JPH06196601A - 窒化アルミニウム基板ユニット - Google Patents

窒化アルミニウム基板ユニット

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JPH06196601A
JPH06196601A JP34421692A JP34421692A JPH06196601A JP H06196601 A JPH06196601 A JP H06196601A JP 34421692 A JP34421692 A JP 34421692A JP 34421692 A JP34421692 A JP 34421692A JP H06196601 A JPH06196601 A JP H06196601A
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JP
Japan
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aluminum nitride
nitride substrate
metal container
substrate unit
substrate
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JP34421692A
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English (en)
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Hideki Sato
英樹 佐藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、窒化アルミニウム製セラミッ
クス基板の接着剤との反応を抑止し、基板と金属製容器
との接合強度を高めることにより、耐久性および信頼性
を向上させた窒化アルミニウム基板ユニットを提供する
ことにある。 【構成】本発明に係る窒化アルミニウム基板ユニット
は、窒化アルミニウム基板2aの一方の表面に導電層3
を介して半導体素子4を搭載する一方、他方の表面を熱
伝導性接着剤9により金属製容器6に接合されてなる窒
化アルミニウム基板ユニットにおいて、上記窒化アルミ
ニウム基板2aの全表面のうち、少なくとも金属製容器
6との接合面となる表面に酸化物層8aを形成して構成
される。また金属製容器に対向する酸化物層表面にも導
電層3bを形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化アルミニウム基板ユ
ニットに係り、特に金属製容器との接合強度が高く耐久
性に優れた窒化アルミニウム基板ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジン点火時期制御装置とし
て、例えば図5に示すような窒化アルミニウム基板ユニ
ットが特願昭62−190801号明細書に開示されて
いる。この窒化アルミニウム基板ユニット1は、窒化ア
ルミニウムから成るセラミックス基板2の上面に導電層
3を形成し、この導電層3上面に点火時期制御部品とし
ての半導体素子4を、半田層5あるいはろう材により一
体に接合する一方、セラミックス基板2の下面と、上記
セラミックス基板2および半導体素子4を収容する金属
製容器6とをシリコーン接着剤7により一体に接合して
構成されている。
【0003】このようにセラミックス基板2として窒化
アルミニウムを使用した窒化アルミニウム基板ユニット
は、従来一般に使用されていたアルミナ(Al2 3
と比較して熱伝導率が大きいことに加えて、窒化アルミ
ニウム自体が、点火時期制御部品としての半導体素子の
素材となるシリコンとほぼ同等の熱膨脹率を有するた
め、ヒートサイクルが繰り返される過酷な条件下におい
ても半導体素子4側の半田層5や導電層3にクラック等
が発生するおそれが少ない利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来窒
化アルミニウム製セラミックス基板と、金属製容器とを
接合するために、一般的に使用されるシリコーン接着剤
は、水、イオウ、窒素化合物、有機金属塩、リン化合物
を含む材料表面においては硬化が不充分となる性質を有
している。特に窒素化合物である窒化アルミニウム(A
lN)をセラミックス基板として使用した場合には、接
着剤成分(水酸基)とAlNとが反応してアンモニアガ
ス(NH3 )が発生し易く、硬化が不充分となる結果、
セラミックス基板と金属製容器との接合強度が低く、基
板ユニットの耐久性および信頼性が低下する問題点があ
った。そのためAlNに対して化学的に安定であり、か
つ高い接合強度を与えるAlN専用の接着剤の開発も進
められているが、現時点では完成に至っていないのが現
状である。
【0005】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、窒化アルミニウム製セラミックス基
板の接着剤との反応を抑止し、基板と金属製容器との接
合強度を高めることにより、耐久性および信頼性を向上
させた窒化アルミニウム基板ユニットを提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係る窒化アルミニウム基板ユニットは、窒化ア
ルミニウム基板の一方の表面に導電層を介して半導体素
子を搭載する一方、他方の表面を熱伝導性接着剤により
金属製容器に接合されてなる窒化アルミニウム基板ユニ
ットにおいて、上記窒化アルミニウム基板の全表面のう
ち、少なくとも金属製容器との接合面となる表面に酸化
