JPH06192322A - 変性共役ジエン系樹脂の製造方法 - Google Patents

変性共役ジエン系樹脂の製造方法

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JPH06192322A
JPH06192322A JP35733592A JP35733592A JPH06192322A JP H06192322 A JPH06192322 A JP H06192322A JP 35733592 A JP35733592 A JP 35733592A JP 35733592 A JP35733592 A JP 35733592A JP H06192322 A JPH06192322 A JP H06192322A
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JP
Japan
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conjugated diene
resin
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modified conjugated
polymer
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JP35733592A
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English (en)
Inventor
Hiroo Muramoto
博雄 村本
Kimiharu Kimura
公治 木村
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Nippon Soda Co Ltd
Original Assignee
Nippon Soda Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】種々の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の改質剤と
して有用な変性共役ジエン系樹脂の製造方法を提供す
る。 【構成】共役ジエン系重合体とN−置換マレイミドとを
付加反応させて得られる変性共役ジエン系樹脂の製造方
法。 【効果】他の樹脂との相溶性が良好で、電気特性、耐湿
性、耐熱性、耐熱衝撃性等の改質効果を有し、更に、難
燃性の付与も可能なため、種々の熱硬化性樹脂、熱可塑
性樹脂の改質剤として、また難燃剤として有効に適用す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変性共役ジエン系樹脂
の製造方法に関し、さらに詳しくは、共役ジエン系重合
体とN−置換マレイミドとを付加反応させて得られる変
性共役ジエン系樹脂の製造方法に関する。本発明の変性
共役ジエン系樹脂は、種々の溶媒に対する溶解性、他の
樹脂との相溶性に優れ、かつ、共役ジエン系重合体本来
の優れた電気特性、耐湿性、耐水性、耐熱性、耐熱衝撃
性等をも有するため、各種熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂
の改質剤として広範な技術分野での利用が期待される。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエン樹脂に代表される低分子
量の共役ジエン系重合体は、電気特性、耐湿性、耐水
性、耐熱性、耐熱衝撃性等に優れているため、塗料、接
着剤、注型剤含浸剤、成形材料として、また、他の熱硬
化性樹脂や熱可塑性樹脂の改質剤として利用されてい
る。しかしながら、従来の共役ジエン系重合体は、溶媒
に対する溶解性や他の樹脂に対する相溶性が不十分であ
る事、室温付近で液状であるために作業性が悪い事、熱
硬化性樹脂として用いた時硬化収縮率が10%前後と大
きい事等の欠点を有している。殊に、他の樹脂に対する
相溶性が悪い為その使用量や用途が限定されていた。
【0003】この相溶性を改良するため、ブタジエンと
アクリロニトリルとのコポリマーや分子中に各種の官能
基を導入した共役ジエン系重合体、例えばマレイン化ポ
リブタジエンやエポキシ化ポリブタジエンが市販されて
いる。また、本発明者らは、先に相溶性、作業性を改良
する方法としてブタジエン−ビニル芳香族化合物コポリ
マーを用いた硬化性樹脂組成物について提案した(特開
昭61−233060号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、金属用の塗料や
構造用接着剤等の分野において、低温〜高温域まで接着
性、強靱性に優れた材料が要求されている。また、注型
材料や成形材料のような電気絶縁材料分野においても、
耐水性、耐湿性、耐熱衝撃性に優れ、かつ、電気特性、
耐熱性等にバランスのとれた材料が要求されている。こ
れらの要求に対し、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂のよ
うな剛性、耐熱性に優れた極性樹脂に低分子量の液状共
役ジエン系重合体を配合し、その硬化物中にミクロ相分
離構造を発現させて強靱性、耐熱衝撃性の向上を図る方
法が各方面で検討されている。
【0005】しかし、一般的に共役ジエン系重合体は極
性樹脂と殆ど相溶せず、マレイン化ポリブタジエンやエ
ポキシ化ポリブタジエンにしても相溶性は極めて不十分
である。また、ブタジエンとアクリロニトリルとのコポ
リマーは、ポリイミド樹脂とは殆ど相溶しないがエポキ
シ樹脂とは相溶し、かつ硬化物中にミクロ相分離構造を
発現させて強靱性、耐熱衝撃性の向上は達成されるが、
反面、耐水性、電気特性の著しい低下を来す点が問題で
あった。
【0006】一方、本発明者等が先に提案した方法によ
れば、シアン酸エステル類との相溶性が向上し、作業性
が良く、かつ電気特性、耐湿性等に優れた硬化物が得ら
れるが、十分な相溶性を得るためにはビニル芳香族化合
物の共重合比率を高める必要があり、その場合には耐熱
性が低下する点が問題であった。
【0007】本発明は、このような実情からみてなされ
たもので、種々の溶媒に対する溶解性に優れ、前記した
エポキシ樹脂やポリイミド樹脂は勿論、その他の熱硬化
性樹脂、熱可塑性樹脂と任意に相溶し、作業性が良く、
かつ共役ジエン系重合体本来の優れた電気特性、耐湿
性、耐熱性等が維持された新規な変性共役ジエン系樹脂
の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、数平均分子量が500〜
20,000 である共役ジエン系重合体とN−置換マレイミ
ドとを付加反応させて得られる変性共役ジエン系樹脂
が、種々の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂との相溶性に優
れ、作業性が良く、かつ、共役ジエン系重合体本来の優
れた電気特性、耐湿性、耐熱性が維持されていることを
見出して本発明を完成した。
【0009】本発明は、数平均分子量が 500 〜 20,00
0 である共役ジエン系重合体(成分A)と、下記一般式
〔I〕で示されるN−置換マレイミド(成分B)とを付
加反応させて得られることを特徴とする変性共役ジエン
系樹脂の製造方法である。
【0010】
【化3】 (ここに、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、置換アリール基を示す。)
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて用いられる共役ジエン系重合体(成分A)として
は、共役ジエン類、例えば1,3−ブタジエン、イソプ
レン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オ
クタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン等の一
種又は二種以上を公知のイオン重合法やラジカル重合法
等で重合させた数平均分子量が 500〜 20,000 のものが
用いられる。
【0012】また、上記の共役ジエン類とビニルモノマ
ー類、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−t
ert−ブトキシスチレン、1,1−ジフェニルエチレ
ン等のビニル芳香族化合物類;(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸
エステル類;2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の
分子内に水酸基を有する(メタ)アクリレート類;グリ
シジルメタクリレート等の分子内にグリシジル基を有す
る(メタ)アクリレート類;アクリロニトリル等の一種
又は二種以上との共重合体も使用することができる。な
お、共役ジエン単位のミクロ構造には特に制限はなく、
また、前記共役ジエン系重合体のエポキシ化物、マレイ
ン化物、共役ジエン単位の一部が水素添加された部分水
添共役ジエン系重合体等の二次変性体も使用することが
できる。
【0013】市販品としては、日本曹達(株)製のNI
SSO−PB−B−1000,同B−2000,同B−
3000,同G−1000,同G−2000,同G−3
000,同C−1000,同BN−1010,同BF−
1000等、日本ゼオン(株)製のポリオイル110,
同130,同160等、出光アトケム(株)製のPol
ybdR−45HT,同R−45EPT,同R−45E
PI等、日本石油化学(株)製の日石ポリブタジエンB
−1000,同B−2000,同M−1000−20,
同M−2000−80,同E−1000−3.5,同E
−1800−6.5等、BFグッドリッチ社製のハイカ
ーCTB2000×162,同CTBN1300×8,
同CTBN1300×13,同VTBN1300×1
4,同ATBN1300×16等、(株)クラレ製のク
