JPH06197062A

JPH06197062A - 無線受信機

Info

Publication number: JPH06197062A
Application number: JP4358412A
Authority: JP
Inventors: Koichi Nojiri; 光一野尻
Original assignee: Casio Computer Co Ltd
Current assignee: Casio Computer Co Ltd
Priority date: 1992-12-24
Filing date: 1992-12-24
Publication date: 1994-07-15

Abstract

(57)【要約】【目的】指向性を少なくし、且つアンテナの利得を向
上させることのできる無線受信機を提供することを目的
とする。【構成】受信機本体内の側部に配設したループアンテ
ナ（主ＲＦループアンテナ）１と並列共振可能な位置に
補助ループアンテナＨを設けたので、アンテナ全体の利
得を向上させることができ、全方位に良好な感度を得る
ことができる。特に、補助ループアンテナＨに、液晶パ
ネル４の枠状の固定部材６を兼用するならば、部品点数
を増やすことなく小型化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ループアンテナを配
設したページャー等の無線受信機に係り、特にアンテナ
利得を向上させた無線受信機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、移動体通信システムの一種で
あるページングシステムにおけるページャー等の無線受
信機には、感度が良好で小型化が可能なループアンテナ
が適用されている。

【０００３】図５に従来機の構成例を示すと、本体ケー
ス内に、ＲＦループアンテナ１が高周波用プリント配線
基板（RF-PCB）２に対して直交するように立設され、増
幅回路（図示省略）に接続されている。また、ＲＦルー
プアンテナ１の近傍には受信したメッセージ等を表示す
る液晶パネル４が、ロジックプリント配線基板（ロジッ
クPCB）３上に枠状の固定部材５によって固設されてい
る。

【０００４】ところで、ページャーのような移動体通信
システムに適用される無線受信機は、文字通り携帯者が
持ち歩いて移動することが前提となるため、携帯者が様
々な方角を向いたり、或いは受信電波が微弱な場所に居
る場合でも、確実に送信電波を受信して作動する高感度
の受信能力が要求される。即ち、できるだけアンテナの
指向性が少なく、全方位に良好な受信能力を発揮するこ
とのできる無線受信機が求められている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
無線受信機は、例えば図２に示すＸＹ軸上において、Ｒ
Ｆループアンテナ１の長手方向をＹ軸方向に向けた場合
に、到来電波のＸ軸方向の磁界成分に対しては良好な受
信効率を示すが、反対にＹ軸方向の磁界成分に対する受
信効率は極度に低下してしまう傾向があった。そして、
この無線受信機を同一平面上で回転させた場合の指向特
性は、図６に示す通りであり、９０°および２７０°の
方向に対する磁界成分の取入れが不十分となって、アン
テナの利得が低下してしまい、受信感度が下がるという
問題があった。つまり、携帯者の向き、即ちアンテナの
向きによっては、ページャー等の無線受信機の受信感度
が低下して、送信されてきたメッセージ等を正常に報知
もしくは表示できなくなる事態を生じる虞があった。そ
こで、本発明は、上記課題を解決するためになされたも
ので、指向性を少なくし、且つアンテナ利得を向上させ
ることのできる無線受信機を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の手段は次の通り
である。即ち、上記課題を解決するために、本発明に係
る無線受信機は、受信機本体内にループアンテナを配設
した無線受信機において、前記ループアンテナと並列共
振可能な位置に補助ループアンテナを設けたことを特徴
としている。また、例えば、前記補助アンテナは、受信
機本体内に配設される液晶パネルの枠状固定部材で形成
することができる。

【０００７】

【作用】本発明に係る無線受信機によれば、受信機本体
内に配設したループアンテナのほかに、当該ループアン
テナと並列共振可能な位置に補助ループアンテナを設け
ているので、双方のアンテナの並列共振によって、補助
ループアンテナに発生した起電力をループアンテナに誘
起させるため指向性が少なくなり、アンテナ利得が向上
して、全方位的に良好な受信感度を得ることができるよ
うになる。特に、請求項２に示すように、補助ループア
ンテナとして、液晶パネルの枠状の固定部材を兼用する
ならば、補助ループアンテナの設置に伴って、部品点数
が増加することもなく、また補助ループアンテナの新た
な設置場所を設ける必要もないので、製造コスト等も低
く抑えることができ、無線受信機が大型化することもな
い。