物層を形成したことを特徴とする。
【0007】本発明に使用する窒化アルミニウムを主成
分とするセラミックス基板は、窒化アルミニウム粉末に
金属酸化物等を焼結助剤として添加し、この混合粉末を
所定形状に成形し、常圧焼結法、雰囲気加圧焼結法ある
いはホットプレス法により製造したもので、熱伝導率が
50W/mK以上のものを使用する。
【0008】窒化アルミニウム基板上に形成する導電層
としては、セラミックス基板上に銅板等の金属板を直接
接触配置し、加熱接合するDBC法(ダイレクトボンデ
ィングカッパー法)、メタライズ法、厚膜法、めっき法
等により形成する。このメタライズ法としては、例えば
モリブデンやタングステンとチタンやその化合物とを主
成分とするメタライズ組成物を使用した方法が挙げられ
る。このメタライズ法により導電層を形成する場合は、
メタライズ層上にさらにニッケルや金等の金属めっき層
を形成して使用する。
【0009】本発明に使用する窒化アルミニウム基板
と、例えばアルミニウムダイキャスト製の金属製容器と
を接合するための熱伝導性接着剤としては、熱伝導率が
大きいシリコーン系のものが好ましく、このようなシリ
コーン系の接着剤としては、例えばシリコーン樹脂系、
HTV型(加熱加硫型)シリコーンゴム系等が挙げられ
る。また、これらの他にポリアミドイミド系、ポリイミ
ド系等も使用することができる。
【0010】酸化物層は、熱伝導性接着剤と窒化アルミ
ニウム基板との反応を防止するために両者間に設けるも
のであり、アルミナ(Al2 3 )、イットリア(Y2
3)、カルシア(CaO)Al−Y酸化物等で形成さ
れる。酸化物層としてのアルミナ酸化物層は、窒化アル
ミニウム基板を空気中で温度1000〜1200℃で5
〜30分間加熱して形成される。
【0011】また窒化アルミニウム焼結体を形成するた
めの焼結助剤として、イットリアが通常3重量%程度添
加される。しかしながら添加量を5重量%程度にやや適
量に添加して加熱することにより液相がAlN基板表層
部に集積して、Y2 3 から成る酸化物層を形成するこ
ともできる。酸化物層を形成する別法として、Y2 3
やCaO粉末を基板表面に塗布して焼成する方法もあ
る。
【0012】酸化物層の厚さは、金属製容器と窒化アル
ミニウム基板との接合強度および窒化アルミニウム基板
ユニットの放熱特性に影響を及ぼすものであり、通常
0.5〜5μm程度に設定される。厚さが0.5μm未
満であると、金属製容器と窒化アルミニウム基板との反
応を防止する効果が不充分である一方、厚さが5μmを
超える場合には、熱抵抗が大きくなり、窒化アルミニウ
ム基板ユニットの放熱特性が低下してしまう傾向があ
り、また形成された層と窒化アルミニウムとの熱膨脹の
差により熱サイクル等によりクラックが発生する可能性
があるので上記範囲に設定されるが、より好ましくは1
〜2μm程度がよい。
【0013】上記窒化アルミニウム基板ユニット、例え
ば次のような工程で製造される。すなわちAlN基板を
空気中で加熱して表面にAl2 3 の酸化物層を形成
し、次にMoなどの導電成分を含むペーストを使用して
酸化物層表面に回路パターンを印刷し、しかる後に温度
1400〜1700℃で焼成してメタライズを実施し、
さらに形成したメタライズ層上にニッケルや金等の金属
めっき層を形成して導電層とする。なお、導電層は前記
のDBC法によって形成してもよい。次に、半導体素子
(ICペレット)を半田接合によってAlN基板の一方
の表面に接合する一方、他方の表面に熱伝導性シリコー
ン接着剤を塗布した状態でAlN基板を金属製容器に接
合する。
【0014】
【作用】上記構成に係る窒化アルミニウム基板ユニット
によれば、金属製容器との接合面となる、窒化アルミニ
ウム基板の表面に化学的に安定な酸化物層が形成されて
いるため、熱伝導性接着剤と窒化アルミニウム基板との
反応が効果的に防止でき、熱伝導性接着剤は充分に硬化
する。したがって窒化アルミニウム基板と金属製容器と
の接合強度が高くなり、耐久性に優れ、信頼性が高い窒
化アルミニウム基板ユニットを提供することができる。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例について添付図面を参照
して説明する。図1〜図3は本発明に係る窒化アルミニ
ウム基板ユニットのそれぞれ第1〜第3実施例を示す断
面図であり、自動車用エンジン点火制御装置に適用した
例を示している。なお図5に示す従来例と同一要素には
同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0016】図1〜図2においては、窒化アルミニウム
基板2a,2bの全表面にアルミナ(Al2 3 )から
成る酸化物層8a,8bが形成される一方、図3に示す
窒化アルミニウム基板2cでは金属製容器6との接合面
となる表面にのみアルミナ酸化物層8cが形成されてい
る。窒化アルミニウム基板2a,2b,2c上面の所望
の位置にはメタライズ層とめっき層とから成る導電層3
がそれぞれ形成されており、この導電層3上には半田層
5を介して点火時期制御部品となる半導体素子4が接合
され搭載されている。図2に示す窒化アルミニウム基板
ユニットでは、窒化アルミニウム基板2bの下面側にも
導電層3bが形成されている。図1〜図2において窒化
アルミニウム基板2a,2b表面で導電性回路が形成さ
れる領域以外の領域にはアルミナの酸化物層8a,8b
が形成されている。
【0017】また、これら窒化アルミニウム基板2a,
2b,2cおよび半導体素子4を収容するアルミニウム
ダイキャスト製金属容器6と窒化アルミニウム基板2
