JPH06201650A - 高速液体クロマトグラフ・質量分析計の直結方法およびその装置 - Google Patents

高速液体クロマトグラフ・質量分析計の直結方法およびその装置

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JPH06201650A
JPH06201650A JP5001626A JP162693A JPH06201650A JP H06201650 A JPH06201650 A JP H06201650A JP 5001626 A JP5001626 A JP 5001626A JP 162693 A JP162693 A JP 162693A JP H06201650 A JPH06201650 A JP H06201650A
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功二 大西
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義信 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 LC/MSにおいて、高感度測定等の広範な
応用を達成するために、揮発性および不揮発性移動相系
における分析、フロ−インジェクション分析、不要成分
の除去等を一つのシステムによりバルブの切換え操作で
達成させる。 【構成】 複数のバルブ21,22,23,24の切換
で、4つの分析モ−ドを可能にする。MSへのLC溶出
液Aが送り込まれ、トラップカラム12は洗浄される第
一分析モ−ド、トラップカラムに分析目的成分を捕捉す
る第二分析モ−ド、捕捉された成分を移動相C11で溶
離させる第三分析モ−ド、トラップカラムを洗浄し、脱
塩を行なう第四分析モ−ド、また、第四分析モ−ドにお
いてMSへ試料注入口から注入された試料を直接送り込
める。これら4つの分析モ−ドを随時、かつ、独立に選
択してLCとMSとを直結接続する。LCコントロ−ラ
27と切換えバルブV−1,V−2,V−3と細管30
・・89とにより前記4つの分析モ−ドが可能なLCと
MSとを接続する直結装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速液体クロマトグラ
フ(以下、LCという)と質量分析計(以下、MSとい
う)との直結法およびその装置に係り、液体クロマトグ
ラフィ−直結質量分析システム(以下、LC/MSとい
う)の複数の分析モ−ドを1システムにて達成する好適
なLC/MSとの直結方法およびその装置に関するもの
である。
【0002】特に、(1)LCの分析カラムからの溶出
成分をそのままMSのイオン源部へ送り込み分析するモ
−ドと、(2)溶出成分をLCのトラップカラムに捕捉
し、脱塩洗浄の後、溶離しMSのイオン源部へ導入,分
析するモ−ドと、(3)LCのトラップカラムに分析目
的成分を濃縮するモ−ドおよび手段と、(4)LCの試
料注入口から分析カラムを通さずに直接試料溶液をMS
のイオン源部へ導入し分析するモ−ドと、(5)LCの
分析カラムから溶出する不要成分を除去するモ−ドとを
随時、かつ、任意に選択することに利用される。
【0003】
【従来の技術】MSは、有機化合物の分子量と構造に関
する分析計であり、生化学分野にとっても欠くことので
きない機器分析の手段である。しかし、混合物の分析が
困難であった。そのため、混合物の分離,分析に優れて
いるクロマトグラフィ−、特に、溶媒に可溶性であれ
ば、不揮発性物質,熱不安定性物質,無機化合物,有機
化合物,低分子物質,高分子物質等を問わず、全て分析
対象となるLCと結合して用いる方法は優れたものであ
った。
【0004】図29ないし図30に従い、従来の技術を
説明する。図29は、LC/MSシステムにおいて使用
される各種溶液定義のためブロック図、図30は、従来
の揮発性移動相系によるLC/MSのブロック図、図3
1は、従来の不揮発性移動相系によるLC/MSのブロ
ック図、図32は、従来のフロ−インジェクションMS
のブロック図である。図29,30,31,32におい
て、1は移動相A、2はポンプ、3は試料注入口、4は
分析カラム、9はMSイオン源部、12はトラップカラ
ム、25は不揮発性塩の脱塩システムである。
【0005】LC/MSの技術を説明する場合におい
て、多くの溶液が、分析システムにおいて存在し異なる
働きをする。図29に従い、これら溶液を定義する。 (1)移動相Aは、混合物を成分毎に分離するために分
析カラム4に流す溶離液をいう。 (2)溶出液Aは、移動相Aが分析カラム4を通り溶出
した液をいう。 (3)移動相Bは、溶出液Aを希釈して分析目的成分が
トラップカラム12に捕捉されやすくする溶液であり、
トラップカラム12を洗浄する溶液をいう。 (4)合流液は、溶出液Aと移動相Bが混合合流した液
をいう。 (5)溶出液Bは、上記合流液がトラップカラム12に
流入し、溶出した液をいう。 (6)移動相Cは、トラップカラム12に捕捉された分
析目的成分を溶離するための溶離液をいう。 (7)溶出液Cは、移動相Cがトラップカラム12を通
過し溶出したものをいう。 (8)溶出液Dは、移動相Bを単独でトラップカラム1
2に流し、洗浄し、溶出した液をいう。
【0006】従来のLC/MSは、(1)揮発性移動相
系による分析、(2)脱塩による不揮発性移動相系の分
析、(3)フロ−インジェクション分析との3つの分析
モ−ドに大別される。 (1)揮発性移動相系による分析について説明する。こ
の揮発性移動相系による分析は、簡単なシステムにより
分析可能である。図30において、分析用の揮発性移動
相A1は、ポンプ2で送り出される。試料注入口3から
試料溶液は、マイクロシリンジなどで注入され、分析カ
ラム4で成分毎に分離される。カラム4から溶出した成
分は、LC/MSインタ−フェイスのMSイオン源部9
に送られ、イオン化されマススペクトルが与えられる。
【0007】このイオン化は、現在までのところ、サ−
モスプレイ法(Thermo Spray)すなわち、
TSP法、大気圧化学イオン化法(Atmospher
icPressure Chemical Ioniz
ation)すなわち、APCI法、パ−ティクルビ−
ム法(Particle Beam)すなわち、PB
法、連続フロ−FAB(Continuous Flo
w Fast Atom Bombardment)、
すなわち、CFFAB法、エレクトロスプレイ法(El
ectro Spray)すなわち、ESI法などが、
よく知られている。
【0008】これらTSP法,APCI法,PB法,E
SI法は、大気圧または減圧下において、分析カラム4
からの溶出液Aを噴霧しイオン化する。生成したイオン
は、細孔(図示せず)からサンプリングされ、MSによ
りマススペクトルがを与えられる。CFFAB法におい
ては、溶出液Aは、細管(内径.数10μm程度)を通
し数μl/min程度の流量で直接MSのFABイオン
源(図示せず)に導入され、イオン化される。
【0009】上記一般的なLC分析には、広範囲な分析
分野がある。例をあげると、(イ)塩を含まない逆相系
による分析。すなわち、水,アセトニトリル,メタノ−
ル,酢酸,トリフロロ酢酸,ギ酸などを用いて行なう分
析、(ロ)揮発性の塩を含む系による逆相系の分析。す
なわち、水,アセトニトリル,メタノ−ル,テトラヒド
ロフラン,酢酸アンモニウム,ギ酸アンモニウムなどを
用いて行なう分析、(ハ)順相系の分析。ヘキサン,ク
ロロホルム,イソプロパノ−ルなどを用いて行なう分
析、(ニ)不揮発性のイオン性物質を含まぬ試料の分析
等がある。
【0010】次に、(2)脱塩による不揮発性移動相系
の分析について説明する。LC分析の場合、移動相A
は、不揮発性のイオン性物質が使用されることがあり、
また、不揮発性イオン性物質を含む試料を分析すること
もある。この分析条件をそのままLC/MS分析に適応
すると、不揮発性成分が、イオンをサンプリングするた
めの細孔(図示せず)や細管内(図示せず)またそれら
の周囲に析出し、これらを詰らせる。
【0011】このため、イオンサンプリングが極めて不
安定になり、結果として、安定な測定を妨げる。また、
測定そのものまでも不可能とすることがある。細管が詰
った場合は、これら部品のクリ−ニングまたは交換が必
要である。また、このような不揮発性のイオン性物質な
どは、イオン化そのものを妨害するとされている。すな
わち、一般にLC/MS分析は、不揮発性塩,不揮発性
バッファの使用はできないなものとされてきた。
【0012】この問題を解決するため、クロマトグラフ
ィ−上から改良方法が提案された。この方法は、分析目
的成分をトラップカラムに捕捉させ、洗浄により不揮発
性のイオン性物質などを除去、いわゆる、脱塩を行な
い、そののちに、不揮発性のイオン性物質を含まない移
動相Cにより捕捉された成分を溶離し、MSへ送り分析
しようとするものである。
【0013】図31に従い、脱塩による分析手順を説明
する。不揮発性塩やバッファを含む移動相A1は、ポン
プ2で送り出され、分析カラム4を経て、脱塩システム
部25へ送られる。試料は、試料注入口3から注入され
分析カラム4で分離され、溶出液Aと共に脱塩システム
部25へ流入する。この脱塩システム部25は、複数の
ポンプ,複数のバルブおよびトラップカラムなど(いず
れも図示せず)で構成されている。前記溶出液Aと共に
脱塩システム部25へ流入した試料は、トラップカラム
12に捕捉される。トラップカラム12は、移動相Bに
より洗浄,脱塩される。
【0014】トラップカラム12に捕捉されている分析
目的成分は、不揮発性成分を含まない移動相Cで溶離さ
れ、MSイオン源部9へ送られ、前記の(1)揮発性移
動相系による分析の場合と同様に、イオン化され、マス