ラプレンLTR−290,同390,同310,同3
0,同50,同403,同410,同503等が例示さ
れる。
【0014】本発明において用いられるN−置換マレイ
ミド(成分B)としては、N−メチルマレイミド、N−
エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−n−
ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−フェニルマレイミド、N−2−メチルフェニルマレ
イミド、N−(1−ナフチル)マレイミド、N−ベンジ
ルマレイミド、N−(2−フルオレニル)マレイミド、
N−1−(4アセトキシナフチル)マレイミド、N−4
−カルボキシフェニルマレイミド、N−4−ヒドロキシ
フェニルマレイミド、4−ブロモフェニルマレイミド、
2,4−ジブロモフェニルマレイミド、2,4,6−ト
リブロモフェニルマレイミド等が挙げられ、これらは一
種又は二種以上で用いられる。
【0015】本発明において、共役ジエン系重合体(成
分A)とN−置換マレイミド(成分B)とを付加反応さ
せるに際し、付加反応を効率良く進行せしめるために触
媒を併用することもできる。この触媒は、付加反応をよ
り効率良く進行せしめるものであれば特に制限はない
が、例えば、有機過酸化物を挙げることができる。
【0016】この有機過酸化物としては、過酸化ベンゾ
イル、2,4−ジクロル過酸化ベンゾイル、オクタノイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等のジアシ
ルパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパ
ーオキサイド類;t−ブチルパーベンゾエート、t−ブ
チルパーアセテート、ジ−t−ブチルパーフタレート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサン等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトン
パーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等の
ケトンパーオキサイド類;ジ−t−ブチルヒドロパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、α−フェニ
ルエチルヒドロパーオキサイド、シクロヘキセニルヒド
ロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン等のパーオキシケタール類;ジーイソプ
ロピルパーオキシジカーボナイト、ビスー(4ーtーブ
チルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパ
ーオキシカーボネート類などが一種又は二種以上の混合
物として用いられ、これらの使用量は共役ジエン系重合
体に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜
5重量%が適当である。
【0017】また、前記有機過酸化物と所謂レドックス
系を形成するような化合物、例えばジメチルアニリン等
の第3級アミン類、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マ
ンガンのような有機カルボン酸金属塩類を併用して用い
ることもできる。
【0018】本発明において用いられる溶媒としては、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン
等の脂肪族系溶剤、n−ブタノール、n−アミルアルコ
ール、n−ヘキサノール等のアルコール系溶剤、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセト
ン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルエーテル、
アニソール等のエーテル系溶剤、メチラール、ジエチル
アセタール等のアセタール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸−n−ブチル、酢酸−n−アミル等のエステ
ル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価
アルコール誘導体類、四塩化炭素、1,1,1−トリク
ロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−
2−ピロリドン、N−メチルモルホリン、ジメチルスル
ホキシド等の一種又は二種以上が用いられる。
【0019】本発明における変性共役ジエン系樹脂は、
通常次の方法で製造される。すなわち、共役ジエン系重
合体(成分A)とN−置換マレイミド(成分B)とを、
好ましくは、前記有機過酸化物等の反応触媒を用いて、
不活性溶媒中、室温〜200℃、好ましくは50〜15
0℃の温度下で攪拌しながら、1分〜30時間、好まし
