JPH06198289A - 廃液処理用組成物及び廃液の処理方法 - Google Patents

廃液処理用組成物及び廃液の処理方法

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JPH06198289A
JPH06198289A JP5218398A JP21839893A JPH06198289A JP H06198289 A JPH06198289 A JP H06198289A JP 5218398 A JP5218398 A JP 5218398A JP 21839893 A JP21839893 A JP 21839893A JP H06198289 A JPH06198289 A JP H06198289A
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bromine
chlorine
salt
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JP5218398A
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Hiromi Kawachi
博美 河内
Shoichi Takeuchi
正一 竹内
Masako Sugihara
真子 杉原
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Manac Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分とを一
定の割合で含む廃液処理用組成物、及び該無機臭素含有
化合物と塩素系酸化成分に加え、水難溶性の水酸化物を
生成する金属塩及び又は水難溶性の塩を生成するカルシ
ウム塩を更に含む廃液処理用組成物、並びに無機臭素含
有化合物と塩素系酸化成分を一定割合で用いて、廃液と
接触させる廃液の処理方法、及び該無機臭素含有化合物
と塩素系酸化成分に加え、水難溶性の水酸化物を生成す
る金属塩及び又は水難溶性の塩を生成するカルシウム塩
を、更に該無機臭素含有化合物に対して一定割合で用い
て、廃液と接触させる廃液の処理方法。 【効果】 本発明の廃液処理用組成物と廃液の処理方法
によって、廃液中の、特に着色成分が容易に脱色され、
廃液の脱色処理が効率よく行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃液処理用組成物及び
廃液の処理方法に関し、更に詳しくは、染色工業、化学
工業、食品工業等において発生する工業廃液を脱色の目
的で処理するための廃液処理用組成物及び廃液処理方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】染色工
業、化学工業、食品工業等において発生する廃液、特に
着色廃液や腐敗性廃液に関しては、公共水域における水
質汚染防止のために、無害化して排出することはもとよ
り、着色そのものも環境上当然問題であるため、当該水
域への排出には脱色処理が必要である。しかるに、実用
的には未だ満足すべき処理技術の確立がなされていない
のが現状であり、その確立が現在重要且つ緊急の課題で
あるといっても過言ではない。
【0003】従来から、着色廃液又は着色排水の脱色剤
として次亜塩素酸ソーダを使用する酸化脱色処理方法が
知られている。この方法は、溶存する着色原因物質の化
学構造を、化学反応により可視域に吸収を持たない化学
構造へと変える方法であり、簡便で、既存設備を利用で
き、経済的である反面、次亜塩素酸ソーダの脱色能力が
不充分であるために、着色廃液が効果的に脱色されない
という基本的な問題点がある。又、それに伴い、多量の
脱色剤の使用が必要となることから作業環境が悪化し、
更に脱色処理後の残留塩素量が多くなり、かえって水質
悪化を招くことになる。一方、着色廃液又は着色排水に
凝集剤を添加し、その結果生成するフロックに溶存する
着色原因物質を補足せしめ、該フロックを沈降もしくは
浮上させることによって系外に排出する、いわゆる凝集
分離法も、一般的な脱色法として用いられている。しか
しながら、この方法は、着色原因物質が疎水性の物質で
ある場合には効果的であるが、親水性の物質の場合に
は、高い脱色効果が期待できず、又、多量のスラッジが
発生するため、廃棄物の処分に苦慮することになる。こ
のように、従来の脱色処理法には多くの技術的制約が認
められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】ここにおいて、本発明者
等は、酸化脱色処理法を利用する効果的な脱色化の工業
的手段を確立すべく鋭意研究を継続した結果、無機臭素
含有化合物と塩素系酸化成分とを特定の比率で用いる技
術手段の採用により、上記制約を全面的に解消し得る事
実を見出し、本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は、無機臭素含有化合物と、
塩素系酸化成分を含み、該無機臭素含有化合物中の臭素
原子(Br)と該塩素系酸化成分中の酸化性活性塩素原
子(Cl)のモル比が2/98〜75/25である廃液
処理用組成物、及び無機臭素含有化合物と塩素系酸化成
分を、該無機臭素含有化合物中の臭素原子(Br)と該
塩素系酸化成分中の酸化性活性塩素原子(Cl)のモル
比が2/98〜75/25になるように用いる廃液の処
理方法である。
