JPH07330889A - ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法

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JPH07330889A
JPH07330889A JP12750394A JP12750394A JPH07330889A JP H07330889 A JPH07330889 A JP H07330889A JP 12750394 A JP12750394 A JP 12750394A JP 12750394 A JP12750394 A JP 12750394A JP H07330889 A JPH07330889 A JP H07330889A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
solvent
powder
extruder
amount
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JP12750394A
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English (en)
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Hideki Isshiki
英樹 一色
Akiyoshi Manabe
昭良 真鍋
Toshinori Kitachi
敏範 北地
Yoshifumi Ikemura
祥史 池村
Katsuhiro Kotsuna
克裕 忽那
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 残留溶媒量が極めて少なく且つ粒径の揃った
ポリカーボネート樹脂粉粒体を容易に製造する方法を提
供することにある。 【構成】 良溶媒を含有する固形のポリカーボネート樹
脂を押出機に連続的に供給し、押出機内で微粉砕し、溶
融乃至溶解させることなく押出して切断又は粉砕し、得
られたポリカーボネート樹脂粉粒体にポリカーボネート
樹脂の非溶媒を0.1重量%以上添加した後脱溶媒・乾
燥することを特徴とするポリカーボネート樹脂粉粒体の
製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリカーボネート樹脂粉
粒体の製造方法に関する。更に詳しくは、残留溶媒量が
極めて少なく且つ粒径の揃ったポリカーボネート樹脂粉
粒体を容易に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂は、通常二価フェ
ノールのアルカリ水溶液とホスゲンを塩化メチレン等の
良溶媒の存在下反応させるいわゆる溶液法により製造さ
れ、得られるポリカーボネート樹脂の有機溶媒溶液から
(以下ポリカーボネート樹脂溶液という)良溶媒を除去
して粉粒体にする粉粒化工程を経た後乾燥工程に供され
る。ポリカーボネート樹脂溶液から良溶媒を除去して粉
粒体を得る方法としては、例えばポリカーボネート樹脂
溶液を熱水や水蒸気と接触させてフレーク化又は粉粒化
する方法(特公昭36−11231号公報、特公昭40
−9843号公報、特公昭45−9875号公報、特公
昭48−43752号公報、特公昭54−122393
号公報)、濃縮や冷却によってゲル化させて粉粒化する
方法(特公昭36−21033号公報、特公昭38−2
2497号公報、特公昭40−12379号公報、特公
昭45−9875号公報、特公昭47−41421号公
報、特開昭51−41048号公報)等が知られてい
る。しかしながら、これらの方法によって得られる粉粒
体(フレークも含む)には、なお多くの良溶媒が残留
し、この残留良溶媒は通常の乾燥によって充分に除去す
ることは困難である。
【0003】この残留良溶媒の除去方法として、残留良
溶媒の沸点以上の温水と混合して蒸留する方法が提案さ
れている。しかしながら、この方法によって得られる粉
粒体には、なお数百〜数千ppm の良溶媒が残留してい