a,2b,2cの部品搭載面と反対側の面とがシリコー
ン樹脂系の熱伝導性接着剤9により接合されており、こ
のアルミニウムダイキャスト製金属容器6内は図示を省
略した樹脂で封止されている。
【0018】これらのイグナイタとして使用される窒化
アルミニウム基板ユニットは、例えば以下のようにして
製造した。
【0019】まず、窒化アルミニウムを主成分とし、他
に焼結助剤として例えば酸化イットリウムを4重量%程
度含有する窒化アルミニウム基板2a,2b,2c(熱
伝導率:170W/mK)を形成し、この基板2a,2
b,2cを空気中で1100℃で加熱することにより、
厚さ1.5μmのAl2 3 酸化物層8a,8b,8c
を形成し、さらにこれらの窒化アルミニウム基板2a,
2b,2cの片面に、モリブデンと酸化チタンとの混合
粉末に適量のバインダと溶剤を加えてペースト状にした
ものをスクリーン印刷し、加熱焼成してメタライズ層を
形成し、このメタライズ層の上にさらに無電解めっき法
により金めっき層を形成して所望の回路パターンとなる
導電層3,3bを形成する。次いで、この導電層3上に
半導体素子4を半田付けにより接合して搭載した。
【0020】次に、窒化アルミニウム基板2a,2b,
2cの半導体素子搭載面と反対の面と、アルミニウムダ
イキャスト製金属容器6との間に熱伝導性接着剤9とし
てのシリコーン樹脂の薄板を介在させ、150℃で1時
間加熱して両者を接合し、実施例に係る窒化アルミニウ
ム基板ユニットを多数製造した。
【0021】一方、比較例として酸化物層を形成しない
点を除いて第3実施例と全く同一条件で処理することに
より、図5に示す従来の窒化アルミニウム基板ユニット
を多数製造した。
【0022】こうして製造された実施例および比較例の
窒化アルミニウム基板ユニットの耐久性および信頼性を
評価するために、各ユニットの窒化アルミニウム基板2
a,2b,2cと金属製容器6との剪断接着強さを測定
して図4に示す結果を得た。
【0023】図4に示す結果から明らかなように、本実
施例に係る窒化アルミニウム基板ユニットによれば、金
属製容器6との接合面となる、窒化アルミニウム基板2
a,2b,2cの表面に化学的に安定なアルミナの酸化
物層8a,8b,8cが形成されているため、熱伝導性
接着剤9と窒化アルミニウム基板2a,2b,2cとの
反応が効果的に防止でき、熱伝導性接着剤9は充分に硬
化する。したがって、窒化アルミニウム基板2a,2
b,2cと金属製容器6との剪断接着強さは、比較例の
ものより大きくなることが判明する。したがって耐久性
および信頼性に優れた窒化アルミニウム基板ユニットを
提供することができる。
【0024】特に図2に示すように窒化アルミニウム基
板2bの上下両面にそれぞれ導電層3,3bを形成した
基板ユニットは、片面のみに導電層3を形成した基板ユ
ニットと比較して、窒化アルミニウム基板2bにそりが
発生しにくい。また、−65℃〜室温〜150℃を1サ
イクルとするヒートサイクル試験を各実施例および比較
例について1000サイクル実施したところ、図2に示
す基板ユニットのクラック発生率は最も低く、ほぼ0%
であった。
【0025】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る窒化アル
ミニウム基板ユニットによれば、金属製容器との接合面
となる、窒化アルミニウム基板の表面に化学的に安定な
酸化物層が形成されているため、熱伝導性接着剤と窒化
アルミニウム基板との反応が効果的に防止でき、熱伝導
性接着剤は充分に硬化する。したがって窒化アルミニウ
ム基板と金属製容器との接合強度が高くなり、耐久性に
優れ、信頼性が高い窒化アルミニウム基板ユニットを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒化アルミニウム基板ユニットの
第1実施例を示す断面図。
【図2】本発明に係る窒化アルミニウム基板ユニットの
第2実施例を示す断面図。
【図3】本発明に係る窒化アルミニウム基板ユニットの
第3実施例を示す断面図。
【図4】各実施例の窒化アルミニウム基板と金属製容器
との接着強さを従来例と共に示すグラフ。
【図5】従来の窒化アルミニウム基板の構造例を示す断
面図。
【符号の説明】
1 窒化アルミニウム基板ユニット 2,2a,2b,2c セラミックス基板 3,3b 導電層 4 半導体素子 5 半田層またはろう材層 6 金属製容器 7 シリコーン接着剤 8a,8b,8c 酸化物層 9 熱伝導性接着剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム基板の一方の表面に導
    電層を介して半導体素子を搭載する一方、他方の表面を
    熱伝導性接着剤により金属製容器に接合されてなる窒化
    アルミニウム基板ユニットにおいて、上記窒化アルミニ
    ウム基板の全表面のうち、少なくとも金属製容器との接
    合面となる表面に酸化物層を形成したことを特徴とする
    窒化アルミニウム基板ユニット。
  2. 【請求項2】 金属製容器に対向する酸化物層表面にも
    導電層を形成したことを特徴とする請求項1記載の窒化
    アルミニウム基板ユニット。
  3. 【請求項3】 金属製容器がアルミニウムダイキャスト
    から成る請求項1記載の窒化アルミニウム基板ユニッ
    ト。
JP34421692A 1992-12-24 1992-12-24 窒化アルミニウム基板ユニット Pending JPH06196601A (ja)

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