くは10分〜10時間反応を行うことができる。
【0020】反応の時の成分Aと成分Bとの重量比は、
10/90≦A/B≦95/5が好ましく、過少な場合
には他の樹脂に対する改質効果が小さく、また、過大な
場合には十分な相溶性が得られず、各々好ましくない。
【0021】また、反応時の成分Aと成分Bとの総樹脂
分濃度は、1〜80重量%、好ましくは10〜50重量
%である。80重量%以上では、反応系が著しく増粘
し、時にはゲル化を生じるため好ましくなく、1%未満
では生産性が悪い。
【0022】反応は、空気又は窒素又はアルゴン等の不
活性ガス雰囲気下で行われる。
【0023】また、反応時又は反応終了後、反応系に
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノー
ル、p−メトキシキノン、ハイドロキノン、4,4'
チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、N,N' −ジフェニル−p−フェニレンジアミン
等公知の重合防止剤を添加することもできる。
【0024】本発明において、共役ジエン系重合体とN
−置換マレイミドとの反応は、活性水素部位へのNー置
換マレイミドの付加反応が主たる反応と推定される。
又、共役ジエン系重合体の種類、該重合体とNー置換マ
レイミドとの配合比等により異なるが、共役ジエン1単
位当たりNー置換マレイミドが1〜6モル付加している
ものと推定される。
【0025】前記した共役ジエン系重合体中の活性水素
部位へのN−置換マレイミドの付加反応は、溶媒中、無
触媒でも可能であるが、汎用の有機溶媒を用い、使用す
る共役ジエン系重合体及びN−置換マレイミドの種類や
それらの組成比に応じて適当な濃度とし、かつ、適当な
分解温度を有する有機過酸化物等の触媒を用いる方法
が、効率良く、且つ容易に目的とする新規な変性共役ジ
エン系樹脂を製造することができ好ましい。
【0026】
【実施例】本発明を、実施例及び比較例により、更に具
体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、これらの実
施例により何等制限を受けるものではない。なお、以下
の例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限
り重量基準である。
【0027】実施例1 1,4−ポリブタジエン,polybdR−45HT
(数平均分子量(以下、Mnと記す)=2800、1,
4結合含有率=80%、水酸基価=46.6、出光アト
ケム(株)製)50g、N−フェニルマレイミド25
g、シクロヘキサノン425g、反応触媒としてクメン
ハイドロパーオキサイド0.5gを反応容器に仕込み、
窒素雰囲気下、攪拌しながら140℃で2時間反応させ
た。反応液をガスクロマトグラフィー(以下、GCと記
す)により分析した結果、未反応のN−フェニルマレイ
ミドは1%以下であり、反応が完結していることが確認
された。次いで、反応液を大量のメタノール中に投入し
てポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、60℃で5時間
乾燥し、白色粉末状のポリマー72gを得た(試料
1)。得られたポリマーについて、GPC(図1)、赤
外吸収スペクトル(図2)、1H-NMR( 図3) 、13C-NMR
(図4)を測定した。
【0028】赤外線吸収スペクトル(図2) 3075cm-1(-CH=CH2 )、3010cm-1(-CH=CH
- )、2925cm-1、2850cm-1(-C-CH2-C-
)、1770cm-1(イミド環)、1710cm-1(-
CO )、1640cm-1(-CH=CH2 )、1600c
-1、1500cm-1(ベンゼン環)、1180cm-1
(イミド環)、910cm-1、990cm-1(-CH=C
H2 )、965cm-1(-CH=CH- )、750cm-1、6
90cm-1、690cm-1(ベンゼン環)
【0029】 1H-NMR(図3) 7〜7.5ppm(N−フェニルマレイミド:ベンゼン
環)、4.8〜5.8ppm(ブタジエン:-CH=CH- 、
-CH=CH2 )、1〜2.4ppm(ブタジエン:-CH 、-C
H2
【0030】図1に示したように、polybdR−4
5HTと得られたポリマーとのGPC溶出曲線を比較す
ると、RIサイド(示差屈折計)で後者のピークは前者
より高分子量側に移行してい、一方UVサイド(紫外線
吸収計)では、前者に見られないピークが後者において
そのRIに対応する位置に出現してい、また、後者のR
IとUVのピークはほぼ相似型を示している。
【0031】図2及び図3に示したように、得られたポ
リマーはいずれのスペクトルにおいてもポリブタジエン
とN−フェニルマレイミドの特徴的な吸収が観察され
る。前記1H-NMRの帰属には記さなかったが、0.5pp
mから2.6ppmにかけて飽和イミド環の-CH2に基ず
くブロードなシグナルが、また、2.6ppmから4.
