね返りに適した表面がカメラ
に搭載されている垂直範囲検出システム230 (図2を参
照)に依って検出されて、なおかつ、十分なプラスのエ
キストラ・システム速度が存在する、すなわち一般的に
+2 または +3 ストップと等しい跳ね返りカットオフ(B
OUNCE _CUTOFF) パラメータより大きいか等しい場合、
跳ね返りフラッシュ照明が用いられる。跳ね返りフラッ
シュが拡散フラッシュより均一の現場用照明を提供する
限り、跳ね返りフラッシュは、それが当面の撮影場面に
用いられることができる限り、拡散フラッシュ照明より
優れている。適切な跳ね返りフラッシュ・ユニットは、
2つの別のフラッシュ・チューブと対応する反射板を具
備している。1つのチューブとその反射板はユニットの
最上部に向けられているが、他のチューブとその反射板
は前方に向けられている。前者のチューブは適切な跳ね
返り面が存在し且つ十分なエキストラ・システム速度が
活用できる場合にだけ作動するが、他のチューブは拡散
または非拡散直接フル・フラッシュ照明に用いられる。
【0254】代わりに、フラッシュ・ユニットは1つの
フラッシュ・チューブと鏡面仕上の(mirrored) ビーム
・スプリッタ(例えば部分的な銀皮膜ミラー)を具備し
ていて、それは、跳ね返りフラッシュに対して、その光
学的出力の一部をフラッシュ・ユニットの最上部から上
部に向けて且つ残りをフラッシュ・ユニットの前部から
外側に向けて送るために、チューブの前部に選別して挿
入されている。しかし、適切な表面が使用できない或い
は現在存在するエキストラ・システム速度の量が跳ね返
りフラッシュ照明に不十分な場合、予め設定されたエキ
ストラ・システム速度の量が、拡散テーブルに対してテ
ーブル・ルックアップ・オペレーションに依って定義さ
れるようにして、拡散フラッシュ照明から、すなわち、
直接フル・フラッシュ照明の水平ビーム幅を変更するこ
とに依って行われる。ビーム幅の変動は、フラッシュ・
ユニットの内部で適切な電磁アクチュエーターを用いて
容易に実施されて、幾つかの適切な光学的拡散体の1つ
の位置を設定し、各々が、予め設定された拡散角度を、
そのユニットのフラッシュ・チューブの前部に与える。
【0255】フラッシュ・ユニットの特別の実施は、そ
れが既知の光量を与えられた方向に選別して放射する機
能を備えている限り問題でない。拡散または跳ね返りフ
ラッシュあるいはその両方のためのフラッシュ・ユニッ
トの性能は、その方向性とフラッシュ出力に換算して、
適切な拡散テーブルと跳ね返りカットオフ(BOUNCE _CU
TOFF) パラメータに記憶されている対応する値に依って
特徴づけられる。拡散フラッシュ照明を単純にするため
に、3つの異なる拡散角度が用いられ、普通は幅1 と幅
2 である。このように、フラッシュ・ユニットの拡散角
度は、拡散フラッシュが用いられない場合に通常値に、
なおかつ、更に広い拡散領域をその各々ポイントで減少
される光レベルであっても与える更に広い角度(例えば
幅1 と幅2 )にセットされることができる。拡散角度を
適切に選択することに依って、直接フラッシュ照明は、
近くの表面と物体を撮影場面に反射して、跳ね返りフラ
ッシュ照明に依って与えられる照明特性の模倣を試み
る。拡散テーブルから与えられるパラメータ拡散量(SPR
EAD _AMOUNT) の値は、広くされたビーム角度から与え
られ且つ対数表示の露出に換算して測定される相対輝度
を定める。ステップ1430は、ライン 1424, 318, 308 で
表されるように、次の項目を入力として、すなわち、エ
キストラ速度(EXTRA_SPEED)、フラッシュ仕様 -- 特に
拡散跳ね返り情報、対象物距離情報、を使用する。この
ステップは、エキストラ速度(EXTRA_SPEED)の値を、ラ
イン1434で表されるようにして更新し、なおかつ、ライ
ン358 で表されるようにして拡散跳ね返り条件(spread
_bounce_condition)に適した値を設定する。ステップ
1430はハイ・レベルのファンクション・プログラミング
用語で表される図47のルーチンから構成されていて、図
中に拡散テーブルが図示されている。
【0256】拡散角度を1つまたは複数の固定された量
に相応して調節する、すなわち、量子化された変動をビ
ーム角度に与えるようなレンズを備えたフラッシュ・ユ
ニットを使用する代わりに、フラッシュ・ユニットは、
拡散角度を2つの限界の間で直線的に変更するように連
続して移動されることができるレンズを具備することが
できる。この直線的な変動は、拡散量(SPREAD _AMOUN
T) パラメータの値の対応する変化に比例して変わると
思われる。
【0257】フル・フラッシュ照明と共に現在使用でき
るエキストラ・システム速度の量と拡散と跳ね返りフラ
ッシュ照明に基づいて用いられる量がここで決定される
と、ステップ1440が実行されて、当面の撮影場面の要求
に適合する露出セッティングとフラッシュ・パラメータ
を選択して暗黙のうちに用いられていたエキストラ・シ
ステム速度が検討されるが、現在使用しているフィルム
のフィルム品質対露出特性の関係に従って、それは、IS
O/ANSI 露出規格から故意に逸脱する露出となる。ステ
ップ1440は、ライン306 と1434で表されるように、2つ
の入力すなわちフィルム品質対露出情報の関係(特に予
め設定された値のテーブル)とエキストラ速度(EXTRA_
SPEED)を使用する。このステップから設定される出力
は、ライン1444で表されるように、まだ存在するエキス
トラ速度(EXTRA_SPEED)に関して更新される量になる。
ステップ1440は前述のステップ1260と同じルーチンから
構成されている。 ここで、このポイントで、適切なフ
ラッシュ出力、必要に応じて、拡散と跳ね返りフラッシ
ュ・セッティングが、撮影場面の要求に適合し、且つ、
フィルムを故意に過剰または過小露出する手段を与えて
画像品質を改善するように、フル・フラッシュの対して
選択された。いま説明されたばかりのように、まだエキ
ストラ・システム速度が存在する場合、ステップ1450
は、更なる被写界深度を最終画像に与えるために、レン
ズの物理的な口径限界が越えられていないならば、レン
ズ口径(ここでは、フラッシュFナンバー(FLASH_F _
NUMBER) )セッティングを絞る、すなわち、減少するた
めに残りのエキストラ・システム速度の全てを、最後の
手段として、活用するために、実行される。更なる被写
界深度は、照明深度に適合するために要求されるより多
く、画像品質を改善するとは思えない、しかし、それは
残りのエキストラ・システム速度がここで設定されるこ
とができる唯一残っている活用手段である。ステップ14
50は、ライン 314, 458, 304, 1444 で表されるよう
に、次の項目を入力として、すなわち、レンズ仕様 --
特に口径限界、フラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMB
ER) 、カメラ仕様-- 特にシャッタ・タイプ、エキスト
ラ速度(EXTRA_SPEED)、を使用する。このステップは、
出力として、ライン352 で表されるように、露出セッテ
ィング、特にFナンバー(F_NUMBER) とフラッシュFナ
ンバー(FLASH_F _NUMBER) 、に対して、新しい値を設
定する。ステップ1450は、ハイ・レベルのファンクショ
ン・プログラミング用語で表される図48のルーチンから
構成されている。
【0258】このポイントで、ステップ1450は、適正に
レンズ口径を調整して、残りのエキストラ・システム速
度の全てを、レンズ口径の物理的な限界まで、フル・フ
ラッシュ照明状況で活用する。最終的な露出セッティン
グ、特にステップ1450から設定されるFナンバー(F_NU
MBER) とフラッシュFナンバー(FLASH_F _NUMBER)
は、撮影場面の要求に適合するステップ820 (図11を用
いて既に説明済み)から決定されたシャッタ速度の値と
共に、カメラ・マイクロコンピュータ・システムに依っ
て、その出力回路に加えられて、的確にカメラのシャッ
タとレンズ口径メカニズムを操作して、当面の現場をフ
ィル・フラッシュを用いて撮影する。これは、フル・フ
ラッシュ照明に使用する本発明のプロセスの実行を包合
している。
【0259】前述のように、露出セッティング、必要に
応じて、フラッシュ・パラメータが使用可能なエキスト
ラ・システム速度を本発明のプロセスに従ってできるだ
け活用するために選択されると、カメラ・マイクロコン
ピュータは、カメラ・レンズ口径とシャッタ・メカニズ
ムとフラッシュ・ユニットをドライブし、最終的な露出
を、必要に応じて、補助的なフィルまたはフル・フラッ
シュ照明を用いて、撮影される当面の現場に敵する露出
セッティング、必要に応じて、フラッシュ・パラメータ
を、特に選択された表示サイズとその焦点距離撮影モー
ドを考慮、して定められるものとして全て供給する。
【0260】従って、図示されるように、表示サイズ・
ファクタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR)を、視野距離と再生
倍率比に関するその独立した変動とともに組合わせて、
本発明の露出制御プロセスは、まず丁度適量のシステム
速度を活用して、ユーザ選択非標準表示サイズおよび/
または異焦点距離撮影モードから生じると思われる更な
る画像ボケを完全に補償することを可能にする。全ての
撮影場面の要求に適合すると、任意の全ての更に使用可
能なエキストラ・システム速度が、適切な増分方式で優
先順位が設定された態様で、前述のように用いられて、
ISO/ANSI 規格を厳守して得るよりも更に画像品質を改
善できると思われる。更に、システム速度を活用して、
まず更なる画像ボケの補償を撮影場面の要求に適合する
前に実施すると、最終的な露出(および、必要に応じ
て、フラッシュ)パラメータは、そのような補償がない
場合より更に限定されることになる。その結果、撮影者
が非標準表示サイズまたは異焦点距離モードを選択する
が、後に標準サイズのプリント(および/または標準焦
点距離モード)をネガから生成すると決定したとして
も、最終的なプリントの品質は、あらゆる面でこの決定
に影響されず、すなわち、生じた全てのことは、今の撮
影場面、その最終的な表示サイズ、焦点距離撮影モード
に対して結局単純になり余りにも限定されることになっ
ている露出(および必要に応じてフラッシュ)パラメー
タの従来の選択によって使用可能なエキストラ・システ
ム速度の浪費になることになる。従って、撮影者がこの
ような間違った選択を画像捕獲時に表示サイズまたは焦
点距離撮影モードについて実施したとしても、好都合
に、最終的な画像の品質の低下は招かない。
【0261】F. 或る入力パラメータに対する、実際の
測定入力と比較した統計的データ、すなわち適応データ
の使用 一般的に、特定の自動制御システムをカメラに搭載する
かどうかについての問題は、製造コストと製品性能の間
の既知の釣り合いを評価することに関連する。明らか
に、本発明のプロセスは、その最も精巧なバージョンに
於いて前述のように、比較的精巧な撮影場面のセンサー
を要求する。この点に関して、例えば、光計測システム
215 (図2を参照)と水平範囲検出システムは、距離と
関連する光レベルを当面の撮影場面の主要対象物と背景
部の両方に与える。従って、これらのシステムは、撮影
場面の主要対象物と背景部の間を巧みに区別する能力を
備えていてなければならない。それを行うために、これ
らのシステムは2ポイントセンサーと関連処理電子部品
に依存している。この(または高度の)レベルの精巧性
を備えている感知システムは比較的高価になると思われ
る。このようなセンサーのコストは“プロ”用に設計さ
れたカメラの全体的な製造コストの中で軽い要素と見な
していると思われるが、同じことは、広く普及している
アマチュア用に主として設計されている低コストのカメ
