JPH0619879B2 - キャプスタンサーボ回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はキャプスタンサーボ回路、特に標準再生モード
／ファインスロー再生モードを備えるＶＴＲのキャプス
タンモータを正確に制御するためのサーボ信号を発生す
るキャプスタンサーボ回路に関する。

［従来の技術］ ＶＴＲにおいては、同期のとれた正確な再生画像を得る
ため、再生時のテープ送りとビデオヘッドの回転位置と
の関係を記録時の関係に合わせることが必要となる。こ
のため、記録時において基準となる信号としてビデオヘ
ッドの回転位置を示す信号を取り出し（以下、再生コン
トロール信号という）、この信号を磁気テープの下縁約
１mm幅に設けられたコントロールトラックに記録するこ
とが行われている。そして、再生時にはこのコントロー
ルトラックから再生コントロール信号を読み出し、この
信号によってテープの位置を検出して画像情報が記録さ
れた磁気テープ上の所望のトラックからビデオヘッドが
外れないように磁気テープを引っ張るキャプスタンモー
タを制御するのである。

一方、特に家庭用ＶＴＲにおいては標準モードの再生だ
けでなく、静止画（スチル）再生モード、スロー再生モ
ード、倍速再生モード等の種々の再生モードが設けら
れ、利用の拡大が図られている。最近では、これらの特
殊再生機能に加え、標準再生とスチル再生とを間欠的に
動作させてノイズレスのスロー再生を自由な速度で行
う、いわゆるファインスロー再生と呼ばれる方法も開発
されており、このファインスロー再生モードで正確に動
作させるためにキャプスタンモータを制御するサーボ回
路についても研究開発が盛んに行われている。

第５図に従来のキャプスタンモータサーボ回路の概略ブ
ロック図、そして第６図にはタイミングチャート図を示
す。

標準再生モード時には、キャプスタンモータ１０は画像
信号が記録された磁気テープ１２を所望の速度で引っ張
り、磁気テープを所望の速度で走行させる。そして、回
転するヘッドバー両端に設けられた２個のビデオヘッド
１４が走行する磁気テープ１４上のトラック１６を走査
し情報の再生が行われる。磁気テープ１２の下縁には前
述したように再生コントロール信号が記録されたコント
ロールトラックが設けられ（不図示）、このコントロー
ルトラックをコントロールヘッド１８が走査し、第６図
（Ａ）に示すような再生コントロール信号１００を読み
出すのである。

そして、コントロールヘッド１８により読み出された再
生コントロール信号１００は増幅器２０により増幅され
た後、さらに標準再生用ヒステリシスコンパレータ２２
及びファインスロー用ヒステリシスコンパレータ２４に
入力し所望の波形に波形整形される。なお、標準再生モ
ード時には切り替えスイッチ２６により標準再生用ヒス
テリシスコンパレータ２２からの出力信号がサーボ信号
としてキャプスタンモータ１０を制御するために用いら
れる。

この標準再生用ヒステリシスコンパレータ２２は、第６
図（Ｂ）に示すように再生コントロール信号１００が正
のピークとなった時に立ち上がり、負のピークとなった
時に立ち下がる矩形パル１１０を発生し、このパルス１
１０がサーボ信号としてキャプスタンモータ１０の制御
信号となる。

一方、間欠動作のファインスロー再生モード時にはキャ
プスタンモータ１０は回転、停止を繰り返して磁気テー
プ１２を走行、停止させ標準再生とスチル再生を繰り返
す。このときのコントロールトラックからコントロール
コイル１８によって読み出された再生コントロール信号
１２０は第６図（Ｃ）に示すような波形となる。ここ
で、再生コントロール信号１２０の負の電圧ピークが小
さいのは、前述したようにファインスロー時には標準再
生時の速度及び静止画時の速度（つまり停止）を交互に
繰り返す動作を行うので、磁気テープ１２が一定速度走
行状態から停止状態に移る際の減速状態では磁化変化に
よる誘導電圧値が小さくなるためである。

コントロールコイルで読み出されたこの再生コントロー
ル信号１２０は次に標準再生時と同様にヒステリシスコ
ンパレータ２２、２４に入力し波形整形される。そし
て、ファインスロー再生時には切り替えスイッチ２６に
よりファインスロー用ヒステリシスコンパレータ２４か
らの出力信号がキャプスタンモータ１０の制御に用いら
れる。

このファインスロー用ヒステリシスコンパレータ２４
は、再生コントロール信号１２０をトリガとして矩形パ
ルス１３０を発生し、この矩形パルス１３０がサーボ信
号としてキャプスタンモータ１０の制御に用いられる。

このように、従来においては標準再生用ヒステリシスコ
ンパレータ２２及びファインスロー用ヒステリシスコン
パレータ２４を備え、適宜これを切り替えることにより
両モードでキャプスタンモータを制御することが行われ
ていた。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記従来のキャプスタンサーボ回路にお
いては幾つかの問題が生じていた。第７図（Ａ）に再生
モードを標準再生→ファインスロー再生→標準再生と順
次切り替えたときの再生コントロール信号の読み出し波
形１４０、第７図（Ｂ）にそのときのサーボ信号波形１
５０を示す。なお、第７図（Ａ）のＰ点、Ｑ点は切り替
え時点を表わしている。前述したように、従来において
は標準再生用ヒステリシスコンパレータ２２からの出力
１１０とファインスロー用ヒステリシスコンパレータ２
４からの出力１３０を切り替えスイッチ２６によって切
り替えることによりキャプスタンモータ１０のサーボ信
号を得ている。

