JP3260512B2 - 窒化アルミニウム回路基板 - Google Patents

窒化アルミニウム回路基板

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JP3260512B2 JP23512693A JP23512693A JP3260512B2 JP 3260512 B2 JP3260512 B2 JP 3260512B2 JP 23512693 A JP23512693 A JP 23512693A JP 23512693 A JP23512693 A JP 23512693A JP 3260512 B2 JP3260512 B2 JP 3260512B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム基板
に半導体素子およびリードフレームを一体に接合した窒
化アルミニウム回路基板に係り、特にリードフレームの
接合強度を高め動作信頼性を大幅に改善するとともに、
放熱性に優れた窒化アルミニウム回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、絶縁材としてのセラミックス基板
上に半導体素子およびリードフレームを一体に接合した
セラミックス回路基板は、一般に下記のような工程で製
造されている。
【0003】すなわち、第1工程として酸化アルミニウ
ム(アルミナ:Al2 3 )などのセラミックス基板上
に、例えばMo−Mnの混合粉末をペースト状にしたも
のをスクリーン印刷等によって印刷してリードフレーム
接合部および半導体素子搭載部を含めた微細な導体層パ
ターンを形成する。次に第2工程として、導体層パター
ン等を印刷したセラミックス基板を窒素雰囲気または水
素雰囲気中で高温度で焼成することにより硬いメタライ
ズ層を形成し、しかる後に、第3工程として、上記メタ
ライズ層表面にNiめっきを施行し、最後の第4工程と
して、上記Niめっき層上部にAg−Cu系ろう材を介
してリードフレームが加熱接合される。そして最終的に
上記Niめっき層,およびAuめっき層を形成したメタ
ライズ層上面に半田層を介して半導体素子が一体に接合
されることによりセラミックス回路基板が製造される。
【0004】上記Mo−Mnメタライズ層は、表面平滑
性に優れており、半導体素子(Siチップ)を接合する場
合において、接合面にボイド(空隙)を形成することが
少なく、半導体素子は高い密着性をもってメタライズ層
を介しセラミックス基板上に一体に接合される。したが
って接合部にボイドを生じて熱過渡性が悪化することも
なく、動作信頼性が高いセラミックス回路基板を得るこ
とができる。
【0005】ところで、上記セラミックス基板としては
アルミナ(Al2 3 )焼結体が主流となっているが、
Al2 3 の熱伝導率は最高でも30W/m・Kと低い
ため、充分な放熱特性を発揮し得ない難点があった。
【0006】一方、半導体装置および電子機器の小型化
と歩調を合せて、半導体素子等の電子部品の高集積化お
よび高出力化が進行し、動作時における電子部品からの
発熱量も比例して増大し、より放熱特性が優れた回路基
板の開発が要請されている。
【0007】そこでアルミナ(Al2 3 )よりも高い
熱伝導性を有するBeO,SiC,AlN等のセラミッ
クス焼結体で形成した回路基板も普及している。しかし
ながら、BeOは毒性物質であるため世界的にその製造
使用が制限される傾向があり、一方、SiCは電気抵抗
が低く高度の電気絶縁性を要する回路基板材料としては
適性に欠ける難点がある。
【0008】一方、AlN(窒化アルミニウム)焼結体
は、高熱伝導性を有する絶縁体であり、また半導体素子
の主成分であるシリコン(Si)に近い熱膨脹係数を有
することから熱膨脹差に起因する素子の劣化、基板の破
損等の故障が少なく、特に高出力化、高集積化した半導
体装置の回路基板材料として、その用途を拡大してい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、セラミ
ックス基板として窒化アルミニウム基板を使用した場
合、上記メタライズ層およびリードフレームのAg−C
u系ろう材に対する濡れ性が低いため、そのままではリ
ードフレームの接合強度が低く、リードフレームの剥離
による動作不良が生じ易い問題がある。そのため、接合
強度を高めるために、メタライズ層表面に予めNiめっ
き層を形成することが必要であり、必然的に製造工程が
煩雑化し、セラミックス回路基板の製造コストが上昇し
てしまう問題点があった。すなわち窒化アルミニウム基
板に形成したメタライズ層に銀ろう材でリードフレーム
