JPH0620074A - ニューロコンピュータ用電子素子 - Google Patents

ニューロコンピュータ用電子素子

Info

Publication number
JPH0620074A
JPH0620074A JP4175701A JP17570192A JPH0620074A JP H0620074 A JPH0620074 A JP H0620074A JP 4175701 A JP4175701 A JP 4175701A JP 17570192 A JP17570192 A JP 17570192A JP H0620074 A JPH0620074 A JP H0620074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electronic device
voltage
electrodes
organic
josephson junction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4175701A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Takeda
俊彦 武田
Isaaki Kawade
一佐哲 河出
Kiyoshi Takimoto
清 瀧本
Takeshi Eguchi
健 江口
Naohito Nakamura
尚人 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP4175701A priority Critical patent/JPH0620074A/ja
Publication of JPH0620074A publication Critical patent/JPH0620074A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で、抵抗値をアナログ的に変化さ
せることができ、かつ低電圧で作動する電子素子を可塑
性素子及び非線形素子として用いたニューロコンピュー
タ用電子素子を提供する。 【構成】 一対の電極間に有機薄膜を挟持した少なくと
も1個以上の有機電子素子、また一対の超伝導金属の電
極間に超伝導金属酸化物の微粒子膜を接続した少なくと
も1個以上のジョセフソン接合素子と、前記素子の導電
率を制御する電圧印加装置と、前記有機電子素子または
ジョセフソン接合素子を入力側に電気的に結合した非線
形素子からなるニューロコンピュータ用電子素子。及び
上記ジョセフソン接合素子の構造とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子エレクトロニクスの
分野で利用され、特に電子素子を用いたニューロコンピ
ュータ用のデバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ニューロコンピュータ用のデバイ
スの研究開発が盛んに行われている。
【0003】図10はデバイス開発の基礎となるニュー
ロンの工学モデルとして示す図である。
【0004】20は神経細胞の細胞体に対応しており、
Nコのシナプス結合をもつものとしている。19はN番
目のシナプス結合とする、各シナプスに信号が入力(信
号の強さをそれぞれS1 ,S2 ,・・・,SN とする)
されたとき、各信号はシナプス結合の強さ(それぞれW
1 ,W2 ,・・・,WN とする)に対応した重みづけを
されるとする。細胞体が興奮するかしないか等はこの重
みづけをされた信号の総和
【0005】
【外1】 により制御される。よく知られた形式ニューロンモデル
によると前記重みづけをされた信号の総和がしきい値を
越えたならば細胞体は興奮するとしている。このよう
に、神経細胞は一言でいうと、多入力1出力非線形素子
といえる。そして、神経系のもつ高度な機能、例えば、
学習や記憶等の機能は前記シナプス結合の強弱の変化
(これを可塑性という)により担われていると考えられ
ている。
【0006】従って、ニューロコンピュータ用デバイス
の開発では(a)シナプスの可塑性と(b)多入力1出
力非線形素子をいかに実現するかがキーポイントとなっ
ている。(a)で示したシナプスの可塑性は可変抵抗器
を用いて、その抵抗値をシナプス結合の強さに対応させ
ることで実現しようとしている。その方法として次のよ
うな形態がある。
【0007】第一はさまざまな固定抵抗をスイッチで選
択的に接続して必要な抵抗値を得る方法(Alspec
tor:Advances in Neural In
formation Processing Syst
ems 1, MorganKaufman Pub・
1989)。
【0008】第二はトランジスタにおいてゲート電圧を
制御し、チャネル抵抗を変える方法(Shimabuk
uro:Electronics Letters.V
ol24・No19 1988)。
【0009】第三は固定抵抗を用意し、それに直列接続
されたスイッチの開閉の仕方により実効抵抗値を変える
スイッチト・レジスタの方法(秋山:信学技報CPSY
88−16,1988)。
【0010】第四に、それに類似したスイッチト・キャ
パシタの方法(Tsividis:Electroni
cs Letters.Vol23,No18,198
7)である。
【0011】しかしながら、これらの従来技術による可
変抵抗は構成要素が多く構造が複雑であるといった問題
点があった。従って、従来技術による多値の可変抵抗を
VLSIに実装することが難しいのが現状であった。
又、構造が複雑なため占有面積が大きくなり集積度をあ
げにくくなるといった問題点があった。
【0012】以上は無機物を用いた例であるが、有機物
を用いた可変抵抗がいくつか提案されている。例えば、
鉛フタロシアニンを用いた素子があるが、この素子を作
動させるには50V程度といった高電圧が必要であっ
た。
【0013】一方、(b)で述べた神経細胞の細胞体の
工学モデルである多入力1出力非線形素子をデバイス化
する研究も進められている。
【0014】しかし、細胞体の非線形性を実現するため
には、前述したシナプスの可塑性を実現するのと同様に
所望の非線形特性を発現させるために素子の構成要素が
