JPH06192103A - 非ステロイド系抗−炎症剤および事実上非抗生物性のテトラサイクリンを含む組成物 - Google Patents
非ステロイド系抗−炎症剤および事実上非抗生物性のテトラサイクリンを含む組成物Info
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Abstract
組織−破壊的状態に起因する、哺乳動物の骨欠損を低減
させる方法および抗生物質テトラサイクリン療法の副作
用を回避し得る該治療法を提供することにある。 【構成】 過度のメタロプロテイナーゼ活性に関連する
組織−破壊的状態に起因する、哺乳動物の骨欠損を低減
させる方法であって、効果的な抗−メタロプロテイナー
ゼ性を示すが、事実上抗生物性を示さない量のテトラサ
イクリンと、効果的に抗−メタロプロテイナーゼ性を示
す量のテトラサイクリンと組み合わせて使用した場合
に、組織破壊および/または骨欠損を有意に低減する量
の非ステロイド系抗−炎症剤との組み合わせを該哺乳動
物に投与することを特徴とする。
Description
よび過度のコラーゲン分解活性に関連する他の組織破壊
状態の治療において有用な抗−コラーゲン分解性組成物
並びにかかる処方物の使用法に関するものである。
成の幅広いスペクトルをもつ抗生物質を構成する。その
親化合物であるテトラサイクリンは以下のような一般的
な構造を示す。
ある。
(テラマイシン(Terramycin))および7-Cl誘導体(オー
レオマイシン(Aureomycin))は天然に存在し、かつ周知
の抗生物質である。天然テトラサイクリンはその抗生物
質特性を損なうことなく修飾できるが、その際にその構
造の幾つかの要素は維持されなければならない。該テト
ラサイクリンの基本構造に対して実施可能なおよび実施
不可能な修飾は、ミッシャー(Mitscher)により「ザケミ
ストリーオブテトラサイクリンズ(The Chemistryof Tet
racyclines)」、第6章、マルセルデッカー出版社、N.
Y. (1978) に概説されている。ミッシャーによれば、該
テトラサイクリンリング系の5〜9位における置換基は
抗生物特性の完全な喪失なしに修飾できるとされてい
る。しかしながら、該基本リング系に対する変更または
1〜4位および10〜12位における置換基の交換は、一般
的に実質上抗生物活性を失ったまたは事実上抗生物活性
をもたない合成テトラサイクリン類の形成へと導く。例
えば、4-デジメチルアミノテトラサイクリンは通常非−
抗生物性テトラサイクリンであると考えられている。テ
トラサイクリン抗生物質の使用は有効ではあるが、望ま
しからぬ副作用を生ずる恐れがある。例えば、抗生物質
テトラサイクリン類の長期に渡る投与は健康状態におけ
るフローラ、例えば腸内細菌叢等を減少もしくは排除す
る可能性があり、また抗生物質耐性微生物の発生または
通性の酵母並びに真菌の過度の成育に導く可能性があ
る。
クリンはまたコラーゲン分解酵素、例えば哺乳動物のコ
ラーゲナーゼ、マクロファージエラスターゼおよびバク
テリアコラーゲナーゼの活性を阻害することも知られて
いる(ゴルブ(Golub) 等, J.Periodont. Res., 1985, 2
0, pp. 12-23;ゴルブ等, Crit. Revs. Oral Biol. Me
d., 1991, 2, pp. 297-332)。コラーゲンは、例えば
骨、骨膜、目、皮膚、腱および歯肉等における結合組織
マトリックスの主成分である。コラーゲナーゼはほんの
僅かな型のバクテリアにより、および哺乳動物の幾つか
の組織並びに細胞内で天然に生産されているにすぎず、
これはコラーゲンを分解する。哺乳動物のコラーゲナー
ゼによるコラーゲンの分解は結合組織内で生ずる正常か
つ自然な成育−分解−再生過程の一部である。しかしな
がら、コラーゲナーゼの生成が過剰となる可能性があ
る。このような過度のコラーゲナーゼの生成は、しばし
ば結合組織の病理的かつ衰弱的分解をもたらす。マクナ
マラ(McNamara)等の米国特許第4,704,383 号は、実質的
に有効な抗生物活性をもたないテトラサイクリン類がラ
ットにおけるコラーゲン分解酵素活性を阻害することを
開示している。マクナマラ等は、また非−抗生物性のテ
トラサイクリン類が器官培養物中の骨吸収を減じること
を報告しているが、その臨床的研究に関しては何等報告
しなかった。
7 号は、テトラサイクリン類(市販品として入手できる
この薬物の抗生物質剤形を含む)が、過度の哺乳動物の
コラーゲン分解酵素活性を阻害して、一般に骨吸収中に
起こる崩壊を含めて、結合組織崩壊の低下をもたらすこ
とを開示した。非−抗生物性テトラサイクリン類をも含
めて、テトラサイクリン類がラット中の関節炎の治療に
おいて有効であることを示唆する多数の報告がある。例
えば、ゴルブ(Golub) 等, 「テトラサイクリン類(TCs)
はメタロプロテイナーゼ(MPs)を阻害する:関節炎およ
び糖尿病に罹患したラットにおけるインビボ効果および
新規なインビトロでの研究(Tetracyclines (TCs) Inhib
it Metalloproteinases(MPs): In Vivo Effects In Art
hritic And Diabetic Rats, And New In VitroStudie
s)」(その要約はマトリックスメタロプロテイナーゼコ
ンフェレンス(Matrix Metalloproteinase Conference)
、デスティン、フロリダ、1989年、9月11-15 日にて
発表された)、ブリードベルド(Breedveld),「サプレッ
ションオブコラーゲンアンドアジュバントアルスリティ
スバイアテトラサイクリン(Suppression of Collagen A
nd Adjuvant Arthritis By A Tetracycline)」、米国リ
ュウマチ学会のノースイースタンリジョナルミーティン
グ(Northeastern Regional Meeting of The Amer. Rheu
m. Assoc.), アトランティックシティー、ニュージャー
ジー州、1987年、10月23-24 日を参照のこと。非−抗生
物性テトラサイクリン類の骨欠損に及ぼす作用に関する
関連する解説については、サイポス(Sipos) 等の「唾液
除去したラットの歯周病による歯槽骨欠損に及ぼすコラ
