JPH06200042A - ポリカーボネート粒状体の製造法 - Google Patents

ポリカーボネート粒状体の製造法

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JPH06200042A
JPH06200042A JP34821092A JP34821092A JPH06200042A JP H06200042 A JPH06200042 A JP H06200042A JP 34821092 A JP34821092 A JP 34821092A JP 34821092 A JP34821092 A JP 34821092A JP H06200042 A JPH06200042 A JP H06200042A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水とポリカーボネートに対する貧溶媒とポリ
カ−ボネ−トの有機溶媒溶液の懸濁混合液を、撹拌しな
がら加熱し、ポリカ−ボネ−トの粒状体を形成させ、そ
こに該ポリカーボネートの有機溶媒溶液及び貧溶媒水溶
液を連続的に供給しながら、ポリカーボネートの有機溶
媒を蒸発溜去する。 【効果】 実質的に微粉末を含まず、嵩密度の高い、粒
径の揃ったポリカーボネート粒状体を、特殊な装置を用
いることなく連続的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネート粒状体
の製造法に関するものである。詳しくはポリカーボネー
トの有機溶媒溶液から嵩密度が高く、取り扱いが容易な
ポリカーボネート粒状体を、特殊な装置を用いることな
く製造する方法に関するものであり、更に詳しくは、粒
径が均一で、実質的に微粉末を含まない、性状の優れた
ポリカーボネート粒状体を製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術】ポリカーボネートの有機溶媒溶液からポリ
カーボネートを製造する方法は、従来より種々提案され
ている。例えば、ポリカーボネートの有機溶媒溶液にメ
タノール(特公昭36−22447号公報)、アセト
ン、酢酸エチル等(特公昭37−7000号公報)を加
え、ポリカーボネートの析出を行う方法、ポリカ−ボネ
−トの有機溶媒溶媒溶液に曇り点まで貧溶媒を加え、更
にポリカ−ボネ−ト粉体を加えて、ポリカ−ボネ−トを
取り出す方法(特公昭36−22448号公報)等があ
るが、これらの方法により得られるポリカーボネートは
嵩密度の低い微粉末状のものであり、貯蔵、収袋、成形
時に微粉末の飛散を起こしたり、成形時に押出成形機の
ホッパー内でブリッジングを起こしてしまう等、取り扱
いの際の粉体の飛散性、流動性に難点があった。
【0003】また、ポリカ−ボネ−トの有機溶媒溶液に
水酸化カルシウム等の分散助剤を加え、攪拌し、分散相
が小さい細粒の形を維持しているところに、リグロイン
のようなポリカ−ボネ−トに対する非溶剤を加え、更に
有機溶剤を溜去してポリカ−ボネ−ト粒状体を得る方法
(特公昭37−5598号公報)や、ポリカ−ボネ−ト
の有機溶媒溶液を界面活性剤の存在下、これが発泡しな
い程度の温度で水性エマルジョンとし、冷水中に投入す
る方法(特公昭44−11031号公報)があるが、こ
れらの方法は、単離後の粒子の精製が困難である。
【0004】一方、貧溶媒等を用いず、ポリカ−ボネ−
トの有機溶媒溶液から直接ポリカ−ボネ−トを得る方法
として、ポリカ−ボネ−トの有機溶媒溶液を加熱濃縮し
たのち、これを冷却し、ゲル化物を得、これを粉砕して
ポリカ−ボネ−ト粉末を得る方法(特公昭36−210
33号公報)、ポリカ−ボネ−トの粘稠な溶液を長時間
放置し、ポリカ−ボネ−トを結晶化させ、これを粉砕す
る方法(特公昭36−22890号公報、特公昭38−
22497号公報)等があるが、これらの方法は粉砕可
能な結晶化状態とするまでに長時間を要する、粉砕のた
めに特殊な装置を要する、粉砕のために多大なエネルギ
−を要するなど工業的に見て効率が良い方法とは言えな
い。また、脱気突管のある押出機の中で、溶剤を連続的
に蒸発させて、ポリカ−ボネ−トの溶融体を押し出すこ
とにより、ポリカ−ボネ−トの有機溶媒溶液から、ポリ
カ−ボネ−トをペレットとして取り出す方法(特公昭4
8−22840号公報)があるが、これは、有機溶媒を
除去する為に、長時間ポリカ−ボネ−トを溶融させてお
くため、色調が悪くなるという問題がある。
【0005】更にまた、ポリカーボネートのジクロロメ
タン溶液を連続的に造粒槽内の温水に供給してポリカー
ボネート粒状体を生成させ、このポリカーボネート粒状
体を含む水スラリーの少なくとも一部を湿式粉砕処理し
て造粒槽に循環する方法(特開昭59−133228
号)、ポリカーボネートのジクロロメタン溶液を造粒槽
に供給し、水中で懸濁状態を保ちながら、1.1〜50
気圧の圧力下でジクロロメタンを蒸発させる方法(特開
昭60−116412号公報)、ポリカーボネートのジ