複雑化するといった問題点があった。そのためVLSI
に実装するのが困難であるといった問題点があった。
【0015】また、前記可塑性と非線形特性を発現させ
るために用いられる電子素子として、ジョセフソン接合
素子があるが次のような問題がある。
【0016】2つの超伝導体を非常に近接させると(例
えば約1nm)、その超伝導性がトンネル効果によって
一方の超伝導体から他方の超伝導体に伝達され、双方の
超伝導体間に位相の相関が生じる。このようなトンネル
効果すなわちジョセフソン効果を生じさせるためのジョ
セフソン接合素子には、ごく薄い絶縁層をはさんで2つ
の超伝導体を接合させるタイプのものの他、以下に例を
挙げるような種々のタイプがある。
【0017】図11には、基板21上に作成された超伝
導金属からなる電極22の幅の狭い部分(ブリッジ部)
の上から常伝導金属23を蒸着することにより、常伝導
金属23の近接効果によってブリッジ部の超伝導性が破
れ、ジョセフソン接合素子が得られる例が示されてい
る。また、図12に示すように、平板状の超伝導体24
に非常に先のとがった超伝導体25の先端を押し付ける
ことによって、点接触接合型のジョセフソン接合素子が
得られる。
【0018】常伝導金属や絶縁層を用いずに、超伝導金
属の電極22の一部に断面積の小さい部分(ブリッジ部
26)を設けてジョセフソン接合素子とした例として、
図13〜15に示されるようなものがある。図13に示
したものでは、電極22の厚さTは一定であるが、ブリ
ッジ部26において電極22の幅が非常に狭くなってい
る。図14に示したものでは、電極22の横幅は一定と
し、電極22の一部の膜厚を極めて薄くしてブリッジ部
26における断面積を小さくしたものである。図15
は、電極22の幅および膜厚の双方をくびれさせてブリ
ッジ部26を構成した例である。これら図13〜15に
示したタイプのジョセフソン接合素子はブリッジ型接合
と呼ばれるものである。ブリッジ型接合のジョセフソン
接合素子は、電極と接合部とが同一平面にあって異種接
合界面を持たず、1つの基板上に作成できるなどの利点
を有し、種々のタイプのジョセフソン接合素子の内でも
応用上、特に重要なものであるとされている。
【0019】上述したような各種のジョセフソン接合と
は別に、超伝導体の微粒子薄膜がジョセフソン接合とな
ることも知られている(日本応用物理学会1987年春
季年会、31a−ZM−1〜2)。これは、例えば反応
性高周波スパッタリングなどによって窒化ニオブ(Nb
N)の非常に薄い膜(膜厚約10nm)をガラス基板上
に成膜すると、このNbN薄膜がジョセフソン接合とし
ての性質を有するようになるというものであり、このと
きこの薄膜の微粒子径は約10nm、微粒子間バリア厚
は約1nm程度である。
【0020】しかしながら、上述したブリッジ型接合の
ジョセフソン接合素子は、製造時にブリッジ部の幅、厚
さあるいは長さに対して非常に高い精度が要求され、製
造が非常に困難であった。例えば図13に示したように
幅方向にくびれを設けてブリッジ型接合とする場合、ブ
リッジ部の長さLと幅Wのいずれについても典型的なコ
ヒーレント長(例えば0.1μm)に比べ小さくしない
と、ジョセフソン接合素子として機能しない。また、図
14や図15に示したようにブリッジ部において超伝導
金属からなる電極の膜厚を薄くする場合、ブリッジ部以
外での電極の厚さTが200nm程度とすると、ブリッ
ジ部での厚さtは50nm程度に制御しなければなら
ず、製造に困難を伴う。
【0021】また、超伝導体の微粒子薄膜で形成される
ジョセフソン接合素子も、微粒子薄膜を形成する微粒子
の粒径や微粒子相互の間隔を精密に制御する必要がある
ため製造が困難であり、特に、基板上の広い面積にわた
って多数のジョセフソン接合素子を形成する場合などに
は適していない。
【0022】以上説明したように、従来のジョセフソン
接合素子は、簡単に製造できるものがなく、特に基板上
の広い面積にわたって多数個製造することが困難である
という問題点がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記の諸問題を解決す
べく研究した結果得られたもので、本発明の目的は、構
造が簡単で、抵抗値をアナログ的に変化させることがで
き、かつ低電圧で作動する特定の電子素子を可塑性素子
および非線形素子として用いたニューロコンピュータ用
電子素子を提供することである。
【0024】また、上記特定の電子素子として、特定構
成の有機電子素子とジョセフソン接合素子および該ジョ
セフソン接合素子の製造方法を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の電極間
に有機薄膜を挟持した少なくとも1個以上の有機電子素
子と、該有機電子素子の導電率を制御する電圧印加装置
と、該有機電子素子を入力側に電気的に結合している非
線形素子からなることを特徴とする電子素子であり、そ
の有機電子素子の導電率が前記電圧印加装置からの電圧
により連続的に変化することができ、かつ、しきい値以
下の電圧印加では導電率が保存される特徴を有し、有機
薄膜の膜厚が4オングストロームから1000オングス
トロームの範囲であり、少なくとも1種のπ電子系を有
する有機化合物で構成されていること、および非線形素
子が有機薄膜を一対の電極間に挟持した有機電子素子で
あり、この有機薄膜の膜厚が4オングストロームから1
000オングストロームの範囲であり、少なくとも1種
のπ電子系を有する有機化合物で構成されていることを
特徴としている。
【0026】また、超伝導金属からなり微少間隔で相対
する一対の金属と該電極間に接続された超伝導金属の酸
化物からなる微粒子膜を有し、該微粒子膜がその形成後
に通電処理されているものである少なくとも1個以上の
ジョセフソン接合素子と、該ジョセフソン接合素子に電
圧を印加する電圧印加装置と、前記ジョセフソン接合素
子と同じ構成であるジョセフソン接合素子を入力側に電
気的に結合している非線形素子からなることを特徴とす
る電子素子であり、前記ジョセフソン接合素子の一対の
電極の間隔が100μm以下であることを特徴としてい
る。
【0027】さらに、本発明に用いられるジョセフソン
