JP2939411B2 - ポリマー粒状体の製造方法 - Google Patents

ポリマー粒状体の製造方法

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JP2939411B2 JP3830894A JP3830894A JP2939411B2 JP 2939411 B2 JP2939411 B2 JP 2939411B2 JP 3830894 A JP3830894 A JP 3830894A JP 3830894 A JP3830894 A JP 3830894A JP 2939411 B2 JP2939411 B2 JP 2939411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマーの有機溶媒溶
液からポリマー用添加剤含有ポリマー粒状体(本発明に
いう粒状体は粒径のより小さい粉状体も含む意である)
を製造する方法に関する。更に詳しくは、ポリマーの有
機溶媒溶液からポリマー粒状体を製造するに当たり、ポ
リマー有機溶媒溶液中にポリマー用添加剤を共存させ
て、該添加剤が均一に分散含有されたポリマー粒状体を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマーは通常、溶融体、溶液、スラリ
ー、エマルジョン等の形で得られるが、最終用途に供さ
れるまでの各種取扱、特に貯蔵、運搬、成形等に際して
の取扱が便利なように粒状体に予備調製される。ポリマ
ーの粒状体自体、その貯蔵中に表面が空気酸化された
り、該粒状体の調製又は成形時、特に各種成形機による
成形時にはかなりの熱履歴を伴い、熱劣化とか酸化を受
けることが多いため、通常は熱劣化防止剤とか酸化防止
剤の添加が必要であり、一方、成形金型からの離型性を
よくするための離型剤、ポリマーの流動性をよくするた
めの滑剤、成形品の耐候性を向上させるための耐候剤
(紫外線防止剤等)、成形品の着色のための顔料等の着
色剤、その他、ポリマーの機能性の維持、向上のための
各種添加剤が広く使用されてきた。
【0003】しかし、これら添加剤は溶融体からポリマ
ー粒状体を調製する場合を除き、粒状化する以前に添加
しては溶媒や分散媒中に逃げ易く、従って、粒状体に調
製後添加しようとするため、一般に溶融粘度の高い該粒
状体中に均一に含有させるためにはポリマーにかなりの
熱履歴をかけざるを得なかった。酸化防止剤等の場合
は、粒状体中に均一に含有されるまでは、その本来の効
果の充分な発揮ができず、添加剤の添加方法には問題が
あった。しかもこれら従来法は押出成形装置やペレタイ
ザー等の操作工程と、これら高価な機器を必要とし、ま
たエネルギーコストも大であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は粒状
体を調製後に上記添加剤を添加する方法に代わり、粒状
体の調製と同時に添加する方法、特に熱履歴を受ける以
前にポリマー粒状体中に均一に添加分散させる有効な方
法を見出すことを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意研究をした結果、ポリマーが溶液状態
で得られるポリカーボネートの粒状体の製造に当たり、
その有機溶媒溶液に添加剤を直接添加することにより効
果的にポリマー用添加剤を含有するものが容易に得られ
ることを見出し、他のポリマーにも応用した結果同様に
適用できる知見を得、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明の要旨は、 (第1)ポリマーの有機溶媒溶液からポリマー粒状体を
製造する方法において、実質的に水蒸気を含まず、かつ
有機溶媒が蒸発する雰囲気に保持されるとともに、攪拌
されているポリマー粒状体が存在する造粒帯域に、ポリ
マー濃度が3〜60重量%であるポリマーの有機溶媒溶
液をポリマー用添加剤を含有させて供給すると同時に、
該ポリマーの貧溶媒を供給し、該溶液及び該添加剤を前
記攪拌されているポリマー粒状体と接触させながら、有
機溶媒を蒸発させるとともに、前記造粒帯域におけるポ
リマーとしての滞留時間は0.2〜5時間として造粒する
ことを特徴とする添加剤含有ポリマー粒状体の製造方法
であり、 (第2)ポリマーの有機溶媒溶液からポリマー粒状体を
