JPH06191890A - 鉛不含有透明ガラス質セラミック組成物および物品 - Google Patents

鉛不含有透明ガラス質セラミック組成物および物品

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JPH06191890A
JPH06191890A JP5162833A JP16283393A JPH06191890A JP H06191890 A JPH06191890 A JP H06191890A JP 5162833 A JP5162833 A JP 5162833A JP 16283393 A JP16283393 A JP 16283393A JP H06191890 A JPH06191890 A JP H06191890A
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フィリップ・アンソニー・エバンズ
Paul Harrison
ポール・ハリソン
Rolf Alfred Wirtz
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/14Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions
    • C03C8/20Glass frit mixtures having non-frit additions, e.g. opacifiers, colorants, mill-additions containing titanium compounds; containing zirconium compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/02Frit compositions, i.e. in a powdered or comminuted form

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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は新規な無鉛透明ガラス質セラミックに
関し、これは´進歩した組合わせ中間酸化物アルカリホ
ウシリケート´と記述することができる。 【構成】この組成物は特別に開発されたアルカリホウシ
リケートと、主添加剤としてのジルコニウム、錫、チタ
ンから選ばれる伝統的不透明化剤との組合わせからな
る。これらの添加元素は酸化物の形で0.5〜43.9
重量%用いられる。この主添加元素は少なくとも2種か
らなる。この組成物は、透明性を害しない他の元素を少
量添加物(≦10重量%)として含んでもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛不含有セラミック組
成物、並びにそれから作られるコーティングおよび物品
に係わり、特には、鉛不含有組合せ添加中間体酸化物ホ
ウケイ酸アルカリ系ガラス質組成物に関する。この組成
物は、添加剤、フラックス、釉薬、化粧掛け/保護界面
層、ガラス、ガラス繊維、テクニカルガラス(封止剤お
よび接合カテゴリーを含む)、および歯科用磁器として
の用途のための透明で耐久性の装飾用/機能性セラミッ
クおよびセラミック材料を形成するために有用である。
【0002】
【従来の技術】18世紀の中頃以来、伝統的なセラミッ
ク工業では、許容できる鉛不含有ガラス質セラミック組
成物を開発する試みがなされてきており、1820年に
は、磁器への適用のための改善された鉛不含有釉薬が提
案されたが、陶器に使用する最初の釉薬が提案されるに
は、1865年まで待たねばならなかった(W.P.リ
ックス、無鉛釉−J.Soc.Arts,1899年3
月3日、324〜336頁)。これは、ホウケイ酸アル
カリ組成物であり、この釉薬を使用するように努力した
にもかかわらず、諦めら(光沢の艶の欠如、流動性が悪
いこと、装飾に使用したステインの色劣化による)、鉛
系釉薬にとってかわられた。
【0003】19世紀の終わりに、原料釉薬に鉛丹を使
用すると、工場作業者の健康に有害であることが認知さ
れ、その結果、もっと安全な二ケイ酸鉛が原料として導
入された。
【0004】しかしながら、現在強調するところは変わ
ってきた。現在認識されている健康危険は、鉛含有ガラ
ス質組成物、例えば釉薬、ガラスおよびステインから放
出される、当該製品を購入した一般大衆の健康を害する
鉛のレベルである。酸およびアルカリ性薬品双方に対す
る耐性は、酸性食品および飲料を収容するセラミック容
器を用い、ついでセラミック物品を洗浄するためにアル
カリ性洗剤/酸性スケール除去剤を使用する今日の社会
においては殊に重要である。
【0005】鉛は、長い間、毒性物質として認識されて
おり、肝臓、腎臓、並びに神経、生殖、心臓血管、免疫
および胃腸系に対する損傷のような健康への悪影響が、
何ヵ月又は何年にもわたる鉛暴露によって引き起こされ
得る。幼児および子供は、鉛暴露に最も敏感である。最
近のいくつかの研究によれば、鉛は、身体的効果を生み
出すレベルよりも低いレベルで鉛に暴露された子供に行
動および遂行関連欠乏症を引き起こすことが指摘されて
いる。他の最近の研究では、胎児は母親の血液中の低レ
ベルの鉛に敏感であり、胎児発達が阻害され、また低体
