JPH06200480A - ガラス織物のほつれ防止固着剤 - Google Patents

ガラス織物のほつれ防止固着剤

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JPH06200480A
JPH06200480A JP4360815A JP36081592A JPH06200480A JP H06200480 A JPH06200480 A JP H06200480A JP 4360815 A JP4360815 A JP 4360815A JP 36081592 A JP36081592 A JP 36081592A JP H06200480 A JPH06200480 A JP H06200480A
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acid
unit
mol
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copolyester
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JP4360815A
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Masatake Yoshikawa
昌毅 吉川
Naomi Sasaki
直美 佐々木
Naotoshi Kawakami
尚利 川上
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

Landscapes

  • Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】電子材料用ボード材等の樹脂板の補強材として
好適なガラス織物の切断部糸ほつれ防止用固着剤であっ
て、従来品に比較して一段と接着性及び耐溶剤性が優れ
たものを提供する。 【構成】テレフタル酸単位又は2,6 −ナフタレンジカル
ボン酸単位を主構成成分とするポリエステルであって、
これら芳香族ジカルボン酸単位に対する共重合酸成分と
して特定組成のオキシカルボン酸単位を含有する共重合
ポリエステルを主成分とするガラス織物ほつれ防止固着
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス織物をプリント
回路基板その他の強化プラスチック製品の補強材として
用いる際のガラス織物端部(耳部)のほつれ防止に有用
なほつれ防止固着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、ガラス織物の製織には一般に経糸
間に緯糸を挿入後切断する、いわゆる断片織機がその高
効率性から多く用いられている。この織機により製縫し
た織物の両端部(耳部)には緯糸のみが房状に連続して
連なった房状部が形成されるが、この房状部は不用であ
るとともに樹脂加工等の後処理工程にて操作性を低下さ
せるので切断除去する必要がある。この際、その部分に
ほつれ防止処理を施さないで切断し、エポキシワニス含
浸などの処理を行うと、織物の経糸が容易にほつれてロ
ールに巻付いてしまい、生産ラインを一時停止して処置
しなければならなくなり、多大な損失となる。
【0003】一方、断片織機のみならず有抒織機で織ら
れた織物においても任意の巾を得るため、経糸方向に分
割切断して使用する場合がある。この際、単なる機械的
な切断法により分割した場合はほつれ防止がされていな
いため、容易に経糸がほつれ出し使用上問題が多い。ま
た、織機上で中耳をつくって切断する場合は、断片織機
の場合と同様、耳部が房状になり同様の問題を引き起こ
す。
【0004】したがって、これら織物の被切断部には切
断に先立って何らかのほつれ防止処方を施す必要がある
が、このようなほつれの防止手段として、レーザー光線
を用いてガラス織物の房状部あるいは端部(耳部)を溶
融接着しながら切断する方法が提案された。この方法は
瞬時に接着でき、しかも樹脂加工の際に使用するエポキ
シワニス等の溶剤に侵されることもないという利点があ
るものの、接着強度が低く、またガラス糸の先端部に溶