クロロメタン溶液を、ジクロロメタンの沸点以上の温度
に維持した熱水を貯留した、粉砕機構を有する混練機に
供給し、これを混練することにより脱溶媒、粉砕を同時
に行う方法(特開昭60−202126号公報)、温水
中にポリカーボネート粒状体を存在させておき、温水の
撹拌流中に狭い流路を設けると共に、この流路内で撹拌
翼を高速回転させて剪断力を付与しながら、温水を高速
対流させて、該温水中にポリカーボネートのジクロロメ
タン溶液を供給して造粒する方法(特開昭64−742
31号公報)、100〜150℃で流動しているポリカ
−ボネ−トの粉体中にポリカ−ボネ−トのジクロロメタ
ン溶液を供給し、有機溶媒を蒸発溜去する方法(特開平
4−189835号公報)も提案されているが、一般に
これらの方法は高圧または高温条件を必要とする場合が
多く、また、粘着性の塊状物が生成するために、充分な
撹拌を行う必要があり、湿式粉砕機、混練機等の特殊な
装置を必要とする。
【0006】本出願人は、先に、より簡便に性状の優れ
たポリカーボネート粒状体を製造すべく、水とポリカ−
ボネ−トに対する貧溶媒とポリカ−ボネ−ト粒状体の懸
濁混合液に、攪拌下、該ポリカ−ボネ−トの有機溶媒溶
液を供給して造粒する方法(特願平3−340773)
を報告した。しかしながら、上記方法により大量のポリ
カ−ボネ−トの有機溶媒を連続的に処理しようとする場
合、予め槽内に敷いておく水及び貧溶媒が大量に必要と
なるため、造粒初期と後期においての粒子の性状が異な
り、不均一な粒子が得られることがあり、さらに、大き
な造粒槽が必要となる等、連続化に際してはさらなる改
良が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は貯蔵、収袋、
運搬、成形時の取り扱いに著しく優れ、実質的に微粉末
を含まず、粒径が均一で、更に嵩密度が高く、性状の優
れたポリカーボネート粒状体を、ポリカーボネートの有
機溶媒溶液から特殊な装置を用いることなく、効率よく
しかも連続的に製造することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、少なくとも2
槽以上の造粒槽を用い、第1槽目で水とポリカーボネー
トに対する貧溶媒とポリカーボネートの有機溶媒溶液の
懸濁混合液を、攪拌しながら加熱し、ポリカーボネート
の粒状体を形成させ、そこに該ポリカーボネートの有機
溶媒溶液及び貧溶媒水溶液を供給しながら、ポリカーボ
ネートの有機溶媒を蒸発溜去し、ポリカーボネートの粒
状体を形成させ、得られた粒状体を第2槽目又はそれ以
降の槽に送り、残留する有機溶媒及び貧溶媒を溜去する
ことにより、性状の優れたポリカーボネート粒状体をポ
リカーボネートの有機溶媒溶液から特殊な装置を用いる
ことなく効率よくしかも連続的に製造できることを見出
した。さらに、第1槽目の槽内のポリカーボネートの有
機溶媒の濃度及びポリカーボネートに対する貧溶媒の濃
度を、それぞれ、0.1〜1.5重量%、5〜20重量
%の範囲内に制御する事によって、得られるポリカーボ
ネート粒状体は、実質的に微粉末を含まず、粒径が揃っ
た、取り扱い性に著しく優れた性状を有することを見出
し本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、少なくとも2槽以上の造
粒槽を用い、第1槽目で水とポリカーボネートに対する
貧溶媒とポリカ−ボネ−トの有機溶媒溶液の懸濁混合液
を、撹拌しながら加熱し、ポリカ−ボネ−トの粒状体を
形成させ、そこに該ポリカーボネートの有機溶媒溶液及
び貧溶媒水溶液を連続的に供給しながら、ポリカーボネ
ートの有機溶媒を蒸発溜去し、ポリカ−ボネ−トの粒状
体を形成させ、得られた粒状体を第2槽目又はそれ以降
に送り、残留する有機溶媒及び貧溶媒を溜去し、得られ
た粒状体を連続的に取り出すことを特徴とするポリカー
ボネート粒状体の製造法である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用するポリカーボネートは、脂肪族ポリカーボネート
でも、芳香族ポリカーボネートでもよいが、好ましく
は、芳香族ポリカーボネートが使用される。芳香族ポリ
カーボネートは、通常よく知られた方法、例えば、ジヒ
ドロキシ芳香族化合物とホスゲンまたはジヒドロキシ芳
香族化合物のビスクロロホーメートから製造される。芳
香族ポリカーボネートの原料として用いられるジヒドロ
キシ芳香族化合物としては、例えば、次式で表されるジ
ヒドロキシ芳香族化合物があげられる。
【0011】HO−Ar1−X−Ar2−OH ここでAr1とAr2は各々2価の単環式芳香族基であ
り、XはAr1とAr2を結び付ける基である。Ar1
およびAr2は、置換されていないフェニレン基でも、
置換されたフェニレン基でもよい。置換基としては、例
えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アリール基等の炭化水素基や、ハロゲン、ニトロ基、ア
