JPH0619966A - 言語翻訳装置における翻訳文生成方式及び表示・編集方式 - Google Patents

言語翻訳装置における翻訳文生成方式及び表示・編集方式

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JPH0619966A
JPH0619966A JP3313832A JP31383291A JPH0619966A JP H0619966 A JPH0619966 A JP H0619966A JP 3313832 A JP3313832 A JP 3313832A JP 31383291 A JP31383291 A JP 31383291A JP H0619966 A JPH0619966 A JP H0619966A
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Masayuki Kameda
雅之 亀田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 読み手の解釈の幅を広げ、読み手による文脈
や言語外知識の援用による適切な解釈に至る可能性を高
める。 【構成】 第1言語の文を解析し、該第1言語の文に対
応する第2言語の翻訳文を生成する。第1言語の単語あ
るいは句に対応する第2言語の単語あるいは句の候補が
複数ある場合に、翻訳文中の対応する位置に候補の全て
あるいは一部を並べて生成する。また、第一言語の単語
あるいは句に対応する第2言語の単語あるいは駆の候補
の形態素の生成のための情報が曖昧である場合に、翻訳
文中の対応する位置に曖昧さから生じる形態素候補の全
てあるいは一部を並べて生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、言語翻訳装置における翻訳文生
成方式及び表示・編集方式に関する。例えば、日英機械
翻訳システムなどの自然言語間の翻訳装置、言語翻訳装
置における翻訳文の表示・編集部分あるいは言語翻訳装
置とは独立した翻訳文の表示・編集装置に適用されるも
のである。
【0002】
【従来技術】機械翻訳システムは、通常、第1言語の文
を解析し、文の解析構造を得て、その後に第2言語への
構造変換過程を経て得られた構造から第2言語の文を生
成する。たとえば、日英翻訳で「彼がりんごをもらっ
た。」という文では、図1のような翻訳辞書にある「も
らう」の格フレームや対訳情報等を利用して、 [(<述部>:[(もらう),(+た)]),(<が>:[(彼)]),(<を>:
[(りんご)]) のような日本語構造を得た後、たとえば、次のような英
語構造に変換する。 [(<PRED>:[(take,receive),(+past,+present.perfect,+
past.perfect)]),(<SUBJ>:[(he)],(<OBJ>:[(apple),(+i
ndef,+def,+undef),(+sg,+pl)])]
【0003】ここでは次に示す〜のような情報が展
開されている。 「もらう」の訳語としての ‘take’,‘receive’ ‘take’,‘receive’の時制情報としての ‘+past’(過去時制),‘+present.perfect’(現在完了
時制), ‘+past.perfect’(過去完了時制) ‘apple’の限定情報としての ‘+indef’(不定),‘+def’(定),‘+undef’(未定) ‘apple’の単数/複数情報としての ‘+sg’(単数),‘+pl’(複数)
【0004】は、いわゆる多訳語であり、から
は、第1言語の日本語に明確に示されていないが、第2
言語の文では必要な情報である。たとえば、「もらっ
た」という日本語表現だけでは、英語表現上の過去時
制、現在時制、過去完了時制を特定できないし、「りん
ご」という表現には、英語表現上必要な定/不定や単数
/複数の情報が欠けている。ここで、第2言語の文を生
成するために、上記の曖昧な部分を何らかの手段により
解決し、たとえば、 [(<PRED>:[(take),(+past)]),(<SUBJ>:[(he)]),(<OBJ>:
[(apple),(+indef),(+sg)])] といった構造にした上で、これを基に英語文“He took
an apple.”を生成するという過程がとられる(なお、こ
こでは、いったん曖昧さの情報を含んだ構造にしてか
ら、その曖昧さを落とす過程を示したが、日本語の構造
から直接曖昧さを落としながら、上の構造に変換する場
合もある)。
【0005】しかし、上記の曖昧さは、上記に示したよ
うに情報が欠落したことに起因するもので、第2言語の