重児が生まれる原因となることが示された。
【0006】これらの研究により、米国の食品医薬品局
(FDA)では、鉛系セラミックが食事で摂取される鉛
の主要源として認識されていることから、食品および飲
料と接触することとなるセラミックに対する鉛放出レベ
ル限界を下げるようになった。1991年に導入された
限界は、今日までで最も厳重な国家制定である。これら
限界は、以下の通りである。
【0007】 器物のカテゴリー 放出限界 大型中空容器(>1.1L)例えば大型ボウル 1.0 小型中空容器(<1.1L)例えば小型ボウル 2.0 平食器 例えば平皿、受け皿 3.0 カップ/マグおよびピッチャー 0.5 鉛の滲出レベルは、4%酢酸溶液中の24時間浸漬試験
で測定され、mg/Lで表示される。上記レベルは、平
容器を除いて、6単位試料のどの1単位についても満足
すべき鉛滲出の最高値であり、平容器については、6単
位試料の平均値である。
【0008】カリフォルニア州は、容器タイプの製品の
鉛放出レベルをより低い0.006mg/Lに設定する
ことを提案しており、UKおよびISO規格も、次の改
訂では、この一般的傾向に従うものと考えられる。
【0009】この制定の導入により、釉薬の分野の製造
者は、特に容器タイプの製品に対して、2層塗布システ
ムを適用するようになった。この2層塗布システムは、
鉛不含有釉薬を内側に、鉛入り釉薬をその外側に塗布す
るものである。しかしながら、このシステムは、外側表
面に唇が接することとなるマグ/カップには、明らか
に、許容できないものである。
【0010】歴史的に、酸化スズは、釉薬において不透
明剤として使用されてきている。主に1914年〜19
18年の戦争中のコスト上昇により、よりコスト効率の
よい代替品の研究が行われた。ジルコニア、および後の
ジルコンの使用は、米国で開始された。粉砕ジルコンが
初めて英国で商業的に製造されたのは1950年代にな
ってからである。それ以降は、それによって、不透明剤
としてのより高価な酸化スズが置き換えられた。
【0011】強力な不透明剤としてのチタニアの使用
は、主に、陶磁器の分野で使用される釉薬の熟成温度
(例えば<1400℃)に比べて熟成温度が比較的低い
(例えば<1000℃)低温度/迅速焼成システムに制
限されている。これは、核形成、成長、およびその後の
チタニアのアナターゼ結晶系のルチルへの相転位によ
る。820℃〜860℃の温度では、より大きなルチル
結晶が支配的であり、黄色/クリーム着色を引き起こ
す。低温度/迅速焼成システムにおける不透明剤として
のチタニアの使用は、ちょうど高純度チタニアが市販さ
れるようになった1950年代以降に酸化スズの使用に
とってかわった。
【0012】これら元素によって不透明化が起こる正確
な機構は、文献間でしばしば矛盾している。これら元素
を含有する原料化合物は、ミルで添加されるが、ベース
の配合物で本質的に不溶性であるとしばしば述べられて
いる。他の文献では、そのような化合物を、限られた溶
解性を有し、フリット化温度では可溶性であるが、冷却
またはその後の熟成/冷却中に再結晶化するものである
としている。いずれの場合にも、小さな離散した第2相
粒子が残存、または生成し、これが反射または屈折によ
り光を分散させ、その結果、得られるセラミック材料を
不透明化させるのである。文献には、これら元素を用い
た最適不透明化に必要なベースの配合物に対する組成変
化を概説した多くの例がある。
【0013】スズ、ジルコニウムおよびチタンは、通常
酸化物またはケイ酸塩の形態で添加されるが、ガラスを
含むセラミックの分野の当業者によって、大部添加剤と
して添加された場合、不透明剤として認識されている。
【0014】セラミック組成物における元素もしくは元
素の化合物の重量割合についての「大部」または「有
意」という用語は、相対的なものであり、その値は、個
々の環境での個々の元素に依存する。例えば、ある種の
釉薬組成物において、0.5ないし1.0重量%の酸化
スズが最終の釉薬を不透明化するために必要とされる
が、他の釉薬組成物では、このレベルは5.0重量%ま
で高まることが知られている。それ故、これら特定の釉
薬組成物におけるこの範囲の酸化スズすなわち0.5な
いし5.0重量%は、きわめて低い添加レベルにもかか
わらず、不透明化性に関して、大部添加とみなされなけ
ればならない。
【0015】ジルコン(ZrSiO4 )は、釉薬中にお
いて酸化スズよりも溶解性が高いことが知られており、
不透明化を促進するように最適化された組成物において
さえ、約2重量%のジルコンが溶けたままであると述べ
られている。その結果、一般的に言えば、釉薬を不透明
化するためにはスズよりも多くのジルコニウムが必要で
ある。従って、適切な化合物の形態にあるこれら元素の
少量は、釉薬組成物に可溶性であり、またこのことが釉
薬に有益であるということが常識であることを理解すべ
きである。しかしながら、個々の環境中の元素の特定に
関し、米国特許第4,870,034号には、結晶化傾
向があるので、せいぜい0.5重量%のジルコニアをホ
ウケイ酸塩ガラス組成物に添加すべきであると記載され
ている。
【0016】釉薬におけるこの溶解の程度を減少させる
ために、上記元素はしばしば適切な化合物の形態で「ミ
ルで添加」され、規定された粒径分布を有し、これによ
り溶解性を減少させ、当該元素の個々の重量%添加での
不透明性を増大させる。