【0006】本発明において、無機臭素含有化合物は臭
素原子を含有する無機化合物であればいかなるものであ
ってもよいが、好ましくは、臭素又はブロム塩であり、
ブロム塩とは、水溶液において次亜臭素酸イオン、亜臭
素酸イオン、臭素酸イオン、臭化物イオン等を形成する
ものであり、さらに好ましくは、そのナトリウム塩又は
カリウム塩である。このような無機臭素含有化合物の具
体例としては次亜臭素酸ナトリウム、次亜臭素酸カリウ
ム、亜臭素酸ナトリウム、亜臭素酸カリウム、臭素酸ナ
トリウム、臭素酸カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリ
ウム、臭素等及びそれ等の混合物が挙げられ、混合物の
一例としては、臭素と水酸化ナトリウム又は水酸化カリ
ウム等のアルカリとを水溶液中で反応させて得られる前
記の次亜臭素酸イオン等各種イオンから成る混合成分等
を挙げることができる。
【0007】本発明における塩素系酸化成分とは、酸性
下にヨウ化カリウム水溶液からヨウ素を遊離させる酸化
性活性塩素含有成分を言い、好ましくは、塩素、次亜塩
素酸塩及び亜塩素酸塩(特に好ましくは、そのナトリウ
ム塩又はカリウム塩である)等が挙げられる。具体的な
化合物の例としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素
酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、サラシ粉、亜塩素
酸ナトリウム、塩素等及びそれ等の混合物が挙げられ、
混合物の一例としては、水酸化ナトリウム水溶液に塩素
を吸収させた溶液中に生成する成分や食塩水、海水等を
電気分解することによって生成する成分等が挙げられ
る。
【0008】本発明の組成物においては、無機臭素含有
化合物及び塩素系酸化成分は、該臭素含有化合物中の臭
素原子(Br)と該塩素系酸化成分中の酸化性活性塩素
原子(Cl)が2/98〜75/25の比率(モル比)
となるように配合することが必要である。ここで、酸化
性活性塩素、すなわち有効塩素のモル量とは、酸性下、
該塩素系酸化成分によるヨウ化カリウム水溶液からの遊
離ヨウ素をチオ硫酸ナトリウム標準溶液で滴定し、滴定
に要したチオ硫酸ナトリウムのモル数の2分の1として
定義される量である。また、無機臭素含有化合物中の臭
素原子のモル数とは、該無機臭素含有化合物中に含有さ
れる全Brのモル数である。上記2成分の比率が上記範
囲以外である場合には、相乗的脱色作用が発揮されず、
廃液の処理効果、特に着色廃液の脱色効果が充分ではな
い。上記2成分の好ましい配合比率(Br/Cl)は3
/97〜63/37(モル比)、特に好ましくは7/9
3〜63/37(モル比)である。
【0010】本発明の組成物としては、前記の無機臭素
含有化合物と塩素系酸化成分に加え、水難溶性の水酸化
物を生成する金属塩及び又は水難溶性の塩を生成するカ
ルシウム塩(以下、凝集成分という)を更に含むもので
あってもよい。無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分の
相乗的脱色効果に加え、凝集成分との相乗的脱色効果が
発揮されるからである。
【0011】前記の金属塩としては、いわゆる水処理用
の凝集剤として一般に知られているアルミニウム塩や鉄
塩(具体例としては硫酸アルミニウム,ポリ塩化アルミ
ニウム,アルミン酸ナトリウム,硫酸第1鉄,硫酸第2
鉄,塩化第1鉄,塩化第2鉄等が挙げられる)の他、マ
グネシウム塩も高pH域にて水難溶性の水酸化物を生成
するので使用し得る。マグネシウム塩の具体例として
は、硫酸マグネシウム,塩化マグネシウム等を挙げるこ
とができる。尚、アルミニウム塩、鉄塩、マグネシウム
塩をそれぞれ単用してもよいが、もちろん併用してもよ
い。
【0012】一方、前記のカルシウム塩としては、廃液
中の陰イオン、例えば、硫酸イオンや炭酸イオンと反応
して水難溶性の塩、例えば硫酸カルシウムや炭酸カルシ
ウムを生成するものであればいかなるものであってもよ
いが、pH調整剤としての使用を兼ねるなら、水酸化カ
ルシウムや炭酸カルシウムが好ましく、廃液処理剤とし
てのハンドリング面に重きをおく場合には塩化カルシウ
ムが好ましい。尚、カルシウム塩は、単用してもよい
が、前記の金属塩と併用してもよい。
【0013】脱色効果の点から、前記の金属塩中の金属
及び又はカルシウム塩中のカルシウムとBrのモル比
は、それぞれ1/2〜10/1、好ましくは1/1〜7
/1、特に好ましくは1/1〜6/1 である。
【0014】本発明において、無機臭素含有化合物と塩
素系酸化成分及びこれらを含む廃液処理用組成物並びに
これらに加え凝集成分を更に含む廃液処理用組成物の形
態についての制限はなく、固形、水溶液、スラリー状等
の形態を選択することができる。
【0015】また、本発明の廃液の処理方法において
は、前記の無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分を、B
rとClのモル比が2/98〜75/25、好ましく
は、3/97〜63/37、さらに好ましくは、7/9
3〜63/37となるように用いる。更に、本発明の廃
液の処理方法において、前記の無機臭素含有化合物と塩
素系酸化成分に加え、凝集成分を用いる場合には、該金
属塩中の金属及び又はカルシウム塩中のカルシウムと該
無機臭素含有化合物中の臭素原子(Br)とのモル比
