JPH0619851U - 回転電極式静電塗装ガン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 パターンエアを噴出するエアノズル９から一
定距離離間した外側には、環形のパイプの前面に多数の
エア噴出孔１５を形成した補助ノズル１４が取付腕１６
を介して取り付けられている。補助ノズル１４にエアを
供給すると、鎖線に示す筒状の補助パターンエアＸが噴
出される。その補助パターンエアＸにより外側に拡がつ
た塗料粒子が遮られ、補助パターンエアＸは回転電極３
から外側に離間していてそこでの塗料粒子の持つ遠心力
も弱くなつているから、そこから外側に逃げるのが極力
抑えられる。 【効果】 塗料の有効パターン径が明確となり、また、
塗料粒子の飛散による周辺の汚れも防止される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、霧化塗料流の有効パターンをより明確にする機能を備えた回転電極 式静電塗装ガンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の回転電極式静電塗装ガンの一例を、本考案の一実施例を示す図１を参照 して説明する。

【０００３】 符号１はガンの銃身であつて、その中心孔１ａに嵌装された図示しないエアモ ータで回転駆動される回転軸２の前方突出端にカツプ形の回転電極３が取り付け られ、回転電極３を回転させつつ、塗料供給管５により回転電極３の背面のくり 抜き孔６に供給された塗料を供給孔７を通して回転電極３の内周面に供給するこ とによつて、塗料を、遠心力並びに回転電極３と被塗物との間に形成された静電 界の吸引力により、先端縁から霧状にして放出するようになつている。

【０００４】 上記の銃身１の先端には、回転電極３を囲むようにして環形のエアノズル９が 取り付けられており、このエアノズル９はエア供給口１０を後面に開口した環形 のエア通路１１が内部に形成され、前面に、回転電極３の先端縁付近を指向した 多数のエア噴出孔１２が等角度間隔で形成されていて、上記した霧化塗料流の放 出時にその回りから筒状のパターンエアを前方に噴出し、遠心力によつて外側に 拡がろうとする霧化塗料流を抑えて、放出角度を整えて被塗物に向けるようにな つている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、パターンエアの噴出により、特にそれを高圧にするほど霧化塗 料流の直進性が増してパターンがある程度確定するのであるが、パターンエアは 回転電極３のすぐ外側から噴出されるようになつていて、そのパターンエア付近 でそれと衝突する塗料粒子は大きな遠心力を持つているために、塗料粒子の遠心 力が勝つて塗料粒子がさらに外側に拡がる傾向を示し、ゴーストパターンと称し て有効パターン径が不明確な状態となつたり、また、飛散した塗料粒子で周辺が 汚れる等、未だ改善すべき課題を残していた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の回転電極式静電ガンは、叙上の点に鑑み案出されたものであつて、エ アノズルから一定距離離間した外側に、筒状の補助パターンエアを前方に向かつ て噴出する環形の補助ノズルを設けた構成とした。

【０００７】 また、補助ノズルから噴出される補助パターンエアのエア圧を調整する圧力調 整手段を付設した構成としても良い。

【０００８】

【考案の作用及び効果】

回転電極から塗料を放出してパターンエアを噴出するのと同時に、補助ノズル から補助パターンエアを噴出すると、その補助パターンエアが筒状のエアカーテ ンとなり、従来のパターンエアだけを噴出していた場合に外側に拡がつていた塗 料粒子がそのエアカーテンで遮られ、そのエアカーテンは回転電極から外側に離 間していてそこでの塗料粒子の持つ遠心力も弱くなつているから、塗料粒子がそ のエアカーテンの外側に逃げるのが極力抑えられる。

【０００９】 これにより、塗料の有効パターン径が明確となり、また、塗料粒子の飛散によ る周辺の汚れも防止される。

【００１０】 また、補助ノズルから噴出される補助パターンエアのエア圧を調整する圧力調 整手段を付設した構成とすると、補助パターンエア圧の高低により、塗料粒子を 補助パターンエアの内側に完全に留めたり、一部がその外側に逃げるのを許容す る等の制御が可能となつて、ゴーストパターンを含めてパターンを幅広く調整す ることができる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１及び図２に基づいて説明する。 本実施例では、従来のガンのエアノズル９から一定距離離間した外側に、環形 のパイプの前面に多数のエア噴出孔１５を等角度間隔で形成した補助ノズル１４ が、エアノズル９の外面に放射状に突設した取付腕１６を介して同心に取り付け られている。

【００１２】 その補助ノズル１４の後面に開口したエア供給口１７が、ホース１８によつて コンプレツサ１９に接続されており、ホース１８の途中に、エア圧を調整するエ アレギユレータ２０が介設されている。

【００１３】 本実施例はこのような構造になり、回転電極３から塗料を放出し、また、エア ノズル９からパターンエアを噴出するのと同時に、コンプレツサ１９から補助ノ ズル１４にエアを供給すると、その補助ノズル１４のエア噴出孔１５から図１の 鎖線に示すような筒状の補助パターンエアＸが噴出される。

【００１４】 その補助パターンエアＸは筒状のエアカーテンとなつて、それにより外側に拡 がつた塗料粒子が遮られ、そのエアカーテンは回転電極３から外側に離間してい てそこでの塗料粒子の持つ遠心力も弱くなつているから、補助パターンエアＸの 外側に逃げるのが極力抑えられる。

【００１５】 これにより、塗料の有効パターン径が明確となつていわゆるゴーストパターン とはならず、また、塗料粒子の飛散による周辺の汚れも防止される。

【００１６】 また、エアレギユレータ２０により補助ノズル１４へのエア供給圧を調整して 、補助パターンエアＸのエア圧を高低変えると、塗料粒子を補助パターンエアＸ の内側に完全に留めたり、一部がその外側に逃げるのを許容する等の制御が可能 となり、ゴーストパターンを含みパターンを幅広く調整できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の断面図及びブロツク図であ
る。

【図２】その正面図である。

【符号の説明】

１：銃身 ２：回転軸 ３：回転電極 ５：塗料供給管
９：エアノズル １２：エア噴出孔 １４：補助ノズ
ル １５：エア噴出孔 １６：取付腕 １７：エア供給
口 １８：ホース １９：コンプレツサ ２０：レギユ
レータ（圧力調整手段） Ｘ：補助パターンエア

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 銃身の前面に突出した回転軸の先端にカ
   ツプ形の回転電極を取り付け、該回転電極の内周面に供
   給した塗料を遠心力及び静電吸引力により先端縁から霧
   状にして放出するとともに、該回転電極の外側に設けた
   環形のエアノズルから筒状のパターンエアを前方に噴出
   することによつて前記霧化塗料流の放出角度を制御する
   ようにした回転電極式静電塗装ガンにおいて、前記エア
   ノズルから一定距離離間した外側に、筒状の補助パター
   ンエアを前方に向かつて噴出する環形の補助ノズルを設
   けたことを特徴とする回転電極式静電塗装ガン。
2. 【請求項２】 前記補助ノズルから噴出される前記補助
   パターンエアのエア圧を調整する圧力調整手段を付設し
   たことを特徴とする請求項１の回転電極式静電塗装ガ
   ン。