ルコキシ基等があげられる。Ar1とAr2の両方がp
−フェニレン基であるのが好ましいが、両方がo−もし
くはm−フェニレン基であってもよいし、あるいは一方
がo−もしくはm−フェニレン基であってもよい。ま
た、Xは、通常、2価の炭化水素基であり、飽和の炭化
水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−プロピ
リデン、シクロヘキシリデン等のアルキリデン基があげ
られるが、アリール基等で置換された基も包含される。
また、芳香族基やその他の不飽和の炭化水素基を含有す
る炭化水素基であってもよく、更には炭素と水素以外の
原子を含む基、例えば、−O−,−S−,−SO−,−
SO2−、−CO−等であってもよい。
【0012】ジヒドロキシ芳香族化合物の具体例として
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−ナフチルメタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
〔“ビスフェノールA”〕、2−(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−2−(3’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)イソブ
タン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オク
タン、2,2−ビス(3’−メチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−エチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3’−n−プロピル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3’−イソプロピル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−s
ec−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−シクロ
ヘキシル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス(3’−アリル−4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3’−メトキシ−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’,5’
−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2’,3’,5’,6’−テトラメチル
−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3’−クロロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3’,5’−ジクロロ−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−ブロ
モ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(2’,6’−ジブロモ−
3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シアノメタ
ン、1−シアノ−3,3−ビス(4’−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキシアリ
ール)アルカン類、
【0013】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)アダマンタン等のビス(ヒドロ
キシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリ
コールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のジ
ヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロ
キシジアリールスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキ
シジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジ
アリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
ケトン等のビス(ヒドロキシアリール)ケトン類、
【0014】更には、5,6’−ジヒドロキシ−3,
3,3’,3’−テトラメチルスピロ(ビス)インダン
〔“スピロビインダンビスフェノール”〕、トランス−