製造する方法において、実質的に水蒸気を含まず、かつ
有機溶媒が蒸発する雰囲気に保持されるとともに、攪拌
されているポリマー粒状体が存在する造粒帯域に、ポリ
マー濃度が3〜60重量%であるポリマーの有機溶媒溶
液を供給すると同時に、ポリマー用添加剤をポリマーの
貧溶媒に含有させて供給し、該溶液及び該添加剤を前記
攪拌されているポリマー粒状体と接触させながら、有機
溶媒を蒸発させるとともに、前記造粒帯域におけるポリ
マーとしての滞留時間は0.2〜5時間として造粒するこ
とを特徴とする添加剤含有ポリマー粒状体の製造方法で
あり、 (第3)ポリマーがポリカーボネート、ポリアリレート
及びポリエステルポリカーボネートから選ばれる少なく
とも一つである第1または第2に記載の添加剤含有ポリ
マー粒状体の製造方法であり、 (第4)ポリマー用添加剤が、該ポリマーの熱劣化防止
剤、酸化防止剤、離型剤、滑剤、耐候剤及び着色剤のう
ちの少なくとも一つである第1ないし第3記載のいずれ
かの添加剤含有ポリマー粒状体の製造方法である。
【0007】以下、請求項1〜4に係る上記第1〜4の
発明(以下「本発明」という)の内容を詳細に説明す
る。本発明が対象とするポリマーは熱可塑性樹脂であ
り、溶媒可溶性の重合体であるが、溶媒を蒸発させつつ
粒状化させることを根本的技術思想とするのであるた
め、ここにいう溶媒は比較的蒸発性の高い有機溶媒でな
ければならない。
【0008】このような溶媒可溶性ポリマーはその製造
方法により制限されるものではないが、有機溶媒溶液の
状態を採りうることを必要とするため、溶液重合により
得られたポリマーを使用するのが最も便利である。しか
し、気相法重合、塊状重合等により得られた粉体又は粒
体でもよく、この場合は所望の溶媒に溶解すれば有機溶
媒溶液、特に分子量の高いポリマーの溶液が得られる。
【0009】上記本発明が対象とするポリマーは具体的
にはポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル
ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン等である
が、本発明に係る方法の効果的実施には、溶液状態で得
られやすいポリカーボネート、ポリアリレート及びポリ
エステルポリカーボネートが最適である。以下、ポリカ
ーボネートを中心に説明する。
【0010】ポリカーボネートは通常の重縮合反応によ
って得られるものであり、2価フェノールとホスゲンと
を反応させる(ホスゲン法)又は炭酸エステル化合物と
を反応させる(エステル交換法)ことにより容易に製造
することができ、前者の場合は最も一般的には後述のビ
スフェノールAとホスゲンを塩化メチレン等の不活性溶
媒中でトリエチルアミンなどの第3級アミンの存在下で
反応させる方法であり、ポリカーボネートは溶液状態で
得られる。後者の場合は溶融重合法であり、ポリカーボ
ネートは固体状態で得られる。
【0011】ここで2価フェノールとしては、ハイドロ
キノン;4,4’−ジヒドロキシジフェニル;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)アルカン〔例えばビスフェノー
ルAなど〕;ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロア
ルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド;ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−
ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ケトン等及びこれらのハロゲン置換化合物が
挙げられる。
【0012】又、炭酸エステル化合物としては、ジフェ
ニールカーボネート等のジアリールカーボネート、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキ
ルカーボネート等が挙げられる。
【0013】一方、ポリアリレ−トとかポリエステルポ
リカーボネートも通常の重縮合反応によって溶液状態で
得られものであり、前者は2価フェノールとテレフタル
酸ジクロリドやイソフタル酸ジクロリド等とを反応させ
ることによって、後者は2価フェノールとテレフタール
