JP2992079B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体およびその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体およびその製造方法

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JP2992079B2 JP7509680A JP50968094A JP2992079B2 JP 2992079 B2 JP2992079 B2 JP 2992079B2 JP 7509680 A JP7509680 A JP 7509680A JP 50968094 A JP50968094 A JP 50968094A JP 2992079 B2 JP2992079 B2 JP 2992079B2
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英樹 一色
昭良 真鍋
敏範 北地
祥史 池村
克裕 忽那
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体およびそ
の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は残留有機
溶媒量が極めて少なく、特に記録媒体の基材として適
し、かつ非常に粒径が揃って取扱い性に優れた芳香族ポ
リカーボネート樹脂粉粒体およびその製造方法に関す
る。
背景技術 芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノール
のアルカリ水溶液とホスゲンを塩化メチレン等の有機溶
媒の存在下反応させるいわゆる溶液法により製造され、
得られる芳香族ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液か
ら有機溶媒を除去して粉粒体にする粉粒化工程を経た後
乾燥工程に供される。芳香族ポリカーボネート樹脂の有
機溶媒溶液から有機溶媒を除去して粉粒体を得る方法と
しては、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂の有機溶媒
溶液を熱水や水蒸気と接触させてフレーク化又は粉粒化
する方法(特公昭36−11231号公報、特公昭40−9843号
公報、特公昭45−9875号公報、特公昭48−43752号公
報、特公昭54−122393号公報)、濃縮や冷却によってゲ
ル化して粉粒化する方法(特公昭36−21033号公報、特
公昭38−22497号公報、特公昭40−12379号公報、特公昭
45−9875号公報、特公昭47−41421号公報、特開昭51−4
1048号公報)等が知られている。しかしながら、これら
の方法により得られる粉粒体(フレークも含む)には、
なお多くの有機溶媒が残留し、この残留有機溶媒は通常
の乾燥によって充分に除去することは困難である。
この残留有機溶媒の除去方法として、残留有機溶媒の
沸点以上の温水と混合して蒸留する方法が提案されてい
る。しかしながら、この方法によって得られる粉粒体に
は、なお数百〜数千ppmの有機溶媒が残留している。こ
の残留有機溶媒を更に減少させるには、高温での長時間
の乾燥や減圧ベント付き押出機によるペレット化等によ
らねばならず、それでもなお数十〜数百ppmの有機溶媒
が残留し、得られる製品は耐熱性、色相、物性等への悪
影響を免れることはできない。
残留有機溶媒の少ない芳香族ポリカーボネート樹脂粉
粒体の製造方法として、反応により得られる芳香族ポリ
カーボネート樹脂の有機溶媒溶液若しくは有機溶媒が残
留する芳香族ポリカーボネート樹脂のスラリーに非溶媒
や貧溶媒を添加処理する方法、又は有機溶媒が残留する
芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体を貧溶媒で抽出する
方法(特公昭55−1298号公報、特開昭63−278929号公
報、特開昭64−6020号公報)等が提案されている。これ
らの方法では有機溶媒は充分に除去されるものの逆に非
溶媒や貧溶媒が多量に残留し、この残留非溶媒や貧溶媒
は通常の乾燥では勿論のこと、高温で長時間の乾燥によ
っても充分に除去することは困難である。しかも、この
ように乾燥を強化すると操作が煩雑になるばかりでな
く、芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量低下、色相の
悪化、異物の混入等が発生するようになる。
また、嵩密度が大きく粒径の揃った粒状の芳香族ポリ
カーボネート樹脂粉粒体の製造方法として、未乾燥の固
形芳香族ポリカーボネート樹脂を多数の細孔を有するダ
イを外設した押出機で押出す方法(特開昭62−169605号
公報)が提案されている。しかしながら、この方法は得
られる粉粒体の残留溶媒量がばらつくという問題があ
る。
発明が解決しようとする課題 そこで本発明の第1の目的は、製造に使用された有機
溶媒、殊にハロゲン化炭化水素溶媒の含有量が極めて少
ない、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体およびその製
造方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、粒径が揃って取扱い性に優れ
た微粉体より形成された芳香族ポリカーボネート樹脂粉
流体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、光ディスクの如き光学的情報
記録媒体の基材として適した芳香族ポリカーボネート樹
脂粉粒体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、比較的簡単なプロセスおよび手
段により、かつ工業的に有利に、有機溶媒含有量の極め
て少ない芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体を製造する
ことができる方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的は、比
粘度(ηsp)が0.19〜1.5の芳香族ポリカーボネート樹
脂粉粒体であって、該粉粒体は、 (a)多数の微粉体より形成され、 (b)比表面積が0.05〜2.0m2/gであり、 (c)嵩密度が0.3〜0.8g/mlであり、 (d)平均粒径が0.2〜5mmであり、 (e)粉粒体を形成する微粉体はその90%以上が50μm
以下の粒径を有し、かつ (f)有機溶媒としてのハロゲン化炭化水素の含有量
が、ハロゲンの量に換算して30ppm以下である、 ことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体に
よって達成されることが見出された。
また本発明者らの研究によれば、前記本発明による芳
香族ポリカーボネート樹脂粉粒体は、下記工程a〜d、 (1)(i)芳香族ポリカーボネート樹脂と有機溶媒と
の合計量に対する有機溶媒の割合が重量で10〜65であ
り、かつ (ii)芳香族ポリカーボネート樹脂に対する水の割合
が重量で5%以上である、 芳香族ポリカーボネート樹脂を含有するスラリーまたは
湿潤ペーストを調製する工程(工程a) (2)前記スラリーまたは湿潤ペーストにシェアーをか
けて、90%以上が50μm以下の粒径を有する芳香族ポリ
カーボネート樹脂の微粉体を形成させる微粉砕工程(工
程b) (3)前記工程で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂
微粉体を加圧せしめ、 (i)芳香族ポリカーボネート樹脂と有機溶煤との合
計量に対する有機溶媒の割合が重量で10〜65%であり、
かつ (ii)芳香族ポリカーボネート樹脂に対する水の割合
が重量で5〜120%である、凝集体を形成させる工程
(工程c) および (4)前記工程で形成された芳香族ポリカーボネート樹