スペクトルを与える。このようにして、不揮発性塩や不
揮発性バッファなどが用いられている系より、分析目的
成分が溶出され、LC/MSが可能になった。これらに
関連する方法としては、特開平3−175355、特開
昭62−138753、特開昭62−19758号記載
の技術が知られている。
【0015】次に、(3)フロ−インジェクション分析
の方法について、図32に従い、説明する。一般に、純
粋な化合物、いわゆる、純品の分析には、図30に示し
たようなLCの分析カラム4による分離は、必要としな
い。図32において、フロ−インジェクション分析方法
は、ポンプ2で送りこまれる移動相A1の流れに乗り、
試料注入口3から直接MSイオン源部9へ試料溶液を送
る分析方法である。MSイオン源部9へ流入した試料溶
液は、前記の(1)揮発性移動相系による分析,前記の
(2)脱塩による不揮発性移動相系の分析の場合と同様
にして、イオン化され、マススペクトルを与える。
【0016】また、この分析システムは、一般のLC/
MSの前に、測定対象の試料が上述の多くのイオン化モ
−ドの内どれに適合するか、どのような溶媒系が最適
か、どのようなイオン化条件が適しているか等をチェッ
クする場合、非常に便利であった。そのため、このフロ
−インジェクション分析方法は、(1)揮発性移動相系
による分析におけるLCの分析カラムによる分離分析
と、同等以上に、一般に広く用いられている分析モ−ド
である。
【0017】しかし、このような、従来の(1),
(2),(3)の三通りの分析モ−ドは、それぞれ独立
しており、一つの分析モ−ドを用い、次に、他の一つの
分析モ−ドに変えようとする場合、別個のシステムにし
なければならず、全体のシステムが、複雑、かつ、高価
となる欠点があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来の分析は、
(1)揮発性移動相系による分析、(2)脱塩による不
揮発性移動相系の分析、(3)フロ−インジェクション
分析の3つの手法が、LC/MSにおいて、広く、か
つ、同等の重要さで用いられている。しかし、従来のこ
れらLC/MSの直結法やその装置において、これら分
析モ−ドの切換えを全て考慮したシステムはないという
問題があった。
【0019】また従来の(2)脱塩による不揮発性移動
相系の分析は、複数のバルブ、複数のポンプ、トラップ
カラム、複数の細管など非常に複雑なシステムで構成さ
れている。したがって、一つの分析モ−ドから他の一つ
の分析モ−ドに変える場合、その系から別の系にシステ
ムを変更する必要があり、そのためには、システム全体
の配管をやりなおして別のシステムを作り直すか、いま
のシステムを全て取り除き、他の別のシステムをMSに
接続することになる。前者の場合、極めて煩雑な手順と
労力と時間とを必要とされる。また、後者の場合は、多
くの分析モ−ド毎にLCインタ−フェイス部を用意しな
けれならず、これも極めて煩雑であった。いずれの場合
も、コスト面,スペ−ス面からも得策ではないという問
題があった。
【0020】また、多数の分析モ−ドを持つシステムで
は、モ−ド切換えの際、システム内が乾固しないように
し、メモリ−や詰まりなどを防ぐことが必要である。し
かし、従来の装置や分析法は、これらに対して充分な検
討がなされていないいう問題があった。さらに、LC/
MSは、一般のLC分析と大きく異なり、ある成分が高
濃度に存在する場合、分析系の汚染を少なくするため、
これらの高濃度成分がMSイオン源部9へ入るのを遮断
する工夫がなされていないという問題があった。
【0021】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、分析モ−ドの切換えを全て考
慮し、一つの分析モ−ドから他の一つの分析モ−ドに変
更する場合に、煩雑な手順と労力と時間とが不必要であ
り、かつ、コスト面,スペ−ス面からも有利であり、シ
ステム内の乾固,メモリ−,詰まりを防止し、また、特
定の高濃度成分のMSイオン源部9への排除がなされた
LCとMSとの直結法およびその装置を提供することを
目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るLC/MSの直結法の構成は、試料注
入口、分析カラム、ポンプや検出器等で構成されるLC
と、MSと、両者を結合させるインタ−フェイス部とを
有し、前記インタ−フェイス部は、試料注入口、複数の
切換えバルブと複数のポンプとトラップカラムと配管お
よびイオン化手段であるMSイオン源部等により構成さ
れ、当該バルブを切換えて、以下の4つの分析モ−ドを
随時、各々独立に選択し、直結するものである。 (a)LC分析カラムからの溶出液をMSイオン源部へ
直接全量またはスプリットして導入し、トラップカラム
は、洗浄液により洗浄される第一分析モ−ド。 (b)LC分析カラムから溶出した成分は、トラップカ
ラムにより捕捉され、MSイオン源部は洗浄液により洗
浄される第二分析モ−ド。 (c)トラップカラムに捕捉された成分は、溶離液によ
り溶離されMSイオン源部へ送られ、LCの分析カラム
からの溶出液は外部へ排出される第三分析モ−ド。 (d)トラップカラム,MSイオン源部は洗浄液により
洗浄され、LCの分析カラムからの溶出液は外部へ排出
される第四分析モ−ド。
【0023】また、本発明に係るLC/MSの直結装置
の構成は、試料注入口、分析カラム、ポンプや検出器等
で構成される液体クロマトグラフと、質量分析計と、両
者を結合させるインタ−フェイス部とを有し、当該イン
タ−フェイス部が、試料注入口、複数の切換えバルブと
複数のポンプとトラップカラムと配管およびイオン化手
段であるMSイオン源部と制御装置等で構成され、当該
制御装置により当該バルブを切換えて、以下の4つの分
析モ−ドを随時、各々独立に選択し、直結するものであ
る。 (a)LCの分析カラムからの溶出液は、MSイオン源
部へ直接全量またはスプリットして、導入され、トラッ
プカラムは、洗浄液により洗浄される第一分析モ−ド。 (b)LCの分析カラムから溶出した成分はトラップカ
ラムに捕捉され、MSイオン源部が洗浄液により洗浄さ
れる第二分析モ−ド。 (c)トラップカラムに捕捉された成分は、溶離液によ
り溶離されMSイオン源部へ送られ、LCの分析カラム
からの溶出液は、外部へ排出される第三分析モ−ド。 (d)トラップカラム,MSイオン源部は洗浄液により
洗浄され、LCの分析カラムからの溶出液は外部へ排出
される第四分析モ−ド。
【0024】すなわち、図31に示す(2)脱塩による
不揮発性移動相系の分析システムにおける脱塩システム
部25内に、(1)揮発性移動相系による分析システ
ム,(3)フロ−インジェクション分析システムと当該
(2)脱塩による不揮発性移動相系の分析システムとを
切換える機能を設けることになる。図1は、本発明の概
略を示すブロック図を示すものである。図1において、
1は分析移動相A、2はポンプ、3は試料注入口、4は
分析カラム、9はMSイオン源部、21,22,23,
24は三方切換えバルブ、25は不揮発性塩の脱塩シス
テム、27はLCコントロ−ラ、91,92は流路系で
ある。
【0025】(1)揮発性移動相系による分析システム
の場合には、試料は試料注入口3から注入され、三方切
換えバルブ21を、図示右方の分析カラム4側へ直進
し、分析カラム4に入り分離される。このとき、三方切
換えバルブ22、23を切換えて溶出液A1を流路系9
1に流すようにする。分析目的成分を含む溶出液Aは、
次に、三方切換えバルブ23と三方切換えバルブ24を
通過してMSイオン源部9へ送られる。これにより脱塩
システム部25をバイパスし、分析目的成分を含む溶出
液Aを直接MSイオン源部9に送り込み、イオン化され
マススペクトルを与えることができる。
【0026】(2)脱塩による不揮発性移動相系の分析
システムの場合には、不揮発性バッファや不揮発性塩を
含む移動相A1は、ポンプ2で送り出される。試料注入
口3から注入された試料は、三方切換えバルブ21を図
示右方の分析カラム4側へ直進し、分析カラム4に入
り、各成分毎に分離される。分析カラム4により分離さ
れた分析目的成分は、溶出液Aと共に、三方切換えバル
ブ22を、図示右方の脱塩システム部25側に進行し、
脱塩システム部25内へ送られる。
【0027】分析目的成分は、この脱塩システム部25
内のトラップカラム12(図示せず)に一旦捕捉された
後、移動相B(図示せず)で洗われ脱塩される。前記捕
捉された分析目的成分は、次に、不揮発性塩を含まぬ移
動相C(図示せず)で溶離される。分析目的成分を含む
溶出液Cは、三方切換えバルブ23,24を図示右方の
MSイオン源部9側に進行し、MSイオン源部9へ送ら
れ、イオン化されマススペクトルを与える。
【0028】また、(3)フロ−インジェクション分析
システムの場合は、試料注入口3に注入された試料溶液
は、キャリア溶媒、すなわち、移動相A1と共に三方切
換えバルブ21から流路系92、さらに三方切換えバル
ブ24を経由してMSイオン源部9へ送られ、イオン化
されマススペクトルを与える。これにより、分析カラム
4と脱塩システム部25をバイパスすることができ、試
料溶液は直接MSイオン源部9に送り込まれ、イオン化
されマススペクトルを与える。
【0029】このように複数の三方切換えバルブにより
流路を切換えれば、3つの分析システム(1)(2)
(3)を切換えることができる。これらバルブの切換え
は、LCコントロ−ラ27により随時、かつ、自由に行
うことができる。
【0030】
【作用】上記各技術手段の働きは次のとおりである。本
発明の構成によれば、(1)揮発性移動相系による分析
の場合は、カラム分離後、分析目的成分をMSへ直接送
り込み分析することも可能となる。また、(2)脱塩に
