JPH06200712A - エンジンの動弁装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 この発明の目的は、カムハウジングの支持状
態を堅固にするとともに、各ハウジング取付ボルトの負
荷を分散させ、高速回転速度時でもカムハウジングにガ
タツキが発生するのを防止し、静粛性や耐久性を向上す
ることにある。 【構成】 このため、この発明は、カム軸２６の回転方
向に位置するカムハウジング７２−１の一の端側７２−
１ｂを複数本のハウジング取付ボルト７８−２，７８−
３によってシリンダヘッド１０に固設している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エンジンの動弁装置
に係り、特に静粛性や耐久性を向上し得るエンジンの動
弁装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジンにおいては、シリンダヘッドに
カム軸を設け、このカム軸を軸支するカムハウジングを
設け、このカムハウジングの一端側を一側ハウジング取
付ボルトによってシリンダヘッドに固設するとともにカ
ムハウジングの他端側を他側ハウジング取付ボルトによ
ってシリンダヘッドに固設する動弁装置を設けている。

【０００３】この動弁装置としては、例えば、図５に示
す如く、Ｖ型エンジンに備えられたものがある。即ち、
図５に示す如く、Ｖ型エンジン（図示せず）の一次側動
弁装置１０２においては、一次側シリンダヘッド１０４
の上部に一次側吸気カム軸１０６と一次側排気カム軸１
０８とが平行に配設され、この一次側吸気カム軸１０６
の各一次側吸気ジャーナル部位が第１一次側吸気カムハ
ウジング１１０−１、第２一次側吸気カムハウジング１
１０−２、…によって軸支されているとともに、一次側
排気カム軸１０８の各一次側排気ジャーナル部位が第１
一次側排気カムハウジング１１２−１、第２一次側排気
カムハウジング１１２−２、…によって軸支されてい
る。前記第１一次側吸気カムハウジング１１０−１は、
一端部１１０−１ａが一側である第１一次側吸気ハウジ
ング取付ボルト１１４−１によって一次側シリンダヘッ
ド１０４に固設されているとともに、他端部１１０−１
ｂが他側である第２一次側吸気ハウジング取付ボルト１
１４−２によってシリンダヘッド１０４に固設され、２
点締付けされている。同様に、他の一次側吸気ハウジン
グ１１０は、２点支持で取付けられている。

【０００４】前記第１一次側排気カムハウジング１１２
−１は、一端部１１２−１ａが一側である第１一次側排
気ハウジング取付ボルト１１６−１によって一次側シリ
ンダヘッド１０４に固設されているとともに、他端部１
１２−１ｂが他側である第２一次側排気ハウジング取付
ボルト１１６−２によって一次側シリンダヘッド１０４
に固設され、２点締付けされている。同様に、他の一次
側排気カムハウジング１１２は、２点支持で取付けられ
ている。

【０００５】また、一次側吸気カム軸１０６には、正面
側の最端部位にタイミングチェーンスプロケット１１８
がスプロケット取付ボルト１２０によって固設されてい
るとともに、第１一次側吸気カムハウジング１１０−１
と第２一次側吸気カムハウジング１１０−２間に一次側
吸気カムスプロケット１２２が固設されている。

【０００６】前記一次側排気カム軸１０８には、前記一
次側吸気カムスプロケット１２２に対応して一次側排気
カムスプロケット１２４が設けられている。

【０００７】前記一次側吸気カムスプロケット１２２と
一次側排気カムスプロケット１２４とには、一次側カム
チェーン１２６が巻き掛けられている。

【０００８】前記一次側タイミングチェーンスプロケッ
ト１１８には、タイミングチェーン１２８が巻掛けられ
ている。

【０００９】また、このようなカム軸の支持装置として
は、例えば、実開平４−４０１０６号公報に開示されて
いる。この公報に記載のものは、カム軸を軸支する複数
のカムスプロケット間に、カムブラケット相互を連結し
且つカム軸を覆う形状のカバー部材を設けた構成であ
る。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、カム
軸のジャーナル部位が２点支持したカムハウジングによ
ってシリンダヘッドに軸支されているだけなので、カム
軸がスラスト荷重やカムスプロケットによる振動の影響
等を受け易いことを考慮すると、特に、タイミングチェ
ーンスプロケットやカムチェーンスプロケット等が取付
けられていると、ガタ打ちによる打音、機械音等の騒音
が発生するおそれがあり、また、高回転速度に移行する
に従ってカムハウジングあるいはハウジング取付ボルト
の破壊が発生するという不都合があった。