が、それぞれ1/2〜10/1になるように用いる。
【0016】有効成分としての無機臭素含有化合物及び
塩素系酸化成分、更には凝集成分の廃液中の含有量又は
濃度も、適宜選択することができる。更に配合処理の方
法については、無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分、
更には凝集成分を含む固形状、水溶液状、スラリー状等
の廃液処理用組成物を着色廃液中に撹拌下に投入すれば
よく、処理直前に無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分
更には凝集成分を混合した後同時投入する方法、又は逐
次投入する方法等を選択することができる。更にまた、
着色廃液に対する廃液処理用組成物の使用量、処理温
度、pH、更には凝集成分の配合種は、該廃液の廃液中の
着色成分及び共存物質の種類と濃度(着色度)等の廃液
特性、所望の処理後透過率又は着色度、経済性等に応じ
て適宜選択すればよいが、廃液処理用組成物の使用量
は、無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分の合計量で、
0.5ミリモル〜1モル/リットル廃液、好ましくは、
1ミリモル〜700ミリモル/リットル廃液、更に好ま
しくは、2ミリモル〜500ミリモル/リットル廃液
(凝集成分を更に用いる場合には、使用する凝集成分そ
れぞれを、処理すべき廃液に対し50ppm 〜1500pp
m 、好ましくは100ppm〜1200ppm 、更に好まし
くは100ppm 〜1050ppm )とすることができ、廃
液のpHは2〜13、好ましくは4〜12、更に好ましく
は7〜12の範囲で処理することができる。処理温度に
ついては0〜100℃、好ましくは、10〜60℃の条
件を選択することができ、逆に難脱色性の廃液に対して
は、脱色性を高めるために60〜100℃の高温条件を
選択することも可能である。
【0017】又、必要な場合(これから新たに廃液処理
設備を設置する場合はもちろんのこと、既に何らかの廃
液処理設備を有する場合等を含む)には、本発明の処理
方法による処理に先立ち又は処理の後で、アルミニウム
塩、第二鉄塩、マグネシウム塩等の無機凝集剤及び高分
子凝集剤等を用いる凝集処理(凝集沈殿法や凝集浮上
法)、ハイドロサルファイト,チオ硫酸ナトリウム等を
用いる還元処理、活性汚泥法に代表される生物処理、ろ
過処理、活性炭吸着処理、オゾン酸化処理、限外ろ過膜
や逆浸透膜を用いた膜分離法(この方法を前処理として
用いる場合には、該膜の濃縮側の液に本発明の処理方法
を用いる)、エアレーション等を行ってもよい。要は、
望まれる最終処理レベルを踏まえた廃液処理システム
(スラッジ処理を含む)全体の経済性や操作性を考慮
し、適宜既存の水処理単位操作を組み合わせれば良いの
である。
【0018】本発明が適用できる廃液としては、染料製
造廃液、染色廃液、顔料廃液、糖蜜廃液、パルプ蒸解廃
液、有機合成反応廃液、畜産廃液等が挙げられる。特
に、染料製造廃液や染色廃液に対しては直接染料、酸性
染料、塩基性(カチオン)染料、硫化染料、ナフトール
染料、分散染料、反応性染料、蛍光染料、建染染料(ス
レン系)等各種の染料を含有する廃液に対して効果的に
適用できる。
【0019】本発明の上記脱色処理により、着色廃液は
3分〜10時間後、通常5分〜1時間後に透過率60〜
80%又はそれ以上、着色度(定義は、実施例8に記
載)を基準とした脱色率(1−処理水の着色度/原廃液
の着色度)約80%又はそれ以上にまで脱色することが
可能である。
【0020】
【作用】本発明においては、廃液を特定比率の無機臭素
含有化合物と塩素系酸化成分で配合処理することによ
り、相乗的作用が発揮されるため、該廃液を効果的に脱
色することが可能である。更に前記の無機臭素含有化合
物と塩素系酸化成分に加え、凝集成分を含む配合処理で
は、更なる相乗効果が発揮される。
【0021】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために、以下
に実施例(比較例の番号は、対応する実施例の番号を付
した)を記載するが、本発明の要旨はこれ等実施例の記
載によって何ら限定されるものではない。尚、実施例に
示される百分率及び部は、特に断りのない限り重量基準
によるものである。
【0022】実施例1−1〜1−6 三菱化成(株)製反応性染料Diamira Scar
let S−2GN:2部、硫酸ナトリウム:50部、
炭酸ナトリウム:20部をイオン交換水に溶解して1,
000部とし、70℃で30分間加熱処理した水溶液を
着色廃液(染色工場の漬染工程における廃液を模擬した
もの。以下、特に断りのない限り、染料を使用した着色
廃液は、同工程における廃液−漬染工程廃液−の模擬廃
液の意である)として準備した。塩素系酸化成分として
は、徳山曹達(株)製次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素
濃度:11.7%、有効塩素モル量:1.90モル/リ
ットル)を準備し、無機臭素含有化合物(ブロム塩)を
含むものとしては、48%水酸化ナトリウム:26部、
臭素:24部、水:360部を混合し、臭素酸イオン:
0.01モル/リットル、次亜臭素酸イオン:0.40
モル/リットル、臭化物イオン:0.32モル/リット
ル (H. Hashmi ら、Analytical Chemistry Vol.35, No.