ラのケースでは言えない。前者のタイプのカメラは性能
に依って評価され、コストは殆ど二次的な要素にすぎな
いが、後者のタイプのカメラは製造コストに対して非常
に敏感である。この現実を考慮して、比較的単純なメカ
ニズムと制御システムが、精巧なセンサーと関連電子部
品の代わりに、低コストのカメラに一般的に用いられて
いる。
【0262】しかし、低コスト・カメラの製造に特有の
コスト的な制約にかかわらず、我々の発明したプロセス
(または、次に説明されるように少なくともその一部)
は、これらのカメラに組み込まれ且つ比較的基本的なセ
ンサーと共に用いられても、それでも従来の技術で用い
られている低コスト・カメラから得るより高度の全体的
な画像品質を生成することができる。
【0263】特に、図示するような対象物距離、背景部
距離、均一な撮影場面の輝度のように、種々の入力パラ
メータの実際のリアルタイムな手法に依存するよりも、
むしろ、これらのパラメータの値は、記憶されている統
計データのテーブル・ルックアップ・オペレーションか
ら代わりに入手されることができる。例えば、そのハイ
パー焦点距離 (hypafocal distance) で焦点設定された
35 mm カメラのように、短く固定された焦点距離レン
ズを使用する低コストのカメラの場合、約40フィート
(約12.2m )からいわゆる無限大までのカメラと対象物
の距離に位置する物体の画像の鮮鋭度に任意の著しい差
があっても僅かである。このようなカメラの場合、背景
部は、全ての画像に対して40フィートで存在するとに安
全に仮想されることが可能である。40フィートおよび無
限大に位置する物体の間の鮮鋭度に関する最終的な僅か
な差を考慮して、単純な範囲検出器が、例えば40フィー
ト(約12.2m )にセットされた主要対象物距離と背景部
距離を与えるために用いられ、画像品質の劣化は、もし
あるとしても、仮想された距離で、本プロセスから僅か
しか生じない。統計データは、背景部の距離に対する40
フィートのように、与えられた項目に対して単一の予め
設定された値を、または、数多くの値であって、これら
の値の特定のものは条件付きの確率を用いて選択されて
いるものを有している。例えば、数千の異なる撮影され
た画像を分析して過去に集められて記憶されている統計
資料を用いて、主要対象物距離が与えられると、或る確
率が、背景距離に対して定められることができる。この
ように、主要対象物距離に対して単純な範囲検出システ
ムから設定される1ポイント出力値は、数多くの異なる
確率をもつ背景距離の中の一つ、すなわち、最も可能性
のあるものにアクセスするために、カメラ・マイクロプ
ロセッサーに依って用いられると考えられる。従って、
容易に使用できるスポット計測システム (spot meterin
g system) が特に前述の多ポイント計測システムの代わ
りに用いられることができる。主要対象物距離の変化は
いずれも、統計に基づいた背景距離に対して異なった対
応する変化を与えると思われる。そこで、実際の主要対
象物距離と統計に基づいた背景距離の最終的な値が、本
発明のプロセスに送られる。同様に、カメラの予測され
る使用に基づいて統計的に推定された他の撮影場面に特
有のデータが、このデータの対応するリアルタイムな測
定値の代わりに用いられることとなる。例えば、屋外で
使用するために設計されたカメラは、予測される撮影場
面の輝度に関して記憶された値を備えている。この値
は、屋外の照明で撮られた十分に数多くの写真に関する
統計分析資料を用いてカメラの製造会社に依って決定さ
れ、なおかつ、最適の露出セッティングを本発明のプロ
セスにより選択する後の使用のためにカメラの内部に記
憶される。
【0264】更に、カメラ内蔵型加速度計に依存して振
動情報を測定するよりも、この情報は、カメラに、特に
ROM に、その製造中にプログラム化されて搭載さるこ
とができる。その場合、その情報は、実際に測定された
リアルタイム・データより、むしろカメラの製造会社に
依って行われた統計的研究に基づくと思われる。そのよ
うな統計データの活用は、これらの加速度計とそれらに
関連する処理用電子部品の必要性をなくして、好都合に
カメラの製造コストを低減する。
【0265】代わりに、或る仮定が撮影場面の要求に関
して行われる。1例として、そして、現在使用可能な低
コストのカメラに現れる事例と対照的に、低コスト・カ
メラのシャッタ速度は、カメラの振動を除去するために
当面用いているレンズの焦点距離(FOCAL_LENGTH) の逆
数を掛け算された調整された焦点距離ファクタ(ADJUSTE
D _FOCAL _LENGTH_FACTOR) と等しいように、選択さ
れることができる。このカメラは、広く普及しているア
マチュア・カメラ用に設計された典型的なカメラのよう
に、単一のロックされたレンズ口径サイズを持つ短く固
定された焦点距離のレンズ (short fixed focal-length
lens)を備えていると考えられる。このタイプのカメラ
は、殆ど大部分(統計的に言えば)、例えば、90-95 %
の撮影場面に依って要求される被写界深度が単一のレン
ズ口径から与えられる被写界深度内に入るという仮定の
もとで、製造されている。例えば、f/11 レンズ口径を
もつ37mmレンズの場合、被写界深度は4フィート(約1.
22mm)から無限大まで延長する。従って、撮影場面の 9
0-95 % に対して、主要対象物の光レベルの単純な測定
は、或るエラーの範囲内で、いかなるエキストラ・シス
テム速度が使用できるかどうかについて、なおかつ、そ
の場合に、当面使用できる適量のエキストラ・システム
速度を示すことになる。エキストラ・システム速度が使
用できる場合、使用するフィルムに基づいて、シャッタ
速度は、エキストラ・システム速度を活用して画像品質
を改善するために、必要に応じて、故意にフィルムを過
剰露出するようにセットされることができる。例えば、
4フィートから無限大までの物体が f/11 レンズ口径を
用いて鮮鋭な焦点に入り (in sharp focus) 、且つ、シ
ャッタ速度が、前述のように、カメラの振動を除去する
ように決定されているが、この撮影場面で測定された対
象物光レベルが ISO 通常露出に対して最初に選択され
た速度より高速のシャッタ速度が代わりに用いられるべ
きことを指示している場合、エキストラ・システム速度
が、フィルム・タイプに基づいて、過剰露出のストップ
を与えて画像品質を改善するために、シャッタ速度をそ
の初期値に維持するために用いられることとなる。簡単
な回路が、フィルム・タイプをDXコンタクトから読み取
るためにカメラの内部で用いられ、なおかつ、或る予め
設定されたフィルム・タイプに対して、過剰露出が行わ
れることを可能にする。対照的に、周知の技術の低コス
ト・カメラは、単純にシャッタ速度を増加(シャッタが
開いている時間の長さを減少)して、ISO 通常露出にす
ると思われる。従って、比較的単純で低コストのカメラ
でも、本発明のプロセスに依って広く教示されているよ
うなエキストラ・システム速度の決定と活用は、著しい
改善を画像品質に与えるために用いられることができ
る。
【0266】しかし、統計的に仮定された値および/ま
たは他の仮定を利用する際に固有の精度は、入力データ
または撮影場面の要求にかかわらず、実際に測定された
リアルタイムな値を利用する際に関連する精度より、一
般的に低い。このように、エキストラ・システム速度と
露出および必要に応じて、フラッシュ・パラメータを計
算する際に本発明のプロセスに固有の精度は、或る事例
に於いて、統計的データおよび/または撮影場面に基づ
く仮定を用いるより少し低下する場合がある。それにも
かかわらず、少し劣化される可能性がある値を持った、
最終的なパラメータは、現在の低コストのカメラに採用
されているようなISO 通常露出だけを使用して得られる
画像品質よりも、エキストラ・システム速度の決定と活
用に依り、それにもかかわらず大幅に画像品質を改善す
ることとなる。 従って、ここで分かるように、本発明
の種々の幅広い考えは、その一部から全体のプロセスに
かけて、非常に単純で廉価なものから非常に精巧で高価
なものに属するカメラに用いられて、これらの異なる両
極端の間の“ギャップ”を効果的に橋渡しすると同時
に、全てのこれらのカメラから得る画像品質に卓越した
顕著な改善をもたらすことができる。
【0267】明らかに、製造効率がオーバータイムを導
き且つ益々精巧にされたセンサーを使用するコストが下
がるので、統計データの使用は、必要に応じて製品の設
計と製造中に、センサーに代えられて、実際に測定され
たリアルタイムなデータを与え、本発明のプロセスが特
に高い精度で作動し且つ更に向上された全体的な品質を
備えた画像を提供することを可能にする。
【0268】更に、十分な処理パワーと記憶容量がカメ
ラに搭載されることができる場合、カメラは、リアルタ
イムな入力データの測定だけでなく、そのユーザに関す
る過去の入力データの統計的な分析も実施することがで
きる。それを実施することに依って、カメラは、種々の
重要なパラメータに適した値を効果的に“学習”する。
特に、或る統計データは、例えばカメラの振動情報のよ
うに、普通のユーザ・コミュニティーに対して平均化さ
れたものより、むしろ与えられたユーザに相応して有効
に特定化され、なおかつ、その製造中にカメラに記憶さ
れる統計データと殆ど同じ状況でアクセスすることがで
きる。これは、カメラの性能を、与えられたユーザおよ
び/またはそのユーザに依って撮影されると予測される
場面の特性に対して対応させる。撮影条件または他の条
件が与えられた入力パラメータに対して実際のリアルタ
イムな測定を実施できないようにする状況に於いては、
記憶されていた統計データが、代わりにデフォルト値と
して用いられて、本発明のプロセスが実施されることが
できる割合を高めること、および/または、それに依っ
て得られる最終的な精度をこのパラメータに対して製造
会社で定められ予め記憶されていた値を用いて生じる精
度よりも高めることを可能にする。
【0269】G. 好適な実施例の分離性 前述のように、本発明のプロセスの好適な実施例の種々
の部分は、そこから分離されて、カメラに組み込まれ、
最終的な対応する改善を画像品質に与えることができ
る。これらの部分の例示が、ここに説明される。明らか
に、前述のように、深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) パラ
メータとその活用は、対象物距離が与えられた時に適切
なレンズ口径セッティングを提供するためのフラッシュ
撮影に於いて、殆どいかなる市販のカメラにも容易に搭
載されることができる。むしろガイド・ナンバー(GUIDE
_NUMBER) パラメータよりも、レンズ口径セッティング
を与えるためのこのパラメータを用いることは、不要な
被写界深度を除外し、なおかつ、撮影者による露出寛容
度を、拡散または跳ね返りフラッシュ照明を用いること
を可能とし、非拡散直接フル・フラッシュ(non-spread
direct full flash)から得られるものより更に安定する
撮影場面の照明を与え、それによって、ISO/ANSI露出規
格に準じるガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) を用いる
よりも画像品質を改善することができる。この事例にお
ける拡散または跳ね返りフラッシュの選択と活用は、フ
ィルム速度および/またはフラッシュ・ユニットのガイ
ド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) の値の増加に対応してレ
ンズ口径を絞ることに単純に依存する周知の技術の自動
化カメラに採用されている方法論とは、全く対照的であ
る。単純にレンズ口径を絞ることが、更なる被写界深度
を撮影場面の撮影される画像に対して撮影場面により要
求されるよりもの多く不必要に与える結果になると考え