ーゲナーゼインヒビターの効果(The Effects of Collag
enase Inhibitors On Alveolar Bone LossDue To Perio
dontal Disease In Desalivated Rats)」を参照のこと
(その要約はマトリックスメタロプロテイナーゼコンフ
ェレンス(Matrix Metalloproteinase Conference) 、デ
スティン、フロリダ、1989年、9月11-15 日にて発表さ
れた)。
果は、しかしながらリウマトイド関節炎に罹患したヒト
患者についてはいまだ確立されていない。即ち、スキナ
ー(Skinner) 等は関節炎およびリュウマチ(Arthritis a
nd Rheumatism), 1971, 14,pp. 727-732 において、リ
ウマトイド関節炎に罹患したヒトのテトラサイクリン療
法には何等有意な利点が見られなかったことを報告し
た。但し、グリーンワルド(Greenwald) 等は、J. Rheum
atol., 1987, 14, pp. 28-32において、重度のリウマト
イド関節炎に罹患したヒトへのテトラサイクリンの経口
投与が、関節組織におけるコラーゲナーゼ活性を減ずる
ことを報告した。テトラサイクリン類とは異なり、非−
ステロイド系の抗−炎症剤がリウマトイド関節炎並びに
他の炎症性諸疾患の対症療法において有用であることは
公知である。しかしながら、かかる薬剤は過剰量のコラ
ーゲナーゼの存在により生ずる、腱、軟骨および骨を含
む関節−結合組織の長期に及ぶ破壊を効果的に防止し得
ない。過度のコラーゲナーゼ活性は、また幾つかの皮膚
疾患にも関与している。ホワイト(White),ランセット
(Lancet), 1989,4月29日、p. 966によれば、テトラサ
イクリン、ミノサイクリンは栄養障害性表皮水疱症の治
療において有効であり、該疾患は真皮で生成される過剰
のコラーゲナーゼに関連するものと考えられている、生
命を脅かす皮膚状態である。
性はエリュースキー(Elewski) 等によっても研究された
(ジャーナルオブザアメリカンアカデミーオブデルマト
ロジー(Journal of the American Academy of Dermatol
ogy), 1983, 8, pp. 807-812) 。エリュースキー等は、
テトラサイクリン抗生物質が皮膚における抗−炎症活性
をもち得ることを開示し、かつバクテリアに関連する皮
膚疾患、例えばアクネにおける治療効果の一部は、直接
的な抗生物性効果によるのではなく、バクテリアにより
誘発された炎症の阻害に基く可能性があるものと推定し
た。同様に、プレウイッグ(Plewig)等は、ジャーナルオ
ブインベスティゲイティブデルマトロジー(Journal of
Investigative Dermatology), 1975, 65, pp. 532-532
において、抗微生物剤が炎症性皮膚疾患の治療において
有効であるという仮説をテストするための実験を開示し
ている。このプレウイッグ(Plewig)等の実験は、テトラ
サイクリン類がヨウ化カリウム斑(potassium iodide pa
tches)により誘起されるプステルの治療において抗−炎
症活性を有することを明らかにしている。また、コラー
ゲナーゼが骨吸収に関与するという仮説も見られる。例
えば、コーエン(Cowen) 等は、バイオケミストリーイン
ターナショナル(Biochemistry International), 1985,
11, pp. 273-280 において、コラーゲナーゼの骨芽細胞
産生が骨吸収の開始事象であり、破骨細胞により摂取さ
れる無機物を遊離するものと仮定している。更に、デレ
ッセ(Delaisse)等は、バイオケミカルアンドバイオフィ
ジカルリサーチコミュニケーションズ(Biochemical and
Biophysical Research Communications), 1985, 133,
pp. 483-490 において、コラーゲナーゼが骨吸収におい
て決定的な役割を演じていることを提案している。この
デレッセ等の研究は、哺乳動物のコラーゲナーゼおよび
関連する組織メタロプロテイナーゼの阻害が骨コラーゲ
ンの分解を防止し、かくして組織培養における移植マウ
ス骨の吸収を阻害することを示している。
の治療に関する、非−ステロイド系抗−炎症剤と組み合
わせたテトラサイクリンの使用が研究されている。ワン
(Wang)等(ジャーナルオブアメリカンアカデミーオブデ
ルマトロジー(Journal of American Academy of Dermat
ology), 1984, 11, pp. 1076-1081)はテトラサイクリン
とイブプロフェン(ibuprofen) との組み合わせを研究
し、テトラサイクリンが通常のアクネに対して有効な薬
剤であり、かつイブプロフェンがシクロオキシゲナーゼ
の阻害により生成する炎症の緩和に有用であることを見
出した。ファント(Funt)(ジャーナルオブザアメリカン
アカデミーオブデルマトロジー(Journal of the Americ
an Academy of Dermatology), 1985, 13, pp. 524-525)
はテトラサイクリンミノサイクリンとイブプロフェンと
を組み合わせることにより同様な結果を得たことを報告
した。上記研究の殆どにおいては、該テトラサイクリン
はその抗生物性効果のために有効であると考えられてい
た。従って、上記マクナマラ等の特許の開示以外は、抗
生物性テトラサイクリン類がその望ましからぬ副作用に
も拘らず使用されていた。上記研究にも拘らず、リウマ
トウド関節炎および過度のコラーゲン分解活性に関連す
る他の組織破壊的状態の長期に渡り有効な治療は依然と
して曖昧なままである。
はかかる治療法を提供することにある。本発明のもうひ
とつの目的は抗生物質テトラサイクリン療法の副作用を
回避し得る該治療法を提供することにある。
発明の目的が、リウマトイド関節炎および過度のメタロ
プロテイナーゼ活性に関連する組織−破壊状態を被った
哺乳動物の治療法を提供することにより達成することが
でき、この方法は効果的な抗−メタロプロテイナーゼ性
を示すが、事実上抗生物性を示さない量および/または
型のテトラサイクリンと、該効果的に抗−メタロプロテ
イナーゼ性を示す量および/または型のテトラサイクリ
