JPH06191934A - 圧電磁器材料 - Google Patents
圧電磁器材料Info
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- JPH06191934A JPH06191934A JP4345721A JP34572192A JPH06191934A JP H06191934 A JPH06191934 A JP H06191934A JP 4345721 A JP4345721 A JP 4345721A JP 34572192 A JP34572192 A JP 34572192A JP H06191934 A JPH06191934 A JP H06191934A
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 yPb(Fe1/3Nb2/3)O3 −(1−y){Pba-3x/2(La
1-zNdz)x}TiO3 （式中、x = 0.02〜0.20、y = 0.01〜0.
10、z = 0.02〜1.0 、a =0.9〜1.1 の範囲にある値）を
主成分とし、前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のう
ちＰｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元
素により置換され、さらにMnO2を含有している圧電磁器
材料。 【効果】 熱エージング特性が良好で熱衝撃に対する共
振周波数が安定であり、温度による共振周波数の変化が
小さく、温度係数が小さく、さらに焼成時の焼結特性が
改善され、緻密な構造を有して分極特性に優れたPbTiO3
系圧電磁器材料を得ることができる。従って、得られた
圧電磁器材料は、焦電素子、共振子、フィルタ等の用途
に好適に用いられ、特にディジタルＩＣの基準記号や発
振回路に使用する振動子として用いた場合には、優れた
効果を発揮する。
1-zNdz)x}TiO3 （式中、x = 0.02〜0.20、y = 0.01〜0.
10、z = 0.02〜1.0 、a =0.9〜1.1 の範囲にある値）を
主成分とし、前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のう
ちＰｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元
素により置換され、さらにMnO2を含有している圧電磁器
材料。 【効果】 熱エージング特性が良好で熱衝撃に対する共
振周波数が安定であり、温度による共振周波数の変化が
小さく、温度係数が小さく、さらに焼成時の焼結特性が
改善され、緻密な構造を有して分極特性に優れたPbTiO3
系圧電磁器材料を得ることができる。従って、得られた
圧電磁器材料は、焦電素子、共振子、フィルタ等の用途
に好適に用いられ、特にディジタルＩＣの基準記号や発
振回路に使用する振動子として用いた場合には、優れた
効果を発揮する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はチタン酸鉛(PbTiO3)系の
圧電磁器材料に関し、より詳細には圧電振動子、共振
子、セラミックフィルタ等に用いられる圧電磁器材料に
関する。
圧電磁器材料に関し、より詳細には圧電振動子、共振
子、セラミックフィルタ等に用いられる圧電磁器材料に
関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より圧電磁器材料は、電界を加える
と歪が生じることを利用して圧電材料として用いられて
おり、例えばその用途としては圧電振動子、圧電共振
子、圧電発振子、セラミックフィルタ、弾性表面波フィ
ルタ、焦電素子等が挙げられる。この種の圧電磁器材料
には、周知のようにPbTiO3を主成分とするもの、あるい
はPb(Ti,Zr)O3 を主成分とするものがあり、さらにこれ
らに第２成分あるいは第３成分としてPb(Mn1/3 Nb2/3)O
3 、Pb(Ni1/3 Nb2/3)O3 等を固溶させたものがある。
と歪が生じることを利用して圧電材料として用いられて
おり、例えばその用途としては圧電振動子、圧電共振
子、圧電発振子、セラミックフィルタ、弾性表面波フィ
ルタ、焦電素子等が挙げられる。この種の圧電磁器材料