られる限り、これは、事実上、フィルムおよび/または
フラッシュ・ユニットから与えられる使用可能なエキス
トラ・システム速度を浪費するだけであり、なおかつ、
全ての場合に、画像品質を僅かしか改善しないと思われ
る。
【0270】特に、深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) はフ
ラッシュ・ユニットに記されている単純な円形の数字指
標(実質的に円形の計算尺)に組み込まれているので、
対象物距離が与えられると、撮影者は迅速に適切なレン
ズ口径を決定できる。類似のガイド・ナンバー(GUIDE_
NUMBER) のための指標も深度ナンバー(DEPTH_NUMBER)
指標の近くに表示されていて、それと共に用いられるこ
とができる。両方のこれらの指標を、使用中のフラッシ
ュ・ユニットの適切な深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) お
よび当面のガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) に応じて
的確に調整すると、これらのスケールは、主要対象物の
距離が与えられると、適正なレンズ口径セッティングを
示し、なおかつ、拡散または跳ね返りフラッシュを用い
ることができるどうかについて、適正な拡散角度ととも
に、指示する。このように、深度ナンバー(DEPTH_NUMB
ER) とガイド・ナンバー(GUIDE_NUMBER) パラメータ
(後者のパラメータはフラッシュ・パワーとフィルム速
度の何れか或いは両方の増加を含めている)間の差から
与えられるエキストラ・システム速度の決定、および、
優先順位が設定されたその活用は、これらのスケールに
組み込まれ、且つ、必然的に撮影者に明らかになると思
われる。
【0271】本プロセスに関して別に例示する分離部分
は、主要部と背景部の光レベルの2ポイント測定で結合
される主要対象物距離に関する、例えば主要対象物の上
の単一の自動焦点設定スポット(auto-focusing spot)を
使用する測定に基づいて、フィル・フラッシュが用いら
れるかどうかについて自動的に決定することを含んでい
る。
【0272】更に、本発明のプロセスに関して別に例示
される分離部分は、撮影場面の遠方の被写界深度の要求
に基づくレンズ口径セッティングの決定、および、エキ
ストラ・システム速度がこの場面を撮影する時に存在す
る場合に、レンズ口径を絞ること或いはシャッタ速度を
増加することよりも、むしろ故意にフィルムを過剰露出
するためにこのエキストラ・システム速度の一部(また
は、必要に応じて、全て)を活用することである。故意
にフィルムをその品質対露出特性に従って過剰露出する
ことに依って、殆どのネガ・プリント・フィルムに対し
て、特に過剰露出に強く向けられるそのような特性を示
すこれらのフィルムに対して、画像品質の改善が生じる
と思われる。
【0273】そのうえ、現在手に入れられる特に廉価な
カメラに用いることができる本発明のプロセスの更に例
示すされる分離部分は、カメラの振動を最小限にするた
めに、調整された焦点距離ファクタ(ADJUSTED _FOCAL
_LENGTH_FACTOR) に依って掛け算される焦点距離の逆
数に基づいて、適切なシャッタ速度を選択することを含
んでいる。シャッタ速度をこの方式で選択することは、
レンズがズームされる時に、焦点距離したがって最小シ
ャッタ速度が変わるようなズーム・レンズを具備するカ
メラに特に役立つと思われる。この場合、実際のリアル
タイムな振動情報、すなわち、振動に起因するボケ(BLU
R _FROM_SHAKE)パラメータの値の測定は、本発明のプ
ロセスから省略され、なおかつ、製造中にセットされる
適切な予め設定された定数およびカメラが体験するユー
ザによるカメラ振動に関して適度に予測される量と交換
されることができる。カメラは1つまたは複数のそのよ
うな定数を記憶できる。複数の定数が記憶されている場
合は、ユーザは、カメラ上に配置されている適切なユー
ザ・アクセス・スイッチをセットすることに依って、任
意の事例において彼または彼女が希望するこれらの定数
の中の任意の1つを選択することができる。
【0274】本発明のプロセスに関して更に例示すされ
分離部分および、前述のように、低コストのカメラに使
用することを意図されている部分は、使用可能なエキス
トラ・システム速度を主要対象物光レベルだけに基づい
て決定し、なおかつ、シャッ・システム速度を主要対象
物光レベルだけに基づいて決定し、なおかつ、シャッ速
度を高められた主要対象物の光レベルのために増加する
より、むしろ、故意にフィルムを過剰露出しながらカメ
ラの振動を十分に除去できる値に与えられたシフィルム
を過剰露出しながらカメラの振動を十分に除去できる値
に与えられたシ速度を保持するためにエキストラ・シス
テム速度を使用する。
【0275】更に、ここで当業者にとって容易に理解さ
れるように、表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FA
CTOR) を用いると、事実上任意に複合されたカメラは、
非標準表示サイズに対して、現在現れているよりも高い
品質レベルを確実に備えている卓越した品質の画像を容
易に提供することができる。DSF が再生倍率比と視野距
離の両方から決定される限り、事実上任意の表示サイズ
が、クロップされるか或いはフル・フレームであるかど
うかにかかわらず、本発明の方法を用いると達成される
ことができる。
【0276】特に、そこで、画像品質を廉価なカメラで
改善するために用いられることができる本発明に関して
更に分離できる特徴、すなわち、特に、固定された焦点
のレンズを用いるが、撮影者に非標準表示サイズおよび
/または非標準(すなわち異なる)焦点距離撮影モード
(例えば疑似望遠または疑似全景)を画像捕獲中に選択
する能力を提供することが、必要な被写界深度を所望の
表示サイズと焦点距離撮影モードに相応して与えるよう
に口径をセットすることと、シャッタ速度を増加する、
すなわち、シャッタが開いている時間を短くして、該非
標準サイズおよび/または非標準焦点距離撮影モードの
選択から生じる大きくされた画像ボケを補償することを
含んでいる。特に、標準表示サイズと標準焦点距離撮影
モード(すなわち非疑似望遠と非疑似全景)に対して、
初期の口径セッティングが、カメラのレンズの焦点を再
設定せずに対象物距離の全体的な範囲(例えば4フィー
ト(約1.2m)から無限大まで)を捕獲するために十分な
被写界深度を与えることに依って撮影場面の要求に適合
するように、最初に決定される。その後で、初期のシャ
ッタ速度は、説明するようにカメラが安定して保持され
ることができる最長の時間に基づいて速度を決定するた
めに、焦点距離ファクタ(FOCAL_LENGTH_FACTOR) を活
用するなどして決定される。次に、撮影者が非標準表示
サイズまたは非標準焦点距離撮影モードを選択していた
場合、口径セッティングは、現れる恐れのある増大され
る画像ボケのために、標準と選択された非標準サイズの
両方の間で且つ標準と選択された非標準焦点距離撮影モ
ードの間のプリントの上で、同じハイパー焦点距離(hyp
erfocal distance) 、被写界深度および、したがって、
ボケ円を維持するような新しいセッティングに調整され
る。特に、標準表示サイズに適した最大レンズ口径セッ
ティングは、画像捕獲の前に、DSF の逆数に依って掛け
算されて、非標準表示サイズと非標準焦点距離撮影モー
ドに適した最大レンズ口径セッティングを得る。
【0277】この新しい口径セッティングが与えられる
と、シャッタ速度は、表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_
SIZE_FACTOR) の値により掛け算で増加されて、非標準
表示サイズと非標準焦点距離撮影モードに現れる大きく
されたボケを補償する。このように、両方の初期のシャ
ッタ速度は、基本的に、捕獲される当面の画像に対応す
る下の限界(すなわち、捕獲される当面の画像に対して
最も低速で活用できるシャッタ速度と最大のレンズ開口
部)を定める。この単純なテクニックを用いると、エキ
ストラ・システム速度の存在を決定し、且つ、それを増
分して活用できる精巧性を備えていないような廉価なカ
メラは、それにもかかわらず、暗黙のうちにシステム速
度を、更に制約的なレンズ口径とシャッタ速度セッティ
ングにより、使用して、標準から非標準表示サイズおよ
び/または非標準焦点距離撮影モードにかけて共通する
ネガの上に画像を拡大する際に、プリントの上に現れる
恐れがある増大される画像ボケを補償する。最終的な露
出セッティングが標準サイズのプリントに要求されるよ
りも更に制約的である限り、すなわち、前者のセッティ
ングが後者より通常の露出を生成するために更なる周囲
の照明を要求する場合、必要に応じて、付随するフラッ
シュ・ユニットは、非標準表示サイズまたは非標準焦点
距離撮影モードに対して、通常の露出を生成するために
増大される周囲の光レベルにおいて作動される。
【0278】基本的に、非標準プリントを単純な固定焦
点式の(fixed focus) カメラで生成する際に使用する露
出セッティングは、標準焦点距離撮影モードで影される
標準サイズ(例えば3 1/2" x 5" ( 約8.9cm ×12.7cm)
)のプリントの口径セッティングと非標準サイズのプ
リントに関連する表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE
_FACTOR) (および/または非標準焦点距離撮影モー
ド)の逆数と掛け算して、なおかつ、標準サイズのプリ
ントに用いられる最大(最も低速)の手動の(hand-hel
d) シャッタ速度と表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZ
E_FACTOR) を掛け算することに依って容易に決定され
て、非標準サイズのプリント(および/または非標準焦
点距離撮影モード)の使用に適した最大の手動のシャッ
タ速度を設定する。
【0279】この点に関して、次のテーブル2に図示さ
れている例について考えてみる。ここで、標準焦点距離
撮影モードで撮影される代表的な 3 1/2" x 5"( 約8.9c
m ×12.7cm) プリントが標準サイズと見なされている。
8フィート(約 2.4 m)に焦点が設定されている単純な
固定焦点式カメラにベースラインを与えるケース1の場
合およびテーブルに示されているように、f/7.3 のレン
ズ口径セッティングは、4フィート(約 1.2 m)から無
限大に延長する被写界深度を与える。このカメラはコン
パクトであり、かつ、延長された間隔にわたって安定性
を保持することが難しいと思われるので、焦点距離ファ
クタは 0.5 にされる。また、この例は、400 の ISO(A
SA) フィルム速度をもつフィルムと 30 mm の焦点距離
をもつレンズの使用を仮定している。ここで、次に示す
ケース2に示されるように、撮影者は疑似全景焦点距離
の活用を選択して、3 1/2" x 10"(約 8.9 cm x 25.4 c
m)の非標準表示サイズを設定すると仮定してみる。こ
れは、標準サイズのプリントに対して、3.9 よりも 7.6
の再生倍率比の活用を必要としている。被写界深度、
したがって、ボケ円のサイズを、最終的な標準と全景サ
イズのプリントの両方で感じられるように保持する適切
なレンズ口径セッティングを与えるために、レンズ口径
は、表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR)
(すなわち 0.625)の逆数を掛け算される7.265 、すな
わち、約 11.6 になる必要があると思われる。同様に、
最大の手動のシャッタ速度は 0.625 を掛け算された
0.01666秒、すなわち、約 0.0104 秒になる。両方のシ