【0017】ビスマス、バリウム、ストロンチウム、亜
鉛、ランタン、モリブデンまたはフッ素のような元素の
大部添加を含有するシリカ系システムにとって、ジルコ
ニウム、スズおよびチタンの少量および/または任意の
添加に言及することは普通であるが、上に述べたよう
に、少量のこれら元素の溶解は常識であり、有益である
と考えられている。シリカ含有量の低い(すなわち、<
40重量%)いくつかの組成物には、比較的多量のジル
コニアおよび/または酸化スズを含有させることができ
るが、その組成物は、酸化ランタン(英国特許第2,1
54,373号)のような希土類酸化物の大部添加を必
要とするので、本発明の範囲外である。
【0018】最近刊行されたヨーロッパ特許出願第04
52065号には、上記元素を有意量添加することによ
って、ある種の用途に望ましい不透明もしくは部分不透
明化釉薬が得られることが強調されている。しかしなが
ら、この出願は、そのような任意化合物の添加範囲が0
ないし10重量%であるとしたときに典型的である。こ
の出願において、上記元素がそのビスマス系フリット組
成物にミルで添加されたときにはいつでも、得られた釉
薬は子牛紙状(vellum)、艶消し、不透明化もしくは変
色した黄色である。これら効果を生じる添加範囲は、
0.99ないし5.0重量%であると述べられており、
従って、この特許出願が、本発明と対照的に、上記配合
限界内で製造された釉薬を透明であるとしていないの
は、驚くべきことではない。
【0019】他の開示文献(ガラス質コーティング用の
ビスマス系フリットを規定する米国特許第4,892,
847号参照)では、0.3ないし8.0重量%の範囲
内のジルコニアおよび/またはチタニアの添加を記載し
ているが、これらの添加量は0.5ないし2.0重量%
が好ましいとされている。この米国特許も、そのコーテ
ィングが透明である、あるいはそうなることを意図して
いるとは開示していない。
【0020】本発明は、他の鉛不含有釉薬およびガラス
システムにおいて大部添加剤として普通に記載されてい
るところのビスマス(米国特許第4,554,258
号、同第4,892,847号、EPA特許第0347
379号、同第0452065号、および英国特許第2
160859A)、バリウム(米国特許第4,590,
171号、および同第4,285,731号)、ストロ
ンチウム(米国特許第4,282,035号)、亜鉛
(EPA特許第0267154およびWO特許第90/
15782)、ランタン(Interceram 41
(3)、173ないし175頁、1992、英国特許第
2158062Aおよび同第2154573)、モリブ
デン(英国特許第2092568A)、またはフッ素
(WO特許第90/15782)の意図的大部添加に基
づくものではないし、またそれを含むものではない。し
かしながら、このことは、透明性が保持される限り、本
発明組成物への上記元素または他の元素の小部添加(す
なわち≦10重量%)を排除するものではない。
【0021】元素Sn、Zr、およびTiを個々に、通
常ほぼ<5.0重量%の割合で添加した処理済み透明セ
ラミック材料の例が知られている。その1つは、石英−
酸化スズ(0.23ないし2.0重量%)系短波フィル
ターを用途とするものである。他の例は、釉薬の分野に
見いだすことができ、大部添加剤が酸化ランタンである
透明釉薬に酸化ジルコニウムを5.1重量%のレベルで
添加したものである(Interceram 41
(3)、173〜175頁、1992)。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従って、透明で、耐久
性の装飾用/機能性セラミック製品、および添加剤、フ
ラックス、釉薬、化粧掛け/保護界面層、ガラス、ガラ
ス繊維、テクニカルガラス(封止剤および接合カテゴリ
ーを含む)、および歯科用磁器としての用途に適合した
組成物を形成するために有用であるところのオールラウ
ンドのガラス質セラミック組成物に対する強い要望があ
ることが明らかである。商業的に許容され得るシステム
は、以下の条件を満足する必要がある。
【0023】すなわち、(i)コスト、(ii)入手
性、(iii)処理パラメーターに対する効果、および
(iv)最終の性質に対する効果である。
【0024】本発明は、これら条件をすべて満足するも
のである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、高等または組
み合わされた(Advanced or Combined)中間体酸化物ホ
ウケイ酸アルカリガラス質セラミックと記述することが
できる新規カテゴリーの鉛不含有透明ガラス質セラミッ
クである。ガラス質セラミック構造中で中間体酸化物の
役割をなし得る他の元素があるが、健康および安全性、
性質の最適化、入手性およびコスト条件に関し、ジルコ
ニウム、スズおよびチタン、そして好ましくはアルミニ
ウムが最も望ましい中間体酸化物を表わし、従って本発
明のベースを構成する。
【0026】本発明に関し、「ガラス質セラミック」と
は、長距離結晶秩序を持たず、従って非晶質とみなされ
るガラス状無機材料を意味する。本発明は、ガラスの短
距離秩序もしくは非晶質構造の範囲内において上記元素
の組み合わされた量を保持する。
【0027】「透明」とは、有用な光を、屈折による以
外は拡散させることなく透過し得ることを意味する。こ
