JPH0619933U - パンチングマシンの交換金型位置決め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大径の金型を自動交換すると共に、側圧力に
も強固で正しく位置決めできる交換金型位置決め装置を
提供しようとするものである。 【構成】 垂直方向に保持したワークＷを移動自在に設
け、このワークＷの両面側に対向して上下動自在に設け
たパンチヘッド１７とダイヘッド１９とを、互いに協働
するヘッド部３９と、このヘッド部３９に装着され金型
を取付けたヘッド交換部４１とより構成し、前記ヘッド
部３９にヘッド交換部４１を位置決め固定するショット
ピン装置９１とダイヤヘッドピン装置９３を設けてると
共に、Ｔ形状のスロットクランプ装置８３を備えてなる
ことを特徴とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、パンチングマシンで大径の金型を自動交換させる際のパンチング マシンの交換金型位置決め装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

パンチングマシンのうち、板材を垂直方向に支持しておき、この板材の両面に パンチヘッドとダイヘッドとを協働させ成形する縦型パンチングマシンが開発さ れている。この縦型パンチングマシンにおいては、小径の金型を自動交換し多種 類のパンチング加工を行なっていた。

【０００３】 しかし、近年では作業上の要求から、従来の縦型パンチングマシンに大径の金 型を装着する必要があり、パンチヘッドやダイヘッドを油圧式過圧部を備えたヘ ッド部と、金型を装着したヘッド交換部とに分け、前記ヘッド部にヘッド交換部 を装着してパンチング加工を行なうようになってきた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ヘッド部にヘッド交換部を装着固定するには数々のアクチュエ ータを用いなければならず、そのために前記ヘッド部やヘッド交換部が重くなる という問題があった。

【０００５】 そこで、ヘッド部に油圧等のシリンダを設けておき、ヘッド交換部をシリンダ の作動によって圧接固定することが試みられたが、パンチング加工時の側圧力等 によって金型の位置ずれを生じたり、特にニブリング加工では金型のセンターが ずれ、金型の損壊や不良品の発生率が増加するという問題があった。

【０００６】 本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、 大径の金型でも自動交換できると共に、側圧力にも強く正しい位置に位置決めで きるパンチングマシンの交換金型位置決め装置を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のパンチングマシンの交換金型位置決め装 置は、垂直方向に保持したワークを移動自在に設け、このワークの両面側に対向 して上下動自在に設けられたパンチヘッドとダイヘッドとを備えてなるパンチン グマシンであって、前記パンチヘッドとダイヘッドとを互いに協働せしめるヘッ ド部と、このヘッド部に着脱自在に装着され、その内側にパンチ用金型とダイ用 金型を着脱自在に装着するヘッド交換部とを設け、前記ヘッド部に前記ヘッド交 換部を位置決め固定する複数のクランプ装置を設け、このクランプ装置の近傍に 、ヘッド交換部の取付け位置決めを行なうショットピンとダイヤヘッドピンとを 設けてなることを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

上記したように構成されたパンチングマシンの交換金型位置決め装置によれば 、ヘッド交換部がヘッド部の位置に移送されてくると、ヘッド交換部はクランプ 装置に係合されてヘッド部の位置に停止される。次に、ショットピンとダイヤヘ ッドピンがシリンダに作動され、ヘッド部側からヘッド交換部側に突出される。

【０００９】 ショットピンはヘッド部に対するヘッド交換部の方向性をチェックし、ダイヤ ヘッドピンは先端がダイヤ状にカットされたピンで、ヘッド交換部側に設けられ たダイヤ状孔内に嵌合されると、ヘッド交換部は正しくヘッド部に位置決めされ たことになり、クランプ装置で固定される。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１１】 理解を容易にするために、先ず縦型パンチングマシンの全体的構成について説 明する。

【００１２】 図３を参照するに、縦型パンチングマシン１は、矩形形状のベース３を備えて おり、Ｘ軸方向（図３において左右方向）における中央部よりやゝ右側には門型 フレーム５が立設されている。この門型フレーム５は、下部フレーム５Ｄと、こ の下部フレーム５Ｄの左右側に立設されたサイドフレーム５Ｒ，５Ｌと、このサ イドフレーム５Ｒ，５Ｌの上部に設けられた上部フレーム５Ｕとで構成されてい る。

【００１３】 前記門型フレーム５における上、下部フレーム５Ｕ，５Ｄの前側におけるベー ス３上にはＣ型形状の前フレーム７Ｆが設けられていると共に、上、下部フレー ム５Ｕ，５Ｄの後側におけるベース３上にはＣ型形状の後フレーム７Ｂが設けら れている。この前、後フレーム７Ｆ，７Ｂの右側面（図３において前面）には複 数の平行なガイドレール９がＸ軸方向へ延伸して設けられている。

