JPH061968Y2 - 外壁材の取り付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、鎧下見張り状の仕上がりに施工するための外
壁材に関する。

［背景技術］ 従来から横方向に長い板材１３を外壁下地基材９に第３
図に示すように鎧下見張り状に施工して外壁を仕上げる
ものが知られている。ところが従来にあっては、上下方
向の長さが短い板材１３を一枚づつ重ねて施工していた
ので、施工に手間がかかり、また上下に短い板材１３同
士を接続するので、雨水が浸入するのを防止するための
水仕舞いを必要とする箇所（つまり接続箇所）が多くな
るという問題があった。

［考案の目的］ 本考案は、上記の従来の問題点に鑑みて考案したもので
あって、その目的とするところは、鎧下見張り状の外観
の仕上げをするに当たり施工が簡単で、しかも雨水が浸
入するのを防止するための水仕舞い箇所も少なくてす
み、しかも、通気性の向上及び軽量化を図ることのでき
る外壁材の取り付け構造を提供するにある。

［考案の開示］ 本考案の外壁材は、外壁材本体１の表面に横方向にわた
り且つ下方ほど前方に向けて突出するように傾斜した傾
斜板状部２を段部３を介して上下に数段一体に設け、外
壁材本体１の背面に横方向及び縦方向にわたり縦溝６と
横溝７とを設け、この外壁材本体１を上下方向で隣合う
ように配設し、上側に配された外壁材本体１の下部の接
続用凹部５に、下側に配された外壁材本体１の上部の接
続用突部４を挿合し、釘固着にて外壁下地基材９に固着
された取り付け金具８の先部を接続用凹部５に係止し、
取り付け金具８を外壁下地基材９に固定する固着具を外
壁材本体１の背面に設けられた縦溝６または横溝７内に
位置させて成るものであって、このような構成を採用す
ることで、上記した本考案の目的を達成したものであ
る。すなわち、本考案にあっては傾斜板状部２を数段設
けることで、外観上一枚の外壁材であるにもかかわらず
上下の長さの短い板材を複数枚鎧下見張り状に張り合わ
せた外観とすることができるようになったものである。

以下本考案を実施例により詳述する。外壁材Ａはセメン
ト系のような無機質系パネルであって、外壁材本体１の
表面に横方向にわたる傾斜板状部２を上下に数段一体に
設けて外壁材Ａが構成してある。傾斜板状部２は下方ほ
ど前方に向けて突出するように傾斜しており、傾斜板状
部２同士は段部３を介して上下に連続している。また外
壁材本体１の上端面には連続用突部４が突設してあり、
外壁材本体１の下端面には接続用凹部５が設けてある。
更に外壁材本体１の裏面には複数列の縦溝６と、この縦
溝６と交差連通する複数行の横溝７が設けてある。しか
して、上記のような構成の外壁材Ａは建物の柱、間柱、
銅縁、捨て板、下地パネル等の外壁壁下地９に鎧下見張
り状に張られて施工されるものである。施工にあたって
は釘固着にて外壁下地基材９に固着した取り付け金具８
に外壁材Ａの接続用凹部５を引掛け、接続用凹部５に下
段の外壁材Ａの接続用突部４を嵌め込むものである。こ
こで、釘固着によって外壁下地基材９に固定された取り
付け金具８にて外壁材本体１が上下に隣合うように取り
付けられていることにより、外壁材本体１を釘固着で外
壁下地基材８に直接固定するもののように外壁材本体１
に割れや欠けが発生したりするようなことなく外壁材を
外壁下地基材８に固定することができるものである。そ
して、上下の外壁材Ａの接続部分には段１０が形成さ
れ、この段１０は外壁材Ａの表面の傾斜板状部２間の段
部３と同じ深さであって、この結果上下の外壁材Ａの傾
斜板状部２が段１０を介して上下に連続する外観となる
ものである。ここで、実施例のように縦溝６と横溝７と
を設けておくことで外壁材Ａを外壁下地基材９に面接し
て取り付けても外壁材Ａの裏面側において上下方向及び
横方向に通気ができて結露の発生を防止できるようにな
っている。また外壁本体１の裏面に横溝７を設ける場
合、第１図に示すように段部３に対応する外壁本体１の
裏面位置には横溝７を設けないようにしておくものであ
り、このようにすることで、段部３を設けた部分が他の
部分よりね肉厚が小さくならないようにして、段部３部
分での強度の低下を防止している。同様に外壁本体１は
重量を軽くするためと材料を少なくするために中空部１
１を設けているが、この中空部１１も段部３付近は避け
て設けたり、あるいは段部３付近に設けるとしても小さ
なものとしてあり、段部３部分での強度の低下を防止し
ている。なお接続用突部４と接続用凹部５との接続部分
にはシール部材１２が介在されて、この部分からの水の
浸入を防止している。第１図の実施例では接続用凹部５
にあらかじめシール部材１２を取り付けてある。

