JPH06192160A - ジンゲロール誘導体、並びに強心剤及び消化管運動抑制剤 - Google Patents

ジンゲロール誘導体、並びに強心剤及び消化管運動抑制剤

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JPH06192160A
JPH06192160A JP25241993A JP25241993A JPH06192160A JP H06192160 A JPH06192160 A JP H06192160A JP 25241993 A JP25241993 A JP 25241993A JP 25241993 A JP25241993 A JP 25241993A JP H06192160 A JPH06192160 A JP H06192160A
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hydroxy
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cardiotonic
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JP25241993A
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Yoshiko Shirakami
淑子 白上
Shinichi Sawamura
信一 沢村
Akihiro Nakajima
章裕 中島
Tadashi Mizuta
正 水田
Hirosuke Sato
宏亮 佐藤
Torataro Minegishi
寅太郎 峯岸
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C49/00Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
    • C07C49/20Unsaturated compounds containing keto groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C49/255Unsaturated compounds containing keto groups bound to acyclic carbon atoms containing ether groups, groups, groups, or groups

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規ジンゲロール誘導体、並びにそれらを有
効成分として含有する強心剤及び消化管運動抑制剤を提
供する。 【構成】 一般式(I): 【化1】 で表される新規ジンゲロール誘導体。 【効果】 公知の類似ジンゲロール誘導体よりも優れた
強心作用と消化管運動抑制作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規ジンゲロール誘導
体、並びに前記の新規ジンゲロール誘導体等を有効成分
として含有する強心剤及び消化管運動抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ジンゲ
ロールは、ショウガオールと共に、天然界ではショウガ
の根茎中に同定されており、強心作用(特開昭64−9
21号公報)、血小板凝集抑制作用(特開昭63−72
625号公報)、鎮痛作用(特開昭59−1684号公
報)、抗炎症作用(特開平3−90021号公報)、抗
寄生虫作用(特開平2−4711号公報)、5−リポオ
キシゲナーゼ阻害作用(特開昭64−66138号公
報)等が知られている。更に、ジンゲロール類は、心筋
小胞体のATPaseを活性化するという作用機序を有
する強心物質として知られている(J.Pharco
l.Exper.Therapeut.,1988,V
ol.246,No.2,pp.667−673)。更
に、6−ジンゲロールはラットにおいて尾静脈内投与で
消化管運動を抑制するという報告がある〔J.Phar
m.Dyn.,7,836−348(1984)〕。
【0003】従来、強心剤としてはジギタリスやカテコ
ールアミン類等が用いられてきた。しかし、ジギタリス
は安全域が狭く、副作用が発生し易いという欠点があ
り、カテコールアミン類は作用時間が短いので経口投与
が不可能であるという欠点があった。従って、更に安全
な強心剤の開発が望まれていた。本発明者は、種々のジ
ンゲロール誘導体について更に検討を重ねたところ、新
規のジンゲロール誘導体や、従来公知の類似のジンゲロ
ール誘導体に強力な強心作用があることを見出した。更
に、本発明者は、前記の新規ジンゲロール誘導体や、従
来は消化管運動抑制作用を有することが知られていなか
った従来公知の類似のジンゲロール誘導体に強力な消化
管運動抑制作用があることも見出した。本発明はこうし
た知見に基づくものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、一般
式(I):
【化4】 で表される化合物に関する。