れには、透明な、および着色/色づけされたガラス/釉
薬が含まれる。添加剤またはフラックスとして使用され
る本発明の組成物に関しては、最終製品/用途は、観察
者には透明であると見えないことがあることは自明であ
る。しかしながら、本発明の組成物はこの効果には寄与
しないことを強調しておく。
【0028】本発明の目的にとって、「元素」には、元
素の形態、または適切な化合物の形態にある物質が含ま
れ、後者は酸化物形成性化合物であり、よって「元素」
とはそのように解釈されるべきである。
【0029】本発明によれば、特別に開発されたホウケ
イ酸アルカリ、および、元素ジルコニウム、スズおよび
チタンからなる伝統的に不透明剤とみなされている群の
組合せから選ばれた大部添加剤を包含する鉛不含有透明
ガラス質セラミック組成物が提供される。
【0030】好ましくは、ホウケイ酸アルカリは、酸化
物に換算して少量のアルミナ0.5ないし6.0重量%
およびカルシア0.5ないし6.0重量%を含む。アル
カリ土類の小部添加剤としてストロンチアおよび/また
はバリアをカルシアの一部または全部の代わりに用いて
もよいが、あまり好ましくない。
【0031】本発明の組成物は、上記群から選ばれた少
なくとも2つの元素を適切な化合物の形態で含み、該化
合物は、好ましくは、それらの溶解が最適化されるよう
に、また冷却、後の処理および使用時に失透または再結
晶が生じないように、溶融またはフリット化によって本
組成物中に含められる。しかしながら、他の方法例えば
ミルによる添加により該元素を導入してもよい。
【0032】本透明ガラス質セラミックもしくはセラミ
ック材料の製造方法は、ホウケイ酸アルカリ組成物の酸
化物形成性物質を、ジルコニウム、スズ、およびチタン
からなる群の中から選ばれた少なくとも2種の元素と混
合し、この混合物を該元素の溶解を最適化するように溶
融/フリット化することに特徴がある。これにより、こ
れら元素によりもたらせられる有益な性質が、最適化さ
れている最終の処理済み透明ガラス質材料に与えられ
る。
【0033】上記特別に開発された低アルミナホウケイ
酸アルカリは、好ましくは、元素または適切な化合物の
形態で配合物に導入された、シリカ、酸化ホウ素、酸化
アルミニウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウムおよび
/または酸化カリウム、および酸化リチウムからなる。
【0034】上記元素は、元素または適切な化合物の形
態で組成物中に導入することができる。主として、入手
性、コスト効率、および既知の純度故に、酸化物および
ケイ酸塩が使用される。しかしながら、上記元素を他の
形態で添加してもよい。伝統的なセラミック工業で最も
普通に使用される化合物の形態には、例えば、鉱物化合
物、酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、お
よび硝酸塩が含まれる。
【0035】すなわち、「適切な化合物の形態」とは、
酸化物形成性物質を意味すると解すべきである。元素の
形態は、粉末状の元素の有害な性質故に、普通は使用さ
れないが、その形態の使用を排除するものではない。
【0036】大多数のシリカ系ガラスにおいて、それら
は、伝統的に以下の4つのカテゴリーに分類される(ス
コット、テクニカルガラス:物理的および化学的性質、
1990)。
【0037】( i)ソーダ石灰ガラス、 ( ii)鉛ガラス、 (iii)アルミノケイ酸アルカリ土類ガラス、 ( iv)ホウケイ酸塩ガラス (a)非アルカリ土類ホウケイ酸塩ガラス、(b)アル
カリ土類含有ホウケイ酸塩ガラス、(c)高ホウ酸塩ホ
ウケイ酸塩ガラス。
【0038】ガラス質セラミックの分野で世界的に著名
なスコット氏によれば、カテゴリー(iv)(c)につ
いてB2 3 を15重量%以上含むこのようなガラス
が、本発明のものとは対象的に、耐薬品性が小さいこと
が一般に認められているとしている。スコット氏はさら
にZrO2 およびTiO2 をガラスセラミックに少量用
いることについても言及しており、本発明のものとは対
象的に結晶性を導入する核化剤として作用するとしてい
る。スコット氏はこのようなガラスセラミックを新規物
質と主張している。
【0039】同様に、本発明も、新規物質として、透
明、耐久性アルカリホウケイ酸塩ベースのガラス質セラ
ミックを提供するもので、これは上述の元素を元素また
は適当な化合物の形で添加してなるもので、これは溶融
時、後の処理、最終用途においてもガラス質の透明性を
保持している。
【0040】用途に応じて、主添加物を構成する上記元
素の割合を変化させることにより所望の特性に設計する
ことができる。例えば、錫は低温でのステイン、うわぐ
すり、ガラスの流動性、溶融性を促進し酸に対する抵抗
を改良する。ジルコニウムの添加は光沢および、アルカ
リおよび磨耗に対し耐久性を向上させる。チタンは光沢
および流動性並びに耐酸性を向上させる。これらの3者
は全て着色の保護および安定性を促進する。
【0041】上記特性上の利益のほとんどは一般に公知
のものであるが、融剤(フラックス)およびうわぐすり
の適用において、可溶性の形で上記元素を組合わせて添
加することにより、この着色の保護および安定性の特性
を得ることは新規である。
【0042】上記元素の組合添加(酸化物の形で)は5