単語のニュアンス、また第1言語での文脈とか言語外知
識を考慮してようやく判断がつく種類のものである。こ
れらの課題を扱うことが技術的に難しい現状において
は、妥当な絞り込みは難しいと言える。すなわち、上記
の例においては、“He took an apple.”の他に、 ・He took apples. ・He took the apple. ・He has taken an apple. ・He had taken the apples. ・… ・He received an apple. ・… 等のさまざまな可能性を内在しているにも関わらず、た
だ一つの文“He took anapple.”だけを提示している。
このため、読み手は、これらの可能性をもつことを知る
ことができず、読み手の判断材料を落してしまうことに
なる。
【0006】こうした問題に対して、簡単には、上記の
ように可能な文を別解等[例えば;「次候補呼び出し機
能」など)]として、提示することも考えられるが、容
易にわかるように組合せが多くなり、煩雑となってしま
う。
【0007】
【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされた
もので、第2言語の翻訳文の生成において、訳語や訳語
の形態素生成のための付加情報の候補選択が困難な場合
に、充分な根拠がないにも関わらず、これらの候補を一
つに絞り込んで翻訳文を生成したために、読み手が第1
言語の文の唯一の翻訳文であるという印象を与えてしま
う。すなわち、他にも可能性があるという判断材料を落
としてしまうことになるが、こういった問題を解決ある
いは軽減する疑似的な翻訳文を生成する方式を提供する
こと、また、疑似的な翻訳文を、より簡潔に表示する方
式を提供すること、さらに、疑似的な翻訳文を利用し
て、読み手(利用者)の解釈を加えた翻訳文を容易に生
成できるようにすること、言語翻訳装置における翻訳文
の結果出力を曖昧さを解消しないまま保存することによ
り、言語翻訳処理とは独立して扱うことができるように
すること、曖昧さを解消しないまま保存された翻訳文
を、言語翻訳装置とは独立して、効果的に表示・編集す
ること、言語翻訳装置において、曖昧さを解消しないま
ま保存された翻訳文を、言語翻訳処理とは独立して、効
果的に表示・編集するようにした言語翻訳装置における
翻訳生成方式及び表示・編集方式を提供することを目的
としてなされたものである。
【0008】
【構成】本発明は、上記目的を達成するために、上記目
的を達成するために、(1)第1言語を解析し、該第1
言語の文に対応する第2言語の翻訳文を生成する言語翻
訳装置における第2言語の翻訳文生成方式において、前
記第1言語の単語あるいは句に対応する第2言語の単語
あるいは句の候補が複数ある場合に、翻訳文中の対応す
る位置に前記候補の全てあるいは一部を並べて生成する
こと、或いは、(2)第1言語を解析し、該第1言語の
文に対応する第2言語の翻訳文を生成する言語翻訳装置
における第2言語の翻訳文生成方式において、前記第1
言語の単語あるいは句に対応する第2言語の単語あるい
は句の候補の形態素の生成のための情報が曖昧である場
合に、翻訳文中の対応する位置に曖昧さから生じる形態
素候補の全てあるいは一部を並べて生成すること、更に
は、(3)前記(1)又は(2)において、候補の一部
に共通部分があればそれをくくりだして表示し、空の架
空の候補によりくくりだせる場合は、省略可能の表示を
して他の候補を並べること、更には、(4)前記(3)
において、不規則な活用をする単語の複数の活用の候補
を仮想の規則活用をする表示に代えた上で、共通部分を
くくりだして表示すること、或いは、(5)第1言語を
解析し、該第1言語の文に対応する第2言語の翻訳文を
生成する言語翻訳装置における第2言語の翻訳文生成方
式において、前記第1言語の単語あるいは句に対応する
第2言語の単語あるいは句の候補が複数ある場合に、翻
訳文中の対応する位置に前記候補の全てあるいは一部を
並べて生成し、前記第1言語の単語あるいは句に対応す
る第2言語の単語あるいは句の候補の形態素の生成のた
めの情報が曖昧である場合に、翻訳文中の対応する位置
に曖昧さから生じる形態素候補の全てあるいは一部を並
べて生成し、前記候補の一部に共通部分があればそれを
くくりだして表示し、空の架空の候補によりくくりだせ
る場合は、省略可能の表示をして他の候補を並べ、不規
則な活用をする単語の複数の活用の候補を仮想の規則活
用をする表示に代えた上で、共通部分をくくりだして表
示すること、更には、(6)前記(1),(2),
(3),(4),(5)において、いずれかに記載の翻訳
文生成方式によって生成された翻訳文に対して、表示さ