【0005】また、本発明は、一般式(II):
【化5】 で表される化合物を含有することを特徴とする、強心剤
にも関する。
【0006】更に、本発明は、一般式(III):
【化6】 で表される化合物を含有することを特徴とする、強心剤
にも関する。
【0007】本発明の強心剤の有効成分である、前記一
般式(II)及び一般式(III)で表される化合物には、以
下の5種類の化合物が含まれる。 (1)4,5−エポキシ−1−(4−ヒドロキシ−3−
メトキシフェニル)ドデカン−3−オン 〔前記一般式(II)及び(III)において、R12(又はR
13)が1,2−エポキシノニル基であり、R2 が水素原
子である化合物;以下、本発明化合物(1)と称するこ
とがある〕、 (2)5−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−3−メ
トキシフェニル)−7−フェニル−ヘプタン−3−オン 〔前記一般式(II)において、R12が2−ヒドロキシ−
4−フェニルブチル基であり、R2 が水素原子である化
合物;以下、本発明化合物(2)と称することがあ
る〕、 (3)7−シクロヘキシル−5−ヒドロキシ−1−(4
−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ヘプタン−3−
オン 〔前記一般式(II)及び(III)において、R12(又はR
13)が4−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−ブチル基
であり、R2 が水素原子である化合物;以下、本発明化
合物(3)と称することがある〕、 (4)2−アセチル−3−ヒドロキシ−1−(4−ヒド
ロキシ−3−メトキシフェニル)デカン 〔前記一般式(II)において、R12がメチル基であり、
2 が1−ヒドロキシオクチル基である化合物;以下、
本発明化合物(4)と称することがある〕。 (5)5−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−3−メ
トキシフェニル)ドデカン−3−オン 〔前記一般式(III)において、R2 が水素原子であり、
13が2−ヒドロキシノニル基である化合物;以下、本
発明化合物(5)と称するか、又は公知化合物として8
−ジンゲロールと称することがある〕。
【0008】前記の本発明化合物(1)〜(5)の内、
本発明化合物(1)、(3)及び(4)は新規化合物で
あるが、特開昭61−134338号又は特開昭61−
137834号各公報記載の方法を適用して、調製する
ことができる(後記実施例参照)。また、本発明化合物
(2)及び(5)は共に公知化合物であるが、本発明者
が最初にそれらの強心活性及び消化管運動抑制作用をそ
れぞれ見出したものである。本発明化合物(1)〜
(5)はそれぞれ光学異性体あるいはラセミ体であるこ
とができる。
【0009】本発明による強心剤は、錠剤、粉末剤、顆
粒剤、カプセル剤、シロップ剤、分散剤、注射剤、舌下
錠、細粒剤、外用剤、軟膏剤、座剤又はテープ剤などの
各種剤型で用いることができる。また、本発明による消
化管運動抑制剤は、錠剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、
シロップ剤、舌下錠、注射剤、細粒剤、外用剤、軟膏
剤、座剤又はテープ剤などの各種剤型で用いることがで
きる。これらの各製剤は、それぞれ、必要により公知の
担体を用いて、常法によって調製することができる。担
体としては、例えば、顆粒剤にトウモロコシデンプン、
錠剤に結晶セルロース、カプセル剤に無水ケイ酸、又
は、注射剤にブドウ糖液などを用いることができる。本
発明による強心剤は、有効成分である前記の本発明化合
物(1)〜(4)のいずれかの少なくとも1種を5〜1
00重量%、好ましくは25〜100重量%の量で含有
する。また、本発明による消化管運動抑制剤は、有効成
分である前記の本発明化合物(1)、(3)又は(5)
のいずれかの少なくとも1種を5〜100重量%、好ま
しくは25〜100重量%の量で含有する。
【0010】例えば、錠剤を調製する場合には、有効成
分である本発明化合物〔強心剤の場合には本発明化合物
(1)〜(4)、消化管運動抑制剤の場合には本発明化
合物(1)、(3)又は(5)〕の少なくとも1種20
gに対し、流動性促進剤として軟質無水ケイ酸、乾燥水
酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム若しく
はケイ酸マグネシウム等の1種又は2種以上を10〜3
0g、結合剤として、デンプン、デキストリン、アラビ
アゴム末、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、
エチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はマクロゴ
ール等の1種又は2種以上を5〜20g、滑沢剤として
タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム若しくはポリエチレング
リコール等の1種又は2種以上を0.2〜1.0g、崩