5ppmにかけて飽和イミド環の-CH に基づくブロード
なシグナルが見られ、それらの面積はほぼ同一である。
また、第4図に13C NMR の0〜70ppm付近の拡大図
を示した。20ppmから37ppmにかけて飽和イミ
ド環の-CH2に基づくブロードなシグナルが、また、37
ppmから52ppmにかけて飽和イミド環の-CH に基
づくブロードなシグナルが見られ、やはり、それらの面
積はほぼ同一である。以上の事から、得られたポリマー
は目的とする変性共役ジエン系樹脂である事が確認され
た。
【0032】実施例2 1,2−ポリブタジエン,NISSO−PB−B−10
00(Mn=1200、1,2−結合含有率=90%、
日本曹達(株)製)50g、N−フェニルマレイミド5
0g、シクロヘキサノン560g、反応触媒として1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン1gを反応容器に仕込み、窒素雰囲
気下、攪拌しながら130℃で3時間反応させた。反応
液をGCにより分析した結果、未反応のN−フェニルマ
レイミドは1%以下であり、反応が完結していることが
確認された。次いで、反応液を実施例1におけると同様
に後処理を行い、白色粉末状のポリマー94.5gを得
た(試料2)。得られたポリマーについて、GPC、赤
外線吸収スペクトル、1H-NMRを測定したところ、目的と
する変性共役ジエン系樹脂であることが確認された。図
5にGPC溶出曲線を、図6に赤外線吸収スペクトルを
示す。
【0033】赤外線吸収スペクトル(図6) 3075cm-1(-CH=CH2 )、3010cm-1(-CH=CH
- )、2925cm-1、2850cm-1(-C-CH2-C-
)、1770cm-1(イミド環)、1710cm-1(-
CO )、1640cm-1(-CH=CH2 )、1600c
-1、1500cm-1(ベンゼン環)、1180cm-1
(イミド環)、910cm-1、990cm-1(-CH=C
H2 )、965cm-1(-CH=CH- )、750cm-1、6
90cm-1、690cm-1(ベンゼン環)
【0034】実施例3 1,4−ポリブタジエン,ポリオイル110(Mn=1
600、1,4−結合含有率=99%、日本ゼオン
(株)製)80g、p−カルボキシフェニルマレイミド
20g、1−メトキシ−2−プロパノール250g、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン1gを反応容器に仕込み、窒素
雰囲気下、攪拌しながら118℃で3時間反応させた。
反応液をGCにより分析した結果、未反応のp−カルボ
キシフェニルマレイミドは1%以下であり、反応が完結
していることが確認された。次いで、反応液から減圧下
に溶媒を留去して黄色エラストマー状のポリマー99g
を得た(試料3)。得られたポリマーの酸価は50.8
であり、これは計算値とほぼ一致した。また、GPC、
赤外線吸収スペクトル、1H-NMRを測定したところ、目的
とする変性共役ジエン系樹脂であることが確認された。
図7にGPC溶出曲線を、図8に赤外線吸収スペクトル
を示す。
【0035】赤外線吸収スペクトル(図8) 3200cm-1〜3700cm-1(broad 、-COOH )、
3010cm-1(-CH=CH- )、2925cm-1、285
0cm-1(-C-CH2-C- )、1770cm-1(イミド
環)、1720cm-1、1710cm-1、1690cm
-1(-CO )、1605cm-1、1510cm-1(ベンゼ
ン環)、1180cm-1(イミド環)、965cm
-1(-CH=CH- )、770cm-1、700cm-1(ベンゼ
ン環)
【0036】実施例4 1,2−ポリブタジエン,G−1000(Mn=148
0、1,2−結合含有率=91%、水酸基価=64.