7,908-909 (1963) の分析法による)を含有する水溶液
を調製した。前記の通り準備した着色廃液(濃赤色)
に、25℃で撹拌下に、上記無機臭素含有化合物処理剤
と塩素系酸化成分処理剤を各種比率で添加して脱色処理
を行い、それに伴う脱色状態について、該染料の吸収極
大波長(507nm)における透過率を日立製作所(株)
製カラーアナライザー301型(以後、透過率の測定に
は、本機器を使用した)により、脱色処理開始30分後
に測定し評価した。着色廃液に対するブロム塩と次亜塩
素酸塩の合計添加量を50ミリモル/リットル廃液で一
定とし、その配合比率が異なる処理条件のもとでの脱色
状態は、表1に示す通りである。この表には、本発明に
おける特定の比率で配合処理することによる、優れた脱
色効果が示されている。
【0023】比較例1−1〜1−4 着色廃液、無機臭素含有化合物処理剤、塩素系酸化成分
処理剤として実施例1と同一のものを使用し、処理温
度、廃液1リットルに対する無機臭素含有化合物と塩素
系酸化成分の合計添加量も実施例1と同一であり、無機
臭素含有化合物と塩素系酸化成分との配合比率のみが本
発明の範囲とは異なる条件で処理した結果は、表1から
明らかなように相乗的脱色効果が発揮されず、着色廃液
が効果的に脱色されないことがわかる。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2−1〜2−6 日本化薬(株)製直接染料Kayacelon Red
C−HB:1部、硫酸ナトリウム:20部をイオン交
換水に溶解して1,000部とし、95℃で30分間加
熱処理した水溶液を着色廃液として準備した。この着色
廃液(濃赤色)に、実施例1と同一の温度で撹拌下に実
施例1と同一のブロム塩と次亜塩素酸塩を、該廃液1リ
ットルに対して合計52.6ミリモル添加して脱色処理
を行い、それに伴う脱色状態について、該染料の吸収極
大波長(546nm)における透過率を脱色処理開始30
分後に測定し評価した。脱色状態は表2に示す通りであ
り、この表には、本発明における特定の比率で配合処理
することによる、優れた脱色効果が示されている。
【0026】比較例2−1〜2〜4 廃液処理剤の配合比率が本発明の比率と異なる点を除い
て、他は全て実施例2と同一の条件で処理した結果は、
表2から明らかなように相乗的脱色効果が発揮されず、
着色廃液が効果的に脱色されないことがわかる。
【0027】
【表2】
【0028】実施例3 日本化薬(株)製酸性染料Kayaku Acid O
range RO:0.25部、酢酸:3部をイオン交
換水に溶解して1,000部とし、30分間煮沸したも
のを着色廃液として準備した。この着色廃液(濃赤色)
1リットルに、実施例1と同一の無機臭素含有化合物処
理剤と塩素系酸化成分処理剤(ブロム塩:1.1ミリモ
ル、次亜塩素酸塩:4.7ミリモル、配合比率:19/
81)を実施例1と同一の温度、撹拌下に添加して脱色
処理を行い、それに伴う脱色状態について、該染料の吸
収極大波長(494nm)における透過率を、脱色処理開
始30分後に測定し評価した結果、透過率は80%以上
(淡黄色)となり、本発明における特定の比率で配合処
理することによる優れた脱色効果が確認された。
【0029】比較例3−1〜3−2 廃液処理剤が、実施例1の無機臭素含有化合物処理剤単
独使用[比較例3−1]又は実施例1の塩素系酸化成分
処理剤単独使用[比較例3−2]である点を除いて、他
は全て実施例3と同一の条件(廃液処理剤の添加量は、
実施例3のブロム塩と次亜塩素酸塩の合計量である5.
8ミリモル/リットル廃液とした)で処理した結果、い
ずれも30分後の透過率は0であり、本発明の配合処理
によらなければ着色廃液が効果的に脱色されないことが
確認された。
【0030】実施例4−1〜4−5 塩素系酸化成分処理剤として次亜塩素酸ナトリウムに代
え、次亜塩素酸カルシウム(ナカライテスク(株)製)
の水溶液(有効塩素モル量:0.35モル/リット
ル)、又は亜塩素酸ナトリウム(ナカライテスク(株)
製)の水溶液(有効塩素モル量:0.47モル/リット
ル)を使用したこと以外は実施例1−4と全く同一の条
件で処理した結果(それぞれ実施例4−1及び実施例4
−2)、更に無機臭素含有化合物(ブロム塩)を含むも
のとして実施例1の水溶液に代え、次亜臭素酸ナトリウ
ム水溶液(関東化学(株)製、次亜臭素酸ナトリウム:
9%)、又は亜臭素酸ナトリウム(日本シリカ工業
(株)製、亜臭素酸ナトリウム:62.9%、臭素酸ナ
トリウム:6.7%、臭化ナトリウム:23%を含む混
合結晶)の5%水溶液、又は臭化ナトリウムの5%水溶
液を使用したこと以外は実施例1−4と全く同一の条件
で処理した結果(それぞれ実施例4−3、実施例4−4
及び実施例4−5)はいずれの場合も、該着色廃液の吸
