JPH062009A - グリーン体の時効処理方法及び装置 - Google Patents

グリーン体の時効処理方法及び装置

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JPH062009A
JPH062009A JP4159852A JP15985292A JPH062009A JP H062009 A JPH062009 A JP H062009A JP 4159852 A JP4159852 A JP 4159852A JP 15985292 A JP15985292 A JP 15985292A JP H062009 A JPH062009 A JP H062009A
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JP
Japan
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green body
binder
powder
degreasing
temperature
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JP4159852A
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English (en)
Inventor
Eiji Nakamu
栄治 中務
Ippei Yamauchi
一平 山内
Masao Takeda
正夫 武田
Shuichi Tanaka
秀一 田中
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】成形体に変形や水分等の吸着が生じる不具合を
解消する。 【構成】大気圧下でバインダーB中の一部の低分子量成
分bL が溶融し且つグリーン体自体が軟化を起こさない
温度領域で徐々に昇温させる時効処理を施し、その結
果、グリーン体中の高分子量成分bH が偏在化したイエ
ロー体W(Y) の状態にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱脂を好適に且つ効率
良く行わせるために有用となるグリーン体の時効処理方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉末の射出成形製造プロセスでは、金
属、セラミックス、サーメット等の粉体にバインダー
(ワックス等の低分子量成分、熱加塑性樹脂等の高分子
量成分、その他を適宜の分量で配合したもの)を混合
し、所要形状に射出成形していわゆるグリーン体を得
る。しかる後、このグリーン体を脱脂工程でバインダー
を加熱蒸発させることによりバインダーを100%近く
除去したいわゆるブラウン体の状態にする。そして、こ
のブラウン体を焼結工程で焼結に付すことにより、最終
製品を得るようにしている。脱脂工程と焼結工程とは、
別々の炉で行われる場合と、脱脂・焼結炉で一貫して行
われる場合とがあるが、いずれにしても、脱脂に長時間
を費やすことが欠陥の少ない製品を得るために必要とさ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の脱脂
炉と焼結炉を組み合わせた手法では、脱脂炉において、
グリーン体を400℃前後まで加熱することにより、バ
インダを100%近く蒸発、除去し、ブラウン体にする
のであるが、この際、室温〜400℃〜室温の熱履歴に
より、粉体が変質する可能性がある。また、ブラウン体
は内部のバインダが除去され、粉体の表面が露出してい
るため、焼結炉へ移す際に、大気中の酸素や水分によ
り、粉体の表面が変質しやすい。さらに、保形材のバイ
ンダが除去されたブラウン体は搬送時に変形や欠けを惹
起し易い。
【0004】一方、脱脂と焼結を単一の炉内にて一貫し
て処理するようにした脱脂・焼結炉の場合においては、
グリーン体を直接炉に入れて加熱し、脱脂を行うため
に、脱脂に長時間を費やし、焼結炉としての稼動率が極
めて低くなるという問題を抱える。
【0005】さらに、脱脂工程の一環として、抽出脱脂
が試みられているが、この手法によると、溶剤中に抽出
されたバインダの回収が難しく、環境汚染を防ぐには大
掛かりな装置が必要となる。
【0006】本発明は、このような課題に着目してなさ
れたものであって、成形体中のバインダの成分が分離
し、偏在化した、仮称イエロー体なる状態を想定し、仮
称グリーン体の時効(枯らし)処理により、このイエロ
ー体を積極的につくりだすことによって、上記の問題を
有効に解消することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。
【0008】すなわち、本発明に係るグリーン体の時効
処理方法は、粉体とバインダーを混合してグリーン体を
成形し、そのグリーン体に対して大気圧下でバインダー
成分中の一部の低分子量成分が溶融し且つグリーン体が
軟化を起こさない温度領域で保温または徐々に昇温させ
る熱処理を施し、その結果、グリーン体を、経過的にバ
インダーのみが変質したイエロー体の状態にすることを
特徴とする。
【0009】その温度領域は、時効処理を実質的に進行
させるために60℃程度を下限値とし、また、粉体を変