接合素子は、基板上に、それぞれ超伝導金属からなる第
1の電極および第2の電極を微少の間隔をおいて形成
し、前記第1および第2の電極を接続するように、微小
の間隔に超伝導金属の酸化物からなる微粒子膜を形成
し、そののち、真空中において前記第1および第2の電
極間に電圧を印加して前記微粒子膜に通電して製造され
ることを特徴としている。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0028】最初に、本発明に関する有機電子素子につ
いて説明する。次に、本発明に関する人工シナプス結合
および非線形素子について説明する。さらに、電子素子
としてジョセフソン接合素子について説明する。 《有機電子素子》図1は本発明に関する有機電子素子の
一実施例の構造を示す模式図である。1は基板、2は下
地電極、3は上電極、4は有機薄膜、5は電圧印加装置
である。本発明では、以上のような構造の有機電子素子
の電極間に印加する電圧値を変化させることで、有機電
子素子の導電率を連続的に変化させ、さらにその状態
(導電率)を保持させる。また、該導電率をしきい値電
圧(以下Vt と呼ぶ)を印加することで初期の導電率か
ら大きく変化させることができ、その導電率を極大とす
ることができる。
【0029】印加電圧パターンは特に限定されるもので
はなく、例えば矩形波、三角波、のこぎり波等が挙げら
れる。例えば、本発明に関する素子に矩形波を印加した
場合、矩形波の波高(パルス高)を増加させるに従い、
矩形波印加後の素子の抵抗値も増加させることができ
る。しかも、パルス高に対して一義的に素子抵抗が決ま
り、その各抵抗状態は矩形波印加後も保存されている。
【0030】印加電圧の波高(パルス高)も特に限定さ
れないが、2V〜12Vの範囲で変化させることが本発
明に関する素子を安定に駆動させるためには好ましく、
特に2V〜10Vの範囲で変化させることがより好まし
い。
【0031】また、電圧掃引時間(パルス幅)も特に限
定されない。尚、本発明に用いる有機電子素子の有機薄
膜として適用可能な有機材料は著しく多岐にわたる。
【0032】本発明に用いる有機材料として好適な色素
の構造としては例えば、フタロシアニン、テトラフェニ
ルポルフィリン等のポルフィリン骨格を有する色素、ス
クアリリウム基及びクロコニックメチン基を結合鎖とし
てもつアズレン系色素及びキノリン、ベンゾチアゾー
ル、ベンゾオキサゾール等の2ケの含窒素複素環をスク
アリリウム基及びクロコニックメチン基により結合した
シアニン系類似の色素、またはシアニン色素、アントラ
セン及びビレン等の縮合多環芳香族、及び芳香環及び複
素環化合物が重合した鎖状化合物及びジアセチレン基の
重合体、さらにはテトラキノジメタンまたはテトラチア
フルバレンの誘導体およびその類縁体およびその電荷移
動錯体また更にはフェロセン、トリスビピリジンルテニ
ウム錯体等の金属錯体化合物等が挙げられる。
【0033】また、本発明に用いる有機材料として好適
な高分子材料としては、例えばポリアクリル酸誘導体等
の付加重合体、ポリイミド等の縮合重合体、ナイロン等
の開環重合体、バクテリオロトブシン等の生体高分子等
が挙げられる。
【0034】有機薄膜の形成に関しては、具体的には蒸
着法やクラスターイオンビーム法等の適用も可能である
が、制御性、容易性そして再現性から公知の従来技術の
中ではラングミュアープロジェット法(LB法)が極め
て有効である。
【0035】上記以外でもLB法に適している有機材料
であれば、本発明に用いる素子に好適なのは言うまでも
ない。例えば近年研究が盛んになりつつある生体材料
(例えばバクテリオロトブシンやチトクロームc)や合
成ポリペプチド(PBLGなど)等も適用が可能である
が、比較的大きいπ電子準位を有する有機材料が好まし
い。
【0036】前記単分子膜はガラス樹脂の如き種々の材
質や形状を有する任意の基板の表面へ一層ずつ移すこと
ができる。この方法を用いて、単分子膜またはその累積
膜を形成し、これを本発明で用いる有機電子素子の有機
薄膜として使用することができる。
【0037】またLB膜によれば分子オーダーで有機薄
膜の膜厚を自由に制御できるが、本発明においては4オ
ングストローム〜1000オングストロームの膜厚のも
のに記録機能すなわち、メモリー特性が発現されやす
く、メモリー特性上好ましくは10オングストローム〜
1000オングストローム、特に50オングストローム
〜500オングストロームの範囲の膜厚を持つものが良
い。また、LB法で累積膜を形成して有機薄膜とする場
合、その積層数は1〜50程度が好ましい。以上の層
数、膜厚において、メモリー特性上好ましい抵抗値とし
ては、高抵抗状態において数MΩ以上が望ましい。
【0038】一方、係るLB膜を挟持する電極材料も高
い伝導性を有するものであれば良く、例えばAu,P
t,Ag,Pd,Al,In,Sn,Pbなどの金属や
これらの合金、さらにはグラファイトやシリサイド、ま
たさらにはITOなどの導電性酸化物を始めとして数多
くの材料が挙げられ、これらの本発明における素子への
適用が考えられる。かかる材料を用いた電極形成につい
ては従来公知の薄膜技術で充分である。また基板上に直
接形成される電極材料は、表面が、LB膜形成の際、絶
縁性の酸化膜をつくらない導電材料、例えば貴金属やI
TOなどの酸化物導電体を用いることが好ましい。 《人工シナプス結合》次に、図2を用いて、本発明に関
する人工シナプス結合の回路構成図を示す。
【0039】6は有機電子素子、5は有機電子素子の導
電率を制御する電圧印加装置、7は非線形素子、8は非
線形素子7の入力側、9は電圧印加装置5の動作を制御
する信号である。
【0040】電圧印加装置5は、所望の電圧パターンを
発生できれば特に制限はない。
【0041】非線形素子7は、生体における神経細胞に
あたり、採用するニューロンモデルにより所望の特性を
有する素子を用いることができる。例えば形式ニューロ
ンモデルにした場合はしきい値素子を用いることがで
き、また、他のモデルの場合は非線形振動子等を用いる
ことができる。
【0042】ただし、どのようなモデルを用いても、本
発明では非線形素子7に有機電子素子6よりなるN個の
シナプス結合があった場合、各シナプス結合に入力され