れた候補の部分が指示されたことを検出する検出手段を
有し、指示された候補の部分に応じた単語あるいは句ま
たは形態素に置き換えること、或いは、(7)第1言語
の文を解析し、該第1言語の文に対応する第2言語の翻
訳文を生成する際に、前記第1言語の単語あるいは句に
対応する第2言語の単語あるいは句の候補が複数ある場
合に、翻訳文中に対応する位置に前記候補の全てあるい
は一部を並べて生成し、前記第1言語の単語あるいは句
に対応する第2言語の単語あるいは句の候補の形態素の
生成のための情報が曖昧である場合に、翻訳文中に対応
する位置に曖昧さから生じる形態素候補の全てあるいは
一部を並べて生成し、前記候補の一部に共通部分があれ
ばそれをくくり出して表示し、空の架空の候補によりく
くり出せる場合は、省略可能の表示をして他の候補を並
べ、不規則な活用をする単語の複数の活用の候補を仮想
の規則活用をする表示に代えた上で、共通部分をくくり
出して表示する言語翻訳装置において、前記言語翻訳装
置により生成された翻訳文を、文中に単語あるいは句の
複数の候補をもったまま記憶装置に格納すること、更に
は、(8)前記(7)において、表示された文の中の候
補部分を指定することにより、同候補を確定し、文中の
対応する候補の並びを同候補に置き換えること、更に
は、(9)前記(8)において、文の中に、複数の候補
がある場合に、各候補の組合せによる可能な候補文の一
つあるいは全てを表示し、前記表示された一つの候補文
を指定することにより、さらに他の可能な候補文を表示
し直し、前記表示された全候補文中の一つを指定するこ
とにより、同候補文を原文に置き換えること、更には、
(10)前記(9)において、可能な候補文が一つ表示
されている場合に、前記文中の指定された部分に他の候
補があれば、同候補以外の候補を選択して、文中の対応
する部分に表示し、前記文中の指定された部分に他の候
補があれば、同候補を確定し、文中の対応する候補の並
びを同候補に置き換えることを特徴としたものである。
以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
【0009】以下、本発明の構成・動作を説明するが、
前述した第1言語の解析、第1言語の文の解析構造から
第2言語への構造変換、第2言語の解析構造からの翻訳
文の生成の各過程は従来技術で可能な範囲であり、それ
を前提として以下に説明を行う。 (1)請求項1に記載された発明について説明する。請
求項1では、訳語の候補が複数ある場合(いわゆる多訳
語)を対象にしている。前記日本語文「彼がりんごをも
らった。」について、前記に示したような「もらう」
の訳語の曖昧さとして‘take’と‘receive’が残る次
のような英語構造を考える。なお、ここでは、形態素生
成のための付加情報の曖昧さを扱う請求項2と区別して
説明するために、前記〜の曖昧さは、解決されてい
るものとして扱う。 [(<PRED>:[(take,receive),(+past)]) (<SUBJ>:[(he)],(<OBJ>:[(apple),(+indef),(+sg)])]
【0010】本発明では、この構造から、たとえば、次
のような(疑似的な)翻訳文を生成する。 He [took|received] an apple. この翻訳文を生成するのは、生成過程における個々の単
語の形態素生成のための処理で、訳語の候補が1つであ
れば、その訳語を形態素生成のための付加情報をもとに
形態素生成する部分における処理に、候補が複数の場合
を加え、各候補ごとに形態素生成し、それを上記のよう
に並べることで実現できる。上記例では、‘<PRED>’の
‘take’,‘receive’の各々の訳語に応じて、付加情報
‘+past’(過去時制)によって得た‘took’と‘recei
ved’を並べている。なお、ここでは、‘[ ]’内に、
‘|’を区切り記号として並べているが、この表示方法
に限るものではない。
【0011】(2)請求項2に記載された発明について
説明する。請求項2では、訳語の形態素生成のための付
加情報の候補が複数ある場合を対象にしている。前記日
本語文「彼がりんごをもらった。」について、前記〜
に示したような形態素生成のための付加情報の曖昧さ
が残る次のような英語構造を考える。なお、ここでは、
訳語の曖昧さを扱う請求項1と区別して説明するため
に、前記の曖昧さは、解決されているものとして扱
う。 [(<PRED>:[(take),(+past,+present.perfect,+past.per
fect)]),(<SUBJ>:[(he)],(<OBJ>:[(apple),(+indef,+de
