JP2962336B2 - ガス検出素子の製造法 - Google Patents
ガス検出素子の製造法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス検出素子の製造法
に関する。更に詳しくは、絶縁性基板上に有機錫化合物
プラズマCVD膜を酸化処理した薄膜を形成させてガス検
出素子を製造する方法に関する。
に関する。更に詳しくは、絶縁性基板上に有機錫化合物
プラズマCVD膜を酸化処理した薄膜を形成させてガス検
出素子を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】および
【発明が解決しようとする課題】絶縁性基板上に透明非
晶質な有機錫化合物プラズマ重合膜を酸化処理した薄膜
を形成させたアルコールガス検出素子が、先に本出願人
によって提案されている(特開平3-102,254号公報)。
晶質な有機錫化合物プラズマ重合膜を酸化処理した薄膜
を形成させたアルコールガス検出素子が、先に本出願人
によって提案されている(特開平3-102,254号公報)。
【0003】本発明の目的は、かかるガス検出素子であ
って、エチレンガスなどの検出を可能とし、しかもその
検出感度を高めたガスセンサの製造法を提供することに
ある。
って、エチレンガスなどの検出を可能とし、しかもその
検出感度を高めたガスセンサの製造法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
体積比0.1〜10の有機錫化合物/酸素混合ガスを用い、プ
ラズマCVD法により、絶縁性基板上に透明非晶質薄膜を
形成させた後、該薄膜を空気中で400℃以上の温度で加
熱処理してガス検出素子を製造することにより達成され
る。その際、プラズマCVD膜の酸化処理膜と共に、電極
が任意の順序で形成される。
体積比0.1〜10の有機錫化合物/酸素混合ガスを用い、プ
ラズマCVD法により、絶縁性基板上に透明非晶質薄膜を
形成させた後、該薄膜を空気中で400℃以上の温度で加
熱処理してガス検出素子を製造することにより達成され
る。その際、プラズマCVD膜の酸化処理膜と共に、電極
が任意の順序で形成される。
【0005】基板としては、石英、アルミナ、ステンレ
ス鋼、ガラスなどの無機材料がプレート状、シート状な
どの形で用いられる。これらの基板上への有機錫化合物
のプラズマCVD膜および電極の形成順序は、いずれを先
に行ってもよい。
ス鋼、ガラスなどの無機材料がプレート状、シート状な
どの形で用いられる。これらの基板上への有機錫化合物
のプラズマCVD膜および電極の形成順序は、いずれを先
に行ってもよい。
【0006】基板上あるいは電極を形成させた基板上へ
のプラズマCVD膜の形成は、テトラメチル錫、テトラエ
チル錫、テトラ-n-ブチル錫、ジブチル錫アセテートな
どの有機錫化合物と酸素との混合ガスを用いて行われ
る。
のプラズマCVD膜の形成は、テトラメチル錫、テトラエ
チル錫、テトラ-n-ブチル錫、ジブチル錫アセテートな
どの有機錫化合物と酸素との混合ガスを用いて行われ
る。
【0007】有機錫化合物と酸素とは、体積比で0.1〜1
0、好ましくは0.5〜5の範囲の混合ガスとして用いられ
る。この体積比がこれ以下では、成膜速度が極端に遅く
なって実用性に欠けるようになり、一方これ以上では感
度の向上がみられない。
0、好ましくは0.5〜5の範囲の混合ガスとして用いられ
る。この体積比がこれ以下では、成膜速度が極端に遅く
なって実用性に欠けるようになり、一方これ以上では感
度の向上がみられない。
【0008】プラズマ重合は、例えば図1に示されるよ
うな装置を用いて行われる。まず、プラズマ反応容器1
内を油回転ポンプ2に連結されている分子ターボポンプ
3の作動により10-5Torrのオーダーに減圧する。減圧さ
れた反応容器内に、バルブ4を調節することにより設定
される任意の流量を流量計5で計測しながら、有機錫化
合物-酸素混合ガスを10-2Torrのオーダー迄導入し、高
周波電源6からマッチングボックス7を介して高周波(1
3.56MHz)を印加し、放電を起させる。この際、マッチン
グボックスを調節することにより、反射電力をできるだ
け抑えて、印加電力と反射電力との差が任意の電力にな
るようにする。一定時間放電したら、高周波の印加およ
び有機錫化合物-酸素混合ガスの供給を中止し、メイン
バルブ(図示せず)を閉じ、反応容器をリークして、内部
電極8上に搭載した基板または電極を形成させた基板9
の表面にプラズマCVD膜として有機錫薄膜を形成させた
ものを取り出す。
うな装置を用いて行われる。まず、プラズマ反応容器1
内を油回転ポンプ2に連結されている分子ターボポンプ
3の作動により10-5Torrのオーダーに減圧する。減圧さ
れた反応容器内に、バルブ4を調節することにより設定
される任意の流量を流量計5で計測しながら、有機錫化
合物-酸素混合ガスを10-2Torrのオーダー迄導入し、高
周波電源6からマッチングボックス7を介して高周波(1
3.56MHz)を印加し、放電を起させる。この際、マッチン
グボックスを調節することにより、反射電力をできるだ
け抑えて、印加電力と反射電力との差が任意の電力にな
るようにする。一定時間放電したら、高周波の印加およ
び有機錫化合物-酸素混合ガスの供給を中止し、メイン