【０００８】

【実施例】以下、図１乃至図４を参照して実施例を説明
する。ここに、図１は本発明に係る無線受信機のループ
アンテナの概略構造を示す斜視図であり、図２は各ルー
プアンテナの位置関係を示すＸＹ座標図であり、図３は
本発明に係る無線受信機のループアンテナに関わる回路
を示す回路図であり、図４は、本発明に係る無線受信機
の指向特性を示すグラフである。

【０００９】図１において、１は主ＲＦループアンテナ
であり、線状の導体を略１周回させて形成されている。
当該主ＲＦループアンテナ１は、ベーク板やエポキシ系
などの基板に厚さ約３５ミクロンの銅箔を接着した高周
波用のＲＦプリント配線基板（RF-PCB）２上の垂直方向
に立設されている。また、この主ＲＦループアンテナ１
の一端は、図３に示すようにコンデンサを介して接地さ
れている。

【００１０】図中３は、前記ＲＦプリント配線基板２の
上方に並設されるロジックプリント配線基板（ロジック
PCB）であり、当該ロジックプリント配線基板３上の前
記主ＲＦループアンテナ１の近傍位置に、その長手方向
に沿って液晶パネル４が配設されている。そして、その
液晶パネル４は、補助ループアンテナＨを兼ねる枠状の
固定部材６によって固定されている。この枠状の固定部
材６は、断面形状が逆Ｌ字形の導体で形成され、前記液
晶パネル４を略一周して取り囲むように成形されると共
に、その外周の或る１点で僅かな間隙をもって切欠６ａ
が形成されて、補助ループアンテナＨを構成するように
なっている。この補助ループアンテナＨの切欠６ａに
は、図１および図３に示すように、共振周波数調節用の
トリマーコンデンサ８が電気的に接続され、当該補助ル
ープアンテナＨとトリマーコンデンサ８を含んだ、ＬＣ
並列共振回路が構成されている。

【００１１】そして、主ＲＦループアンテナ１は、補助
ループアンテナＨを兼ねる固定部材６と、相互誘導を生
ずるように図３に図示の如くＬ結合されると共に、共振
周波数調節用のトリマーコンデンサとコンデンサとから
なるＲＦループアンテナ回路７を介して抵抗器とトラン
ジスタから成る高周波増幅器９に接続され、当該高周波
増幅器９は後段の復調回路（図示省略）に接続されてい
る。

【００１２】以上が、本発明に係る無線受信機の一実施
例の概略構成であり、次にその作用について説明する。
尚、本発明に係る無線受信機にあっては、補助ループア
ンテナＨが到来電波の磁界成分を受信した際に特徴的な
作用を示すので、ここでは、補助ループアンテナＨが送
信電波の磁界成分を受信した場合に限定して説明する。
先ず、補助ループアンテナＨに送信電波の磁界成分が入
射すると、磁界成分の強度に応じた起電力が誘起され
る。この起電力は、トリマーコンデンサ８による静電容
量Ｃと補助ループアンテナＨによるインダクタンスＬと
によって決定される時定数で共振する周波数ｆ1で最大
になり、その起電力は補助ループアンテナＨを介して主
ＲＦループアンテナ１に逆起電力Ｅ1を誘起する。ま
た、この時に、主ＲＦループアンテナ１には、ＲＦルー
プアンテナ回路７内の静電容量ＣとインダクタンスＬに
よって決定される時定数で共振する周波数ｆ0の起電力
Ｅ0も発生しているため、主ＲＦループアンテナ１全体
の起電力はＥ0＋Ｅ1となり、従来のようなＲＦループア
ンテナ単体の場合に比べて、アンテナ全体の利得が向上
したことになる。但し、起電力がＥ0＋Ｅ1のように加算
されるためには、周波数は”ｆ1＝ｆ0”の条件を満たさ
なければならないため、トリマーコンデンサ８およびＲ
Ｆループアンテナ回路７のトリマーコンデンサを適宜調
整し、回路定数を設計する必要がある。そして、前記起
電力の総和であるＥ0＋Ｅ1は、高周波増幅器９に入力さ
れて増幅されたのち、後段の復調回路に伝達される。