た信号(その強さをS1 ,S2 ,・・・,SN とする)
は各シナプス結合強さ、即ち本発明における有機電子素
子の導電率(それぞれr1 ,・・・,rN とする)の重
みづけがされるとした。そして、非線形素子7の電気特
性は重みづけがされた信号の総和
【0043】
【外2】 の関数になるとした。また、電圧印加装置5の電圧印加
パターンは、非線形素子7の出力の一部フィードバック
信号あるいは、別の非線形素子等からの信号により変化
するようになっている。 《非線形素子》先に述べたように非線形素子は特に限定
されないが、以下、図3を用いて本発明に関する有機電
子素子を非線形素子として用いた場合を説明する。
【0044】本発明に関する有機電子素子は《有機電子
素子》の項で説明したように、該素子に印加されるパル
スのパルス高がしきい値電圧Vt 程度のとき、素子抵抗
は微小となる。従って、有機電子素子の初期抵抗を大き
くしておいた場合、該素子に入力される電圧の総和がし
きい値電圧Vt 程度になれば該素子の抵抗値は極小とな
る。これは、前述した神経細胞の細胞体のモデルと類似
している。
【0045】本発明では有機電子素子のこの性質を利用
して神経細胞の細胞体の非線形特性の一部を実現するこ
とを目指している。
【0046】図3は本発明に関する有機電子素子6を用
いた人工シナプス結合、10は本発明に関する有機電子
素子6を用いた神経細胞の細胞体に対応させている非線
形素子である。11は複数の有機電子素子6から伝達さ
れてくる信号の総和をとり、かつ総和に対応した信号を
非線形素子10に入力する加算回路である。
【0047】非線形素子10の初期抵抗が大きい時、加
算回路11からの出力電圧がしきい値電圧Vt 程度なら
ば、該非線形素子10の抵抗は急激に変化し、小さくな
る。即ち前記しきい値素子と類似の機能を発現させるこ
とができる。尚、電圧印加装置14により、有機電子素
子10の導電率は初期値にリセットされるようにした。 《ジョセフソン接合素子》本発明のジョセフソン接合素
子は、超伝導金属からなる第1の電極と、前記第1の電
極に対して微小の間隔をおいて設けられ超伝導金属から
なる第2の電極と、超伝導金属の酸化物からなる前記第
1および第2の電極を相互に接続する微粒子膜とを有
し、前記微粒子膜が微粒子膜形成後に通電処理されてい
るものである。
【0048】本発明のジョセフソン接合素子の製造方法
は、基板上に、それぞれ超伝導金属からなる第1の電極
および第2の電極を微小の間隔をおいて形成し、前記第
1および第2の電極を接続するように、前記微小の間隔
に超伝導金属の酸化物からなる微粒子膜を形成し、その
のち、真空中において前記第1および第2の電極間に電
圧を印加して前記微粒子膜に通電する。
【0049】
【作用】本発明は、微小な間隔をあけて配置された超伝
導金属からなる2つの電極の間に、超伝導金属の酸化物
の微粒子層を設け、この微粒子層に通電処理を施すこと
によってジョセフソン接合が得られるという新たな知見
に基づいたものである。この場合、電極、微粒子膜の双
方とも容易な方法で形成でき、通電処理自体も極めて容
易な方法であるから、ジョセフソン接合素子を容易に製
造でき、特に、基体上の広い面積にわたって多数のジョ
セフソン接合素子を形成する場合に有効な方法となる。
【0050】超伝導金属からなる電極には、例えばN
b,In,Sn,Pbなどの金属やこれらの金属の金属
間化合物、NbGeやNbAl合金などの公知の超伝導
金属を使用することができる。この電極は、例えば、一
般的な真空蒸着法とリフトオフ法あるいはフォトリソグ
ラフィ法と組み合せによって作成できる。一方、電極間
を接続する微粒子層には、例えばそれぞれIn,Sn,
Pbなどの超伝導金属の酸化物であるIn23 ,Sn
2 ,PbO2 などを使用でき、さらにこれらの混合物
やこれらの他に酸化物などを加えたものを使用すること
ができる。通電処理を行う都合上、微粒子膜は常温付近
においてある程度の電気伝導率を有する必要がある。微
粒子膜の作成方法としては、ガスデポジション法、スプ
レー法、塗布法などを用いることができる。
【0051】超伝導金属からなる2つの電極の間隔は、
100μm以下が好ましく、0.1〜10μm程度とす
ることがさらに好ましい。また、微粒子膜の横幅は、1
〜100μm程度が好ましく、1〜10μm程度がさら
に好ましい。
【0052】ここで、超伝導金属の酸化物からなる微粒
子膜を通電処理を施すことによってジョセフソン接合が
得られる理由について、本発明者らの行なった実験をも
とに説明する。
【0053】絶縁性の基板上に、Snからなる2つの電
極を間隔1μmで対向させ、これら2つの電極の間隔部
に横幅1μmのSnO2 からなる微粒子膜を双方の電極
に接続するようにして塗布した。このとき、双方の電極
の相互に対向する辺の長さ(電極の横幅)は5μmとし
た。この程度の大きさの電極はリフトオフ法で容易に作
成できる。続いて、10-6〜10-7Torr程度の真空
中で、双方の電極間に、直流あるいはパルス電圧を印加
した。この場合、電圧は0Vから徐々に上昇させるよう
にする。すると7〜10V付近で急に電極間の抵抗が上
昇する。そののち大気中に取り出した。次いで減圧した
液体ヘリウムで冷却したところ、双方の電極間にジョセ
フソン接合が形成されていることが確認され、ジョセフ
ソン接合素子が得られた。
【0054】このようにして得られたジョセフソン接合
素子の電極間の微粒子膜の表面を走査型電子顕微鏡(S
EM)などで観察すると、微粒子膜の中央部付近に幅1
00nm程度の亀裂が形成され、この亀裂中に径が2〜
5nm程度の金属Snの微粒子が1〜2nm程度の間隔
で配置されていることが確認された。
【0055】ジョセフソン接合が生成される原因は完全
に明確になっているわけではないが、発明者は以下のよ
うに考えている。すなわち微粒子膜は酸化物からなるの
で、金属の微粒子で構成される膜より抵抗が高く、その
ため電極間に電圧を印加すると、電界はこの微粒子膜に
集中する。ある程度印加電圧が高まると(抵抗が急に大
きくなりはじめる7〜10V付近)、電界と熱のどちら
か、あるいは両方の効果により、酸化物からなる微粒子
膜に不可逆的な変形(亀裂)が発生し、その際、真空中