る。この残留良溶媒を更に減少させるには、高温での長
時間の乾燥や減圧ベント付き押出機によるペレット化等
によらねばならず、それでもなお数十〜数百ppm の良溶
媒が残留し、得られる製品は耐熱性、色相、物性等への
悪影響を免れることはできない。残留良溶媒の少ないポ
リカーボネート樹脂粉粒体の製造方法として、反応によ
り得られるポリカーボネート樹脂溶液又は良溶媒が残留
するポリカーボネート樹脂粉粒体の水スラリーに非溶媒
や貧溶媒を添加処理する方法、良溶媒が残留するポリカ
ーボネート樹脂粉粒体から貧溶媒によって良溶媒を抽出
する方法(特公昭55−1298号公報、特開昭63−
278929号公報、特開昭64−6020号公報)等
が提案されている。これらの方法では良溶媒は充分に除
去されるものの非溶媒や貧溶媒が多量に残留し、この残
留非溶媒や貧溶媒は通常の乾燥では勿論のこと、高温で
長時間の乾燥によっても充分に除去することは困難であ
る。しかも、このように乾燥を強化すると製品の分子量
低下、色相の悪化、異物の混入等が発生するようにな
る。また、嵩密度が大きく粒径の揃ったポリカーボネー
ト樹脂粒状体の製造方法として、未乾燥の固形ポリカー
ボネート樹脂を多数の細孔を有するダイを外設した押出
機で押出す方法(特開昭62−169605号公報)が
提案されている。しかしながら、この方法によって得ら
れるポリカーボネート樹脂粉粒体のなかには残留良溶媒
が充分に除去されないものがあり、また残留良溶媒量が
ばらつくという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、残留
溶媒が極めて少なく且つ粒径の揃ったポリカーボネート
樹脂粉粒体を容易に製造する方法を提供することにあ
る。
【0005】本発明者は、上記目的を達成せんとして鋭
意検討した結果、良溶媒を含有する固体のポリカーボネ
ート樹脂を連続的に押出機に供給し、押出機内で微粉砕
した後溶融乃至溶解させることなく押出して切断又は粉
砕した後、ポリカーボネート樹脂の非溶媒を特定量添加
した後乾燥することにより残留溶媒が極めて少ない粉粒
体が得られることを見出した。また、押出機の出口に細
孔を有するダイを付設し、押出されたストランド状のポ
リカーボネート樹脂を所望の長さに切断することにより
残留溶媒が極めて少なく且つ粒径の揃ったポリカーボネ
ート樹脂粒状体が得られることを見出し、本発明を完成
した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、良溶媒を含有
する固形のポリカーボネート樹脂を押出機に連続的に供
給し、押出機内で微粉砕し、溶融乃至溶解させることな
く押出して切断又は粉砕し、得られたポリカーボネート
樹脂粉粒体にポリカーボネート樹脂の非溶媒をポリカー
ボネート樹脂に対して0.1重量%以上添加した後脱溶
媒・乾燥することを特徴とするポリカーボネート樹脂粉
粒体の製造方法である。
【0007】本発明でいう良溶媒、貧溶媒及び非溶媒と
は、W.F.CHRISTOPHER,D.W.FOX 著「ポリカーボネート」
1962年、32〜33頁の表3−1における分類中の
“Good Solvent”及び“Fair Solvent”に該当する溶媒
が良溶媒、“Poor Solvent”、“Very Poor Solvent ”
及び“Weak Solvent”に該当する溶媒が貧溶媒、“Nons
olvent”に該当する溶媒が非溶媒である。良溶媒の代表
例としては塩化メチレン、テトラクロロエタン、モノク
ロルベンゼン等があげられ、貧溶媒の代表例としてはベ
ンゼン、トルエン、アセトン等があげられ、非溶媒の代
表例としてはヘキサン、ヘプタン等があげられる。
【0008】本発明でいうポリカーボネート樹脂は、二
価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得ら
れる芳香族ポリカーボネート樹脂である。ここで使用す
る二価フェノールは下記一般式
【0009】
【化1】
【0010】[式中Rは炭素数1〜9の置換若しくは非