5、日本曹達(株)製)40g、2,4,6−トリブロ
モフェニルマレイミド60g、シクロヘキサノン400
g、シクロヘキサノンパーオキサイド1gを反応容器に
仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら130℃で1時間
反応させ、さらにシクロヘキサノンパーオキサイドを
0.5g追加して1時間反応を継続した。反応液をGC
により分析した結果、未反応の2,4,6−トリブロモ
フェニルマレイミドは1%以下であり、反応が完結して
いることが確認された。次いで、反応液を実施例1と同
様に後処理を行い、白色粉末状のポリマー98.5gを
得た(試料4)。得られたポリマーについて元素分析を
行った結果、臭素含有量は34.8%であり、これは計
算値とほぼ一致した。また、GPC、赤外線吸収スペク
トル、1H-NMRを測定したところ、目的とする変性共役ジ
エン系樹脂であることが確認された。図9にGPC溶出
曲線を、図10に赤外線吸収スペクトルを示す。
【0037】赤外線吸収スペクトル(図10) 3150cm-1〜3800cm-1(broad 、-OH )、3
075cm-1(-CH=CH2 )、3010cm-1(-CH=CH-
)、2925cm-1 、2850cm-1(-C-CH2-C-
)、1770cm-1(イミド環)、1720cm-1(-
CO )、1560cm-1、1540cm-1、1450c
-1(ベンゼン環)、1180cm-1(イミド環)、9
1 0cm-1、990cm-1(-CH=CH2 )、965cm
-1(-CH=CH- )、860cm-1、740cm-1(ベンゼ
ン環)
【0038】実施例5 ポリオイル110(前出)30g、2,4,6−トリブ
ロモフェニルマレイミド60g、メチルエチルケトン2
10g、ラウロイルパーオキサイド1gを反応容器に仕
込み、空気雰囲気下、攪拌しながら80℃で2時間反応
させ、更にラウロイルパーオキサイド1gを追加して1
時間反応を継続した。反応液をGCにより分析した結
果、未反応の2,4,6−トリブロモフェニルマレイミ
ドは1%以下であり、反応が完結していることが確認さ
れた。次いで、反応液を実施例1と同様に後処理を行
い、白色粉末状のポリマー85.5gを得た。得られた
ポリマーについて元素分析を行った結果、臭素含有量は
38.3%であり、これは計算値とほぼ一致した。ま
た、GPC、赤外線吸収スペクトル、1H-NMRを測定した
ところ、目的とする変性共役ジエン系樹脂であることが
確認された。
【0039】実施例6 エポキシ化ポリブタジエン,BF−1000(Mn=1
350、1,2−結合含有率90.6%、エポキシ当量
240、日本曹達(株)製)60g、2,4,6−トリ
ブロモフェニルマレイミド30g、シクロヘキサノン5
00g、クメンハイドロパーオキサイド1gを反応容器
に仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら140℃で2時
間反応させた。反応液をGCにより分析した結果、未反
応の2,4,6−トリブロモフェニルマレイミドは1%
以下であり、反応が完結していることが確認された。反
応液を実施例1と同様に後処理を行い、白色粉末状のポ
リマー86.4gを得た。得られたポリマーについて元
素分析を行った結果、臭素含有量は19.1%であり、
これは計算値とほぼ一致した。また、GPC、赤外線吸
収スペクトル、1H-NMRを測定したところ、目的とする変
性共役ジエン系樹脂であることが確認された。
【0040】
【応用例】
応用例1 実施例1〜4で製造した変性共役ジエン系樹脂(試料1
〜4)について、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商
品名YD−128、エポキシ当量=190、東都化成
(株)製)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商
品名YDCN−701、エポキシ当量=210、東都化
成(株)製)、ポリフェニレンメチレンビスマレイミド
(商品名BMI−M−20、三井東圧化学(株)製)、
ビスマレイミド−トリアジン樹脂(商品名BT−217
0、三菱ガス化学(株)製)との相溶性について試験し
た。比較用として、各々の変性共役ジエン系樹脂の合成
に用いた共役ジエン系重合体、及び市販のブタジエン−
アクリロニトリル共重合体(商品名ハイカーCTBN1
300×13、BFグットリッチ社製)についても相溶
性を試験した。相溶性は、変性共役ジエン系樹脂、共役
ジエン系重合体と、前記エポキシ樹脂、マレイミド化合
物とを、各々重量比で1:1としてテトラヒドロフラン
に溶解後、ガラス板上に塗布、乾燥して、外観の透明性
により判定した。試験結果を、表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】応用例2 YD−128(前出)100部、実施例3で得た試料3
50部、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸80
部、ベンジルジメチルアミン1部を加温下に均一混合
し、100℃で3時間、更に150℃で5時間加熱硬化
して注型板を作製した。また、同様の組成物を用い、同
様の硬化条件で、直径5cmのCワッシャーを埋め込ん