バルブ(図示せず)を閉じ、反応容器をリークして、内部
電極8上に搭載した基板または電極を形成させた基板9
の表面にプラズマCVD膜として有機錫薄膜を形成させた
ものを取り出す。
【0009】このプラズマCVDの際に印加される高周波
電力を、前記特許公開公報に記載される如く、40W以下
(電力密度0.22W/cm2以下)とすることにより、透明非晶
質有機錫化合物のプラズマCVD膜を膜厚約0.1〜1μmで形
成させることができる。
電力を、前記特許公開公報に記載される如く、40W以下
(電力密度0.22W/cm2以下)とすることにより、透明非晶
質有機錫化合物のプラズマCVD膜を膜厚約0.1〜1μmで形
成させることができる。
【0010】かかるプラズマCVD膜の酸化処理は、電極
をプラズマCVD膜の上に形成させる場合には、電極形成
の前後いずれの時期においても行うことができる。酸化
処理は、空気中で400℃以上、好ましくは400〜500℃の
温度で行われる。
をプラズマCVD膜の上に形成させる場合には、電極形成
の前後いずれの時期においても行うことができる。酸化
処理は、空気中で400℃以上、好ましくは400〜500℃の
温度で行われる。
【0011】電極としては、一般にくし形電極が用いら
れる。そして、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法などにより、クロム(膜厚約0.05〜0.1μm)
および金(膜厚約0.1〜1μm)の積層電極として一般に形
成される。また、絶縁性基板上にまず電極を形成させる
場合には、スクリーン印刷法などにより、金電極を形成
させてもよい。
れる。そして、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法などにより、クロム(膜厚約0.05〜0.1μm)
および金(膜厚約0.1〜1μm)の積層電極として一般に形
成される。また、絶縁性基板上にまず電極を形成させる
場合には、スクリーン印刷法などにより、金電極を形成
させてもよい。
【0012】かかるガス検出素子の一態様が図2〜3に
平面図として示されており、絶縁性基板11上にくし形電
極12-酸化処理プラズマCVD膜13(図2)または酸化処理プ
ラズマCVD膜13-くし形電極12(図3)が順次形成されてい
る。また、図4の裏面図に示されるように、絶縁性基板
11の裏面側には、電極14,14´に接続された薄膜ヒータ
ー15が設けられている。
平面図として示されており、絶縁性基板11上にくし形電
極12-酸化処理プラズマCVD膜13(図2)または酸化処理プ
ラズマCVD膜13-くし形電極12(図3)が順次形成されてい
る。また、図4の裏面図に示されるように、絶縁性基板
11の裏面側には、電極14,14´に接続された薄膜ヒータ
ー15が設けられている。
【0013】
【作用】および
【発明の効果】絶縁性基板上の透明非晶質有機錫化合物
プラズマCVD膜の酸化処理膜を形成させるに際し、プラ
ズマCVD時に有機錫化合物に対して特定の体積比の酸素
を共存させた混合ガスを用いることにより、アルコール
系ガスに比べ検出感度の低いエチレンなどの炭化水素系
ガスに対しても、高い検出感度を示すガス検出素子を得
ることができる。
プラズマCVD膜の酸化処理膜を形成させるに際し、プラ
ズマCVD時に有機錫化合物に対して特定の体積比の酸素
を共存させた混合ガスを用いることにより、アルコール
系ガスに比べ検出感度の低いエチレンなどの炭化水素系
ガスに対しても、高い検出感度を示すガス検出素子を得
ることができる。
【0014】この際形成された有機錫化合物のプラズマ
CVD膜は、 SnO2-Χ (0<X<2×10-7) の組成を有する薄膜から形成されている。このXの値
は、最高のガス検出感度を示す薄膜の酸素欠陥濃度から
導かれるものである。プラズマCVD膜を空気中で加熱処
理することにより、Xの値は変化するものの、空気中で
の加熱処理は400℃以上の温度という一定の条件下で行
われるため、プラズマCVD膜形成時の膜組成が検出感度
を大きく左右し、しかも酸化処理後の膜のXの値を決定
する。また、その値は混合ガスの体積比を変えるだけで
容易にコントロールすることができる。
CVD膜は、 SnO2-Χ (0<X<2×10-7) の組成を有する薄膜から形成されている。このXの値
は、最高のガス検出感度を示す薄膜の酸素欠陥濃度から
導かれるものである。プラズマCVD膜を空気中で加熱処
理することにより、Xの値は変化するものの、空気中で
の加熱処理は400℃以上の温度という一定の条件下で行
われるため、プラズマCVD膜形成時の膜組成が検出感度
を大きく左右し、しかも酸化処理後の膜のXの値を決定
する。また、その値は混合ガスの体積比を変えるだけで
容易にコントロールすることができる。
【0015】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0016】実施例 図1に示されるプラズマCVD装置を用い、図2に示され
る構造のガス検出素子を作製した。
る構造のガス検出素子を作製した。
【0017】まず、絶縁性基板(アルミナ基板)上に金電
極をペースト印刷法で形成し、金電極部分を含む絶縁性
基板の表面側全面に、プラズマCVD法を適用した。この
とき、印加された高周波電力は40Wであり、そこに透明
