JPH06199937A - 含フッ素グラフト重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素グラフト重合体の製造方法

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JPH06199937A
JPH06199937A JP28330293A JP28330293A JPH06199937A JP H06199937 A JPH06199937 A JP H06199937A JP 28330293 A JP28330293 A JP 28330293A JP 28330293 A JP28330293 A JP 28330293A JP H06199937 A JPH06199937 A JP H06199937A
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
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    • C08F8/30Introducing nitrogen atoms or nitrogen-containing groups

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Abstract

(57)【要約】 【構成】水酸基含有含フッ素重合体に1個のイソシアネ
ート基と少なくとも1個の付加重合性不飽和基とを有す
るイソシアネート基含有不飽和化合物をイソシアネート
基の数/水酸基の数の比が0.01〜1の割合で反応さ
せ得られる不飽和基含有含フッ素重合体に、この不飽和
基と共重合しうる付加重合性不飽和基を有するモノマー
をグラフトすることを特徴とする含フッ素グラフト重合
体の製造方法。 【効果】水酸基含有含フッ素重合体に活性の高い付加重
合性の不飽和基を容易に導入することができ、得られる
不飽和基含有含フッ素重合体に(メタ)アクリレートな
どのモノマーをグラフト重合して新たな含フッ素グラフ
ト重合体とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素グラフト重合
体の製造法に関するものであり、特に塗料用成分として
適した含フッ素グラフト重合体の製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリフルオロオレフィン、水酸基含有ビ
ニルエーテル、および好ましくはさらに水酸基を有しな
いビニルエーテルの少なくとも2〜3種のモノマーを共
重合させて得られる水酸基含有含フッ素重合体は公知で
あり、溶剤可溶性で常温硬化可能な塗料用成分として用
いられ、耐候性、耐薬品性、光沢等に優れた塗膜が得ら
れかつ基材との密着性にも優れた塗膜が得られることが
知られている(特開昭57−34107号公報、 特開昭
59−189108号公報、 特開昭60−67518号
公報等参照)。この水酸基含有含フッ素重合体は塗料用
成分として上記のようなきわめて優れた物性を有してい
るが、その応用範囲を拡大しようとする場合、応用範囲
によっては次のような難点も有している。
【0003】水酸基含有含フッ素重合体の架橋にはイソ
シアネート系あるいはメラミン系の硬化剤を使用するた
め、塗膜を硬化するためには常温で数日、80℃程度の
加熱によっても数分の時間を必要とする。したがって、
たとえば耐熱性の低いプラスチック基材の塗装には硬化
速度が遅すぎる場合が少なくない。比較的低い温度下で
早く硬化する塗料として紫外線や電子線などのエネルギ
ー線で硬化することのできる塗料が知られている。しか
し、このエネルギー線硬化型の塗料とするためには比較
的活性の高い付加重合性の不飽和基を必要とする。この
不飽和基としては特にアクリル酸やメタクリル酸の残基
を有することが好ましい。
【0004】一方、水酸基含有含フッ素重合体を含む塗
料に顔料を分散させる場合、分散に長時間を要したり、
調色性に難点があった。このため、この塗料にさらに顔
料分散剤や構造粘性付与剤などを添加しこれらの難点を
改良する方法が検討されているが、これら添加剤は水酸
基含有含フッ素重合体の本来の高い耐候性等の特徴を低
下させる原因となりやすいものであった。この顔料分散
性を改良するために、水酸基含有含フッ素重合体に不飽
和カルボン酸を反応させて不飽和基を導入し、次いでア
クリレートやメタクリレートをそれにグラフト重合して
顔料分散性の良いグラフト重合体を得る方法が知られて
いる(特公昭59−46964号公報参照)。
【0005】この方法は顔料分散性の改良に有効である
が、そのグラフト重合体の製造にはいまだ改善の必要性
があると考えられる。たとえば、その実施例に用いた不
飽和ジカルボン酸無水物の使用は、生成する不飽和基含
有含フッ素重合体に遊離のカルボン酸基を多量に残し、
これが塗料用の樹脂としての使用に不都合をもたらすこ
とがある。一方、不飽和カルボン酸の使用は水酸基に対
する反応性が充分ではなく、クロライドなどの反応性誘
導体の使用が必要となり、経済性が低下するとともに副
生する酸成分の処理に困難を伴なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