置換アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキリデ
ン基、−S−、−SO−、−SO2 −、−O−又は−C
O−であり、X1 及びX2 は炭素数1〜3のアルキル基
又はハロゲン原子であり、m及びnは0、1又は2であ
る。]で表される二価フェノール及び4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルより選ばれる一種又は二種以上の二価
フェノールであり、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)が好まし
く使用される。その他の二価フェノールとしては例えば
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル、4,4−ジヒドロキシジ
フェニル等があげられ、更には2,2−ビス(3,5−
ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如きハ
ロゲン化ビスフェノール類等があげられる。カーボネー
ト前駆体としてはカルボニルハライド、ジアリールカー
ボネート、ハロホルメート等があげられ、具体的にはホ
スゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェノールのジ
ハロホルメート等があげられる。
【0011】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当って
は、必要に応じて触媒、分子量調整剤、酸化防止剤等を
用いてもよく、またポリカーボネート樹脂は例えば三官
能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカ
ーボネート樹脂であっても、二種以上のポリカーボネー
ト樹脂の混合物であってもよい。ポリカーボネート樹脂
の分子量は特に制限する必要はなく、例えば二価フェノ
ールとしてビスフェノールA、カーボネート前駆体とし
てホスゲンを用いてポリカーボネート樹脂を得た場合、
濃度0.7 g/dlの塩化メチレン溶液にして20℃で測
定した比粘度(ηSP )が3.00以下のものが好まし
く、0.19〜1.50のものが特に好ましい。
【0012】本発明で用いるポリカーボネート樹脂は、
任意の方法によって製造された良溶媒を含有する固形の
ポリカーボネート樹脂であり、その形状は例えば粉状、
粒状、ペレット状、フレーク状、塊状等任意でよい。そ
のの大きさについては、押出機の噛込性に問題ない程度
であれば何等制限する必要はなく、噛込性に問題があれ
ば粉砕等の前処理を行えばよい。以下かかる固形のポリ
カーボネート樹脂をポリカーボネート樹脂粉粒体とい
う。また、固形のポリカーボネート樹脂の含水量につい
ては特に制限する必要はないが、後述する押出機内にお
ける微粉砕段階で所定量の水が存在する必要があるの
で、未乾燥の飽和水分より多くの含水量を有するものが
好ましい。
【0013】ポリカーボネート樹脂粉粒体に含有される
良溶媒量は、特に制限する必要はないが、あまりに多い
とポリカーボネート樹脂を粉粒体として取扱い難くな
り、またあまりに少ないと本発明の方法を採用する必要
がないので通常50ppm 〜65重量%の範囲である。こ
こでいう良溶媒は単独又は二種以上の良溶媒の組合わせ
でもよく、貧溶媒や非溶媒が混合されていてもよい。な
お、本発明でいう良溶媒量は良溶媒とポリカーボネート
樹脂との合計重量に対する重量%である。
【0014】本発明にあっては、上記ポリカーボネート
樹脂粉粒体を押出機に供給して押出機内で微粉砕し、溶
融乃至溶解させることなく押出す。押出機内の微粉砕段
階では粉粒体中の良溶媒量を10〜65重量%にするの
が好ましい。良溶媒量が65重量%より多いと微粉砕し
難くなり、10重量%より少ないと押出機の負荷が大き
くなって微粉砕が困難になり、目的とする残留溶媒量が
極めて少ない粉粒体が得られ難くなる。特に15〜45
重量%の範囲が好ましい。良溶媒量が適当でないとき
は、良溶媒を添加又は除去することにより調整すればよ