収極大波長(507nm)における透過率は、脱色処理開
始30分以内に80%以上(淡黄色)となり、本発明の
方法による優れた脱色効果が確認された。
【0031】比較例4−1〜4−5 廃液処理剤として、実施例4の次亜塩素酸カルシウム水
溶液、亜塩素酸ナトリウム水溶液、次亜臭素酸ナトリウ
ム水溶液、亜臭素酸ナトリウム水溶液、臭化ナトリウム
水溶液をそれぞれ単独に、着色廃液1リットルに対して
50ミリモル添加した点を除いて、他は全て実施例1と
同一の条件で処理した結果、処理開始30分後の透過率
はいずれの場合も0であって、本発明の配合処理法とは
異なる方法によっては、着色廃液の脱色は不可能である
ことが確認された。
【0032】実施例5−1〜5−2 着色廃液として糖蜜廃液(COD:21,000ppm 、
pH:4.6、黒褐色、実施例5−1)及び有機合成反応
廃液(COD:7,500ppm 、pH12.3、黒褐色、
実施例5−2)を準備し、無機臭素含有化合物処理剤と
塩素系酸化成分処理剤は実施例1と同一のもので、着色
廃液1リットルに対する添加量は、それぞれ97ミリモ
ルと379ミリモル(合計添加量:476ミリモル/リ
ットル廃液、ブロム塩/次亜塩素酸塩配合比率:20:
80)として、脱色処理を行った結果、処理開始30分
後の透過率(500nm)は、いずれも80%以上(淡黄
色)となり、本発明の方法による優れた脱色効果が確認
された。
【0033】実施例6 実施例1の塩素系酸化成分処理剤(次亜塩素酸ナトリウ
ム水溶液)と無機臭素含有化合物処理剤(ブロム塩水溶
液)を、脱色処理に先立って予め混合し配合液とした
後、該配合液を着色廃液に投入する処理方法を採用した
点を除いて、他は全て実施例1−4と同一の条件で処理
した結果、処理開始30分後の透過率は80%以上(淡
黄色)となり、本発明の組成物による優れた脱色効果が
確認された。
【0034】実施例7−1〜7−3 廃液処理用組成物として、固形の次亜塩素酸カルシウム
(実施例4のナカライテスク(株)製)と固形の亜臭素
酸ナトリウム(実施例4の日本シリカ工業(株)製)を
実施例4−1の配合比率で混合した粉体組成物[実施例
7−1]、及び該混合粉体組成物を圧縮成形により錠剤
に製剤化した組成物[実施例7−2]、更に次亜塩素酸
ナトリウム(水溶液、実施例1の徳山曹達(株)製):
100部と前記固形の亜臭素酸ナトリウム:30部を混
合して得られる懸濁状(スラリー状)の組成物(ブロム
塩/次亜塩素酸塩配合比率:54/46)[実施例7−
3]を使用した点をのぞいて、他は全て実施例4と同一
の条件で処理した結果、いずれの場合も処理開始30分
後の透過率は80%以上(淡黄色)となり、本発明の組
成物による優れた脱色効果が確認された。
【0035】実施例8−1〜8−2 着色廃液として染色工場の捺染工程からの廃水(以下、
捺染工程廃水という)を模擬し、染料(三菱化成(株)
製反応性染料Diamira ScarletS−2G
N)200ppm 、アルギン酸ナトリウム:200ppm 、
炭酸水素ナトリウム:150ppm 、ヘキサメタリン酸ナ
トリウム:30ppm 、メタニトロベンゼンスルホン酸ナ
トリウム:150ppm 、ノニオン系界面活性剤:300
ppm をそれぞれ含有する水溶液(pH:11.0,着色度
(下記の測定法による):3,300倍。以下、原廃液
という)を準備した。塩素系酸化成分処理剤としては、
徳山曹達(株)製次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃
度:12.0%,有効塩素モル量:1.94モル/リッ
トル)を、無機臭素含有化合物処理剤としては、実施例
1のブロム塩水溶液をそれぞれ使用することとし、その
他に本発明の配合処理において凝集機能を新たに付与す
るための第3成分(凝集成分)として、ナカライテスク
(株)製硫酸アルミニウム(Al2(SO4)3・13〜14H2O)を準
備した。先ず前記の通り準備した着色廃液1リットル
に、25℃で撹拌下に、次亜塩素酸塩とブロム塩とをそ
れぞれ3.88ミリモル,1.46ミリモル添加(合計
添加量:5.34ミリモル/リットル廃液、配合比率:
27/73)し、撹拌を30分間継続した後、該廃液を
中和し、下記の方法にて着色度を測定した結果、原廃液
で3,300倍であった着色度は、200倍にまで低下
した[実施例8−1]。第2の処理方法として、原廃液
1リットルに、25℃で撹拌下に、次亜塩素酸塩とブロ
ム塩をそれぞれ1.94ミリモル,0.73ミリモル
(合計添加量:2.67ミリモル/リットル廃液)と、
実施例8−1の半量にまで減じて添加する一方で、凝集
成分である硫酸アルミニウムをAl2(SO4)3・13〜14H2O と
して350ppm添加し(以下の記載において、硫酸アル
ミニウムの添加量はすべて同じ基準によっている)、次