【００１１】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、エンジンのシリンダヘッ
ドにカム軸を設け、このカム軸を軸支するカムハウジン
グを設け、このカムハウジングの一端側を一側ハウジン
グ取付ボルトによって前記シリンダヘッドに固設すると
ともに前記カムハウジングの他端側を他側ハウジング取
付ボルトによって前記シリンダヘッドに固設するエンジ
ンの動弁装置において、前記カム軸の回転方向に位置す
る前記カムハウジングの一の端側を複数本のハウジング
取付ボルトによって前記シリンダヘッドに固設したこと
を特徴とする。

【００１２】

【作用】この発明の構成によれば、カムハウジングの支
持状態が堅固になるとともに、各ハウジング取付ボルト
の負荷が分散されるので、高速回転速度時でもカムハウ
ジングにガタツキが発生することがなく、静粛性や耐久
性を向上させることができる。

【００１３】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
且つ具体的に説明する。図１〜図図４は、この発明の実
施例を示すものである。図４において、２はＶ型のエン
ジンである。このエンジン２は、Ｖ字形状のシリンダブ
ロック４の一次側、二次側シリンダバンク６、８に一次
側、二次側シリンダヘッド１０、１２を載置して構成さ
れた一次側、二次側エンジンバンク１４、１６を有して
いる。

【００１４】前記シリンダブロック４の下部には、クラ
ンクベアリングキャップ１８が取付けられている。この
クランクベアリングキャップ１８の下部には、オイルパ
ン（図示せず）が取付けられる。

【００１５】前記シリンダブロック４とクランクベアリ
ングキャップ１８には、クランク軸２０が軸支して設け
られている。このクランク軸２０の正面側（図１の白抜
きの矢印で示す）端部には、駆動側スプロケットである
クランクスプロケット２２が固定して取付けられてい
る。

【００１６】前記一次側シリンダヘッド１０には、一次
側動弁装置２４を構成すべく、上部の両端側において離
間して位置し、つまり並列して一次側吸気、一次側排気
カム軸２６、２８が配設されている。一次側吸気、一次
側排気カム軸２６、２８には、一次側吸気、一次側排気
カムスプロケット３０、３２が固定して取付けられてい
る。また、一次側シリンダヘッド１０には、一次側シリ
ンダヘッドカバー３２が付設されている。

【００１７】また、前記二次側シリンダヘッド１２に
は、二次側動弁装置３６を構成すべく、上部の両端側に
おいて離間して位置し、つまり並列して二次側吸気、二
次側排気カム軸３８、４０が配設されている。二次側吸
気、二次側排気カム軸３８、４０には、二次側吸気、二
次側排気カムスプロケット４２、４４が固設して取付け
られている。また、二次側シリンダヘッド１２には、二
次側シリンダヘッドカバー４６が付設されている。

【００１８】前記一次側吸気カム軸２６の正面側の端部
には、一次側タイミングチェーンスプロケット４８が取
付けられている。

【００１９】前記二次側吸気、二次側排気カムスプロケ
ット４２、４４よりも二次側シリンダバンク８側の二次
側シリンダヘッド１２には、一体的に構成された二次側
タイミングチェーンスプロケット５０と二次側カムチェ
ーンスプロケット５２とを支持する二次側アイドラ軸５
４が設けられる。

【００２０】前記シリンダブロック４には、一次側、二
次側シリンダバンク６、８間に位置して中央側アイドラ
軸５６が固定して設けられている。この中央側アイドラ
軸５６には、中央側タイミングチェーンスプロケット５
８が設けられている。