壊剤としてデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチ
ルセルロース若しくは低置換ヒドロキシプロピルセルロ
ース等の1種又は2種以上を5〜10g、界面活性剤と
してラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂
肪酸エステル若しくはポリソルベート80等の1種又は
2種以上を0〜2g含有させ、場合によりその他賦形剤
として、乳糖、白糖若しくはマンニット等を含有させ
て、総重量として100gとなるようにして調製した混
合物を打錠機にて、直径7〜20mmの錠剤となるように
成型する。
【0011】また、非経口剤も常法によって調製するこ
とができ、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩
水、ブドウ糖水溶液、ごま油、ラッカセイ油、ダイズ
油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等を用い、必要に応じて防腐剤、安定化
剤を加える。この非経口剤は安定性の点からバイアル等
に充填した後、凍結乾燥技術により水分を除去し、使用
直前に凍結乾燥品から液剤を再調製することもできる。
【0012】本発明による強心剤は、経口又は非経口的
に投与することができる。経口投与には舌下投与が含ま
れ、非経口投与には、皮下、静脈、筋注、直腸又は肺投
与などが含まれる。本発明による強心剤の投与量は、患
者、症状及び/又は投与方法などによって変化するが、
一般的には、前記の本発明化合物(1)〜(4)の少な
くとも1種を1日当たり、1〜50mg/kg、好ましくは
3〜20mg/kgの量で投与する。この投与量を、1日に
1回〜数回に分けて投与することができる。本発明によ
る消化管運動抑制剤も、経口又は非経口的に投与するこ
とができる。経口投与には舌下投与が含まれ、非経口投
与には、皮下、静脈、筋注、直腸又は肺投与などが含ま
れる。本発明による消化管運動抑制剤の投与量は、患
者、症状及び/又は投与方法などによって変化するが、
一般的には、前記の本発明化合物(5)の量として、1
日当たり、1〜50mg/kg、好ましくは3〜20mg/kg
である。この投与量を、1日に1回〜数回に分けて投与
することができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:4,5−エポキシ−1−(4−ヒドロキシ−
3−メトキシフェニル)ドデカン−3−オンの調製 メタノール10mlに1−(4−ヒドロキシ−3−メトキ
シフェニル)−4−ドデセン−3−オン(8−ショウガ
オール)1.0gを0℃で加え、それにメタノール10
mlに溶解した30%過酸化水素水1.1mlを加え、更に
同温度で6N水酸化ナトリウム水溶液0.16mlを添加
した。同温度で2時間攪拌した後、反応液を氷水中に注
ぎ、ジクロロメタンにて抽出し、有機層を水で2回洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去
し、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−300,溶離
溶媒;酢酸エチル/ヘキサン=1/9)で分離した。R
f値が0.35(酢酸エチル/ヘキサン=1/4)の溶
出部を分画し、濃縮して、標準状態で無色シロップの標
記化合物0.66gを得た。理化学的データを以下に示
す。
【0014】1H−NMR(日本電子製,270MH
z,CDCl3 )δ ppm ;0.80(3H,t,
CH23 ),1.16〜1.62(12H,m,C
2 ×6),2.49〜2.89(4H,m,Ar−C
2 2 CO−),2.93( H−),3.82(3H,s,OC3 ),5.88
(1H,s,phenolic−O),6.60〜
6.87(3H,m,aromatic−H) MS(日本電子製,m/z)=320 IRν(cm-1);3452(OH),1709(C=
O)
【0015】実施例2:5−ヒドロキシ−1−(4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシフェニル)−7−フェニル−3
−ヘプタノンの調製 アルゴン気流下で、乾燥テトラヒドロフラン100mlに
1.6Mn−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液19ml
を−78〜−75℃で加え、それにジイソプロピルアミ
ン3.03gを滴下した。同温度で10分間攪拌した
後、乾燥テトラヒドロフラン40mlに溶解した4−(4
−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)ブタン−2
−オン(o−ベンジルジンゲロン)5.68gを−78
〜−75℃で20分間で滴下した後、同温度で30分間
攪拌した。次に、乾燥テトラヒドロフラン20mlに溶解
した3−フェニルプロピオンアルデヒド5.36gを−
78〜−75℃で10分間で滴下した。同温度で2時間
攪拌下に反応させた後、室温に戻し、エーテルを注入し
て希釈し、有機層を2N塩酸で2回、冷10%NaHC