酸ジクロリド及びアリールビスクロロフォーメートを反
応させることによって容易に製造することができる。こ
こで、2価フェノールとしては、上記同様のものを挙げ
ることが出来る。
【0014】本発明において使用される有機溶媒として
は、ポリマーに対して実質的に不活性であり、更に使用
温度でそれ自体実質的に安定であって、ポリマーに対し
て溶解性があればよい。しかし、沸点の高いものを使用
する場合は、ポリマー溶液の加熱温度を高くしなければ
溶媒の除去を効率よく行うことができない。従って、ポ
リマー溶液から析出してくるポリマーの粒状体からの有
機溶媒の完全な除去を考慮すると200℃程度以下の沸
点を有する溶媒を用いることが好ましい。
【0015】本発明において使用される有機溶媒の具体
例を挙げると、ポリマーの種類により決まるため一概に
は言えないが、ポリカーボネートとかポリアリレート、
ポリエステルポリカーボネートの場合は、通常メチレン
クロライド、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系
溶媒をはじめ、ベンゼン,トルエン,キシレン,アセト
ン,メチルエチルケトン,酢酸エチル,ジオキサン,テ
トラヒドロフラン等の溶媒、又はこれらの混合物等が、
ポリアミドではギ酸,メタノール,エタノール,塩化メ
チレン,ジクロルエタン,クロロホルム,脂肪族炭化水
素及びこれらの混合物等が好ましく使用される。
【0016】ポリマーはこれら有機溶媒を使用した溶液
重合により又は、ポリマー固体を有機溶媒溶液に溶解し
て得られる有機溶媒溶液の形でポリマー粒状体の製造に
供されることは前述の通りであるが、該ポリマー粒状体
を製造に供される有機溶媒溶液の濃度は特に制限される
ものではない。しかし、溶液の流動性、溶媒の蒸発速
度、蒸発効率等の観点から、ポリマー溶液の濃度は3〜
60wt%が好ましいが、10〜50wt%がより好ま
しい。濃度が3%未満では、蒸発させる溶媒量が非常に
多くなり、ポリマー粒状体製造全工程的には低効率とな
り、好ましくない。従って、若し3wt%未満の場合
は、通常の濃縮手段で予め濃縮しておくことが好まし
い。逆に、濃度が60wt%を超える場合は流動性が低
下してしまうことが多く、流動性を向上させるためには
高温・高圧下で処理しなければならず、造粒槽等造粒帯
域への溶液の濃度としては好ましくない。濃度は10〜
50wt%程度が溶液の輸送性、濃縮性、粒状化等の点
で、本発明の目的が達成しやすい。なお、上記のごとき
60wt%を超える高濃度で供給しなければならない場
合は、あらかじめ溶液を加熱して供給時にフラッシュさ
せつつ行う方法が最も好ましい。
【0017】本発明に係るポリマー粒状体の製造には、
これら良溶媒の蒸発除去が必要であるが、ポリマーの有
機溶媒溶液からのポリマー回収性向上(小粒子の形成性
向上、溶媒残留量の低下、溶液加熱温度の上昇防止等)
等のために貧溶媒が好ましく添加、使用される。請求項
3〜7(上記第3〜第7)に係る発明において使用され
る貧溶媒としては、実質的にポリマーを溶解しないもの
であれば特に制限されないが、蒸発可能なものでなけれ
ばならないことは当然であり、ポリマー有機溶媒溶液の
溶媒に比して特に易揮発性のものが好適である。ここに
使用される貧溶媒はポリマーの種類により適宜選択され
るが、通常使用される貧溶媒の具体例としてはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、オクタン等のアルカン類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類又はこれらの混合
溶媒を挙げることができる。これらはポリマーの種類に
よっては溶媒としても利用できるものである。
【0018】これら貧溶媒は、液体として供給されるほ
か気化させて蒸気として供給してもよく、供給方法とし
ては液体又は蒸気としてポリマーの有機溶剤溶液を造粒
槽に供給する以前に予め該有機溶媒溶液に添加しておく
こともできるが、貧溶媒の量が多くなると有機溶媒溶液
中にポリマーが析出し、浮遊、ブロック化等の現象を招
きやすいので好ましくない。しかし、ポリマーの有機溶
剤溶液を造粒槽に供給する直前に該有機溶媒溶液に供給
し、両者がほとんど同時に造粒帯域(通常は造粒槽が用
いられる)に供給されるような場合は上記のような現象