い。良溶媒量が少ない場合は良溶媒、そのポリカーボネ
ート樹脂溶液又は良溶媒含有量の多いポリカーボネート
樹脂粉粒体を所定量になる量加えればよい。特に溶液法
により得られるポリカーボネート樹脂溶液を加えれば、
この溶液の造粒工程を省略できるので好ましい。加える
に当っては、押出機に供給するポリカーボネート樹脂粉
粒体に加えても、押出機のホッパーやベント穴等より加
えてもよい。良溶媒量が多い場合は、良溶媒含有量の少
ないポリカーボネート樹脂粉粒体を加えてもよく、予め
加熱して余分の良溶媒を除去してもよく、また用いる押
出機の温度を、供給したポリカーボネート樹脂粉粒体が
溶融乃至溶解しないように調節してベント穴より余分の
良溶媒を除去してもよい。なお良溶媒量を調整するに当
っては均一に混合させるのが好ましい。
【0015】また、押出機内の微粉砕段階では5重量%
以上の水を存在させることが好ましい。この水量が5重
量%より少いと微粉砕した粉体が相互に密着して目的と
する残留溶媒量が極めて少ない粉粒体が得られ難くな
る。また、この水量があまりに多いと、得られる粉粒体
を乾燥する際のエネルギーが多大になるばかりでなく、
得られる粉粒体の強度が弱くなり、衝撃によって容易に
破砕されるようになるので120重量%以下が好まし
い。特に残留溶媒量が極めて少なく且つ衝撃によって破
砕し難い粉粒体が得られることから6〜80重量%にす
るのが好ましい。水量が適当でない場合は、水の添加や
除去又はポリカーボネート樹脂粉粒体の添加等により調
整すればよい。水量が多い場合には例えば含水量の少な
いポリカーボネート樹脂粉粒体を添加したり、遠心分離
機等により脱水処理したり、押出機に排水機構を設けて
過剰の水量を押出機の圧縮機構等によって除去すればよ
い。水量が少ない場合は所定量になる量の水や含水量の
多いポリカーボネート樹脂粉粒体を加えればよく、加え
るに当っては、押出機に供給するポリカーボネート樹脂
粉粒体に加えても、ポリカーボネート樹脂粉粒体を供給
している押出機のベント穴等より加えてもよい。また、
水量を調整するに当っては均一に混合させることが好ま
しい。なお、本発明でいう水量はポリカーボネート樹脂
に対する重量%であり、以下含水率ということもある。
【0016】微粉砕段階においてポリカーボネート樹脂
粉粒体の大部分(通常90重量%以上)を直径50μm
以下、好ましくは40μm 以下、特に好ましくは30μ
m 以下に微粉砕する必要がある。その大部分を直径50
μm 以下に微粉砕しないときは、目的とする残留溶媒量
が極めて少ないポリカーボネート樹脂粉粒体が得られ難
くなる。本発明の方法によって得られるポリカーボネー
ト樹脂粉粒体を二つ以上に折って、その断面を電子顕微
鏡により1000倍程度に拡大すれば、押出機内で微粉
砕したポリカーボネート樹脂の大きさが容易に確認でき
る。
【0017】微粉砕したポリカーボネート樹脂を押出す
際に、溶融乃至溶解させることなく圧縮し、微粉体の凝
集体として押出す。ここで溶融乃至溶解させたのでは、
目的とする残留溶媒量が極めて少ないポリカーボネート
樹脂粉粒体は得られない。また、押出す際には微粉砕段
階において存在させた水の大部分を残留させて凝集時に
おける微粉体相互の密着を防止すべきである。
【0018】本発明で用いる押出機は、供給するポリカ
ーボネート樹脂粉粒体を直径50μm 以下に微粉砕し得
る微粉砕機能があれば任意の形式のものでよく、混練機
能や脱液機能を有するものが好ましく、ニーディングデ
ィスク及び/又はシールリング等を組合わせてこれらの
機能を付与することが好ましい。押出機としては例えば
単軸若しくは多軸のスクリュー式押出機、プランジャー
式押出機又はインナースクリューを有する射出成形機の
如き機構を有する押出機等があげられる。ポリカーボネ
ート樹脂粉粒体中の溶媒濃度及び押出し条件によっては
シリンダーの内温上昇や内圧上昇によりポリカーボネー
ト樹脂の溶解、溶融等のトラブルが生じることがあり、
かかるトラブルを避けるために温度調節機構を有するジ
ャケット付きシリンダーやスクリューを用いるのが好ま