には、周知のようにPbTiO3を主成分とするもの、あるい
はPb(Ti,Zr)O3 を主成分とするものがあり、さらにこれ
らに第２成分あるいは第３成分としてPb(Mn1/3 Nb2/3)O
3 、Pb(Ni1/3 Nb2/3)O3 等を固溶させたものがある。
【０００３】これらの中で、PbTiO3系圧電磁器材料はPb
位置を変性したものについて種々検討が加えられてお
り、拡がり方向の振動に比べて厚み方向の振動に大きな
電気機械結合係数を有すると共に、誘電率が小さいとい
う特徴を有する圧電性磁器材料が見い出されている（特
開昭６１−２３６１７６号公報）。
位置を変性したものについて種々検討が加えられてお
り、拡がり方向の振動に比べて厚み方向の振動に大きな
電気機械結合係数を有すると共に、誘電率が小さいとい
う特徴を有する圧電性磁器材料が見い出されている（特
開昭６１−２３６１７６号公報）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のPbTiO3
系圧電磁器材料においては、熱エージング（経時変化）
特性が劣っており、前記PbTiO3系圧電磁器を高温下に放
置すると時間の経過と共に圧電特性や電気特性が急激に
劣化するという課題があった。
系圧電磁器材料においては、熱エージング（経時変化）
特性が劣っており、前記PbTiO3系圧電磁器を高温下に放
置すると時間の経過と共に圧電特性や電気特性が急激に
劣化するという課題があった。
【０００５】また、周囲の急激な温度変化（熱衝撃）に
対しても不安定であり、熱衝撃を受けると共振周波数が
変化しやすいという課題もあった。
対しても不安定であり、熱衝撃を受けると共振周波数が
変化しやすいという課題もあった。
【０００６】さらに、上記したPb(Mn1/3 Nb2/3)O3 等の
添加物を含有するPbTiO3系圧電磁器材料は、焼結しにく
く、緻密構造を得ることが難しいため耐電圧特性が劣化
し、分極しにくいという課題もあった。
添加物を含有するPbTiO3系圧電磁器材料は、焼結しにく
く、緻密構造を得ることが難しいため耐電圧特性が劣化
し、分極しにくいという課題もあった。
【０００７】本発明は上記した課題に鑑み発明されたも
のであって、熱エージング特性が良好で熱衝撃に対する
共振周波数が安定しており、さらに焼成時の焼結特性が
改善されることにより、緻密な構造を有して分極特性に
優れるPbTiO3系圧電磁器材料を提供することを目的とし
ている。
のであって、熱エージング特性が良好で熱衝撃に対する
共振周波数が安定しており、さらに焼成時の焼結特性が
改善されることにより、緻密な構造を有して分極特性に
優れるPbTiO3系圧電磁器材料を提供することを目的とし
ている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る圧電磁器材料は、yPb(Fe1/3Nb2/3)O3−
(1−y){Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 （式中、x = 0.02〜
0.20、y = 0.01〜0.10、z = 0.02〜1.0 、a =0.9〜1.1
の範囲にある値）を主成分とし、前記{Pba-3x/2(La1-zN
dz)x}TiO3 成分のうちＰｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの
少なくとも一種の元素により置換され、さらにMnO2を含
有していることを特徴としている(1) 。また本発明に係
る圧電磁器材料は、上記(1) 記載の圧電磁器材料におい
て、前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のうちＰｂの
一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元素により
１〜10 mol％置換され、さらにMnO2を0.1 〜 2.0重量％
含有していることを特徴としている(2) 。
に本発明に係る圧電磁器材料は、yPb(Fe1/3Nb2/3)O3−
(1−y){Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 （式中、x = 0.02〜