よる不揮発性移動相系の分析システムの場合には、試料
中の成分を分離した後、分析目的成分を捕捉し、不揮発
性塩のみを除去し、分析目的成分をMSへ送ることがで
きる。さらに、(3)フロ−インジェクション分析シス
テムは、バルブの切換えで構成可能であり、カラムの分
離を必要としない測定や系の最適化条件捜しなどのため
併せて用いることができる。
【0031】具体的にいえば、LC/MSにおいて、必
要とされる分析モ−ドおよびその手段が、バルブの切換
えにより一つのシステムにて達成でき、バックフラシュ
による高感度化、低濃度試料の濃縮、さらに、LC/M
Sシステムに溶出し、MSのイオン源部を汚染する恐れ
がある成分の除去等も自由に行なえる。ここで、MSイ
オン源部と記述している理由は、LC/MSのイオン化
には前述のように多くの方式があり、これらは広く利用
されているため特定できないためである。これら全ての
イオン化モ−ドおいて、本発明は全て有効に作用する。
またさらに、一連の分析操作の間、LC、ポンプなどは
中断することなく、系全体に溶媒が常に流れ、系全体の
汚染、詰まりなどが未然に防がれる。
【0032】
【実施例】以下に本発明の各実施例を図2ないし図28
を参照して説明する。 〔実施例 1〕図2は、本発明の一実施例に係るLC/
MSの分析系統を示す説明図、図3,4,5,6は、図
2の実施例に係るLC/MSの第一,第二,第三,第四
の各分析モ−ドの分析系統を示す説明図、図7は、不揮
発性移動相系によるLC/MSにおける分析モ−ド切換
の説明図、図8は、揮発性移動相系によるフロント除去
の分析モ−ド切換の説明図、図9は、不要成分除去の分
析モ−ド切換の説明図、図10は、繰返しによる試料濃
縮の分析モ−ド切換の説明図である。
【0033】図2,3,4,5,6において、1は移動
相A、2はポンプ、3は試料注入口、4は分析カラム、
5は検出器、6は移動相B、7はポンプ、8はテイ−、
9はMSイオン源部、10はポンプ、11は移動相C、
12はトラップカラム、18はテイ−、19は分岐抵
抗、DR1・・・DR4はドレイン、V−1は多方切換
えバルブ(以下、バルブという)、V−2はバルブ、1
a・・・1qはバルブV−1の切換えポート、2a・・
・2qはバルブV−2の切換えポート、30・・・45
は、バルブV−1,バルブV−2,ポンプ7、テイ−
8、MSイオン源部9、ポンプ10,移動相C11,ト
ラップカラム12,テイ−18,各ドレインDR1・・
DR4等の各構成部材間を接続する流路細管系(以下、
細管という)である。
【0034】図2に示す如く、溶離液槽に貯えられた分
析用の移動相A1は、ポンプ2で送り出される。試料溶
液は、マイクロシリンジなどにより試料注入口3から注
入され、連続して流れる移動相A1により分析カラム4
に移送される。移送された試料は、成分毎に分析カラム
4で分離され溶出してくる。溶出した成分は、検出器5
で検出された後、バルブV−2へ細管31を経て送ら
れ、切換えポ−ト2iへ達する。
【0035】細管は内径0.1mmから1.0mmの任
意のステンレス細管等を用いることができるが、好まし
くは0.1mmから0.5mmのステンレス管を用いる
とよい。バルブV−1およびバルブV−2は、それぞれ
8方、12方切換えバルブである。流路系の切換えは、
手動コックまたはCPU,LCコントロ−ラ(いずれも
図示せず)などで制御されたモ−タドライブにより行な
われる。これらバルブは、実線で示す流路と、破線で示
す流路を交互に切換えられるにようなっている。実線の
状態をIとし、破線の状態をIIとする。
【0036】これらの流路系は、その系内に2つのバル
ブを有しているため、バルブV−1がIとIIの2つの状
態、バルブV−2がIとIIの2つの状態、全体で4つの
バルブ状態の組合せが可能となる。2つのバルブは、前
述の如く、8方,12方切換えバルブを使用している
が、これ以上、多くの切換えポ−トを有するバルブ(例
えば、日立K−1600形16方バルブなど)を使用す
ることも可能である。
【0037】次に、各分析モ−ドについて説明する。 (1)第一分析モ−ドの場合 この分析モ−ドは、バルブV−1がI、バルブV−2が
Iの状態である。図3において、バルブの切換えポ−ト
の連結状態は、実線で示されている。例えば、バルブV
−1の1aと1bとの各ポ−トは連結されているが、1
aと1hとの各ポ−トは連結されていない。分析カラム
4から溶出した溶出液Aは、検出器5、細管31、切換
えポ−ト2i,2j、細管41、切換えポ−ト1f,1
e、細管38、切換えポ−ト2a,2b、細管37を経
てMSイオン源部9へ送り込まれ、イオン化され最終的
にマススペクトルを与える。
【0038】不揮発性塩を含まぬ溶離用の移動相C11
(例えば、水とアセトニトリルが1:9の溶液など)
は、ポンプ10で送り出され細管36、切換えポ−ト2
c,2d、細管35、切換えポ−ト1h,1g、細管4
2を経てDR2から外部へ排出される。第一分析モ−ド
における移動相C11の役割は、流路系を洗浄すること
である。
【0039】移動相B6(例えば、水)は、ポンプ7で
送り出され、ティ−8で2つに分岐される。分岐された
1方の移動相B6は、細管39、切換えポ−ト2l,2
k、細管40を経てDR3から外部へ排出される。ティ
−8で分岐された他の1方の移動相B6は、分岐抵抗1
9で流量を制限され、ティ−18によりさらに2つに分
岐される。
【0040】ティ−18により分岐された一つの流路の
移動相B6は、細管32、切換えポ−ト2h,2gに到
る。しかし、切換えポ−ト2gは、密栓されているため
停止する。そのため、ティ−18にて分岐したもう一つ
の流路の移動相B6は、細管33、切換えポ−ト1c,
1d、細管45を経て、トラップカラム12に図示の矢
印の方向から流入する。トラップカラム12からの溶出
液Dは、細管43、切換えポ−ト1a,1bを経てドレ
インDR1から外部へ排出される。分岐抵抗19は、流
路39と流路32、33間の流量を調整するもので、ニ
−ドルバルブで代用してもよい。
【0041】以上をまとめて説明すると、分析カラム4
からの溶出液Aは、MSイオン源部9へ連続的に送り込
まれ、目的成分のマススペクトルを与える。トラップカ
ラム12は、移動相B6により図示の矢印の順方向から
洗浄される。溶離用の移動相C11は流路を洗浄する。
【0042】(2)第二分析モ−ドの場合 この分析モ−ドは、バルブV−1がI,バルブV−2が
IIの状態にあり、分析目的成分は、トラップカラム12
により捕捉される場合である。図4において、分析カラ
ム4から溶出した溶出液Aは、検出器5、細管31、切
換えポ−ト2i,2hを介して細管32へ送り出され
る。
【0043】移動相B6は、ポンプ7により送り出さ
れ、ティ−8で分岐する。分岐した一方の移動相B6
は、分岐抵抗19を経て、ティ−18において溶出液A
と合流し、溶出液Aを希釈し、合流液を形成する。この
合流液は、細管33からバルブV−1に送られ、さら
に、切換えポ−ト1c,1d、細管45を経て、トラッ
プカラム12に図示の矢印の方向から流入する。
【0044】合流液に溶解している分析目的成分は、ト
ラップカラム12に直ちに捕捉される。捕捉された成分
以外の合流液は、ほとんど溶出液Bであり、細管43、
切換えポ−ト1a,1bを経て、ドレインDR1から外
部へ排出される。不揮発性塩を含まぬ溶離用の移動相C
11は、ポンプ10により、細管36、切換えポ−ト2
c,2b、細管37を経て、MSイオン源部9へ送ら
れ、MSイオン源9部およびその流路系を洗浄する。
【0045】ティ−8で分岐したもう一方の移動相B6
は、細管39、切換えポ−ト2l,2a、細管38、切
換えポ−ト1e,1f、細管41、切換えポ−ト2j,
2k、細管40を経て、ドレインDR3より外部へ排出
される。
【0046】以上をまとめて説明すると、分析カラム4
から溶出した分析目的成分は、トラップカラム12に捕
捉され、MSイオン源部9は移動相C11で洗浄され
る。次の第三分析モ−ドの適用を待つことになる。
【0047】(3)第三分析モ−ドの場合 この分析モ−ドは、バルブV−1はII,V−2はIの状
態にあり、第二分析モ−ドでトラップカラム12で捕捉
した分析目的成分を溶離し、溶離後MSイオン源部9に
導入する場合である。図5において、分析カラム4の溶
出液Aは、切換えポ−ト2i,2j、細管41、切換え
ポ−ト1f,1g、細管42を経てドレインDR2から
外部へ排出される。
【0048】不揮発性塩を含まぬ溶離用の移動相C11
は、ポンプ10により送り出され、細管36、切換えポ
−ト2c,2d、細管35、切換えポ−ト1h,1a、
細管43を経て、トラップカラム12に図示の矢印方向
に従い流入する。この第三分析モ−ドにおける移動相C
11の流れの方向は、前記の第一分析モ−ド,第二分析
モ−ドにおける移動相C11の流れの方向とは逆であ
る。
【0049】第二分析モ−ドにおいてトラップカラム1
2に捕捉された分析目的成分は、捕捉,脱塩,洗浄とは
逆方向から溶離される。溶離、溶出した分析目的成分を
含む溶出液Cは、細管45、切換えポ−ト1d,1e、
細管38、切換えポ−ト2a,2b、細管37を経てM
Sイオン源部9へ入る。分析目的成分は、MSイオン源
部9によりイオン化され、マススペクトルを与える。
【0050】一方、移動相B6は、ポンプ7で送り出さ
れ、ティ−8で二つに分岐し、その内、一方の流路の移
動相Bは、細管39、切換えポ−ト2l,2kを経てド
レインDR3から排出される。また、分岐された他の一
方の流路の移動相Bは、分岐抵抗19、ティ−18、細
管33、切換えポ−ト1c,1b、細管44を経てドレ
インDR1から外部へ排出される。
【0051】以上まとめて説明すると、分析カラム4の
溶出液Aは外部へ排出される。トラップカラム12に捕