f,+undef),(+sg,+pl)])]
【0012】本発明では、この構造から、たとえば、次
のような(疑似的な)翻訳文を生成する。 He [took|has taken|had taken][an|the][apple|apple
s]. この翻訳文を生成するのは、生成過程における個々の単
語の形態素生成のための処理で、形態素生成のための付
加情報の候補がなければ、その訳語をそのままとし、候
補が1つ以下であれば、その訳語をその形態素生成のた
めの付加情報をもとに形態素生成する部分における処理
を、付加情報の候補が複数の場合を加え、各候補ごとに
形態素生成し、それを上記のように並べることで実現で
きる。
【0013】上記例では、‘<PRED>’の‘take’に対
し、‘+past’(過去時制),‘+present.perfect’
(現在完了時制)、‘+past.perfect’の時制情報によ
って得た‘took’,‘has taken’,‘had taken’を並
べ、‘<OBJ>'項の訳語‘apple'に対しては、‘+indef'
(定),‘+def'(不定),‘+undef'(未定)の限定情報によっ
て得た冠詞‘an',‘the',‘(なし)を'‘apple'の前の
冠詞の位置に並べ、また‘+sg'(単数),‘+pl’(複数)の
単数/複数情報によって得た‘apple’と‘apples’を
並べている。ただし、‘[an|the][apple|apples]’の部
分については、‘an'と‘apples’の組合せは、生じな
いが、ここでは、表示の簡単のために考慮していない。
ここでも、表示方法は、これに限るものでない。
【0014】(3)請求項3に記載された発明について
説明する。さらに、上記翻訳文に対応して、各並び内の
共通部分をくくり出し、また省略可能表示を導入するこ
とで、 He [took|[has|had] taken]{an|the} apple{s}. のようなより簡潔な表示とすることもできる。なお、こ
の表示方式では、‘{ }'で省略可能な部分を示す。この
表示方式に従えば、‘<PRED>’項の訳語が‘take’でな
く‘receive’、‘<OBJ>'項の訳語が‘apple'でなく‘d
atum'の場合は、 He {has|had} received {an|the} [datum|data]. となる。
【0015】(4)請求項4に記載された発明について
説明する。上記の例からもわかるように、‘take’等の
不規則動詞や‘datum'等の不規則名詞は、共通部分がく
くれないことから、簡潔な表現がしにくくなる。そこ
で、次のようなメタ表記を用いて簡潔な表現とすること
も考えられる。 [took|[has|had] taken]⇒{has|had} TAKEen [datum|data] ⇒DATUM{s}. ここで、‘TAKEen’は‘take’の過去形及び過去分詞形
を表現する記号、同様に‘DATUMs’は‘datum'の複数形
を表現する記号とする。すなわち、過去形及び過去分詞
形として大文字化した原形表記に‘en’付加したもの、
複数形として大文字化した単数表記に‘s’を付加した
ものを充てたものである(これは、英語での基則変化動
詞の過去形と過去分詞が同形で原則として原形+‘en’
であり、名詞の複数形は原則として単数形+‘s’であ
ることの類推(アナロジー)による)。
【0016】(5)請求項5に記載された発明について
説明する。請求項5では、請求項1〜4の複合した場合
を対象としている。前記日本語文「彼がりんごをもらっ
た。」について、前記の次のような英語構造を考える。
この構造では、訳語の曖昧さと訳語の形態素生成のため
の付加情報が混在している。 [(<PRED>:[(take,receive),(+past,+present.perfect,+
past.perfect)]),(<SUBJ>:[(he)],(<OBJ>:[(apple),(+i
ndef,+def,+undef),(+sg,+pl)])]
【0017】本発明では、この構造から、たとえば、次
のような(疑似的な)翻訳文を生成する。 He {has|had} [TAKEen|received] {an|the} apple{s}. この翻訳文を生成するのは、請求項1及び請求項2記載
の方法に基づき、訳語候補と形態素生成のための付加情
報の組合せによって得た形態素候補を並べ、不規則単語
については、必要に応じてメタ表記を利用しながら、共
通部分をくくり出す操作を行えばよい。たとえば、‘<P
RED>’項については、図2のような順序で‘{has|had}
[TAKEen|received]’を得る。
【0018】(6)請求項6に記載された発明について