あるいは還元雰囲気中であれば微粒子膜を構成する酸化
物が還元され、超伝導金属の微粒子になると推測され
る。そして、亀裂発生から還元の過程において自然発生
的に超伝導金属の微粒子が1〜2nm程度の間隔で配列
し、そのことによってジョセフソン接合が形成されるよ
うになると推測される。なお、電極間の抵抗の急上昇は
亀裂の発生に対応し、通電に伴う酸化物微粒子の還元は
その酸化物の種類によっては空気中でも発生すると考え
られる。
【0056】以上の現象の発生は、SnO2 からなる微
粒子膜においてそのシート抵抗が103 〜109 Ω/口
の範囲で確認されたので、微粒子膜の抵抗値や厚さを厳
密に制御することなくジョセフソン接合素子を作成する
ことができる。
【0057】
【実施例】次に本発明をその実施例について、図面を参
照して説明する。
【0058】実施例1 図1参照、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)の飽和
蒸気中に一昼夜放置して疎水処理したガラス基板1(コ
ーニング社製#7059)上に、下引き層としてCrを
真空蒸着法により厚さ500オングストローム堆積さ
せ、更にAuを同法により蒸着(膜厚1000オングス
トローム)し、下地電極2を形成した。
【0059】前記基板を担体としてポリイミドからなる
有機薄膜4を以下のように形成した。
【0060】ポリアミック酸(分子量約20万)を濃度
1×10-3%(g/g)で溶かしたジメチルアセトアミ
ド溶液を、水温20℃の純水の水相上に展開し、水面上
に単分子膜を形成した。この単分子膜の表面圧を25m
N/mまで高め、更にこれを一定に保ちながら、前記基
板を水面を横切る方向に5mm/minで移動させて浸
漬、引き上げを行い、Y型単分子膜の累積を行った。こ
の操作を繰り返すことにより、12層の累積膜を形成し
た。
【0061】更にこれらの膜を300℃で10分加熱を
行うことによりポリイミドにした。
【0062】前記膜面上にAl電極(膜厚1500オン
グストローム)を蒸着して上電極3とした。
【0063】以上のように作成した有機電子素子を図1
に示したように電圧印加装置5と電気的に結合した。電
圧印加装置5により、有機電子素子6の上下電極間に図
4のような電圧掃引時間100ms、波高−7V(Al
電極を+型とした)の三角波を印加して素子を低抵抗状
態にした。その後さらに電圧印加装置5により図5のよ
うなパルス幅10μs、パルス高V(V1 は負)の矩形
波を印加した。
【0064】パルス高V1 の異なる図5のような矩形波
を印加した後の素子抵抗R1 を測定したところ、パルス
高V1 の絶対値|V1 |とパルス高V1 の矩形波印加後
の素子抵抗R1 の関係が図6のようになっている。すな
わち、パルス高V1 の絶対値|V1 |を連続的に変化さ
せるにしたがい矩形波印加後の素子抵抗R1 は、連続的
に増加した。例えば、図5に示したパルス高が−4V程
度の矩形波を印加した時、矩形波印加後の素子抵抗はほ
ぼ極小値を示し、パルス高を−5V,−6V,−7V,
…と1Vづつ変化させていくと矩形波印加後の素子抵抗
はおよそ1桁づつ大きくなり、パルス高を−10V程度
にすると素子抵抗はパルス高V1 が−4Vの場合より、
およそ105 倍大きくなった。このようにパルス高を−
4Vから−10Vの間で変化させると、素子抵抗を非線
形に、かつ連続的に極めて広い範囲で変化させることが
できた。なおかつパルス高に一対一に対応した素子抵抗
をとらせることができる。また、その状態(導電率)は
メモリー性を有していた。以上のように素子に印加する
電圧値を変化させることにより、素子の抵抗値を連続的
に変化させ、その状態を保存しておくことができた。
【0065】以上のように有機電子素子を複数個用い
て、図2のようなデバイスを作成した。本実施例では非
線形素子7として電流制御型のスイッチング素子を用い
た(即ち、人工シナプスを通過する電流の総和により素
子7は制御される)。電圧印加装置5の動作を制御する
信号9は、非線形素子7からの出力パターンのフィード
バックに信号であり、信号9は電圧印加装置5に伝達さ
れるようにした。
【0066】人工シナプス結合としての有機電子素子6
に印加される電圧値は−4Vから−7Vの間で変化でき
るように、電圧印加装置5を調整した。
【0067】図6に示すように、有機電子素子に印加さ
れる電圧値を上記−4Vから−7Vの間で変化できるよ
うにした結果有機電子素子の抵抗値を連続的に変化させ
ることができた。すなわち、わずかな電圧値の変化で素
子抵抗を大きく変化させることができた。例えば1V大
きくなれば抵抗値は1桁大きくなる。
【0068】このように本実施例の人工シナプスは、従
来技術に比較して、低電圧で駆動でき、しかも極めて広
い範囲にわたって抵抗値、すなわちシナプス結合の強さ
をアナログ的に変化させることができた。
【0069】また、構造が簡単なので、実装面積を上げ
ることができた。本実施例では有機電子素子の電極面積
を5μm2 以下にすることができた。
【0070】実施例2 実施例1と同様の方法で作成した素子を電圧印加装置5
と電気的に結合させ、上下電極間に図7のようなパルス
幅10μs、パルス高−7V(Al電極を+側とした)
の矩形波を印加し、素子を高抵抗状態にした。その後、
電圧印加装置5により、図5のような矩形波を印加し
た。図5のような矩形波を印加した後の素子抵抗R2
測定したところ、パルス高V1 の絶対値|V1 |[V]
とパルス高V1 の矩形波印加後の素子抵抗R2 との関係
が図8のようになった。すなわち、パルス高V1 の絶対
値を1Vより増加させるに従い、矩形波印加後の素子抵
抗R 2 は、|V1 |=3V近傍で非常に急激に低下し、
|V1 |が3V以上になると、抵抗値R2 は、連続的に
増加した。例えばパルス高を−4Vより−5V,−6
V,…と1Vづつ変化させると矩形波印加後の素子抵抗
は、実施例1同様に、およそ1桁づつ大きくなる。
【0071】また、パルス高を−4Vから−7Vまで連
続的に変化させると矩形波印加後の素子抵抗は連続的に
変化した。
【0072】なお、パルス印加後の状態(導電率)はメ
モリー性を有していた。