重量%以上とすることが好ましいが、必ずしもこれに限
定されない。先に説明したように、少量でも効果を得る
ことができる。したがって、これらの元素の組合わせ
を、本発明の低アルミナアルカリホウケイ酸塩マトリッ
クスに対し0.5ないし5.0重量%添加することは、
所望の特性を最良化する点で意義のあるものであるから
本発明の範囲内のものである。
【0043】例えば、ボーンチャイナのためのうわぐす
りとして、ZrO2 (5重量%)を耐アルカリ/磨耗性
を付与するため、SnO2 (2重量%)をフラックス性
を付与するために添加した組成を作り、これにより良好
な流動性を確保し、鉛添加うわぐすりシステムに現在用
いられているレベル、すなわち1060無いし1080
℃での熟成温度を維持することができる。チタニアの少
量の添加(0.5〜1.0重量%)は光沢、流動性およ
び耐酸性を向上させることが見出された。このうわぐす
りを市販の無鉛上絵具の種々のものを用いてテストし、
その結果、優れた保護作用と安定性が得られることが見
出された。これにより色の品質を最良化することができ
る。この特定のボーンチャイナ透明うわぐすりの適用に
おいて、このアルカリホウケイ酸塩に対するシリカの量
は50〜60重量%のレベルに維持された。酸化ホウ素
および酸化アルミニウムのレベルは、それぞれ18〜2
2重量%、2.5〜4.0重量%とし、シリカ、酸化ナ
トリウムおよび/または酸化カリウム、およびリチアは
それぞれ0.5〜4.0重量%、10〜14重量%,
0.5〜1.0重量%に設定する。
【0044】この特定のボーンチャイナうわぐすりの適
用において、7〜10重量%のチャイナクレーを粉砕機
に入れ、適当なスリップ、またはスラリーを形成し、こ
れをボーンチャイナ体にスプレー等により適用する。こ
れにより2.5〜4.0重量%の酸化アルミニウムがこ
の組成に導入される。すなわち、このボーンチャイナの
ためのうわぐすりの例は下記表Iに示すように記載する
ことができる。
【0045】
【表1】 この主中間酸化物添加についての最少量(minim
a)の添加により、このボーンチャイナうわぐすりにお
いてジルコニウム、錫、チタン(酸化物として)の組合
わせ主添加を7.5%とすることができる。
【0046】本発明に基づくこのボーンチャイナうわぐ
すり組成物の例は、64時間のカルゴナイトテストにお
いても、何らの光沢損失は見られなかった。
【0047】このカルゴナイトテストは食器工業におい
て公知の基準となっており、皿洗い器での化学的環境に
対するセラミック材料の抵抗を示す加速テスト法であ
る。セラミック材料、例えば、うわぐすり、ガラス、色
の光沢が77℃でカルゴナイトの0.5%溶液への64
時間の浸漬後(すなわち、4×16時間のサイクル)に
何ら影響を受けていない場合は、その材料は満足なもの
であると見做される。この64時間の時間は1000皿
洗いサイクルに相当するものである。
【0048】しかし、従来、ボーンチャイナ用の無鉛う
わぐすりとして市販されているアルカリホウケイ酸塩組
成物のあるものは、僅か32時間後に光沢が容易に失わ
れてしまう。
【0049】他のうわぐすり用として、チャイナクレー
がうわぐすりの組成により0〜15重量%の範囲で添加
されると考えられている。さらに、ベントナイトの少量
を同じ目的でチャイナクレーとともに、または別に用い
てもよい。この添加によりアルミナは0.5〜6重量%
の範囲で添加されることになる。凝集剤、凝集防止剤、
バインダー、懸濁剤、殺菌剤、その他の添加剤を適宜添
加することもできる。
【0050】Al2 3 の少量の添加(0.5〜6.0
重量%)は本発明に基づく透明うわぐすりおよびガラス
の光沢を維持するのに有益である。アルミナの添加は従
来、文献においてもしばしば不透明性を促進するのに有
効であるとして推奨されている。これは6.0重量%以
上の添加ではその通りである。従来の多くの無鉛セラミ
ック組成物はアルミナを比較的多く(6.0重量%以
上)含んでいる。
【0051】したがって、アルミナを少ない量(6.0
重量%未満)で含み、前記の元素の組合わせ主添加
(0.5〜5.0重量%)との関連で述べた酸化ビスマ
ス、酸化バリウム、酸化亜鉛、酸化ランタンの主添加を
含まず、透明性を害しない範囲の他の元素の少量(≦1
0重量%)を含むアルカリホウケイ酸塩系組成物は本発
明の範囲である。このようなセラミック組成物は低アル
ミナアルカリホウケイ酸塩として記述することができ、
これは前記の元素の主組合わせ添加を含み、最終シリカ
系組成物に前述の利益を与える。前述の元素の組合わせ
添加は、組成物の他の有益な元素(すなわち、ビスマ
ス、バリウム、亜鉛、ストロンチウム、ランタン)との
関連で、もはや任意/少量添加とは事実上言うことがで
きないので、本発明の範疇に入る。
【0052】本発明の低アルミナアルカリホウケイ酸塩
は、40〜69重量%のシリカを含み、したがってシリ
カ質、シリケート、シリカ系と記載することができる。
これにより、本発明のものは、SiO2 を70〜74重
量%含み、上記元素を含まないソーダ−アルミナホウケ
イ酸塩ガラス(英国特許No.2,136,413A)
および非ケイ酸塩系光学ガラス(米国再発行特許No.
21,175)、さらに低シリカ(<40重量%)高ア
ルミナ(20重量%以上)うわぐすり(英国特許No.
2,154,573)とは区別される。英国特許No.