含フッ素グラフト重合体の欠点を解消した新規な含フッ
素グラフト重合体の製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、水酸
基含有含フッ素重合体に1個のイソシアネート基と少な
くとも1個の付加重合性不飽和基とを有するイソシアネ
ート基含有不飽和化合物をイソシアネート基の数/水酸
基の数の比が0.01〜1の割合で反応させ得られる不飽和
基含有含フッ素重合体に、この不飽和基と共重合しうる
付加重合性不飽和基を有するモノマーをグラフトするこ
とを特徴とする含フッ素グラフト重合体の製造方法であ
る。
【0008】本発明において、イソシアネート基含有不
飽和化合物としては、付加重合性不飽和基としてアクリ
ル酸あるいはメタクリル酸の残基を有する化合物が好ま
しい。これらの残基は他の不飽和基(たとえばイソプロ
ペニル基)に比較してグラフト重合しやすくかつ後述紫
外線等により容易に重合し、塗料の硬化が早くかつ比較
的低温で硬化させやすい。勿論、イソシアネート基含有
不飽和化合物はこれに限られるものではなく、たとえば
イソプロペニルジメチルベンジルイソシアネートなども
使用しうる。
【0009】アクリル酸あるいはメタクリル酸(以下両
者を示す用語として「(メタ)アクリル酸」を使用す
る、「(メタ)アクリレート」等の用語も同様)の残基
を有するイソシアネート基含有不飽和化合物としては、
たとえばイソシアネートアルキル基を有する(メタ)ア
クリレートやヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
などの水酸基含有(メタ)アクリレートとポリイソシア
ネート化合物との部分反応物などがある。耐候性等の面
でフッ素含有量が多い方が好ましいので比較的低分子量
の化合物の使用が好ましく、したがってより好ましくは
イソシアネートアルキル基を有する(メタ)アクリレー
トが採用される。
【0010】イソシアネートアルキル基を有する(メ
タ)アクリレートとしては炭素数2〜8(イソシアネー
ト基の炭素原子を除く)の直鎖状、分岐状、あるいは環
状のイソシアネートアルキル基を有する(メタ)アクリ
レートが好ましい。イソシアネート基はこの基の末端に
存在することが好ましい。すなわち、イソシアネートア
ルキル基はω−イソシアネートアルキル基である。イソ
シアネート基の炭素原子を除いてイソシアネートアルキ
ル基の炭素数は特に2〜4であることが好ましい。具体
的なイソシアネートアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、たとえば2−イソシアネートエチルメタクリレー
ト、2−イソシアネートエチルアクリレート、4−イソ
シアネートブチルメタクリレート、4−イソシアネート
ブチルアクリレートなどがある。
【0011】イソシアネート基含有アクリルウレタンと
しては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、多
価アルコールと(メタ)アクリル酸の部分エステル(1
個の水酸基を有するエステル)、その他の水酸基含有
(メタ)アクリレートと、ポリイソシアネート化合物あ
るいはイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとの
反応物であってかつ1個のイソシアネート基を有する化
合物がある。
【0012】たとえば、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート1モルとジイソシアネート化合物1モルとの
反応生成物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
2モルとトリイソシアネート化合物1モルとの反応生成
物、トリオールのジ(メタ)アクリレート1モルとジイ
ソシアネート化合物1モルとの反応生成物、ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート1モルとジオールとジイ
ソシアネート化合物を反応させて得られるイソシアネー
ト基末端プレポリマー1モルとの反応生成物、などがあ
る。
【0013】好ましいイソシアネート基含有アクリルウ
レタンはヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートある
いは1個の水酸基を有する多価アルコールと(メタ)ア
クリル酸の部分エステルとポリイソシアネート化合物と
の反応生成物であって1個のイソシアネート基を有する
化合物である。
【0014】上記ポリイソシアネート化合物としては黄
変性ポリイソシアネートやその変性物であってもよい
が、耐候性の面から特に無黄変性ポリイソシアネートや
その変性物が好ましい。無黄変性ポリイソシアネートと
しては脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシア
ネートあるいはイソシアネート基が芳香核に直接結合し
ていない芳香族ポリイソシアネートなどがある。変性物
としては、たとえば、プレポリマー型変性物(たとえば
トリメチロールプロパン変性物)、三量化物(別名イソ
シアヌレート化物)、カルボジイミド変性物、ウレア変
性物、二量化物などがある。