【0073】以上のように素子に印加する電圧値を変化
させることにより、素子の抵抗値を非常に急激に変化さ
せたり、素子の抵抗値を連続的に変化させ、かつ、その
状態を保存しておくことができた。
【0074】本実施例では、上記有機電子素子の特性の
中で、しきい値電圧(−3V〜−4V)を印加すると、
素子抵抗が急激に変化する性質に着目した。
【0075】この性質は、先に説明した神経細胞の細胞
体モデル(例えばしきい値素子)と極めて類似してい
る。
【0076】そこで、本実施例では、図3の非線形素子
10として上記本発明に関する有機電子素子を用いた。
更に、非線形素子10としての有機電子素子を、該有機
電子素子の抵抗値に反比例した周波数で発振する発振回
路に組みこんだ。該発振回路を神経細胞の細胞体に対応
させることにした。つまり、加算回路11を通して非線
形素子10としての有機電子素子に印加される電圧値が
−3V〜−4Vのしきい値程度までなると、発振回路の
周波数は急激に変化することになる。このように、本実
施例では発振周波数の変化を、神経細胞の細胞体の興奮
に対応させるモデルを採用した。
【0077】次に、本実施例によるニューロデバイスの
動作を説明する。まず、本実施例では、人工シナプス結
合6から、信号が加算回路11に入力される前に、電圧
印加装置12により、前記発振回路中の非線形素子10
としての有機電子素子に図7に示したパルス高−7Vの
矩形波を印加しておいて高抵抗状態にしておく。
【0078】次に、パルス信号を人工シナプス結合6に
入力する。入力信号は有機電子素子6からなる人工シナ
プスの結合の強さ(つまり導電率)の重みづけをされ、
加算回路11に入る。加算回路11は重みづけをされた
入力信号の総和を前記発振回路中の非線形素子10とし
ての有機電子素子に印加する。
【0079】重みづけをされた入力信号の総和の電圧値
が−3V〜−4V程度になったとき、発振回路内の有機
電子素子の抵抗値は図8に示したように急激に減少す
る。その結果、発振回路の発振周波数は2桁以上大きく
することができる。これは一種のしきい値動作をしたこ
ととなる。即ち本発明による回路は神経細胞と類似の機
能を発現したこととなる。
【0080】なお、発振回路中の有機電子素子の導電率
は回路の状況の応じ電圧印加装置により、初期の高抵抗
状態にリセットすることができる。
【0081】実施例3 図9は本発明の一実施例のジョセフソン接合素子の構成
を示す斜視図である。
【0082】このジョセフソン接合素子は、絶縁性の基
板1の上に、Snからなる2つの電極12,13を相互
に微小な間隔を隔てて形成し、この間隔部上にSnO2
からなる微粒子膜15を各電極12,13と接続するよ
うに形成し、そののちこの微粒子膜15に通電処理を施
したものである。
【0083】ここで、このジョセフソン接合素子の製造
方法を詳しく説明する。まず基板1を十分に洗浄し、通
常の真空蒸着技術とフォトリソグラフィ技術とによっ
て、電極12,13を形成した。電極12,13の幅W
1 は5μm、電極12,13間の間隔(ギャップ長)L
を1μmとした。また、電極の厚さは100〜200n
mとしたが、常温における電気抵抗が、微粒子膜15に
比べ十分小さくなる厚さであればよい。
【0084】次に、ガスデポジション法により、双方の
電極12,13間にこれら電極12,13と接続するよ
うに、SnO2 からなる微粒子膜15を形成した。微粒
子膜15の横幅Wは1μmとし、微粒子膜15の膜厚は
そのシート抵抗が104 〜106 Ω/口となる程度(概
ね厚さが50〜100nm程度)のものとした。SnO
2 微粒子の粒径としては、2〜10nm程度が好適であ
った。微粒子膜15の作成方法としては、ガスデポジシ
ョン法の他、有機溶媒中に微粒子を分散させて塗布しそ
ののち溶媒を飛散させることによってもよいし、有機金
属化合物の溶液を塗布して熱処理することによってもよ
い。
【0085】以上のように微粒子膜15っを電極12,
13間に形成したのち、圧力10-6〜10-7Torr程
度の真空中で、双方の電極12,13間に、直流電圧を
0Vから徐々に上昇させるようにして印加した。電圧の
上昇率は1V/分程度とした。すると、7〜10V付近
で急に電極12,13間の抵抗が上昇するから、そのの
ち大気中に取り出すことによって良好なジョセフソン接
合素子を得た。印加電圧として直流の他、三角波、矩形
波などのパルス性のものを用いても、同様にジョセフソ
ン接合素子を得ることができた。
【0086】実施例4 次に、実施例4について説明する。上述の実施例3で
は、電極12,13を構成する超伝導金属と、微粒子膜
15を構成する酸化物の母体となる超伝導金属とが、い
ずれもSnであって同一であったが、実施例4のように
電極を構成するものと微粒子膜の酸化物の母体となるも
のとを異なる超伝導金属とすることもできる。
【0087】電極12,13をSnで構成し、微粒子膜
15をIn23 で構成し、その他は上述と同様にして
ジョセフソン接合素子を作成したところ、良好なジョセ
フソン接合素子が得られた。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機電子
素子またはジョセフソン接合素子を可塑性素子及び非線
形素子として含むデバイスにより、一般によく知られた
神経細胞モデルと類似の機能を発現させることができ
た。その結果、次のような効果があった。 (1)シナプス結合の強さを広い範囲でアナログ的に変
化可能となった。 (2)上記シナプス結合の強さを低電圧で変化させるこ
とが可能となった。 (3)低電圧でしきい値動作をさせることが可能となっ
た。 (4)素子構造が単純なので、集積度を上げることがで
きた。
【0089】また、本発明のジョセフソン接合素子が微
少間隔をあけて配置された超伝導金属からなる2つの電
極間に超伝導金属の酸化物の微粒子層を設け、この微粒
子層に通電処理を施すことにより簡単に作成でき、かつ
基板上の広い面積にわたり多数のジョセフソン接合素子
を形成できることが容易にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電子素子の一実施例の構造を示す
模式図である。
【図2】本発明の一実施例のデバイスを示す模式図であ