2,154,573にはアルミナを含まないうわぐすり
も開示しているが、これは酸化ランタンなどの希土類元
素の主添加を含まなければならない。さらに、酸化ホウ
素のレベルは10〜30重量%に設定され、アルミナは
0.5〜6.0重量%に設定されている。
【0053】酸化チタンを含むうわぐすりのピンク化は
文献では一般に”Chrome−flashing”と
呼んでいる。しかし、Snも比較的高いレベルのカルシ
アとの関連で同じ問題を提起する。本発明の特徴の1つ
はカルシアのレベルが0.5〜6.0重量%の範囲に維
持され、酸化ナトリウムおよび/または酸化カリウムの
レベルが5〜25重量%の範囲に、酸化リチウムのレベ
ルが0.1〜2.0重量%の範囲に設定されていること
である。
【0054】本発明の広範な用途に適用できる低アルミ
ナアルカリホウケイ酸塩のより一般的な組成例を下記表
IIに記載する。
【0055】
【表2】 最少量(minima)の添加により、ジルコニウム、
錫、チタン(酸化物として)の組合わせ主添加を最大4
3.9%とすることができる。しかし、本発明の好まし
い例としては、この主添加が最大25.0%のものであ
る。したがって、ジルコニウム、錫、チタンから選ばれ
る少なくとも2種の主添加を0.5〜43.9重量%
(酸化物として)の範囲としたものが本発明の範囲に含
まれる。しかし、この主添加の範囲の好ましい範囲は
0.5〜25.0重量%であり、より好ましい範囲は
5.0〜18.5重量%である。
【0056】本発明の低アルミナアルカリホウケイ酸塩
は、うわぐすり、化粧掛け、工業用ガラス、歯科用磁器
についてのガラス溶融形成、フリット形成の工程におい
て、上記主添加元素の溶解性を促進する。
【0057】表IIで表した酸化ホウ素の添加最大値(3
0%)は明らかに比較的高い。このような高いレベルの
添加において、耐薬品性、耐磨耗性、耐クラック性、色
安定性が商品価値が失われる程度に悪化することが当業
者に予想されるであろう。
【0058】これは酸化ホウ素異常と呼ばれ、分子配位
がBO4 テトラヘドラからBO3 トライアングルに変化
し、そのため上述のような特性の悪化がもたらされる。
しかし、うわぐすりおよびガラスシステムについての研
究から酸化ホウ素の最大量(すなわちそれ以上では特性
悪化が生じる)は可変のものであり、個々の組成に依存
することが知られている。この最大量は10.0ないし
15.0重量%の広い範囲にあるとされている。この最
大量はアルカリ・リッチの組成物において上昇する。
【0059】さらに詳述すると、酸化ナトリウムおよび
/または酸化カリウムがうわぐすり/ガラス組成物に添
加されたとき、これにより余分の酸素が導入され、BO
4 テトラヘドラ配位が維持される。ナトリウムおよび/
またはカリウムを酸化ホウ素うわぐすり/ガラスに添加
した場合の効果は、ナトリウムおよび/またはカリウム
をシリカベースのうわぐすり/ガラスに添加した場合の
効果と逆である。ナトリウムおよび/またはカリウムを
シリカに添加したとき、シリカの配位数は4のままであ
り、余分の酸素は珪素−酸素網状構造体において単結合
された酸素を生成し、網状構造体を破壊し、より弱い、
柔らかいうわぐすり/ガラスを生じさせる。他方、ナト
リウムおよび/またはカリウムがある組成範囲を超えて
酸化ホウ素うわぐすり/ガラスに添加された場合、余分
の酸素はホウ素の配位数の増加により取り上げられ、こ
れがうわぐすり/ガラスの強化、堅さを向上させる。
【0060】本発明の提案では、酸化ホウ素の最大量を
上げ、これらの化合物のそれぞれの添加の増大により通
常もたらされる特性の悪化作用に対し反作用させるもの
である。
【0061】さらに、本発明では上記元素から選ばれる
主組合わせ添加を可溶性の形で含むものであり、この
内、特にZrおよびTiは極めて安定な水和表面を与え
る。ZrO2+、Zr4+およびHZrO3 - のようなイオ
ン種は、pH- 0以下、pH-17以上のときそれぞれ
顕著に生じる。すなわち、水和ZrO2 表面は通常経験
する溶液の全てのpH値で安定であり、さらに他のイオ
ン種がこれを拡散するのを妨げる高活性バリヤーを提供
するものと思われる。本発明は上記元素群から選ばれる
組合わせ主添加の適当な選択により特定の用途に要求さ
れる特性を最適化することを目的とする。
【0062】酸化錫を可溶性の形でうわぐすり/ガラス
構造体に本発明に従って含有させた場合は、Sn II酸
化状態とSn IV酸化状態との間に平衡を生じさせるも
のと思われる。この平衡の性質は錫が導入される個々の
うわぐすり/ガラス組成物に依存することが知られてい
る。Sn IV状態がイオンフィールド強度7.9の網構
造変形イオンを表していることが当業者に認められてい
る(下記表III 参照)(Ceramics Glaze
Technology,J R Taylorおよび
C A Bull,第7頁,Pergammon Pr
ess 1986)。
【0063】
【表3】 この考えは否定され、Sn IV状態はZrIV状態または
TiIV状態がそうであるように中間イオンの役割を果た
しているらしいという考えが提案されている。さらに、
Sn II状態が実際にはイオンフィールド強度2.3の
網構造変形イオンの役割を果たしているという考えも提
案されている。原子の空間位置的に述べると、Sn IV
イオン(0.71オングストローム)はZrIVイオン
(0.79オングストローム)より寸法(イオン半径)
が小さいが、TiIVおよびAl III イオンより大き
い。したがって、上記提案が必ずしも間違いであるとい
う理由はない。さらにSn IIが網構造変形の役割にお
いて本発明に基づくうわぐすり/ガラスに見られるフラ
ックスキャパシティを高めているという提案もある。
【0064】本発明は、低アルミナアルカリホウケイ酸
塩マトリックスにこのような元素を組合わせ主添加する
ことに関するものであり、透明性、光沢および関連する
高い屈折指数(>1.5)を維持しながら、所望の特性
を設計し、バランスをとることを意図するものである。
これは、陶器への適用に適しているとされる無鉛うわぐ
すりとして提案されている従来のアルカリホウケイ酸塩
組成と本発明のものとを明瞭に区別させるものである。
このようなシステムは光沢が小さく、屈折指数も≦1.
