JPH06202092A - 液晶装置及びそれに用いられる絶縁膜の製造方法 - Google Patents

液晶装置及びそれに用いられる絶縁膜の製造方法

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JPH06202092A
JPH06202092A JP35931592A JP35931592A JPH06202092A JP H06202092 A JPH06202092 A JP H06202092A JP 35931592 A JP35931592 A JP 35931592A JP 35931592 A JP35931592 A JP 35931592A JP H06202092 A JPH06202092 A JP H06202092A
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JP
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liquid crystal
crystal device
transparent
insulating film
transparent substrate
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Yuichi Masaki
裕一 正木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】絶縁破壊電圧が大きく、自発分極の影響が小さ
く、硬度が大きく、且つ、透過率の大きい絶縁膜4aを
透明電極に配設する。 【構成】チタン又はタンタルと珪素とが主成分をなす金
属の水酸化物若しくは該水酸化物の縮合物の溶液、又
は、オルガシキド又は該オルガシキドの部分加水分解物
若しくは該部分加水分解物の縮合物の溶液を透明基板に
塗布し、熱処理して前記溶液に含まれる溶剤を揮発さ
せ、その後UV光を照射する。そして不活性ガスと酸素
との混合雰囲気で焼成して絶縁膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶装置及びそれに用
いられる絶縁膜の製造方法に係り、詳しくは、硬度、体
積抵抗率及び透過率を最適にした絶縁膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、強誘電性液晶を用いた液晶装置に
おいて、絶縁膜の選択はその表示品位及び電気的、光学
的特性に関係するため、非常に重大な問題であった。絶
縁膜の必要条件として以下の項目が挙げられる。
【0003】絶縁破壊電圧(B.D.V)が高いこ
と、 誘電率が大きいこと、 硬度が高いこと、 可視透明度であること。 具体的に絶縁膜として用いられているものとしてSiO
2 ,TiO2 ,Ta25 等のスパッタリングで形成さ
れた無機絶縁膜が知れている。また溶液を塗布した後に
高温で焼成し、形成される金属配化膜も用いられるよう
になってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、強誘電
性液晶を用いた液晶装置は基板間隔が1.0〜2.0μ
m と非常に薄いため、導電性異物により上下透明電極間
で短絡が発生し易い問題がある。従って、異物により絶
縁膜が破損しないように膜質が硬いものが要求され、ま
た、多少異物による影響があっても絶縁破壊を起こさな
い絶縁破壊電圧の高いものが望まれている。
【0005】また、液晶層には強誘電性液晶の持つ自発
分極から逆電界が生じている。この逆電界により液晶は
双安定状態のうち一方の安定状態に安定してしまう問題
があった。その対策として 電極間の容量を大きくして、自発分極による逆電界の
効果を小さくする。
【0006】逆電界で発生した絶縁膜に誘起された電
荷を電極へ逃がし、逆電界の効果を緩和させる。 上記2項目が有効であり、絶縁膜の特性としてに対し
強誘電性液晶の自発分極に適応した誘電率の大きさが必
要であり、に対しては、体積抵抗率が低いことが必要
となる。
【0007】さらに、光学表示装置の基本的条件とし
て、可視光領域での透過率が高いことはいうまでもな
い。
【0008】そこで、本発明は、自発分極の影響が小さ
く、透過率が高く、硬度の大きく、且つ、絶縁破壊電圧
の高い金属絶縁膜を有する液晶装置及びそれに用いる絶
縁膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、帯び状の透明電極が設けられ
た2枚の透明基板を所定間隙て対向させ、該間隙に液晶
を挟持してなる液晶装置において、前記透明基板の少な
くとも一方の前記透明電極上に、体積抵抗率が5×10
6 Ω・cm以上、108 Ω・cm以下を有し、且つ、可
視光領域における透過率が80%以上、95%以下を有
する金属酸化膜を被着してなる、ことを特徴とする。
【0010】また、前記金属酸化膜が、チタン又はタン
タルと珪素とが主成分をなす混合酸化物からなる。
【0011】また、前記金属酸化膜が、該金属酸化膜の
主成分である金属の水酸化物又は該水酸化物の縮合物の
溶液を前記透明電極を有する前記透明基板に塗布する塗
布工程と、該塗布工程後に前記透明基板を熱処理して前
記溶液に含まれる溶剤を揮発させる熱処理工程と、該熱
処理工程後の前記透明基板にUV光を照射する照射工程