0.20、y = 0.01〜0.10、z = 0.02〜1.0 、a =0.9〜1.1
の範囲にある値）を主成分とし、前記{Pba-3x/2(La1-zN
dz)x}TiO3 成分のうちＰｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの
少なくとも一種の元素により置換され、さらにMnO2を含
有していることを特徴としている(1) 。また本発明に係
る圧電磁器材料は、上記(1) 記載の圧電磁器材料におい
て、前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のうちＰｂの
一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元素により
１〜10 mol％置換され、さらにMnO2を0.1 〜 2.0重量％
含有していることを特徴としている(2) 。
【０００９】前記した圧電磁器材料において、前記主成
分中のｘ及びｚの値、前記主成分中のｙの値、前記主成
分に含有されているMnO2の量、又は前記{Pba-3x/2(La
1-zNdz)x}TiO3 成分中のＰｂの一部を置換しているＣ
ａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の量がそれぞれ前記し
た一定範囲の上下限を超えると、その特性が劣化する。
前記主成分中のｘの値は前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO
3 成分のＰｂと(La1-zNdz)の割合に関係する値であり、
前記ｘの値が0.02〜0.20の範囲にあるときは磁器の焼結
特性が良好となるが、0.02未満の場合は粒成長が著し
く、緻密な圧電磁器が得られにくくなり、また0.20を超
えた場合は厚み方向振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）等
の圧電特性が劣下する傾向が生じる。
分中のｘ及びｚの値、前記主成分中のｙの値、前記主成
分に含有されているMnO2の量、又は前記{Pba-3x/2(La
1-zNdz)x}TiO3 成分中のＰｂの一部を置換しているＣ
ａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の量がそれぞれ前記し
た一定範囲の上下限を超えると、その特性が劣化する。
前記主成分中のｘの値は前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO
3 成分のＰｂと(La1-zNdz)の割合に関係する値であり、
前記ｘの値が0.02〜0.20の範囲にあるときは磁器の焼結
特性が良好となるが、0.02未満の場合は粒成長が著し
く、緻密な圧電磁器が得られにくくなり、また0.20を超
えた場合は厚み方向振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）等
の圧電特性が劣下する傾向が生じる。
【００１０】前記主成分中ｙの値は主成分中の二つの成
分であるPb(Fe1/3Nb2/3)O3と{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO
3 の割合に関係する量であり、前記ｙの値が0.01未満の
場合は熱衝撃をうけた際に共振周波数の変化率が大きく
なり、また0.10を超えた場合は拡がり方向振動の電気機
械結合係数（Ｋｐ）が大きくなるため、前記電気機械結
合係数（Ｋｐ）と厚み方向振動の電気機械結合係数（Ｋ
ｔ）の比であるKt/Kpの値が小さくなり、厚み方向振動
の共振周波数特性が劣化する傾向が生じる。
分であるPb(Fe1/3Nb2/3)O3と{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO
3 の割合に関係する量であり、前記ｙの値が0.01未満の
場合は熱衝撃をうけた際に共振周波数の変化率が大きく
なり、また0.10を超えた場合は拡がり方向振動の電気機
械結合係数（Ｋｐ）が大きくなるため、前記電気機械結
合係数（Ｋｐ）と厚み方向振動の電気機械結合係数（Ｋ
ｔ）の比であるKt/Kpの値が小さくなり、厚み方向振動
の共振周波数特性が劣化する傾向が生じる。
【００１１】前記主成分に含有されているMnO2の量が0.