【0015】無黄変性ポリイソシアネートとしては、た
とえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(シ
クロヘキシルイソシアネート)、キシリレンジイソシア
ネートなどがある。
【0016】上記多価アルコールとしては、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトールなどがある。特に炭素数8以下の多価アルコ
ールが好ましい。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリ
レートなどがある。
【0017】水酸基含有含フッ素重合体としては、ポリ
フルオロオレフィンと水酸基含有ビニルエーテルを必須
とするモノマーと、好ましくはさらに水酸基を含有しな
いビニルエーテルを使用し、これら2〜3種のモノマー
を主成分とし共重合して得られる重合体が用いられる。
これら2〜3種のモノマーはそれぞれ2以上のモノマー
からなっていてもよい。
【0018】ポリフルオロオレフィンとしては、テトラ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ
化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンなど炭素数2
〜3のポリフルオロオレフィンが適当であり、特にテト
ラフルオロエチレンとクロロトリフルオロエチレンが好
ましい。
【0019】水酸基含有ビニルエーテルとしては、ヒド
ロキシアルキルビニルエーテルが適当であり、特に炭素
数3〜8のヒドロキシアルキル基を有するビニルエーテ
ルが好ましい。具体的には、ヒドロキシプロピルビニル
エーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキ
シイソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシ−2−メチ
ルブチルビニルエーテルなどがある。特に好ましい水酸
基含有ビニルエーテルは4−ヒドロキシブチルビニルエ
ーテルである。
【0020】水酸基含有含フッ素重合体は上記ポリフル
オロオレフィンと水酸基含有ビニルエーテルの2種のモ
ノマーから得ることができるが、好ましくはさらに他の
共重合性モノマーと共重合させる。この共重合性モノマ
ーとしては特に水酸基を有しないビニルエーテルが好ま
しいが、これに限られるものでない。水酸基を有しない
ビニルエーテルはまたフッ素原子を有するビニルエーテ
ルであってもよい。
【0021】これらビニルエーテルとしては、直鎖状、
分岐状、あるいは環状のフッ素原子を有していてもよい
アルキル基を有するビニルエーテル、たとえばアルキル
ビニルエーテル、シクロアルキルビニルエーテル、ポリ
(あるいはモノ)フルオロアルキルビニルエーテルなど
がある。好ましい化合物は炭素数1〜10、特に2〜6
の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を有するビニルエ
ーテル、炭素数6〜10の側鎖を有していてもよいシク
ロアルキルビニルエーテル、2以上のフッ素原子を有す
る炭素数3〜6のポリフルオロアルキルビニルエーテル
である。
【0022】具体的には、たとえばエチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテ
ル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルビニルエ
ーテルなどがある。また、これらビニルエーテルととも
に、あるいはそれに代えてジビニルエーテルなどの多官
能ビニルエーテルを用いることができる。特に好ましい
水酸基を有しないビニルエーテルは、エチルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエ
ーテルである。
【0023】なお、これら水酸基を有しないビニルエー
テルに代えて、あるいはそれらとともに、ビニルエーテ
ル以外の共重合性モノマーを使用することもできる。た
とえば、アルキルメタクリレート、アルキルアクリレー
ト、オレフィン、その他の共重合性モノマーを使用でき
る。しかし、ビニルエーテル以外の共重合性モノマーの
使用は水酸基含有含フッ素共重合体の溶解性などの性質
等を低下させることが多く、したがって使用するとして
も少量(たとえば全モノマーの5モル%以下)であるこ
とが好ましく、通常は実質的に使用されない。
【0024】ポリフルオロオレフィン/水酸基含有ビニ
ルエーテル/共重合性モノマーの共重合比はモル%で表
わして30〜70/1〜45/0〜69であることが好
ましい。特に、40〜60/3〜40/5〜57が好ま
しく、その内でも40〜60/5〜30/10〜55で
あることが最も好ましい。重合方法などは前記公報記載
の方法で行なわれることが好ましい。得られる水酸基含
有含フッ素重合体は通常溶剤可溶性である。この重合体
のテトラヒドロフラン中30℃で測定される固有粘度は
約0.05〜2.0dl/gの範囲にあるものが好まし
い。
【0025】前記イソシアネート基含有不飽和化合物と
上記水酸基含有含フッ素重合体の反応割合はイソシアネ
ート基の数/水酸基の数の比で表わして0.01〜1.