融玉を形成し、僅かなしごきによっても落下する等の問
題があった。
【0005】また、エチレン―酢ビ共重合体、ダイマー
酸系ポリアミド、芳香族系共重合ポリエステル等のホッ
トメルト樹脂を有機溶剤に溶解してガラス織物の房状部
や端部(耳部)に塗布、乾燥した後、切断する方法があ
る。この方法では、前記樹脂がエポキシワニスに用いる
有機溶剤に膨潤したり、若干溶解したりするので、ワニ
スに樹脂類が溶出してしまうことがあり、かつ、これら
の樹脂類はガラス織物に塗布、乾燥した後、ガラス織物
を巻取ったとき、積層する織物の表面樹脂間で固着(ブ
ロッキング)してしまうという問題がある。エチレン−
酢ビ共重合体およびダイマー酸系ポリアミドにおいては
特に耐溶剤性に乏しく、ワニスへの溶出が問題となる。
【0006】以上のような理由から、現在では比較的諸
性能のバランスのとれた芳香族系共重合ポリエステルを
固着剤として使用する方法が主流となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ガラス
織物のほつれ防止固着剤として有効な共重合ポリエステ
ルは次に挙げるような様々な条件を満足する組成物を選
択すべきであると考える。 (1)ほつれ防止固着剤がガラス織物によく浸透し、少
ない付着量で強固な接着性を有すること。 (2)付着量は被着ガラス織物をロール状に巻き取った
ときに、均整のとれたロール状に巻取れ、しかも切断さ
れたガラス織物を重ね合わせて得られる積層体の厚みが
不均一にならない程度に薄いこと。 (3)ほつれ防止固着剤をガラス織物に塗布して乾燥
し、直ちに巻取ってもブロッキングしないこと。 (4)ほつれ防止固着剤として使用する樹脂がある種の
溶剤に可溶であり、溶液状態でガラス織物に塗布可能で
あること。(この種の溶剤としてはハロゲン系有機溶
剤、中でも塩化メチレンが一般に用いられている。) (5)ほつれ防止固着剤として使用する樹脂が後加工処
理にて容易に分解・破壊したり、樹脂加工時の含浸樹脂
ワニス溶剤(例えばヘキサン、トルエン、エタノール、
アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド
等)により膨潤や溶解したりして接着性が無くなり、
又、同上ワニスを汚染することが無いこと。
【0008】このような条件が求められる状況下で、従
来より一段と性能の進んだ固着剤が提案されている。例
えば特公平2 −23626 号はその代表例である。この固着
剤はジカルボン酸成分の40〜90モル%がテレフタル酸で
あり、10〜40モル%がイソフタル酸および炭素数4 〜20
の飽和脂肪族ジカルボン酸の中から選ばれた少なくとも
1種であるジカルボン酸成分と炭素数2 〜10のアルキレ
ングリコールから選ばれた少なくとも1種のグリコール
成分から構成される共重合ポリエステルを主剤とするも
のである。しかしながら、かかるポリエステル樹脂より
なるほつれ防止固着剤は、耐溶剤性は比較的すぐれてい
るもののジメチルホルムアミドのような極性溶媒に対し
ては多少膨潤し、また、ガラス織物に対する接着性やほ
つれ防止効果の点で未だ充分に満足できるものではな
く、上記の5条件すべてをみたすような理想的なポリエ
ステル樹脂は未だ得られていない。本発明は、このよう
な課題を凡て解決することができる、すぐれた性能を有
するガラス織物のほつれ防止固着剤を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、ある特定の組成を
もつ共重合ポリエステル樹脂をほつれ防止固着剤の主剤
として用いることにより、かかる目的を達成し得ること
を見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、テレ
フタル酸単位、又は2,6 −ナフタレンジカルボン酸単位
を90モル%以上含む芳香族ジカルボン酸単位が40〜90モ
ル%と一般式〔1〕で表される構造単位を5モル%以上
含むオキシカルボン酸(即ち、ヒドロキシカルボン酸、
以後オキシとはヒドロキシと同義に使用する。)単位が
10〜60モル%よりなる酸成分と、脂肪族ジオール単位及
び/又は脂環式ジオール単位よりなるアルコール成分か
ら構成された共重合ポリエステルを主剤とすることを特