だ熱衝撃テスト用の注型試料を作製した。注型板につい
て、ガラス転移点を測定した所120℃であり、また、
誘電特性はε=2.8、tan δ=0.006(いずれ
も、1MHz、室温での測定値)の特性を有していた。
また、−30℃〜120℃(各々1時間保持)の熱衝撃
サイクルテストを行ったところ、10サイクル後もクラ
ック、剥離等は発生しなかった。
【0043】
【発明の効果】本発明は、共役ジエン系重合体とN−置
換マレイミドとを有機溶媒中で反応することを特徴とし
て得られる新規な変性共役ジエン系樹脂の製造方法に関
する。実施例からも明らかなように、本発明の方法によ
れば、他の樹脂との相溶性が極めて優れた新規な変性共
役ジエン系樹脂を容易に製造することができる。従っ
て、種々の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に対して、共役
ジエン系重合体重合体本来の優れた電気特性、耐湿性、
耐水性、耐熱性、耐熱衝撃性等を付与すべく改質剤とし
て使用することが可能である。特に、本発明の一態様で
ある共役ジエン系重合体とブロモフェニルマレイミドと
からなる変性共役ジエン系樹脂は、前記した効果を付与
する改質剤としての利用の他、広範な樹脂類を対象とし
た難燃剤としての利用も期待でき、極めて有用である。
従って、本発明は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に対し
て様々な特性を付与すべく新規な改質剤を提供するもの
であり、電気・電子材料分野を始めとする産業上の意義
は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた変性共役ジエン系樹脂のG
PC溶出曲線の図である。
【図2】実施例1で得られた変性共役ジエン系樹脂の赤
外線吸収スペクトルの図である。
【図3】実施例1で得られた変性共役ジエン系樹脂の 1
H−NMRスペクトルの図である。
【図4】実施例1で得られた変性共役ジエン系樹脂の13
C−NMRスペクトルの図である。
【図5】実施例2で得られた変性共役ジエン系樹脂のG
PC溶出曲線の図である。
【図6】実施例2で得られた変性共役ジエン系樹脂の赤
外線吸収スペクトルの図である。
【図7】実施例3で得られた変性共役ジエン系樹脂のG
PC溶出曲線の図である。
【図8】実施例3で得られた変性共役ジエン系樹脂の赤
外線吸収スペクトルの図である
【図9】実施例4で得られた変性共役ジエン系樹脂のG
PC溶出曲線の図である。
【図10】実施例4で得られた変性共役ジエン系樹脂の
赤外線吸収スペクトルの図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量が 500〜 20,000 である共役
    ジエン系重合体(成分A)と、下記一般式〔I〕で示さ
    れるN−置換マレイミド(成分B)とを付加反応させて
    得られることを特徴とする変性共役ジエン系樹脂の製造
    方法。 【化1】 (ここに、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
    アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を示す)
  2. 【請求項2】数平均分子量が 500〜 20,000 である共役
    ジエン系重合体(成分A)と、下記一般式〔I〕で示さ
    れるN−置換マレイミド(成分B)とを、有機過酸化物
    の存在下にて付加反応させて得られることを特徴とする
    変性共役ジエン系樹脂の製造方法。 【化2】 (ここに、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、シクロ
    アルキル基、アリール基、又は置換アリール基を示す)
  3. 【請求項3】共役ジエン系重合体(成分A)とN−置換
    マレイミド(成分B)との重量比を10/90≦A/B
    ≦95/5として反応することを特徴とする請求項1記
    載の変性共役ジエン系樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】共役ジエン系重合体(成分A)とN−置換
    マレイミド(成分B)との総樹脂分濃度を、1〜80重
    量%として反応することを特徴とする請求項1記載の変
    性共役ジエン系樹脂の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020262537A1 (ja) * 2019-06-25 2020-12-30 昭和電工マテリアルズ株式会社 マレイミド樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂フィルム、多層プリント配線板及び半導体パッケージ

Cited By (2)

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CN113993951A (zh) * 2019-06-25 2022-01-28 昭和电工材料株式会社 马来酰亚胺树脂组合物、预浸料、层叠板、树脂膜、多层印刷线路板及半导体封装体

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