はほとんど起こらず、しかも造粒槽への供給方法が簡単
であり、必要により採り得る手段である。
【0019】しかし、この貧溶媒の好ましい供給方法
は、造粒槽にポリマーの有機溶媒溶液を供給、攪拌しつ
つ、該造粒槽の槽壁上方全周より供給し、該槽壁に沿っ
て薄膜状に落下させるとか、上記槽壁全周より溶液中に
気体状で吹き込むなど、有機溶媒溶液とは別に供給する
方法が採りやすく、この場合、貧溶媒の高濃度領域など
不均一部分が生じないように充分攪拌することが好まし
い。貧溶媒がポリマー有機溶媒溶液に集中して添加され
ることは、上記のようなポリマーの異常な析出、固形化
を招きやすいので、上記手段の他、更に攪拌下に徐々に
に添加する方法が好ましく選ばれる。
【0020】貧溶媒の添加量としては特に限定されない
が、上記好ましくない現象を避けるため、通常は、 混入量(wt%)=貧溶媒重量×100/(ポリマー溶
液重量×{1−ポリマー溶液濃度}) が0〜80wt%の範囲が好ましいが、0〜70wt%
がより好ましい。混入量が80wt%を超えると、稠密
なポリマー粒状体が得られにくくなり、従って、その嵩
密度が低下し、該粒状体の高容積化、成形性の低下を来
し、好ましくない。貧溶媒添加による危険性を最小限に
するためには70wt%以下がよい。
【0021】本発明が対象とするポリマー用添加剤は、
液体、固体(粉体、粒状体)等により区別されることは
なく、又、添加剤の使用目的により制限されるものでも
なく、すべてのポリマー用添加剤に適用できるものであ
るが、具体的にはポリマーの物性低下防止用添加剤(熱
安定剤、紫外線安定剤、耐候剤、酸化防止剤等)、ポリ
マーの物性改良用添加剤(滑剤、可塑剤、充填剤、増量
材、帯電防止剤、難燃剤等)、新物性付与用添加剤(離
型剤、発泡剤、着色剤、架橋剤、補強材等)その他があ
る。添加剤がポリマーの有機溶媒溶液に添加される場合
は、上記液体、固体の状態によっても制限されるもので
はないが、造粒時のポリマー又はその雰囲気の温度によ
り変質したり、分解したりするものについては適用でき
ない。また、液体又は昇華性の固体添加剤についてはポ
リマー溶液の溶媒沸点よりも高い沸点又は昇華温度をも
つものが好ましく、通常は80℃以上のものが好適であ
る。
【0022】ポリマー粒状体の製造方法としては、溶液
を攪拌しつつ、溶媒を蒸発せしめる造粒装置が最も好適
に使用できるが、あらかじめ造粒されたポリマー粉状体
もしくは粒状体が少量加えられていて、攪拌されている
状態の造粒槽であって所望の温度、圧力下にあるところ
にポリマーの有機溶媒溶液が吐出され、攪拌を継続しつ
つ溶媒が除去される方法がより好適である。
【0023】この場合、攪拌機の翼形状としては特に限
定されるのではないが、造粒装置内壁近くにおいて剪断
力のかかり易いパドル翼とか(ダブル)ヘリカル翼がポ
リマー用添加剤との混合性向上の点で特に好ましい。造
粒帯域を構成する造粒槽の形式、構造としては特に制限
されないが、ニーダー型攪拌槽とか横型攪拌槽が好まし
く使用される。造粒槽に吐出されたポリマー溶液からの
有機溶媒の除去を容易にするため、造粒槽にはスチー
ム、温水、オイル等で加熱できるジャケットが装備され
ていることが好ましい。
【0024】上記のごとく、造粒槽内には少量のあらか
じめ粒状体(粉状又は粒状)に調製されたポリマーが投
入されているが、このポリマー粒状体(粉状もしくは粒
状)は、攪拌されつつポリマー有機溶媒溶液の供給を受
け、該溶液からの造粒を順調に進行させる作用効果を発
揮する。この作用効果の発揮される詳細な理由について
は未だ不明であるが、通常、造粒操作の場合に加える核
剤又は分散媒体の働きをしているものと考えられる。
【0025】使用される粉状体または粒状体としては、
ポリマー有機溶媒溶液のポリマーと同質のものが均一な
品質維持上最も好ましいことは言うまでもないが、ポリ
マー有機溶媒溶液からの造粒が開始されれば、新しい粉
状体または粒状体が生成し、該粒状体等が当初の粒状体
等の役目を果たすから、当初の粉状体とか粒状体のみ異
質のポリマー粒状体を使用していても、大量に連続的に
製造される粒状体の品質には実質的になんら影響を及ぼ
すものではない。
【0026】造粒条件は、ポリマー有機溶媒溶液の濃
度、温度、造粒槽への吐出速度、攪拌条件、造粒槽の温
度、造粒槽滞在時間、貧溶媒の添加量、添加方法等の要
因により定まるが、造粒槽内温度はポリマー有機溶媒溶