徴とするガラス織物のほつれ防止固着剤を要旨とするも
のである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ガラス織物ほつれ防止用共重合ポリエステルは、前述の
ように固着剤としての卓越した性能、すなわちガラスに
対する強固な接着性能および樹脂加工用のエポキシ等の
樹脂ワニス溶剤に膨潤・溶出しないという耐溶剤性能に
優れるとともに、その際の溶液状態での使用という制限
により、ハロゲン系有機溶剤に可溶でなければならな
い。
【0011】ほつれ防止固着剤のかかる特性要件を満足
する主剤として鋭意研究の結果下記するような改質共重
合ポリエステルが最適であることが明らかになった。す
なわち、本発明のほつれ防止固着剤の主剤をなす共重合
ポリエステルは、酸成分とアルコール成分より構成され
た高分子物質であって、酸成分はテレフタル酸単位、又
は2,6 −ナフタレンジカルボン酸単位を90モル%以上含
む芳香族ジカルボン酸単位よりなる硬質酸成分が40〜90
モル%と、一般式〔1〕で表される構造単位を5モル%
以上含むオキシカルボン酸単位よりなる軟質酸成分が10
〜60モル%よりなる。ここで各成分の単位とは成分ジカ
ルボン酸のもつカルボキシル基の2つの水酸基を除いた
残基、または成分オキシカルボン酸のカルボキシル基の
水酸基および水酸基の活性水素を除いた残基を表す。
【0012】上記各酸成分はジオール成分との結合によ
って形成された高分子鎖セグメントの形にて各成分の特
徴を顕す。すなわち、硬質酸成分は、樹脂の結晶性を維
持し、耐溶剤性、耐ブロッキング性、及び接着性の向上
に顕著な寄与をなす成分であり、軟質酸成分は結晶性を
低下させ特定の溶媒に対して適度の溶解性を付与すると
共に、柔軟性とほつれ強度を高める成分である。また、
両成分の共存により良好なゴム弾性が発現し、織物接着
剤としての特性が備わる。
【0013】硬質酸成分としては芳香族ジカルボン酸単
位が好適であり、特にテレフタル酸又は2,6 −ナフタレ
ンジカルボン酸単位が好ましく、本発明の効果を充分に
発揮せしめるためには、それらのいずれかの単位が全芳
香族ジカルボン酸単位中で90モル%以上占めることが必
要である。上記以外の芳香族ジカルボン酸の例としては
イソフタル酸、フタル酸、1,4 −ナフタレンジカルボン
酸、 4,4' −ビフェニルジカルボン酸、ジフェン酸等が
挙げられる。
【0014】これらの副芳香族ジカルボン酸単位は前記
主芳香族ジカルボン酸単位であるテレフタル酸又は2,6
−ナフタレンジカルボン酸との少量共重合単位として使
用されるが、主芳香族ジカルボン酸単位の両単位とも互
いに相手単位を少量共重合単位とすることも可能であ
る。すなわち、テレフタル酸単位90モル%以上と2,6 −
ナフタレンジカルボン酸単位10モル%未満、2,6 −ナフ
タレンジカルボン酸単位90モル%以上とテレフタル酸単
位10モル%未満の両系も好適に使用される。
【0015】主芳香族ジカルボン酸単位に対する副芳香
族ジカルボン酸単位の比率が10モル%を越えると樹脂溶
媒ワニスに対する耐溶剤性が著しく低下し、また固着樹
脂の軟化点、耐ブロッキング性、及びほつれ強度が低下
するので好ましくない。
【0016】軟質酸成分として一般式〔1〕で表される
構造単位を5モル%以上含むオキシカルボン酸単位の採
用は本発明の効果を発現する上で重要な意義を有する。
すなわち、従来使用されていた飽和脂肪族ジカルボン酸
単位に比較して上記両単位の選択により本固着剤の溶媒
であるハロゲン系有機溶媒に対しては溶解するが上記し
たその他の樹脂溶媒に対しては一段と耐溶解性が向上
し、しかも、ほつれ強度も格段に増強する。ただし、上
記した各特性のバランスから本軟質酸成分の全酸成分に
対する組成比は10〜60モル%の範囲に調合する必要があ
る。もし軟質酸成分が10モル%未満の場合はハロゲン系
有機溶媒に対する溶解性が低下し5 重量%以上の溶液が
調製不能となり、またガラス織物への接着性が低下す
る。一方、軟質酸成分が60モル%を越えると前記した樹
脂溶媒に対する耐溶剤性が低下し、また、固着剤溶液を
塗布乾燥後ガラス織物を巻取る際ブロッキングが大きく
なって巻取り不良を引き起こす。
