JPH06198268A

JPH06198268A - 鉱滓、燃殻、汚泥を利用した床板材の製造法

Info

Publication number: JPH06198268A
Application number: JP2034963A
Authority: JP
Inventors: Takeo Kidai; 武雄木代
Original assignee: Mitsubishi Materials Trading Corp; Furukawa Sangyo Kaisha Ltd
Current assignee: Mitsubishi Materials Trading Corp; Furukawa Sangyo Kaisha Ltd
Priority date: 1990-02-14
Filing date: 1990-02-14
Publication date: 1994-07-19

Abstract

(57)【要約】電子出願以前の出願であるので要約・選択図及び出願人の識別番号は存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、鉱滓、燃殻、汚泥成分と熱可塑性廃棄プラスチックとを結合させて床板材を得ようとするとするものである。

（従来の技術）製鉄工程や鋳造工程で排出されるスラグ、鋳物砂等を含む鉱滓や、焼却場、下水処理場等で排出される燃殻成分、或いは同じく下水処理場から排出される汚泥成分は、廃棄物として無視できない大量のゴミとなり、従来は、これをそのまま埋立処理しているのが現状である。

しかし、この埋立処理は、鉱滓、燃殻、汚泥が地中に埋設してもなかなか固化しないから、埋立地の上に建物を建築しようとしても軟弱地盤となる難点がある。

加えて、現実問題として、この廃棄物は産業活動と消費生活の活発化と共に増加する一方であるのに対し、埋立用地の確保が難しく、特に都市部では地価の高騰と地域住民の反対で処理に難渋している現況である。

（発明の解決しようとする課題）本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、この鉱滓、燃殻、汚泥成分を用いて、熱溶融性のプラスチックとを結合させ、所定強度と寸法の床板材を得ようとするものである。

更に、その廃棄プラスチックを利用するのにあたり、排出量の多いポリエチレン、ポリスチレン及び塩化ビニール樹脂等を用いると共に、その混練の際、塩化ビニール樹脂から塩素ガス等の有害物質が発生しないよう工夫することにある。

（課題を解決するための手段）本発明は、鋳造工程で排出されるスラグ、鋳物砂等を含む鉱滓や、焼却場、下水処理場等で排出される燃殻成分、或いは同じく下水処理場から排出される汚泥成分を対象とする。この成分は、例えば、鉱滓を分析すると、表−１の如くである。

又、燃殻成分は、紙、わら、プラスチック等で灰分が１０％以上となる多量を示し、汚泥成分は、強熱減量が４５％を越え、その強熱残留物の主成分が、シリカ（Ｓｉ）、カルシウム（Ｃａ）、アルミニウム（Ａｌ）、鉄（Ｆｅ）で構成されている。この鉱滓、燃殻、汚泥成分は、一つだけ単独で用いても、又は二以上を混合させて良く、もし水分を含む場合は、そのままで混練りすると、蒸気爆発の虞があるのでこれを乾燥炉に投入する等して充分乾燥する。

次いで、この鉱滓等に対し、結合剤として熱溶融性プラスチックを用い、両者を混練機で混練りするが、これも廃棄物として処理されている廃棄プラスチックを利用する。そして、望ましくは廃棄量の多いポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂及び塩化ビニール樹脂等を選び、このうち塩化ビニール樹脂は塩素ガス等の有害ガスを発生し易いので注意を要する。

そこで先ず、有毒ガス発生の虞のないポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等のみを用い、該ポリエチレン樹脂と燃殻成分とを混練機に投入し、加圧しつつ一次の混練をする。すると、なんら潤滑剤の存在しない初期の混練りでは、両者間に摩擦熱が生じて、強い温度上昇が起こり、その熱でポリエチレン樹脂等が溶融して燃殻粉末と結合し、餅状に軟化して塊状となる。すると、一旦餅状化した塊は、強い摩擦熱の発生が抑えられて、時間の経過と共に全体の温度が降下する。この間ポリエチレン樹脂等は塩素基がないので、有毒ガス発生の虞はない。又、このとき、鉱滓、燃殻、汚泥が大半を占めるので、そのままでは混練りが困難であり、圧力を加えて互いを束縛させて結合を促す。

さて次に、二次の混練りに移り、塩化ビニール樹脂を投入し、再度鉱滓等を加えつつ、両者を混練りする。すると、前記と同様に摩擦熱を生じるが、このとき前記ポリエチレン樹脂等が溶融しているので、これが潤滑剤的働きを成し、強い摩擦を受けても滑り作用で擦過を避け、熱の発生を極小に抑えるように働く。この結果、熱分解温度以下で混練りすることができ、塩素ガスや塩化水素等有毒気体が発生するのを未然に防止することができる。