1 重量％未満の場合は圧電磁器の焼結特性が劣化して緻
密な焼結体が得られにくくなるために厚み方向振動の電
気機械結合係数（Ｋｔ）や熱エージング特性が劣化する
傾向が生じ、また2.0 重量％を超えた場合は圧電磁器材
料の比抵抗が小さくなるために分極が困難になる。
1 重量％未満の場合は圧電磁器の焼結特性が劣化して緻
密な焼結体が得られにくくなるために厚み方向振動の電
気機械結合係数（Ｋｔ）や熱エージング特性が劣化する
傾向が生じ、また2.0 重量％を超えた場合は圧電磁器材
料の比抵抗が小さくなるために分極が困難になる。
【００１２】また、前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成
分中のＰｂの一部を置換したＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なく
とも一種の量が１モル％未満の場合は熱エージング特性
が劣化する傾向が生じ、また10モル％を超えた場合はキ
ュリー点が低下し、圧電特性も劣下する傾向が生じる。
分中のＰｂの一部を置換したＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なく
とも一種の量が１モル％未満の場合は熱エージング特性
が劣化する傾向が生じ、また10モル％を超えた場合はキ
ュリー点が低下し、圧電特性も劣下する傾向が生じる。
【００１３】前記主成分中のｚの値は、前記{Pb
a-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のＰｂ位置を置換したLa
1-zNdzの割合に関係する値であり、ｚ＝１の場合、すな
わちＮｄのみの存在でも焼結特性は改善されるが、ｚ量
が0.02未満の場合は共振周波数の温度特性が劣下する傾
向が生じる。
a-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のＰｂ位置を置換したLa
1-zNdzの割合に関係する値であり、ｚ＝１の場合、すな
わちＮｄのみの存在でも焼結特性は改善されるが、ｚ量
が0.02未満の場合は共振周波数の温度特性が劣下する傾
向が生じる。
【００１４】また、Ｐｂは量的に融通性があるので(La
1-zNdz)x の量から原子価を考慮して補正した上で±0.0
0〜0.10モル、すなわちａの値が０．９〜１．１の範囲
で増減することができる。ａの値が１．１を超えた場合
は焼成工程において粒成長が著しいため緻密な圧電磁器
が得られにくくなり、また０．９未満の場合は厚み方向
振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）等の圧電特性が劣下す
る傾向が生じる。
1-zNdz)x の量から原子価を考慮して補正した上で±0.0
0〜0.10モル、すなわちａの値が０．９〜１．１の範囲
で増減することができる。ａの値が１．１を超えた場合
は焼成工程において粒成長が著しいため緻密な圧電磁器
が得られにくくなり、また０．９未満の場合は厚み方向
振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）等の圧電特性が劣下す
る傾向が生じる。
【００１５】
【作用】上記した構成によれば、主成分がyPb(Fe1/3Nb
2/3)O3 −(1−y){Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 （式中、x
= 0.02〜0.20、y = 0.01〜0.10、z = 0.02〜1.0 、a =
0.9〜1.1 の範囲にある値）であり、前記主成分中にPb
(Fe1/3Nb2/3)O3成分を含有しているので、焼結特性が改
善されて緻密な焼結体となり、熱衝撃を受けても共振周
波数の変化が小さくなる。
2/3)O3 −(1−y){Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 （式中、x
= 0.02〜0.20、y = 0.01〜0.10、z = 0.02〜1.0 、a =
0.9〜1.1 の範囲にある値）であり、前記主成分中にPb
(Fe1/3Nb2/3)O3成分を含有しているので、焼結特性が改
善されて緻密な焼結体となり、熱衝撃を受けても共振周
波数の変化が小さくなる。
【００１６】また前記主成分中の{Pba-3x/2(La1-zN
dz)x}TiO3 成分において、Ｐｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂ
ａのうちの少なくとも一種によって置換されているの
で、圧電磁器の分極が安定化され、熱エージング特性の
絶対値が小さくなる。
dz)x}TiO3 成分において、Ｐｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂ
ａのうちの少なくとも一種によって置換されているの
で、圧電磁器の分極が安定化され、熱エージング特性の
絶対値が小さくなる。
【００１７】また前記主成分中の{Pba-3x/2(La1-zN
dz)x}TiO3 成分のうち、Ｐｂの一部がＮｄにより置換さ