ャッタ速度が短縮されて(高速になり)且つ小さいレン
ズ口径になる限り、通常露出の設定に必要な最小の光レ
ベルは対応して増加する(30.96 から 127.28 フートラ
ンベルトまで)。このように、これらの限定的なレンズ
口径とシャッタ速度セッティングから生成される減少さ
れた光量から補償し且つ 3 1/2" x 10" (約 8.9 cm x
25.4 cm )プリントに適した通常露出を与えるために、
内蔵のフラッシュ・ユニットは、補助的な照明を標準の
3 1/2" x 5"( 約8.9cm ×12.7cm) プリントの生成に必
要とされるより高い周囲の光レベルで設定する必要があ
る。我々は、表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FA
CTOR) のように、且つ、このテーブルで定められるよう
に(次のテーブル2と3におけるように)前述の関連す
る関係式をコンピュータで実施して、種々の最終的な値
を設定した。
【0280】 テーブル2 単純な固定焦点式カメラにおける非標準表示サイズの使用に起因する 拡大による画像ボケの表示サイズ・ファクタに基づく補正 ( 400 速度フィルム、 30 mmレンズ、8フィートで焦点設定されたカメラ) ケース1 ケース2 (ベースライン)
【0281】標準プリント 再生倍率比 3.900 3.900 幅の寸法(インチ) 3.500 3.500 長さの寸法(インチ) 5.000 5.000 プリント対角線(インチ) 6.103 6.103 視野距離(インチ) 12.548 12.548 標準ボケ円基準(インチ) 0.002 0.002 標準焦点距離ファクタ 0.500 0.500非標準プリント 再生倍率比 3.900 7.600 幅の寸法(インチ) 3.500 3.500 長さの寸法(インチ) 5.000 10.000 プリント対角線(インチ) 6.103 10.596 視野距離 12.548 15.265
【0282】 DISPLAY _SIZE_FACTOR 1.000 0.625 ADJUSTED_BLUR_CIRCLE_CRITERIA(インチ) 0.00200 0.00125 ADJUSTED_FOCAL _LENGTH_FACTOR 0.500 0.312 最大許容口径のF _NUMBER 7.265 11.639 最長の手動のシャッタ時間(秒) 0.0166 0.0104 通常露出の最小周囲光レベル(フートランベルト)30.960 27.278 有効ハイパー焦点距離(フィート) 8.000 8.000
【0283】本発明のプロセスに関して別に分離できる
部分は、複数の自動焦点設定ゾーン(autofocusing zon
e) を採用するカメラが、後に拡大する時に、非標準サ
イズおよび/または非標準焦点距離撮影モードの画像
を、数多くの事例に於いて、いま現れているより更に向
上された品質を備えて与えることができるように、それ
らのカメラで表示サイズ・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FA
CTOR) を使用することに関連している。前述のように、
被写界深度はボケ円と口径サイズの関数になる。そこ
で、DSF の逆数は、使用するレンズの口径セッティング
で掛け算されると、ボケ円と被写界深度を非標準と標準
表示サイズの間および標準と非標準焦点距離撮影モード
の間でプリントの上に保つような調整された口径セッテ
ィングを生じる。従って、或る露出制御(前述の図 3-1
7 を用いて説明されたものより精巧性に関して明らかに
遥かに劣る)と幾つかの自動焦点設定ゾーンを搭載して
いるが、明確に対象物の厚みを測定しない周知の技術の
カメラの場合、指定された数の自動焦点設定ゾーンに適
している最大レンズ口径は、自動焦点設定ゾーンの重な
り(overlap) を与えて、殆どいかなる距離の対象物の画
像をも捕獲する能力を与え、なおかつ、与えられた予め
設定されたボケ円限界(blur circle limit) を維持する
ために、所望の被写界深度を示すものとしてカメラの設
計と製造においてしばしば決定されている。
【0284】DSF を包み、かつ、活用することにより、
これらの特定のカメラは、非標準表示サイズと非標準焦
点距離撮影モードのユーザ選択に対して、大幅に向上さ
れた画像品質を与えることができる。特に、指定された
自動焦点設定ゾーンの数に適した最大レンズ口径の値
は、カメラの設計中に決定され且つ標準表示サイズと標
準焦点距離撮影モードに関連しているが、画像捕獲の前
に、DSF の逆数を掛け算される初期値になる。最終的な
シャッタ速度もDSF で掛け算される初期値(典型的には
最も長い手動のシャッタ時間)になる。レンズ口径とシ
ャッタ速度セッティングをこのように調整することに依
って、プリント上のボケ円は、非標準表示サイズと非標
準焦点距離撮影モードに対して、保存される。最大レン
ズ口径セッティングがこの形態で変更されなかった場
合、最終的に非標準サイズのプリントの画像は、特に比
較的厚い対象物または隣接する自動焦点設定ゾーンの交
差部の近くに位置する対象物に対して、増加される再生
倍率比を要求する非標準表示サイズおよび/または非標
準焦点距離撮影モードに関して、増大された画像ボケの
ためにボケて現れると思われる。基本的に、このような
カメラにDSF を使用すると、所望の非標準表示サイズと
非標準焦点距離撮影モードに適した露出セッティングの
プログラム・シフト(program shift) を効果的に提供す
る。これらの周知のカメラは、対象物の厚みを測定しな
いので実際に撮影場面の要求を満足するレンズ口径セッ
ティングを決定できないが(本発明で行われることと対
照的に)、それにもかかわらず、DSF の活用に基づい
て、撮影される画像を非標準表示サイズに拡大する、す
なわち、非標準焦点距離撮影モードに関連する再生倍率
比により拡大する時に現れることとなる増大された画像
ボケを補償することに依って、それでもかなりの改善を
画像品質に提供する。
【0285】この点に関して、自動焦点設定の要求は最
も制約的な(幅広く開く)レンズ口径セッティングに一
般的に基づいているので、標準サイズ(例えば 3 1/2"
x 5"( 約8.9cm ×12.7cm) )のプリントに対して限定す
るレンズ口径値で掛け算される時に、標準焦点距離撮影
モードのもとでとられたDSF の逆数は、非標準サイズの
プリントおよび/または、オリジナルのハイパー焦点距
離(hyperfocal distance) 、したがって、隣接する自動
焦点設定ゾーンの交差部を与えるオリジナルの被写界深
度(DOF )を維持する非標準焦点距離撮影モードにより
撮られたプリントに対して、新しいレンズ口径の値を生
じる。標準自動焦点設定プログラムが被写界深度の重な
り(厚い対象物を考慮するために)を隣接するゾーンの
交差部(殆どのカメラについて一般的である)で与える
ように設計されている場合、非標準表示サイズおよび/
または非標準焦点距離撮影モードのための新しい口径セ
ッティングは、この同じ重なりを維持することなる。
【0286】拡大による(magnification-induced) 画像
ボケを、前述した露出最適化プログラムではないが、複
数の自動焦点設定ゾーンを具備するカメラで補正するた
めにのDSF の活用に関する完全な理解を得るために、次
のテーブル3と4に示される例について考えてみる。テ
ーブル3に関して、ここで、再び、標準の焦点距離撮影
モードで撮られた、3 1/2" x 5" ( 約8.9cm ×12.7cm)
プリントを標準表示サイズとして考えてみる。このテー
ブルは、100 の ISO(ASA) フィルム速度をもつフィルム
と 50 mm 焦点距離をもつレンズの使用を仮定してい
る。このテーブルの最初の3つのケースは、標準焦点距
離撮影モードで撮られたが、益々大きくなる表示サイズ
に拡大される写真を考えているが、第4のケースは標準
サイズのプリントであるが疑似望遠モードに拡大される
画像を示している。
【0287】ベースラインを自動焦点式カメラに与える
ケース1の場合、カメラは、一般的に、約20フィート
(約 6.1 m)までの距離を測定できる便利な能動性赤外
線自動焦点設定システム(active infra-red autofocusi
ng system)を備えていて且つ5つの別々の自動焦点設定
ゾーンを提供する。図示されているように、約 f/4 の
レンズ口径が 40 フィート(約 12.2 m )のハイパー焦
点距離(hyperfocal distance) を得るために要求され
る。カメラが各々“焦点ポイント(focus point) ”で焦
点設定されている場合、被写界深度は“スイッチ・ポイ
ント(switch point)”と指示された近くの値にまで延長
する。例えば、このカメラが8フィート(約2.4 m)に
焦点設定されると、被写界深度は6.66から10フィートに
延長する。このカメラはオーバーラップを近くの自動焦
点設定ゾーンの間で与えないので、クロスオーバーDOF
比率は 1.0 になる。範囲設定距離限界のために、最も
遠い有用なスイッチ・ポイントは20フィート(約 6.1
m)になるので、最も遠い焦点ポイントは40フィートに
なる。このカメラが比較的大きくて且つ容易に安定して
保持できる(少なくとも前述のテーブル2の例で説明さ
れたカメラより優れている)限り、標準焦点距離ファク
タは 1.0 にセットされる。ここで、同じカメラを用い
て 5" x 7"(約 12.7 cm x 17.8 cm)のプリントに後で
拡大される画像を捕獲するケース2について考えてみ
る。この拡大された表示サイズは、 5.6 の再生倍率比
を必要とする。標準と非標準表示サイズ間にハイパー焦
点距離(hyperfocal distance) および被写界深度を維持
する適切な口径セッティングを決定して、適切な自動焦
点設定ゾーンの交差部を保証するために、標準サイズの
表示に関連する口径セッティング(約 f/4.0)は、約 f
/5.1 の新しいレンズ口径の値を設定するために DSF
の逆数(この場合 1/0.79 = 1.27)を掛け算される。そ
のうえ、最大の手動のシャッタ速度は、標準サイズの表
示に関連する最大の手動のシャッタ速度(すなわち 0.0
2 )と DSF を掛け算することに依って 0.0159 秒に短
縮される。更に、最終的なレンズ口径とシャッタ速度は
標準サイズの表示サイズに関連するものより更に制約的
なので、ISO 通常露出に相応する最小周囲光レベルは、
約 31.9 から 64.5 フートランベルトに対応して増加す
るので、補助的なフラッシュ・ユニットが、同じ画像に
必要とされるが標準サイズの表示に対して捕獲されるよ
り高い周囲の光レベルにおいて点火される必要があるこ
とを示している。
【0288】テーブル3に示されている例を続けるため
に、ここで、同じカメラを用いて同じ画像を捕獲する
が、この画像が非標準の 8" x 10"(約20.3cm×25.4cm)
プリント(3 1/2" x 5"(約8.9cm ×12.7cm) 標準サイズ
と 5" x 7"( 約12.7cm×17.8cm) プリントの両方より大
きい)に後で拡大される、ケース3について考えてみ
る。このケースは 8.9の再生倍率比を必要とする。画像
の捕獲に適した口径セッティングは、適用可能なDSF の
逆数(ここでは 1/0.566 = 1.77 )を掛け算されるオリ
ジナルの口径セッティング、すなわち約 f/7.1になる。
この新しいセッティングは、所望のハイパー焦点距離(h
yperfocal distance) 、画像ボケ、標準と 8" x 10"(約
20.3cm×25.4cm) の非標準表示サイズの間の自動焦点設
定ゾーンの交差部を維持する。推定されるように、画像
を捕獲する時の使用に適したシャッタ差部を維持する。
推定されるように、画像を捕獲する時の使用に適したシ
ャッタ時間は、再び短くなり、なおかつ、特に DSF (0.