【0017】一般式〔1〕で表される構造単位の構成素
材としては、p−(2−オキシエトキシ)安息香酸、p−
オキシ安息香酸エチレンオキサイド付加物、p−(2−オ
キシプロポキシ)安息香酸、p−(3−オキシプロポキ
シ)安息香酸、p−オキシ安息香酸プロピレンオキサイ
ド付加物、p−オキシ安息香酸エチレンオキサイド/プ
ロピレンオキサイド混合体付加物等のオキシカルボン酸
より酸の水酸基と、水酸基の活性水素を除いた残基が挙
げられる。ここで、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド等のアルキレンオキサイド付加物は、p−オキ
シ安息香酸に硫酸等の触媒を用いて40〜150 ℃の加熱下
にアルキレンオキサイドガスを吹込み反応させた化合物
で、同付加物のアルキレンオキサイド/p−オキシ安息
香酸のモル比は、1〜2程度のものが好ましい。この成
分は耐溶剤性の維持および柔軟性の付与並びに高ほつれ
強度のために重要な役割を果たす。
【0018】上記以外のオキシカルボン酸成分として、
脂肪族炭化水素、脂環式脂肪族炭化水素、芳香族炭化水
素、あるいはこれらの混成構造体を基本骨格とするオキ
シカルボン酸成分を併せてもちいることができる。これ
らの例としては乳酸、オキシピバリン酸、ε−オキシカ
プロン酸、δ−オキシ吉草酸、4−オキシシクロヘキシ
ルカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン
酸より酸の水酸基と、水酸基の活性水素を除いた残基が
挙げられる。これらの中でも特にε−オキシカプロン酸
単位はその原料であるε−カプロラクトンが安価である
うえに、適度な柔軟性とほつれ強度を維持することがで
きるので特に望ましい。
【0019】前記アルコール成分としては脂肪族炭化水
素、あるいは脂環式脂肪族炭化水素を基本骨格とするジ
オール単位であって、エチレングリコール、1,3 −プロ
パンジオール、1,3 −ブタンジオール、1,4 −ブタンジ
オール、1,6 −ヘキサンジオール、1,8 −オクタンジオ
ール、1,9 −ノナンジオール、1,10−デカンジオール、
1,12−ドデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、
1,4 −シクロヘキサンジメタノール、1,5 −シクロオク
タンジメタノール、1,6 −シクロデカンジメタノール、
1,4 −シクロヘキサンジオール等の脂肪族ジオールある
いは脂環式ジオールの水酸基から水素を除いた残基の1
種または2種以上選んで用いることができる。
【0020】本発明で用いる共重合ポリエステルの製造
方法としては、特に制限はなく公知の方法が採用でき
る。たとえば、上記のジカルボン酸とオキシカルボン
酸、あるいはそのラクトンとグリコールとを直接エステ
ル化するか、あるいはジカルボン酸のジアルキルエステ
ルとオキシカルボン酸のオキシアルコキシアルキルエス
テルとグリコールとでエステル交換した後、重縮合する
方法を採用することができる。エステル化、エステル交
換、重縮合の際には、必要に応じて公知の触媒を使用す
ることができる。
【0021】本発明のガラス織物のほつれ防止固着剤
は、前記共重合ポリエステルをそのまま、あるいは必要
に応じてこれに接着性向上剤、柔軟剤、レベリング剤、
ブロッキング防止剤等の添加剤を配合し、通常の攪拌装
置付き溶解槽中で塩化メチレン等のハロゲン系有機溶剤
に溶解させて調製する。本発明のほつれ防止固着剤をガ
ラス織物に使用する方法としては、本固着剤を定量ポン
プ等にて定量輸送し、ガラス織物の切断予定箇所や端部
(耳部)にロールコータやバーコーター等の一般的な塗
布法を用いて連続的に塗布する方法が最も普遍的な方法
として採用することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施態様を下記実施例により
具体的に詳述するが、本発明はその要旨を逸脱しない限
り以下の実施例に限定されるものではない。
【0023】実施例1 テレフタル酸0.65モル、p−オキシ安息香酸エチレンオ
キサイド付加物(p−オキシ安息香酸1モルあたりのエ
チレンオキサイドの平均付加モル数1.06)(略号;HB