しい。またベント付きシリンダー、テーパー付きシリン
ダー、圧縮部を有するスクリュー等も用いられる。脱液
機能はシリンダーの全域又は一部に脱液用のパンチプレ
ートやスリットを設けたり、グランド側に脱液機構を設
けてもよい。ポリカーボネート樹脂粉粒体に含まれる過
剰の水分、例えば分離水及び付着又は包含されている水
等の大部分はダイの反対側に分離されるか、又はパンチ
プレートやスリット等により分離される。グランドやパ
ンチプレートの目開き、スリットのクリアランス等は特
に制限するものではなく、供給されるポリカーボネート
樹脂粉粒体の粒径やポリカーボネート樹脂粉粒体の含水
量等により適宜選択すればよい。
【0019】次いで押出した微粉体の凝集体を粉砕又は
切断する。この押出後の粉砕又は切断には任意の装置が
用いられる。微粉砕したポリカーボネート樹脂を押出す
際に、押出機出口に細孔を有するダイを付設し、押出し
たストランド状に凝集したポリカーボネート樹脂を所望
の長さに切断することによって残留溶媒量が極めて少な
く且つ粒径が揃った粒状体が得られる。また押出す際
に、スクリュー先端部に、ダイ直前までポリカーボネー
ト樹脂粉体を送出す機能を設けるのが好ましい。ダイと
しては、押出軸と同方向に押出す前押出型又は押出軸と
直角若しくは軸方向に押出す横押出型等の何れでもよ
い。形状は特に制限する必要はないが、孔の工作面から
円形が一般的である。ダイの孔の構造は押出能力、乾燥
効率、取扱性等の点から孔径は0.1〜5mmが適当であ
り、0.5〜3mmが好ましく、ランドは同一孔径でダイ
を貫通させても、同一孔軸で異なった孔径の多段式連通
孔であってもよい。得られる粒状物の強度、吐出圧、ダ
イの強度等の点からランド長(L)と孔径(D)の比は
L/Dが1〜10の範囲が好ましい。多段式連通孔を有
するダイを用いる場合、孔の径やランド長は押出しに支
障のない程度でよい。またテーパーを有するダイであっ
てもよい。ダイより押出されたストランド状のポリカー
ボネート樹脂は任意の方法で切断できる。ダイ面に対し
て平行になるように取付けたプロペラを回転させること
により切断する方法は好ましい例である。粒状体の長さ
はプロペラの取付け位置や回転速度等で調整可能であ
る。
【0020】本発明にあっては、微粉体の凝集体を粉砕
又は切断して得られたポリカーボネート樹脂粉粒体に、
ポリカーボネート樹脂の非溶媒を添加する。非溶媒の添
加量は溶媒の種類にもよるが、ポリカーボネート樹脂に
対して0.1重量%以上であり、1〜400重量%が好
ましい。この添加量が0.1重量%より少ないと目的と
する残留溶媒が極めて少ないポリカーボネート樹脂粉粒
体が得られ難くなり、また400重量%より多くなると
蒸留分離等の回収コストが増大するので好ましくない。
非溶媒を添加するに当り、非溶媒に良溶媒及び/又は貧
溶媒が混合されていてもよい。
【0021】粉砕又は切断して得られたポリカーボネー
ト樹脂粉粒体には、押出機内の微粉砕段階で存在させた
良溶媒が残存しており、かかるポリカーボネート樹脂粉
粒体に所定量の非溶媒を添加することにより、非溶媒が
粉粒体中に浸透し、こうすることによって最終的に得ら
れる粉粒体の残留良溶媒量を著しく低下させることがで
きる。非溶媒を添加するポリカーボネート樹脂粉粒体中
の良溶媒量があまりに少ないと非溶媒の浸透量が不充分
になり、最終的に得られるポリカーボネート樹脂粉粒体
中の残留溶媒量が増加するようになったり、浸透に長時
間を要するようになる。また、ポリカーボネート樹脂粉
粒体中の良溶媒量があまりに多いと、粉粒体として取扱
い難くなる。このため、非溶媒を添加するポリカーボネ
ート樹脂粉粒体中の良溶媒量は、ポリカーボネート樹脂
と良溶媒の合計重量に対して1重量%以上が好ましく、
特に5〜60重量%が好ましい。粉砕又は切断して得ら
れたポリカーボネート樹脂粉粒体を長期間放置したり、
一旦乾燥したりしてポリカーボネート樹脂粉粒体中の良
溶媒量が少ないときは、良溶媒及び/又は貧溶媒を、予
め添加するか又は非溶媒と共に添加すればよい。良溶媒
や貧溶媒を添加するときは、ポリカーボネート樹脂粉粒