脂微粉体の凝集体を、任意の順序で粉砕または切断およ
び乾燥する工程(工程d)、 よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法
によって得られることが見出された。
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。
本発明でいう芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常エ
ンジニアリング樹脂として使用される樹脂であり、二価
フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られ
る芳香族ポリカーボネート樹脂である。ここで使用する
二価フェノールは下記一般式(1) [式中Wは炭素数1〜9の置換若しくは非置換アルキレ
ン基、アルキリデン基、シクロアルキリデン基、単結
合、−S−、−SO−、−SO2−、−O−又は−CO−であ
り、X1及びX2は独立して炭素数1〜3のアルキル基又は
ハロゲン原子であり、m及びnは独立して0、1又は2
である。] で表される二価フェノールより選ばれる一種又は二種以
上の二価フェノールであり、特に2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)が
好ましく使用される。その他の二価フェノールとして
は、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4−ジヒドロキシジ
フェニル等があげられ、更には2,2−ビス(3,5−ジブロ
モ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如きハロゲン
化ビスフェノール類等があげられる。カーボネート前駆
体としてはカルボニルハライド、ジアリールカーボネー
ト、ハロホルメート等があげられ、具体的にはホスゲ
ン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジハロ
ホルメート等があげられる。
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を反応させ
て芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当たって
は、必要に応じて触媒、分子量調製剤、酸化防止剤等を
使用してもよく、また芳香族ポリカーボネート樹脂は例
えば三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分
岐ポリカーボネート樹脂であっても、二種以上の芳香族
ポリカーボネート樹脂の混合物であってもよい。芳香族
ポリカーボネート樹脂の分子量については二価フェノー
ルとしてビスフェノールA、カーボネート前駆体として
ホスゲンを用いて芳香族ポリカーボネート樹脂を得た場
合、濃度0.7g/dl塩化メチレン溶液により温度20℃で測
定した比粘度(ηsp)が0.19〜1.5のものが用いられ
る。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方
法は、有機溶媒を使用する溶液法によって得られた芳香
族ポリカーボネート樹脂を使用するのに極めて適してい
る。すなわち、本発明は、二価フェノールとホスゲンと
を有機溶媒中で反応させて得られた芳香族ポリカーボネ
ート樹脂からその粉粒体を得るのに適している。この際
使用される有機溶媒は芳香族ポリカーボネート樹脂の良
溶媒であって、水と非混和性の溶媒である。
かかる有機溶媒とは、少なくとも1種の良溶媒を主た
る溶媒とし、これに貧溶媒および/または非溶媒が一部
混和されていてもよい。ここでいう良溶媒、貧溶媒およ
び非溶媒とは、W.F.CHRISTOPHER,D.W.FOX著「ポリカー
ボネート」、1962年、32〜33頁の表3−1における分類
中の“Good Solvent"及び“Fair Solvent"に該当する溶
媒が良溶媒であり、“Poor Solvent"、“Very Poor Sol
vent"及び“Weak Solvent"に該当する溶媒が貧溶媒であ
り、“Nonsolvent"に該当する溶媒が非溶媒である。良
溶媒の代表的な例としては塩化メチレン、テトラクロロ
エタン、モノクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素が
あげられ、貧溶媒の代表的な例としてはベンゼン、トル
エン、アセトン等があげられ、非溶媒の代表的な例とし
てはヘキサン、ヘプタン等があげられる。かかる貧溶媒
及び/又は非溶媒は単独で用いても、二種以上併用して
もよい。
前記した溶液法により得られた芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、その製造過程で使用されたハロゲン化炭化水
素溶媒(例えば塩化メチレン)を少なからず含有してい
る。
本発明は、前記溶液法によって製造された芳香族ポリ
カーボネート樹脂に対して有利に適用されるが、ハロゲ
ン化炭化水素を含有する限り他の方法で製造されたもの
であってもよい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方
法においては、先ず工程aにおいて、下記(i)および
(ii)を満足する有機溶媒および水を含有するスラリー
または湿潤ペーストを調製する。ここで云う有機溶媒と
は、前述したように芳香族ポリカーボネート樹脂の良溶
媒を意味する。またスラリーとは芳香族ポリカーボネー
ト樹脂粒子が有機溶媒および水よりなる混合媒体中に懸
濁した流動性を有する状態のものであり、湿潤ペースト
とは、このスラリーよりも混合媒体の量が少なく、流動
しないか或いは流動性が低い状態のものを云う。
(i)芳香族ポリカーボネート樹脂と有機溶媒との合計
量に対する有機溶媒の割合が重量で10〜65%であり、か
つ (ii)芳香族ポリカーボネート樹脂に対する水の割合が
重量で5%以上である。
以下本明細書においては、前記工程aにおける“スラ
リーまたは湿潤ペースト”を総称して、出発混合物(st
arting mixture)と略称することがある。
本発明の工程aは、出発混合物としてスラリーである
のが湿潤ペーストよりも一般的には好ましい。
このスラリーとしては、前記溶液法によって製造され
た芳香族ポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液の粉粒化
工程で取得される、ゲル化物が粗粉砕された有機溶媒が
残留している芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の水ス
ラリーであるのが好ましい。
かかる出発混合物中の有機溶媒量は、芳香族ポリカー
ボネート樹脂に対して、重量で10〜65%、好ましくは15
〜40重量%の範囲である。この有機溶媒の含有量が10重
量%未満の場合、工程bの微粉砕工程における動力の負
荷が大きくなり、目的とする大きさの微粉体が得られ難
くなり、その結果として有機溶媒の含有量が極めて少な
い芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体が得られなくな
る。一方有機溶媒の含有量が65重量%を越えると、芳香
族ポリカーボネート樹脂を粒子として取り扱うこと自体
が困難となるので望ましくない。
工程aの出発混合物を調製する場合、芳香族ポリカー
ボネート樹脂粒子含有混合物(予備混合物)中の有機溶
媒の含有量が適当な範囲でない場合、有機溶媒の添加或
いは除去によって前記の適当な範囲に調製すればよい。
例えば、有機溶媒含有量が少ない場合、所定量となる量
の有機溶媒あるいは芳香族ポリカーボネート樹脂の有機
溶媒溶液を前記予備混合物中に添加すればよい。一方予
備混合物中の有機溶媒含有量が多過ぎる場合、芳香族ポ
リカーボネート樹脂粒子または有機溶媒含有量の少ない