る。
【図3】本発明の一実施例のデバイスを示す模式図であ
る。
【図4】本発明の有機電子素子の駆動電圧パターンの一
例である。
【図5】本発明の有機電子素子の駆動電圧パターンの一
例である。
【図6】本発明の有機電子素子に印加したパルス高と印
加後の素子抵抗の関係の一例を示した図である。
【図7】本発明の有機電子素子の駆動電圧パターンの一
例である。
【図8】本発明の有機電子素子に印加したパルス高と印
加後の素子抵抗の関係の一例を示した図である。
【図9】本発明の一実施例のジョセフソン接合素子の構
成を示す斜視図である。
【図10】ニューロンの工学モデルである。
【図11】従来のジョセフソン接合素子の構成を示す斜
視図である。
【図12】従来のジョセフソン接合素子の構成を示す斜
視図である。
【図13】従来のジョセフソン接合素子の構成を示す斜
視図である。
【図14】従来のジョセフソン接合素子の構成を示す斜
視図である。
【図15】従来のジョセフソン接合素子の構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下地電極 3 上電極 4 有機薄膜 5 電圧印加装置 6 有機電子素子 7 非線形素子 8 非線形素子の入力側 9 信号 10 非線形素子 11 加算回路 12 電極 13 電極 14 電圧印加装置 15 微粒子膜 19 N番目のシナプス結合 20 細胞体対応 21 基板 22 電極 23 常伝導金属 24 平板状超伝導体 25 先がとがった超伝導体 26 ブリッジ部 R1 ,R2 素子抵抗 |V1 | パルス高V1 の絶対値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中村 尚人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間に有機薄膜を挟持した少な
    くとも1個以上の有機電子素子と、 該有機電子素子の導電率を制御する電圧印加装置と、 該有機電子素子を入力側に電気的に結合している非線形
    素子からなることを特徴とする電子素子。
  2. 【請求項2】 前記有機電子素子の導電率が、前記電圧
    印加装置からの電圧により連続的に変化することがで
    き、かつ、しきい値以下の電圧印加では導電率が保存さ
    れることを特徴とする請求項1記載の電子素子。
  3. 【請求項3】 前記有機薄膜の膜厚が4オングストロー
    ムから1000オングストロームの範囲であることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の電子素子。
  4. 【請求項4】 前記有機薄膜が少なくとも1種のπ電子
    系を有する有機化合物で構成されていることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電子素
    子。
  5. 【請求項5】 前記非線形素子が、有機薄膜を一対の電
    極間に挟持した有機電子素子であることを特徴とする請
    求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電子素子。
  6. 【請求項6】 前記請求項5記載の有機薄膜の膜厚が4
    オングストロームから1000オングストロームの範囲
    であることを特徴とする請求項5記載の電子素子。
  7. 【請求項7】 前記請求項5記載の有機薄膜が少なくと
    も1種のπ電子系を有する有機化合物で構成されている
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電子素
    子。
  8. 【請求項8】 超伝導金属からなり微少間隔で相対する
    一対の金属と該電極間に接続された超伝導金属の酸化物
    からなる微粒子膜を有し、該微粒子膜がその形成後に通
    電処理されているものである少なくとも1個以上のジョ
    セフソン接合素子と、該ジョセフソン接合素子に電圧を
    印加する電圧印加装置と、前記ジョセフソン接合素子と
    同じ構成であるジョセフソン接合素子を入力側に電気的
    に結合している非線形素子からなることを特徴とする電
    子素子。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の非線形素子が、超伝導
    金属の酸化物からなる微粒子膜を超伝導金属からなる一
    対の金属間に接続し、前記微粒子膜形成後に通電処理さ
    れたジョセフソン接合素子であることを特徴とする請求
    項8記載の電子素子。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の一対の電極の間隔が
    100μm以下であることを特徴とする請求項8または
    請求項9記載の電子素子。
  11. 【請求項11】 基板上に、それぞれ超伝導金属からな
    る第1の電極および第2の電極を微小の間隔において形
    成し、 前記第1および第2の電極を接続するように、前記微小
    の間隔に超伝導金属の酸化物からなる微粒子膜を形成
    し、 そののち、真空中において前記第1および第2の電極間
    に電圧を印加して前記微粒子膜に通電することからなる
    請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載のジョセフ
    ソン接合素子の製造方法。
JP4175701A 1992-07-02 1992-07-02 ニューロコンピュータ用電子素子 Pending JPH0620074A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4175701A JPH0620074A (ja) 1992-07-02 1992-07-02 ニューロコンピュータ用電子素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4175701A JPH0620074A (ja) 1992-07-02 1992-07-02 ニューロコンピュータ用電子素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0620074A true JPH0620074A (ja) 1994-01-28