と、該照射工程後に不活性ガスと酸素との混合雰囲気で
前記透明基板を焼成する焼成工程と、を経て形成されて
なる。
【0012】さらに、前記金属酸化膜が、該金属酸化膜
の主成分である金属のオルガシキド又は該オルガシキド
の部分加水分解物若しくは該部分加水分解物の縮合物の
溶液を前記透明電極を有する前記透明基板に塗布する塗
布工程と、該塗布工程後に前記透明基板を熱処理して前
記溶液に含まれる溶剤を揮発させる熱処理工程と、該熱
処理工程後の前記透明基板にUV光を照射する照射工程
と、該照射工程後に不活性ガスと酸素との混合雰囲気で
前記透明基板を焼成する焼成工程と、を経て形成されて
なる。
【0013】
【作用】以上構成に基づき、絶縁膜の体積低効率を5×
106 Ω・cm以上、108 Ω・cm以下の範囲とし、
且つ、可視光領域における透過率を80%以上、95%
以下の範囲に設定する。
【0014】また、金属酸化膜の主成分である金属の水
酸化物若しくは該水酸化物の縮合物の溶液、又は、オル
ガシキド又は該オルガシキドの部分加水分解物若しくは
該部分加水分解物の縮合物の溶液を透明基板に塗布し、
熱処理して前記溶液に含まれる溶剤を揮発させ、その後
UV光を照射する。そして不活性ガスと酸素との混合雰
囲気で焼成して絶縁膜を形成する。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を説明する前に、発明の原理
を説明する。高誘電率で絶縁破壊電圧の大きい膜として
酸化タンタルTa25 があげられる。このTa25
は、体積抵抗率として1010〜1012Ωcmと極めて高い
ので、スパッタリング法の成膜条件を変えて体積抵抗率
の低下を試みたが、107 Ωcm程度の膜において著しく
透過率を失い、表示特性に影響があることが判明した。
【0016】そこで、焼成法によるチタンと珪素との酸
化物を調べた。チタン(Ti)と珪素(Si)を含む溶
液として、TiとSiとの水酸化物、縮合物、オルガノ
オキシド、もしくはその部分加水分解物あるいは該部分
加水分解物の縮合物の溶液を用いた。TiとSiとの混
合物であることから、双方の割合により絶縁膜特性が変
化する。即ちTiの比率が大きいと誘電率は大きくなる
が、絶縁破壊電圧は小さくなってしまう。この場合絶縁
破壊電圧を高めるには膜厚を大きくする方向で対策が施
せる。また、体積抵抗率はスパッタリング法に比較して
低抵抗の膜が可能であり、300℃,1時間位の焼成に
より形成されるTi/Si(1:1)の金属酸化膜では
10〜1010Ωcm程度の体積抵抗率が得られる。
【0017】ここで体積抵抗率を制御する手段として焼
成工程での酸化度を悪くする方法、例えば、焼成時に不
活性ガスをあえて導入することにより可能となることが
判明した。しかしながら、このような膜は有機分の残留
が多いことから膜の硬度が低下し、更に透過率も悪くす
ことがわかった。そこで有機分の除去する手法として焼
成前に紫外線、特に142mm波長のUV光を膜に照射す
ることにより高度及び透過率の低下を防止することが可
能であることを発見した。
【0018】図1は上述した発見に基づく液晶装置の断
面図で、1は対向させて配置した2枚のガラス基板、2
はその対向面上に設けられた透明電極、3は透明電極に
片がけの金属電極、4aは絶縁膜、4bは配向膜、5は
液晶である。
【0019】絶縁膜4aは、金属電極3を形成したガラ
ス基板1上にTiとSiの1:1の比率の混合溶液(固
形分8%)をオフセット印刷で塗布(塗布工程)し、こ
れを110℃で15分間乾燥(熱処理工程)した。この
後、UV光照射手段として低圧水銀灯(200W)を用
い、5分間照射した(照射工程)。その後、300℃,
1時間オーブンで焼成(焼成工程)して膜厚100Åの
絶縁膜4aを得た。その際にオーブン中に不活性ガスと
して窒素ガス(N2 )、と酸素(O2 )の混合ガス(混
合雰囲気)をN2 :O2 =95:5の混合率で導入しつ
づけた。また、TiとSiとの割合は、試料Aは3:
7、試料Bは1:1、試料Cは7:3の3種類の溶液を
用いて絶縁膜4aを作成した。
【0020】この後、絶縁膜4a上にポリイミド系の配
向膜4b(東レ(株)製;LP−64)を50Åの厚さ
で形成し配向処理を施した。その後、ガラス基板1間の
距離を1.3μm のギャップを保持して、 Ps=
6.2nc/cm2 , Ps=9.6nc/cm2
Ps=14nc/cm2 の3種類のSmC* 液晶を封入
し、液晶装置を作製した。
【0021】この液晶装置を図2に示す駆動信号波形
で、駆動マージンの温度特性の測定を行った。駆動マー
ジンの温度特性の測定は、駆動信号の周波数を固定し、
電圧を変化させて行った。測定の結果10℃〜50℃の
温度範囲で3種類の液晶装置共広い駆動マージンが得ら
れた。また、上下の透明電極3間に短絡も発生しなかっ
た。
【0022】絶縁破壊電圧の測定は、図3に示すよう
に、タングステンカーバイド製で先端半径が0.1mmの
プローバ6をプッシュブルゲージ7に装着し、試料8に
対し10gの荷重をけて測定した。図4はその時の絶縁
破壊電圧の測定結果を示している。また、誘電率と体積
抵抗率を20KHzの周波数(LCRメータで測定)で測
定した結果を図5に示す。表1は、試料A,B,C及び
比較試料としてスパッタリング法で作成したTa25
に付いての動作マージン及び短絡発生率の評価結果を示
す。
【0023】