をろう付け接合した場合、その接合強度はピール強度で
1〜2kgf/cm程度と低いため、要求水準が上昇した設計
仕様に適合しない事態も現れることが、本発明者らによ
る回路基板の試作段階で判明した。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、リードフレームの接合強度を高めて使用
時におけるリードフレームの剥離を防止し、動作信頼性
が高く、かつ放熱性に優れた回路基板を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため、窒化アルミニウム基板に対する半導体素
子およびリードフレームの種々の接合構造を研究し、そ
の接合強度および密着性に及ぼす影響を比較検討した。
その結果、半田材で接合される半導体素子を搭載する基
板表面には、表面平滑性および半田濡れ性に優れたメタ
ライズ層を形成して半導体素子の密着性を高める一方、
特に高い接合強度を要求されるリードフレームを接合す
る部位には、活性金属層を形成してその接合強度を高め
ることにより、半導体素子の密着性およびリードフレー
ムの接合強度を共に満足し、信頼性が高い回路基板が得
られることが判明した。本発明は、これらの知見に基づ
いて完成されたものである。
【0012】すなわち本発明に係る窒化アルミニウム回
路基板は、窒化アルミニウム基板の表面に一体に形成さ
れたメタライズ層を介して半導体素子を一体に接合する
一方、活性金属層を介してリードフレームを上記窒化ア
ルミニウム基板の他の表面に一体に接合したことを特徴
とする。またメタライズ層は、高融点金属層と、この高
融点金属層上面に形成されためっき層とから構成すると
よい。さらに活性金属層は、Ti,Zr,HfおよびN
bから選択される少くとも1種の活性金属を含有するろ
う材から成る。またリードフレームは、Cu,Cu合
金,Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金,Cu−M
o−Cuクラッド材,Cu−(Fe−Ni−Co合金)
−Cuクラッド材の少なくとも1種から構成するとよ
い。さらにメタライズ層は厚膜法によって形成するとよ
い。
【0013】本発明の回路基板に使用する窒化アルミニ
ウム基板は、窒化アルミニウム粉末に金属酸化物等を焼
結助剤として添加し、この混合粉末を所定形状に成形
し、常圧焼結法、雰囲気加圧焼結法あるいはホットプレ
ス法により製造したもので、熱伝導率が50W/mK以
上のものを使用する。
【0014】窒化アルミニウム基板の素子搭載部に形成
するメタライズ層としては、通常のメタライズ法による
ものの他、セラミックス基板上に銅製の金属板を直接接
触配置し加熱接合するDBC法(ダイレクトボンドカッ
パー法)、厚膜法、めっき法等により形成する。このメ
タライズ法としては、例えばモリブデンやタングステン
とチタンなどの高融点金属やその化合物とを主成分とす
るメタライズ組成物を使用した方法が挙げられる。この
メタライズ法によりメタライズ層を形成する場合は、メ
タライズ層の保護および半田層との漏れ性を改善するた
め、メタライズ層上にさらにニッケルや金等の金属めっ
き層を形成して使用する。
【0015】本発明に係る回路基板において、リードフ
レームの接合を行なうために形成される活性金属層は、
Ti,Zr,HfおよびNb等の活性金属を含有し適切
な組成比を有するAg−Cu−Ti系ろう材等で構成さ
れ、このろう材組成物を有機溶媒中に分散して調製した
接合用組成物ペーストを窒化アルミニウム基板表面にス
クリーン印刷する等の方法で形成される。
【0016】上記接合用組成物ペーストの具体例として
は、下記のようなものがある。すなわち重量%でCuを
15〜35%、Ti、Zr、HfおよびNbから選択さ
れる少くとも1種の活性金属を1〜10%、残部が実質
的にAgから成る組成物を有機溶媒中に分散して調製し
た接合用組成物ペースト、または重量%でCuを15〜
35%、Ti、Zr、HfおよびNbから選択される少
くとも1種の活性金属を1〜10%、W,Mo,Al
N,Si3 4 およびBNから選択される少くとも1種
を5〜40%含有し、残部が実質的にAgから成る組成
物を有機溶媒中に分散して調製した接合用組成物ペース
トを使用するとよい。
【0017】上記活性金属は窒化アルミニウム基板に対
するろう材の濡れ性を改善するための成分であり、それ
らの配合量は、接合用組成物全体に対して1〜10重量
%である。
【0018】W,Mo,AlN,Si3 4 およびBN
は、窒化アルミニウム基板とリードフレームとの接合部
における応力緩和を図るために有効な成分であり、5〜