2,3−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−ブテ
ン、9,9−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)フルオ
レン、3,3−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2
−ブタノン、1,6−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−1,6−ヘキサンジオン、1,1−ジクロロ−
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチレン、
1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス
(5’−フェノキシ−4’−ヒドロキシフェニル)エチ
レン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,
α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−m−キシレン等が挙げられる。
上記のジヒドロキシ芳香族化合物の他にもハイドロキノ
ン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等
も同様に使用される。これらは単独で、あるいは2種以
上混合して使用してもよい。本発明において、特に好ま
しく使用されるジヒドロキシ芳香族化合物は、ビスフェ
ノールAである。
【0015】本発明において、ポリカーボネートの有機
溶媒溶液(以下、ポリカーボネート溶液と略記する)と
は、ポリカーボネートを有機溶媒に溶解して調製したも
のでもよく、また、従来のポリカーボネートの製法、即
ち界面重合法(Interscience Publi
shing, “Encyclopedia ofPo
lymer Science and Technol
ogy”,vol.10,polycarbonat
e,p.710 〜764,(1969),H.Sch
nell,“Chemistry and Physi
cs of Polycarbonate”,Inte
rscience Publishing,p.33〜
41,(1964)参照)により、ポリカーボネートを
溶解する有機溶媒の存在下、少量の分子量調節剤及び所
望により分岐化剤を用いて、ジヒドロキシ芳香族化合物
をホスゲンまたはジヒドロキシ芳香族化合物のビスクロ
ロホーメート組成物と反応させて得られるポリカーボネ
ートのホモポリマーもしくはコ−ポリマーの溶液または
これを適宜濃縮したものでもよく、これ以外の方法によ
って調製したものであってもよい。ポリカーボネート溶
液の溶媒として使用する有機溶媒は、ポリカーボネート
を溶解するものであれば任意に使用可能であるが、中で
も、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロ
エタン、1,2−ジクロロエチレン等の塩素化炭化水素
またはそれらの混合物が好ましい。本発明においては、
低沸点でポリカーボネートを良く溶解するジクロロメタ
ンを利用するのが特に好ましい。
【0016】ポリカーボネートに対する貧溶媒(以下貧
溶媒と略記する)とは、ポリカーボネート溶液に充分な
量を加えると有機溶媒を除去しなくてもポリカーボネー
トを析出させる能力をもつ溶媒〔anti−solve
nt〕であり、多量に加えてもポリカーボネートの溶解
度に影響を与えない非溶媒〔non−solvent〕
とは異なる(米国特許第4,668,768号参照)。
本発明においては、貧溶媒は、水に可溶なものであれば
任意に使用可能であり、具体例としては、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン類、メタノール、イソプロ
パノール等のアルコール類、更には、ニトロメタン、ア
セトニトリル、及びそれらの混合物が挙げられる。本発
明において好ましい貧溶媒は、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類であり、特に水に対する溶解度及び
沸点において、アセトンが好ましく使用される。水に可
溶性の貧溶媒を用いることにより、貧溶媒が分散剤の効
果も及ぼすため、ポリカーボネート粒状体が造粒槽内で
均一に分散され、粒径の揃ったポリカーボネート粒状体
を得ることができる。
【0017】本発明においては、造粒槽内に水とポリカ
ーボネートに対する貧溶媒とポリカ−ボネ−ト溶液の懸
濁混合液を、攪拌下で加熱し、ポリカ−ボネ−ト粒状体
を形成させ、そこにポリカ−ボネ−ト溶液と、水と貧溶
媒の混合溶液を連続的に供給する。上記の懸濁混合液に
おけるポリカ−ボネ−ト溶液は、有機溶媒を蒸発溜去す
る点から考えると、できるかぎり高濃度のものが好まし