【表1】 また、表2はTi:Si=1:1の混合溶液を用い、U
V光照射時間を試料Dは0分、試料Eは2分、試料Bは
5分、そして試料Fは10分の4条件の試料を作成し諸
特性を調べた。図6は、UV光照射時間と硬度の関係を
示す測定結果であり、その時の、動作マージン及び短絡
発生率を表2に示す。
【0024】
【表2】 また、TiとSi(1:1)の混合溶液を用い、焼成工
程中でのN2 とO2 との混合ガスの比率を試料Gは80
/20、試料Hは90/10、試料Bは95/5、試料
Iは99/1の4条件の試料について諸特性を調べた。
誘電率と体積抵抗値を図7に示す。また、図8は550
nmの波長における透過率を表わす。次にそれぞれの液
晶装置としての特性を表3に示す。
【0025】
【表3】 以上から強誘電性液晶を用いた液晶装置の最適化された
絶縁膜4aとして、液晶材料のPs値に関係なく、10
7 オーダー以下の体積抵抗率を有し、液晶装置として8
0%以上の透過率を持つ絶縁膜4aが必要であることが
判明し、且つ、本発明の製造方法により、実現可能であ
ることを示した。また生産上においても不良のない液晶
装置が作製できる。
【0026】なお、他の材料としてタンタル(Ta)と
Siの混合材料を用いて絶縁膜4aを用いても良い。
【0027】また、絶縁膜の体積抵抗率は5×106 Ω
・cm以上、108 Ω・cm以下とし、且つ、可視光領
域における透過率が80%以上、95%以下が良好であ
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
体積抵抗率を5×106 Ω・cm以上、108 Ω・cm
以下、にすることにより強誘電性液晶による自発分極の
影響が少なくなり、また硬度も大きいので絶縁破壊電圧
の低下が防止出来、且つ、透過率も良好の絶縁膜が得ら
れた。これにより、液晶装置の信頼性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説に適用される液晶装置の断
面図。
【図2】本発明の実施例の説に適用される液晶装置の駆
動信号波形。
【図3】本発明の実施例の説に適用される絶縁膜の硬度
測定を説明する図。
【図4】本発明の実施例の説に適用される絶縁膜のSi
/Tiの比率と絶縁破壊電圧との関係を説明する図。
【図5】本発明の実施例の説に適用される絶縁膜のSi
/Tiの比率と誘電率及び体積抵抗率との関係を説明す
る図。
【図6】本発明の実施例の説に適用される絶縁膜のUV
照射時間と硬度の関係を説明する図。
【図7】本発明の実施例の説に適用される混合ガスの混
合率と誘電率及び体積抵抗率との関係を説明する図。
【図8】本発明の実施例の説に適用される混合ガスの混
合率と透過率との関係を説明する図。
【符号の説明】
1 ガラス基板(透明電極) 2 透明電極 4a 絶縁膜(金属絶縁膜) 5 強誘電性液晶(液晶)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯び状の透明電極が設けられた2枚の透
    明基板を所定間隙を保って対向させ、該間隙に液晶を挟
    持してなる液晶装置において、 前記透明基板の少なくとも一方の前記透明電極上に、体
    積抵抗率が5×106Ω・cm以上、108 Ω・cm以
    下を有し、且つ、可視光領域における透過率が80%以
    上、95%以下を有する金属酸化膜を被着してなる、 ことを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化膜が、チタン又はタンタル
    と珪素とが主成分をなす混合酸化物からなる、 請求項1記載の液晶装置。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化膜が、該金属酸化膜の主成
    分である金属の水酸化物又は該水酸化物の縮合物の溶液
    を前記透明電極を有する前記透明基板に塗布する塗布工
    程と、 該塗布工程後に前記透明基板を熱処理して前記溶液に含
    まれる溶剤を揮発させる熱処理工程と、 該熱処理工程後の前記透明基板にUV光を照射する照射
    工程と、 該照射工程後に不活性ガスと酸素との混合雰囲気で前記
    透明基板を焼成する焼成工程と、を経て形成されてな
    る、 請求項1又は2記載の液晶装置に用いられる絶縁膜の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記金属酸化膜が、該金属酸化膜の主成
    分である金属のオルガシキド又は該オルガシキドの部分
    加水分解物若しくは該部分加水分解物の縮合物の溶液を
    前記透明電極を有する前記透明基板に塗布する塗布工程
    と、 該塗布工程後に前記透明基板を熱処理して前記溶液に含
    まれる溶剤を揮発させる熱処理工程と、 該熱処理工程後の前記透明基板にUV光を照射する照射
    工程と、 該照射工程後に不活性ガスと酸素との混合雰囲気で前記
    透明基板を焼成する焼成工程と、を経て形成されてな
    る、 請求項1又は2記載の液晶装置に用いられる絶縁膜の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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