3 水溶液で2回、更に水で2回洗浄した後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃
縮して残渣(褐色油状物)11.0gを得た。更に、こ
の残渣をメタノール100mlに溶解し、5%パラジウム
炭素1.0gを加え、水素ガス雰囲気下で2時間反応さ
せた後、反応混合物をろ過し、溶媒を減圧濃縮して得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコ
ーゲルC−300,溶離溶媒;ジクロロメタン)にて精
製し、標準状態で無色シロップの標記化合物0.6gを
得た。
【0016】実施例3:7−シクロヘキシル−5−ヒド
ロキシ−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニ
ル)ヘプタン−3−オンの調製 アルゴン気流下で、乾燥テトラヒドロフラン100mlに
1.6Mn−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液19ml
を−78〜−75℃で加え、それにジイソプロピルアミ
ン3.03gを滴下した。同温度で10分間攪拌した
後、乾燥テトラヒドロフラン40mlに溶解した4−(4
−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)ブタン−2
−オン(o−ベンジルジンゲロン)5.68gを−78
〜−75℃で20分間で滴下した後、同温度で30分間
攪拌した。次に、乾燥テトラヒドロフラン20mlに溶解
した3−シクロヘキシルプロピオンアルデヒド5.61
gを−78〜−75℃で10分間で滴下した。同温度で
2時間攪拌下に反応させた後、室温に戻し、エーテルを
注入して希釈し、有機層を2N塩酸で2回、冷10%N
aHCO3 水溶液で2回、更に水で2回洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、ろ液を
減圧濃縮して残渣(褐色油状物)11.3gを得た。更
に、この残渣をメタノール100mlに溶解し、5%パラ
ジウム炭素1.0gを加え、水素ガス雰囲気下で2時間
反応させた後、反応混合物をろ過し、溶媒を減圧濃縮し
て得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ワコーゲルC−300,溶離溶媒;ジクロロメタン)
にて精製し、標準状態で無色シロップの標記化合物1.
2gを得た。1 H−NMR(270MHz,CDCl3 )δ ppm
;0.72〜1.80(15H,m,−CH(OH)
2 2 6 11 ),2.40〜2.90(6H,
m,Ar−C2 2 COC2 CH(OH)−),
3.86(3H,s,OC3 ),3.98(1H,
m,−C(OH)−),5.57(1H,bs,ph
enolic−O),6.61〜6.88(3H,
m,aromatic−H) MS(m/z)=334 IRν(cm-1);3448(OH),1705(C=
O)
【0017】実施例4:2−アセチル−3−ヒドロキシ
−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)デカ
ンの調製 アルゴン気流下で、乾燥テトラヒドロフラン150mlに
1.6Mn−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液50ml
を−78〜−75℃で加え、それにジイソプロピルアミ
ン8.1gを滴下した。同温度で20分間攪拌した後、
乾燥テトラヒドロフラン20mlに溶解した4−(4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシフェニル)ブタン−2−オン
(ジンゲロン)3.88gを−78〜−75℃で10分
間で滴下した後、同温度で40分間攪拌した。次に、乾
燥テトラヒドロフラン40mlに溶解した塩化トリメチル
シラン8.64gとトリエチルアミン2.02gの混合
物を−78〜−75℃で10分間で滴下した。同温度で
1時間攪拌下に反応させた後、室温に戻し、エーテルを
注入して希釈し、有機層を冷10%KHSO4 水溶液で
2回、冷10%NaHCO3 水溶液で2回、すばやく洗
浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ
去し、ろ液を減圧濃縮して残渣(褐色油状物)6.18
gを得た。これを130±5℃で4時間加熱して、4−
(3−メトキシ−4−トリメチルシリルオキシフェニ
ル)−2−トルメチルシリルオキシ−2−ブテン(ジト
リメチルシリルジンゲロン)1.9gを得た。次にアル
ゴン気流下で、乾燥ジクロロメタン100mlに四塩化チ
タン1.9g及びn−オクタナール1.3gを−78〜
−75℃で加え、30分間攪拌した後、同温度で乾燥ジ
クロロメタン20mlに溶解したジトリメチルシリルジン
ゲロン1.9gをすばやく添加した後、40分間攪拌下
で反応させた。反応終了後、水を加えて室温に戻し、エ
ーテルを注入して希釈し、有機層を冷10%KHSO4