0の割合であることが必要である。イソシアネート基の
数がこの割合よりも少ない場合、不飽和基数が不充分な
不飽和基含有含フッ素重合体が得られず所期の目的を達
することが困難となり、逆にこの割合より多い場合未反
応のイソシアネート基含有不飽和化合物が残りその量が
多くなると塗膜の物性低下などの不都合をきたすおそれ
が生じる。より好ましい上記割合は用途によって異な
り、エネルギー線硬化型塗料用などには上記割合は約
0.1〜1.0、特に0.3〜1.0が好ましい。ま
た、後述グラフト重合を行なう場合には上記割合は0.
01〜0.9、特に0.1〜0.6であることが好まし
い。
【0026】水酸基含有含フッ素重合体にイソシアネー
ト基含有不飽和化合物を反応させる方法は特に限定され
るものではない。しかし通常は水酸基含有含フッ素重合
体を溶媒に溶解し、それにイソシアネート基含有不飽和
化合物を加え、撹拌下50〜70℃で3〜5時間反応さ
せることによって行なわれる。場合によってはイソシア
ネート基含有不飽和化合物を徐々に加えて反応させるこ
ともできる。また、後述イソシアネート基と水酸基の反
応を促進するウレタン化触媒を共存させることもでき、
この触媒としては特に有機錫化合物が好ましい。
【0027】本発明の方法はイソシアネート基の水酸基
に対する活性が高いため、不飽和基の導入をきわめて容
易に行ないうるという特徴を有する。しかも(メタ)ア
クリル酸残基を導入しやすいため、(メタ)アクリル酸
残基の特徴とされるエネルギー線で容易に重合する性質
や他のモノマーとの高い共重合性を発揮させることが可
能となる。
【0028】本発明により得られる不飽和基含有含フッ
素重合体は塗料の塗膜形成成分としてそのまま使用する
ことができる。この場合、エネルギー線硬化型の塗料と
することは勿論、熱硬化型の塗料とすることもできる。
また、この不飽和基含有含フッ素重合体はこれに共重合
しうるモノマーをブロック共重合させてブロック共重合
体とすることができる。
【0029】この含フッ素ブロック共重合体は前記公報
記載の発明と同様に塗料の塗膜形成成分として使用し、
顔料分散性に優れた塗料を得ることができまた、チキソ
トロピー性を付与して比較的厚い塗膜の形成が可能とな
る。
【0030】前記不飽和基含有含フッ素重合体にこの不
飽和基と共重合しうる付加重合性不飽和基を有するモノ
マーをグラフトして得られるグラフト重合体を用いて顔
料分散性の良好な塗料組成物や比較的厚い塗膜を形成し
うる塗料用組成物を得ることができる。
【0031】共重合させるモノマーとしては(メタ)ア
クリレートやアクリロニトリルなどのアクリル系モノマ
ー、スチレンやα−メチルスチレンなどのスチレン系モ
ノマー、および酢酸ビニル、不飽和ポリカルボン酸エス
テル、その他のモノマーを使用しうる。しかし、フッ素
樹脂系の塗料としての特徴を出すためには共重合させる
モノマーの種類により耐候性等が低下することは好まし
くない。この意味でモノマーとしてはアクリル系のモノ
マーあるいはそれと他の比較的耐候性のある重合体を形
成するモノマーとの組み合せが好ましい。
【0032】特に(メタ)アクリレートの使用が好まし
く、また2種以上の(メタ)アクリレートを組み合せる
こともできる。(メタ)アクリレートとしては前記のア
ルキル(メタ)アクリレートの他のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートなどの水酸基、アミノ基、エポキ
シ基などの官能基を持つアルキル基を有する(メタ)ア
クリレートを用いることができる。
【0033】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
の使用は不飽和基の導入で消費された水酸基の数を増加
させ、重合体の硬化剤に対する反応基数を増加させるこ
とができる。したがって、たとえ不飽和基含有含フッ素
重合体が水酸基を有しないものであっても、硬化剤で硬
化可能な含フッ素重合体を得ることができる。特に好ま
しいモノマーは、炭素数8以下のアルキル(メタ)アク
リレートの1種以上よりなるか、それとヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートとも組み合せからなる。