40重量%添加される。すなわち窒化アルミニウム基板
とリードフレームとを接合する場合において、両部材の
熱膨脹係数差に起因する残留熱応力を緩和するため、接
合用組成物に、窒化アルミニウム基板と金属とを接合す
る反応層を形成させる作用の他に、反応層自身に応力緩
和作用をもたせることが有効である。
【0019】本発明では、接合用組成物の成分として、
導電性を有するAg−Cuを主体にしたろう材に、熱膨
脹係数がセラミックス基板に比較的に近いW,Mo,A
lN,Si3 4 ,BNを添加することにより、反応層
に応力緩和作用を発揮させ、高い接合強度を有し、かつ
熱衝撃試験(TCT)特性に優れた窒化アルミニウム回
路基板を得ることができる。特にセラミックス基板が窒
化アルミニウム(AlN)焼結体の場合には、Ag−Cu
ろう材にW,Mo,AlNを添加したろう材を使用する
と割れや剥離が少ない接合体を得ることができる。
【0020】導電性を発揮するAg−Cu成分は、窒化
アルミニウム基板とTiとの接合層の形成を促進する成
分として有効であり、Tiを拡散させ強固な接合体を形
成するのに寄与するのみならず、導体層としての微細な
回路を形成する材料ともなる。
【0021】また本発明のように、微細な導体層パター
ンを接合用組成物によって形成する場合には、生成する
液相の流れによってパターンがくずれることを防止する
ために、Ag−Cu成分が共晶組成物(72wt%Ag
−28Cu)を生成し易い組成比から離れた組成比を有
する接合用組成物を使用し、液相の生成量を低減するこ
とが肝要である。すなわち、ろう接合時に加熱昇温する
温度700〜950℃の範囲で必要最少量の液相を生成
する金属成分を含む化合物系で構成された接合用組成物
を使用することが重要となる。
【0022】一方、リードフレーム構成材としては、導
電性および熱膨脹性を考慮して、Cu,Cu合金,53F
e−28Ni−18Co(コバール合金)等のFe−N
i−Co合金,42Ni−Fe等のFe−Ni合金,C
u−Mo−Cuクラッド材,Cu−(Fe−Ni−Co
合金)−Cuクラッド材等が好適である。特に上記コバ
ール合金や42Ni−Fe合金は窒化アルミニウム基板
に近似した低い熱膨脹係数を有しており、基板とリード
フレームとの熱膨脹差に起因する疲労劣化を効果的に防
止することができる。
【0023】上記窒化アルミニウム回路基板は、例えば
次のような同時焼成工程で製造してもよい。すなわち、
所定形状および寸法に成形された窒化アルミニウム成形
体の所定面に、Wなどの導電成分を含むペーストを使用
して所定形状の回路パターン等を印刷する。半導体素子
を搭載する部位のメタライズ層用パターンは、半導体素
子の各リードと接続するための回路パターン形状とす
る。
【0024】そして回路パターン等を印刷した後に、窒
素ガス等の非酸化性雰囲気で温度1400〜1700℃
で窒化アルミニウム成形体および印刷パターンを同時焼
成(co-fire )して、メタライズ層が一体に形成された
窒化アルミニウム基板を得る。さらに形成されたメタラ
イズ層を保護するために、メタライズ層表面上にさらに
ニッケルや金等の金属めっき層を形成するとよい。なお
メタライズ層は前記のDBC法によって形成してもよ
い。次に半導体素子(ICペレット)を半田接合によっ
て窒化アルミニウム(AlN)基板の素子搭載部(メタ
ライズ層)に接合する一方、上記活性金属を含有する接
合用組成物(ろう材)を使用し、真空ろう付け法によっ
て、窒化アルミニウム基板の他の表面にリードフレーム
を一体に接合する。
【0025】
【作用】上記構成に係る窒化アルミニウム回路基板によ
れば、表面平滑性および半田濡れ性に優れたメタライズ
層を形成し、その表面に半田によって半導体素子を接合
しているため、半導体素子の密着性が優れ、ボイド発生
等による素子の特性悪化を招くおそれが少ない。一方、
表面平滑性は劣るが、窒化アルミニウム基板に対する濡
れ性に優れた活性金属層を介してリードフレームを窒化
アルミニウム基板に一体に接合しているため、リードフ
レームの接合強度は極めて高くなり、繰返しの熱衝撃に
よるリードフレームの剥離がなく、動作信頼性に優れ、
かつ放熱性に優れた回路基板を提供することができる。
【0026】
【実施例】次に本発明の一実施例について添付図面を参
照して説明する。
【0027】実施例1 実施例1として図1および図2に示すようなリードフレ
ーム2,2a,2b,2cおよび半導体素子3を窒化ア
ルミニウム基板4に一体に接合した窒化アルミニウム回
路基板1を下記のような手順で製造した。
【0028】すなわち直径が12.5mmであり、熱伝導
率が170W/m・Kである窒化アルミニウム(Al