566)すなわち 0.0113 秒と掛け算されるオリジナルのシ
ャッタ速度(0.02)になる。再び、ケース1と2に関連す
るものに対して益々制約的になるレンズ口径とシャッタ
速度セッティングのために、ISO 通常露出に相応する最
小周囲光レベルは実質的に低下する(ここでは、約 31.
9 から 176.0フートランベルトまで)。
【0289】前述のことに注意して、ケース4に示され
ているように、2X 疑似望遠モード(撮影者に依って焦
点距離撮影モード・スイッチから前述のように選択され
る時)の活用について標準の 3 1/2" x 5"( 約8.9cm ×
12.7cm) プリントで考えてみる。7.8 の再生倍率比がこ
のモードをこの表示サイズで設定するために必要とされ
る。プリント・サイズも視野距離も変わらないので、再
生倍率比は所望の疑似望遠を効果的に設定するために増
加(実質的に倍増)されなければならない。基本的に、
50 mm レンズを用いるが、疑似望遠を具体的に実現する
ために更に 2Xプリント倍率で捕獲される画像は、100 m
m レンズと標準再生倍率比の使用から生じると思われ
る同じ最終的な画像サイズを生成する。ここでまた、最
終的な疑似望遠プリントに適した新しい口径セッティン
グは、適用可能な DSFの逆数(ここでは 1/0.5 = 2)を
掛け算された標準サイズのプリントのオリジナルの口径
セッティング(約 f/4)、すなわち、約f/8 になる。こ
の新しいレンズ口径セッティングは、適切な自動焦点設
定ゾーンの交差部をそれらのオリジナルの値に維持して
保証するために、所望のハイパー焦点距離hyperfocal d
istance (40フィート)と被写界深度を維持する。最大
の手動のシャッタ速度は、DSF の活用と一致して、 0.0
2 から 0.01 秒に短縮される。推定されるように、これ
らのむしろ制約的なレンズ口径とシャッタ速度セッティ
ングのために、ISO 通常露出に相応する最大周囲光レベ
ルは、31.9 から 254.8 フートランベルトにまで実質
的に増加する。
【0290】 テーブル3 複数の自動焦点設定ゾーンを具備するカメラの非標準表示サイズの 使用に起因する拡大による画像ボケの表示サイズ・ファクタに基づく補正 (100 速度フィルム、50 mm レンズ、5つの自動焦点設定ゾーン) ケース1 ケース2 ケース3 ケース4 (ベースライン)
【0291】標準プリント 再生倍率比 3.900 3.900 3.900 3.900 幅(インチ) 3.500 3.500 3.500 3.500 長さ(インチ) 5.000 5.000 5.000 5.000 プリント対角線(インチ) 6.103 6.103 6.103 6.103 視野距離(インチ) 12.548 12.548 12.548 12.548 標準ボケ円基準(インチ) 0.002 0.002 0.002 0.002 標準焦点距離ファクタ 1.000 1.000 1.000 1.000
【0292】非標準プリント 再生倍率比 3.900 5.600 8.900 7.800 幅(インチ) 3.500 5.000 8.000 3.500 長さ(インチ) 5.000 7.000 10.000 5.000 プリント対角線(インチ) 6.103 8.602 12.806 6.103 視野距離(インチ) 12.548 14.238 16.198 12.548 DISPLAY _SIZE_FACTOR 1.000 0.790 0.566 0.500 ADJUSTED_BLUR_CIRCLE_CRITERIA 0.00200 0.00158 0.00133 0.00100 (インチ) ADJUSTED_FOCAL _LENGTH_FACTOR 1.000 0.790 0.566 0.5000 最大許容口径のF _NUMBER 4.036 5.109 7.136 8.073 最長の手動のシャッタ時間(秒) 0.0200 0.0159 0.0113 0.0100 通常露出の最小周囲光レベル 31.852 64.546 175.984 254.818 (フートランベルト) 有効ハイパー焦点距離(フィート) 40.000 40.000 40.000 40.000 クロスオーバー DOF 比率 1.000 1.000 1.000 1.000 スイッチ・ポイント(フィート) 焦点ポイント(フィート) 20.000 40.000 10.000 13.333 6.666 8.000 5.000 5.714 4.000 4.444
【0293】テーブル3に図示されている例に注意し
て、標準表示サイズと標準焦点距離撮影モードに適した
口径セッティングが 50 % の重なりを隣接する自動焦点
設定ゾーン間に与えるために、 f/4 から f/8.1 に変
更される、すなわち、クロスオーバー DOF 比が 2.0
にセットされるケース1について考えてみる。この特定
の例は、このテーブルのベースラインとして機能する。
特に、50 % オーバーラップの場合、1つのゾーンの近
くの被写界深度は次に続くゾーンの遠方の被写界深度と
オーバーラップする。例えば、カメラの焦点が8フィー
トに設定されていた場合、被写界深度は、5.7 から 13.
3 フィート(約 1.7 m から 4.1 m)に延長すると思わ
れる。DSF はテーブル3のケース1に図示されているも
のから変更されないが、ハイパー焦点距離(hyperfocal
distance) は、50 % オーバーラップを与えるために要
求されるエキストラ被写界深度を与えるために20 フィ
ートに減少される。
【0294】テーブル4に定められているベースライン
撮影条件について、撮影者が、カメラに、図2で説明さ
れた表示サイズ・スイッチ206 を用いて、非標準の 5"
x 7"( 約12.7cm×17.8cm) サイズに後に拡大するために
画像を捕獲することを指示していたと仮定してみる。単
純にするために、この画像は、標準焦点距離撮影モード
を用いて捕獲される。テーブル4に図示されているよう
に、この状態は 5.6の再生倍率比を要求する。この特定
の非標準表示サイズに適したレンズ口径セッティング
は、標準表示サイズ(約 f/8.1)に関連するレンズ口径
セッティングとDSF の逆数(ここでは1/0.79 = 1.27
)を掛け算して、すなわち約 f/10.2 に決定される。
この新しいレンズ口径セッティングは、所望のハイパー
焦点距離(hyperfocal distance) (ここでは 20 フィー
ト)と同じ自動焦点設定ゾーンの 50 % オーバーラップ
を保持して、同じに感じられるボケ円を標準と非標準の
両方のサイズのプリントに保つ。再び、シャッタ速度は
DSFを用いると 0.020 から約 0.016 秒に短縮され
る。また、益々制約的になるレンズ口径とシャッタ速度
セッティングは、推定されるように、ISO 通常露出に必
要な最小周囲光レベルを127.4 から 258.2 フートラ
ンベルトに高める。
【0295】 テーブル4 複数の自動焦点設定ゾーンを具備するカメラの非標準表示サイズの 使用に起因する拡大による画像ボケの表示サイズ・ファクタに基づく補正 (100 速度フィルム、50 mm レンズ、5つの自動焦点設定ゾーン) ケース1 ケース2 (ベースライン)
【0296】標準プリント 再生倍率比 3.900 3.900 幅の寸法(インチ) 3.500 3.500 長さの寸法(インチ) 5.000 5.000 プリント対角線(インチ) 6.103 6.103 視野距離(インチ) 12.548 12.548 標準ボケ円基準(インチ) 0.002 0.002 標準焦点距離ファクタ 0.500 0.500
【0297】非標準プリント 再生倍率比 3.900 5.600 幅の寸法(インチ) 3.500 5.000 長さの寸法(インチ) 5.000 7.000 プリント対角線(インチ) 6.103 8.602 視野距離 12.548 14.238 DISPLAY _SIZE_FACTOR 1.000 0.790 ADJUSTED_BLUR_CIRCLE_CRITERIA(インチ) 0.00200 0.00158 ADJUSTED_FOCAL _LENGTH_FACTOR 1.000 0.790 最大許容口径のF _NUMBER 8.073 10.215 最長の手動のシャッタ時間(秒) 0.0200 0.0159 通常露出の最小周囲光レベル 127.409 258.182 (フートランベルト) 有効ハイパー焦点距離(フィート) 20.000 20.000 クロスオーバー DOF 比率 2.000 2.000
【0298】スイッチ・ポイント(フィート) 焦点ポイント(フィート) 20.000 40.000 10.000 13.333 6.666 8.000 5.000 5.714 4.000 4.444 もちろん、適切な露出セッティングを画像を捕獲する直
前に計算するより、むしろ各々異なる許容表示サイズ、
用いられることができる実際のレンズの各々異なる焦点
距離、そのレンズと共に用いられることができると思わ
れる各々異なる焦点距離撮影モードに関する適切なレン
ズ口径と対応するシャッタ速度セッティング(および、
必要に応じて、フラッシュ・パラメータ)のペア(“プ
ログラム”)が、カメラに予め記憶されることができ
る。そこで、選択された表示サイズ、使用する実際のレ
ンズの焦点距離、選択された焦点距離撮影モードに基づ
いて、適切なプログラムが選択される。標準サイズのプ
リントに適したレンズ口径が与えられると、プログラム
は、当面の場面を撮影する際に使用する、対応するペア
のレンズ口径とシャッタ速度セッティングを示す。DSF
を用いて且つ一定の自動焦点設定ゾーン、ハイパー焦点
距離(hyperfocal distance) および感じられる画像ボケ
のレベルを保持する必要性から、選択された表示サイズ
または焦点距離撮影モードに於ける、標準焦点距離撮影
モードと標準サイズのプリントから逸脱する任意の変更
は、対応する最終的なレンズ口径とシャッタ速度の値の
いわゆる“プログラム・シフト”を導く。
【0299】更に、ここで分かるように、例えばコスト
と所望の特性の検討に基づいて、単に1つの単純な側
面、すなわち、深度ナンバー(DEPTH_NUMBER) を用いて
適切なレンズ口径を選択して或いはシャッタ速度を選択
してカメラの振動を最小限にすることから、更に複雑な
部分、すなわち、故意に過剰露出するためにエキストラ
・システムを使用すること或いはフィル・フラッシュを
使用するかどうかについて決定することと結び付けられ
て撮影場面の被写界深度の要求に基づいて適切なレンズ
口径を決定することまでを含む本発明のプロセスの部分
は、、全体的なプロセスにわたって、数多くの異なるカ
メラに用いられることができる。本発明のプロセスの大
部分を適切なカメラに選別して包合することに依って、
製造会社は、用いられる本発明のプロセスの度合いに基
づいて或る程度変わるが、周知の技術におけると同等の
コストおよび/または複雑性を備えたカメラから一般的
に得るより大幅に改善される全体的な画像品質を、それ
にもかかわらず全て提供する、広範囲にわたる種々のレ