【００１４】 このガイドレール９には、複数の平行なロッド１１で接近離反自在に設けられ た板材移送装置１３の一部材である左キャレッジ１３Ｌと右キャレッジ１３Ｒと がＸ軸方向へ移動自在に設けられている。この左、右キャレッジ１３Ｌ，１３Ｒ は例えば駆動モータ、ボールねじなどによってＸ軸方向に沿って門型フレーム５ におけるサイドフレーム５Ｌと５Ｒとに形成されたギャップ５Ｇ間を移動される ものであると共に、接近離反されるようになっているものである。また、左、右 キャレッジ１３Ｌ，１３Ｒの上、下には複数のワーククランプ１５が設けられて おり、このワーククランプ１５でワークＷが垂直方向に保持されるものである。

【００１５】 前記門型フレーム５におけるサイドフレーム５Ｌ，５Ｒにはそれぞれパンチ用 金型Ｐ，ダイ用金型Ｄを装着したパンチヘッド１７、ダイヘッド１９が上部フレ ーム５Ｕに取付けられた上下駆動モータ２１，２３によってＹ軸方向（図３にお いて上下方向）へ移動されるようになっている。また、上部フレーム５Ｕにはパ ンチ用金型Ｐ、ダイ用金型Ｄを回転割出して位置決めをする割出し用駆動モータ ２５が設けられている。

【００１６】 前記後フレーム７Ｂの図３において前側にはパンチ用金型Ｐ、ダイ用金型Ｄを 複数ストックしてあるツールマガジン２７が設けられていると共に、ツールマガ ジン２７の左側すなわち門型フレーム５におけるサイドフレーム５Ｒ側にはパン チ用金型Ｐ、ダイ用金型Ｄを自動交換するためのツールチェンジャ２９が設けら れている。前記ツールマガジン２７内には、駆動モータ３１によってそれぞれ平 行して駆動される図示省略の２個のチェーンと、このチェーンに設けられた多数 のフックと、このフックに取付けられたパンチ用金型Ｐ、ダイ用金型Ｄが備えら れている。

【００１７】 前記門型フレーム５のサイドフレーム５Ｌ，５Ｒには、図４に示すような空間 部５Ｓが設けてあって、前記パンチヘッド１７とダイヘッド１９とは、この空間 部５Ｓ内を図４の表裏方向（Ｙ軸方向）に移動される。この移動は前記サイドフ レーム５Ｌと５Ｒとの内側対向面に対応する形で設けられたガイドレール３３と 、、前記上下駆動モータ２１，２３によって回転されるボールネジ３５，３７に よって行なわれる。

【００１８】 以下、パンチヘッド１７とダイヘッド１９との構造の詳細を図４及び図５を参 照して説明する。なお、ダイヘッド１９側はパンチヘッド１７と略々同一機構で あり、パンチヘッド１７を主として説明する。

【００１９】 パンチヘッド１７は、ヘッド部３９と、このヘッド部３９に着脱自在に装着さ れるヘッド交換部４１とより形成されている。

【００２０】 ヘッド部３９は、前記ガイドレール３３に係合する摺動子４３を片側に上下各 １個、両側で４個を正方形状の四隅に配したフレーム本体４５と、このフレーム 本体４５の中心に設けられた油圧式のラムシリンダ４７とより形成されている。

【００２１】 前記フレーム本体４５のラムシリンダ４７を設けた一側方には、門型フレーム ５に設けられた上下駆動モータ２３に接続されたパンチ側ボールネジ３５に螺合 するボールネジナット４９が設けてあって、パンチ側ボールネジ３５の回転によ りフレーム本体４５は、ガイドレール３３に沿って門型フレーム５の前面を、図 ４及び図５の表裏方向（Ｙ軸方向）に上下動されるようになっている。

【００２２】 上述したヘッド部３９のフレーム本体４５の前面側には、図６に示すように、 前記ガイドレール３３のＹ軸方向に対して直交する方向（Ｘ軸方向）に移送用ガ イドレール５１が上下に各１本宛設けてある。この移送用ガイドレール５１の一 方側で前記ツールチェンジャ２９側には、サイドフレーム５Ｌに固定されたヘッ ド引出し部５３があって、この引出し部５３の前面に設けた移送ガイド５５に僅 かな間隙をおいて連接されるようになっている。そして、前記移送用ガイドレー ル５１と移送ガイド５５との連接は、ヘッド部３９を上下動させて合わせること ができるようになっている。

【００２３】 このヘッド引出し部５３は図４及び図６に示すように、角状のブロック部材で 前面には、前記ヘッド部３９の前面に設けられた移送用ガイドレール５１に相当 する上下２本の移送ガイド５５が設けてあって、この２本の移送ガイド５５の中 央には、図４に示すように、前記ツールチェンジャ２９の先端にある嵌合部材５ ７がシリンダの作動で出没自在に形成してある。