質させないために一般に200℃程度を上限値とするの
が適当である。しかし、200℃前後から脱脂率が急増
することに鑑みれば、粉体の表面を露出させない意味で
上限値を160℃以下に抑え、脱脂率を数%に止どめる
ことがより好ましい。
【0010】そのための装置としては、粉体とバインダ
ーを混合して成形されるグリーン体を収容する容器と、
大気圧下でこの容器内の温度を感知しつつバインダー中
の一部の低分子量成分が溶融し且つグリーン体が軟化を
起こさない温度領域で該容器内を保温または徐々に昇温
させる加熱手段とを具備してなるものが挙げられる。
【0011】
【作用】グリーン体は、通常、粉体の粒子間にバインダ
ーが介在し、そのバインダーはワックス等の低分子量成
分と樹脂等の高分子量成分がほぼ均質に混合した状態に
ある。この状態では、バインダーのうち特に高分子量成
分が離散して存在するので、低分子量成分が溶融すると
保形力はグリーン体中の微小区域に作用するのみであ
り、グリーン体全体に対する有効な保形力とはなり難
い。したがって、バインダーがこのような状態にあると
きに、急激な昇温処理を施して溶融成分の割合が増加す
ると、だれを惹起し易くなる。一方、グリーン体に対し
て本発明に係る時効処理を施すと、バインダーの変質、
すなわち、バインダー中の低分子量成分の一部が溶融す
るとともに周辺の融点の高い高分子量成分が移動可能と
なり、それ自体の凝集作用によって溶融した低分子量成
分を排除しながら徐々に偏在化するという変質を生じ
る。このイエロー体においては、高分子量成分は網状と
なって凝集し、各束は保形力を成形体の広い範囲に及ぼ
しめるので、結果的に成形体全体の保形力が増大し、だ
れを生じ難くする。このため、その後の脱脂処理におい
て高速で低分子量成分を溶融、蒸発させても、だれの発
生が有効に防止される。また、かかるイエロー体におけ
る脱脂率は数wt%、せいぜい多く見積もっても10w
t%程度であり、依然としてバインダーが粉体の表面を
覆った状態にあり、搬送時などに粉体の表面の酸化や水
分の吸着が生じる不具合も有効に防止される。さらに、
脱脂を目的としないため、特殊な雰囲気圧は不要であ
り、大気圧下で処理を行うことができ、また、脱脂率が
小さいためバインダーを回収するための複雑な機構を特
に必要としなくなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。
【0013】図1に示すグリーン体の時効処理装置は、
容器1の内面に断熱材2を貼着し、その内部に棚板3を
配設したものである。棚板3が配設される空間の周辺に
はヒータ4が設けられ、その上方には電動機5aによっ
て駆動されるファン5が取り付けてあり、ヒータ4とフ
ァン5の協働によって、棚板3にセットした成形品Wを
均熱加熱するようになっている。
【0014】また、ヒータ4は温度コントローラ6に接
続され、この温度コントローラ6は前記容器1に付帯し
て設けた温度調節器7が感知する容器内温度Tを予め設
定した温度に保持すべく前記ヒータに対するパワーの制
御を司どるようになっている。この場合、ヒータ4と温
度コントローラ6が本発明の加熱手段を構成している。
装置内の雰囲気は大気である。
【0015】ここにおいて、図2は温度コントローラに
6設定されている時効処理に係る温度処理パターンを示
している。この設定においては、処理開始後、比較的短
時間で容器1内を65℃まで加熱し、そこから約18時
間かけて160℃まで昇温させ、そこでヒータ4の電源
を落とすようになっている。
【0016】このような方法によると、次のような作用
効果が生じる。すなわち、当初の成形体W、すなわちグ
リーン体W(G) は、図3に示すように粉体の粒子Aの間
にバインダーBが介在した状態にあり、バインダーB
は、図4に拡大図示するようにワックス等の低分子量成
分bL と樹脂等の高分子量成分bH が均質に混合した状
態にある。このグリーン体W(G) に対して図2に示した
温度パターンに沿って時効処理を施すと、図5に示すよ
うにバインダーBの一部に変質が生じる。すなわち、バ
インダーB中の低分子量成分bL の一部が溶融し、この
とき、融点の高い高分子量成分bH が移動し易くなっ
て、それ自身の凝集しようとする力により溶融した低分
子量成分bL を押し除けながら高分子量成分bH 同士が
凝集し、偏在化する。このようなバインダーBの変質の
結果、図4のグリーン体W(G) が図5のイエロー体W
(Y) に変化する。このイエロー体W(Y) においては、粉
体A中にいわば高分子量成分bH の根が張った状態にな
る。そして、この高分子量成分bH によって、それが離
散して存在するグリーン体W(G) や、バインダーBが略
100%除去されたブラウン体(図示せず)の状態に比
べて、イエロー体W(Y) 全体の保形力が増大し、その後
の脱脂処理時に高速で低分子量成分bL が溶融、蒸発し
ても、イエロー体W(Y) 全体のだれの発生が有効に防止
される。また、処理温度が160℃程度においてはこの
イエロー体W(Y) の脱脂率は高々数%であり、依然とし
てバインダーBが粉体Aの表面を覆っているとともに、
ポーラスも少ないため、搬送時における粉体Aの表面の
酸化や水分の吸着も有効に防止できる。
【0017】このため、本実施例に係るグリーン体の時