捉された分析目的成分は、移動相C11によりバックフ
ラッシュで溶離される。そして、この分析目的成分は、
MSイオン源部9へ導入され、マススペクトルを与え
る。また、流路は移動相B6により洗浄される。
【0052】(4)第四分析モ−ド この第四分析モ−ドは、バルブV−1はII,V−2はII
の状態にあり、トラップカラム12,MSイオン源部9
を洗浄し、トラップカラム12が、分析目的成分を捕捉
していれば、分析目的成分を溶離させずに洗浄脱塩する
場合である。図6において、分析カラム4からの溶出液
Aは、細管31、切換えポ−ト2i,2h、細管32を
経た後、ティ−18に送られる。
【0053】移動相B6は、ポンプ7により送り出さ
れ、ティ−8において二つに分岐される。その一方は、
分岐抵抗19を経てティ−18に送られ、ティ−18に
おいて前記溶出液Aと合流する。この合流により、溶出
液Aは移動相B6により希釈される。そして、合流液
は、細管33、切換えポ−ト1c,1b、細管44を経
てドレインDR1から外部へ排出される。
【0054】また、ティ−8で分岐されたもう一方の流
路の移動相B6は、細管39、切換えポ−ト2l,2
a、細管38、切換えポ−ト1e,1d、細管45を経
て、図示の矢印方向からトラップカラム12に流入す
る。トラップカラム12からの溶出液Dは、細管43、
切換えポ−ト1a,1h、細管35、切換えポ−ト2
d,2e、細管34を経てドレインDR4から外部へ排
出される。移動相C11は、ポンプ10で送り出され、
細管36、切換えポ−ト2c,2b、細管37を経てM
Sイオン源部9を洗浄する。
【0055】以上をまとめて、説明すると、分析カラム
4からの溶出液Aは外部へ排出される。トラップカラム
12は順方向から移動相B6で洗浄される。MSイオン
源部9は不揮発性塩を含まぬ移動相C11で洗浄されて
いる。トラップカラム12に分析目的成分が捕捉されて
いる場合、移動相B6の極性を選ぶことにより、分析目
的成分は、溶離させずに洗浄脱塩が可能である。
【0056】次に、本実施例を用い、上述の第一,第
二,第三,第四の分析モ−ドを組合せ活用し、図7,
8,9,10を参照して、種々の具体的分析を説明す
る。 (1)脱塩後MSに導入する手順 図7において、上部に示すクロマトグラムは、検出器5
で検出された液体クロマトグラムであり、Xは目的分析
成分、Y,Z,V,Wは不要成分である。下部に示すバ
ルブ操作による分析モ−ド切り換えは、脱塩後MSに導
入する手順を示したものである。上部に示す液体クロマ
トグラムが、不揮発性のイオン性物質を含む移動相系の
分析にて得られたとする。図示する成分Xが分析目的成
分であり、この成分XをLC/MS測定するために脱塩
し、MSへ導入する手順を説明する。
【0057】まず分析に先立ち、トラップカラム12
は、前処理されるためにバルブが切換えられ、第四分析
モ−ドにされる。次に、試料を注入し、X成分が溶出す
る直前の保持時間t1まで第四分析モ−ドのままにす
る。このあいだ、分析カラム4から溶出する不要成分
V,Yは、溶出液Aと共に全て外部に棄てられる。ま
た、このあいだ、トラップカラム12は、移動相B6に
より洗浄されている。
【0058】次に、保持時間t1において、第二分析モ
−ドに切換えられる。分析目的成分Xは、トラップカラ
ム12により捕捉される。分析目的成分Xの溶出が完了
した時点t2で、分析モ−ドは再び第四分析モ−ドに切
換えられる。
【0059】この第四分析モ−ドは、数分間、実際には
3〜5分程度、保持され、トラップカラム12が、移動
相B6により脱塩洗浄される。この脱塩洗浄がなされて
いるあいだ、分析目的成分Xは、トラップカラム12に
捕捉されたままとなっている。
【0060】次に、分析モ−ドは、t3において、第三
分析モ−ドに切換えられ、トラップカラム12に捕捉さ
れた分析目的成分Xは、移動相C11によりバックフラ
ッシュにされて溶出される。分析目的成分Xを含む溶出
液Cは、MSイオン源部へ送り込まれ、マススペクトル
を与える。
【0061】MSへ分析目的成分の送り込みが完了した
4において、分析モ−ドは、再び第四分析モ−ドに切
換えられ、トラップカラム12は移動相B6で洗浄さ
れ、次のLC/MS測定に備える。この分析において
は、分析目的成分Xのみが、トラップカラム12に捕捉
され、脱塩、溶離の後、マススペクトルを与えることに
なる。一方、分析目的成分X以外の不要成分V,Y,
Z,Wはすべて外部に排出される。
【0062】(2)不揮発性塩を含まぬ移動相系でのL
C/MSの手順 図8において、上部に示すクロマトグラムは、検出器5
で検出された液体クロマトグラムであり、4つの成分、
V,X,Y,Zが、分析カラム4より順次溶出するもの
とする。X,Y,Zが分析目的成分であり、成分Vはボ
イドボリュ−ムで溶出した不要成分である。下部に示す
バルブ操作による分析モ−ド切り換えは、揮発性移動相
系によるLC/MSにおけるフロント除去手順を示した
ものである。
【0063】逆相クロマトグラフィ−の場合、イオン性
化合物,塩,極性の極めて高い化合物等は、カラムに保
持されず溶出される。一般に、これらの化合物は、MS
イオン源部9にそのまま導入されると、イオンサンプリ
ング細孔(図示せず)を詰らせたり、MSイオン源部9
を汚染する。
【0064】仮に、これら成分のマススペクトルが得ら
れたとしても、多くの場合、混合物であるためマススペ
クトルは有意の情報を提供しない。そのため、ボイドボ
リュ−ムにより溶出する成分を除去し、MSイオン源部
へ導入させないようにすれば、MSイオン源部9は長時
間清浄に保たれ、かつ、情報の欠落も無い。
【0065】図9において、Lは分析目的成分、O,
P,Qは微量成分、Mは主成分、Vはボイドボリュ−ム
により溶出する成分であり、M,V共に不要成分であ
る。不純物分析の場合、主成分たるMがMSイオン源部
9に導入されると、その後に続く微量成分O,P,Q等
が、成分Mのキャリ−オ−バ−などにより識別困難とな
ることがある。このような多量の成分Mが、何回もMS
イオン源部9に導入されると、MSイオン源部9の汚染
を早期に招き、ひいてはクリ−ニング間隔を縮めること
になる。これを解決するためには、多量に存在する非分
析成分Mが、MSイオン源に導入されず、外部に排出さ
れれば良い。
【0066】図8,9に示されている、ボイドボリュ−
ムにより溶出する成分Vや多量に存在する非分析成分M
は、第四分析モ−ドにより外部へ排出させることができ
る。このあいだ、MSイオン源部9は、溶媒、すなわ
ち、移動相C11が流し込まれ、このMSイオン源部9
のイオン化が、不安定になるのを防ぐと共に、その洗浄
が行なわれることになる。
【0067】不要成分M,Vが溶出したのち、第一分析
モ−ドにし、分析カラム4からの溶出液AがMSイオン
源部9へ導入され、マススペクトルが取得される。ま
た、不要成分の保持時間が、予め解っている場合、この
保持時間により、分析モ−ドを切換えることができる。
【0068】図8を参照して、ボイドボリュ−ムで溶出
する成分Vの除去を説明する。まず、第四分析モ−ドに
設定し、試料溶液は、試料注入口3から注入される。こ
の第四分析モ−ドは、保持時間t1になるまで維持す
る。この間に、溶出する不要成分Vは外部に排出され
る。
【0069】次に、保持時間t1において、第一分析モ
−ドにする。溶出液Aは直接MSイオン源部9に導かれ
る。分析目的成分X,Y,Zは、次々にイオン化されマ
ススペクトルを与える。次で、保持時間t2において、
第四分析モ−ドにすることにより、LC/MSは終了
し、カラムの洗浄、さらに、次の分析に備える。
【0070】図9において、ボイドボリュ−ムで溶出す
る成分Vや多量に存在する非分析成分Mの除去の例を示
す。分析モ−ドは、第四分析モ−ドにセットされ、試料
注入が行われる。保持時間t1まで第四分析モ−ドを維
持し、不要成分Vを外部に排出する。次に、保持時間t
1において、第一分析モ−ドを切換え、分析目的成分L
の測定を行うことができる。
【0071】主成分Mが溶出する直前t2において、第
四分析モ−ドに切り換え、主成分Mが溶出完了する保持
時間t3まで第四分析モ−ドに維持され、主成分Mは外
部に排出される。保持時間t3において、再び第一分析
モ−ドにセットし、分析目的成分O,P,Qの測定を行
う。保持時間t4において、第四分析モ−ドに設定し、
次の測定に備える。このようにして第一分析モ−ドと第
四分析モ−ドとを使いわけ、クロマトグラフィ−上で分
離した成分のMSイオン源への導入,除去を自由に行う
ことができる。
【0072】(3)フロ−インジェクション分析の手順 LC/MSの分析において、純品を分析する場合や混合
物でもマススペクトルのみを取得するだけで充分な場合
がある。このような場合には、LCカラムによる分離は
不要である。また、試料のイオン化の種類、例えば、A
PCIやESIの選択やイオン化条件の最適化、正、負
イオン化モ−ドの選択などには、フロ−インジェクショ
ン法が簡便である。
【0073】このフロ−インジェクションシステムは、
前述した図2において、移動相C11の流路系の一部に
注入口3’を設けることである。図6の示すごとく、分
析モ−ドを第四に設定すると、分析カラム4は、常に分
析用の移動相A1で洗浄される。また、トラップカラム
12も移動相B6で洗浄される。MSイオン源部9は、
移動相C11で洗浄されている。試料溶液は、細管36
の途中に設けられた注入口3’から繰り返し、MSイオ
ン源部9へ送り込まれ、簡単、かつ、短時間にマススペ
クトルを得ることができる。
【0074】図4に示した第二分析モ−ドにおいても、
同様にしてフロ−インジェクション法による分析ができ
る。しかし、第二分析モ−ドにおいては、分析カラム4
からの溶出液Aが、移動相B6で希釈されトラップカラ