体中の残存良溶媒量と添加する良溶媒や貧溶媒の合計量
が、ポリカーボネート樹脂と良溶媒と貧溶媒の合計重量
に対して5〜60重量%になる量添加するのが好まし
い。非溶媒を添加するには任意の方法が採用されるが、
均一に添加混合し易いことからポリカーボネート樹脂粉
粒体を水スラリーにして添加するのが好ましく、また攪
拌下の非溶媒中にポリカーボネート樹脂粉粒体を投入す
る方法も使用できる。
【0022】次いで脱溶媒・乾燥工程に供給する。特に
ポリカーボネート樹脂粉粒体を水スラリーにして非溶媒
を添加したときは、脱溶媒した後、遠心分離機等によっ
て脱液し、乾燥工程に供給するのが好ましい。脱溶媒・
乾燥は、連続的又は回分的にすることができ、乾燥工程
のみによって行ってもよく、乾燥には任意の装置を単独
で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。必要に応じ
て残留溶媒の沸点以上の液体等と混合し蒸留する方法及
び水蒸気と接触させる方法等任意の脱溶媒処理を行った
後乾燥してもよく、貧溶媒等による抽出や添加処理を行
ってもよい。得られたポリカーボネート樹脂粉粒体の残
留溶媒量が多く粉粒体が崩れ易い場合はシェヤーのかか
らない装置、例えば熱風循環型乾燥機やスチームチュー
ブドライヤー、パウヒーター、ホッパードライヤー等を
用いて乾燥するか又はこれらの装置で予め乾燥した後更
にパドルドライヤー、マルチフィンドライヤー等の乾燥
装置を用いて乾燥するのが好ましい。かくして得られた
ポリカーボネート樹脂粉粒体には、必要に応じて任意の
安定剤、添加剤、充填剤等を任意の段階で含ませること
ができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に説明す
る。なお、実施例中における%は重量%、塩化メチレン
含有量は塩化メチレンとポリカーボネート樹脂との合計
重量に対する重量%、含水率、ヘキサン量及びn−ヘプ
タン量はポリカーボネート樹脂に対する重量%であり、
評価は下記の方法によった。 (1)塩化メチレン量:塩素含有量を全有機ハロゲン分
析装置[三菱化成(株)製 TOX]により分析して求め
た。 (2)ヘキサン、n−ヘプタン量:ガスクロマトグラフ
ィー[(株)日立製作所製263型]によりカラム充填
剤にジオクチルセバケートを用いて測定した。 (3)比粘度(ηSP ):ポリカーボネート樹脂0.7g
を塩化メチレン100mlに溶解した溶液を用いて20℃
でオストワールド粘度計により測定した。 (4)平均粒径(mm)及び粒度分布(n):日本粉体工
業協会編「造粒便覧」1編、2章、2・4項に記載の粒
度測定法に準拠して測定した。ロージンラムラー式のn
は粒度分布の目安になり、値が大きい程粒度分布の幅が
狭い。
【0024】[実施例1] (A)ビスフェノールAとホスゲンから常法によって得
た比粘度0.475のポリカーボネート樹脂の15%塩
化メチレン溶液を、42℃に保持した温水を仕込んだニ
ーダーに投入して塩化メチレンを除去した後粗粉砕して
液温38℃、粉粒体濃度25%、塩化メチレン含有量3
0%の水スラリーを得た。 (B)径40mm、L/Dが9.25、圧縮なし、溝深さ
6mmのスクリューを内蔵し、シリンダーに温度調節用ジ
ャケットを設けた単軸押出機を用い、出口に孔径2mmで
ランド長5mmの穴を82個有するダイを設け、ダイの正
面に4mmの間隔で切断機(長さ50mmの1枚翼のプロペ
ラ)を配置し、ジャケット温度を15℃、スクリュー回
転数を20rpm 、切断機回転数を80rpm に設定した。
上記(A)で得たスラリーを押出機のホッパーに連続的
に供給し、押出機内で微粉砕し、押出して粒状体を得
た。押出量は1.8kg/時であった。得られた粒状体は
含水率20%、塩化メチレン含有量25%であった。こ
の粒状体を38℃に保持した温水中に投入し、攪拌下n
−ヘプタンを20%加え、30分間攪拌後攪拌下95℃
に昇温して1時間保持し、遠心脱水後熱風循環型乾燥機
により145℃で6時間乾燥して残留塩化メチレン量
0.8ppm 、残留n−ヘプタン量70ppm 、嵩密度0.