スラリー或いは湿潤ペーストを予備混合物へ添加しても
よい。また有機溶媒含有量の多いスラリーを加熱して余
分の有機溶媒を除去してもよい。
工程aの出発混合物中の水の含有量は、芳香族ポリカ
ーボネート樹脂に対して重量で5%以上である。この水
の含有量は5〜2000%の範囲が好ましく、7〜1000%の
範囲が特に好ましい。
出発混合物中の水含有量が5重量%よりも少ないと、
芳香族ポリカーボネート樹脂の微粉砕工程がスムーズに
実施できず、微粉砕し難くなり、残留有機溶媒量の低い
粉粒体が得られなくなる。また水量の上限は微粉砕装置
により異なり一概に制限できないが、極端に多くなると
微粉砕し難くなることがあり、またコスト上不利にな
る。従って水の含有割合は、次の工程bの微粉砕工程に
おける運転操作性並びに微粉砕化された樹脂微粉体の接
着性の点を考慮して決定することが望ましいが、通常芳
香族ポリカーボネート樹脂に対して5〜2000重量%の範
囲が好ましく、7〜1000重量%の範囲が特に好ましい。
水量が不足したときは、水または水量の多い樹脂スラリ
ーを加えればよく、微粉砕時に加えてもよい。前記範囲
において、水が多い場合は、概して出発混合物はスラリ
ーの形態であり、一方水が少ない場合は、湿潤ペースト
の形態を呈する。
この出発混合物中の芳香族ポリカーボネート樹脂の粒
子の大きさおよび粒度分布は特に制限されるわけではな
く、微粉砕工程に供給できるものであればよい。供給し
難いときは粉砕すればよい。例えば溶液法によって得ら
れた反応混合物から形成されたスラリーは、そのまま使
用することができる。一般に出発混合物中の樹脂粒子の
大きさは0.1〜50mm程度が適当である。
前記工程aにおいて調製された出発混合物は、次の工
程bの微粉砕工程により、樹脂粒子を微粉砕化する。こ
の工程bは出発混合物であるスラリーまたは湿潤ペース
ト中の樹脂粒子を、粒径が50μm以下の微粉体になるよ
うにシェアーをかけて粉砕する工程であって、その操作
は前記のように微粉砕化する機能を備えた装置を使用し
て実施される。その装置の形式は特に制限を受けない。
望むべくは、得られる微粉体の90%以上、特に95%以上
が、50μm以下の粒径、好ましくは40μm以下の粒径、
特に好ましくは30μm以下の粒径となるように粉砕する
機能を有する装置が使用される。粉砕された微粒子の下
限は制限されないが、一般的には約0.3μmである。
工程bにおいて使用される粉砕機能を有する装置とし
ては、押出機形式のものが連続操作で実施でき、かつ目
的とする均質な樹脂微粉体を得ることができるので推奨
される。
次に工程bを押出機形式の装置を使用して実施する場
合の、押出機の装置形式並びに操作について説明する。
押出機の形式としては例えば単軸若しくは多軸のスクリ
ュー式押出機、プランジャー式押出機およびインナース
クリューを有する射出成形機の如き機能を有する押出機
が挙げられる。
これら押出機の中で、2軸のスクリュー式押出機を使
用するのが好ましい。また押出機の使用は、その中で工
程aおよび工程bを連続的に実施し、さらに次の工程c
も連続して実施することができるので工業的に有利であ
る。また、ベント型押出機の使用は、ベント口から水を
供給することにより工程aおよび工程bを同時に実施す
ることが可能になる。
押出機を使用して工程bを実施する場合、芳香族ポリ
カーボネート樹脂の濃度および操作条件によっては、シ
リンダーの内温の上昇による内圧の上昇によって、樹脂
の溶解や溶融などのトラブルが生じることがある。かか
るトラブルを避けるために温度調節機構を有するジャケ
ット付シリンダーおよび/またはスクリューを使用する
のが好ましい。また押出機には圧縮部付スクリューも設
けてもよい。
さらに押出機のシリンダーの全域或いは一部にパンチ
プレートまたはスリットを設けて排水しうるようにする
こともでき、またグランド側に排水しうる機構を設けて
いてもよい。出発混合液中の水量が大過剰にあるとき
は、その大部分は、押出方向と反対側に分離されるか、
前記パンチプレートまたはスリットにより分離される。
その際グランドおよびパンチプレートの目開きやスリッ
トのクリアランスは特に制限されるものではないが、樹
脂粒子の粒子径によって適宜選択すればよい。
本発明にあっては前記工程bにおいて微粉砕された樹
脂の微粉体は、工程cにおいて押出機を使用して実施し
た場合加圧して押出される。押し出された粉粒体は微粉
体の凝集体である(以下この粉粒体を凝集体という)。
この工程cは微粉体が凝集体となるような圧力に加圧さ
れ、かつ芳香族ポリカーボネート樹脂と有機溶媒との合
計量に対する有機溶媒の割合が10〜65重量%、好ましく
は15〜40重量%の範囲に調整し、その上水の割合が芳香
族ポリカーボネート樹脂に対して5〜12重量%、好まし
くは7〜70重量%範囲になるように調整することにより
実施される。この工程cにおける加圧は、微粉体が部分
的に結合して凝集体のブロックが形成されるような圧力
であり、この凝集体を形成する微粉体の大きさは、その
折った断面を電子顕微鏡による写真を撮った場合、約10
00倍の拡大写真を目視により容易に確認できるものであ
る。
工程cにおいて、芳香族ポリカーボネート樹脂微粉体
の90%以上が50μm以下の粒径を保持しうる温度で実施
することが好ましい。この温度は圧力、有機溶媒量によ
り変化し一概に決められないが、高温になると、微粉体
の膨潤、溶解によりあるいは軟化、溶融によりその90%
以上が50μm以下の粒径を保持できず、微粉体が相互に
密着し連続層となり、本発明の目的である残留有機溶媒
の極めて少ない芳香族ポリカーボネート樹脂微粉体が得
られなくなる。
この工程cにおける加圧手段は、工程bに引き続いて
押出機中で連続して実施するのが有利である。特に、押
出機の出口に細孔またはスリットを有するダイを設けた
押出機を使用し、押出機中で微粉砕された微粉体が押出
機の出口に移動するに従い、次第に加圧され凝集体を形
成し、凝集体は細孔またはスリットから押出される方法
を採用するのが好ましい。
また工程cにおいて有機溶媒の含有割合は特に調整す
る必要はなく、工程bから得られた微粉体中の有機溶媒
含量であって差支えない。すなわち、有機溶媒の含有量
は芳香族ポリカーボネート樹脂と有機溶媒との合計量に
対して10〜65重量%、好ましくは15〜40重量%の範囲で
あり、かかる量を保持することによって得られる凝集体
は適度な形状保持性を有する。10重量%未満になると凝
集体がもろくなり、65重量%より多くなると目的とする
微粉体を保持できなくなる。
工程cにおける水の含有割合は、芳香族ポリカーボネ
ート樹脂に対して5〜120重量%、好ましくは7〜70重
量%の範囲であり、5重量%より少ないと押出時に微粉
体の形状が破壊され凝集体が得られなくなり、120重量
%より多くなると凝集体がもろくなる。
微粉砕された芳香族ポリカーボネート樹脂の微粉体を
凝集体とするために押出す際に、押出機出口に細孔また
はスリットを有するダイを付設し、押出されたストラン
ド状またはリボン状に凝集された芳香族ポリカーボネー
ト樹脂を所望の長さに切断することにより乾燥性に極め
て優れ且つ粒径の揃った芳香族ポリカーボネート樹脂凝
集体が得られる。ダイとしては、押出軸と同方向に押出
す前押出型又は押出軸と直角若しくは軸方向に押出す横
押出型の何れでも使用できる。形状は特に制限する必要
はないが、穴の工作面から円形が一般的である。ダイの
孔の構造は、押出能力と乾燥効率、取扱性の点から孔径
0.1〜5mm、好ましくは0.5〜3mmが適当である。ランド
は、同一孔径でダイを貫通させても、同一孔軸で異なっ
た孔径の多段式連通孔であってもよい。得られる凝集体
の強度と吐出圧とダイの強度の点からランド長(L)と
孔径(D)の比はL/D=1〜15であることが好ましい。
多段式連通孔を有するダイを使用する場合、大孔の径及
びランド長は押出しに支障のない程度でよい。
本発明において前記工程cで得られた凝集体は、粉砕