液の溶媒沸点以上であり、内圧は−500mmHg〜1
0kg/cm2 Gが最も好ましく採用できる。この圧力
下における溶媒沸点以下では溶媒を完全に除去すること
は困難であり、粒子が形成でき難い。また、内圧は溶媒
の種類により決まるが、通常は−500mmHg未満で
は減圧効果が変わらず、減圧操作コストが上がり好まし
くない。逆に、10kg/cm2 Gを超える程度に加圧
しても何ら新しい効果は期待できず、しかも耐圧容器の
製作によるコストアップが避けられない。
【0027】ポリマー有機溶媒溶液が造粒槽に供給さ
れ、造粒されて排出されるまでのポリマーとしての滞留
時間は0.1〜10時間が好ましいが、0.2〜5時間程度
の滞留が一層好ましい。0.1時間未満では溶液からのポ
リマーの析出、粒状体の製造が困難になる。逆に、10
時間を超えると、造粒状態は変わらず、これ以上の滞留
にはその効果上の意味がない。0.2時間未満でもかなり
造粒は進むが、0.2時間以上滞留させると均一な造粒が
できて本願発明の目的に適う。また、5時間を超えた場
合は造粒の均一性は一層向上するが、実用上は5時間の
滞留時間で十分である。本発明における粒状体は粒径が
より小さい粉状体をも含む意であることは上述のごとく
であり、粒径は特に厳密に特定されないが、通常は、平
均粒径が0.2〜5mm程度が特に好ましい。
【0028】造粒槽内にはポリマー有機溶媒溶液ととも
にポリマー用添加剤が送り込まれるが、該ポリマー用添
加剤の性状によって種々の添加態様が好ましく採用でき
る。ポリマー用添加剤の添加を、ポリマー有機溶媒溶液
の吐出口とか貧溶媒の吐出口とは別個に設けた送入口に
おいて行う場合は、添加剤の粒径が小さくて粉体に近い
場合はこれを核としてポリマーの粒状体が形成されやす
く、粒状体の均一形成上好ましい。このような粉体状の
添加剤の粒径としては、0.1〜5mmが好ましい。0.1mm
未満では添加剤自体が凝集固化し易く、結果として添加
時の粒径が不均一となり易い。5mm以上ではハンドリン
グが困難となる。
【0029】ポリマー用添加剤を予めポリマー有機溶媒
溶液に溶解又は分散させておいて、その状態で添加する
方法がとりうる。この手段は、目的とするポリマー粒状
体中の該添加剤の均一分散性の点では優れているが、両
者を予め均一に分散させておく手段が必要になり、装置
的にはやや繁雑になる。同様な方法として、ポリマー用
添加剤を貧溶媒に予め溶解又は分散させておく方法も採
り得る。
【0030】生成したポリマー粒状体は造粒槽の底部に
設けた排出口より排出されるが、該排出されるポリマー
粒状体は通常0.1〜60wt%の溶剤を含むので、あらた
めて乾燥する必要がある。乾燥温度はポリマー粒状体の
種類によって最適温度は異なり、粒状体が互いに融着し
ない最高温度に近い温度が特に好ましい。ポリカーボネ
ートであれば好ましくは50〜220℃、より好ましく
は60〜180℃、更に好ましくは80〜180℃であ
る。50℃未満では効率が悪く、220℃を超えると融
着によりブロック体を形成し好ましくない。この観点か
ら60〜180℃がより好ましいが、温度制御が正確に
なされる限り低温側を高くした80〜180℃が乾燥効
率上好ましい。
【0031】ポリマー粒状体に含有された残留溶媒の除
去のためには、乾燥されたN2,Ar,の他CO2 等の不活
性ガスを粒状体に流動的に接触させる方法も好適に採り
うる手段である。更には、該不活性ガス処理と真空処理
とを交互に組み合わせてもよい。
【0032】上記乾燥処理用装置としては特に限定され
ることなく、通常使用されるホッパー型乾燥機、横型攪
拌機付き乾燥機、縦型攪拌機付き乾燥機等が使用でき
る。特に攪拌型の乾燥機は粒状体の融着が防止でき、乾
燥温度を可及的に上昇できるので好ましい。造粒槽につ
いては既に説明したが、上記乾燥機の機能をも持たしめ
た造粒槽が使用可能である。この両機能併用型を採用し
ても、バッチ処理、連続処理のいづれも可能である。な
お、この両機能併用型の装置の場合はヘリカル型又はパ
ドル型翼を有する縦型攪拌槽が、均一な造粒ができる点
で最も好ましい。
【0033】本発明に係る製造方法に適用できるポリマ
ー用添加剤の種類については前述のとおりであるが、こ
れら添加剤の造粒槽への供給方法としては、添加剤の性
状にもよるが、液状であればポンプで造粒槽に投入した