【００２４】 このツールチェンジャ２９を設けた位置には、前記ツールマガジン２７内に装 備されたチェーン（図示せず）が回動され、前記嵌合部材５７にパンチ用金型Ｐ を補給したり、後述するヘッド交換部４１に装着されているパンチ用金型Ｐを収 納するようになっている。

【００２５】 前記ヘッド引出し部５３の右側端部には図４に示すように、ヘッド交換部４１ からツールチェンジャ２９まで移動させる移動装置５９が備えてある。この移動 装置５９は引込みピストン６１と、この引込みピストン６１によって移動される ロッド部６３と、このロッド部６３の先端に設けられたフック部材６５とよりな っている。

【００２６】 前記ヘッド交換部４１は図４及び図５に示すようにヘッド用金型Ｐ，Ｄを収納 するサポート円筒部６７を中心に設けた六角体状の本体６９を備え、前記サポー ト円筒部６７の外周にはウォームホィール７１が設けてあって、このウォームホ ィール７１にはウォームギア７３が噛合せてある。このウォームギア７３は図３ の門型フレーム５上に設けられた割出し用駆動モータ２５の回転軸に係合されて おり、パンチ用金型Ｐの割出しを行なうようになっている。

【００２７】 前記本体部６９の略正方形状の後面には、図１及び図５に示すように、四隅に 摺動子７５が設けてあってヘッド部３９の移送用ガイドレール５１に係合され、 且つ移送用ガイドレール５１に連接される移送ガイド５５にも係合されるように なっている。この摺動子７５を設けた本体部６９の下部には、前記移動装置５９ の引込みピストン６１に設けたフック部材６５に接続されるフック受部７７が設 けてあって、移動装置５９の作動によって図１の表裏方向に移送されるようにな っている。

【００２８】 また、ヘッド交換部４１の中心部分には、前記パンチ用金型Ｐを取付けるため の補助台７９が摺動子７５の端面より僅かに突設されており、この補助台７９の 上下には前記摺動子７５の移動方向に沿う断面Ｔ字状の溝８１が穿設されている 。このＴ字溝８１にはヘッド部３９側に設けられたＴ形状のスロットクランプ装 置８３が嵌合されるようになっている。

【００２９】 Ｔ形状のスロットクランプ装置８３はヘッド部３９の前面側で、先端にＴ字溝 ８１に嵌合される円板状頭部８５を持ち、その後方には軸部を介してピストン８ ７に接続され、このピストン８７の外周にはシリンダ８９を設けた締着部材であ って、ヘッド部３９の前面側に円板状頭部８５を突出した状態で、少なくとも２ つ以上が設けられている。

【００３０】 このＴ形状のスロットクランプ装置８３は、前記ヘッド交換部４１がヘッド部 ３９に装着されたときに、前記シリンダ８９内に圧油が供給されてピストン８７ を引くため、ピストン８７に設けられた円板状頭部８５は、ヘッド交換部４１の Ｔ字溝８１をヘッド部３９側へクランプすることになり、ヘッド部３９に設けた ラムシリンダ４７にニブリング作動を行なわせても緩みを発生することはない。 また、パンチヘッド１７に側圧力が大きく作用しても確実に保持することができ る。

【００３１】 前記Ｔ形状のスロットクランプ装置８３と前記ヘッド部３９の移送用ガイドレ ール５１との間で、パンチ用金型Ｐの直径方向の両側には、図１及び図２に示す ように、ショットピン装置９１とダイヤヘッドピン装置９３とが対称的位置に設 けてある。

【００３２】 ショットピン装置９１は、ヘッド部３９のフレーム本体４５に設けられたシリ ンダ９５と、このシリンダ９５のピストンロッドであるショットピン９７とより なり、ショットピン９７の先端は半球状に形成してある。このショットピン９７ はシリンダ９５への作動によって半球状先端部９９が、フレーム本体４５の下方 に突出し、ヘッド交換部４１に設けたショットピン受部１０１に嵌合されるよう になっている。

【００３３】 ダイヤヘッドピン装置９３は、ヘッド部３９のフレーム本体４５に設けられた ショットピン装置９１と同様に、シリンダ９５とロッドであるダイヤヘッドピン ９７とより形成されているが、このダイヤヘッドピン９７の先端はダイヤモンド 状のカットが施されており、ヘッド交換部４１に設けられたダイヤヘッドピン受 部１０３に嵌合するように形成されている。したがって、ショットピン装置９１ 側の嵌合はショットピン受部１０１との間で、多少の回転方向へのずれは発生す るが、ダイヤヘッドピン装置９３側の嵌合は密接嵌合であって回転方向へのずれ の発生はない。