説明する。本発明は、上記の(疑似的な)翻訳文に対
し、利用者が文脈あるいは言語外知識等に基づき、曖昧
さを解決できる場合に、翻訳文の対応部分を指示するこ
とで、その曖昧さを解消した翻訳文を生成する。たとえ
ば、 He {has|had} [TAKEen|received] {an|the} apple{s}. に対し、動詞は‘receive’が適切で、時制は現在完
了、‘apple'の定/不定は定で、数は単数であると判断
した場合は、上記翻訳文中で、 a.‘{has|had}’の‘has’部分 b.‘[TAKEen|received]’の‘received’部分 c.‘{an|the}’の‘the’部分 d.‘apple{s}’の‘apple’部分 を指示すれば、 He has received the apple. を生成する。曖昧さの全てではなく、一部について指定
した場合は、残る部分はそのままにしておけばよい。す
なわち、前記bとcだけを指定した場合は、次のように
なる。 He {has|had} received the apple{s}. なお、‘{has|had}’のような省略可能の並びでの省略
の選択は、‘{’あるいは‘}’部分を指定することとす
ればよい。部分の指定手段は、特に問わないが、たとえ
ば、マウスによる指示の位置情報と翻訳文の表示情報か
ら指定部分を特定する方法などが考えられる。
【0019】以上において、翻訳文の生成において生じ
る単語や句あるいは形態素の曖昧さを併せて生成する方
式を示した。これは、たとえば、日本語文「彼がりんご
をもらった。」に対する翻訳文として、 He {has/had} [TAKEed/received] {an/the} apple{s}. を生成する。本発明の翻訳文においては、{}及び[]内に
文中のその位置にくる単語や句あるいは形態素の候補群
を‘/'で区切って並べてある。ただし、{}は省略可能、
すなわち、候補のいずれも選択されなくてもよい。この
ように、曖昧さを含んだまま翻訳文を表示することで、
読み手に文脈中での解釈の可能性の幅を広げ、また、候
補の選択手段を提供することで、曖昧さを解消すること
もできる。以下、請求項7〜10に基づき翻訳表示・編
集方式について説明する。
【0020】(7)請求項7に記載された発明について
説明する。請求項7は、前述した請求項5の翻訳文生成
方式をもつ言語翻訳装置に、同装置により生成された文
中に候補並びのある翻訳文を記憶装置に格納することに
より実現できる。 (8)請求項8に記載された発明について説明する。前
述した請求項6と同様に実現できる。たとえば、下記の
翻訳文 He {has/had} [TAKEed/received] {an/the} apple{s}. の表示に対して、 a.{has/had} の‘has'部分 b.[TAKEed/received]の‘received'の部分 d.apple{s} の‘apple'部分 を指定すれば、 He has received {a/the} apple. を表示し、かつ元の文を選択された各候補を確定した前
記文に置き換える。 (9)請求項9に記載された発明について説明する。翻
訳文中の各候補の並びの可能な組合せを順次あるいは全
て表示し、また、指定に応じて文中で選択された候補に
確定する。たとえば、下記の翻訳文 He {has/had} [TAKEed/received] {an/the} apple{s}. に対して、全ての表示の場合は、次のように、可能な候
補の組合せを全て生成・表示する。
【0021】He has TAKEed an apple. *He has TAKEed an apples. He has TAKEed the apple. He has TAKEed the apples. He has TAKEed apple. He has TAKEed apples. He has received an apple. *He has received an apples. He has received the apple. He has received the apples. He has received apple. He has received apples. He had TAKEed an apple. *He had TAKEed an apples. : He had received apple. He had received apples. He TAKEed an apple. *He TAKEed an apples. : He received apple. He received apples.