5である。このようなアルカリホウケイ酸塩組成はさら
に熟成温度が1060ないし1080℃である旧い鉛系
システムより160℃高いという欠点を有する。その結
果、焼成温度を上げたり、または処理装置を改良し表面
仕上げを満足し得るものにする必要がある。本発明は旧
い鉛系システムと同じ温度範囲(1060ないし108
0℃)で熟成するうわぐすり組成を可能とするもので
あ。り、これにより焼成または処理条件を変える必要な
く良好な表面仕上げを可能とするものである。
【0065】本発明は、組合わせ添加中間酸化物、アル
カリホウケイ酸塩をベースとした透明、耐久性、装飾性
/機能性ガラス質セラミックおよびセラミック物質の製
造において、上述のような元素を使用するものである。
このような透明ガラス質セラミックおよびセラミック物
質は均一の屈折指数(>1.5)を有し、空気/セラミ
ックの界面で光の多くはこのセラミックを通過する。う
わぐすり、上絵具/保護界面の場合、この光はついで反
射/分散し、または部分的に基板により吸収される。
【0066】透明フラックスの場合、より耐火物着色ス
テインとの関連で、これが使用され”色(clou
r)”を形成する。これらの色はガラス、うわぐすりを
施したセラミック製品の装飾に用いられ、この色は、ア
ンダー、ウズイン、シンク・イン、マジョリカ、オング
ラス/グレーズ装飾として分類される。通常、組成物の
僅か15%ないし50%を表すフラックスは、主に比較
的低い温度、すなわちうわぐすり熟成温度またはそれ以
下でステインを流動化させる役割を果たす。これにより
基板および/またはうわぐすりに対する良好な結合およ
び美麗な仕上がりが確保される。
【0067】透明なフラックスもセラミックステインと
の関連で使用され、透明印刷インクを形成する。このよ
うなインクは、転写、スクリーンまたはパッド印刷など
のリトグラフ法によりセラミック体に施される。このイ
ンクは上述の着色剤と同様に、アンダー、ウズイン、シ
ンク・イン、マジョリカ、オングラス/グレーズ装飾と
して適用される。
【0068】インクおよび着色剤のすべての種類のもの
との関連で、フラックスは熟成、後の冷却、使用におい
て当初のステインカラーを保護し安定化するように作用
することが重要である。使用時において、フラックスは
耐久性を促進し、酸、アルカリに対する抵抗を良好にす
るものでなければならない。これにより着色が維持さ
れ、ステインの滲出が防止される。これは特に、うわぐ
すりの表面に結合され周りの環境との界面をなすオン−
グレーズカラー(clour)の場合に関係する。この
場合、耐薬品性が要求されるのみでなく、対磨耗性が要
求されるからである。
【0069】伝統的セラミック分野での高級品質のもの
において用いられるステインの多くは、本発明で特定さ
れた元素、すなわちジルコニウム、錫、チタンを、青/
ダーク、ピンク/赤、黄/褐色のそれぞれの製造に用い
られていることは興味深いことである。これらの元素の
フラックスに対する主組合わせ添加は、ステインカラー
を保護し安定化させる。これは、完全なまたは部分的平
衡条件が熟成の間、ステインとフラックスとの間に比較
的急速に発生するという事実によるものである。正しく
調合されていないフラックスは熟成の間にステインと反
応し、色の悪化をもたらすことがよく知られている。
【0070】同じ原理がうわぐすりについても適用で
き、熟成の間に色に悪影響を及ぼすことがある。本発明
に係わるうわぐすりは、グレーズ/カラー界面で完全な
または部分的平衡条件を生じることによりカラーが保護
され、安定化する。本発明によれば、鉛ベースのうわぐ
すりを健康上安全な無鉛システムに置き替えることがで
きる。
【0071】本発明に基づく種々のセラミックコーティ
ング、例えばうわぐすり、上絵具/保護界面組成は、陶
器、土器、その他の基材組成体に適用することができ
る。また、特に美学的に受け入れられている”ワンス−
ファイア”うわぐすりおよび”マジョリカ”または”フ
ェイアンス”法が適用された透明うわぐすりの製造に有
効である。本発明によりつくられた組成物は、他のうわ
ぐすり/ガラス組成物、またはその他の組成物に対し添
加剤として用いることができ、これによりそれらの特性
を向上させることができる。
【0072】モノリシックの形態で作られたガラスクリ
スタルの場合、その鉛、バリウムベースのシステムを、
高屈折指数を維持させながら健康上安全な無鉛システム
で置き替えることができる。そのガラスの融点がより低
くなり、エネルギーコストを節減できる。カット面をガ
ラスに施すこともでき、白光をその成分光に屈折させ美
観を向上させることができる。
【0073】モノリシックの形態で作られ、セメント強
化のために用いられるガラスファイバーの場合、これら
は現在1520℃の温度で処理され引き伸ばされている
が、本発明によれば、より低い温度でのファイバーの製
造を可能とし、これによりエネルギーコストを節減する
ことができる。本発明は部材のフラキシングおよび耐ア
ルカリ特性を改良させることができる。
【0074】本発明に基づく工業用ガラス、封止材、接
合用組成物の場合、これらは粉またはモノリシックの形
で用いられるが、上記元素によりフラキシングおよび耐