いで廃液pHを7に調整した後10分間撹拌を継続し、生
成した懸濁物をろ別した。かくして得られたろ液の着色
度は、60倍であった[実施例8−2]。これらの結果
は、捺染工程廃水の脱色処理剤として、本発明の廃液処
理組成物が優れた効果を発揮することを例示すると共
に、凝集成分を併用することにより脱色効果が一段と向
上することを示している。
【0036】尚、着色度は、次の要領にて測定したもの
である(以下、同様)。 1.工場排水試験方法(JIS K 0102-1993)9.(1)(a)に定
める透視度計を2本用意する。 2.一方には、目盛り30cmの位置まで蒸留水を満た
して基準とし、他方には、被検着色水(検水)を蒸留水
で希釈した希釈検水を目盛り30cmの位置まで入れ
る。 3.2本の透視度計を並べ、白色蛍光灯の光が両者に等
しく当たる状態にて、両者の着色の度合を透視度計の上
部から目視観察する。希釈を繰り返し、基準と希釈検水
との着色の度合に区別ができなくなった時の希釈倍率を
着色度とする。
【0037】比較例8−1〜8−3 廃液処理剤として次亜塩素酸ナトリウムのみを用いた
点、及びその添加量を5.34ミリモル/リットル廃液
(廃液処理剤の添加量としては実施例8−1の合計添加
量と同じであるが、配合比率が0/100である点にお
いて異なる)とした点を除いて、他は実施例8−1と同
一の条件で脱色処理を行ったところ処理後の廃液(以
下、処理水という)の着色度は、2,800倍であった
[比較例8−1]。更に、廃液処理剤として次亜塩素酸
ナトリウムと硫酸アルミニウムを用いた(添加量は、そ
れぞれ5.34ミリモル/リットル廃液、350ppm )
点[比較例8−2]、廃液処理剤として硫酸アルミニウ
ムのみを用いた(添加量は、350ppm )点[比較例8
−3]を除いて、他は実施例8−2と同一の条件で脱色
処理を行った結果では、処理水の着色度は、それぞれ
2,500倍、3,000倍であり、本発明の配合処理
によらなければ着色廃液はほとんど脱色されないことが
確認された。
【0038】実施例9−1〜9−3 凝集成分を硫酸アルミニウムから硫酸第一鉄(FeSO4・7
H2O)[実施例9−1], 塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)
[実施例9−2],塩化マグネシウム(MgCl2・6H2O)
[実施例9−3]にそれぞれ代える(原廃液への添加量
は、それぞれ200ppm as FeSO4[実施例9−1], 2
00ppm as CaCl2[実施例9−2], 200ppm as MgC
l2[実施例9−3]である)と共に操作pHを12とし、
生成した懸濁物をろ別したろ液を中和した点を除いて、
他は実施例8−2と同一の条件で脱色処理を行った。処
理水の着色度は、それぞれ120倍,80倍,60倍ま
で低下した。以上の結果は、本発明の配合処理におい
て、水難溶性の水酸化物を生成し得る金属塩が凝集成分
として効果的に使用し得ることを示している。
【0039】実施例10−1〜10−2 凝集成分を硫酸アルミニウム単用から硫酸アルミニウ
ムと塩化カルシウムとの併用[実施例10−1],ポ
リ塩化アルミニウム(PAC 。ダイソウ(株)製)と塩化
マグネシウムとの併用[実施例10−2]にそれぞれ代
えた点(原廃液への添加量は、それぞれ170ppm ,1
00ppm as CaCl2[実施例10−1]、100ppm as A
l2O3, 100ppm as MgCl2[実施例10−2]である)
を除いて、他は実施例8−2と同一の条件で脱色処理を
行った。処理水の着色度は、それぞれ60倍,70倍ま
で低下したことから、本発明の配合処理においては、各
種の凝集成分を併用することによっても、それらの機能
を損なうことなく優れた脱色効果が得られることが確認
されると共に、凝集成分としてカルシウム塩やマグネシ
ウム塩を用いる場合においても、アルミ系凝集剤と併用
することによって操作pHを下げ得ることが見出された。
【0040】実施例11−1〜11−3 無機臭素含有化合物と凝集成分とを予め共存せしめた処
理剤、すなわち実施例1のブロム塩水溶液:100部に
実施例8の硫酸アルミニウム:50部を溶解した溶液を
廃液処理剤として用いた点(原廃液1リットルへの添加
量は、ブロム塩が0.54ミリモル、硫酸アルミニウム
が380ppm )を除いて、他は実施例8−2と同一の条
件で脱色処理を行った結果、着色度:80倍の処理水が
得られた[実施例11−1]。又、同様の処理剤として
臭化ナトリウム:5部と塩化マグネシウム:50部を
水:100部に溶解した溶液を用いた点(原廃液1リッ
トルへの添加量は、ブロム塩が0.36ミリモル、塩化
マグネシウムが180ppm asMgCl2)を除いて、他は実