59 g/ml、約95%が8メッシュを通過し、全て14
メッシュに残存する粒状体を得た。この粒状体の折った
面を電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ直径
が2〜20μm の微粉体の凝集体であることが確認され
た。
【0025】[実施例2]シリンダーに温度調節用ジャ
ケットを設けた径30mm、L/Dが25の二軸押出機
(池貝鉄工製PCM−30)を用い、出口に孔径2mmで
ランド長6mmの穴を120個有するダイを設け、ダイの
正面に3.5mmの間隔で切断機(長さ50mmの1枚翼の
プロペラ)を配置し、ジャケット温度を15℃、スクリ
ュー回転数を80rpm 、切断機回転数を200rpm に設
定した。 (A)実施例1(A)で得たポリカーボネート樹脂粉粒
体の水スラリーを上記押出機に77.3kg/時で供給
し、同時にシリンダー中央部に設けたベントより水を5
kg/時で注入し、押出機内で微粉砕し、押出して粒状体
を得た。押出量は30kg/時であった。得られた粒状体
は含水率27%、塩化メチレン含有量22%であった。
【0026】(B)この粒状体を38℃に保持した温水
中に投入し、攪拌下n−ヘプタンを10%加え、20分
間攪拌後攪拌下95℃に昇温して1時間保持し、遠心脱
水後熱風循環乾燥機により145℃で2時間乾燥し、更
にホッパードライヤーにより160℃で4時間乾燥して
残留塩化メチレン量1.0ppm 、残留n−ヘプタン量4
0ppm 、嵩密度0.60 g/ml、約92%が8メッシュ
を通過し、全て14メッシュに残存する粒状体を得た。
この粒状体の折った面を電子顕微鏡により1000倍に
拡大したところ直径が2〜20μm の微粉体の凝集体で
あることが確認された。
【0027】[実施例3]実施例2(A)で得たポリカ
ーボネート樹脂粒状体を38℃に保持した温水中に投入
し、攪拌下ヘキサンを30%加え、20分間攪拌後攪拌
下95℃に昇温して1時間保持し、遠心脱水後熱風循環
乾燥機により145℃で6時間乾燥して残留塩化メチレ
ン量1.3ppm 、残留ヘキサン量100ppm 、嵩密度
0.60 g/ml、約92%が8メッシュを通過し、全て
14メッシュに残存する粒状体を得た。この粒状体の折
った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大したところ
直径が2〜20μm の微粉体の凝集体であることが確認
された。
【0028】[実施例4]実施例2(A)で得たポリカ
ーボネート樹脂粒状体を38℃に保持した温水中に投入
し、攪拌下塩化メチレンを10%、n−ヘプタンを20
%予め混合して加え、30分間攪拌後攪拌下95℃に昇
温して1時間保持し、遠心脱水後熱風循環乾燥機により
145℃で6時間乾燥して残留塩化メチレン量0.4pp
m 、残留n−ヘプタン量90ppm 、嵩密度0.60 g/
ml、約95%が8メッシュを通過し、全て14メッシュ
に残存する粒状体を得た。この粒状体の折った面を電子
顕微鏡により1000倍に拡大したところ直径が2〜2
0μm の微粉体の凝集体であることが確認された。
【0029】[実施例5]実施例2(A)で得たポリカ
ーボネート樹脂粒状体を38℃に保持した温水中に投入
し、攪拌下95℃に昇温した。この温水スラリーに塩化
メチレンを20%、n−ヘプタンを20%予め混合して
加え、30分間攪拌後攪拌下95℃に昇温して1時間保
持し、遠心脱水後ホッパードライヤーにより145℃で
6時間乾燥して残留塩化メチレン量0.8ppm 、残留n
−ヘプタン量90ppm 、嵩密度0.60 g/ml、約95
%が8メッシュを通過し、全て14メッシュに残存する
粒状体を得た。この粒状体の折った面を電子顕微鏡によ
り1000倍に拡大したところ直径が2〜20μm の微
粉体の凝集体であることが確認された。
【0030】[実施例6]ダイと切断機を取除く以外は
実施例2と同様に押出機内で微粉砕して押出し、得られ
た凝集体を目開き5mmのスクリーン付ハンマーミルによ