ム12に流入する。一方、第四分析モ−ドにおいては、
分析カラム4とトラップカラム12とは、全く独立の流
路系であり、相互に関連が無い。そのため、フロ−イン
ジェクション分析には、第四分析モ−ドが好適である。
【0075】(4)分析目的成分の濃縮分析する手順 LC/MS測定において、分析目的成分の濃度が低く、
分析が困難である場合がある。このような場合、本実施
例のシステムにより分析目的成分を濃縮する事が可能と
なる。
【0076】図10を参照してその手順を説明する。L
C/MSにおいて、第四分析モ−ドに設定し試料を注入
する。分析目的成分Xが、溶出する直前のt1で第二分
析モ−ドに切換え、トラップカラム12に分析目的成分
Xを捕捉する。分析目的成分Xの溶出が完了した時点t
2において、第四分析モ−ドに切換える。分析目的成分
X以外の成分の溶出が完了後、試料を再び注入する。
【0077】このように、第四分析モ−ドと第二分析モ
−ドとを交互に切換え、注入を繰り返す事により、トラ
ップカラム12に分析目的成分Xが、捕捉され濃縮され
る。分析目的成分Xを捕捉し、濃縮が完了した時点t0
において第三分析モ−ドに切換え、分析目的成分Xがバ
ックフラッシュにより溶離され、MSイオン源部9に送
り込まれる。
【0078】このような試料注入の繰り返しにより、ト
ラップカラム12に捕捉される分析目的成分Xのバンド
幅は、1回の捕捉の場合より拡大するが、トラップカラ
ム12の種類,長さ,移動相Bの極性,希釈率(比)を
検討することにより、バンド幅の拡がりは極力狭められ
る。また、バックフラッシュによる溶離は、バンド幅の
拡がりをキャンセルする働きがある。
【0079】以上の如く、〔実施例 1〕により、試料
の脱塩分析,不揮発性塩を含まぬ移動相系の分析,その
際の不要成分の除去,フロ−インジェクション分析や微
量成分の濃縮も単なるバルブ操作で可能となる。
【0080】〔実施例 2〕次に、本発明の他の実施例
に係るLC/MSを説明する。図11,12,13,1
4は、本発明の他の実施例に係るLC/MSの分析系統
を示す説明図である。図中、図2,3,4,5,6と同
一符号は、同等部分であるので説明を省略する。新しい
符号のみ説明する。図11,12,13,14において
V−1,V−2,V−3は、六方切り換えバルブ、3
a,3b・・3fは、六方切り換えバルブV−3の切り
換えポ−ト、80,81・・・88,89は、細管であ
る。
【0081】本実施例を係るLC/MSシステムは、六
方バルブを3個使用したシステムである。図11に示す
システムは、〔実施例 1〕の第一分析モ−ドに相当す
る。分析用の移動相A1はポンプ2で送り出される。試
料注入口3から導入された試料は、分析用カラム4で成
分毎に分離され、検出器5で検出される。検出器5を出
た分析目的成分を含む溶出液Aは、細管80からバルブ
V−1の切り換えポ−ト1a,1f、細管84、切り換
えポ−ト1e,1d、細管83、バルブV−2の切り換
えポ−ト2d,2c、さらに細管87を経て、MSイオ
ン源部9に導入される。
【0082】このあいだ、トラップカラム12は、ポン
プ7で送り出された移動相B6が、ティ−8、細管8
5、切り換えポ−ト2a,2b、細管86経由で送ら
れ、図示の矢印方向から洗浄される。なお、バルブV−
3のポ−ト3cは、密栓されている。この第一分析モ−
ドにおいては、分析カラム4から溶出する分析目的成分
を直接MSイオン源部9に導き分析することができる。
【0083】図12に示す分析系統は、〔実施例 1〕
の第二分析モ−ドに相当する。分析カラム4より溶出し
た分析目的成分を含む溶出液Aは、バルブV−1の切り
換えポ−ト1a,1b、細管81、3e,3dを経て細
管85に送り出される。さらに、溶出液Aは細管85の
途中に設けられたティ−8において移動相B6と合流
し、移動相B6により希釈される。この生成した合流液
は、バルブV−2の切り換えポ−ト2a,2b、細管8
6を経てトラップカラム12に矢印の方向から流入す
る。分析目的成分はトラップカラム12に捕捉される。
【0084】トラップカラム12に捕捉されない溶出液
Bは、細管88、切り換えポ−ト2e,2f、細管89
を経てドレインDR1から外部へ排出される。このあい
だ、MSイオン源部9は、ポンプ10で送り出され、細
管82、切り換えポ−ト1c,1d、細管83、切り換
えポ−ト2d,2c、細管87を経由して送られた移動
相C11で洗浄されている。この第二分析モ−ドにおい
ては、分析カラム4から溶出する分析目的成分をトラッ
プカラム12に捕捉することができる。
【0085】図13に示す分析系統は、第三分析モ−ド
に相当する。移動相C11は、ポンプ10で送り出さ
れ、細管82を経てバルブV−1に入る。次に、切り換
えポ−ト1c,1d、細管83を経てバルブV−2に入
り、さらに、切り換えポ−ト2d,2e、細管88から
トラップカラム12に、図示の矢印方向から流入する。
【0086】移動相C11により捕捉された分析目的成
分は、バックフラッシュにより溶離される。分析目的成
分を含む溶出液Cは、細管86からバルブV−2に入
る。次いで、切り換えポ−ト2b,2c、細管87を経
て、MSイオン源部9に入る。このあいだ、分析カラム
4からの溶出液Aは、検出器5、細管80、切り換えポ
−ト1a,1b、細管81、切り換えポ−ト3e,3f
を経てドレインDR2から外部へ排出される。
【0087】この第三分析モ−ドにおいては、トラップ
カラム12に捕捉された分析目的成分は、バックフラッ
シュにより溶離され、MSイオン源部9に導入され、マ
ススペクトルを得ることができる。
【0088】図14に示す分析系統は、第四分析モ−ド
に相当する。移動相B6は、ポンプ7で送り出され、テ
ィ−8から細管85を経由してバルブV−2に入る。な
お、バルブV−3の切り換えポ−ト3cは密栓されてい
る。さらに、移動相B6は、切り換えポ−ト2a,2
b、細管86を経てトラップカラム12に図示の矢印方
向から流入し、トラップカラム12を洗浄する。トラッ
プカラム12からの溶出液Dは、細管88、切り換えポ
−ト2e,2f、細管89を経てドレインDR1から外
部へ排出される。
【0089】移動相C11は、ポンプ10で送り出さ
れ、細管82、切り換えポ−ト1c,1d、細管83、
切り換えポ−ト2d,2c、細管87を経由し、MSイ
オン源部9へ送り込まれる。これにより、MSイオン源
部9は洗浄される。この分析モ−ドでは、トラップカラ
ム12の洗浄が可能であり、捕捉された分析目的成分の
脱塩が可能になる。
【0090】以上のように、〔実施例 1〕と同様に、
〔実施例 2〕においては、第二,第三,第四分析モ−
ドを切換えることにより、不揮発性成分を含む分析系か
ら、目的成分を捕捉、脱塩し、MSへ導入することが可
能となる。また、不揮発性成分を含まぬ分析系において
は、第一分析モ−ドと第四分析モ−ドを用いてボイドボ
リュ−ムで溶出する成分や多量の非分析成分を除去し、
分析目的成分だけを直接MSへ導入することができる。
また、フロ−インジェクション分析も第四分析モ−ドに
おいて、溶離液C11の流路系路の細管82上に試料注
入口3’を設置し、試料を注入すれば簡単に行なうこと
ができる。
【0091】〔実施例 3〕本発明のさらに他の実施例
に係るLC/MSを説明する。本実施例は、16方バル
ブを2個用いた例を示す。図15,16,17,18
は、さらに他の実施例に係るLC/MSの分析系統を示
す説明図である。図中、図2,3,4,5,6と同一符
号は、同等部分であるので説明を省略する。新しい符号
のみ説明する。図15,16,17,18において、V
−1,V−2は、16方切り換えバルブ、1a,1b・
・1qは、16方切り換えバルブV−1の切り換えポ−
ト、2a,2b・・2qは、16方切り換えバルブV−
2の切り換えポ−ト、50,51・・72,73は細管
である。
【0092】〔実施例 1〕,〔実施例 2〕と同様、
第一,第二,第三,第四の4つの分析モ−ドが可能であ
る。本実施例においては、第四分析モ−ドのとき、試料
注入口3が、分析カラム4と独立となる。この試料注入
口3を用いることにより、フロ−インジェクションが可
能となる。すなわち、前述した〔実施例 1〕,〔実施
例 2〕と相異なる点は、LC分離分析用の試料注入口
3とフロ−インジェクションの試料注入口とが、一個の
試料注入口により共用されていることである。これは、
試料注入にオ−トサンプラ−など大規模な試料注入法が
用いられるシステムの場合、LC分離分析時とフロ−イ
ンジェクション分析時とにおいて、配管の変更などが必
要なくなり、操作性が向上する利点がある。
【0093】図15は、第一分析モ−ドに相当する。分
析用の移動相A1はポンプ2で送り出される。細管6
3、バルブV−1の切り換えポ−ト1q,1p、細管5
1を経由して、試料注入口3に到る。試料は注入口3か
ら注入され、細管64、切り換えポ−ト1b,1a、細
管50を経由して分析カラム4に流入する。
【0094】試料は成分毎に分離されカラム4を溶出す
る。溶出液Aに含まれる分析目的成分は検出器5で検出
された後、バルブV−2の切り換えポ−ト12n,2
m、細管56を経て再びバルブV−1に入る。さらに、
切り換えポ−ト1j,1iを経由して細管57で再びバ
ルブV−2に入り、切り換えポ−ト2a,2b、細管7
3を経て、MSイオン源部9へ導入される。
【0095】このあいだに、移動相B6はポンプ7によ
り送り出され、ティ−8で細管65、切り換えポ−ト2
q,2p、細管66を経由する液と、分岐抵抗19を経
由する液とに分岐されるが、ティ−18で再び合流す
る。この再び合流した移動相B6は、細管59、切り換
えポ−ト1g,1h、細管58を経てトラップカラム1
2を図示の矢印方向から洗浄する。洗浄後、溶出液D
は、細管61、切り換えポ−ト1e,1f、細管60を