施例9と同一の条件で脱色処理を行った場合の処理水の
着色度は90倍であった[実施例11−2]。更に実施
例11−1の水溶液に代えて、その溶質と同一の成分を
水溶液の場合と同量となるように粉体添加した点を除い
て、他は実施例11−2と同一の条件で脱色処理を行っ
たところ、処理水の着色度は100倍以下となった[実
施例11−3]。これらの結果から、本発明の配合処理
においては、原廃液への廃液処理剤の添加が、個別であ
れ、いずれかを予め共存せしめたものであれ、更には水
溶液状であれ、粉体であれ、脱色性能上問題がなく、適
宜選択し得ることが確認された。
【0041】実施例12−1〜12−2 着色廃液として、染色工場(捺染工程を有する)からの
総合廃水(糊抜・精練工程からの廃水等をも含む廃水の
意)を模擬すべく、実施例8で準備した着色廃液にクラ
レ(株)製ポリビニルアルコ−ル(クラレポバ−ルC
S)を500ppm添加した点、及び各廃液処理剤の原
廃液への添加量を増加せしめた点(原廃液1リットルに
対し、実施例12−1では、次亜塩素酸塩:9.70ミ
リモル,ブロム塩:3.65ミリモルとし、実施例12
−2では、次亜塩素酸塩:3.88ミリモル,ブロム
塩:1.46ミリモル,硫酸アルミニウム:700pp
m )を除いて、他は実施例8と同一の条件(実施例1
2−1では、実施例8−1と、実施例12−2では、実
施例8−2と同一条件)で脱色処理を行った結果、着色
度がそれぞれ360倍[実施例12−1],250倍
[実施例12−2]の処理水が得られた。このことから
本発明の配合処理によれば、糊料等の有機成分が共存し
た廃液に対しても優れた脱色効果が発揮され、更に、実
施例8と同様、凝集成分の併用により、脱色効果は一段
と向上することが確認された。
【0042】実施例13−1〜13−3 着色廃液として、実施例1で準備した模擬廃液(着色
度:10,000倍以上)を用いた点、各廃液処理剤の
原廃液への添加量を、原廃液1リットルに対し、実施例
13−1では、次亜塩素酸塩:19.4ミリモル,ブロ
ム塩:7.30ミリモルとし、実施例13−2では、次
亜塩素酸塩:5.82ミリモル,ブロム塩:2.19ミ
リモル,硫酸アルミニウム:1050ppm とした点及び
実施例13−3では、次亜塩素酸塩:5.82ミリモ
ル,ブロム塩:2.19ミリモル,塩化カルシウム:6
00ppm as CaCl2とした点を除いて、他は実施例8と同
一の条件(実施例13−1では、実施例8−1と、実施
例13−2又は実施例13−3では、実施例8−2と同
一条件)で脱色処理を行った結果、着色度がそれぞれ3
20倍[実施例13−1],250倍[実施例13−
2],220倍[実施例13−3]の処理水が得られ
た。以上の結果から、漬染工程の高着色度廃液において
も、次亜塩素酸塩とブロム塩に加え凝集成分を併用する
ことによると脱色性能の向上が認められ、又排水中に溶
解している無機陰イオン、例えば硫酸イオンや炭酸イオ
ンと反応して水難溶性の塩を生成するカルシウム塩も、
凝集成分として効果的に使用し得ることが見出された。
【0043】比較例13−1〜13−3 廃液処理剤として次亜塩素酸ナトリウムのみを用いた
点、及びその添加量を26.7ミリモル/リットル廃液
とした点(実施例13−1における次亜塩素酸塩とブロ
ム塩の合計添加量と等しくなるように定めた)を除い
て、他は実施例13−1と同一の条件で脱色処理を行っ
た。又、原廃液1リットルに対して次亜塩素酸ナトリウ
ム:8.01ミリモル,硫酸アルミニウム:1050pp
m を添加したこと[比較例13−2]、更に硫酸アルミ
ニウムのみを1050ppm 添加したこと[比較例13−
3]を除いて、他は実施例13−2と同一の条件で脱色
処理を行った。その結果、処理水の着色度は、いずれも
7,000倍以上であり、本発明の配合処理によらなけ
れば着色廃液がほとんど脱色されないことが確認され
た。
【0044】実施例14−1〜14〜4 着色廃液として、模擬廃液に代えて二種類の実廃水、す
なわち捺染工程廃水(捺染工程からの着色廃水であっ
て、染料,顔料,アルギン酸ナトリウム,炭酸水素ナト
リウム,尿素,乳化剤,ミネラルタ−ペン等を含んでい
る。COD:170ppm,pH:11.3。[実施例14−
1〜14−2])及び総合廃水(捺染工程廃水にポリビ
ニルアルコ−ル,澱粉,CMC,油脂,繊維屑等を成分
とする糊抜・精練工程からの廃水が混入した実廃水。C
OD:740ppm,pH:11.0。[実施例14−3〜1
4−4])を用いた点、及び各廃液処理剤の添加量を廃
水1リットルに対し、実施例14−1では、次亜塩素酸
塩:5.82ミリモル,ブロム塩:2.19ミリモルと
し、実施例14−3では、次亜塩素酸塩:9.70ミリ
モル,ブロム塩:3.65ミリモル,実施例14−4で
は、次亜塩素酸塩:3.88ミリモル,ブロム塩:1.