水溶液、及び冷10%NaHCO3 水溶液で洗浄した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ去し、
ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(ワコーゲルC−300,溶離溶媒;
ジクロロメタン/酢酸エチル=3/1)で分離した。R
f値が0.18(ジクロロメタン/アセトン=50/
1)の溶出部を分画し、濃縮して白色結晶物として標記
化合物0.85gを得た。融点(柴田科学製);89℃
【0018】1H−NMR(270MHz,CDCl
3 )δ ppm ;0.88(3H,t,−CH2
3 ),1.18〜1.63(12H,m,C2 ×
6),1.90(3H,s,Ar−CH2 CH(COC
3 )CH(OH)−),2.48(1H,d,Ar−
CH2 CH(COCH3 )CH(O)−),2.76
〜2.97(3H,m,Ar−C2 (COCH
3 )CH(OH)−),3.82(1H,m,Ar−C
2 CH(COCH3 )C(OH)−),3.86
(3H,s,OC3 ),5.49(1H,s,phe
nolic−O),6.60〜6.89(3H,m,
aromatic−H) MS(m/z)=322 IRν(cm-1);3419(OH),1705(C=
O)
【0019】実施例5:5−ヒドロキシ−1−(4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシフェニル)ドデカン−3−オン
の調製 (1)4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデンアセ
トンの合成 バニリン152g(1モル)をアセトン300ml及び水
500mlと混合し、この混合物に25〜30℃で25%
水酸化ナトリウム水溶液186gを滴下し、室温で3日
間反応させた。反応液を酸性とし、析出晶をろ過し、乾
燥して粗結晶172gを得た。この粗結晶をメタノール
より再結晶して、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジ
リンデンアセトン150.0gを黄色結晶性粉末として
得た。 (2)ジンゲロンの合成 4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジリデンアセトン7
6.9g(0.4モル)をメタノールに溶解し、10%
ラネーニッケル触媒中で常温常圧下で接触還元して理論
量の水素を吸収させた。次いで触媒をろ去し、ろ液を減
圧濃縮し、黄色油状の残渣74gを減圧蒸留し、沸点1
60〜168℃/0.2〜0.3mmHg留分の4−(4
−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)ブタン−2−オ
ン(ジンゲロン)72.3gをほとんど無色油状物とし
て得た。
【0020】(3)O−ベンジルジンゲロンの合成 ジンゲロン58.3g(0.3モル)をメタノールに溶
解し、これに28%ナトリウムメトキシド63.7gを
滴下し、次いで塩化ベンジル55.5gを注入した後、
4時間、攪拌下にて還流反応させた。反応液をろ過し、
ろ液を減圧濃縮し、残渣をエタノールより再結晶して、
4−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)ブ
タン−2−オン(O−ベンジルジンゲロン)80.5g
を白色結晶性粉末として得た。融点60〜62℃(収率
94.4%)。 (4)O−ベンジル−(8)−ジンゲロールの合成 窒素気流下で、テトラヒドロフラン100mlに1.6M
n−ブチルリチウム−n−ヘキサン溶液46mlを−15
〜−10℃で加え、更にジイソプロピルアミン8gを滴
下した。次いでこれに−78〜−75℃でO−ベンジル
ジンゲロン14.2g(0.05モル)のテトラヒドロ
フラン溶液を滴下し、同温度で1時間攪拌した。次に、
n−オクタナール8gのテトラヒドロフラン溶液を−7
5〜−70℃で滴下した。同温度で3時間攪拌下に反応
させた後、エーテルを注入して希釈し、有機層を2M塩
酸で2回、5%NaHCO3 水溶液100mlで2回、更
に水100mlで2回洗浄した後、無水MgSO4 で乾燥
した。乾燥剤をろ去し、ろ液を減圧濃縮して残渣(褐色
油状物)22gを得、これをカラムクロマトグラフィで
分離した。 (5)8−ジンゲロールの合成 O−ベンジル−(8)−ジンゲロール3.1g(0.0
08モル)をメタノール150mlに溶解し、5%パラジ
ウム/炭素0.5gを添加し、常温常圧下で接触還元し
た。2時間で理論量の水素を吸収させた後、触媒をろ去
して、5−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−3−メ
トキシフェニル)ドデカン−3−オン〔8−ジンゲロー
ル〕2.2gを微黄色粘稠性油状物として得た。収率は
93.4%であった。
【0021】薬理試験例1:摘出モルモット心臓に対する強心作用 モルモット(雄性;平均体重=300〜400g)を撲
殺し、心臓をすばやく摘出して右心房及び左心房を分離
し、クレブス(Krebs)−ヘンゼライト(Hens
elite)溶液(NaCl;118,KCl;4.