経てドレインDR1から外部へ排出される。移動相C1
1はポンプ10で送り出され、ティ−20で2つに分岐
される。
【0096】分岐された1方の流路は、細管70、切り
換えポ−ト2f,2e、細管54を経てバルブV−1に
入り、切り換えポ−ト1l,1k、細管55を経てドレ
インDR2から外部へ排出される。もう一方の流路は、
ティ−20において細管52に分岐され、切り換えポ−
ト1n,1m、細管53、切り換えポ−ト1d,1c、
細管62、切り換えポ−ト2c,2dを経てドレインD
R3から外部へ排出される。この第一分析モ−ドは、分
析カラム4からの溶出液AをそのままMSイオン源部9
へ送り込むことができる。このあいだ、トラップカラム
12や細管などは溶媒により洗浄されている。
【0097】図16は、第二分析モ−ドに相当する。分
析カラム4から溶出した溶出液Aは、バルブV−2の切
り換えポ−ト2n,2p、細管66を経てティ−18に
流入する。移動相B6は、ポンプ7によりティ−8、分
岐抵抗19を経由して送られ、ティ−18において溶出
液Aと合流し、希釈して合流液となる。
【0098】この合流液は、細管59、バルブV−1の
切り換えポ−ト1g,1hを経て、細管58からトラッ
プカラム12に、図示の矢印方向から流入する。分析目
的成分は、トラップカラム12に捕捉された後、捕捉さ
れない溶出液Bは、細管61、切り換えポ−ト1e,1
f、細管60を経てドレインDR1から外部へ排出され
る。
【0099】移動相C11は、ポンプ10により送りだ
され、ティ−20で2つに分岐される。分岐した1方の
流路の移動相C11は、細管70、切り換えポ−ト2
f,2g、細管69を経てドレインDR4から外部へ排
出される。ティ−20で分岐したもう1方の流路の移動
相C11は、細管52を経てバルブV−1に到り、切り
換えポ−ト1n,1m、細管53、切り換えポ−ト1
d,1c、細管62、切り換えポ−ト2c,2b、細管
73を経由してMSイオン源部9へ入る。
【0100】この第二分析モ−ドでは、分析カラム4を
溶出した分析目的成分をトラップカラム12に捕捉する
ことができる。このあいだ、MSイオン源部9は、移動
相C11で洗浄されていることになる。
【0101】図17は、第三分析モ−ドに相当する。分
析カラム4から溶出した溶出液Aは、切り換えポ−ト2
n,2m、細管56、切り換えポ−ト1j,1k、細管
55を経てドレインDR2から外部へ排出される。移動
相B6はポンプ7で送り出され、ティ−8において、細
管65、切り換えポ−ト2q,2p、細管66を経由す
る液と、分岐抵抗19を経由する液とに分岐される。そ
して、ティ−18において再び合流する。この合流した
移動相B6は、細管59、切り換えポ−ト1g,1fを
経てドレインDR1から外部へ排出される。
【0102】移動相C11はポンプ10で送り出され、
ティ−20において2つに分岐される。分岐した一方の
移動相C11は、細管70、切り換えポ−ト2f,2
e、細管54、切り換えポ−ト1l,1m、細管53、
切り換えポ−ト1d,1e、細管61を順次経由し、ト
ラップカラム12に図示の矢印方向から流入する。
【0103】これにより、トラップカラム12に捕捉さ
れている分析目的成分は、バックフラッシュにより溶離
させる。この分析目的成分を含む溶出液Cは、細管5
8、切り換えポ−ト1h,1i、細管57、切り換えポ
−ト2a,2b、細管73を経てMSイオン源9に送り
込まれマススペクトルを与える。
【0104】ティ−20で分岐したもう1つの流路系の
移動相C11は、細管52、切り換えポ−ト1n,1
p、細管51を経て試料注入口3を洗浄し、細管64、
切り換えポ−ト1b,1c、細管62、切り換えポ−ト
2c,2dを経てドレインDR3から外部へ排出され
る。
【0105】この第三分析モ−ドは、バックフラッシュ
で捕捉された分析目的成分を溶離させ、マススペクトル
を与える。そして、他の流路系は洗浄され、分析カラム
4からの溶出液Aは外部に排出される。
【0106】図18は、第四分析モ−ドに相当する。分
析用の移動相A1は、ポンプ2で送り出され、細管6
3、切り換えポ−ト1q,1a、細管50を経て分析カ
ラム4に入る。さらに、検出器5、細管67を経て、切
り換えポ−ト2n,2p、細管66、ティ−18、細管
59、切り換えポ−ト1g,1fを順次経てドレインD
R1から外部へ排出される。
【0107】移動相C11はポンプ10により送り出さ
れ、ティ−20で2つに分岐される。分岐した1方の流
路の移動相C11は、細管70、切り換えポ−ト2f,
2g、細管69を経てドレインDR4から外部へ排出さ
れる。分岐したもう1方の流路の移動相C11は、細管
52よりバルブV−1に入り、切り換えポ−ト1n,1
p、細管51、試料注入口3、細管64、切り換えポ−
ト1b,1c、細管62、切り換えポ−ト2c,2b、
細管73を経由してMSイオン源部9に入る。
【0108】移動相B6は、ポンプ7により、切り換え
ポ−ト2q,2a、細管57、切り換えポ−ト1i,1
h、細管58を順次経由してトラップカラム12に送り
込まれる。この移動相B6がトラップカラム12を図示
の矢印方向から洗浄する。洗浄後、溶出液Dは、細管6
1、切り換えポ−ト1e,1d、細管53、切り換えポ
−ト1m,1l、細管54、切り換えポ−ト2e,2
d、細管72を順次経由して、ドレインDR3から外部
へ排出される。
【0109】この第四分析モ−ドにおいては、トラップ
カラム12は移動相B6により洗浄される。また、MS
イオン源部9は移動相C11により洗浄される。試料注
入口3が、前記移動相C11の洗浄流路系に分析カラム
4と独立して設けられている。そのため、第四分析モ−
ドにおいては、MSイオン源部9へ試料のフロ−インジ
ェクション分析が可能になる。一方、分析カラム4は分
析用の移動相Aにより洗浄されている。
【0110】本実施例においても、第一,第二,第三,
第四分析モ−ドの切換えにより、分析試料の脱塩、LC
/MS直結分析、不要成分の除去、フロ−インジェクシ
ョン分析が達成される。
【0111】〔実施例 4〕本発明のさらに他の実施例
に係るLC/MSを説明する。図19は、本発明のさら
に他の実施例に係るLC/MSのブロック図、図20
は、図19のLC/MSの高濃度成分の自動除去の動作
説明図である。図19において、図中、図2,9と同一
符号は、同等部分であるので説明を省略する。新しい符
号のみ説明する。26は比較器、27はLCコントロ−
ラ、28はLC/MS、図20において、O,P,Qは
分析目的成分、Mは主成分,Vはボイドボリュ−ムで溶
出する成分であり、M,V共に不要成分である。
【0112】図19に示すごとく、検出器5は、分析カ
ラム4の後段に配置され、分析カラム4から溶出してく
る成分をモニタし、比較器26は、常に、検出器5の出
力電圧Vsと比較電圧Vrとを比較するようになってい
る。高濃度の成分が溶出されると、検出器5の出力電圧
Vsが、比較電圧Vrより大となり、LCコントロ−ラ
27は、第四分析モ−ドへの切換え指示をLC/MS2
8へ出力する。高濃度の成分の溶出が終わり、検出器5
の出力電圧Vsが、比較電圧Vrより小となると、LC
コントロ−ラ27は、第四分析モ−ドを元に戻すように
LC/MS28に指示する。
【0113】図20に従い、分析モ−ドの切換えを説明
する。第四分析モ−ドに設定ののち、試料注入が行われ
る。ボイドボリュ−ムで溶出する成分Vは系外に排出さ
れる。保持時間t1において、第一分析モ−ドに切換え
られ分析目的成分O,Pの測定が行われる。高濃度の成
分Mが溶出し、検出器5の出力電圧Vsが比較電圧Vr
を上回ったとき、すなわち、t2において、分析モ−ド
は第一分析モ−ドから第四分析モ−ドへ自動的に切換え
られる。高濃度の成分Mの溶出が進み、出力電圧Vsが
比較電圧Vrを下回ったとき、すなわち、t3におい
て、分析モ−ドは第一分析モ−ドに再び戻る。
【0114】この第一分析モ−ドにおいて、主成分Mの
溶出したのちに、溶出される分析目的成分Qの測定を行
うことができる。保持時間t4において、LC/MS測
定が終了し、第四分析モ−ドに切換えられ次の分析に備
える。本実施例によれば、高濃度の成分の保持時間が不
知であっても、高濃度成分の除去が可能になり、高濃度
成分によるキャリ−オバ−を未然に防ぐことができる。
【0115】(実験例)上記の本発明を用いて行なった
実験の結果を次に説明する。実験に供した試料は、分子
量が331のアゾ−ル系抗真菌剤である。分析条件は次
のとおりである。使用したシステムは、図11に示す
〔実施例 2〕のシステムである。分析カラム4は、Y
MC−Pack A−312 ODS 6×150m
m、ポンプは、株式会社日立製作所製L−6200 2
台(図示のポンプ5およびポンプ10)およびL−60
00 1台(図示のポンプ7)、LC/MS装置は、株
式会社日立製作所製M−1000、MSイオン源部9
は、大気圧化学イオン化(APCI)、トラップカラム
12は、4×30mmのODSカラム、検出器5は、日
立L−4250UVモニタを用い、検出波長は260n
mである。試料は、分析用の移動相で溶解し、濃度10
0μl/mlに調製した。この試料溶液100μl(試
料注入量10μg)を試料注入口3から注入した。
【0116】図21は、本実施例による第一実験例の液
体クロマトグラム、図22は、本実施例による第一実験
例のマスクロマトグラム、図23は、本実施例による第
二実験例の液体クロマトグラム、図24は、本実施例に
よる第二実験例のマスクロマトグラム、図25は、本実
施例による第三実験例の液体クロマトグラム、図26
は、本実施例による第三実験例のマスクロマトグラム、
図27は、本実施例による第四実験例の液体クロマトグ
ラム、図28は、本実施例による第四実験例のマスクロ