または切断され、乾燥される(工程d)。この工程dで
は、凝集体の粉砕または切断と乾燥が行われ、この順序
は任意でよいが、一般的には、粉砕または切断の後に乾
燥するのが望ましい。この工程dにおける乾燥は、凝集
体に含まれる有機溶媒および水の両者を脱離されること
を意味する。
工程dの具体的方法について説明すると、ダイより押
出されたストランド状またはリボン状の芳香族ポリカー
ボネート樹脂微粉体の凝集体は任意の方法で切断でき
る。ダイ面に対して平行になるように取付けたプロペラ
を回転させることにより切断する方法は好ましい例であ
る。凝集体の長さはプロペラの取付け位置や回転速度等
で調整可能である。
得られた芳香族ポリカーボネート樹脂凝集体は、脱液
する必要はなく連続的及び/又は回分的に乾燥すること
が可能である。乾燥は乾燥工程のみによって行ってもよ
く、必要に応じて残留有機溶媒の沸点以上の液体等と混
合し蒸留する方法及び水蒸気と接触させる方法等任意の
脱有機溶媒処理を行った後乾燥してもよい。かかる水蒸
気と接触させる方法により最終的に残留する有機溶媒量
を更に低下させることができる。得られた芳香族ポリカ
ーボネート樹脂凝集体の残留有機溶媒量が多く凝集体が
崩れ易い場合はシェアーのかからない装置、例えば熱風
循環型乾燥機やスチームチューブドライヤー、パウヒー
ター、ホッパードライヤー、タワードライヤー等を用い
て乾燥するか又はこれらの装置で予め乾燥した後更にパ
ドルドライヤー、マルチフィンドライヤー等の乾燥装置
を用いて乾燥するが好ましい。特にガラス転移温度(T
g)以上の温度で凝集体を乾燥する時は、シェアーのか
からない装置が好ましい。
本発明にあっては、微粉体の凝集体を粉砕又は切断し
て得られたポリカーボネート樹脂凝集体に、脱有機溶媒
を容易にするためにポリカーボネート樹脂の非溶媒を添
加することもできる。非溶媒の添加量は溶媒の種類にも
よるが、ポリカーボネート樹脂に対して0.1重量%以上
であり、1〜400重量%が好ましい。この添加量が400重
量%より多くなると蒸留分離等の回収コストが増大する
ので好ましくない。非溶媒を添加するに当り、非溶媒に
良溶媒及び/又は貧溶媒が少割合混合されていてもよ
い。さらにこの非溶媒は、出発混合物中に予め混合して
おくことも可能である。
粉砕又は切断して得られたポリカーボネート樹脂粉粒
状の凝集体には、押出機内の微粉砕段階で存在させた良
溶媒が残存しており、かかるポリカーボネート樹脂凝集
体に所定量の非溶媒を添加することにより、非溶媒が凝
集体中に浸透し、こうすることによって最終的に得られ
る凝集体の残留良溶媒量を著しく低下させることができ
る。
また、このような非溶媒の使用により残留良溶媒量を
著しく低下させることができる反面、通常は非溶媒の残
留量が増大するが、本発明によれば良溶媒のみならず非
溶媒の残留量も著しく低下させることができる。かかる
非溶媒としては好ましくはヘキサンまたはヘプタンが代
表的である。
かくして本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体
の製造方法において、工程a、工程bおよび工程cは、
1つの押出機、好ましくは2軸のスクリューを有する押
出機中で連続的に実施するのが工業的に有利である。そ
してその押出機の出口端部に設けられた細孔から凝集体
を押出し、次いで切断して形状の揃った粒状の凝集体を
得ることが望ましい。
また、工程dにおける乾燥は通常芳香族ポリカーボネ
ート樹脂のTg以下の温度、140℃以下の温度で実施され
る。しかしながら、特にダイを用いて押出し、切断して
得られた粒状の凝集体の場合はTg以上溶融温度以下の温
度が好ましく、さらに「Tg+40℃]以下の温度、なかで
も145℃〜180℃の温度で実施するのが特に好ましい。
かくして得られた乾燥した凝集体または予備乾燥した
凝集体を更に貧溶媒による抽出処理に供すれば、良溶媒
の残留量およびオリゴマー(通常5量体以下)の含有量
を著しく低下させることができる。ここで使用される貧
溶媒としては特にアセトンが好ましく用いられる。
また、得られたポリカーボネート樹脂凝集体には必要
に応じて任意の安定剤、添加剤、充填剤等を任意の段階
で含ませることができる。
前記した本発明の樹脂粉粒体の製造方法によれば、残
留有機溶媒、殊にハロゲン化炭化水素溶媒の含有量が極
めて少なく、特に記録媒体の基材として適し、かつ非常
に粒径の揃って取扱い性に優れた芳香族ポリカーボネー
ト樹脂粉粒体が提供された。この樹脂粉粒体は新規であ
り下記(a)〜(f)によって特徴付けられる。
(a)多数の微粉体より形成され、 (b)比表面積が0.05〜2.0m2/gであり、 (c)嵩密度が0.3〜0.8g/mlであり、 (d)平均粒径が0.2〜5mmであり、 (e)粉粒体を形成する微粉体はその90%以上が50μm
以下の粒径を有し、かつ (f)有機溶媒としてのハロゲン化炭化水素の含有量が
ハロゲンの量に換算して30ppm以下である。
本発明の樹脂粉粒体は、好ましくは溶液法により製造
されかつその際溶媒として使用されたハロゲン化炭化水
素の含有量が極めて少ないことを一つの特徴としてい
る。従来溶液法により得られた樹脂は使用されたハロゲ
ン化炭化水素溶媒は量溶媒であるために、その含有量を
極めて少なくすることは、工業的には大変困難であり、
通常ハロゲンの量に換算して数百ppmのオーダー含有す
ることを余儀なくされていた。
しかしながら、本発明によれば、ハロゲンの量に換算
して30ppm以下という極めて少ないハロゲン化炭化水素
含有量の樹脂を提供できた。
本発明によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂を製造
する際に使用されるホスゲンあるいは有機溶媒中に混入
する他のハロゲン化炭化水素例えば四塩化炭素も著しく
低下させることができる。従って本発明において、ハロ
ゲン化炭化水素の含有量が30ppm以下というのは、上記
の混入するハロゲン化炭化水素を含めた値を意味する。
本発明の樹脂粉粒体は微粉体の多数の凝集体であり、
その比表面積は0.05〜2.0m2/gの範囲、好ましくは0.07
〜2.0m2/gの範囲であり、またその嵩密度は0.3〜0.8g/m
lの範囲、好ましくは0.4〜0.7g/mlの範囲である。さら
に該凝集体は平均粒径が0.2〜5mm、好ましくは0.4〜4mm
の大きさである。また該凝集体は、それを形成している
微粉体が極めて小さくかつ大きさが揃っている点に特徴
を有し、その微粉体の数の90%以上、好ましくは95%以
上が50μm以下の粒径であり、好ましくは40μm以下の
粒径であり、特に好ましくは30μm以下の粒径である。
また樹脂凝集体は直径/短径の比が1〜10、好ましく
は1〜8のものが適当である。
前記凝集体を形成している微粉体の粒径の大きさは、
凝集体を二つまたはそれ以上に折って、その断面を電子
顕微鏡により約1000倍に拡大し、その写真から容易に測
定することが可能である。この方法により微粉砕化され
た樹脂粒子の大きさも確認できる。
実施例 以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。なお、
実施例中における%は重量%、塩化メチレン含有量は塩
化メチレンと芳香族ポリカーボネート樹脂との合計重量
に対する重量%、含水率は芳香族ポリカーボネート樹脂
に対する重量%、スラリー中の粉粒体濃度はスラリーに
対する芳香族ポリカーボネート樹脂の重量%、評価は下
記の方法によった。
(a)塩化メチレン量:塩素含有量を塩素分析装置[三
菱化成(株)製 TSX]により分析して求め、塩化メチ
レン量に換算した。また、括弧中に塩素含有量を示し
た。
(b)n−ヘプタン量、四塩化炭素量、共重合体の塩化
メチレン量:ガスクロマトグラフィー[(株)日立製作
所製263型]によりカラム充填剤にポリエチレングリコ
ールを用いて測定した。
(c)比粘度(ηsp):芳香族ポリカーボネート樹脂0.