ンと組み合わせて使用した場合に、骨欠損の有意な減少
をもたらす量の非ステロイド系抗−炎症剤との組み合わ
せを該哺乳動物に投与することを特徴とする。本発明
は、更にリウマトイド関節炎および過度のメタロプロテ
イナーゼ活性に関連する組織−破壊状態を被った哺乳動
物の治療用の薬理組成物をも提供し、該組成物は(a) 効
果的な抗−コラーゲナーゼ性を示すが、事実上抗生物性
を示さない一定量のテトラサイクリンと、(b) 効果的に
抗−コラーゲナーゼ性を示す量の該テトラサイクリンと
組み合わせて使用した場合に、骨欠損および他の結合組
織欠損を有意に低減する一定量の非ステロイド系抗−炎
症剤とを含むことを特徴とするものである。本発明で使
用するテトラサイクリンの量は、該患者において該テト
ラサイクリンが事実上非−抗生物性を示すような量であ
る。従って、本発明においては一般的に抗生物特性を目
的として使用されているテトラサイクリン類を事実上非
−抗生物性であるような少量で使用できる。
ナーゼ、例えばメタロプロテイナーゼ類の過度の活性に
関連した組織−破壊的状態の治療を目的とする。典型的
なメタロプロテイナーゼ類は、例えばコラーゲナーゼお
よびゼラチナーゼを含む。本発明により治療される組織
−破壊的状態は、リウマトイド関節炎、角膜潰瘍、表皮
水疱症、オステオポローシスを包含する代謝性骨疾患、
糖尿病性腎疾患等の基底膜の損傷を含む諸疾患、転移性
癌等の基底膜を介する細胞透過を含む諸疾患および歯周
病等を包含するが、これらに限定されない。本発明によ
り治療される状態は哺乳動物において発生する。哺乳動
物は、例えばヒトおよびマウスおよびラット等の実験動
物を包含する。化学的に修飾した非−抗生物性テトラサ
イクリン同族体がラットにおいてインビボでメタロプロ
テイナーゼを阻害するという報告、化学的に修飾したテ
トラサイクリンが唾液腺を除去されたラットにおける歯
周病に関連する歯槽骨欠損を軽減したという報告、抗微
生物性および非−抗微生物性テトラサイクリン類が組織
培養物中での骨吸収を阻害したという報告、テトラサイ
クリン、ミノサイクリン、がラットにおける関節炎の発
生率を低下し、かつ重症の該関節炎を軽減したという報
告、および抗生物性テトラサイクリン類がインビボでの
骨吸収を低下させるという報告(ゴルブ(Golub) 等の米
国特許第4,666,897 号)は、非−抗生物性投与量でのテ
トラサイクリンの投与が関節炎に罹患した動物の骨欠損
を軽減することを示唆する。しかしながら、本発明者等
は予想外のことに、このことが正しくないことを見出し
た。関節炎に罹患したラットを非−抗生物性投与量の化
学的に修飾したテトラサイクリン、4-デジメチルアミノ
テトラサイクリンで治療した場合に、骨欠損の有意な減
少は観測されなかった。
果的な抗−メタロプロテイナーゼ性をもつが、事実上抗
生物性を示さない量のテトラサイクリンと、非ステロイ
ド系抗−炎症剤との組み合わせを関節炎に罹患した哺乳
動物に投与した場合に、骨欠損が有意に低下することを
見出した。骨吸収の阻害または新たな骨の形成の刺激の
何れかにより、骨欠損を軽減することができる。該テト
ラサイクリンは哺乳動物において事実上非−抗生物性を
示す投与量で該哺乳動物に投与される任意のテトラサイ
クリンであり得る。好ましくは、該テトラサイクリンは
その抗生物性を減ずるように修飾される。テトラサイク
リンの抗生物性を減ずる方法は「テトラサイクリン類の
化学(The Chemistry of the Tetracyclines)」、第6
章、ミッシャー(Mitscher), 1978, p. 211に詳しく記載
されている。ミッシャーにより指摘されている如く、1
-、2-、3-、4-、10- および12a-位での修飾は生活性の
喪失に導く。かかる修飾されたテトラサイクリンの使用
が本発明においては好ましい。というのは、より少ない
副作用の下で、抗生物性テトラサイクリンよりも高濃度
で使用できるからである。好ましいテトラサイクリン類
は4-位のジメチルアミノ基をもたないテトラサイクリン
類である。このような化学的に修飾されたテトラサイク
リン類は、例えば4-デジメチルアミノテトラサイクリ
ン、4-デジメチルアミノ-5- オキシテトラサイクリン、
4-デジメチルアミノ-7- クロロテトラサイクリン、4-ヒ
ドロキシ-4-デジメチルアミノテトラサイクリン、5a,6-
アンハイドロ-4- ヒドロキシ-4- デジメチルアミノテ
トラサイクリン、6-デオキシ-6- デメチル-4- デジメチ
ルアミノテトラサイクリン、6a- デオキシ-5- ヒドロキ
シ-4- デジメチルアミノテトラサイクリン、4-デジメチ
ルアミノ-12a- デオキシテトラサイクリンおよび4-デジ
メチルアミノ-11-ヒドロキシ-12a- デオキシテトラサイ
クリン並びにこれらの誘導体を含み、特に好ましいもの
は4-デジメチルアミノ-11-ヒドロキシ-12a- デオキシテ
トラサイクリンである。
たテトラサイクリン、例えばテトラサイクリンの2-ニト
リロ同族体は非−抗生物性抗−メタロプロテイナーゼと
して有用である。抗生物質活性を減ずるように修飾され
たテトラサイクリンの他の例は6a- ベンジルチオメチレ
ンテトラサイクリン、テトラサイクリンのモノ-N- アル
キル化アミド、6-フルオロ-6- デメチルテトラサイクリ
ン、11a-クロロテトラサイクリン、12a-デオキシテトラ
サイクリンおよびこれらの誘導体を包含する。非−抗生
物性であるテトラサイクリンのピラゾール誘導体はその
抗−コラーゲナーゼ活性を喪失している。テトラサイク
リンの使用量は、効果的な抗−コラーゲナーゼ性を示す
が、事実上抗生物性を示さないような量である。ある量
のテトラサイクリンは、これがコラーゲナーゼ活性を有
意に低減する場合には、効果的な抗−コラーゲナーゼ性
を示す。あるテトラサイクリンが微生物の成育を有意に
阻害しない場合、該テトラサイクリンは効果的な抗生物
質ではない。ヒトに対する最大服用量は副作用を生じな
い最大投与量である。例えば、該非−抗生物性テトラサ
イクリンは1日当たり約0.1 mg/kg 〜1日当たり約24 m
g/kg、好ましくは1日当たり約2mg/kg 〜1日当たり約
18 mg/kgの範囲内の量で投与することができる。本発明
の目的にとって、副作用とは臨床的に有意な抗生物活性
並びに毒性作用を包含する。例えば、約50mg/kg/日を越