ベルの自動化された精巧性を提供する多種多様のカメラ
を容易に提供することができる。
【0300】H. 本発明に対する種々の拡張と修正 明らかに、ここで、当業者は、本発明のプロセスが明細
書の出願に基づいて数多くの方式で拡張および/または
修正されることができることを認識すると思われる。特
に、前述のように、本発明のプロセスは、知識ベース・
ルール(knowledge based rules) を使用して、撮影場面
に適した露出セッティングとフラッシュ・パラメータを
決定する。これらのルールの一部は、故意の過剰または
過小露出の後に残っているエキストラ・システム速度の
量のように、テーブル・ルックアップ・オペレーション
から実現されるが、他のルールは、エキストラ・システ
ム速度の初期の量の決定に関するように、種々の関係式
のリアルタイムな計算に依って実現される。本発明の露
出制御プロセスの任意の特別のアプリケーションの場
合、これらのルールは、コスト、処理能力、関連するカ
メラ・マイクロコンピュータの精巧性に基づいて、何れ
かの方式で実現されることができる。その点に関して、
本発明のプロセスの実現は、本発明のプロセスの各ステ
ップの結果が、種々の入力条件に対して予め設定されて
いて、なおかつ、必要に応じて、撮影される各々次の画
像の全体のプロセスにより別々にステップするよりも、
むしろ補間で結び付けられる場合、ルックアップ・オペ
レーションを ROMによるテーブルを使用することに依存
すると思われる。各テーブルのサイズは、更なるメモリ
とそれに伴うサイズと回路の要求を犠牲にして定められ
る。代わりに、テーブルのサイズを小さくするために、
プロセスの或る比較的単純な部分は、前述のように、ソ
フトウェアに基づく計算を実行して実現されるが、比較
的複雑な時間消費型関係式の計算に依存すると思われる
他の部分は、代わりにテーブル・ルックアップ・オペレ
ーションを用いて実現されると思われる。このように、
両方のアプローチから達成できる利益は容易に実際に実
現されると思われる。
【0301】更に、本発明のプロセスは個々のステップ
と個々のプロセスから成る特別の構成を用いて詳細に説
明されてきたが、数多くのこれらのステップおよび/ま
たはプロセスは、必要または希望におうじて与えられる
実施方式で組み合わされることができる。更に、我々
は、それほど成果を示さない改善に依る画像品質または
パワーの低下に最も劇的な改善になると我々が確信する
ものを始めから与えるために、各々別の照明条件、すな
わち、周囲、フィル、またはフル・フラッシュに於い
て、エキストラ・システム速度が活用されるような或る
特別に優先順位が設定されている方式を説明してきた
が、増分状態で活用する使用可能なエキストラ・システ
ム速度に関して他の異なる優先順位が設定される手法
が、希望される場合には、代わりに用いられることがで
きる。例えば、前述のフル・フラッシュ条件の場合、我
々は、使用可能なエキストラ・システム速度を最初に活
用して、フラッシュ・ユニットから生成される出力を的
確に押さえて(エネルギー節約フラッシュ・ユニットが
用いられると仮定して)フラッシュの瞬時の再充電を可
能にし、且つ、拡散または跳ね返りフラッシュ照明を与
えている。代わりに、カメラの製造会社は、エキストラ
・システム速度を活用して拡散または跳ね返りフラッシ
ュ照明を使用可能なフラッシュ・パワーを節約するため
に最初に与えることを選択できる。代わりに、前述の周
囲の照明状況の場合、我々は、エキストラ・システム速
度を最初に活用して、シャッタ速度を増加(シャッタが
開いている時間を短縮)して、カメラの振動を和らげ、
次にフィルム露出の故意の変更を検討し、最後にレンズ
口径をより小さいサイズに再び調整して、更なる被写界
深度を当面撮影されている場面で要求されるよりも多く
最終的な撮影場面に与えることを決定した。当然、レン
ズ口径の変更は、鋭くされた背景部に依る画像品質に対
する最終的な成果は画像ボケを減少する場合ほど大きな
成果を普通は示さないが、シャッタ速度を増加する前に
最初に行われる。どんな場合でも、当業者にとって容易
に明らかになる数多くの他の変更は、増分状態で使用可
能なエキストラ・システム速度を活用するために、特に
前述の優先順位が設定されている方式に対して行われる
ことができる。
【0302】更に、幾つかの異なる方式が、任意の或る
撮影状況で使用するためのカメラ・マイクロコンピュー
タに依って行われる特別の方式を選択することにより利
用可能であり、これは本発明の露出制御プロセスを適用
可能なルールに基づいて実現する。例えば、カメラは、
撮影場面の照明条件に基づいて、撮影者に三脚をカメラ
に取り付けることを指示できる。カメラのマイクロコン
ピュータが、カメラが三脚に取り付けられたので延長さ
れた露出時間に対して安定した状態を保持しそうだと感
知すると、マイクロコンピュータは、使用可能なエキス
トラ・システム速度を画像品質を改善する状態で活用す
るために、短縮されたシャッタ速度に対して大きくされ
たレンズ口径を与えるように優先順位が設定されている
方式に切り替わることができる。代わりに、撮影者が、
三脚が使用できなかったことを示すスイッチをカメラの
上にセットしていた場合、または、一定の中断間隔が発
生した後に、三脚がカメラに取り付けられていなかった
ことをカメラが自ら検出していた場合、前述のように、
カメラの振動と画像ボケを小さいレンズ口径に対して最
小限にするために短縮されたシャッタ速度を促す方式
が、代わりに選択されて活用される。一般的に、適切な
入力センサーおよび/または他の周知のテクニックを使
用する、カメラのマイクロコンピュータは、各々撮影す
る際に使用する撮影システムに当面使用できる特別の撮
影用資源の全てを容易に決定できる。例えば、入力セン
サーは、三脚がカメラのベースに取り付けられているか
どうかについて決定するマイクロスイッチを説明するよ
うにして具備することができる。そのうえ、マイクロコ
ンピュータは、適切な問い合わせをそのコミュニケーシ
ョン・リンクに送って、そこに接続されている全てのユ
ニットを確認し、その後に対応する応答メッセージを各
々このようなユニットからその関連する撮影パラメータ
と共に受信(すなわち、いわゆる“資源チェック(resou
rce check)”を実行)することができる。これらの使用
可能な資源が確認されると、マイクロコンピュータは、
当面使用できる特別の資源が与えられた時に、最終的な
画像品質を最も改善すると思われる特別に優先順位が設
定されている方式を選択して活用することができる。撮
影者はしばしばフィルムの全てのロールを同じ撮影条件
のもとで撮影しないので、システム資源を確認して数多
くの異なる方式の1つを選択する、このプロセスは、使
用可能なシステム資源の任意の変更を考慮し、最適の優
先順位が設定されている方式を選択し、それに従って露
出セッティングとフラッシュ・パラメータを選び、必要
に応じて、最終画像の品質を最大限に、できるだけ、改
善するために、各々次の撮影のためにシャッタを作動す
る前に、必要になるたびに繰り返されることができる。
【0303】そのうえ、熱心なアマチュアおよび/また
はプロの撮影者のために設計されているカメラは、それ
にもかかわらず、本発明のプロセスの構成から利益を得
ることができる。しかし、これらのカメラの場合、必要
に応じて、本発明のプロセスに用いられる、種々の定
数、比例ファクタ、またはテーブル、あるいはその全て
は、撮影者が、本発明のプロセスを用いて得る品質改善
から成果を得ながら、彼または彼女が希望するプロセス
とカメラの応答を汎用化することを可能にする本プロセ
スに、或る程度の多様性を与えるために、ユーザ制御機
能と交換されることができる。
【0304】更に、本発明のプロセスは、対象物の厚
み、すなわち、主要対象物(すなわち前部)の距離と背
景対象物の距離を定めるために、撮影場面に於いて2つ
だけのポイントに依存すると説明されてきた。代わり
に、本発明のプロセスは、3つ、または、必要に応じ
て、複数のポイントを活用して、撮影場面の深度を定め
ることができる。この例の場合、画素化された(pixella
ted)撮影場面のセンサーと関連する画像処理回路は、撮
影場面で数多くのポイントの距離と光レベルを測定する
ために用いられることができる。これらのポイントは、
撮影場面の種々の要素(例えば前景の対象物)の自動識
別に基づいて、予め設定されるか或いは好都合に選択さ
れることができる。各測定ポイントに関連する距離と光
レベル(ここでは、異なる画素になる)は、対応して重
みが付けられた測定を行うために、撮影場面の与えられ
た要素に関して予め設定された部分(例えば前景部また
は背景部)として、そのポイントに適した識別に基づい
て、適切に重みが付けられることができる。これらの測
定は、本発明のプロセスに依って後に使用するために撮
影場面の光レベルと対象物距離を与えるために、順に、
採用されると思われる。
【0305】特に、撮影場面の前景部と背景部が総合的
に識別されると、普通は範囲検出測定から、距離と光レ
ベルの測定は、画素化されたエリア・センサーを用いて
行われる。高品質の撮影画像を与えるために撮影場面の
前景部を正確に捕獲することの特に重要性が理解される
と、更なる測定ポイントが、撮影場面の背景部を確認す
るために用いられるよりも前景部の確認に用いられると
思われる。例えば、2つの測定ポイントが主要対象物
に、1つが背景部に用いられることができる。この場
合、主要対象物距離は、2つの距離、すなわち、前景部
の主な対象物までの距離と前景部の後方の対象物までの
距離、に分けられる。これらの2つの前景部の距離は、
撮影場面の実際の背景部までの距離と組み合わされる時
に、撮影場面の深度の3つのポイント測定を設定する。
要求される被写界深度は、これらの3つのポイントに関
連する最長の距離に基づいて選択される。これらの3つ
のポイントの各々に適した光レベルも測定され重みが付
けられて、対象物の光レベルに適した値が設定される。
好都合に、このような3つのポイントの測定は主な対象
物の前部の距離を処理することができる。この点に関し
て、被写界深度は遠方(遠方の被写界深度)よりカメラ
(近傍の被写界深度)に近い対象物の距離に於いて更に
制約的になるので、本発明のプロセスは、当面撮影され
ている場面の要求に適合するために、遠方の被写界深度
の代わりに、近傍の被写界深度(必要に応じてクローズ
アップ写真のためか、または、その他のいずれか)のた
めに、前述のように、関係式を活用するために自動的に
選択されることができる。このように、レンズ口径セッ
ティングは、そうしないと発生する可能性があるものよ
り、当面の撮影場面の要求に更に正確にマッチする被写
界深度を与えるようにして選択される。
【0306】一般的に、距離と光レベルを測定するため
に、撮影場面に於ける測定ポイントの数を多くすると、
場面を撮影する際に現在存在すると思われるエキストラ
・システム速度だけでなく、撮影場面を完全に捕獲する
ために必要な被写界深度を含めて、撮影場面の要求に関
して益々正確な確認を実施できることになると思われ