【0022】(*の付いた文は、不当だが、簡単のため
検査を省きそのまま生成してある)順次の表示では、1
文候補を表示し、他文候補の指定ごとに、順次他の文候
補を表示すればよい。また、前記文の文候補一覧の一つ
あるいは、順次表示の文候補に対し、文確定の指定があ
れば、対応する文を元の候補並びを含む形式の文に置き
換えればよい。
【0023】(10)請求項10に記載された発明につ
いて説明する。表示されている文候補の部分に対する指
定に応じて、その部分の他の候補に表示し直す、あるい
は表示中の候補に確定する。たとえば、 He {has/had} [TAKEed/received] {an/the} apple{s}. に対して、次の文候補 He has TAKEed an apple. が表示されている場合、この文中の‘has'に対し、他候
補指定を行えば、 He had TAKEed an apple. と表示し直す。また、確定指定を行えば、‘{has/ha
d}’部分を‘has’に置換する。なお、請求項8〜10
の表示・編集方式を組みこんで、表示・編集装置を備え
た言語翻訳装置を実現することもできる。
【0024】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明による
と、以下のような効果がある。 (1)請求項1〜5に対する効果:自然言語の翻訳にお
いては、第2言語の翻訳文の生成のために、多訳語の解
消や第1言語で欠落している情報等を文脈な言語外知識
等を基に補い、曖昧さを解消することが必要であるが、
この処理のための技術が充分ないにもかかわらず、第2
言語の翻訳文の形式を整えるため、上記曖昧さの解消を
不完全に行って翻訳文を生成し、結果として読み手の解
釈の可能性を絞りすぎてしまうという問題があるが、本
発明によれば、訳語あるいはその形態素生成レベルの曖
昧さを簡潔に保持した(疑似的な)翻訳文を生成する。
すなわち、曖昧な部分は曖昧であることを示すことで、
読み手の解釈の幅を広げ、結果として、読み手による文
脈や言語外知識の援用による適切な解釈に至る可能性を
高めることができる。 本発明による翻訳文は、第2言語の正式な文として認め
られるものではないが、第2言語を読める者には充分理
解可能なもので、第1言語の文の内容を把握する目的で
あれば、特に問題ない。 (2)請求項3,4に対する効果:請求項1,2,5の
(疑似的な)翻訳文をより簡潔に、構造的に表現するこ
とで、読み手の解釈を一層助けることが期待できる。 (3)請求項6に対する効果:上記の疑似的な翻訳文を
読み手の解釈で曖昧さを限定できた場合に、翻訳文上に
その曖昧さの限定の指定を行うことで、容易に本来の第
2言語の形式に沿った翻訳文を得ることができる。 (4)請求項7に対する効果:言語翻訳装置における翻
訳文の結果出力を曖昧さを解消しないまま保存し、言語
翻訳処理とは独立して扱うことができるようになる。 (5)請求項8〜10に対する効果:曖昧さを解消しな
いまま保存された翻訳文を、言語翻訳装置とは独立し
て、効果的に表示・編集する方式を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による言語翻訳装置における翻訳文生
成方式の一実施例を説明するために用いられる翻訳辞書
情報の例を示す図である。
【図2】 本発明による言語翻訳装置における翻訳文生
成方式の候補の並べ方の簡潔化の過程を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1言語を解析し、該第1言語の文に対
    応する第2言語の翻訳文を生成する言語翻訳装置におけ
    る第2言語の翻訳文生成方式において、前記第1言語の
    単語あるいは句に対応する第2言語の単語あるいは句の
    候補が複数ある場合に、翻訳文中の対応する位置に前記
    候補の全てあるいは一部を並べて生成することを特徴と
    する言語翻訳装置における翻訳文生成方式。
  2. 【請求項2】 第1言語を解析し、該第1言語の文に対
    応する第2言語の翻訳文を生成する言語翻訳装置におけ
    る第2言語の翻訳文生成方式において、前記第1言語の
    単語あるいは句に対応する第2言語の単語あるいは句の
    候補の形態素の生成のための情報が曖昧である場合に、
    翻訳文中の対応する位置に曖昧さから生じる形態素候補
    の全てあるいは一部を並べて生成することを特徴とする
    言語翻訳装置における翻訳文生成方式。
  3. 【請求項3】 候補の一部に共通部分があればそれをく
    くりだして表示し、空の架空の候補によりくくりだせる
    場合は、省略可能の表示をして他の候補を並べることを
    特徴とする請求項1又は2記載の言語翻訳装置における
    翻訳文生成方式。