【００２１】前記クランクスプロケット２２と一次側タ
イミングチェーンスプロケット４８と中央側タイミング
チェーンスプロケット５８と二次側タイミングチェーン
スプロケット５０とには、タイミングチェーン６０が巻
掛けて設けられる。

【００２２】また、前記一次側吸気カムスプロケット３
０と一次側排気カムスプロケット３２とには、一次側カ
ムチェーン６２が巻掛けて設けられる。

【００２３】前記二次側カムチェーンスプロケット５２
と二次側吸気、二次側排気カムスプロケット４２、４４
とには、二次側カムチェーン６４が巻掛けて設けられ
る。

【００２４】前記クランク軸２０の正面側の端部には、
前記クランクスプロケット２２と略同径のオイルポンプ
チェーンスプロケット（図示せず）が設けられている。

【００２５】オイルポンプチェーンスプロケットに巻掛
けられたオイルポンプチェーン６６は、オイルポンプ６
８のオイルポンプスプロケット７０に巻掛けられてい
る。

【００２６】前記一次側シリンダヘッド１０の上部の一
次側動弁装置２４においては、図１〜３に示す如く、一
次側吸気カム軸２６の各ジャーナル部位が、正面端部側
から順次に、第１一次側吸気カムハウジング７２−１、
第２一次側吸気カムハウジング７２−２、…によって軸
支されている。また、一次側排気カム軸２８の各ジャー
ナル部位が、正面端部側から順次に、第１一次側排気カ
ムハウジング７４−１、第２一次側排気カムハウジング
７４−２…によって軸支されている。

【００２７】前記一次側吸気カム軸２６には、図３に示
す如く、スラスト面２６Ｓ、２６Ｓ、…が形成されてい
る。

【００２８】前記一次側タイミングチェーンスプロケッ
ト４８は、第１一次側吸気カムハウジング７２−１より
も正面端部側の最端部位にスプロケット取付ボルト７６
によって固設されている。また、前記一次側吸気カムス
プロケット３０は、第１一次側吸気カムハウジング７２
−１と第２一次側吸気カムハウジング７２−２間の一次
側吸気カム軸２６に固設されている。

【００２９】前記一次側排気カムスプロケット３２は、
前記一次側吸気カムスプロケット３０に対応した位置
で、第１一次側排気カムハウジング７４−１と第２一次
側排気カムハウジング７４−２間の前記一次側排気カム
軸２８に固設されている。

【００３０】前記一次側吸気カム軸２６の正面端部側の
第１一次側吸気カムハウジング７２−１は、一次側シリ
ンダヘッド１０に３点支持される。即ち、第１一次側吸
気カムハウジング７２−１の一端部７２−１ａは、１本
の一側である第１一次側吸気ハウジング取付ボルト７８
−１によって固定される。また、この第１一次側吸気カ
ムハウジング７２−１の一次側吸気カム軸２６の回転方
向（図２の矢印参照）に位置する他端部７２−１ｂは、
複数の例えば２本の他側の第２、第３一次側吸気ハウジ
ング取付ボルト７８−２、７８−３によって固定され
る。この第３一次側吸気ハウジング取付ボルト７８−３
は、一次側吸気カムハウジング７２−１に連設したカム
ハウジング延設部８０の延端部８０ａを固定するもので
ある。

【００３１】また、一次側吸気カム軸２６の他のジャー
ナル部位を軸支する各第２一次側吸気カムハウジング７
２−２、…の各両端部位は、第１、第２一次側吸気ハウ
ジング取付ボルト７８−１、７８−２によって夫々２点
支持されている。

【００３２】前記一次側排気カム軸２８を軸支する各第
１、第２一次側排気カムハウジング７４−１、７４−
２、…の各両端部位は、第１、第２一次側排気ハウジン
グ取付ボルト８２−１、８２−２によって夫々２点支持
されている。なお、図２において、符号８４は一次側タ
イミングチェーンガイドである。