ところが、ファインスロー再生から標準再生に移る際、
すなわち図中Ｑ点においてヒステリシスコンパレータ２
２からの出力がＨｉである時に切り替えるとサーボ信号
もＨｉとなってしまい、サーボ信号に本来存在しない不
要なパルス１５０ａが発生して正確なサーボ動作を行う
ことができなくなってしまうのである。

本発明は上記従来の課題に鑑みなされたものであり、そ
の目的はファインスロー再生から標準再生へモード変更
させる際にも不要なパルスを生じる事なく確実にキャプ
スタンモータをサーボ制御することが可能なキャプスタ
ンサーボ回路を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明はＶＴＲ用磁気テー
プのコントロールトラックに記録された再生コントロー
ル信号を用いて標準再生モード及びファインスロー再生
モードを備えるＶＴＲのキャプスタンモータを制御する
キャプスタンサーボ回路において、コントロールトラッ
クに記録された再生コントロール信号を読み出すコント
ロールコイルと、このコントロールコイルで読み出され
た再生コントロール信号を増幅する増幅器と、この増幅
器で増幅された再生コントロール信号の正負のピークを
それぞれ検出し所定時間幅を有する矩形パルス信号を発
信する第１及び第２パルス発信器と、これら第１及び第
２パルス発信器からの矩形パルス信号及び標準再生モー
ドとファインスロー再生モードの切り替えを検出する検
知器からの切り替え信号が入力され、これらの信号論理
演算を行って標準再生時には再生コントロール信号の正
負のピーク間でのみ矩形パルス信号を発生し、ファイン
スロー時には再生コントロール信号の正のピーク時のみ
に所定時間幅を有する矩形パルス信号をキャプスタンモ
ータに送信する切り替え論理回路とを備えたことを特徴
としている。

［作用］ 本発明はこのような構成を備え、コントロールコイルが
磁気テープに記録された再生コントロール信号を読み出
す。読み出された再生コントロール信号は増幅器で増幅
され、第１及び第２パルス発信器に入力する。

第１パルス発信器は再生コントロール信号が正のピーク
となったときに矩形のパルスを発信し、一方再生コント
ロール信号が負のピークとなったときに矩形のパルスを
発信する。そして、これらの信号は共に切り替え論理回
路に入力する。

切り替え論理回路は入力されたパルス信号及び標準再生
／ファインスロー再生のモードを検知する切り替え信号
とから論理演算を行い、標準再生時には第１パルス発信
器からのパルスと第２発信器からのパルスから矩形パル
スを発生し、ファインスロー再生時には第１発信器のパ
ルスから矩形パルスを発生する。

すると、標準再生モード及びファインスローモードいず
れのモードにおいても再生コントロール信号のピークを
確実に検出することができるので、モード切り替え時に
おいても不要なピークを発生する事なく正確なサーボ信
号をキャプスタンモータに供給することができる。

［実施例］ 以下、図面を用いながら本発明に係るキャプスタンサー
ボ回路の好適な実施例を説明する。

第１図は実施例の構成ブロック図である。図において、
キャプスタンモータ１０は画像信号が記録された磁気テ
ープ１２を所望の速度で引っ張り、磁気テープ所望の速
度で走行させる。そして、回転するヘッドバー両端に設
けられた２個のビデオヘッド１４が走行する磁気テープ
１４上のトラック１６を走査し情報の再生が行われる。
磁気テープ１２の下縁には前述したように再生コントロ
ール信号が記録されたコントロールトラックが設けられ
（不図示）、このコントロールトラックをコントロール
ヘッド１８が走査し、再生コントロール信号１００を読
み出すのである。

そして、コントロールヘッド１８により読み出された再
生コントロール信号１００は増幅器２０により増幅され
た後、さりに正のピークを検出して所定の時間幅を有す
る矩形パルスを発信する第１パルス発信器２８及び負の
ピークを検出して所定の時間幅を有する矩形パルスを発
信する第２パルス発信器３０に入力する。第１及び第２
パルス発信器はいずれも単安定マルチバイブレータであ
り、入力される再生コントロール信号をトリガとしてそ
れぞれ第２図（Ｂ）、（Ｃ）に示す矩形パルス１６０、
１７０を出力する。

さらに、第１及び第２パルス発信器からの出力はＮＯＴ
ゲート、ＡＮＤゲート、ＯＲゲート、ＲＳ（セットリセ
ット）フリップフロップからなる切り替え論理回路３２
に入力される。そして、この切り替え論理回路３２はこ
れらの信号と切り替え信号（図中ＳＬＯＷＦで表わす）
とから所望のサーボ信号をキャプスタンモータ１０に出
力する構成である。