AEn )0.35モルからなる酸成分と1,4 −ブタンジオー
ルからなるグリコール成分とを反応缶にとり、150 〜24
0 ℃でエステル化反応を行い、次いでテトラ−n−ブチ
ルチタネート0.0002モルを触媒として添加し、減圧下で
重縮合反応を行って共重合ポリエステルを得た。
【0024】上記共重合ポリエステルは塩化メチレンに
5 重量%の濃度で完全溶解した。この溶液をガラス織物
の端部に塗布して乾燥し、塗布部の中央部を切断した後
ロールに巻取った。巻取った後のロールは耳高になら
ず、巻姿は極めて緻密で均整の取れた形状を保ってい
た。操業中のブロッキング等の巻取り不良は全く発生し
なかった。
【0025】巻取り後のガラス織物について以下の各特
性を測定した。 ・耐溶剤性:室温(25℃) にて5cm×5cmのガラス織物
試料を被測定溶媒中に72時間浸漬し、室内に3時間自然
放置して風乾させ、試料の外観を観察し、以下の基準に
従って耐溶剤性をランク付けした。 ○:外観変化無し、△:膨潤、×:溶解 ・ほつれ強度:一端に帯状のほつれ防止樹脂塗布部を有
する5cm×5cmのガラス織物試料の同上樹脂塗布部帯中
央の経糸1本に鉤状の引張治具を引っ掛け、引張治具と
ガラス織物の他端を引張試験機にチャッキングし、引張
速度1mm/min で引張り、引き剥がし強度を測定した。
【0026】また、本発明のほつれ防止樹脂について以
下の各特性を測定した。 ・ブロッキング性:ガラス織物に本樹脂5重量%塩化メ
チレン溶液を片面に均一に塗布し乾燥させたシートより
7 cm×7 cmの試料片2枚を切出し、これらを塗布面が互
いに接するように重ね合わせて、温度140 ℃、圧力10kg
/cm2で10分間熱プレスし、放冷後両試料片を引き剥がし
てブロックの有無を調べた。 DMF溶出率:本樹脂の7重量%塩化メチレン溶液より
乾式流延法にて1g/m2のフィルムを製膜し(乾燥;150
℃×5 分間)、室温、又は70℃の温度条件下ジメチル
フォルムアミド(DMF)中に浴比1:200 で1時間浸
漬した。このフィルム試料を風乾後170 ℃で2 時間乾燥
し、浸漬前後の試料重量測定値より次式にてDMF溶出
率を算出した。 DMF溶出率=(浸漬前試料重量−浸漬後試料重量)/
浸漬前試料重量×100 ・塩化メチレン溶解性:本樹脂微粉末試料5 部を室温に
て塩化メチレン95部中に浸漬し1 時間以上撹拌して溶解
状態を観察した。この結果については以下のように評価
した。 ・溶解:完全に溶解した場合、不溶:少なくとも一部不
溶部分が残った場合。 ・B&R軟化点(℃):JIS −K2531 の方法に準じて測
定した。
【0027】実施例2 実施例1で用いられたp−オキシ安息香酸エチレンオキ
サイド付加物の代わりにp−(2−オキシエトキシ)安息
香酸(略号;HBAE)を同組成量使用した以外は実施
例1と全く同様に重合反応を行い、同様に性能評価を行
った。 実施例3 実施例1で用いられたp−オキシ安息香酸エチレンオキ
サイド付加物の代わりにp−オキシ安息香酸プロピレン
オキサイド付加物(p−オキシ安息香酸1モル当りのプ
ロピレンオキサイドの平均付加モル数1.07、2−プロピ
レンオキサイド/3−プロピレンオキサイド=0.85)
(略号;HBAPn )を同組成量使用した以外は実施例
1と全く同様に重合反応を行い、同様に性能評価を行っ
た。 比較例1 テレフタル酸65モル、イソフタル酸10モル、アジピン酸
25モルの酸成分を用い、1,4 −ブタンジオールをグリコ
ール成分として、実施例1と基本的に同様の操作をして
共重合ポリエステルを得た。このポリエステルの5重量
%塩化メチレン溶液を調製し、実施例1と同様に、ガラ
ス織物への塗布及び巻取りテストを行った。以上の樹脂
及びガラス織物試料について実施例1と同様、耐溶剤
性、DMF溶出率、塩化メチレン溶解性、B&R軟化
点、ほつれ強度、及びブロッキング性を測定した。以上
実施例1〜3及び比較例1の観察・測定結果を表1にま
とめて示した。
【0028】
【表1】
【0029】このような表1の結果から明らかなよう
に、従来提案されているほつれ防止固着剤の代表例であ
る比較例1に比べて、本発明のほつれ防止固着剤の例示
組成物である実施例1〜3の共重合ポリエステルはほつ