る。全てのこれらの確認が更に正確になると、益々高い
レベルの全体的な画像品質が、本発明のプロセスの活用
から生じる結果になると思われる。しかし、測定ポイン
トの数が増えるにつれて、これらのポイントのデータを
感知して処理するために必要になる、関連する画像セン
サーと処理する電子部品のコストと複雑性も増える。現
在使用できる電気光学的および電子テクノロジーを用い
ると、我々は、2つの測定ポイントが、コスト、実現す
る際の複雑さ、画像品質の継続的な改善に関して、非常
に満足できる妥協を与えることに気づいた。
【0307】更に、撮影される画像に適した、露出セッ
ティング、測定される撮影場面のパラメータおよび/ま
たはフラッシュ・パラメータは、その画像のフレームの
近傍においてネガの上に記憶されることができる。デジ
タルまたは光学的な拡大とプリント中に、自動プリンタ
は、これらのセッティングおよび/またはパラメータの
値を読み取って、プリント・エラーを減少するようにプ
リント露出を適切に調整する。特に、ネガの画像が故意
の過剰露出を含んでいる場合、例えばシステム速度のス
トップで表される過剰露出の量は、ネガ上に符号化され
ることができる。そこで、プリンタは、ネガに存在する
過剰露出の量を読み取った後に、それに伴ってそのプリ
ント用アルゴリズムを変更して、最適の画像品質をプリ
ントに与える。更に、他のプリントに基づく露出の値
は、必要に応じて、ネガの上に各々撮影された画像のた
めに記録される符号化されたデータに基づいて選択され
るので、できるだけ、プリントされる画像が、拡大され
た基準で、ネガから印画紙に伝達されて、どんな場合で
も、画像品質の最終的な劣化を僅かにするか、好ましく
は、全くないことを保証する。実際に、これらの符号化
されたパラメータは、プリンタが、或る状態(例えば少
し過小の露出のように)で、種々のフィルムまたはカメ
ラの基準的な限界、人為的な要因を、または与えられた
露出に付随する或る撮影エラーでさえも補償するため
に、ネガの品質より画像の品質を向上させることもでき
ると考えられる。これらの画像の向上は、ノイズの抑
制、鮮鋭度の向上、または色調スケールの修正も、例示
として、含むことができる。
【0308】そのうえ、我々は、撮影者が唯一の一定の
数の異なる有効な焦点距離だけ選択することを可能にす
る焦点距離撮影モード・スイッチを具備するとして、本
発明について説明してきたが、このスイッチは、連続し
て調整可能な、例えば、リニアな、制御により置換され
ることができる。この制御を用いると、撮影者は、写真
の仕上げ中に、フォトプリンタが後にネガに記憶されて
いる当面の画像を対応する再生倍率比に応じて拡大し
て、全体的に選択された表示サイズを占めるように絶対
的または相対的な基準によるようにして、所望の量を指
定することができる。これは、もちろん、写真の仕上げ
装置がこのタイプの調節式拡大機能をサポートできるこ
とを想定している。使用している時に、画像捕獲中に、
カメラ・マイクロプロセッサーは、このコントロールの
セッティングを読み取って、フィルム・エンコーダー28
8 (図2を参照)から、フィルムの上およびこの画像の
フレームの近くに於いて、それを拡大する際に関連する
大きさを記録する。所望の拡大量に基づいて、フォトプ
リンタは、適切な再生倍率比を決定して、所望の表示サ
イズに適したフル・サイズの画像を生成する。基本的
に、この手法は、撮影者に、最終画像の有効な焦点距離
を、一定の範囲で連続して調節する機能を与える。最適
化された露出パラメータを設定するという趣旨からし
て、カメラ・マイクロプロセッサーは、普通は(前述
の)テーブル・ルックアップ・オペレーションを活用し
且つアクセスされた値を補足して、対応する表示サイズ
・ファクタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR) の値を選択された
表示サイズと所望の有効焦点距離に基づいて決定し、次
に、その値を後にこれらのパラメータを最適化する際
に、前述の方式で、捕獲される当面の画像に相応して使
用する。
【0309】更に、我々は、一定の数の異なる表示サイ
ズを選択できるスイッチを活用するように本発明につい
て説明してきたが、このスイッチは、撮影者が続けてプ
リントされる画像の表示サイズを正確に指定し、なおか
つ、カメラが一定のボケ円をプリントの上に観察者に依
って感知されるように維持するために必要な補正量を露
出セッティングに与えることを可能にするために、連続
して調節できる、例えばリニアな、制御により置換され
ることもできる。これは、もちろん、フォトプリンタが
連続する範囲における任意の再生倍率比をユーザが選択
することをサポートすると仮定している。
【0310】更に、本発明のプロセスと装置は光学的カ
メラ特に 35 mm カメラと共に使用する場合について説
明されてきたが、本発明は、レンズ口径とシャッタ速度
セッティング(または同等の要素)と組み合わされて撮
影場面の照明を用いて、撮影場面の画像のレプリカを形
成する、例えば、写真用または電気光学装置用のいずれ
であろうと、任意の殆ど任意の画像捕獲デバイスと殆ど
任意の画像センサーに用いられることができる。これら
の装置は、実質的に任意のタイプまたはフィルム・フォ
ーマットまたはフィルム・タイプの撮影用カメラ、また
は他の電子式カメラを、スチルフレーム、動画(motio
n)、またはその両者が電荷結合装置(CCD)またはビディ
コン型画像形成装置(imager)の何れかを例示として具備
しているどうかにかかわらず、例示として具備すること
ができる。画像捕獲デバイスに用いられる特別の画像セ
ンサーにかかわらず、すなわち、そのセンサーが説明す
るような撮影用フィルムまたは電子光学的画像形成装置
であるかどうかにかかわらず、そのセンサーは、ユニー
クな露出と品質の関係を備えている。この関係は、例え
ば、周波数応答、ノイズ、彩度再生、カラー再生および
/またはダイナミック・レンジに依存すると思われる。
適切なパラメータおよび与えられた画像捕獲デバイスに
適したそれらの内部相互関係の経験に基づいて、種々の
関係式を含めた、ルールは、前述のように、好適な露出
と照明条件をその特別のデバイスに適した任意の画像形
成状況(imaging situation) で選択することに依って最
終的な画像品質を最適化するために、当業者に容易に理
解される方式で、容易に変更されることができる。特
に、撮影する画像に最適の品質を指示するパラメータと
それに関連する値は、電気光学的画像形成装置を使用す
る電子式カメラに適したパラメータとそれらに対応する
値と全く異なるものになると思われる。それにもかかわ
らず、特別の画像捕獲デバイスに適したパラメータは、
前述の一般的な方式で最適化されて、まず当面の画像形
成状況で使用可能なエキストラ・システム速度の存在と
量を決定し、次にそのエキストラ・システム速度を予め
設定された、例えば、その画像捕獲デバイスとその画像
センサーに特有のものであり且つそのデバイスに適用で
きる適切な標準露出に対して改善された画像品質を与え
る優先順位が設定されている増分方式で活用することが
できる。そのうえ、前述の関係式に対して当業者に容易
に理解される適切な修正を行えば、本発明のプロセス
は、多種多様な波長の光、例えば、可視スペクトルだけ
でなく、赤外線または紫外線のもとで行われる露出を的
確にセットする関係に容易に適応されることができる。
【0311】更に、本発明は手動のプリントに対してユ
ーザが選択できる非標準表示サイズと非標準焦点距離撮
影モードについてこれまで説明されてきたが、本発明の
考えは、異なる標準フォーマット、例えば、透明度また
はビデオ画像(CD-ROM に記憶され且つテレビジョン・
セットに表示される写真のように)に同様に応用でき
る。カメラ露出(および、必要に応じて、フラッシュ)
パラメータ・セッティングをプリント以外の異なる表示
フォーマットの画像捕獲時に最適化するために、前述の
関係式(19)以外の異なる視野距離の関係式が、視野距離
とその特別のフォーマットに適した表示サイズを経験的
に関係づけるために用いられる。この新しい関係式は標
準と非標準の両方のサイズの表示に適した視野距離を定
めるために関係式(19)に代入される。表示サイズ・ファ
クタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR) の値は、これらの距離と
対応する表示サイズに適した再生倍率比に基づいて決定
される。この点に関して、リバーサル・フィルムがカメ
ラに装着されていた場合、カメラ・マイクロプロセッサ
ーは、DXコンタクトから、このようなフィルムの活用を
検出し、なおかつ、透明画に特有の、適切に感知される
基準の視野距離の関係式と対応する再生倍率値に基づ
く、異なるテーブルの予め記憶されていた表示サイズ・
ファクタ(DISPLAY_SIZE_FACTOR) の値に的確にアクセ
スすることができる。そのうえ、これらの表示フォーマ
ットのボケ円基準は、それまで撮影した画像に関連する
ものとその拡大したものから変わることができるので、
ボケ円基準とその活用は、そのような変更はいずれも当
業者に容易に理解されると思われるが、前述のように、
それに伴って的確に変更される必要がある。
【0312】本発明の1つの完全な実施例が、それに関
連して様々に分離できる部分および本実施例に対する種
々の拡張と修正と共に、ここで詳細にわたって図示され
且つ説明されてきたが、本発明の考えを組み入れる数多
くの他の変形例が、当業者に依って特に容易に構成され
ることができると思われる。
【0313】
【発明の効果】本発明は、撮影用カメラに於いて、そし
て、特にこれらのカメラにしばしば搭載される自動露出
制御装置内において、周知の技術のそのようなカメラに
より、かつ、特にユーザが選択する非標準表示サイズお
よび/または非標準焦点距離撮影モードに対して、得ら
れるものよりもより高められた全体的な品質を示す画面
を提供するために有用である。本発明を用いると、撮影
者は、最初に、所望の表示サイズおよび/または焦点距
離撮影モードを選択する。その後に、露出セッティング
(および、必要に応じて、フラッシュ・パラメータ)
は、十分な被写界深度と適切なフィルム露出を与え、画
像ボケを防止するようにして、撮影場面の要求に基づい
て、そのサイズと焦点距離撮影モード、フィルム品質特
性に応じて、自動的に最適化される。必要に応じて、こ
れらのセッティングは、ISO/ANSI 露出規格に準じて得
る対応する通常の露出値から逸脱して、所望の表示サイ
ズと焦点距離撮影モードに対して、これらの規格に準拠
して得られるものよりも優れた画像品質を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスを使用できると思われる典型
的な撮影用カラー・ネガ・プリントの1つの層につい
て、種々の特性、特に、濃度対対数露出、粒状度対対数
露出、相対彩度対対数露出、および、15 サイクル/mm
に於ける変調伝達対対数露出を示す特性図である。