第３図に再生モードを標準再生→ファインスロー再生→
標準再生と切り替えた時のタイミングチャート図を示
す。第３図（Ａ）はこのときのコントロールコイル１８
で読み出された再生コントロール信号波形１４０であ
り、図中Ｐ、Ｑ点は切り替え時点を表わしている。図に
おいて、Ｐ点までは標準再生モードであるので切り替え
信号ＳＬＯＷＦはＬｏｗであり、従って切り替え論理回
路３２のＡＮＤゲートからの出力はＬｏｗとなる。する
と、切り替え論理回路３２のＲＳフリップフロップから
の出力は、第１パルス発信器２８からの出力１６０（第
３図（Ｂ））がセット、第２パルス発信器３０からの出
力１７０（第３図（Ｃ））がリセットとなり、結局第１
発信器２８からのパルスで立ち上がり、第２発信器３０
からのパルスで立ち下がる波形１８０となる（第３図
（Ｄ））。

図中Ｐ点とＱ点との間はファインスロー再生であり、既
に述べたように磁気テープが走行、停止を繰り返すので
再生コントロール信号１４０の負のピークは小さくな
る。そして、切り替え信号ＳＬＯＷＦはＨｉとなり、従
って第１パルス発生器２８からの出力１６０がＨｉのと
き切り替え論理回路３２のＡＮＤゲートの出力はＬｏ
ｗ、第１パルス発信器２８からの出力がＬｏｗのときＡ
ＮＤゲートからの出力はＨｉとなる。ファインスロー再
生時には負のピークが小さいので第２パルス発信器から
の出力は常にＬｏｗとなっているから、切り替え論理回
路３２のＲＳフリップフロップからの出力は第１パルス
発信器２８がＨｉのときセット、Ｌｏｗのときリセット
となり、第１パルス発信器２８と同一の波形１８０が出
力される（第３図（Ｄ））。

そして、図中Ｑ点では再びファインスロー再生から標準
再生に切り替えているが、このとき切り替え信号ＳＬＯ
ＷＦはＬｏｗであり、第１パルス発信器２８からの出力
でセット、第２パルス発信器３０からの出力でリセット
となり、第１パルス発信器２８のパルスで立ち上がり、
第２発信器３０からのパルスで立ち下がる波形１８０と
なるので従来のように不要のパルスが発生する事がない
（第３図（Ｄ））。

このように、本発明は標準再生用及びファインスロー用
ヒステリシスコンパレータからの出力を切り替えること
によりサーボ信号を得るのではなく、再生コントロール
信号の正負ピークを検出するパルス発信器からの出力信
号と切り替え信号を論理回路で巧みに処理することによ
りサーボ信号を得るものであり、キャプスタンモータを
確実に制御することができる。

なお、本実施例においては順方向再生の場合を示した
が、本発明はこれに限定されるものではなく逆方向、す
なわち巻き戻し再生の場合にも適用できる。このとき、
順方向再生と逆方向再生とでは再生コントロール信号の
ピークの極性が反対となるので、例えば第４図に示すよ
うに順方向、逆方向切り替えスイッチ３４により切り替
えることにより前述した実施例と同様に不要のパルスを
発生する事なくキャプスタンモータ１０を制御すること
ができる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば標準再生モードか
らファインスロー再生モードに切り替える際にも不要な
パルスが発生する事なく、確実にキャプスタンモータを
制御することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るキャプスタンサーボ回路の一実施
例の構成ブロック図、 第２図、第３図は同実施例のタイミングチャート図、 第４図は他の実施例の構成ブロック図、 第５図は従来のキャプスタンサーボ回路の構成ブロック
図、 第６図、第７図は従来のタイミングチャート図である。 １０……キャプスタンモータ １２……磁気テープ １４……ビデオヘッド １６……トラック １８……コントロールコイル ２０……増幅器 ２８……第１パルス発信器 ３０……第２パルス発信器 ３２……切り替え論理回路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ＶＴＲ用磁気テープのコントロールトラッ
   クに記録された再生コントロール信号を用いて標準再生
   モード及びファインスロー再生モードを備えるＶＴＲの
   キャプスタンモータを制御するキャプスタンサーボ回路
   において、 コントロールトラックに記録された再生コントロール信
   号を読み出すコントロールコイルと、 このコントロールコイルで読み出された再生コントロー
   ル信号を増幅する増幅器と、 この増幅器で増幅された再生コントロール信号の正負の
   ピークをそれぞれ検出し所定時間幅を有する矩形パルス
   信号を発信する第１及び第２パルス発信器と、 これら第１及び第２パルス発信器からの矩形パルス信号
   及び標準再生モードとファインスロー再生モードの切り
   替えを検出する検知器からの切り替え信号が入力され、
   これらの信号の論理演算を行い標準再生時には再生コン
   トロール信号の正負のピーク間でのみ矩形パルス信号を
   発生し、ファインスロー時には再生コントロール信号の
   正のピーク時のみに所定時間幅を有する矩形パルス信号
   をキャプスタンモータに送信する切り替え論理回路と、 を備えたことを特徴とするキャプスタンサーボ回路。