れているので、結晶格子がより等方的になり、温度変化
による結晶の歪の発生が緩和され、共振周波数の温度特
性が良好になる。
dz)x}TiO3 成分のうち、Ｐｂの一部がＮｄにより置換さ
れているので、結晶格子がより等方的になり、温度変化
による結晶の歪の発生が緩和され、共振周波数の温度特
性が良好になる。
【００１８】さらに前記主成分中の{Pba-3x/2(La1-zN
dz)x}TiO3 成分のうち、Ｐｂの一部がＬａ及びＮｄによ
り置換されているので結晶格子がより等方的になり、粒
子の異方的な粒成長が抑制されて焼結特性が改善され、
またMnO2を含有しているので、前記MnO2が焼結助剤とな
ってさらに焼結特性が改善され、焼結体が緻密構造とな
って分極しやすくなる。
dz)x}TiO3 成分のうち、Ｐｂの一部がＬａ及びＮｄによ
り置換されているので結晶格子がより等方的になり、粒
子の異方的な粒成長が抑制されて焼結特性が改善され、
またMnO2を含有しているので、前記MnO2が焼結助剤とな
ってさらに焼結特性が改善され、焼結体が緻密構造とな
って分極しやすくなる。
【００１９】また上記(1) の圧電磁器材料において、前
記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のうちＰｂの一部が
Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元素により１〜10
mol％置換され、さらにMnO2を0.1 〜 2.0重量％含有し
ている場合、熱エージング特性等がより改善され、より
緻密な焼結体となって分極し易くなる。
記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のうちＰｂの一部が
Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元素により１〜10
mol％置換され、さらにMnO2を0.1 〜 2.0重量％含有し
ている場合、熱エージング特性等がより改善され、より
緻密な焼結体となって分極し易くなる。
【００２０】
【実施例及び比較例】以下本発明に係る圧電磁器材料の
実施例を説明する。原料としてPbO （あるいはPb3O
4 ）、TiO2、La2O3 、 Nd2O3、CaCO3 、SrCO3、 BaC
O3、Fe2O3 、Nb2O5 、MnO2を用い、下記の表１に示した
組成で秤量し、ポットミルにて湿式混合した。なお、原
料としては、MnO2の代りに最終的に上記酸化物になるよ
うな化合物 、例えばMnCO3 等を用いてもよい。前記湿式
混合の後、脱水乾燥させ、800 〜 1100 ℃で２時間仮焼
した。次いで前記仮焼粉末をさらにポットミル等を用い
て粉砕した後、有機結合剤を加えて、0.5 〜2.0 t/cm2
程度の圧力で直径20mm、厚み1.5 mmの円板状に加圧成型
し、この後1200〜1300℃程度の温度で２時間焼成して圧
電磁器を得た。こうして得られた圧電磁器を厚み0.5mm
に研磨した後、その両面に銀蒸着により電極を形成し、
150 ℃、２〜６KV/mmの条件下で、約10分間分極処理を
施した。
実施例を説明する。原料としてPbO （あるいはPb3O
4 ）、TiO2、La2O3 、 Nd2O3、CaCO3 、SrCO3、 BaC
O3、Fe2O3 、Nb2O5 、MnO2を用い、下記の表１に示した
組成で秤量し、ポットミルにて湿式混合した。なお、原
料としては、MnO2の代りに最終的に上記酸化物になるよ
うな化合物 、例えばMnCO3 等を用いてもよい。前記湿式
混合の後、脱水乾燥させ、800 〜 1100 ℃で２時間仮焼
した。次いで前記仮焼粉末をさらにポットミル等を用い
て粉砕した後、有機結合剤を加えて、0.5 〜2.0 t/cm2
程度の圧力で直径20mm、厚み1.5 mmの円板状に加圧成型
し、この後1200〜1300℃程度の温度で２時間焼成して圧
電磁器を得た。こうして得られた圧電磁器を厚み0.5mm
に研磨した後、その両面に銀蒸着により電極を形成し、
150 ℃、２〜６KV/mmの条件下で、約10分間分極処理を
施した。
【００２１】前記工程により得られた圧電磁器につい
て、それぞれ圧電特性及び電気特性を測定した。すなわ
ち、厚み方向振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）、厚み方
向振動の共振周波数（ｆｒ）の熱衝撃後の変化率、温度
係数及び厚み方向振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）の熱
エージング特性を測定した。その結果を下記の表１に示
した。
て、それぞれ圧電特性及び電気特性を測定した。すなわ
ち、厚み方向振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）、厚み方
向振動の共振周波数（ｆｒ）の熱衝撃後の変化率、温度
係数及び厚み方向振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）の熱
エージング特性を測定した。その結果を下記の表１に示