7,CaCl2 ;2.25,MgSO4 ;1.18,K
2 PO4 ;1.18,NaHCO3 ;24.88,G
lc;11.1)を入れた容量30mlのマグヌス(Ma
gnus)管中に懸垂した。前記の栄養液を37℃に保
ち、95%O2 −5%CO2 を通気した。右心房又は左
心房に1gの静止張力を付加し、薬物を投与する前に3
0分間インキュベーションしてから、本発明の化合物な
らびに対照化合物としての8−ジンゲロール〔5−ヒド
ロキシ−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニ
ル)−3−ドデカノン〕をそれぞれ10mMの濃度でエタ
ノール(95%)に溶解して調製した溶液0.33mlを
加え、電気刺激装置(SEN203,日本光電)を用
い、2Hz,5msec.5Vの矩形波をField
Stimulationで等尺性収縮の変化をトランス
ジューサー(TB−650T,日本光電)を介して記録
計に記録した。結果を表1に示す。
【0022】
【表1】 供試化合物 右心房収縮力(%) 左心房収縮力(%) 8−ジンゲロール(対照) 56.2±12.0 113.2±22.0 本発明化合物(1) 75.5± 8.4 130.0±21.0 本発明化合物(2) 94.0± 7.1 147.3± 7.4 本発明化合物(3) 112.0±17.0 145.0± 8.5本発明化合物(4) 70.0±16.0 133.2±21.0
【0023】薬理試験例2:マウス消化管内炭素末輸送
に対する抑制作用 マウス(雄性;平均体重=20〜30g)を、実験前に
は水のみを与えるだけで24時間絶食して使用した。供
試化合物(ジンゲロール誘導体)を尾静脈より投与し、
その10分後に5%炭素末及び10%アラビアゴムの乳
剤0.2mlを経口投与し、更に30分後にマウスを頸椎
脱臼により屠殺し、小腸(十二指腸起始部より回盲部ま
で)を摘出した。供試化合物は10%エタノールを含む
生理的食塩水に溶解して投与した。溶剤のみを静脈内投
与したときの消化管運動抑制率をコントロール値とし
た。炭素末乳剤の経口投与による幽門反射が内容物を輸
送する実量を各々の結果より差し引き、供試化合物の消
化管運動抑制作用を割合で示した。対照としては、前記
の実験において炭素末輸送に対する効果が既に明らかで
ある6−ジンゲロールを用いた。本発明化合物は表2で
明らかなように、6−ジンゲロールに比して著しく強力
な活性を有している。実験に用いたマウスは1群10匹
とした。結果を表2に示す。
【0024】
【表2】 供試化合物 2mg/kg投与時の抑制率 4mg/kg投与時の抑制率 6−ジンゲロール(対照) 3.4% 24.5% 本発明化合物(1) 23.9% 91.3% 本発明化合物(3) 45.7% 95.0% 本発明化合物(5) 39.4% 84.1%
【0025】調剤調製例 本発明化合物(1)20g、軟質無水ケイ酸20g、デ
ンプン10g、タルク0.5g、ヒドロキシプロピルス
ターチ8g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを混合し、
更に乳糖を加えて総重量を100gとし、乾式打錠機に
て4000〜6000kg/cm2 の圧力で直径約10
mmの錠剤を製造した。
【0026】
【発明の効果】本発明による強心剤及び消化管運動抑制
剤は、それぞれ新規のジンゲロール誘導体などを有効成
分とし、従来公知の類似のジンゲロール誘導体よりも優
れた強心作用及び消化管運動抑制作用を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水田 正 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 佐藤 宏亮 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 峯岸 寅太郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 で表される化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(II): 【化2】 で表される化合物を含有することを特徴とする、強心
    剤。
  3. 【請求項3】 一般式(III): 【化3】 で表される化合物を含有することを特徴とする、消化管
    運動抑制剤。
JP25241993A 1992-10-09 1993-09-14 ジンゲロール誘導体、並びに強心剤及び消化管運動抑制剤 Pending JPH06192160A (ja)

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JP4-296553 1992-10-09
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