り、固形物(粉体)であればスクリュウフィーダーやロ
ータリーフィーダーで供給する方法が可能である。以
下、実施例で本発明を詳細に説明する。
【0034】
【実施例】
実施例1 ポリマーとして、フレーク状のポリカーボネート粉体
(出光石油化学(株)製、製品名タフロンFN220
0)を用い、塩化メチレン(広島和光純薬社製、特級)
に溶解して22 重量%の塩化メチレン溶液を作成した。
図1は本実施例に係る工程図及び装置の概略図を示す
が、ポリマーの造粒槽としては、有効容積が約8リット
ルで、ダブルヘリカル翼の攪拌機2を有し、温水ジャケ
ット3と減圧装置(図示せず)4を有している縦型の造
粒槽1を用意し、この造粒槽に上記ポリカーボネート粉
体(タフロンFN2200)を予め1kg仕込み、造粒
槽を80℃に加熱し、減圧(約−20mmHgG)下に
攪拌機を120rpmで攪拌しながら上記ポリカーボネ
ート溶液をポリマー有機溶媒溶液供給口5から4500
g/hrの速度で供給した。供給を始めてしばらくする
と、内部粉体の温度は約50℃を示し、粉体レベルが上
昇してきた。この時点で、間欠的にポリカーボネート粉
体(FN2200)を100g/hrで、また酸化防止
剤TNP(トリスノニルフェニルホスファイト;住友化
学社製)の1重量%ヘプタン溶液をポリマー用添加剤供
給タンク7から80g/hrの速度で供給した。粒状体
のレベルが槽内でさらに上昇してきたので、造粒槽底部
のポリマー粒状体抜き出し口8から該粒状体を間欠的に
抜き出すようにした。6hrの運転で得られた粒状体
を、上記抜き出し口に続く、スチームジャケット9の付
設された乾燥機10内で回転輸送させつつ(回転輸送装
置は図示せず)、又不活性気体流入口11(上方には減
圧排出口12を有する)から130℃のN2 を吹き込み
つつ、その気流下で5時間乾燥し、その後、粒状体の取
り出し口13から乾燥された粒状体(平均粒度1.6m
m)を取り出した。取り出された粒状体中のTNP含量
を測定すると490ppm(wt)であった。更に、こ
の粒状体をシリンダー温度270℃の押出機でペレタイ
ズした後、射出成形して厚さ3mmのプレートを成形
し、その透過YIを測定したところYI=2.4であり、
透明性に優れるものてあることが分かった。
【0035】比較例1 フレーク状のポリカーボネート粉体(タフロンFN22
00)を、そのままペレタイズ(シリンダー温度270
℃)して、厚さ3mmのプレートを成形し、透過YIを
測定したところ、6.7であり、透明性が低下が観察さ
れた。
【0036】比較例2 実施例1にならい、TNPの1重量%ヘプタン溶液をポ
リカーボネート粉体中に、含量490ppm(wt)p
pmとなるように、ドラムタンブラーで15分間ブレン
ドした。この粉体をペレタイズし、射出成形してプレー
ト化し、透過YIを測定したところ、3.4であり、実施
例1に比較し、酸化防止剤の効果は劣ることが観察され
た。また酸化防止剤をブレンドする工程は余分の工程を
形成している。
【0037】実施例2 実施例1と同様な方法で造粒する際、ポリマー溶液供給
と並行して貧溶媒供給口6から貧溶媒ヘプタンを500
g/hrの速度で供給しつつ離型剤のステアリン酸モノ
グリセライド(理研ビタミン社製リケマールS−100
A)の1.5重量%ヘプタン溶液を添加した。その結果得
られた粒状体(平均粒径1.2mm)中の添加剤含量は3
100ppm(wt)であった。この粒状体を、長さ3
5mm,直径40−42mm,壁厚さ2mmの同心円筒
の金型を使用して成形し、エジェクター内の生ずる離型
圧を測定したところ、50ショット平均で27Kg/c
2 であった。また離型時の異音も無かった。
【0038】比較例3 比較例2と同様にして、粒状体中の離型剤リケマールS
−100Aが3100ppm(wt)になるようにブレ
ンドし、実施例2と同様に離型圧を測定したところ、平
均で32Kg/cm2 と高かった。
【0039】実施例3 実施例1と同様な方法で造粒し、添加剤として耐候剤チ
ヌビン343(チバ・ガイギー社製)の1.5重量%のヘ
プタン溶液を使用したところ、得られた粒状体中の含量
は2500ppm(wt)であった。この粒状体をペレ
タイズし、厚さ3mmのプレートを射出成形した。この
試験片についてサンシャイン型ウェザーメーター(島津
製作所社製)を用いて、ブラックパネル温度63℃,降