N)基板4の素子搭載部にモリブデンから成るメタライ
ズ層5を形成した後に、基板4の両面の所定位置に30
wt%Ag−65%Cu−5%Tiろう材をスクリーン
印刷して活性金属層6を形成した。さらに上記メタライ
ズ層5の表面に、厚さ5μmのNiめっき層7を形成し
た。そして上記活性金属層6を介して、厚さ0.3mmの
銅合金製リードフレーム2,2a,2b,2cをAlN
基板4に一体に接合し、さらに上記ニッケルめっき層7
を形成したメタライズ層5に半田層8を介して半導体素
子(Siチップ)3を一体に接合し、さらにリードフレ
ーム表面に金めっきを施すことにより、実施例1に係る
AlN回路基板1を調製した。
【0029】この実施例1に係るAlN回路基板1のリ
ードフレーム2,2a,2b,2cの接合強度を測定し
たところ、平均のピール強度で7〜10kgf/cmという、
従来と比較して高い接合強度が得られ、実用上問題がな
いことが確認された。
【0030】また上記AlN回路基板の耐久性および信
頼性を評価するために、−65℃〜+150℃の範囲で
加熱し、引き続いて+150℃〜65℃に冷却する操作
を1サイクルとするヒートサイクル試験(TCT)を繰
返し実施したところ、200サイクル後においても各リ
ードフレームの剥離は皆無であった。
【0031】一方、メタライズ層5に半田付けを行な
い、引張り強度を測定したところ、平均値は2kgf/mm2
と高い接合強度を有することが確認できた。
【0032】比較例1 一方、活性金属層を形成せずに半導体素子搭載部および
リードフレーム接合部にともにモリブデンから成るメタ
ライズ層を形成し、各リードフレームを銀ろう材により
一体に接合した以外は実施例1と同様に処理して比較例
1に係るAlN回路基板を調製した。
【0033】この比較例1に係るAlN回路基板につい
て、実施例1と同一条件のTCT試験を実施したとこ
ろ、100サイクル後において、約32%の試料につい
てリードフレームの剥離が発生し、実用に耐えないこと
が判明した。
【0034】実施例2 実施例2として図3に示すようなリードフレーム2d,
2e,2f,2gおよび半導体素子3aを窒化アルミニ
ウム基板4aに一体に接合した窒化アルミニウム回路基
板1aを下記のような手順で製造した。
【0035】すなわち縦横寸法が10mm×8mm、厚さが
0.635mmであり、熱伝導率が200W/m・Kであ
る窒化アルミニウム(AlN)基板4aの素子搭載部に
モリブデンから成るメタライズ層5aを形成した後に、
基板4aの両面の所定位置に30wt%Ag−65%C
u−5%Tiろう材をスクリーン印刷して活性金属層6
aを形成した。さらに上記メタライズ層5aの表面に、
厚さ5μmのNiめっき層を形成した。そして上記活性
金属層6aを介して、厚さ0.3mmの42%Ni−Fe合
金製リードフレーム2d,2e,2f,2gをAlN基
板4aに一体に接合し、さらに上記ニッケルめっき層を
形成したメタライズ層5aに半田層を介して半導体素子
(Siチップ)3aを一体に接合し、さらにリードフレ
ーム表面に金めっきを施すことにより、実施例2に係る
AlN回路基板1aを調製した。
【0036】この実施例2に係るAlN回路基板1aの
リードフレーム2d,2e,2f,2gの接合強度を測
定したところ、平均のピール強度で5〜8kgf/cmとい
う、従来と比較して高い接合強度が得られ、実用上問題
がないことが確認された。
【0037】また上記AlN回路基板の耐久性および信
頼性を評価するために、実施例1と同一条件のヒートサ
イクル試験(TCT)を繰返し実施したところ、200
サイクル後においても各リードフレームの剥離は皆無で
あった。
【0038】比較例2 一方、活性金属層を形成せずに半導体素子搭載部および
リードフレーム接合部にともにモリブデンから成るメタ
ライズ層を形成し、厚さ0.3mmの42%Ni−Fe合金
製のリードフレームを銀ろう材により一体に接合した以
外は実施例2と同様に処理して比較例2に係るAlN回
路基板を調製した。
【0039】この比較例2に係るAlN回路基板につい
て、実施例2と同一条件のTCT試験を実施したとこ
ろ、100サイクル後において、約65%の試料につい
てリードフレームの剥離が発生し、実用に耐えないこと
が判明した。
【0040】実施例3 実施例2においてモリブデンから成るメタライズ層の代
りに、厚膜法によって形成した銅製メタライズ層を設け
た以外は実施例2と同様に処理し、厚さ0.3mmの42
%Ni−Fe合金製リードフレームを活性金属層を介し
て窒化アルミニウム基板上に一体に接合し、実施例2と
同一寸法を有する実施例3に係るAlN回路基板を調製し
た。