り粉砕して含水率28%、塩化メチレン含有量27%の
ポリカーボネート樹脂粉粒体を得た。この粒状体を38
℃に保持した温水中に投入し、攪拌下n−ヘプタンを1
0%加え、20分間攪拌後攪拌下95℃に昇温して1時
間保持し、遠心脱水後熱風循環型乾燥機により145℃
で6時間乾燥して残留塩化メチレン量0.1ppm 、残留
n−ヘプタン量40ppm 、嵩密度0.63 g/ml、平均
粒径0.83mm、nが1.43の粉粒体を得た。この粉
粒体の折った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大し
たところ直径が2〜20μm の微粉体の凝集体であるこ
とが確認された。
【0031】[比較例1]実施例1(A)で得たポリカ
ーボネート樹脂粉粒体の水スラリーを目開き5mmのスク
リーン付ハンマーミルにより粉砕して粉粒体水スラリー
を得た。このスラリーを攪拌下95℃に昇温して1時間
保持し、遠心脱水後熱風循環乾燥機により145℃で6
時間乾燥して残留塩化メチレン量85ppm 、嵩密度0.
62 g/ml、平均粒径0.51mm、nが1.02の粉粒
体を得た。この粉粒体を電子顕微鏡により1000倍に
拡大したところ粒径が殆ど70〜3000μm の粉粒体
であり、微粉体の凝集体でないことが確認された。
【0032】[比較例2]比較例1でハンマーミルによ
り粉砕して得たポリカーボネート樹脂粉粒体水スラリー
にn−ヘプタンを30%添加し、20分間攪拌後攪拌下
95℃に昇温して1時間保持し、遠心脱水後熱風循環乾
燥機により145℃で6時間乾燥して残留塩化メチレン
量23ppm 、残留n−ヘプタン量320ppm 、嵩密度
0.62 g/ml、平均粒径0.51mm、nが1.02の
粉粒体を得た。この粉粒体を電子顕微鏡により1000
倍に拡大したところ直径が殆ど70〜3000μm の粉
粒体であり、微粉体の凝集体でないことが確認された。
【0033】[比較例3]実施例1(B)で押出して得
たポリカーボネート樹脂粒状体を熱風循環乾燥機により
145℃で6時間乾燥して残留塩化メチレン量15ppm
、嵩密度0.59g/ml、約95%が8メッシュを通過
し、全て14メッシュに残存する粒状体を得た。この粒
状体の折った面を電子顕微鏡により1000倍に拡大し
たところ直径が2〜20μm の微粉体の凝集体であるこ
とが確認された。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、残留溶媒の極めて少な
いポリカーボネート樹脂粒状体が得られ、しかも得られ
るポリカーボネート樹脂粒状体は粒径の揃った非常に取
扱い性に優れたものであり、その奏する工業的効果は格
別なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池村 祥史 東京都港区西新橋1丁目6番21号 帝人化 成株式会社内 (72)発明者 忽那 克裕 東京都港区西新橋1丁目6番21号 帝人化 成株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 良溶媒を含有する固形のポリカーボネー
    ト樹脂を押出機に連続的に供給し、押出機内で微粉砕
    し、溶融乃至溶解させることなく押出して切断又は粉砕
    し、得られたポリカーボネート樹脂粉粒体にポリカーボ
    ネート樹脂の非溶媒をポリカーボネート樹脂に対して
    0.1重量%以上添加した後脱溶媒・乾燥することを特
    徴とするポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 微粉砕したポリカーボネート樹脂を押出
    機から押出して切断又は粉砕する工程が、押出機出口に
    付設したダイの細孔より押出して切断する工程である請
    求項1記載のポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法。
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