いが、取扱性の面から、本発明においては10〜25重
量%が好ましい。
【0018】懸濁混合液における貧溶媒の量は、ポリカ
−ボネ−ト溶液に対して重量比で0.16〜0.4倍が
好ましい。懸濁混合液を攪拌しながら加熱し、ポリカ−
ボネ−トの粒状体を形成させる場合、途中ゲル状物を形
成し、それが攪拌により粉砕され、粒状体が得られる。
用いる貧溶媒の量が0.16倍未満の場合には、このゲ
ル状物が粘着性の高いものとなり、貧溶媒の量が0.4
倍を超える場合には、製造されるポリカーボネート粒状
体が嵩密度の低い、微粉末に近いものとなる傾向があ
る。また、懸濁混合液における水の量は、ポリカ−ボネ
−ト溶液に対して、重量比で0.5〜2.0倍が好まし
い。0.5倍未満の場合は、造粒槽内の攪拌が不充分と
なり、2.0倍を超える場合は、槽内に占める粒子の割
合が低くなり、粒子間の摩擦力が十分に得られない場合
がある。
【0019】連続的に供給するポリカーボネート溶液中
のポリカーボネートの濃度は、飽和濃度までの任意の濃
度をとりうる。しかし、あまり高濃度のものはその粘性
が高く取り扱いが困難になるため、通常、その濃度は5
〜35重量%程度が好ましく、更に10〜25重量%が
好ましい。貧溶媒水溶液における貧溶媒の量は、5〜2
5重量%が好ましく、特に10〜20重量%が好まし
い。貧溶媒の量が5%未満の場合には粒径の揃いが悪
く、また一度形成された粒状体同士が再び凝集し、塊状
物を形成することがあり、貧溶媒の量が25%を超える
場合には、製造されるポリカーボネート粒状体が嵩密度
の低い微粉末を含む傾向がある。
【0020】懸濁混合液に貧溶媒水溶液とポリカーボネ
ート溶液を供給する方法はどの様な方法を用いても良
い。また、それぞれの溶液を供給する速度は、供給する
溶液中の有機溶媒及び貧溶媒の供給量と流出及び蒸発溜
去される有機溶媒及び貧溶媒の量が、ほぼ等しくなる程
度に保つのが好ましく、本発明においては、造粒中の槽
内の有機溶媒と貧溶媒の濃度を、それぞれ、0.1〜
1.5重量%、5〜20重量%の範囲内に保つことが好
ましい。有機溶媒の濃度が0.1重量%未満の場合に
は、得られるポリカーボネートが球形ではなく、嵩密度
が低くなり、1.5重量%を越える場合には、粘着性の
ある粒子が形成される傾向がある。また、貧溶媒の濃度
が5重量%未満の場合は、液表面にポリカーボネートの
膜が形成され、好ましい粒子が得られないことがあり、
20重量%を越える場合には、ポリカーボネートが微粉
末状となる傾向がある。
【0021】水と貧溶媒とポリカ−ボネ−ト溶液の懸濁
混合液及びポリカ−ボネ−ト粒状体が形成された後の水
スラリ−液は、攪拌下加熱状態を保つ。この加熱温度
は、ポリカーボネートの有機溶媒の沸点以下でもよい
が、大幅に低い場合は、有機溶媒の蒸発速度が遅くな
り、貧溶媒溶液中に有機溶媒が多量残留する様になるた
め、ゲル状物が造粒槽の壁及び攪拌翼に付着し、均一な
品質のポリカーボネート粒状体を得ることが困難にな
る。一方、加熱温度が高すぎる場合には、有機溶媒の蒸
発速度が速くなり、空孔の多いものとなる傾向があり、
更に、貧溶媒や水が蒸発溜去される様になるため好まし
くない。本発明の方法では、加熱温度は、ポリカーボネ
ートの有機溶媒の沸点より10℃低い温度から沸点より
20℃高い温度が好ましく、特に、沸点より5℃低い温
度から沸点より10℃高い温度範囲とすることが好まし
い。
【0022】本発明方法においては、少量の貧溶媒を用
いることによって、粒状体形成の初期段階で形成される
ゲル状物が、攪拌による剪断力で粉砕可能となり、更
に、造粒槽内に粒子が形成されてから、ポリカ−ボネ−
ト溶液と水と貧溶媒の混合溶液を、連続的に供給しなが
ら、有機溶媒を蒸発溜去し、粒状体を形成させる際に、
粒子間の摩擦力も加わる為、特別な撹拌装置や撹拌翼、
混練機、粉砕機等を用いる必要がない。攪拌は少なくと
も線速度1.47m/s.の剪断力であればよく、より
好ましくは2.56m/s.以上である。
【0023】また、本発明においては、造粒槽内に窒素
を流通した場合、蒸発した有機溶媒及び貧溶媒の造粒槽
外への流出が容易になり、より低温での造粒が可能とな
る。
【0024】本発明において第1槽内で連続的に形成さ
れるポリカ−ボネ−ト粒状体は、引き続きオーバーフロ
ー等により第2槽目又はそれ以降に送られる。第2槽目
又はそれ以降の槽は、槽内の温度を貧溶媒の沸点よりも
高い温度に保持し、残留する有機溶媒及び貧溶媒を蒸発
溜去し、濾過等の操作により、ポリカーボネート粒状体
を取り出すことが出来る。得られたポリカーボネート粒
状体は、減圧乾燥や流動乾燥等の通常の方法で、乾燥さ
れ、製品化される。
【0025】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。
【0026】実施例1 図1に示すような内容量1リットルの造粒装置を使用
し、槽内には予め水400g、アセトン120g、20
重量%のポリカ−ボネ−トのジクロロメタン溶液400