マトグラムである。
【0117】(実験例 1)図21,22は、揮発性移
動相の分析系における溶出液が、そのまま全量MSへ注
入される分析実験例を示すものである。移動相A1は、
アセトニトリルと酢酸アンモニウム0.01M水溶液を
5:12に混合した溶液である。移動相A1の流速は
1.2ml/minであり、分析はアイソクラテックで
行った。
【0118】図21は、検出器5の出力、すなわち、液
体クロマトグラムであり、分析目的成分が、8.78分
に溶出している。図22は、LC/MSで検出したm/
z332の擬分子イオン(M+H)のマスクロマトグラ
ムである。この分析は第一分析モ−ドにより測定され
た。すなわち、LC溶出液は全てMSイオン源部9に送
られ分析された。図22においてマスクロマトグラムの
右肩の数字4611は、ピ−クの高さ、すなわち、m/
z332の擬分子イオンの検出された最大電流値(単
位.mA)に相当する。
【0119】(実験例 2)図23,24は、図21,
22と同じ分析であるが、ボイドボリュ−ムで溶出する
成分を除去し、分析目的成分をMSに導入した分析実験
例を示す。図23は検出器5でモニタした液体クロマト
グラムであり、分析目的成分は、8.72分に溶出して
いる。一方、不要成分は、3.46分においてボイドボ
リュ−ムにより溶出している。
【0120】この分析は、まず第四分析モ−ドに設定し
たのち、試料を注入しLC分析を開始する。第四分析モ
−ドは、3分前後に出現するボイドボリュ−ムの成分を
除去するため、7分まで維持する。7分経過後、第一分
析モ−ドに切り換え、LCの溶出液AはMSイオン源部
9へ導入される。
【0121】このようにして、ボイドボリュ−ムが溶出
する塩などは外部に排出され、分析目的成分はMSイオ
ン源部9へ導入させることができる。図24は、m/z
332の擬分子イオンによるマスクロマトグラムであ
り、バルブ切換え操作が行なわれても、分析目的成分の
保持時間は変化しない。
【0122】(実験例 3)図25,26は、(実験例
1),(実験例 2)と同じ分析ではあるが、ボイド
ボリュ−ムにより溶出する成分を除去し、分析目的成分
のトラップカラムによる捕捉を行ない、脱塩後MSへ導
入した測定例を示す。図25は、検出器5による液体ク
ロマトグラムである。移動相A1は、酢酸アンモニウム
溶液であり、LC/MSにおいて、特に脱塩の必要はな
い。
【0123】本実験例は、システムの機能を実証するた
めに行なったものである。試料注入から7分までは、第
四分析モ−ドに維持し、溶出液Aは外部に廃棄され、同
時にトラップカラム12の前処理を行なう。7分から
9.8分まで、第二分析モ−ドを維持し、分析カラム4
から溶出する分析目的成分を捕捉する。9.8分から1
5分まで、第四分析モ−ドが維持され、脱塩され、ま
た、溶出液Aは外部に廃棄される。15分後に、第三分
析モ−ドにし、トラップカラム12に捕捉された分析目
的成分をバックフラッシュにより溶離させる。
【0124】ここにおいて、注目すべきことは、(実験
例 1)の図22と(実験例 2)の図24とのLC/
MS測定において検出されたピ−ク高さ値は、それぞれ
4611、3925であったのに対し、本実験例によっ
て得られたピ−ク高さ値は、7970となった点であ
る。バックフラッシュにより溶出したピ−クが、分析カ
ラム4から溶出した時よりシャ−プになり、その分高さ
が増したことを意味する。これは、検出限界ぎりぎりの
濃度の試料の測定に極めて有利になる。そのため、この
感度増加は本システムのもう一つの利点といえる。揮発
性移動相系においても、この系を使用すれば高感度分析
ができることを示唆している。
【0125】(実験例 4)図27,28は、不揮発性
の移動相を用いた時の分析例を示す。移動相A1は、メ
タノ−ルと0.05Mリン酸二水素カリウム水溶液との
比を35:65とし使用した。その流量は1.2ml/
minである。トラップカラム12に捕捉された分析目
的成分を溶離する移動相C11は、90%アセトニトリ
ル水溶液である。また、希釈用の移動相B6は、水10
0%である。試料は、分析用の移動相A1で溶解し、濃
度100μg/mlに調製し、その100μlを注入し
た。カラムは、YMC A−312 ODS 6×15
0mmを使用した。トラップカラムは、4×30mm
ODSカラムである。このLCによる分析結果は図27
に示す。この条件において、ピ−クが、17.38分に
出現している。
【0126】本実験例の脱塩システムによる実験測定例
が図28に示されている。試料注入直後から16分まで
は、第四分析モ−ドとなり、分析カラム4からの溶出液
Aは外部へ排出される。このあいだ、トラップカラム1
2は移動相B6、すなわち、水で洗浄されている。16
分経過すると、第二分析モ−ドに切り換え、分析目的成
分はトラップカラム12により捕捉される。
【0127】分析目的成分の溶出が完了した18.4分
において、第四分析モ−ドに切換えられ、トラップカラ
ム12においては、移動相B6、すなわち、水が流さ
れ、脱塩が行なわれる。保持時間23分において、第三
分析モ−ドとし、トラップカラム12に捕捉された成分
が、移動相C11によるバックフラッシュで溶出され、
MSへ送り込まれる。
【0128】この場合、マスクロマトグラムのピ−ク高
さ値は9894となり、(実験例3)の酢酸アンモニウ
ム溶液系での分析と同様に、ピ−クはシャ−プになる。
これは、(実験例 1)の酢酸アンモニウム溶液系によ
る直接MS導入の場合のピ−ク高さ値4611の倍以上
になっている。本システムによれば、不揮発性バッファ
や不揮発性塩を共用する系もLC/MSが可能となる。
さらに高感度化も併せ達成できる。
【0129】尚、上記説明した各実施例,各実験例は、
バルブの切り換えにより第一分析モ−ド,第二分析モ−
ド,第三分析モ−ド,第四分析モ−ドを選択し接続する
LC/MSの直結法のものについて説明したが、LC/
MSの直結装置における各実施例,各実験例は、図1に
示す如くLCコントロ−ラ27によりバルブV−1,V
−2,V−3と流路系91,92との接続を自由に切り
換えるように構成することにより、前記LC/MSの直
結法の各実施例,各実験例と同様となるので、詳細な説
明は省略する。
【0130】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、分析モ−ドの切換えを全て考慮し、一つの分析モ
−ドから他の一つの分析モ−ドに変更する場合に、煩雑
な手順と労力と時間とが不必要であり、かつ、コスト
面,スペ−ス面からも有利であり、システム内の乾固,
メモリ−,詰まりを防止し、また、特定の高濃度成分の
MSイオン源部9への排除がなされたLCとMSとの直
結法およびその装置を提供することができる。すなわ
ち、LC/MSにおいて必要とされる次の三つの分析モ
−ドが、バルブの切換により一つのシステムにて達成で
きる。 (1)揮発性の移動相系による分析の場合、分析カラム
4からの溶出液Aを直接MSイオン源部9へ導入し分析
する。またMSイオン源部9の汚染等を防ぐため不要成
分を除去する。 (2)不揮発性成分を含む移動相系で分離した分析目的
成分を脱塩、MSイオン源部9への導入分析する。 (3)LC分離を必要としないフロ−インジェクション
分析により、分析目的成分を直接MSイオン源部9へ導
入し分析する。 これにより、各分析モ−ド毎に配管、装置の変更が必要
無くなり、操作性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係るLC/MSの分析系統
を示す説明図である。
【図3】図2の実施例に係るLC/MSの第一分析モ−
ドの分析系統を示す説明図である。
【図4】図2の実施例に係るLC/MSの第二分析モ−
ドの分析系統を示す説明図である。
【図5】図2の実施例に係るLC/MSの第三分析モ−
ドの分析系統を示す説明図である。
【図6】図2の実施例に係るLC/MSの第四分析モ−
ドの分析系統を示す説明図である。
【図7】不揮発性移動相系によるLC/MSにおける分
析モ−ド切換の説明図である。
【図8】揮発性移動相系によるフロント除去の分析モ−
ド切換の説明図である。
【図9】不要成分除去の分析モ−ド切換の説明図であ
る。
【図10】繰返しによる試料濃縮の分析モ−ド切換の説
明図である。
【図11】本発明の他の実施例に係るLC/MSの第一
分析モ−ドの分析系統を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施例に係るLC/MSの第二
分析モ−ドの分析系統を示す説明図である。
【図13】本発明の他の実施例に係るLC/MSの第三
分析モ−ドの分析系統を示す説明図である。
【図14】本発明の他の実施例に係るLC/MSの第四
分析モ−ドの分析系統を示す説明図である。
【図15】本発明のさらに他の実施例に係るLC/MS
の第一分析モ−ドの分析系統を示す説明図である。
【図16】本発明のさらに他の実施例に係るLC/MS
の第二分析モ−ドの分析系統を示す説明図である。
【図17】本発明のさらに他の実施例に係るLC/MS
の第三分析モ−ドの分析系統を示す説明図である。
【図18】本発明のさらに他の実施例に係るLC/MS
の第四分析モ−ドの分析系統を示す説明図である。
【図19】本発明のさらに他の実施例に係るLC/MS
のブロック図である。
【図20】図18のLC/MSの高濃度成分の自動除去
の動作説明図である。
【図21】第一実験例の液体クロマトグラムである。
【図22】第一実験例のマスクロマトグラムである。
【図23】第二実験例の液体クロマトグラムである。
【図24】第二実験例のマスクロマトグラムである。
【図25】第三実験例の液体クロマトグラムである。
【図26】第三実験例のマスクロマトグラムである。
【図27】第四実験例の液体クロマトグラムである。