［考案の効果］ 本考案にあっては、叙述のように外壁材本体の表面に横
方向にわたり且つ下方ほど前方に向けて突出するように
傾斜した傾斜板状部を段部を介して上下に数段一体に設
けてあるので、上下に数段設けた傾斜板状部により上下
の長さの短い板材を複数枚鎧下見張り状に張り合わせた
ような外観とすることができるものであり、鎧下見張り
状に施工するに当たり使用する外壁材の枚数を少なくで
きて、施工が簡単にでき、また使用する外壁材の枚数が
少なくなるので外壁材同士の接続箇所も少なくなり、こ
の結果雨水が浸入するのを防止するための水仕舞いをす
る箇所が少なくてすむという利点がある。しかも、外壁
材本体の背面には横方向及び縦方向にわたり縦溝と横溝
とを設けてあるので、外壁材本体の背面部分の通気を縦
溝と横溝とによって行うことができ、結露発生等を防止
して通気性を向上させることができるものであり、ま
た、縦溝と横溝とによって外壁材本体の軽量化を図るこ
とができるという利点がある。また、釘固着によって外
壁下地基材に固定された取り付け金具にて外壁材本体を
上下に隣合うように取り付けていることにより、外壁材
本体を釘固着で外壁下地基材に固定するもののように外
壁材本体に割れや欠けが発生したりするようなことなく
外壁材を外壁下地基材に固定することができ、外壁材の
商品価値を低下させるようなことなく取り付けを行うこ
とができるものである。また、取り付け金具は釘固着に
よって外壁下地基材に固定されるようになっているとい
えども、固着具は外壁材本体の背面に設けられた縦溝ま
たは横溝内に配されるようになっているために固着具に
よって外壁下地基材と外壁材本体との間に隙間が形成さ
れるようなことなく外壁材本体の取り付けを行うことが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の外壁材の断面図、第２図は同上の外壁
材の施工状態を示す断面図、第３図は従来の板材を鎧下
見張り状に施工した状態の断面図であって、１は外壁材
本体、２は傾斜板状部、３は段部、６は縦溝、７は横
溝、８は取り付け金具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外壁材本体の表面に横方向にわたり且つ下
   方ほど前方に向けて突出するように傾斜した傾斜板状部
   を段部を介して上下に数段一体に設け、外壁材本体の背
   面に横方向及び縦方向にわたり縦溝と横溝とを設け、こ
   の外壁材本体を上下方向で隣合うように配設し、上側に
   配された外壁材本体の下部の接続用凹部に、下側に配さ
   れた外壁材本体の上部の接続用突部を挿合し、釘固着に
   て外壁下地基材に固着された取り付け金具の先部を接続
   用凹部に係止し、取り付け金具を外壁下地基材に固定す
   る固着具を外壁材本体の背面に設けられた縦溝または横
   溝内に位置させて成る外壁材の取り付け構造。