7gを100mlの塩化メチレン溶液に溶解し、20℃でオスト
ワルド粘度計により測定した。
(d)比表面積(m2/g):比表面積測定装置[マイクロ
メリティックス社製GEMINI2360型]により吸着ガスに窒
素を用いて、吸着平衡待ち時間30秒、平衡相対圧0.05〜
0.35、BET6点法で測定した。
(e)融点及びガラス転移温度:示差走査熱量計[デュ
ポン社製910]により測定した。
実施例1 (A)ビスフェノールAとホスゲンから常法によって得
た比粘度0.426の芳香族ポリカーボネート樹脂の15%塩
化メチレン溶液を、42℃に保持した温水を仕込んだニー
ダーに投入して塩化メチレンを除去し、粉粒体濃度が50
%、液温が38℃の水スラリーを得た。このスラリー中の
粒子の塩化メチレン含有量は25%であった。
(B)径が40mm、L/Dが9.25、圧縮なし、スクリュー先
端とダイスとの距離が2cm、溝深さ6mmのスクリューを内
蔵し、シリンダーに温度調節用ジャケットを設けた単軸
押出機を用い、押出機の出口に孔径が2mmでランドが5mm
の穴を82個有するダイを設け、ダイの正面に4mmの間隔
をおいて切断機(長さ50mmの1枚翼のプロペラ)を配置
し、ジャケット温度を15℃、スクリュー回転数を20rp
m、切断機回転数を80rpmに設定した。
上記(A)で得たスラリーを押出機のホッパーに連続
的に供給し、押出機内で脱水・微粉砕し、押出して粒状
の凝集体を得た。スラリーの供給量は2.6kg/時、スクリ
ューグランド側への分離水は0.68リットル/時、押出量
は1.8kg/時であり、得られた粒状の凝集体の含水率は14
%、塩化メチレン含有量は20%であった。約2時間の運
転中ホッパー内でのブリッジング等のトラブルは発生し
なかった。得られた粒状の凝集体を90℃に保持された熱
水中に撹拌下連続的に投入し15分間滞留せしめて有機溶
媒を除去した後抜き取り遠心脱水し、熱風循環型乾燥機
により145℃(ガラス転移温度147℃)で6時間乾燥して
残留塩化メチレン量が4.5ppm(塩素含有量3.8ppm)、嵩
密度が0.58g/ml、長径/短径比が2、比表面積が0.21m2
/g、約95%以上が8メッシュ(目開き2.362mm)に残存
する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝集体を得た。こ
の粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡により1,000倍
に拡大したところ90%以上の粒子の粒径が2〜20μmの
微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例2 実施例1で押出し、得られた含水率が14%、塩化メチ
レン含有量が20%の粒状の凝集体を熱風循環型乾燥機に
より145℃で6時間乾燥して残留塩化メチレン量が4.0pp
m(塩素含有量3.3ppm)、嵩密度が0.57g/ml、長径/短
径比が2、比表面積が0.22m2/g、約95%以上が8メッシ
ュを通過し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカー
ボネート樹脂粒状凝集体を得た。この粒状の凝集体の折
った面を電子顕微鏡により1,000倍に拡大したところ90
%以上の粒子の粒径が2〜20μmの微粉体の凝集体であ
ることが確認された。
実施例3 実施例1(A)で用いた芳香族ポリカーボネート樹脂
の15%塩化メチレン溶液にこの溶液に対して10%のn−
ヘプタンを添加混合した溶液を使用する以外は実施例1
(A)と同様にして粉粒体濃度が50%、塩化メチレン含
有量が20%の水スラリーを得た。該スラリーを実施例1
(B)の押出機のホッパーに連続的に供給し、押出機内
で脱水・微粉砕して押出した。スラリーの供給量は2kg/
時、スクリューグランド側への分離水は0.63リットル/
時、吐出量は1.31kg/時であった。得られた粒状の凝集
体の含水率は12%、塩化メチレン含有量は16%であっ
た。得られた粒状の凝集体を実施例1と同様に有機溶媒
除去、遠心脱水、乾燥して残留塩化メチレン量が0.8ppm
(塩素含有量0.7ppm)、残留n−ヘプタン量が80ppm、
嵩密度が0.57g/ml、長径/短径比が2、比表面積が0.83
m2/g、約95%以上が8メッシュを通過し、全て14メッシ
ュに残存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝集体を
得た。この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡により
1,000倍に拡大したところ95%以上の粒子の粒径が2〜2
0μmの微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例4 スクリュー前方部に圧縮比1.66の圧縮部を設ける以外
は実施例1と同様に押出機内で脱水・微粉砕し、押出し
て粒状の凝集体を得た。スラリーの供給量は2.6kg/時、
スクリューグランド側への分離水は0.72リットル/時、
押出量は1.7kg/時であり、得られた粒状の凝集体の含水
率は11%、塩化メチレン含有量は18%であった。得られ
た粉粒体を実施例1と同様に有機溶媒除去、遠心脱水、
乾燥して残留塩化メチレン量が3.7ppm(塩素含有量3.1p
pm)、嵩密度が0.59g/ml、長径/短径比が2、比表面積
が0.24m2/g、約95%以上が8メッシュを通過し、全て14
メッシュに残存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝
集体を得た。この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡
により1,000倍に拡大したところ90%以上の粒子の粒径
が2〜20μmの微粉体の凝集体であることが確認され
た。
実施例5 (C)出口に孔径2mmでランド6mmの穴を120個有するダ
イを設け、ダイの正面に4mmの間隔で切断機(長さ50mm
の1枚翼のプロペラ)を配置し、シリンダーに温度調節
用ジャケットを設けた直径30mm、L/Dが25の二軸押出機
(池貝鉄工製PCM−30)を用い、スクリュー中央部にニ
ーディングディスク、ニーディングディスクより供給側
にクリアランスが0.5mmのスリットを設け、ジャケット
温度を15℃、スクリュー回転数を80rpm、切断機回転数
を200rpmに設定した。
実施例1(A)で得たスラリーを押出機のホッパーに
連続的に供給し、押出機内で脱水・微粉砕し、押出して
粒状の凝集体を得た。スラリーの供給量は70kg/時、押
出量は47.9kg/時、スリットからの分離水は18.1kg/時で
あった。得られた粒状の凝集体は含水率15%、塩化メチ
レン含有量18%であった。得られた粒状の凝集体を実施
例1と同様に有機溶媒除去、遠心脱水、乾燥して残留塩
化メチレン量3.8ppm(塩素含有量3.2ppm)、残留四塩化
炭素量1ppm、嵩密度0.57g/ml、長径/短径比が2、比表
面積が0.18m2/g、約95%が8メッシュを通過し、全て14
メッシュに残存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝
集体を得た。この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡
により1000倍に拡大したところ90%以上の粒子の直径が
2〜30μmの微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例6 ダイと切断機を取除く以外は実施例5と同様にして得
た凝集体を目開き5mmのスクリーン付ハンマーミルによ
り粉砕して含水率20%、塩化メチレン含有量20%の粉粒
状の凝集体を得た。得られた粉粒状の凝集体を実施例1
と同様に有機溶媒除去、遠心脱水、乾燥して残留塩化メ
チレン量1.8ppm(塩素含有量1.5ppm)、嵩密度0.63g/m
l、比表面積が0.63m2/g、約80%が6メッシュ(目開き
3.327)を通過し、35メッシュ(目開き0.417mm)に残存
する芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒状凝集体を得た。
この粉粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡により1000
倍に拡大したところ95%以上の粒子の直径が2〜20μm
の微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例7 ダイと切断機を取除く以外は実施例5と同様にして得
た凝集体を、スクリュー中央部のニーディングディスク
を取り外す以外は全て実施例5(C)同様の二軸押出機
に連続的に投入して粒状の凝集体を得た。得られた粒状
の凝集体を実施例1と同様に有機溶媒除去、遠心脱水、
乾燥して残留塩化メチレン量3.3ppm(塩素含有量2.8pp
m)、嵩密度0.57g/ml、長径/短径比が2、比表面積が
0.22m2/g、約95%が8メッシュを通過し、全て14メッシ
ュに残存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝集体を
得た。この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡により
1000倍に拡大したところ90%以上の粒子の直径が2〜20
μmの微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例8 実施例5(C)の二軸押出機出口に孔径3mmでランド6
mmの穴を55個有するダイを設け、ダイの正面に5mmの間
隔で切断機(長さ50mmの1枚翼のプロペラ)を配置する
以外は全て実施例5と同様に行って、残留塩化メチレン
量2.8ppm(塩素含有量2.3ppm)、嵩密度0.53g/ml、長径
/短径比が1.6、比表面積が0.38m2/g、約95%が5メッ