【図2】本発明の露出制御プロセスを撮影用カメラにお
いて実現する回路の好適な実施例のハイ・レベルのハー
ドウェア・ブロック図である。
【図3】本発明の露出制御プロセス300 に関連する入力
および出力パラメータのカテゴリーを示す説明図であ
る。
【図4】図3に示されている本発明のプロセス300 のハ
イ・レベルのオペレーション・ダイアグラムである。
【図5】図4に示されている露出決定プロセス350 のハ
イ・レベルのオペレーション・ダイアグラムの一部分で
ある。
【図6】図4に示されている露出決定プロセス350 のハ
イ・レベルのオペレーション・ダイアグラムの一部分で
ある。
【図7】図4に示されている露出決定プロセス350 のハ
イ・レベルのオペレーション・ダイアグラムの一部分で
ある。
【図8】図5−7に示されているフィル・フラッシュ用
決定プロセス420 のハイ・レベルのオペレーション・ダ
イアグラムである。
【図9】図8に示されているフィル・フラッシュ改善条
件決定プロセス・ステップ520のオペレーション・ダイ
アグラムである。
【図10】図5−7に示されているフィル・フラッシュ
露出計算プロセス430 のハイ・レベルのオペレーション
・ダイアグラムである。
【図11】図5−7に示されているフル・フラッシュ露
出決定プロセス450 のハイ・レベルのオペレーション・
ダイアグラムである。
【図12】図11に示されている標準フラッシュ露出決
定ステップ820 のオペレーション・ダイアグラムであ
る。
【図13】図11に示されている背景対象物フラッシュ
露出補正ステップ830 のオペレーション・ダイアグラム
である。
【図14】図5−7に示されているエキストラ・システ
ム速度計算と使用プロセス460 のハイ・レベルのオペレ
ーション・ダイアグラムである。
【図15】図14に示されているエキストラ速度周囲決
定と使用ステップ1110のオペレーション・ダイアグラム
である。
【図16】図14に示されているエキストラ速度フィル
・フラッシュ決定と使用ステップ1120のオペレーション
・ダイアグラムである。
【図17】図14に示されているエキストラ速度フル・
フラッシュ決定と使用ステップ1130のオペレーション・
ダイアグラムである。
【図18】プロセス330を構成するルーチンである。
【図19】プロセス410を構成するルーチンである。
【図20】プロセス440を構成するルーチンである。
【図21】ステップ510を構成するルーチンである。
【図22】ステップ530を構成するルーチンである。
【図23】ステップ610を構成するルーチンである。
【図24】ステップ620を構成するルーチンである。
【図25】ステップ630を構成するルーチンである。
【図26】ステップ640を構成するルーチンである。
【図27】ステップ710を構成するルーチンである。
【図28】ステップ720を構成するルーチンである。
【図29】ステップ730を構成するルーチンである。
【図30】ステップ810を構成するルーチンである。
【図31】ステップ910を構成するルーチンである。
【図32】ステップ920を構成するルーチンである。
【図33】ステップ1010を構成するルーチンであ
る。
【図34】ステップ1020を構成するルーチンであ
る。
【図35】ステップ1030を構成するルーチンであ
る。
【図36】ステップ1210を構成するルーチンであ
る。
【図37】ステップ1220を構成するルーチンであ
る。
【図38】ステップ1230を構成するルーチンであ
る。
【図39】ステップ1240を構成するルーチンであ
る。
【図40】ステップ1250を構成するルーチンであ
る。
【図41】ステップ1260を構成するルーチンであ
る。
【図42】ステップ1270を構成するルーチンであ
る。
【図43】ステップ1310を構成するルーチンであ
る。
【図44】ステップ1330を構成するルーチンであ
る。
【図45】ステップ1410を構成するルーチンであ
る。
【図46】ステップ1420を構成するルーチンであ
る。
【図47】ステップ1430を構成するルーチンであ
る。
【図48】ステップ1450を構成するルーチンであ
る。
【符号の説明】
203…フィルム・キャニスターに 205、210…入力バッファ・ラッチ 206…入力バッファ 216…光検出素子アレイ 218…インタフェース・処理回路 220…水平範囲検出システム 225…振動センサ 226…加速度計 228…インタフェース・条件設定回路 230…垂直範囲検出システム 235…マイクロプロセッサ 240…マルチプレクサ 250…アドレス・データ・バス 255、260…ROM 265…RAM 270…コミュニケーション・ポート 272…コミュニケーション・リンク 275…フラッシュ 277、282…マイクロコンピュータ・システム 280…レンズ 285…出力ラッチ・バッファ 287…出力ドライバ 288…フィルム・エンコーダ 290…割り込み回路 291…位置センサ 295…タイミング・制御・電源回路 330…ボケ円基準および焦点距離ファクタの調整 350…露出決定プロセス 410…フル・フラッシュの使用の決定 420…フィル・フラッシュの使用の決定 430…フィル・フラッシュ露出の計算 440…周囲露出の計算 450…フル・フラッシュ露出の決定 460…エキストラ速度の計算と使用 510…照明コントラストの決定 520…フィル・フラッシュ改善条件の決定 530…フィル・フラッシュ条件の決定 610…フィル・フラッシュ口径限界の計算 620…フィル・フラッシュ口径の計算 630…周囲照明比率ファクタの計算 640…フィル・フラッシュ改善条件の計算 710…フィル・フラッシュ・パワーの減少 720…フィル・フラッシュ口径の設定 730…フィル・フラッシュ・シャッタ速度の計算 810…焦点距離に対する深度ナンバーの変更 820…標準フラッシュ露出の決定 830…背景対象物に対するフラッシュ露出の補正 910…通常露出/フル・フラッシュにおける口径の決
定 920…フル・フラッシュに対する残りの露出の設定 1010…主要部と背景部の対象物間の log E の差の
計算 1020…被写界深度フラッシュの決定 1030…フラッシュ露出の調整 1110…エキストラ速度/周囲 1120…エキストラ速度/フィル・フラッシュ 1130…エキストラ速度/フル・フラッシュ 1210…最大被写界深度の使用の決定 1220…周囲照明に対する新Fナンバーの計算 1230…周囲照明に対する新Fナンバーの制限 1240…周囲照明に対するエキストラ・システム速度
の決定 1250…振動情報の補償 1260…フィルム露出に対するエキストラ・システム
速度の使用 1270…周囲照明におけるシャッタ速度およびFナン
バーの変更 1310…フィル・フラッシュにおけるエキストラ・シ
ステム速度の決定 1320…フィル・フラッシュにおけるフィルム露出へ
のエキストラ・システム速度の使用 1330…フィル・フラッシュにおけるシャッタ速度の
短縮 1410…フル・フラッシュに対するエキストラ・シス
テム速度の決定 1420…フラッシュ出力の計算 1430…フラッシュ拡散および跳ね返りの計算 1440…フル・フラッシュに対するフィルム露出への
エキストラ・システム速度の使用 1450…フル・フラッシュの対するレンズ口径の絞り

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像捕獲装置に於いて、撮影場面の画像
    を写真フィルムのフレーム上で捕獲するために使用さ
    れ、その場合に、該フレーム上で捕獲される画像が、予
    め設定された表示特性に依って定められた態様で、出力
    画像中に後に拡大される方法であって、 最初に、上記予め設定された表示特性に対応して、複数
    の露出パラメータの初期値を決定し、その場合に、該初
    期値はまとめて上記撮影場面のベースライン露出を定め
    るようになっており、なおかつ、上記表示特性、上記初
    期値および上記撮影場面の予め設定された要求に対応し
    て、上記撮影場面の捕獲された画像に現れる画像ボケ
    が、上記の態様で拡大される時に、予め設定された量の
    画像ボケを超えないように、該露出パラメータのうちの
    少なくとも予め選択された一つの適切な値を決定するス
    テップと、 上記捕獲された画像を生成するために、上記撮影場面の
    画像を上記予め選択された露出パラメータの適切な値に
    従って指定される露出により捕獲するステップであっ
    て、上記捕獲された画像は、上記の態様で拡大される時
    に、上記撮影場面の画像が上記ベースライン露出により
    捕獲され、そして、後に上記の態様で拡大されるとした
    場合に得られる画像品質と比べて、少なくとも等しい
    か、あるいは、より優れている画像品質を持つようにな
    っているステップと、および、 上記フィルムの上で、かつ、上記フレームの近傍に、上
    記予め設定された表示特性を指示するデータをプリント
    するステップを含む方法。
  2. 【請求項2】 撮影場面の画像を写真フィルムのフレー
    ムの上で捕獲し、その場合に、該フレームの上で捕獲さ
    れた画像は、予め設定された表示特性に依って定められ
    る態様で、出力画像中に後に拡大される装置であって、 上記予め設定された表示特性に対応して、複数の露出パ
    ラメータの初期値を決定し、その場合に、該初期値はま
    とめて上記撮影場面のベースライン露出を定めるように
    なっており、なおかつ、上記表示特性、上記初期値およ
    び上記撮影場面の予め設定された要求に対応して、上記
    撮影場面の捕獲された画像に現れる画像ボケが、上記の
    態様で拡大される時に、予め設定された量の画像ボケを
    超えないように、該露出パラメータのうちの少なくとも
    予め選択された一つの適切な値を決定するための手段
    と、 上記捕獲された画像を生成するために、上記撮影場面の
    画像を上記予め選択された露出パラメータの適切な値に
    従って指定される露出により捕獲するための手段であっ
    て、上記捕獲された画像は、上記の態様で拡大される時
    に、上記撮影場面の画像が上記ベースライン露出により
    捕獲され、そして、後に上記の態様で拡大されるとした
    場合に得られる画像品質と比べて、少なくとも等しい
    か、あるいは、より優れている画像品質を持つようにな
    っている手段と、および、 上記フィルムの上で、かつ、上記フレームの近傍に、上
    記予め設定された表示特性を指示するデータをプリント
    するための手段を具備する装置。
JP5275212A 1992-11-03 1993-11-04 エキストラ・システム速度の決定と活用による非標準表示サイズおよび/または異焦点距離撮影モードのための撮影露出パラメータの自動最適化方法および装置 Pending JPH06202187A (ja)

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