れ強度が著しく強く、また耐溶剤性、就中、DMFに対
する耐溶剤性が優れており、本発明のほつれ防止固着剤
が、従来品に対して一段と高性能の組成物であることが
判明した。
【0030】実施例4及び5並びに比較例2及び3 本発明の構成組成物であるテレフタル酸、p−オキシ安
息香酸エチレンオキサイド付加物(実施例1の化合物と
同一の化合物)、ε−カプロラクトン、1,4 −ブタンジ
オールの割合を様々に変えて本発明の範囲に属する実施
例4及び5、と本発明の範囲から逸脱する比較例2及び
3の配合物を調製し、基本的には実施例1と同様の操作
で共重合ポリエステルを得た。次いで実施例1と同濃度
で塩化メチレン溶液を調製し、実施例1と同様に、ガラ
ス織物への塗布及び巻取りテストを行った。
【0031】以上の樹脂及びガラス織物試料について実
施例1と同様、耐溶剤性、DMF溶出率、塩化メチレン
溶解性、B&R軟化点、ほつれ強度、及びブロッキング
性を測定した。なお、比較例2は塩化メチレンに溶解し
なかったため、ガラス織物に塗布することができなかっ
た。したがって、耐溶剤性、及びDMF溶出率の測定は
できなかった。以上実施例4及び5並びに比較例2及び
3の観察・測定結果を表2にまとめて示した。
【0032】
【表2】
【0033】表2に示された実施例4及び5と比較例2
及び3の比較から明らかなように、共重合ポリエステル
の組成が、本発明の範囲から逸脱した場合にはガラス織
物用途には適さない。比較例2のものは溶剤溶解性が不
十分なため塩化メチレン溶液での使用ができない。また
比較例3のものは耐溶剤性が十分でないためエポキシワ
ニスに溶出する恐れがある。これに対し、本発明の範囲
の組成をもつポリエステル実施例1〜5はいずれも優れ
た性能を有している。
【0034】
【発明の効果】本発明のガラス織物のほつれ防止固着剤
は、従来品に比較してガラス織物に対する接着性が顕著
に優れており、しかもブロッキングをおこさず、少ない
塗布量で卓越したガラス織物のほつれ防止性能を発揮す
る。また、電子材料用ボード材等の樹脂板の補強材とし
て使用する際の樹脂ワニス等に使用する非ハロゲン系の
溶媒に対して耐溶剤性が優れており、特に従来品にて性
能劣化が問題となっているDMF等の非プロトン極性溶
媒に対して一段と優れた耐溶剤性を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸単位、又は2,6 −ナフタレ
    ンジカルボン酸単位を90モル%以上含む芳香族ジカルボ
    ン酸単位が40〜90モル%と、下記一般式〔1〕で表され
    る構造単位を5モル%以上含むオキシカルボン酸単位が
    10〜60モル%とよりなる酸成分と、脂肪族ジオール単位
    及び/又は脂環式ジオール単位よりなるアルコール成分
    から構成された共重合ポリエステルを主剤とすることを
    特徴とするガラス織物のほつれ防止固着剤。 【化1】 [ ここで、m、n及びlは、下記の関係を満足する整数
    である。 m=0〜5、n=0〜5、l=0〜5、 p=m+n+
    l=1〜5、p=1の構造単位の存在率/一般式〔1〕
    の全構造単位の存在率≧0.6 。]
JP4360815A 1992-12-28 1992-12-28 ガラス織物のほつれ防止固着剤 Pending JPH06200480A (ja)

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JP4360815A JPH06200480A (ja) 1992-12-28 1992-12-28 ガラス織物のほつれ防止固着剤

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2631337A1 (de) * 2012-02-24 2013-08-28 EMS-Patent AG Faserstruktur, Verfahren zu deren Herstellung und Verwendung sowie Faserharzverbundwerkstoff

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