  4. 【請求項4】 不規則な活用をする単語の複数の活用の
    候補を仮想の規則活用をする表示に代えた上で、共通部
    分をくくりだして表示することを特徴とする請求項3記
    載の言語翻訳装置における翻訳文生成方式。
  5. 【請求項5】 第1言語を解析し、該第1言語の文に対
    応する第2言語の翻訳文を生成する言語翻訳装置におけ
    る第2言語の翻訳文生成方式において、前記第1言語の
    単語あるいは句に対応する第2言語の単語あるいは句の
    候補が複数ある場合に、翻訳文中の対応する位置に前記
    候補の全てあるいは一部を並べて生成し、前記第1言語
    の単語あるいは句に対応する第2言語の単語あるいは句
    の候補の形態素の生成のための情報が曖昧である場合
    に、翻訳文中の対応する位置に曖昧さから生じる形態素
    候補の全てあるいは一部を並べて生成し、前記候補の一
    部に共通部分があればそれをくくりだして表示し、空の
    架空の候補によりくくりだせる場合は、省略可能の表示
    をして他の候補を並べ、不規則な活用をする単語の複数
    の活用の候補を仮想の規則活用をする表示に代えた上
    で、共通部分をくくりだして表示することを特徴とする
    言語翻訳装置における翻訳文生成方式。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5のいずれかに記載の翻
    訳文生成方式によって生成された翻訳文に対して、表示
    された候補の部分が指示されたことを検出する検出手段
    を有し、指示された候補の部分に応じた単語あるいは句
    または形態素に置き換えることを特徴とする言語翻訳装
    置における翻訳文生成方式。
  7. 【請求項7】 第1言語の文を解析し、該第1言語の文
    に対応する第2言語の翻訳文を生成する際に、前記第1
    言語の単語あるいは句に対応する第2言語の単語あるい
    は句の候補が複数ある場合に、翻訳文中に対応する位置
    に前記候補の全てあるいは一部を並べて生成し、前記第
    1言語の単語あるいは句に対応する第2言語の単語ある
    いは句の候補の形態素の生成のための情報が曖昧である
    場合に、翻訳文中に対応する位置に曖昧さから生じる形
    態素候補の全てあるいは一部を並べて生成し、前記候補
    の一部に共通部分があればそれをくくり出して表示し、
    空の架空の候補によりくくり出せる場合は、省略可能の
    表示をして他の候補を並べ、不規則な活用をする単語の
    複数の活用の候補を仮想の規則活用をする表示に代えた
    上で、共通部分をくくり出して表示する言語翻訳装置に
    おいて、前記言語翻訳装置により生成された翻訳文を、
    文中に単語あるいは句の複数の候補をもったまま記憶装
    置に格納することを特徴とする言語翻訳装置における翻
    訳表示・編集方式。
  8. 【請求項8】 表示された文の中の候補部分を指定する
    ことにより、同候補を確定し、文中の対応する候補の並
    びを同候補に置き換えることを特徴とする請求項7記載
    の言語翻訳装置における翻訳表示・編集方式。
  9. 【請求項9】 文の中に複数の候補がある場合に、各候
    補の組合せによる可能な候補文の一つあるいは全てを表
    示し、前記表示された一つの候補文を指定することによ
    り、さらに他の可能な候補文を表示し直し、前記表示さ
    れた全候補文中の一つを指定することにより、同候補文
    を原文に置き換えることを特徴とする請求項8記載の言
    語翻訳装置における翻訳表示・編集方式。
  10. 【請求項10】 可能な候補文が一つ表示されている場
    合に、前記文中の指定された部分に他の候補があれば、
    同候補以外の候補を選択して、文中の対応する部分に表
    示し、前記文中の指定された部分に他の候補があれば、
    同候補を確定し、文中の対応する候補の並びを同候補に
    置き換えることを特徴とする請求項9記載の言語翻訳装
    置における翻訳表示・編集方式。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3811816A1 (de) * 1987-04-22 1988-11-03 Mitsubishi Electric Corp Steuergeraet fuer die gluehkerze eines dieselmotors

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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