した。
【００２２】熱衝撃の条件は、圧電磁器を−40℃まで降
温し、その状態で30分間放置した後80℃まで昇温し、30
分間放置する。前記操作を１サイクルとして同じ操作を
100サイクル繰り返した。
温し、その状態で30分間放置した後80℃まで昇温し、30
分間放置する。前記操作を１サイクルとして同じ操作を
100サイクル繰り返した。
【００２３】温度係数の測定は−20℃から80℃の範囲で
行った。
行った。
【００２４】また熱エージング特性は、各圧電磁器につ
いて、200 ℃、１時間の条件で熱処理する前後の厚み方
向振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）の変化率で示した。
いて、200 ℃、１時間の条件で熱処理する前後の厚み方
向振動の電気機械結合係数（Ｋｔ）の変化率で示した。
【００２５】なお、共振周波数の温度係数（ppm ／℃）
は次式により求めた値である。
は次式により求めた値である。
【００２６】
【数１】
【００２７】また、表１中※印は、本発明範囲外となる
比較例のものを示し、それ以外はすべて本発明範囲内で
ある実施例のものを示している。
比較例のものを示し、それ以外はすべて本発明範囲内で
ある実施例のものを示している。
【００２８】
【表１】
【００２９】
【表１−２】
【００３０】表１から明らかなように、ｙの値が０、す
なわちPb(Fe1/3Nb2/3)O3をまったく含有していないNo.5
では焼結密度が低く、熱衝撃後の共振周波数の変化量が
大きい。またＣａ、Ｓｒ、Ｂａによる置換が行われてい
ないNo.16 では熱エージング特性が改善されていない。
なわちPb(Fe1/3Nb2/3)O3をまったく含有していないNo.5
では焼結密度が低く、熱衝撃後の共振周波数の変化量が
大きい。またＣａ、Ｓｒ、Ｂａによる置換が行われてい
ないNo.16 では熱エージング特性が改善されていない。
【００３１】MnO2量が多いNo.20 は分極が困難であり、
MnO2を含有していないNo.15 は熱衝撃後の共振周波数変
化率、熱エージング特性ともに改善されていない。ｘの
値が０、すなわちＬａ、Ｎｄをまったく含有していない
No.26 や、Ｐｂ量が多いNo.27 はともに焼結が困難であ
った。
MnO2を含有していないNo.15 は熱衝撃後の共振周波数変
化率、熱エージング特性ともに改善されていない。ｘの
値が０、すなわちＬａ、Ｎｄをまったく含有していない
No.26 や、Ｐｂ量が多いNo.27 はともに焼結が困難であ
った。
【００３２】またＰｂＯ量が少ないNo.31 では熱衝撃後
の共振周波数の変化率、熱エージング特性ともに改善さ
れていない。
の共振周波数の変化率、熱エージング特性ともに改善さ
れていない。
【００３３】ｚの値が０、すなわちＮｄを含有していな
いNo.24 は温度係数が大きい。
いNo.24 は温度係数が大きい。
【００３４】これらの比較例に対して、本発明の範囲内
にあるものは、表１から明らかなように厚み方向振動の
電気機械結合係数（Ｋｔ）、厚み方向振動の共振周波数
（ｆｒ）の熱衝撃後の変化率、温度係数及び厚み方向振
動の電気機械結合係数（Ｋｔの熱エージング特性のいず
れも良好な値を示している。
にあるものは、表１から明らかなように厚み方向振動の
電気機械結合係数（Ｋｔ）、厚み方向振動の共振周波数
（ｆｒ）の熱衝撃後の変化率、温度係数及び厚み方向振
動の電気機械結合係数（Ｋｔの熱エージング特性のいず
れも良好な値を示している。
【００３５】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る圧電磁
器材料にあっては、yPb(Fe1/3Nb2/3)O3 −(1−y){Pb
a-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 （式中、x = 0.02〜0.20、y =
0.01〜0.10、z = 0.02〜1.0 、a =0.9〜1.1 の範囲に
ある値）を主成分とし、前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO
3 成分のうちＰｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくと
も一種の元素により置換され、さらにMnO2を含有してい
るので、熱エージング特性が良好で熱衝撃に対する共振
周波数が安定であり、温度による共振周波数の変化が小
さく、温度係数が小さく、さらに焼成時の焼結特性が改
善され、緻密な構造を有して分極特性に優れたPbTiO3系
圧電磁器材料を得ることができる。
器材料にあっては、yPb(Fe1/3Nb2/3)O3 −(1−y){Pb
a-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 （式中、x = 0.02〜0.20、y =
0.01〜0.10、z = 0.02〜1.0 、a =0.9〜1.1 の範囲に
ある値）を主成分とし、前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO
3 成分のうちＰｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくと
も一種の元素により置換され、さらにMnO2を含有してい
るので、熱エージング特性が良好で熱衝撃に対する共振
周波数が安定であり、温度による共振周波数の変化が小
さく、温度係数が小さく、さらに焼成時の焼結特性が改
善され、緻密な構造を有して分極特性に優れたPbTiO3系
圧電磁器材料を得ることができる。
【００３６】また上記(1) の圧電磁器材料において、前
記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のうちＰｂの一部が
Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元素により１〜10
mol％置換され、さらにMnO2を0.1 〜 2.0重量％含有し
ている場合、熱エージング特性等がより改善され、より
緻密な焼結体となり、分極し易いPbTiO3系圧電磁器材料
を得ることができる。
記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のうちＰｂの一部が
Ｃａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元素により１〜10
mol％置換され、さらにMnO2を0.1 〜 2.0重量％含有し
ている場合、熱エージング特性等がより改善され、より
緻密な焼結体となり、分極し易いPbTiO3系圧電磁器材料
を得ることができる。
【００３７】従って、得られた圧電磁器材料は、焦電素
子、共振子、フィルタ等の用途に好適に用いられ、特に
ディジタルＩＣの基準記号や発振回路に使用する振動子
として用いた場合には、優れた効果を発揮する。
子、共振子、フィルタ等の用途に好適に用いられ、特に
ディジタルＩＣの基準記号や発振回路に使用する振動子
として用いた場合には、優れた効果を発揮する。
Claims (2)
- 【請求項１】 yPb(Fe1/3Nb2/3)O3 −(1−y){Pb
a-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 （式中、x = 0.02〜0.20、y =
0.01〜0.10、z = 0.02〜1.0 、a =0.9〜1.1 の範囲に
ある値）を主成分とし、前記{Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO
3 成分のうちＰｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくと
も一種の元素により置換され、さらにMnO2を含有してい
ることを特徴とする圧電磁器材料。 - 【請求項２】 {Pba-3x/2(La1-zNdz)x}TiO3 成分のうち
Ｐｂの一部がＣａ、Ｓｒ、Ｂａの少なくとも一種の元素
により１〜10 mol％置換され、さらにMnO2を0.1 〜 2.0
重量％含有していることを特徴とする請求項１記載の圧
電磁器材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4345721A JP2874495B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 圧電磁器材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4345721A JP2874495B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 圧電磁器材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06191934A true JPH06191934A (ja) | 1994-07-12 |
| JP2874495B2 JP2874495B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=18378519
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4345721A Expired - Fee Related JP2874495B2 (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 圧電磁器材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2874495B2 (ja) |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP4345721A patent/JP2874495B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2874495B2 (ja) | 1999-03-24 |
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