46ミリモル,硫酸アルミニウム:700ppmとした点
を除いて、他は実施例8と同一の条件(実施例14−1
及び14−3では、実施例8−1と、実施例14−2及
び14−4では、実施例8−2と同一条件)で脱色処理
を行った。その結果は表3に示す通り、本発明の配合処
理によれば、着色廃水の種類を問わず極めて効果的な脱
色が行われるばかりか、透視度,COD,残留塩素(測
定は、それぞれJIS K 0102の9, 17 及び33.1に準拠)の
ごとき他の項目においても大幅に水質改善されているこ
とがわかる。また本発明の配合処理において、凝集成分
を併用することにより、より一層の脱色効果が発現し、
しかも透視度,COD,残留塩素等他の項目についても
優れた水質改善効果を発揮することが認められた。
【0045】
【表3】
【0046】比較例14−1〜14−6 実施例14の捺染工程廃水又は総合廃水を処理するに当
たり、廃液処理剤として次亜塩素酸ナトリウムのみを用
いた点、及びその添加量を実施例14−1(捺染工程廃
水)又は実施例14−3(総合廃水)における次亜塩素
酸塩とブロム塩との合計量と等しくなるように定めた
(以下の例における添加量も同じ基準で定めた)、すな
わち廃水1リットルに対し、それぞれ8.01ミリモル
[比較例14−1。捺染工程廃水],13.4ミリモル
[比較例14−3。総合廃水]とした点を除いて、他は
実施例14−1と同一の条件で脱色処理を行った。又、
廃液処理剤として次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アルミニ
ウムを併用し、その添加量を廃水1リットルに対し、捺
染工程廃水については、それぞれ2.67ミリモル,3
50ppm としたこと[比較例14−2]又は総合廃水に
ついては5.34ミリモル,700ppm としたこと[比
較例14−4]を除いて、他は実施例14−2と同一の
条件で脱色処理を行った。更に廃液処理剤として硫酸ア
ルミニウムのみを使用し、その添加量を廃水1リットル
に対し、捺染工程廃水については、350ppm としたこ
と[比較例14−5]又は総合廃水については700pp
m としたこと[比較例14−6]を除いて、他は実施例
14−2と同一の条件で脱色処理を行った。これらの結
果は、表3に示す通り、本発明の配合処理によらなけれ
ば着色廃液がほとんど脱色されず、しかも比較例14−
1〜14−4については処理水中の残留塩素が極めて高
濃度となることが確認された。
【0047】
【発明の効果】本発明においては、廃液を特定比率の無
機臭素含有化合物と塩素系酸化成分で処理することによ
り、相乗的作用が発揮され、着色廃液を効果的に脱色す
ることが可能である。前記の無機臭素含有化合物と塩素
系酸化成分に加え、凝集成分を更に含む本発明の配合処
理によれば、脱色効果は一段と向上する。特に、糊料等
の有機成分が共存した染色廃液において、その脱色効果
の向上が著しい。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機臭素含有化合物と、塩素系酸化成分
    を含み、該無機臭素含有化合物中の臭素原子(Br)と
    該塩素系酸化成分中の酸化性活性塩素原子(Cl)のモ
    ル比が2/98〜75/25であることを特徴とする廃
    液処理用組成物。
  2. 【請求項2】 無機臭素含有化合物が臭素(Br2)又は
    ブロム塩であり、塩素系酸化成分が塩素又は酸化性活性
    塩素含有化合物である請求項1記載の廃液処理用組成
    物。
  3. 【請求項3】 ブロム塩が、水溶液において次亜臭素酸
    イオン、亜臭素酸イオン、臭素酸イオン又は臭化物イオ
    ンを形成する無機塩であり、酸化性活性塩素含有化合物
    が、次亜塩素酸塩である請求項2記載の廃液処理用組成
    物。
  4. 【請求項4】 BrとClのモル比が3/97〜63/
    37である請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃液処
    理用組成物。
  5. 【請求項5】 BrとClのモル比が7/93〜63/
    37である請求項4記載の廃液処理用組成物。
  6. 【請求項6】 無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分に
    加え、水難溶性の水酸化物を生成する金属塩及び又は水
    難溶性の塩を生成するカルシウム塩を更に含む請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の廃液処理用組成物。
  7. 【請求項7】 金属塩が、硫酸アルミニウム,ポリ塩化
    アルミニウム,アルミン酸ナトリウム,硫酸第1鉄,硫
    酸第2鉄,塩化第1鉄,塩化第2鉄,硫酸マグネシウ
    ム,塩化マグネシウムから、カルシウム塩が水酸化カル
    シウム,塩化カルシウム,炭酸カルシウムから、それぞ
    れ選択される請求項6記載の廃液処理用組成物。
  8. 【請求項8】 金属塩中の金属及び又はカルシウム塩中
    のカルシウムとBrのモル比が、それぞれ1/2〜10
    /1である請求項7記載の廃液処理用組成物。
  9. 【請求項9】 無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分
    を、該無機臭素含有化合物中の臭素原子(Br)と該塩
    素系酸化成分中の酸化性活性塩素原子(Cl)のモル比
    が2/98〜75/25になるように用いることを特徴
    とする廃液の処理方法。
  10. 【請求項10】 無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分
    を、その合計量で、処理すべき廃液1リットルに対し、
    0.5ミリモル〜1モル用いる請求項9記載の処理方
    法。
  11. 【請求項11】 無機臭素含有化合物と塩素系酸化成分
    に加え、水難溶性の水酸化物を生成する金属塩及び又は
    水難溶性の塩を生成するカルシウム塩を、該金属塩中の
    金属及び又はカルシウム塩中のカルシウムと該無機臭素
    含有化合物中の臭素原子(Br)とのモル比が、それぞ
    れ1/2〜10/1になるように用いる請求項9又は1
    0記載の処理方法。
  12. 【請求項12】 水難溶性の水酸化物を生成する金属塩
    及び又は水難溶性の塩を生成するカルシウム塩を、処理
    すべき廃液1リットルに対し、50ppm 〜1500ppm
    用いる請求項11記載の処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007117784A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Denki Kagaku Kogyo Kk 着色廃水用処理材および着色廃水の処理方法
CN103508549A (zh) * 2012-09-03 2014-01-15 上海大学 使用氯复合药剂脱除城镇污水厂的高色度尾水的方法及其应用
WO2021149581A1 (ja) * 2020-01-23 2021-07-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 水浄化装置及び水浄化方法

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