シュ(目開き3.962mm)を通過し、全て14メッシュに残
存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝集体を得た。
この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡により1000倍
に拡大したところ90%以上の粒子の直径が2〜20μmの
微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例9 実施例5(C)の二軸押出機出口に孔径1.5mmでラン
ド6mmの穴を220個有するダイを設け、ダイの正面に5mm
の間隔で切断機(長さ50mmの1枚翼のプロペラ)を配置
する以外は全て実施例5と同様に行って、残留塩化メチ
レン量3.6ppm(塩素含有量3.0ppm)、嵩密度0.59g/ml、
長径/短径比が3.3、比表面積が0.20m2/g、約95%が8
メッシュを通過し、全て20メッシュ(目開き0.833mm)
に残存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝集体を得
た。この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡により10
00倍に拡大したところ90%以上の粒子の直径が2〜30μ
mの微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例10 実施例5で押出し、得られた含水率15%、塩化メチレ
ン含有量18%の粒状の凝集体を35℃に保持された温水中
に投入し、粉粒体濃度20%の水スラリーを得た。このス
ラリーに芳香族ポリカーボネート樹脂に対して20%のn
−ヘプタンを撹拌下添加し20分間混合した後、撹拌下95
℃に昇温し30分間保持して粉体濃度20%、塩化メチレン
含有量0.2%の水スラリーを得た。該スラリーを遠心脱
水後、熱風循環型乾燥機により145℃で6時間乾燥して
残留塩化メチレン量0.4ppm(塩素含有量0.3ppm)、残留
四塩化炭素量0.1ppm、残留n−ヘプタン量90ppm、嵩密
度0.57g/ml、長径/短径比が2、比表面積が0.18m2/g、
約95%が8メッシュを通過し、全て14メッシュに残存す
る芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝集体を得た。この
粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡により1000倍に拡
大したところ90%以上の粒子の直径が2〜30μの微粉体
の凝集体であることが確認された。
実施例11 熱風循環型乾燥機による乾燥を155℃で4時間に変更
する以外は全て実施例10と同様に行って、残留塩化メチ
レン量0.07ppm(塩素含有量0.06ppm)、残留n−ヘプタ
ン量30ppm、嵩密度0.57g/ml、長径/短径比が2、比表
面積が0.18m2/g、約95%が8メッシュを通過し、全て14
メッシュに残存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝
集体を得た。この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡
により1000倍に拡大したところ90%以上の粒子の直径が
2〜30μmの微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例12 実施例1(A)で得たスラリーを60kg/時で連続的に
撹拌槽に移し、撹拌下芳香族ポリカーボネート樹脂の塩
化メチレン溶液を15kg/時で添加し粉粒体濃度43%、塩
化メチレン含有量41%の水スラリーを得た。該スラリー
を実施例5と同様に行って、残留塩化メチレン量4.8ppm
(塩素含有量4.0ppm)、嵩密度058g/ml、長径/短径比
が2、比表面積が0.12m2/g、約95%が8メッシュを通過
し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカーボネート
樹脂粒状凝集体を得た。この粒状の凝集体の折った面を
電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ90%以上の粒
子の直径が2〜30μmの微粉体の凝集体であることが確
認された。
実施例13 (E)ニーダーの水温を80℃に変更する以外は実施例1
(A)と同様に行って粉粒体濃度が50%、液温が70℃の
水スラリーを得た。このスラリー中の粉粒体の塩化メチ
レン含有量は8%であった。
該スラリーを実施例5(C)の二軸押出機のホッパー
に連続的に供給し、同時にホッパー下部(ホッパー設置
ブロック内)に実施例1(A)で用いた芳香族ポリカー
ボネート樹脂の塩化メチレン溶液を連続的に注入し、押
出機内で微粉砕し、押出して粒状の凝集体を得た。スラ
リーの供給量は60kg/時、塩化メチレン溶液の注入量は1
0kg/時、押出量は44.7kg/時であった。このときの全樹
脂量は31.5kg/時、塩化メチレン量は26.1%になる。得
られた粒状の凝集体は含水率12%、塩化メチレン含有量
23%であった。得られた粒状の凝集体を実施例1と同様
に有機溶媒除去、遠心脱水、乾燥して残留塩化メチレン
量3.5ppm(塩素含有量2.9ppm)、嵩密度0.57g/ml、長径
/短径比が2、比表面積が0.19m2/g、約95%が8メッシ
ュを通過し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカー
ボネート樹脂粒状凝集体を得た。この粒状の凝集体の折
った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ90%
以上の粒子の直径が2〜30μmの微粉体の凝集体である
ことが確認された。
実施例14 実施例13(E)で得たスラリーを遠心脱水して塩化メ
チレン含有量8%、含水率13%の湿潤ペーストを得た。
該湿潤ペーストを実施例13と同様の押出機で押出し粒状
の凝集体を得た。湿潤ペーストの供給量は30.4kg/時、
芳香族ポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液の注入
量は15kg/時、押出量は41.7kg/時であった。このときの
全樹脂量は27.3kg/時、塩化メチレン量は35.4%にな
る。得られた粒状の凝集体は含水率10%、塩化メチレン
含有量30%であった。得られた粒状の凝集体を実施例1
と同様に有機溶媒除去、遠心脱水、乾燥して残留塩化メ
チレン量3.8ppm(塩素含有量3.2ppm)、嵩密度0.57g/m
l、長径/短径比が2、比表面積が0.17m2/g、約95%が
8メッシュを通過し、全て14メッシュに残存する芳香族
ポリカーボネート樹脂粒状凝集体を得た。この粒状の凝
集体の折った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大したと
ころ90%以上の粒子の直径が2〜30μmの微粉体の凝集
体であることが確認された。
実施例15 (F)内容積220L、直胴部直径40cm、高さ180cm、抜
き取り口上部に70度の傾の熱風及び/又は蒸気吹き込み
用多孔板を設けたタワードライヤーを設置した。
実施例13で押出し、有機溶媒除去、遠心脱水し得られ
た粒状の凝集体を連続的にパドルドライヤーにより2時
間乾燥した後更にタワードライヤーにより2時間乾燥し
た。パドルドライヤー中央の下部に差し込んである温度
計の温度は150℃、タワードライヤーの熱風量は60m3/
時、タワー中央部に差し込んである温度計の温度は165
℃であった。得られた粒状の凝集体は残留塩化メチレン
量1.0ppm(塩素含有量0.8ppm)、嵩密度0.57g/ml、長径
/短径比が2、比表面積が0.19m2/g、約95%が8メッシ
ュを通過し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカー
ボネート樹脂粒状凝集体であった。この粒状の凝集体の
折った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ90
%以上の粒子の直径2〜30μmの微粉体の凝集体である
ことが確認された。
実施例16 (G)実施例1(A)で用いた芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の塩化メチレン溶液を45℃に保持した温水を貯留
した撹拌槽中に攪拌下滴下し、湿式粉砕機で処理した後
攪拌槽に循環しながら塩化メチレンを除去して粉粒体濃
度20%、塩化メチレン含有量20%の水スラリーを得た。
このスラリーを、実施例5(C)で用いた二軸押出機
に連続的に供給し押出機内で微粉砕し、押出して粒状の
凝集体を得た。スラリーの供給量は100kg/時、押出量は
26.5kg/時スリットからの分離水は72.6kg/時であった。
得られた粒状の凝集体は含水率12%、塩化メチレン含有
量17%であった。得られた粒状の凝集体を実施例15
(F)と同型で下部に3kg/cm2の蒸気吹き込み口を設け
たタワードライヤーの上部より連続的に投入し、30分間
の滞留後下部より抜き取った。この時の蒸気量は300g/
分であり、塩化メチレン量に対して220%である。抜き
取った粒状の凝集体を金網上に移し20リットル/分の空
気を5分間吹きつけた。得られた粒状の凝集体は含水率
5%、塩化メチレン含有量0.5%であった。該粒状の凝
集体を実施例15(F)のタワードライヤー上部より連続
的に投入し、4時間の滞留後下部より抜き取った。熱風
量は60m3/時、タワー中央部に差し込んである温度計の
温度は165℃であった。得られた粒状の凝集体は残留塩
化メチレン量0.7ppm(塩素含有量0.6ppm)、残留四塩化
炭素量0.4ppm、嵩密度0.55g/ml、長径/短径比が2、比
表面積が0.20m2/g、約95%が8メッシュを通過し、全て