効処理方法によると、従来に比べて処理中に変形や水分
吸着などの不具合が発生する事態を有効に回避すること
ができ、品質の高い成形品を歩留まりよく生産すること
が可能になる。また、この方法によると、簡易な時効処
理装置を別置してグリーン体を保存しておき、必要に応
じて脱脂・焼結炉に入れ、急速に脱脂を開始すればよい
ので、従来のようにグリーン体を脱脂・焼結炉に入れて
長時間脱脂処理を行う必要がなく、炉の稼動効率を従来
に比べて格段に向上させることが可能になる。さらに、
脱脂炉に比べて脱脂率が大幅に小さく、ワックスを処理
するための格別の装置が不要になり、大気開放された簡
単な容器を用いるだけでよいので、装置も簡略なもので
済む。
【0018】なお、本発明は上述した実施例のみに限定
されるものではない。例えば、前記実施例における温度
処理パターンは一例に過ぎず、処理時間に18時間以上
かけるようにしたものや、200℃程度にまで昇温させ
るようにしたもの、あるいは、蒸発物の100%回収を
意図して、水冷式の簡単な凝縮器8を付加したものな
ど、種々の変形実施が可能である。
【0019】また、本発明に係る方法は脱脂と焼結を一
貫して行うようにした脱脂・焼結炉にも適用することが
できる。図6はその脱脂・焼結炉を示すものであり、炉
101内に配置されたタイトボックス102の内部に成
形体Wを収容し、この成形体Wをヒータ103で加熱し
て、脱脂および焼結を連続して行うようになっている。
104はガス導入系であり、105は排気系である。ヒ
ータ103は図示しない温度コントローラが制御するよ
うにしている。しかして、その温度処理パターンは、図
7に例示されるように、炉101内に成形体Wを収容し
た後、6時間程度に亘って前記実施例と同様の時効処理
を施し、しかる後、本来の脱脂工程を開始すると同時
に、時間τの間に炉内を不活性ガスで置換する処理を並
行して行う。このように、本発明によれば時効処理時に
ワックス等が殆ど発生しないため、処理開始当初から炉
内を不活性ガスで置換する必要がなく、置換に要する時
間τ分だけ従来に比べて脱脂/焼結に要する時間を確実
に短縮することができ、ガスの消費が少なくなる。勿
論、一旦イエロー体の状態にしてから焼結を開始するの
であるから、だれの問題も前記実施例と同様に解決する
ことができる。時効処理中は大気下で行なうほか、不活
性ガス雰囲気(N2 、Ar)でもよい。また、冷却板1
06を回転させて炉内のガスを循環させ炉内均熱化を図
ることができる。さらに、排気系105を動かして積極
的に空気を導入してもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明に係るグリーン体の時効処理方法
および装置は、成形体が物性的に安定化する領域、すな
わち、イエロー体と仮称したところの中間体の状態に経
過的に変質させるようにしたため、その後の成形体の搬
送において、成形体に変形や水分等の吸着が生じる不具
合を確実に解消できる効果が得られる。また、このイエ
ロー体においては、高速で脱脂処理が行なえるため、脱
脂・焼結炉の稼動効率を大巾に向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、時効処理装置を示す
模式的な断面図。
【図2】同実施例における時効処理の温度処理パターン
を示すグラフ。
【図3】同実施例にけるグリーン体の粒子構造を示す
図。
【図4】図3の部分拡大図。
【図5】同実施例におけるイエロー体の粒子構造を示す
図4に対応した図。
【図6】本発明の他の実施例を示し、時効処理方法が適
用される複合炉の断面図。
【図7】同実施例における時効処理の温度処理パターン
を示す図2に対応したグラフ。
【符号の説明】
A…粉体 B…バインダー bL …低分子量成分 bH …高分子量成分 W…成形体 W(G) …グリーン体 W(Y) …イエロー体 1…容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 秀一 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉体とバインダーを混合してグリーン体を
    成形し、そのグリーン体に対して大気圧下でバインダー
    の成分の一部が溶融し且つグリーン体が軟化を起こさな
    い温度領域で保温または徐々に昇温させる熱処理を施
    し、その結果、グリーン体を、経過的にバインダーのみ
    が変質したイエロー体の状態にすることを特徴とするグ
    リーン体の時効処理方法。
  2. 【請求項2】粉体とバインダーを混合して成形されるグ
    リーン体を収容する容器と、大気圧下でこの容器内の温
    度を感知しバインダー中の一部の成分が溶融し且つグリ
    ーン体が軟化を起こさない温度領域で該容器内を保温ま
    たは徐々に昇温させる加熱手段とを具備してなることを
    特徴とするグリーン体の時効処理装置。
JP4159852A 1992-06-18 1992-06-18 グリーン体の時効処理方法及び装置 Pending JPH062009A (ja)

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