【0041】この実施例3に係るAlN回路基板のリー
ドフレームの接合強度を測定したところ、平均のピール
強度で5〜8kgf/cmという、従来と比較して高い接合強
度が得られ、実用上問題がないことが確認された。
【0042】また上記AlN回路基板の耐久性および信
頼性を評価するために、実施例1と同一条件でヒートサ
イクル試験(TCT)を繰返し実施したところ、200
サイクル後においても各リードフレームの剥離は皆無で
あった。
【0043】一方、銅厚膜に半田付けを行ない、引張り
強度を測定したところ、平均値は1kgf/mm2 と高い接合
強度を有することが確認できた。
【0044】比較例3 一方、活性金属層を形成せずに半導体素子搭載部および
リードフレーム接合部にともに上記銅厚膜から成るメタ
ライズ層を形成し、各リードフレームを銀ろう材により
一体に接合した以外は実施例3と同様に処理して比較例
3に係るAlN回路基板を調製した。
【0045】この比較例3に係るAlN回路基板につい
て、実施例1と同一条件のTCT試験を実施したとこ
ろ、100サイクル後において、約55%の試料につい
てリードフレームの剥離が発生し、実用に耐えないこと
が判明した。
【0046】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明に係る窒化ア
ルミニウム回路基板によれば、表面平滑性および半田濡
れ性に優れたメタライズ層を形成し、その表面に半田に
よって半導体素子を接合しているため、半導体素子の密
着性が優れ、ボイド発生等による素子の特性悪化を招く
おそれが少ない。一方、表面平滑性は劣るが、窒化アル
ミニウム基板に対する濡れ性に優れた活性金属層を介し
てリードフレームを窒化アルミニウム基板に一体に接合
しているため、リードフレームの接合強度は極めて高く
なり、繰返しの熱衝撃によるリードフレームの剥離がな
く、動作信頼性に優れ、かつ放熱性に優れた回路基板を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒化アルミニウム回路基板の一実
施例を示す斜視図。
【図2】図1におけるII−II矢視断面図。
【図3】本発明に係る窒化アルミニウム回路基板の他の
実施例を示す斜視図。
【符号の説明】
1,1a 窒化アルミニウム回路基板 2,2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g リー
ドフレーム 3,3a 半導体素子(Siチップ) 4,4a 窒化アルミニウム(AlN)基板 5,5a メタライズ層 6,6a 活性金属層 7 Niめっき層 8 半田層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/12 H01L 23/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム基板の表面に一体に形
    成された高融点金属または銅を主成分とするメタライズ
    層を介して半導体素子を一体に接合する一方、活性金属
    層を介してリードフレームを上記窒化アルミニウム基板
    の他の表面に一体に接合するとともに、上記メタライズ
    層と少なくとも1つのリードフレームとが同一表面上に
    存在することを特徴とする窒化アルミニウム回路基板。
  2. 【請求項2】 メタライズ層は、高融点金属層と、この
    高融点金属層上面に形成されためっき層とから成ること
    を特徴とする請求項1記載の窒化アルミニウム回路基
    板。
  3. 【請求項3】 活性金属層は、Ti,Zr,Hfおよび
    Nbから選択される少くとも1種の活性金属を含有する
    ろう材から成ることを特徴とする請求項1記載の窒化ア
    ルミニウム回路基板。
  4. 【請求項4】 リードフレームは、Cu,Cu合金,F
    e−Ni−Co合金,Fe−Ni合金,Cu−Mo−C
    uクラッド材,Cu−(Fe−Ni−Co合金)−Cu
    クラッド材の少なくとも1種から成ることを特徴とする
    請求項1記載の窒化アルミニウム回路基板。
  5. 【請求項5】 メタライズ層は厚膜法によって形成され
    て成ることを特徴とする請求項1記載の窒化アルミニウ
    ム回路基板。
  6. 【請求項6】 複数のリードフレームを接合したことを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の窒化ア
    ルミニウム回路基板。
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