【００３３】次に、この実施例の作用を説明する。

【００３４】クランク軸２０の回転に伴ってタイミング
チェーン６０が回動すると、一次側吸気カム軸２６が回
転する（図２において時計方向で示す）。

【００３５】このとき、一次側タイミングチェーンスプ
ロケット４８や一次側吸気カムスプロケット３０が備え
られた一次側吸気カム軸２６の正面側の端部において、
第１一次側吸気カムハウジング７２−１が、一次側吸気
カム軸２６の回転方向で、第２、第３一次側吸気ハウジ
ング取付ボルト７８−２、７８−３によって固定されて
いるので、この一次側吸気カムハウジング７２−１が堅
固に支持され、強度が大なので、スラスト荷重や各スプ
ロケット４８、３０による振動の影響がなくなり、これ
により、ガタ打ちによる打音、機械音等の騒音が発生せ
ず、静粛性が向上する。

【００３６】また、高回転速度時でも、第１一次側吸気
カムハウジング７２−１にガタツキが生ずることがな
く、また、各ハウジング取付ボルト７８−１、７８−
２、７８−３の負荷が分散され、ボルト部位の耐久性を
向上させることができる。

【００３７】なお、この発明においては、上述の実施例
に限定されず、種々応用改変が可能であることは勿論で
ある。

【００３８】例えば、カム軸の回転方向に位置するカム
ハウジングの一の端側を、一次側吸気カム軸２６の正面
側端部のみならず、一次側吸気カム軸２６を軸支する他
の第２一次側吸気カムハウジング７２−２、…において
も、複数の一次側吸気ハウジング取付ボルト７８によっ
て支持することも可能である。

【００３９】また、一次側吸気カム軸２６に限らず、一
次側排気カム軸２８の各一次側排気カムハウジング７４
をも、同様に、支持することも可能である。

【００４０】更に、一次側シリンダヘッド１０に限ら
ず、二次側シリンダヘッド１２においても、同様に、各
カムハウジングを支持することも可能である。

【００４１】更にまた、カム軸の回転方向のカムハウジ
ングの一の端側を、２本のハウジング取付ボルトに限ら
ず、多数のハウジング取付ボルトによって支持すること
も可能である。

【００４２】

【発明の効果】以上詳細な説明から明らかなようにこの
発明によれば、カム軸の回転方向に位置するカムハウジ
ングの一の端側を複数本のハウジング取付ボルトによっ
てシリンダヘッドに固設したことにより、カムハウジン
グの支持状態が堅固になるとともに、各ハウジング取付
ボルトの負荷が分散されるので、高速回転速度時でもカ
ムハウジングにガタツキが発生することがなく、静粛性
や耐久性を向上させ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】一次側シリンダヘッドの一次側動弁装置の平面
図である。

【図２】一次側動弁装置の概略正面図である。

【図３】図１の〓−〓線による一次側吸気カム軸の支持
状態の構成図である。

【図４】Ｖ型のエンジンの正面図である。

【図５】従来における一次側シリンダヘッドの一次側動
弁装置の平面図である。

【符号の説明】

２ Ｖ型エンジン １０ 一次側シリンダヘッド ２４ 一次側動弁装置 ２６ 一次側吸気カム軸 ３０ 一次側カムスプロケット ４８ 一次側タイミングスプロケット ６０ タイミングチェーン ６２ 一次側カムチェーン ７２ 一次側吸気カムハウジング ７８ 一次側吸気ハウジング取付ボルト ８０ カムハウジング延設部

【手続補正書】

【提出日】平成５年３月３日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのシリンダヘッドにカム軸を設
   け、このカム軸を軸支するカムハウジングを設け、この
   カムハウジングの一端側を一側ハウジング取付ボルトに
   よって前記シリンダヘッドに固設するとともに前記カム
   ハウジングの他端側を他側ハウジング取付ボルトによっ
   て前記シリンダヘッドに固設するエンジンの動弁装置に
   おいて、前記カム軸の回転方向に位置する前記カムハウ
   ジングの一の端側を複数本のハウジング取付ボルトによ
   って前記シリンダヘッドに固設したことを特徴とするエ
   ンジンの動弁装置。