【００１３】このように、本発明に係る無線受信機によ
れば、従来のようにループアンテナをＲＦプリント配線
基板２上の垂直方向に一つだけ立設したものに比して、
アンテナの利得を向上させて、受信感度を高めることが
可能となる。しかも、この無線受信機を同一平面で回転
させて指向特性を測定すると、概ね図４のようになり、
全方位に対して良好な感度を示し（即ち、理想的な無指
向性に近い特性をもつ）、従来のように特定の方向（例
えば、９０°方向や２７０°方向）で受信感度が極度に
低下するということがないので、無線受信機を携帯する
者がいずれの方角を向いていても、確実に送信電波を受
信して、メッセージ等を液晶パネル４に表示することが
できる。さらに、本実施例では補助ループアンテナＨと
して、液晶パネル４の枠状の固定部材６を兼用している
ので、新たに補助ループアンテナを構成する部材を追加
する必要もなく、また新たな設置場所も必要としないた
め、小型化が要求されるページャー等に最適である。
尚、この無線受信機が図６に示すような指向特性を有す
るのは、図２に示す配置例によるならば、補助ループア
ンテナＨがＹ軸方向の磁界成分を主に受信し、主ＲＦル
ープアンテナ１がＸ軸方向の磁界成分を主に受信する役
割を果たすためである。

【００１４】本実施例では、液晶パネル４に受信したメ
ッセージ等を表示する構成の無線受信機について説明し
たが、これに限定されるものではなく、受信の有無を音
声で知らせるタイプのポケットベル等にも適用できる。
但し、本実施例の液晶パネルの固定部材に相当する部材
に補助ループアンテナの機能を持たせるか、或いは別途
補助ループアンテナを配設する必要があるのは勿論であ
る。また、本実施例では、補助ループアンテナを一つ設
ける場合について説明したが、主ＲＦループアンテナと
並列共振が可能であるならば、二つ以上の補助ループア
ンテナを設けても良い。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る無線受
信機によれば、アンテナの利得を向上させることがで
き、しかも全方位に良好な感度を得ることができるの
で、無線受信機を携帯する者がどの方角を向いていて
も、送信電波を確実に受信することができるという大き
な効果がある。特に、補助ループアンテナとして、液晶
パネルの枠状の固定部材を兼用するならば、部品点数を
増やす必要がなく、また、新たに補助ループアンテナの
設置場所を設ける必要もないので、製造コストを抑えし
かも無線受信機の小型化に資するという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る無線受信機の要部の概
略構成を示す斜視図である。

【図２】本発明の一実施例に係る無線受信機の各ループ
アンテナの位置関係を示すＸＹ座標図である。

【図３】本発明の一実施例に係る無線受信機のループア
ンテナに関わる回路を示す回路図である。

【図４】本発明の一実施例に係る無線受信機の指向特性
を示すグラフである。

【図５】従来の無線受信機の要部の概略構成を示す斜視
図である。

【図６】従来の無線受信機の指向特性を示すグラフであ
る。

【符号の説明】

１主ＲＦループアンテナ（ループアンテナ）２高周波用のプリント配線基板（RF-PCB) ３ロジックプリント配線基板（ロジックPCB）４液晶パネル５枠状固定部材６枠状固定部材（補助ループアンテナＨ）７ループアンテナ回路８トリマーコンデンサ９高周波増幅器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】受信機本体内にループアンテナを配設した
無線受信機において、前記ループアンテナと並列共振可能な位置に補助ループ
アンテナを設けたことを特徴とする無線受信機。
【請求項２】前記補助ループアンテナが、受信機本体内
に配設される液晶パネルの枠状固定部材で形成されたこ
とを特徴とする前記請求項１に記載の無線受信機。