【0034】上記モノマーの共重合量は特に限定される
ものではない。しかし、共重合量が多くなる程生成する
重合体のフッ素含有量が低下し、このことはフッ素樹脂
系塗料の特徴が低下する原因となる。したがって、モノ
マーの共重合量は不飽和基含有重合体に対して重量比で
20倍以下、特に10倍以下が好ましい。一方、顔料分
散性等の効果が発揮されるためには、その下限は不飽和
基含有含フッ素重合体に対して5重量%、特に50重量
%が好ましい。
【0035】モノマーをグラフト重合させる方法は特に
限定されるものではないが、不飽和基含有含フッ素重合
体の溶液にモノマーを一度にあるいは徐々に加え、重合
開始剤や連鎖移動剤の存在下に撹拌しつつ80〜100
℃で重合を行なうことが好ましい。重合開始剤としては
アゾ化合物や過酸化物などが適当であり、連鎖移動剤と
してはチオールが使用可能である。
【0036】得られた含フッ素グラフト重合体は水酸基
含有含フッ素重合体と同様に塗料用の塗膜形成成分に用
いられる。たとえば、前記の塗料用組成物と同様に、溶
剤に溶解し、前記イソシアネート系やメラミン系の硬化
剤を配合して硬化させることができる。塗料組成物には
硬化剤の他ウレタン触媒などの触媒や顔料、その他の前
記添加剤を配合することができる。この塗料用組成物は
顔料を配合した場合顔料の分散性が良く、調色性に優れ
る。また、重合体の溶液の粘土を比較的高くすることが
でき、チキソトロピー性を発揮させることもできる。し
たがって、比較的厚い塗膜を形成することが可能となる
他、波板などの凹凸を有する基材に比較的均一な厚さの
塗膜を形成することも可能である。
【0037】本発明により得られる含フッ素ブロック重
合体を含む塗料用組成物は、表面硬度、光沢に優れると
ともに可撓性を有し、耐溶剤性、耐汚染性に優れ、かつ
耐候性に優れた塗膜を温和な条件下に与えることができ
るものであり、カラー鋼板、カラーアルミ板、アルミサ
ッシ等を対象とする焼付塗料としてばかりでなく、現場
施工可能な常乾型塗料としても有用であり、基材の材質
も金属に限らず、ガラス、セメント、コンクリート、等
の無機材料、FRP、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ナイロン、アクリル、
ポリエステル、エチレン−ポリビニルアルコール共重合
体、塩ビ、塩化ビニリデン等のプラスチック、木材等の
有機材料の塗装にもきわめて有用である。これらは、ま
たアルミプール、外装用色ガラス、セメント瓦等の特定
の用途においても有用である。
【0038】以下本発明を含フッ素ブロック重合体の合
成例およびそれを塗料用組成物に適用した応用例で具体
的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
【0039】
【実施例】
合成例−1[水酸基含有含フッ素重合体の合成] 前記特開昭57−34107号公報記載の方法に従い、
表1記載のモノマー組成よりキシレンに溶解した(濃度
60%)重合体A−1〜とA−3を製造した。重合体の
水酸基価(OHV)、 数平均分子量(Mn )、テトラヒ
ドロフラン中30℃で測定された固有粘度を表1に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】合成例−2[不飽和基含有含フッ素重合体
の合成] 上記重合体A−1〜A−3の溶液にそれぞれ2−イソシ
アネートエチルメタクリレート(以下IEMという)を
加え、60〜70℃で1〜3時間反応させた。赤外吸収
スペクトルで反応を追求し、イソシアネート基の吸収ピ
ークの消失により反応終了を確認した。IEMの使用量
を変えて表2記載の不飽和基含有含フッ素重合体B−1
〜B−3を合成した。用いた上記水酸基含有含フッ素重
合体の種類とイソシアネート基の数/水酸基の数(NC
O/OH)で表わしたIEMの使用量を表2に示す。一
方、比較のため、IEMの使用量(NCO/OH)が
0.001のものと、2.0のもの(未反応のIEMを
含むもの)を製造した。この2つをC−1、C−2と称
し、同様に表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】実施例1[含フッ素グラフト重合体の製