【図28】第四実験例のマスクロマトグラムである。
【図29】各種溶液定義のためブロック図である。
【図30】従来の揮発性移動相系によるLC/MSのブ
ロック図である。
【図31】従来の不揮発性移動相系によるLC/MSの
ブロック図である。
【図32】従来のフロ−インジェクションMSのブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 移動相A 2 ポンプ 3 試料注入口 4 分析カラム 5 検出器 6 移動相B 7 ポンプ 8 テイ− 9 MSイオン源部 10 ポンプ 11 移動相C 12 トラップカラム 18 テイ− 19 分岐抵抗 DR1・・・DR4 ドレイン V−1,V−2,V−3 バルブ 1a・・1q バルブV−1の切換えポート 2a・・2q バルブV−2の切換えポート 3a・・3f バルブV−3の切換えポ−ト 30・・89 細管 21,22,23,24 三方切換えバルブ 25 不揮発性塩脱塩システム部 26 比較器 27 LCコントロ−ラ 28 LC/MS 30・・89 細管 91,92 流路系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 義昭 茨城県勝田市大字市毛882番地 株式会社 日立製作所計測器事業部内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料注入口、分析カラム、ポンプや検出
    器等で構成される液体クロマトグラフと、質量分析計
    と、両者を結合させるインタ−フェイス部とを有し、 当該インタ−フェイス部が、試料注入口、複数の切換え
    バルブと複数のポンプとトラップカラムと配管およびイ
    オン化手段である質量分析計イオン源部等で構成され、
    当該バルブを切換えて、以下の4つの分析モ−ドを随
    時、各々独立に選択されるように接続することを特徴と
    する液体クロマトグラフと質量分析計との直結方法。 (a)液体クロマトグラフの分析カラムからの溶出液を
    質量分析計イオン源部へ直接全量またはスプリットして
    導入し、トラップカラムは、洗浄液により洗浄される第
    一分析モ−ド。 (b)液体クロマトグラフの分析カラムから溶出した成
    分は、トラップカラムに捕捉され、質量分析計イオン源
    部は、洗浄液で洗浄される第二分析モ−ド。 (c)トラップカラムに捕捉された成分は、溶離液によ
    り溶離され質量分析計イオン源部へ送られ、液体クロマ
    トグラフの分析カラムからの溶出液は、外部へ排出され
    る第三分析モ−ド。 (d)トラップカラム,質量分析計イオン源部は洗浄液
    により洗浄され、液体クロマトグラフの分析カラムから
    の溶出液は、外部へ排出される第四分析モ−ド。
  2. 【請求項2】 第三分析モ−ドにおいて、トラップカラ
    ムに洗浄液の流す方向が、第一分析モ−ド,第二分析モ
    −ド,第四分析モ−ドとは逆の方向になるように接続す
    ることを特徴とする請求項1記載の液体クロマトグラフ
    と質量分析計との直結方法。
  3. 【請求項3】第一分析モ−ドと第四分析モ−ドとにおい
    て、複数のバルブにより両モ−ドを切換え、液体クロマ
    トグラフの分析カラムから溶出した分析妨害成分と不要
    成分との除去と、分析目的成分の質量分析計イオン源部
    への導入,分析とが自由に選択されるように接続するこ
    とを特徴とする請求項1および2記載のいずれかの液体
    クロマトグラフと質量分析計との直結方法。
  4. 【請求項4】 第二分析モ−ドにおいて、トラップカラ
    ムに分析目的成分が捕捉され、第四分析モ−ドにおい
    て、トラップカラムが洗浄され、第三分析モ−ドにおい
    て、トラップカラムに捕捉された成分が溶離され、MS
    イオン源部へ分析目的成分が送り込まれるように接続す
    ることを特徴とする請求項1ないし3記載のいずれかの
    液体クロマトグラフと質量分析計との直結方法。
  5. 【請求項5】 毎回の試料注入分析において、第四分析
    モ−ドと第二分析モ−ドとを組み合わせ、トラップカラ
    ムに分析目的成分を濃縮させた後、第四分析モ−ドと第
    三分析モ−ドとにより質量分析計イオン源部へ分析目的
    成分が送り込まれるように接続することを特徴とする請
    求項1ないし4記載のいずれかの液体クロマトグラフと
    質量分析計との直結方法。
  6. 【請求項6】 第四分析モ−ドにおいて、試料注入口か
    ら直接質量分析計イオン源部へ試料溶液を導入する経路
    により、試料注入口から試料溶液が質量分析計イオン源
    部へ直接送り込まれるように接続すること特徴とする請
    求項1ないし5記載のいずれかの液体クロマトグラフと
    質量分析計との直結方法。
  7. 【請求項7】 液体クロマトグラフの分析カラムと液体
    クロマトグラフ直結質量分析計インタ−フェイス部との
    流路間に溶出成分をモニタできる検出器を設け、前記検
    出器の出力値と設定された溶出成分値とを比較し、前記
    検出器の出力値が設定値を越えたとき、液体クロマトグ
    ラフ溶出液が外部に排出されるように分析モ−ドの接続
    を切り換えることを特徴とする請求項1ないし5記載の
    いずれかの液体クロマトグラフと質量分析計との直結方
    法。
  8. 【請求項8】 試料注入口、分析カラム、ポンプや検出
    器等で構成される液体クロマトグラフと、質量分析計
    と、両者を結合させるインタ−フェイス部とを有し、 当該インタ−フェイス部が、試料注入口、複数の切換え
    バルブと複数のポンプとトラップカラムと配管およびイ
    オン化手段である質量分析計イオン源部と制御装置等で
    構成され、当該制御装置により当該バルブを切換えて、
    以下の4つの分析モ−ドを随時、各々独立に選択される
    ように接続することを特徴とする液体クロマトグラフと
    質量分析計との直結装置。 (a)液体クロマトグラフの分析カラムからの溶出液
    は、質量分析計イオン源部へ直接全量またはスプリット
    して導入され、トラップカラムを洗浄液により洗浄する
    第一分析モ−ド。 (b)液体クロマトグラフの分析カラムから溶出した成
    分は、トラップカラムに捕捉され、質量分析計イオン源
    部は洗浄液で洗浄される第二分析モ−ド。 (c)トラップカラムに捕捉された成分は、溶離液によ
    り溶離され質量分析計イオン源部へ送られ、液体クロマ
    トグラフの分析カラムからの溶出液は、外部へ排出する
    第三分析モ−ド。 (d)トラップカラム,質量分析計イオン源部は、洗浄
    液により洗浄され、液体クロマトグラフの分析カラムか
    らの溶出液は外部へ排出される第四分析モ−ド。
  9. 【請求項9】 第三分析モ−ドにおいて、トラップカラ
    ムに洗浄液の流す方向を、第一分析モ−ド,第二分析モ
    −ド,第四分析モ−ドとは逆の方向になるように接続す
    ることを特徴とする請求項7記載の液体クロマトグラフ
    と質量分析計との直結装置。
  10. 【請求項10】 第一分析モ−ドと第四分析モ−ドとに
    おいて、複数のバルブにより両モ−ドを切換え、液体ク
    ロマトグラフの分析カラムから溶出した分析妨害成分と
    不要成分との除去と、分析目的成分の質量分析計イオン
    源部への導入,分析とが自由に選択されるように接続す
    ることを特徴とする請求項8および9記載のいずれかの
    液体クロマトグラフと質量分析計との直結装置。
  11. 【請求項11】 第二分析モ−ドにおいて、トラップカ
    ラムに分析目的成分が捕捉され、第四分析モ−ドにおい
    て、トラップカラムが洗浄され、第三分析モ−ドにおい
    て、トラップカラムに捕捉された成分が溶離され、MS
    イオン源部へ分析目的成分が送り込まれるように接続す
    ることを特徴とする請求項8ないし10記載のいずれか
    の液体クロマトグラフと質量分析計との直結装置。
  12. 【請求項12】 毎回の試料注入分析において、第四分
    析モ−ドと第二分析モ−ドとを組み合わせ、トラップカ
    ラムに分析目的成分を濃縮させた後、第四分析モ−ドと
    第三分析モ−ドとにより質量分析計イオン源部へ分析目
    的成分が送り込まれるように接続することを特徴とする
    請求項8ないし11記載のいずれかの液体クロマトグラ
    フと質量分析計との直結装置。
  13. 【請求項13】 第四分析モ−ドにおいて、試料注入口
    から直接質量分析計イオン源部へ試料溶液を導入する経
    路により、試料注入口から試料溶液が質量分析計イオン
    源部へ直接送り込まれるように接続することを特徴とす
    る請求項8ないし12記載のいずれかの液体クロマトグ
    ラフと質量分析計との直結装置。
  14. 【請求項14】 液体クロマトグラフの分析カラムと液
    体クロマトグラフ直結質量分析計インタ−フェイス部と
    の流路間に溶出成分をモニタできる検出器と、この検出
    器の出力値と溶出成分の設定値とを比較する比較器とを
    設け、前記検出器の出力値が設定値を越えたとき、液体
    クロマトグラフ溶出液が外部に排出されるように分析モ
    −ドの接続を切換えることを特徴とする請求項8ないし
    12記載のいずれかの液体クロマトグラフと質量分析計
    との直結装置。
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