Family

ID=16000739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4175701A Pending JPH0620074A (ja) 1992-07-02 1992-07-02 ニューロコンピュータ用電子素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0620074A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008152908A1 (ja) * 2007-06-14 2008-12-18 Sony Corporation 抵抗素子、ニューロン素子、及びニューラルネットワーク情報処理装置
JP2015050248A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 国立大学法人大阪大学 非線形素子
WO2018100790A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 国立研究開発法人科学技術振興機構 ニューロン回路、システムおよびスイッチ回路
JP2023013949A (ja) * 2021-07-16 2023-01-26 韓国科学技術院 シナプス素子、これを含むリザーバーコンピューティング装置、及びこれを利用したリザーバーコンピューティング方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008152908A1 (ja) * 2007-06-14 2008-12-18 Sony Corporation 抵抗素子、ニューロン素子、及びニューラルネットワーク情報処理装置
JP2008311381A (ja) * 2007-06-14 2008-12-25 Sony Corp 抵抗素子、ニューロン素子、及びニューラルネットワーク情報処理装置
JP2015050248A (ja) * 2013-08-30 2015-03-16 国立大学法人大阪大学 非線形素子
WO2018100790A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 国立研究開発法人科学技術振興機構 ニューロン回路、システムおよびスイッチ回路
JPWO2018100790A1 (ja) * 2016-11-30 2019-10-17 国立研究開発法人科学技術振興機構 ニューロン回路、システムおよびスイッチ回路
US11157805B2 (en) 2016-11-30 2021-10-26 Japan Science And Technology Agency Neuron circuit, system, and switch circuit
JP2023013949A (ja) * 2021-07-16 2023-01-26 韓国科学技術院 シナプス素子、これを含むリザーバーコンピューティング装置、及びこれを利用したリザーバーコンピューティング方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4939556A (en) Conductor device
EP0335630B1 (en) Switching device and method of preparing it
EP0272937B1 (en) Switching device
Fu et al. Reconfigurable synaptic and neuronal functions in a V/VOx/HfWOx/Pt memristor for nonpolar spiking convolutional neural network
KR20040081769A (ko) 유기 전자 디바이스 및 그 제조 방법
JPH01214078A (ja) スイッチング素子
JPH0620074A (ja) ニューロコンピュータ用電子素子
Zhang et al. Rationally Designing High‐Performance Versatile Organic Memristors through Molecule‐Mediated Ion Movements
Hadiyal et al. Bio-inspired artificial synapse for neuromorphic computing based on NiO nanoparticle thin film
JP5104052B2 (ja) 抵抗素子、ニューロン素子、及びニューラルネットワーク情報処理装置
Wu et al. Quasi-two-dimensional α-molybdenum oxide thin film prepared by magnetron sputtering for neuromorphic computing
JP2694531B2 (ja) Mim型素子の駆動方法
US5270965A (en) Method of driving device having metal-insulator-metal(mim)structure
JPS6396956A (ja) スイッチング素子およびその駆動方法
CN113488588A (zh) 一种由自组装异质结材料作为存储介质层构建的忆阻器及其制备方法
JP2009158698A (ja) 複合負性抵抗素子
JPH04145664A (ja) 有機電子素子の駆動法
JPH01245575A (ja) スイッチング素子
JPH01166555A (ja) 半導体素子
JPS63160389A (ja) スイツチング装置
JP2009157600A (ja) ニューロン素子及びニューラルネットワーク情報処理装置
JPH01300227A (ja) 表示素子
JPH01165186A (ja) スイッチング装置
JPS63296273A (ja) スイツチング素子
JPH01165165A (ja) スイッチング素子