える服用量は、ヒトを含む殆どの哺乳動物において副作
用が見られるであろう。非ステロイド系抗−炎症剤はこ
の種の化合物の種々の群から選択できる。かかる群の化
合物は、例えばアセチルサリチル酸およびジフルニサル
(diflunisal)等のサリチレート類、インドメタシン(ind
omethacin)、スリンダク(sulindac)、トルメチン(tolme
tin)、ジクロフェナク(diclofenac)およびエトドラク(e
todolac)等の酢酸類、フルルビプロフェン(flurbiprofe
n)、ナプロキセン(naproxen)およびケトプロフェン(ket
oprofen)等のプロピオン酸類、メクロフェナメート(mec
lofenamate) 等のフェナメート類(fenamates) 、ピロキ
シカム(piroxicam) 等のオキシカム類、およびテニダプ
(tenidap) 等のオキシインドール類を包含する。
ルビプロフェン、ピロキシカム、トルメチンナトリウ
ム、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシンお
よびテニダプを含む。テニダプ(CP 66,2408)はファイザ
ーセントラルリサーチ(PfizerCentral Research; グロ
トン(Groton), CT)より入手できる。この非ステロイド
系抗−炎症剤の量は、効果的な抗−コラーゲナーゼ性を
示す量のテトラサイクリンと組み合わせて使用した場合
に、過度のメタロプロテイナーゼ活性に関連する組織破
壊的状態を被っている哺乳動物における骨または他の結
合組織欠損の有意な低減をもたらす量である。この量は
使用する特定の抗−炎症剤の種類、本発明の組成物を投
与すべき哺乳動物の種類、および該組成物中の該テトラ
サイクリンの量に依存する。日常的にヒトにおいて使用
するための典型的な幾つかの投与量は、例えばピロキシ
カムについては20 mg/日、インドメタシンについては15
0mg/日、トルメチンについては1600─1800 mg/日、ナプ
ロキセンについては1000 mg/日およびイブプロフェンに
ついては3200 mg/日である。例えば、4-デジメチルアミ
ノテトラサイクリンの適当な量は15 mg/kgである。30 m
g/kgの4-デジメチルアミノテトラサイクリンとの組み合
わせで使用するのに適した抗−炎症剤の量は、例えばフ
ルルビプロフェンについては1-8 mg/kg であり、ピロキ
シカムについては0.3 mg/kg であり、またイブプロフェ
ンについては40 mg/kgである。
な量を与える指標として、経験的には関節炎を治療する
のに使用される公知の抗−炎症剤の服用量の約20% 〜約
80%の範囲の量で投与する。かくして、この服用量はピ
ロキシカムに対する10 mg/ヒト/日程度の少量から、イ
ブプロフェンに対する3200 mg/ヒト/日程度の高い量ま
でであり得る。何れにしろ、開業医は当分野における熟
練者と有識者とにより指導され、かつ本発明は制限なし
に、記載された現象を達成するのに有効な投与量を包含
する。例えば、該非ステロイド系抗−炎症剤は1日当た
り約0.3 mg/kg乃至1日当たり1人当たり約3500mgの範
囲内の量を投与できる。本発明で使用するのに好ましい
薬理組成物は、適当な製薬担体中に上記のテトラサイク
リンと該抗−炎症剤との組み合わせを含む。活性成分を
含む該製薬担体の頒布剤形としては、哺乳動物に経口投
与するのに適したカプセル、圧縮錠剤、ピル、溶液また
は懸濁液の形状であり得る。他の頒布剤形としては、角
膜潰瘍、歯周病等に対して局所投与するためのゲル剤ま
たは制御放出ポリマー剤形状を包含する。ここで、担体
とは経口並びに局所投与、関節内への注射による投与お
よび他の選択された手段による投与を包含するものと理
解すべきである。
ン)、化学的に修飾した非−抗生物性テトラサイクリン
(4-デジメチルアミノテトラサイクリン; CMT)、および
フルルビプロフェン/CMTの組み合わせの(i) コラーゲナ
ーゼおよびゼラチナーゼ活性、(ii)臨床的に評価された
炎症の重度、および(iii) 実験的に関節炎とされたラッ
トの組織および関節の放射線写真により評価された骨欠
損に及ぼす効果を決定するために、以下の様な実験を実
施した。36匹の成熟ルイス(Lewis) ラットを、フロイン
ドアジュバントの注射により関節炎とし、これら動物を
以下のような実験群に分けた。群I:未処理関節炎ラッ
ト群、群II:経口強制飼養により毎日フルルビプロフェ
ン(ラット当たり1.0mg)を投与した関節炎ラット、群II
I:経口強制飼養により毎日CMT(ラット当たり3mg)を投与
した関節炎ラット、群IV:これら両薬物を投与した関節
炎ラット。2〜3週間(酵素活性を評価したラット6匹
/群に対して2週間、酵素活性を評価したラット3匹/
群に対して3週間、骨欠損につきX-線により評価したラ
ット3匹/群に対して3週間)の実験期間後、該ラット
を殺し、後脚を得、皮膚を除去し、かつ該関節炎に罹っ
た関節上にある炎症を起こした皮下組織を切除した(全
ての切除および抽出処置は4°Cにて行った)。該組織
を細かく刻み、秤量し、抽出し、得られた抽出物を前に
記載された技術(ラママーシー&ゴルブ(Ramamurthyand
Golub), J. Peridontal Res., 1983, 17, p. 455)を
利用して硫酸アンモニウム沈殿法により部分的に精製し
た。次に、罹患した組織の抽出物を5倍に濃縮し、その
アリコートを(a) [3H-メチル] ゼラチン(変性したタイ
プIラットの皮膚コラーゲン)と共に37°Cにて4時間
インキュベートして、ゼラチナーゼ活性を測定し、未消
化ゼラチンをトリクロロ酢酸で沈殿させ、かつ遠心処理
後該上澄中の分解生成物のアリコートを液体シンチレー
ション分光器により測定し、(b)コラーゲナーゼアッセ
イのために、該抽出物を[3H-メチル] コラーゲンと共に
22°Cにて18時間インキュベートし、放射線標識された
コラーゲン成分(α鎖)および分解フラグメント
(αA )をSDS-ポリアミドゲル電気泳動法およびフルオ
ログラフィーの組み合わせにより評価した(ゴルブ等,
J. Peridontal Res., 1985, 20, p. 12)。
壊的メタロプロテイナーゼ活性(ゼラチン分解およびコ
ラーゲン分解)を示し、これに関連して後脚の最も高い