14メッシュに残存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状
凝集体であった。この粒状の凝集体の折った面を電子顕
微鏡により1000倍に拡大したところ90%以上の粒子の直
径2〜30μmの微粉体の凝集体であることが確認され
た。
実施例17 実施例16(G)で得た水スラリーに芳香族ポリカーボ
ネート樹脂に対して10%のn−ヘプタンを攪拌下添加
し、20分間混合した後攪拌下95℃に昇温し、30分間保持
して粉粒体濃度20%、塩化メチレン含有量0.5%の水ス
ラリーを得た。このスラリーを、実施例5(C)で用い
た二軸押出機に連続的に供給しながらシリンダー中央部
に設けたベント穴(ニーディングディスク設置ブロッ
ク)より実施例1(A)で用いた芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の塩化メチレン溶液にこの溶液に対して10%のn
−ヘプタンを添加混合した溶液を連続的に注入し、押出
機内で微粉砕し、押出して粒状の凝集体を得た。スラリ
ーの供給量は100kg/時、n−ヘプタンを混合した塩化メ
チレン溶液の注入量は6.76kg/時、押出量は28kg/時であ
った。このときの全樹脂量は20.9kg/時、塩化メチレン
量は20.9%になる。得られた粒状の凝集体は含水率12
%、塩化メチレン含有量18%であった。得られた粒状の
凝集体を実施例16同様の3kg/cm2の蒸気吹き込み口を設
けたタワードライヤーの上部より連続的に投入し、30分
間の滞留後下部より抜き取った。この時の蒸気量は300g
/分であり、塩化メチレン量に対して170.7%である。抜
き取った粒状の凝集体を金網上に移し20リットル/分の
空気を5分間吹きつけた。得られた粒状の凝集体は含水
率5%、塩化メチレン含有量0.4%であった。該粒状の
凝集体を実施例15と同様にタワードライヤー上部より連
続的に投入し、4時間の滞留後下部より抜き取った。熱
風量は60m3/時、タワー中央部に差し込んである温度計
の温度は165℃であった。得られた粒状の凝集体は残留
塩化メチレン量0.4ppm(塩素含有量0.3ppm)、残留n−
ヘプタン量50ppm、嵩密度0.57g/ml、長径/短径比が
2、比表面積が1.25m2/g、約95%が8メッシュを通過
し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカーボネート
樹脂粒状凝集体であった。この粒状の凝集体の折った面
を電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ95%以上の
粒子の直径2〜20μmの微粉体の凝集体であることが確
認された。
実施例18 実施例1(A)で得た塩化メチレン含有量25%の粉粒
体水スラリーを遠心脱水して含水率20%、塩化メチレン
含有量23%の芳香族ポリカーボネート樹脂の湿潤ペース
トを得た。
該湿潤ペーストを実施例5(C)の二軸押出機のホッ
パーに連続的に供給し、押出機内で脱水・微粉砕し、押
出して粒状の凝集体を得た。湿潤ペーストの供給量は45
kg/時、押出量は40.3kg/時であった。得られた粒状の凝
集体は含水率11%、塩化メチレン含有量19%であった。
得られた粒状の凝集体を実施例1と同様に有機溶媒除
去、遠心脱水、乾燥して残留塩化メチレン量3.8ppm(塩
化含有量3.2ppm)、嵩密度0.57g/ml、長径/短径比が
2、比表面積が0.19m2/g、約95%が8メッシュを通過
し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカーボネート
樹脂粒状凝集体を得た。この粒状の凝集体の折った面を
電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ90%以上の粒
子の直径が2〜30μmの微粉体の凝集体であることが確
認された。
実施例19 ホッパー下部(ホッパー設置ブロック内)に水を24kg
/時で注入する以外は実施例18と同様に押出した。湿潤
ペーストの供給量は45kg/時、押出量は42.4kg/時であっ
た。このときの全樹脂量は30kg/時、全水量は30kg/時に
なる。得られた粒状の凝集体は含水率18%、塩化メチレ
ン含有量19%であった。得られた粒状の凝集体を実施例
1と同様に有機溶媒除去、遠心脱水、乾燥して残留塩化
メチレン量2.9ppm(塩素含有量2.4ppm)、嵩密度0.56g/
ml、長径/短径比が2、比表面積が0.24m2/g、約95%が
8メッシュを通過し、全て14メッシュに残存する芳香族
ポリカーボネート樹脂粒状凝集体を得た。この粒状の凝
集体の折った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大したと
ころ90%以上の粒子の直径が2〜30μmの微粉体の凝集
体であることが確認された。
実施例20 (H)実施例5(C)の二軸押出機の切断機下部に駆動
蒸気管直径380mm、ノズル直径2.2mm、吸引室直径750m
m、ディフューザー直径380mmの蒸気エジェクター及び直
径250mm、水平部6m、垂直部11mの輸送配管を設置した。
駆動蒸気圧力を6kg/cm2とした水平の蒸気エジェクタ
ーに実施例18で押出し、得られた粒状の凝集体を連続的
に投入し輸送しながら有機溶媒を除去した。この際、蒸
気エジェクター吸引部より蒸気を投入して、吸引部の圧
力を−100mmH2Oに保持した。輸送配管より得られた粒状
の凝集体を金網上に移し20リットル/分の空気を5分間
吹きつけた。得られた粒状の凝集体は含水率5%、塩化
メチレン含有量0.8%であった。該粒状の凝集体を実施
例15(F)のタワードライヤー上部より連続的に投入
し、4時間の滞留後下部より抜き取った。熱風量は60m3
/時、タワー中央部に差し込んである温度計の温度は160
℃であった。得られた粒状の凝集体は残留塩化メチレン
量1.2ppm(塩素含有量1.0ppm)、嵩密度0.56g/ml、長径
/短径比が2、比表面積が0.26m2/g、約95%が8メッシ
ュを通過し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカー
ボネート樹脂粒状凝集体であった。この粒状の凝集体の
折った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ90
%以上の粒子の直径2〜30μmの微粉体の凝集体である
ことが確認された。
実施例21 実施例1(A)で得た塩化メチレン含有量25%の粉粒
体水スラリーをロールミルに連続的に供給し、脱水・微
粉砕して凝集体を得た。スラリーの供給量は30kg/時、
処理量は21.2kg/時であった。得られた凝集体は含水率1
5%、塩化メチレン含有量21%であった。得られた凝集
体を実施例5のニーディングディスクを取り外した二軸
押出機に連続的に供給して粒状の凝集体を得た。得られ
た粒状の凝集体を実施例1と同様に有機溶媒除去、遠心
脱水、乾燥して残留塩化メチレン量3.0ppm(塩素含有量
2.5ppm)、嵩密度0.57g/ml、長径/短径比が2、比表面
積が0.22m2/g、約95%が8メッシュを通過し、全て14メ
ッシュに残存する芳香族ポリカーボネート樹脂粒状凝集
体を得た。この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡に
より1000倍に拡大したところ90%以上の粒子の直径が2
〜30μmの微粉体の凝集体であることが確認された。
実施例22 二軸押出機を孔径2mmのギャーペレタイザに変更する
以外は全て実施例21と同様に行って粒状の凝集体を得
た。得られた粒状の凝集体を実施例1と同様に有機溶媒
除去、遠心脱水、乾燥して残留塩化メチレン量3.9ppm
(塩素含有量3.3ppm)、嵩密度0.56g/ml、長径/短径比
が2、比表面積が0.19m2/g、約95%が8メッシュを通過
し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカーボネート
樹脂粒状凝集体を得た。この粒状の凝集体の折った面を
電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ90%以上の粒
子の直径が2〜30μmの微粉体の凝集体であることが確
認された。
実施例23 ニーディングディスクを取り外した2軸押出機をギャ
ーペレタイザに変更する以外は実施例7と同様に行って
粒状の凝集体を得た。得られた粒状の凝集体は残留塩化
メチレン量3.0ppm(塩素含有量2.5ppm)、嵩密度0.57g/
ml、長径/短径比が2、比表面積が0.24m2/g、約95%が
8メッシュを通過し、全て14メッシュに残存する芳香族
ポリカーボネート樹脂粒状凝集体であった。この粒状の
凝集体の折った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大した
ところ90%以上の粒子の直径が2〜30μmの微粉体の凝
集体であることが確認された。
実施例24 出口に孔径が2mmでランド長が5mmの穴を82個有するダ
イを設け、ダイの正面に1.5mmの間隔をおいて切断機
(長さ50mmの1枚翼のプロペラ)を配置したシリンダー
に温度調節用ジャケット、スクリュー中央部及び先端部
にニーディングディスクを設けた二軸押出機を用いた。
ジャケット温度を15℃、スクリュー回転数を60rpm、切
断機回転数を120rpmに設定した。実施例1(A)で得た
スラリーを押出機のホッパーに連続的に供給し、押出機
内で脱水・微粉砕し、押出して粒状の凝集体を得た。供
給されたスラリーは直ちにシリンダーに設けられている
クリアランス0.2mmのスリットにより脱液された。スラ
リーの供給量は3.6kg/時、押出量は2.4kg/時、スリット
からの分離水は0.98リットル/時であった。得られた粒
状の凝集体の含水率は12%、塩化メチレン含有量は18%
であった。得られた粒状の凝集体を実施例1と同様に有
機溶媒除去、遠心脱水、乾燥して残留塩化メチレン量2.