非晶質のプラズマCVD膜が形成された。次いで、この透
明非晶質薄膜を、空気中で500℃で4時間加熱処理した。
極をペースト印刷法で形成し、金電極部分を含む絶縁性
基板の表面側全面に、プラズマCVD法を適用した。この
とき、印加された高周波電力は40Wであり、そこに透明
非晶質のプラズマCVD膜が形成された。次いで、この透
明非晶質薄膜を、空気中で500℃で4時間加熱処理した。
【0018】原料ガスであるテトラメチル錫と酸素との
流量(単位:ml/分)、その流量比および電子スピン共鳴
法によって測定された酸化処理膜の酸素欠陥濃度(単
位:1/cm3)は、次の表に示される。 No. (CH3)4Sn流量 O2流量 流量比 酸素欠陥濃度 1 500 0 - 5×1016 2 400 100 4 5×1015 3 200 300 0.7 3.5×1015
流量(単位:ml/分)、その流量比および電子スピン共鳴
法によって測定された酸化処理膜の酸素欠陥濃度(単
位:1/cm3)は、次の表に示される。 No. (CH3)4Sn流量 O2流量 流量比 酸素欠陥濃度 1 500 0 - 5×1016 2 400 100 4 5×1015 3 200 300 0.7 3.5×1015
【0019】このようにして作製されたガスセンサを用
い、エチレンガスに対するガス感度(空気中でのセンサ
抵抗/ガス中でのセンサ抵抗)を、素子温度300℃、エチ
レンガス濃度2000ppm、流量1リットル/分の条件下で測
定すると、次のような結果が得られた。
い、エチレンガスに対するガス感度(空気中でのセンサ
抵抗/ガス中でのセンサ抵抗)を、素子温度300℃、エチ
レンガス濃度2000ppm、流量1リットル/分の条件下で測
定すると、次のような結果が得られた。
【図1】本発明で用いられるプラズマCVD装置の概略図
である。
である。
【図2】本発明に係るガス検出素子の一態様の平面図で
ある。
ある。
【図3】本発明に係るガス検出素子の他の態様の平面図
である。
である。
【図4】ガス検出素子の裏面図である。
1 プラズマ反応容器 6 高周波電源 7 マッチングボックス 8 内部電極 11 絶縁性基板 12 電極 13 酸化処理プラズマCVD膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−102254(JP,A) 特開 昭63−179057(JP,A) 特開 昭63−72882(JP,A) 特開 昭62−255859(JP,A) 特開 昭63−261148(JP,A) 特開 平1−250054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/00 - 27/22
Claims (1)
- 【請求項1】 体積比0.1〜10の有機錫化合物/酸素混合
ガスを用い、プラズマCVD法により、絶縁性基板上に透
明非晶質薄膜を形成させた後、該薄膜を空気中で400℃
以上の温度で加熱処理することを特徴とするガス検出素
子の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24261891A JP2962336B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ガス検出素子の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24261891A JP2962336B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ガス検出素子の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05312751A JPH05312751A (ja) | 1993-11-22 |
JP2962336B2 true JP2962336B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=17091740
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24261891A Expired - Lifetime JP2962336B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | ガス検出素子の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2962336B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111188129B (zh) * | 2020-01-16 | 2023-06-23 | 中国农业科学院农业信息研究所 | 一种乙烯传感器及乙烯敏感薄膜的制备方法 |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP24261891A patent/JP2962336B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05312751A (ja) | 1993-11-22 |
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