【００３４】 上記構成により、ショットピン装置９１とダイヤヘッドピン装置９３とを同時 に作動させることにより、ヘッド交換部４１はダイヤヘッドピン受部１０３の密 接嵌合にならって位置決めされ、ショットピン受部１０１の嵌合によって固定さ れることになる。

【００３５】 上記構成によるパンチヘッド１７側のヘッド部３９とヘッド交換部４１とは、 ダイヤヘッド１９側でも同じ構成であって、ヘッド部３９とヘッド交換部４１と はパンチヘッド１７側とダイヘッド１９側とが通常同時に作動されるもので、ダ イヘッド１９側も同一符号を付与したものとし、以下、本実施例の作動について 順を追って説明する。

【００３６】 図３において、ワーククランプ１５には垂直方向にワークＷをクランプし、板 材移送装置１３を図の右方向へ移動させ、門型フレーム４のパンチヘッド１７と ダイヘッド１９の加工ライン上に位置決めし、ダイヘッド１９をワークＷの面に 押し当て、パンチヘッド１７を駆動させてパンチング加工を行なう。

【００３７】 所定のパンチング加工を終了してパンチ用金型Ｐとダイ用金型Ｄとを交換する には、板材移送装置１３を門型フレーム５の左側に戻し、パンチヘッド１７とダ イヘッド１９とを門型フレーム５の交換位置に移動させ停止する（図６参照）。

【００３８】 次に、図４に示した移動装置５９の引込みピストン６１を作動させ、先端のフ ック部材６５をフック受部７７に接続する。そして、図１に示したＴ形状のスロ ットクランプ装置８３のシリンダ８９を開放し、次に、ショットピン装置９１と ダイヤヘッドピン装置９３の作動を開放し、移動装置５９の引込みピストン６１ によってヘッド交換部４１をツールチェンジャ２９の前側に移送する。

【００３９】 このツールチェンジャ２９によってヘッド交換部４１に装着されているパンチ 用金型Ｐとダイ用金型Ｄとを、ツールマガジン２７内の別のパンチ用金型Ｐ₁ と ダイ用金型Ｄ₁ とに交換する。そして、この別の金型をそれぞれ装着したヘッド 交換部４１は、前記移動装置５９の引込みピストン６１によって移送され、ヘッ ド部３９に送られ図１に示したショットピン装置９１とダイヤヘッドピン装置９ ３とによって位置決めされる。最後にＴ形状のスロットクランプ装置３３によっ て確実にクランプされる。

【００４０】 上述したように、本実施例の交換金型位置決め装置は、ヘッド交換部４１に装 着した金型をヘッド部３９に装着する度に、ショットピン装置９１とダイヤヘッ ドピン装置９３とで位置決めし、Ｔ形状のスロットクランプ装置８３でヘッド部 ３９に固定するので、大径金型であっても安定した作業を行なうことができる。

【００４１】 なお、本考案は、上述した実施例に限定されるものではなく、適宜の変更を行 なうことによって、その他の態様でも実施し得るものである。

【００４２】

【考案の効果】

以上詳細に説明したように、本考案によれば、実用新案登録請求の範囲に記載 されたとおりの構成であるから、大径の金型でも簡単に自動交換ができ、正しい 位置に位置決めされ側圧力にもずれのない交換金型を位置決めできるので、生産 性の向上を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例で、交換金型位置決め装置の
主要部拡大正面図である。

【図２】図１のヘッド交換部の平面図である。

【図３】本実施例の交換金型位置決め装置を装着したパ
ンチプレスの外観斜視図である。

【図４】図４の主要部の断面図である。

【図５】図４の主要部分の拡大平面図である。

【図６】図１のヘッド部の平面図である。

【符号の説明】

１ 縦型パンチングマシン ５ 門型フレーム １７ パンチヘッド １９ ダイヘッド ３９ ヘッド部 ４１ ヘッド交換部 ８３ スロットクランプ装置 ９１ ショットピン装置 ９３ ダイヤヘッドピン装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直方向に保持したワークを移動自在に
   設け、このワークの両面側に対向して上下動自在に設け
   られたパンチヘッドとダイヘッドとを備えてなるパンチ
   ングマシンであって、前記パンチヘッドとダイヘッドと
   を互いに協働せしめるヘッド部と、このヘッド部に着脱
   自在に装着され、その内側にパンチ用金型とダイ用金型
   を着脱自在に装着するヘッド交換部とを設け、前記ヘッ
   ド部に前記ヘッド交換部を位置決め固定する複数のクラ
   ンプ装置を設け、このクランプ装置の近傍に、ヘッド交
   換部の取付け位置決めを行なうショットピンとダイヤヘ
   ッドピンとを設けてなることを特徴とするパンチングマ
   シンの交換金型位置決め装置。