炎症性膨潤が見られ、かつ関節における最大の骨欠損を
示した(後者はX-線により評価した)。 2. フルルビプロフェンのみで処置した関節炎ラット
は、該脚の低減された膨潤を示し、僅かに低いメタロプ
ロテイナーゼ活性(ゼラチン分解活性における減少は統
計的に有意ではなかったが、フルオログラフィーで評価
したコラーゲン分解活性は統計的に分析しなかったこと
に注意)、および僅かな関節における骨欠損の減少を示
した。 3. CMT のみで処置した関節炎ラットは、メタロプロテ
イナーゼ活性における有意の減少および僅かな関節にお
ける骨欠損の減少を示し、かつ検出可能な抗−炎症作用
(後脚膨潤における検出可能な減少)は見られなかっ
た。 4. CMT とフルルビプロフェンとで処置した関節炎ラッ
トは、コラーゲン分解活性の完全な阻害、ゼラチン分解
活性の最大の低下、関節における骨欠損の最大の減少、
およびフルルビプロフェンのみで処置した関節炎ラット
につき観測された値と同程度またはそれ以上の後脚膨潤
の減少を示した。
E.M.)を表す。 **:%評価値は存在する分解酵素の度合いを表し、例え
ばより大きな数値は分解酵素のより大きな存在量を表
す。
プロフェン単独で処置した関節炎ラットでは、それぞれ
病理的関節変化の幾分かが改善されているものと結論付
けることができる。しかしながら、これら2種の薬物の
組み合わせにより関節炎を処置した場合には、該組織−
破壊的な炎症性関節変化が最大限低減されることが観測
された。
ジメチルアミノテトラサイクリン)単独、該非−ステロ
イド系抗−炎症剤フルルビプロフェン単独、およびCMT
とフルルビプロフェンとの組み合わせの、関節炎により
誘発された骨および関節の破壊に及ぼす効果を調べた結
果と比較することにより、本発明の有効性を決定するた
めに、更に別の実験を実施した。この実験を実施するた
めに、本発明者等は各々実験開始時点における体重約12
0gをもつ成熟ルイスラットを使用した。これらラットを
5群に分けたが、その1群は6匹のラットからなるコン
トロール群であり、これには関節炎を誘発するための注
射を行わず、また48匹の成熟ルイスラットにはフロイン
ドアジュバントを注射することにより関節炎を誘発し
た。これらの関節炎ラットを以下の実験群に分けた。即
ち、群I:未処理の関節炎ラットには経口経路でビヒク
ルのみ、即ち2%カルボキシメチルセルロースを投与し、
群II: 関節炎ラットを毎日化学的に修飾したテトラサイ
クリン(CMT)(ラット当たり4mg/日の投与量で)を経口挿
管法で処置し、群III:関節炎ラットを毎日経口挿管法
で、非−ステロイド系抗−炎症性薬物フルルビプロフェ
ンで処置(ラット当たり0.5mg/日の割合で)し、群IV:
関節炎ラットを、各単一の活性成分での処置に関連して
上記した投与量でCMT とフルルビプロフェンとの組み合
わせを使用して処置した。
半数を殺した。その後脚を切除し、その骨および関節の
放射線写真を高感度X-線フィルムを使用して撮影した。
該X-線を、予備知識を与えない様式で、2名の独立した
経験のある検査官により評価させ、ラットの異なる5群
における関節炎による骨破壊の重度を評価した。これら
の評価値を以下の評価基準に従って与えた:1=正常、
2=軽度、3=中程度および4=重度の骨破壊。この最
初の実験後に、更に別の経験のある検査官に該結果を評
価させた。この結果を以下の表2に示した。
官による評価値の平均値を表し、但しCMT とNSAID との
組み合わせで処置した群については5個の骨を使用し
た。 **:この血清のデータは14日目に殺したラット由来の
血清に関して得た。
単独で使用された場合、23日間のプロトコール中に、関
節炎により誘発された骨および関節の破壊を僅かに阻害
する効果を示したに過ぎなかった。この結果は文献に記
載されたような初期の見解に照らして全く驚くべきもの
であり、これは研究者をして、これら成分の各々が別々
に有効であるとの予想に導く。 2. CMT とフルルビプロフェンとの組み合わせは、この
実験を通じて関節炎により誘発されたラットにおける骨
および関節の分解を防止する予想外に高い能力を示し
た。 3. この実験の結果から得られた更なる情報は、CMT と
組み合わせたフルルビプロフェンの経口投与がCMT の血
中濃度を減じないことを示している。 該実験プロトコール中およびその前の該後脚の径の物理
的測定により更なるデータを集めて、炎症の程度を決定
した。図1に示されたこの結果は、CMT とフルルビプロ
フェンとの組み合わせによる使用の結果として、該炎症
の劇的な減少を明確に示している。CMT 単独使用は、初
期の文献の記述とは逆に抗−炎症性ではないことに注意
すべきである。
ルルビプロフェンとの組み合わせは、正常な関節炎に罹
患していないラットにつき得た評価値と本質的に同等な
後脚径の評価値を与えた。CMT 単独で処置したラットか
ら採取した後脚は著しい炎症を示した。他方で、フルル
ビプロフェン単独で処置したラットから採取した後脚は
予想された如く明確な抗−炎症効果を生じた。関節炎ラ
ットからの未処置の脚は、予想通り正常な炎症脚径測定
値を示した。このことは組み合わせて使用した活性成分
の有効性を顕著に示している。基本的には、該第二の実
験の結果は該第一の実験の結果を立証しており、また組
織−破壊的状態の治療における本発明の高い有効性を更
に顕著なものとしている。 実施例3 非−ステロイド系抗−炎症性薬物(テニダプ)、化学的
に修飾した非−抗生物性テトラサイクリン(4-デジメチ
ルアミノテトラサイクリン; CMT)およびテニダプ/CMTの
組み合わせの、(i) コラーゲナーゼおよびゼラチナーゼ
活性、(ii)臨床的に評価された炎症の重度、および(ii
i) 実験的に関節炎とされたラットの組織および関節の
放射線写真により評価された骨欠損に及ぼす効果を測定
するために、以下の様な実験を実施した。
ジュバントの注射により関節炎に罹患させ、これら動物
を以下のような実験群に分けた。群II:未処理関節炎ラ
ット群、群III:経口強制飼養により毎日テニダプ(ラッ
ト当たりかつ1日当たり2-6mg)を投与した関節炎ラッ
ト、群IV: 経口強制飼養により毎日CMT(ラット当たりか
つ1日当たり4mg)を投与した関節炎ラット、群V:これ
ら両薬物を投与した関節炎ラットおよび群I:関節炎に
罹患していない正常なラット。23日間の実験期間の経過