尚、樹脂との混練りの際、煙突や焼却炉の壁から得られるカーボンを含んだ煤塵を加えると、カーボンが凝集力を発揮し、混練物全体の物理的強度を上げるのに有利である。

次いで、この大きな塊りの混合物を押出機に投入し、後の成型機への投入に便宜なように塊を小単位に分け、更にロールに通して一旦板状にする。

この押出し及びロール通しの工程は、双工程とも行なうのが望ましいが、工程簡略化のためにいずれか一方を省略しても良い。

そうして、これを床板材の大きさと厚みを寸法取りした加圧型の成型機にかけて冷却固化させるが、この場合の成型機は上下に油圧プレスを配した強い加圧式の成型機を用いると、固化の過程で板材に収縮歪が生じた場合にもこれを修正でき、正確な規格寸法が出せる点で優れる。この冷却固化の済んだあと型から抜いて、所定強度と寸法の床板材を得る。

（作用）鉱滓、燃殻、汚泥成分を乾燥させ、これを一定の条件下でポリエチレン樹脂、塩化ビニール樹脂等の熱可塑性廃棄プラスチックと混練りすると、加圧下で両者が溶融結合し、これを加圧式の成型機で成型すると強く正確な寸法の床板材が形成され、又、その樹脂混練にポリエチレン樹脂等を投入して一次発熱をおこした後、その潤滑剤的働きで塩化ビニル樹脂の熱分解温度以下に抑えて、塩素ガス等の有害気体の発生を防ぐように作用する。

（発明の効果）上記構成に基づき、本発明は鉱滓、燃殻、汚泥等の廃棄物を、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニール樹脂等の熱可塑性プラスチッと混練させて床板材を得ることができ、処理に難渋していた廃棄物を利用できると共に経済的に安価で強く正確な寸法精度の床板材が得られるという優れた効果をもたらす。

又、その独自の製法で塩化ビニール樹脂を使用しても塩素ガス等の有毒気体を発生する虞がないので、厄介な塩化ビニール樹脂を処理できると共に、塩化ビニール樹脂のもつ耐候性や耐薬品性を生かすことができ、安定な成型品とすることができる。

（実施例）鉱滓３２Ｋｇを採集し、当該鉱滓を乾燥炉に投入して、約２時間加熱乾燥して、含有水分量を約８％まで降下させた。次いで、該鉱滓の半分の約１６Ｋｇと廃棄ポリエチレン樹脂３Ｋｇとを加圧式の混練機にかけて、約１０分間程度混練した。

すると、当初加温熱に加えて摩擦熱で温度上昇し、この結果、ポリエチレン樹脂が溶融し、加圧下で鉱滓成分と結合し、全体が餅状に軟質化した。次いで、塩化ビニール樹脂１．５Ｋｇと鉱滓８Ｋｇとを混練機に投入し、１０分程度混練し、更に前と同様に塩化ビニール樹脂１．５Ｋｇと鉱滓８Ｋｇとを投入し、即ち二度に分けて１０分づつ混練した。すると、ポリエチレン樹脂の潤滑剤的作用で摩擦熱の発生が低く抑えられ、塩素ガスを生じることなく全体を餅状に軟化させることができた。

次に、これを押出機にかけて、１３Ｋｇ程度の小単位に分けて、更にロールに通して厚み約７ｍｍの板材に伸ばした。更に床板の型を用意し、これを上下にピストンを配したプレス機で圧縮しつつ、冷却固化させ、５ｍｍ厚で５０×５０ｃｍの正確な寸法の強い床板材を得た。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明床板材の実施例を示す一部切開斜視図。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鉱滓、燃殻、汚泥の廃棄物成分の一つ又
は二以上とポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニール樹脂等の熱可塑性廃棄プラスチックの粉粒体とを混練機で加圧しつつ混練し、餅状に軟質化したら押出機及び／又はロールを経て、加圧式の成型機にかけて固化し、所定強度と寸法とすることを特徴とする床板材の製造法。
【請求項２】鉱滓、燃殻、汚泥の一つ又は二以上廃棄
物成分と廃棄ポリエチレン樹脂等の無害性の樹脂廃棄物とを混練し、次いで、そこに塩化ビニール樹脂と燃殻成分とを加えて、該無害性溶融樹脂の潤滑作用で摩擦熱の発生を塩化ビニール樹脂の熱分解温度以下に抑えて混練し、餅状に軟質化したら押出機及び／又はロールを経て、加圧式の成型機にかけて、所定強度と寸法の床板材を得ることを特徴とする燃殻成分による成型品の製造法。