5ppm(塩素含有量2.1ppm)、嵩密度0.59g/ml、長径/短
径比が1.33、比表面積が0.37m2/g、約95%が8メッシュ
を通過し、全て14メッシュに残存する芳香族ポリカーボ
ネート樹脂粒状凝集体を得た。この粒状の凝集体の折っ
た面を電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ90%以
上の粒子の直径が2〜20μmの微粉体の凝集体であるこ
とが確認された。
実施例25 モル比率でビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパンを2.5、ビスフェノールAを7.5の割合
でホスゲンと反応させ常法によって得た比粘度0.400の
芳香族ポリカーボネート共重合体の15%塩化メチレン溶
液を、攪拌下55℃に保持した温水中に滴下し、湿式粉砕
機の循環下塩化メチレンを除去して粉粒体濃度20%の水
スラリーを得た。この粉粒体の塩化メチレン濃度は15%
であった。このスラリーを実施例1と同様の押出機のホ
ッパーに連続的に供給し、押出機内で脱水・微粉砕し、
押出して含水率が11%、塩化メチレン含有量が12%の粒
状の凝集体が得た。得られた粒状の凝集体を実施例1と
同様に有機溶媒除去、遠心脱水した後、熱風循環型乾燥
機により135℃(ガラス転移温度158℃)で6時間乾燥し
て残留塩化メチレン量が35ppm(塩素含有量29ppm)、嵩
密度が0.57g/ml、長径/短径比が2、比表面積が0.13m2
/g、約95%以上が8メッシュを通過し、全て14メッシュ
に残存する芳香族ポリカーボネート樹脂共重合体粒状凝
集体を得た。この粒状の凝集体の折った面を電子顕微鏡
により1,000倍に拡大したところ90%以上の粒子の粒径
が5〜35μmの微粉体の凝集体であることが確認され
た。
比較例1 実施例1(A)で得た芳香族ポリカーボネート樹脂粉
粒体の水スラリーを目開き5mmのスクリーン付ハンマー
ミルにより粉砕した後、実施例1と同様に有機溶媒除
去、遠心脱水、乾燥して残留塩化メチレン量が93ppm
(塩素含有量78ppm)、残留四塩化炭素量25ppm、嵩密度
が0.61g/ml、比表面積が0.02m2/gの芳香族ポリカーボネ
ート樹脂粉粒体を得た。この粉粒体を電子顕微鏡により
1,000倍に拡大したところ微粒子の凝集体でないことが
確認された。
比較例2 実施例13(E)で得た芳香族ポリカーボネート樹脂粉
粒体の水スラリーを、実施例1と同様に押出機に供給し
たところ吐出が困難であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池村 祥史 東京都港区西新橋1丁目6番21号 帝人 化成株式会社内 (72)発明者 忽那 克裕 東京都港区西新橋1丁目6番21号 帝人 化成株式会社内 (72)発明者 堀江 辰見 東京都港区西新橋1丁目6番21号 帝人 化成株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−17583(JP,A) 特開 昭60−202126(JP,A) 特開 平4−189834(JP,A) 特開 平5−43678(JP,A) 特開 昭63−35621(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 64/00 - 64/42 C08J 3/12

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比粘度ηspが0.19〜1.5の芳香族ポリカー
    ボネート樹脂粉粒体であって、該粉粒体は、 (a)多数の微粉体より形成され (b)比表面積が0.05〜2.0m2/gであり、 (c)嵩密度が0.3〜0.8g/mlであり、 (d)平均粒径が0.2〜5mmであり、 (e)粉粒体を形成する微粉体はその90%以上が50μm
    以下の粒径を有し、かつ (f)有機溶媒としてのハロゲン化炭化水素の含有量
    が、ハロゲンの量に換算して30ppm以下である、 ことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体。
  2. 【請求項2】該粉粒体は、長径/短径比が1〜10である
    請求項1記載の粉粒体。
  3. 【請求項3】該粉粒体は、比表面積が0.07〜2.0m2/gで
    ある請求項1記載の粉粒体。
  4. 【請求項4】該粉粒体は、嵩密度が0.4〜0.7g/mlである
    請求項1記載の粉粒体。
  5. 【請求項5】該粉粒体は、平均粒径が0.4〜4mmである請
    求項1記載の粉粒体。
  6. 【請求項6】該粉粒体は、それを形成する微粉体がその
    90%以上が40μm以下の粒径を有する請求項1記載の粉
    粒体。
  7. 【請求項7】該芳香族ポリカーボネート樹脂は、溶液法
    により得られたものである請求項1記載の粉粒体。
  8. 【請求項8】比粘度ηspが0.19〜1.5の芳香族ポリカー
    ボネート樹脂粉粒体であって、該粉粒体は、 (a)多数の微粉体より形成され (b)比表面積が0.05〜2.0m2/gであり、 (c)嵩密度が0.3〜0.8g/mlであり、 (d)平均粒径が0.2〜5mmであり、 (e)粉粒体を形成する微粉体はその90%以上が50μm
    以下の粒径を有し、かつ (f)有機溶媒としてのハロゲン化炭化水素の含有量
    が、ハロゲンの量に換算して30ppm以下である、 ことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の
    製造方法 であって、下記工程、 (1)(i)芳香族ポリカーボネート樹脂と有機溶媒と
    の合計量に対する有機溶媒の割合が重量で10〜65%であ
    り、かつ (ii)芳香族ポリカーボネート樹脂に対する水の割合が
    重量で5%以上である、 芳香族ポリカーボネート樹脂を含有するスラリーまたは
    湿潤ペーストを調整する工程(工程a) (2)前記スラリーまたは湿潤ペーストにシェアーをか
    けて、90%以上が50μm以下の粒径を有する芳香族ポリ
    カーボネート樹脂の微粉体を形成させる微粉砕工程(工
    程b) (3)前記工程で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂
    微粉体を加圧せしめ、 (i)芳香族ポリカーボネート樹脂と有機溶煤との合計
    量に対する有機溶媒の割合が重量で10〜65%であり、か
    つ (ii)芳香族ポリカーボネート樹脂に対する水の割合が
    重量で5〜120%である、凝集体を形成させる工程(工
    程c) および (4)前記工程で形成された芳香族ポリカーボネート樹
    脂微粉体の凝集体を、任意の順序で粉砕または切断およ
    び乾燥する工程(工程d)、 よりなる芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】前記工程aおよび工程bを同時に実施する
    請求項8による製造方法。
  10. 【請求項10】前記工程a、工程bおよび工程cは、1
    つの押出し機中で実施される請求項8または9による製
    造方法。
  11. 【請求項11】該押出し機が2軸押出し機である請求項
    10による製造方法。
  12. 【請求項12】該押出し機の出口端部に設けられた細孔
    より芳香族ポリカーボネート樹脂微粉体の凝集体を押出
    す請求項10による製造方法。
  13. 【請求項13】前記工程cは、芳香族ポリカーボネート
    樹脂微粉体の90%以上が50μm以下の粒径を保持しうる
    温度で実施される請求項8による製造方法。
  14. 【請求項14】前記工程dにおける乾燥は、芳香族ポリ
    カーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)以上でかつ溶
    融温度以下の温度で実施する請求項12による製造方法。
  15. 【請求項15】前記工程dにおける乾燥は、芳香族ポリ
    カーボネート樹脂のTg〜Tg+40℃の範囲の温度で実施す
    る請求項12による製造方法。
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