後、該ラットを殺し、その後脚を得、皮膚を除去し、か
つ該関節炎に罹った関節上にある炎症を起こした皮下組
織を切除した(全ての切除および抽出処置は4°Cにて
行った)。該組織を細かく刻み、秤量し、抽出し、得ら
れた抽出物を前に記載された技術(ラママーシー&ゴル
ブ(Ramamurthy and Golub), J. Peridontal Res., 198
3, 17, p. 455)を利用して硫酸アンモニウム沈殿法に
より部分的に精製した。次に、罹患した組織の抽出物を
5倍に濃縮し、そのアリコートを(a) [3H-メチル] ゼラ
チン(変性したタイプIラットの皮膚コラーゲン)と共
に37°Cにて4時間インキュベートして、ゼラチナーゼ
活性を測定し、未消化ゼラチンをトリクロロ酢酸で沈殿
させ、かつ遠心処理後該上澄中の分解生成物のアリコー
トを液体シンチレーション分光器により測定し、(b) コ
ラーゲナーゼアッセイのために、該抽出物を[3H-メチ
ル] コラーゲンと共に22°Cにて18時間インキュベート
し、放射線標識されたコラーゲン成分(α鎖)および分
解フラグメント(αA )をSDS-ポリアミドゲル電気泳動
法およびフルオログラフィーの組み合わせにより評価し
た(ゴルブ等, J. Peridontal Res., 1985, 20, p. 1
2)。
を切除し、かつその骨および関節の放射線写真を高感度
X-線フィルムを使用して撮影した。該X-線を、予備知識
を与えない様式で、2名の独立した経験のある検査官に
より評価させ、ラットの異なる5群における関節炎によ
る骨破壊の重度を評価した。これらの評価値を以下の評
価基準0〜4に従って与えた:0=正常および4=重度
の骨破壊。この最初の実験後に、更に別の経験のある検
査官に該結果を評価させた。この結果を以下の表3に示
した。
す。例えば、より高い値は分解酵素のより高濃度での存
在を示す。
壊的メタロプロテイナーゼ活性(ゼラチン分解およびコ
ラーゲン分解)を示し、これに関連して後脚の最も高い
炎症性膨潤が見られ、かつ関節における最大の骨欠損を
示した(後者はX-線により評価した)。 2. テニダプ単独により処置した関節炎ラットは、脚の
膨潤における減少、メタロプロテイナーゼ活性の僅かな
減少および関節における骨欠損の僅かな減少を示した。 3. CMT 単独により処置した関節炎ラットは、メタロプ
ロテイナーゼ活性における幾分かの減少を示したが、検
出可能な抗−炎症効果は示さなかった(検出不能な脚膨
潤の減少)。 4. CMT とテニダプとの組み合わせにより処置した関節
炎ラットは、顕著なコラーゲン分解およびゼラチン分解
活性の阻害、関節における骨欠損の最大の減少を示し、
かつ各薬物単独で処置した際に観測されたものと比較し
て、実質的に大きな脚膨潤の減少を示した。 上記の結果から、CMT 単独またはテニダプ単独により関
節炎ラットを治療することにより、該病理的な関節の変
化が幾分改善されたことを理解できる。
た2種の活性成分による該関節炎ラットの処置は、組織
−破壊の低減において予想外の優れた結果を与えた。正
常な関節炎に罹患していないラットの骨の破壊を零に設
定することにより規格化した骨破壊の測定後に、この驚
くべき結果を立証することができる。未処置の関節炎ラ
ットとテニダプのみで処置したラットとの間の変化は0.
84または31% の減少である。未処置の関節炎ラットとCM
T のみで処置したラットとの間の変化は0.16または6%の
増加である。テニダプとCMT との組み合わせによる付随
的効果は骨破壊における25%(31% - 6% = 25%) の減少で
あるはずである。この組み合わせによる処置は骨破壊に
おける減少1.42または骨欠損における53% の減少、即ち
予想された付随的効果よりも28% 大きな効果を与える。 実施例5 非−ステロイド系抗−炎症薬物(フルルビプロフェ
ン)、化学的に修飾された非−抗生物性テトラサイクリ
ン、4-デジメチルアミノ-11-ヒドロキシ-12a- デオキシ
テトラサイクリン(CMT')、およびフルルビプロフェン/
CMT'の組み合わせの、(i) コラーゲナーゼおよびゼラチ
ナーゼ活性、(ii)臨床的に評価された炎症の重度、およ
び(iii) 実験的に関節炎とされたラットの組織および関
節の放射線写真により評価された骨欠損に及ぼす効果を
測定するために、以下の様な実験を実施した。
ジュバントの注射により関節炎に罹患させ、これら動物
を以下のような実験群に分けた。群II:ビヒクルのみ、
即ち2%のカルボキシメチルセルロースを投与した未処置
関節炎ラット群、群III:経口強制飼養により毎日フルル
ビプロフェン(ラット当たりかつ1日当たり0.3mg(FB
P)) を投与した関節炎ラット、群IV: 経口強制飼養によ
り毎日CMT'(ラット当たりかつ1日当たり5mg)を投与し
た関節炎ラット、群V:これら両薬物(FBPおよびCMT')
を投与した関節炎ラットおよび群I:関節炎に罹患して
いない正常なコントロールラット群。23日間の実験期間
の経過後、該ラットを殺し、その後脚を得、皮膚を除去
し、かつ該関節炎に罹った関節上にある炎症を起こした
皮下組織を切除した(全ての切除および抽出処置は4°
Cにて行った)。該組織を細かく刻み、秤量し、抽出
し、得られた抽出物を前に記載された技術(ラママーシ
ー&ゴルブ(Ramamurthy and Golub), J. Peridontal Re
s., 1983, 17, p. 455)を利用して硫酸アンモニウム沈
殿法により部分的に精製した。次に、罹患した組織の抽
出物を5倍に濃縮し、そのアリコートを(a) [3H-メチ
ル] ゼラチン(変性したタイプIラットの皮膚コラーゲ
ン)と共に37°Cにて4時間インキュベートして、ゼラ
チナーゼ活性を測定し、未消化ゼラチンをトリクロロ酢
酸で沈殿させ、かつ遠心処理後該上澄中の分解生成物の
アリコートを液体シンチレーション分光器により測定
し、(b) コラーゲナーゼアッセイのために、該抽出物を
[3H-メチル] コラーゲンと共に22°Cにて18時間インキ
ュベートし、放射線標識されたコラーゲン成分(α鎖)
および分解フラグメント(αA )をSDS-ポリアミドゲル
電気泳動法およびフルオログラフィーの組み合わせによ
り評価した(ゴルブ等, J. Peridontal Res., 1985, 2
0, p. 12)。
を切除し、かつその骨および関節の放射線写真を高感度