造] 合成例−2で合成した不飽和基含有含フッ素重合体を用
いて、これにアルキルメタクリレートをグラフト重合さ
せた。すなわち、合成例−2で得られた不飽和基含有含
フッ素重合体溶液にアルキルメタクリレートと2重量部
のウンデカンチオールおよび2重量部のアゾビスイソブ
チロニトリルを加え、80〜100℃の反応温度下で3
〜6時間撹拌した後、重合体を沈積した。不飽和基含有
含フッ素重合体の種類と使用量、アルキルメタクリレー
トの種類と使用量、および回収した重合体の重量より算
出したグラフト化率および重合体の固有粘度(テトラヒ
ドロフラン中30℃)を表3に示す。なお、グラフト重
合体の名称を表3の通りG−1〜G−6で示す。
【0044】
【表3】
【0045】また、得られたグラフト重合体を用いて下
記の方法により顔料分散性の評価を行なった。
【0046】応用例−1[色分れ試験] グラフト重合体(G−1〜G−4)100重量部に対し
て、キシレン110部、メチルイソブチルケトン110
部、カーボンブラック40部、チタンホワイト40部を
加え、充分に混合した後に、垂直に立てたアルミニウム
板(三菱アルミニウム社製5052−H34)のクロメ
ート処理した面にスプレー塗装し、色分れの有無を目視
により観察した。また比較としてグラフト化されていな
い含フッ素重合体(旭硝子社製商品名「ルミフロンLF
#200」)についても同様に塗料化して評価を行なっ
た。
【0047】応用例−2[沈降安定性試験] さらに、グラフト重合体(G−1〜G−4)100重量
部に対して、キシレン40部、メチルイソブチルケトン
40部、フタロシアニンブルー80部を加え、充分に混
合した組成物を試験管中に入れ、常温で2ケ月間放置し
て顔料の沈降の有無を観察した。また、比較例としてグ
ラフト化されていない含フッ素重合体(旭硝子社製商品
名「ルミフロンLF#200」)についても同様に塗料
化して評価を行なった。顔料分散性の評価結果を表4に
示す。
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】本発明は、水酸基含有含フッ素重合体に
活性の高い付加重合性の不飽和基を容易に導入すること
ができ、得られる不飽和基含有含フッ素重合体に(メ
タ)アクリレートなどのモノマーをグラフト重合して新
たな含フッ素グラフト重合体とすることができる。この
含フッ素グラフト重合体を塗膜形成成分として用いるこ
とによって顔料分散性等に優れ、比較的厚い塗膜を形成
し得る塗料組成物を得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基含有含フッ素重合体に1個のイソシ
    アネート基と少なくとも1個の付加重合性不飽和基とを
    有するイソシアネート基含有不飽和化合物をイソシアネ
    ート基の数/水酸基の数の比が0.01〜1の割合で反
    応させて得られる不飽和基含有含フッ素重合体に、この
    不飽和基と共重合しうる付加重合性不飽和基を有するモ
    ノマーをグラフトすることを特徴とする含フッ素グラフ
    ト重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】イソシアネート基含有不飽和化合物がイソ
    シアネートアルキル基を有するメタクリレートあるいは
    アクリレートであることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】水酸基含有含フッ素重合体がポリフルオロ
    オレフィン(a)、 水酸基含有ビニルエーテル(b)、
    および水酸基を有しないビニルエーテル(c)を(a)
    〜(c)の総計に対し(a)を40〜60モル%、
    (b)を3〜40モル%、および(c)を5〜57モル
    %の割合で共重合して得られ、テトラヒドロフラン中3
    0℃で測定される固有粘度が0.05〜2.0dl/g
    である水酸基含有含フッ素重合体であることを特徴とす
    る請求項1の方法。
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