gを敷き、線速度2.56m/s.の攪拌の下、2.5
l/minの窒素雰囲気下で液温を37℃に保持した。
途中ゲル状物を経由し、それが粉砕され、ポリカ−ボネ
−トの粒状体が形成された時点から15重量%のポリカ
−ボネ−トのジクロロメタン溶液と15重量%のアセト
ン水溶液を、それぞれ3.5g/min、15.8g/
minの一定速度で連続的に造粒槽に供給し、槽内の液
組成をジクロロメタン0.78重量%、アセトン9.3
4重量%に保持した。形成されたポリカ−ボネ−トの粒
状体は、オ−バ−フロ−により第2槽に送り、第2槽目
の温度を80℃に保持し、ジクロロメタンおよびアセト
ンを蒸発溜去させた後に、濾過し、120℃で24時間
乾燥した。得られたポリカーボネート粒状体は、主に粒
径0.5〜1.4mm、嵩密度0.60g/mlであ
り、ほぼ球状の、粒径の揃ったポリカーボネート粒状体
が得られた。
【0027】実施例2 攪拌の線速度を1.47m/s.とした以外は、実施例
1と同様にして、ポリカ−ボネ−ト粒状体を製造した。
得られたポリカーボネート粒状体は、主に粒径0.9〜
1.2mm、嵩密度0.60g/mlであり、ほぼ球状
の、粒径の揃ったポリカーボネート粒状体が得られた。
【0028】比較例1 貧溶媒であるアセトンを使用しない以外は、実施例1と
同様にして、ポリカ−ボネ−ト粒状体を製造した。得ら
れたポリカ−ボネ−トはブロック状の塊状物であり好ま
しい粒形のものは得られなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、貯蔵、収袋、運搬、成
形時の取り扱いに著しく優れ、実質的に微粉末を含ま
ず、嵩密度が高く、更に粒径の揃ったポリカーボネート
粒状体を、特殊な装置を用いることなく連続的に製造す
ることができる。従って、本発明の製造法は工業的に極
めて有用性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた造粒装置の模式図である。
【符号の説明】
1:ポリカ−ボネ−ト溶液供給口 2:アセトン/水溶液供給口 3:窒素吹き込み口 4:生成粒状体含有水スラリ−抜き出し管 5:ジャケット 6:熱交換機 7:粒状体抜き出し口
フロントページの続き (72)発明者 太田 正博 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2槽以上の造粒槽を用い、第
    1槽目で水とポリカーボネートに対する貧溶媒とポリカ
    −ボネ−トの有機溶媒溶液の懸濁混合液を、撹拌しなが
    ら加熱し、ポリカ−ボネ−トの粒状体を形成させ、そこ
    に該ポリカーボネートの有機溶媒溶液及び貧溶媒水溶液
    を連続的に供給しながら、ポリカーボネートの有機溶媒
    を蒸発溜去し、ポリカ−ボネ−トの粒状体を形成させ、
    得られた粒状体を第2槽目又はそれ以降に送り、残留す
    る有機溶媒及び貧溶媒を溜去し、得られた粒状体を連続
    的に取り出すことを特徴とするポリカーボネート粒状体
    の製造法。
  2. 【請求項2】 ポリカーボネートの有機溶媒溶液及び貧
    溶媒水溶液を、槽内の有機溶媒及び貧溶媒の濃度が、そ
    れぞれ、0.1〜1.5重量%、5〜20重量%となる
    ように供給する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 貧溶媒水溶液中のポリカーボネートに対
    する貧溶媒の濃度が、5〜25重量%であることを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 加熱温度が、ポリカーボネートの有機溶
    媒の沸点より10℃低い温度から該沸点より20℃高い
    温度範囲内であることを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 攪拌が、線速度1.47m/s.以上の
    剪断力によって行われる請求項1記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001048059A1 (en) * 1999-12-23 2001-07-05 General Electric Company Polycarbonate isolation through homogenization devolatization
JP2011026471A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Teijin Chem Ltd ポリカーボネート粒状体の連続製造方法
JP2022510575A (ja) * 2019-01-18 2022-01-27 エルジー・ケム・リミテッド 粒状ポリカーボネートの製造方法

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