X-線フィルムを使用して撮影した。該X-線を、予備知識
を与えない様式で、2名の独立した経験のある検査官に
より評価させ、ラットの異なる5群における関節炎によ
る骨破壊の重度を評価した。これらの評価値を以下の評
価基準0〜4に従って与えた:0=正常および4=重度
の骨破壊。この最初の実験後に、更に別の経験のある検
査官に該結果を評価させた。この結果を以下の表4に示
した。
たものである。 **:この%による評価は存在する分解酵素の程度を示
す。例えば、より高い値は分解酵素のより高濃度での存
在を示す。
壊的メタロプロテイナーゼ活性(ゼラチン分解およびコ
ラーゲン分解)を示し、これに関連して後脚の最も顕著
な炎症性膨潤が見られ、かつ関節における最大の骨欠損
を示した(後者はX-線により評価した)。 2. フルルビプロフェン単独により処置した関節炎ラッ
トは、脚の膨潤における減少、メタロプロテイナーゼ活
性の僅かな減少および関節における骨欠損の僅かな減少
を示した。 3. CMT'単独により処置した関節炎ラットは、メタロプ
ロテイナーゼ活性における有意な減少、関節における骨
欠損の僅かな減少を示したが、検出可能な抗−炎症効果
は示さなかった(検出不能な脚膨潤の減少)。この結果
は、文献に示された初期の見解からすると、全く予想外
のことであり、このことは、研究者をしてCMT'が単独で
も有効であろうとの予想に導く。 4. CMT'とフルルビプロフェンとの組み合わせにより処
置した関節炎ラットは、最大のコラーゲン分解およびゼ
ラチン分解活性の低減、関節における骨欠損の最大の減
少を示し、かつ各薬物単独で処置した際に観測されたも
のと同程度またはそれ以上の大きな脚膨潤における減少
を示した。CMT'とフルルビプロフェンとの組み合わせ
は、実験中に関節炎により誘発されたラットにおける骨
および関節の破壊を阻害する高い能力を示した。 5. この実験の結果から収集された更なる情報はCMT'と
組み合わせて経口投与したフルルビプロフェンがCMT'の
血中濃度を低下しなかったことを示す。 上記の結果から、CMT'単独またはフルルビプロフェン単
独により関節炎ラットを治療することにより、該病理的
な関節の変化が幾分改善されたことを理解できる。
た2種の活性成分による該関節炎ラットの処置は、組織
−破壊の低減において予想外の優れた結果を与えた。正
常な関節炎に罹患していないラットの骨の破壊を零に設
定することにより規格化した骨破壊の測定後に、この驚
くべき結果を立証することができる。未処置の関節炎ラ
ットとフルルビプロフェンのみで処置したラットとの間
の変化は1.74または62.3% の骨破壊における減少であ
る。未処置の関節炎ラットとCMT'のみで処置したラット
との間の変化は0.12または4.3%の減少である。フルルビ
プロフェンとCMT'との組み合わせによる付随的効果は骨
破壊における66.6%(62.3% + 4.3% = 66.6%) の減少であ
るはずである。この組み合わせによる処置は骨破壊にお
ける減少2.12または骨欠損における76% の減少、即ち予
想された付随的効果よりも9.4%大きな効果を与える。関
節炎ラットに投与されたCMT'とフルルビプロフェンとの
組み合わせは、正常な関節炎に罹患していないラットに
つき得た評価値と本質的に同等な脚径の評価値を与え
た。CMT'単独で処置したラットから採取した脚は著しい
炎症を示した。他方で、フルルビプロフェン単独で処置
したラットから採取した脚は予想された如く明確な抗−
炎症効果を生じた。関節炎ラットからの未処置の脚は、
予想通り正常な炎症脚径測定値を示した。これらの結果
は組み合わせて使用した活性成分の有効性を示してい
る。かくして、現時点において本発明の好ましい態様と
考えられるものを記載してきたが、他の変更並びに更な
る改良が当業者には明らかであり、かつこれら全ての変
更並びに改良は本発明の精神の範囲内に入るものと理解
すべきである。
炎症治療特性を図示したものであり、CMT 自体は抗−炎
症活性をもたないことに注目すべきである。
Claims (28)
- 【請求項1】 過度のメタロプロテイナーゼ活性に関連
する組織−破壊的状態に起因する、哺乳動物の骨欠損を
低減させる方法であって、効果的な抗−メタロプロテイ
ナーゼ性を示すが、事実上抗生物性を示さない量のテト
ラサイクリンと、効果的に抗−メタロプロテイナーゼ性
を示す量のテトラサイクリンと組み合わせて使用した場
合に組織破壊および/または骨欠損を有意に低減する量
の非ステロイド系抗−炎症剤との組み合わせを該哺乳動
物に投与することを特徴とする上記方法。 - 【請求項2】 該テトラサイクリンがデジメチルアミノ
テトラサイクリンである請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 該デジメチルアミノテトラサイクリン
が、4-デジメチルアミノテトラサイクリン、4-デジメチ
ルアミノ-5- オキシテトラサイクリン、4-デジメチルア
ミノ-7- クロロテトラサイクリン、4-ヒドロキシ-4- デ
ジメチルアミノテトラサイクリン、5a,6- アンハイドロ
-4- ヒドロキシ-4- デジメチルアミノテトラサイクリ
ン、6-デオキシ-6- デメチル-4- デジメチルアミノテト
ラサイクリン、6a- デオキシ-5- ヒドロキシ-4- デジメ
チルアミノテトラサイクリン、4-デジメチルアミノ-12a
- デオキシテトラサイクリンおよび4-デジメチルアミノ
-11-ヒドロキシ-12a- デオキシテトラサイクリンからな
る群から選ばれる請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 該デジメチルアミノテトラサイクリンが
4-デジメチルアミノ-11-ヒドロキシ-12a- デオキシテト
ラサイクリンである請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 該テトラサイクリンが6a- ベンジルチオ
メチレンテトラサイクリン、テトラサイクリンの2-ニト
リロ同族体類、テトラサイクリンのモノ-N- アルキル化
アミド、6-フルオロ-6- デメチルアミノテトラサイクリ
ン、11a-クロロテトラサイクリンおよび12a-デオキシテ
トラサイクリンおよびその誘導体からなる群から選ばれ
る請求項1記載の方法。 - 【請求項6】 該非ステロイド系抗−炎症剤が、サリチ