雨サイクル18分/120分で耐侯試験を実施した。そ
の結果、YIの変化(ΔYI)は500時間で4.1,1
000時間で6.8であった。
【0040】比較例4 比較例2と同様にして、粒状体中のチヌビン343が2
500ppm(wt)になるようにブレンドし、実施例
2と同様に耐侯試験を実施したところ、YIの変化(Δ
YI)は500時間で4.5,1000時間で7.5であっ
た。
【0041】
【発明の効果】以上の説明及び実施例から明らかなとお
り、本願発明に係る方法によれば製造工程数を少なくし
て、ポリマー用添加剤含有ポリマー粒状体が製造可能に
なった他、上記添加剤添加時のポリマーの熱劣化が激減
し、しかも簡単に該添加剤の均一分散が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘリカル型攪拌機を備えた縦型造粒機にポリマ
ーの有機溶媒溶液、貧溶媒及びポリマー用添加剤を個別
に添加し、得られた粒状体は横型乾燥機にかけられ、乾
燥したポリマー粒状体が得られる工程と装置の概略図を
示す。
【符号の説明】
1・・縦型の造粒槽 2・・ダブルヘリカル翼の攪拌機 3・・温水ジャケット 4・・減圧装置 5・・ポリマー有機溶媒溶液供給口 6・・貧溶媒供給口 7・・ポリマー用添加剤供給タンク 8・・ポリマー粒状体抜き出し口 9・・スチームジャケット 10・・乾燥機 11・・不活性気体流入口 12・・減圧排出口 13・・粒状体の取り出し口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−189835(JP,A) 特開 平5−98025(JP,A) 特開 平5−17586(JP,A) 特開 平5−32794(JP,A) 特開 昭62−7724(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 3/12 - 3/16 C08J 3/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマーの有機溶媒溶液からポリマー粒状
    体を製造する方法において、実質的に水蒸気を含まず、
    かつ有機溶媒が蒸発する雰囲気に保持されるとともに、
    攪拌されているポリマー粒状体が存在する造粒帯域に、
    ポリマー濃度が3〜60重量%であるポリマーの有機溶
    媒溶液をポリマー用添加剤を含有させて供給すると同時
    に、該ポリマーの貧溶媒を供給し、該溶液及び該添加剤
    を前記攪拌されているポリマー粒状体と接触させなが
    ら、有機溶媒を蒸発させるとともに、前記造粒帯域にお
    けるポリマーとしての滞留時間は0.2〜5時間として
    粒することを特徴とする添加剤含有ポリマー粒状体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】ポリマーの有機溶媒溶液からポリマー粒状
    体を製造する方法において、実質的に水蒸気を含まず、
    かつ有機溶媒が蒸発する雰囲気に保持されるとともに、
    攪拌されているポリマー粒状体が存在する造粒帯域に、
    ポリマー濃度が3〜60重量%であるポリマーの有機溶
    媒溶液を供給すると同時に、ポリマー用添加剤をポリマ
    ーの貧溶媒に含有させて供給し、該溶液及び該添加剤を
    前記攪拌されているポリマー粒状体と接触させながら、
    有機溶媒を蒸発させてるとともに、前記造粒帯域におけ
    るポリマーとしての滞留時間は0.2〜5時間として造粒
    することを特徴とする添加剤含有ポリマー粒状体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】ポリマーがポリカーボネート、ポリアリレ
    ート及びポリエステルポリカーボネートから選ばれる少
    なくとも一つである請求項1または2に記載の添加剤含
    ポリマー粒状体の製造方法。
  4. 【請求項4】ポリマー用添加剤が、該ポリマーの熱劣化
    防止剤、酸化防止剤、離型剤、滑剤、耐候剤及び着色剤
    のうちの少なくとも一つである請求項1ないし記載の
    いずれかの添加剤含有ポリマー粒状体の製造方法。
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