レート類、酢酸類、プロピオン酸類、フェナメート類、
オキシカム類およびオキシインドール類からなる群から
選ばれる請求項1記載の方法。 - 【請求項7】 該サリチレートがアセチルサリチル酸お
よびジフルニサルからなる群から選ばれ、該酢酸がイン
ドメタシン、スリンダク、トルメチン、ジクロフェナク
およびエトドラクからなる群から選ばれ、該プロピオン
酸がフルルビプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェ
ンおよびイブプロフェンからなる群から選ばれ、該オキ
シカムがピロキシカムおよびイソキシカムからなる群か
ら選ばれ、該フェナメートがメクロフェナメートおよび
フルフェナム酸からなる群から選ばれ、かつ該オキシイ
ンドールがテニダプである請求項6記載の方法。 - 【請求項8】 該非ステロイド系抗−炎症剤がプロピオ
ン酸である請求項6記載の方法。 - 【請求項9】 該プロピオン酸がフルルビプロフェン、
ナプロキセン、ケトプロフェンおよびイブプロフェンか
らなる群から選ばれる請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 該非ステロイド系抗−炎症剤がオキシイ
ンドールである請求項6記載の方法。 - 【請求項11】 該オキシインドールがテニダプである、
請求項10に記載の方法。 - 【請求項12】 該非抗生物質系のテトラサイクリンを、
1日当たり約0.1 mg/kg 〜1日当たり約24 mg/kgの範囲
内の量で投与され、かつ該非ステロイド系抗−炎症剤が
1日当たり約0.3 mg/kg 〜1日当たり約3500 mg/ヒトな
る範囲内の量で投与される請求項1記載の方法。 - 【請求項13】 該非ステロイド系抗−炎症剤が、関節炎
を治療するのに使用される公知の抗−炎症剤の服用量の
約20% 〜約80% の範囲の量で存在する請求項12記載の方
法。 - 【請求項14】 該非−抗生物性のテトラサイクリンを、
1日当たり約2mg/kg 〜1日当たり約18 mg/kgの範囲内
の量で投与する請求項13記載の方法。 - 【請求項15】 過度のメタロプロテイナーゼ活性に関連
する組織−破壊的状態に起因する骨欠損を低減させる組
成物であって、 (a) 効果的な抗−メタロプロテイナーゼ性を示すが、事
実上抗生物性を示さない量のテトラサイクリンと、 (b) 効果的に抗−コラーゲナーゼ性を示す量の該テトラ
サイクリンと組み合わせて使用した場合に、骨欠損を有
意に低減する量の非ステロイド系抗−炎症剤とを含むこ
とを特徴とする上記組成物。 - 【請求項16】 該テトラサイクリンがデジメチルアミノ
テトラサイクリンである請求項15に記載の組成物。 - 【請求項17】 該デジメチルアミノテトラサイクリン
が、4-デジメチルアミノテトラサイクリン、4-デジメチ
ルアミノ-5- オキシテトラサイクリン、4-デジメチルア
ミノ-7- クロロテトラサイクリン、4-ヒドロキシ-4- デ
ジメチルアミノテトラサイクリン、5a,6- アンハイドロ
-4- ヒドロキシ-4- デジメチルアミノテトラサイクリ
ン、6-デオキシ-6- デメチル-4- デジメチルアミノテト
ラサイクリン、6a- デオキシ-5- ヒドロキシ-4- デジメ
チルアミノテトラサイクリン、4-デジメチルアミノ-12a
- デオキシテトラサイクリンおよび4-デジメチルアミノ
-11-ヒドロキシ-12a- デオキシテトラサイクリンからな
る群から選ばれる請求項16記載の組成物。 - 【請求項18】 該デジメチルアミノテトラサイクリンが
4-デジメチルアミノ-11-ヒドロキシ-12a- デオキシテト
ラサイクリンである、請求項17に記載の組成物。 - 【請求項19】 該テトラサイクリンが6a- ベンジルチオ
メチレンテトラサイクリン、テトラサイクリンの2-ニト
リロ同族体類、テトラサイクリンのモノ-N-アルキル化
アミド、6-フルオロ-6- デメチルアミノテトラサイクリ
ン、11a-クロロテトラサイクリンおよび12a-デオキシテ
トラサイクリンおよびその誘導体からなる群から選ばれ
る請求項15記載の組成物。 - 【請求項20】 該非ステロイド系抗−炎症剤が、サリチ
レート類、酢酸類、プロピオン酸類、フェナメート類、
オキシカム類およびオキシインドール類からなる群から
選ばれる請求項15記載の組成物。 - 【請求項21】 該サリチレートがアセチルサリチル酸お
よびジフルニサルからなる群から選ばれ、該酢酸がイン
ドメタシン、スリンダク、トルメチン、ジクロフェナク
およびエトドラクからなる群から選ばれ、該プロピオン
酸がフルルビプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェ
ンおよびイブプロフェンからなる群から選ばれ、該オキ
シカムがピロキシカムおよびイソキシカムからなる群か
ら選ばれ、該フェナメートがメクロフェナメートおよび
フルフェナム酸からなる群から選ばれ、かつ該オキシイ
ンドールがテニダプである請求項20記載の組成物。 - 【請求項22】 該非ステロイド系抗−炎症剤がプロピオ
ン酸である請求項20記載の組成物。 - 【請求項23】 該プロピオン酸がフルルビプロフェン、
ナプロキセン、ケトプロフェンおよびイブプロフェンか
らなる群から選ばれる、請求項22に記載の組成物。 - 【請求項24】 該非ステロイド系抗−炎症剤がオキシイ
ンドールである請求項20記載の組成物。 - 【請求項25】 該オキシインドールがテニダプである請
求項24に記載の組成物。 - 【請求項26】 該非−抗生物性のテトラサイクリンが、
1日当たり約0.1 mg/kg 〜1日当たり約24 mg/kgの範囲
内の量で存在し、かつ該非ステロイド系抗−炎症剤が1
日当たり約0.3mg/ヒト〜1日当たり約3500 mg/ヒトなる
範囲内の量で存在する請求項15記載の組成物。 - 【請求項27】 該非ステロイド系抗−炎症剤が、関節炎
を治療するのに使用される公知の抗−炎症剤の服用量の
約20% 〜約80% の範囲の量で存在する請求項26記載の組
成物。 - 【請求項28】 該非抗生物性のテトラサイクリンが、1
日当たり約2 mg/kg〜1日当たり約18 mg/kgの範囲内の
量で存在する請求項27記載の組成物。
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