薬品性/対磨耗性の向上を図ることができる。
【0075】歯科用陶器の場合、これらは粉の形で用い
られるが、比較的高い熱膨脹率の透明ガラスを製造する
ことができる。このものはある種の”金属−セラミッ
ク”システムに適している。その他、これらのガラスは
それ自体で用いることができ、またはアルミ質陶器また
は工業用セラミックベース層に対し美的添加剤として用
いることができる。
フロントページの続き (71)出願人 593126396 ポール・ハリソン PAUL HARRISON イギリス国、エルエス6・3ディーエフ、 ウエスト・ヨークシャー、リーズ、ヘディ ングレイ、ロチェスター・テラス 11 (71)出願人 593126400 ロルフ・アルフレッド・ビルツ ROLF ALFRED WIRTZ イギリス国、エスエル9・7キューユー、 ジェラルズ・クロス、バルストロード・ウ エイ、クロスフォード・ハウス(番地無 し) (72)発明者 フィリップ・アンソニー・エバンズ イギリス国、エルエス7・3エヌイー、ウ エスト・ヨークシャー、リーズ、チャペ ル・アラートン、メスレイ・ドライブ 12 (72)発明者 ポール・ハリソン イギリス国、エルエス6・3ディーエフ、 ウエスト・ヨークシャー、リーズ、ヘディ ングレイ、ロチェスター・テラス 11 (72)発明者 ロルフ・アルフレッド・ビルツ イギリス国、エスエル9・7キューユー、 ジェラルズ・クロス、バルストロード・ウ エイ、クロスフォード・ハウス(番地無 し)

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高等または組み合わされた中間体酸化物
    ホウケイ酸アルカリである鉛不含有耐久性透明セラミッ
    クの新規なクラスもしくはカテゴリーを表わす組成物。
  2. 【請求項2】 特別に開発されたホウケイ酸アルカリ、
    および元素ジルコニウム、スズおよびチタンからなる伝
    統的に不透明剤とみなされた群の中の組合せから選ばれ
    る大部添加剤を包含し、該元素は該組合せにおいて、酸
    化物の形態に換算して0.5ないし43.9重量%の割
    合で存在することを特徴とする請求項1記載の鉛不含有
    耐久性透明ガラス質セラミック組成物。
  3. 【請求項3】 該組成物が、溶融化、後の処理、および
    最終用途での使用中に透明である請求項1または2記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 最終用途が透明でないが、この効果は該
    組成物によるものではないところの他の系に有益な性質
    を付与するための添加剤、フラックスまたは安定材とし
    て使用される請求項1ないし3のいずれか1項記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】 大部添加剤が、0.5ないし25重量%
    の割合で存在する請求項2記載の組成物。
  6. 【請求項6】 大部添加剤が、5.0ないし18.5重
    量%の割合で存在する請求項2記載の組成物。
  7. 【請求項7】 大部添加剤が、該元素の少なくとも2種
    からなる請求項2ないし6のいずれか1項記載の組成
    物。
  8. 【請求項8】 ホウケイ酸アルカリが、 40ないし69重量%のシリカ(SiO2 )、 10ないし30重量%の酸化ホウ素(B2 3 )、 5ないし25重量%の酸化ナトリウム(Na2 O)およ
    び/または酸化カリウム(K2 O)、 0.1ないし2.0重量%の酸化リチウム(Li2 O)
    からなる請求項1ないし7のいずれか1項記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】 ホウケイ酸アルカリが、0.5ないし
    6.0重量%の酸化アルミニウムおよび0.5ないし
    6.0重量%の酸化カルシウムを含む請求項8記載の組
    成物。
  10. 【請求項10】 50ないし60重量%のシリカ、 18ないし22重量%の酸化ホウ素、 10ないし14重量%の酸化ナトリウムまたは酸化カリ
    ウム、 0.5ないし1.0重量%の酸化リチウム、および元素
    ジルコニウム、スズおよびチタンからなる群の中から選
    ばれる少なくとも2種の元素からなる大部添加剤からな
    り、該大部添加剤は、酸化物の形態に換算して21.5
    重量%までの割合で存在することを特徴とする請求項2
    記載の組成物。
  11. 【請求項11】 2.5ないし4.0重量%の酸化アル
    ミニウムおよび0.5ないし4.0重量%の酸化カルシ
    ウムを含む請求項10記載の組成物。
  12. 【請求項12】 該元素の組合せの量が、該元素の酸化
    物に基づいて、18.5重量%である請求項10または
    11記載の組成物。
  13. 【請求項13】 カルシアがアルカリ土類系小部添加剤
    であり、ストロンチアおよび/またはバリアによってそ
    の一部または全部が置き換えられてもよい請求項9また
    は11記載の組成物。
  14. 【請求項14】 組み合わされた元素の量が、該元素の
    酸化物に基づいて最低7.5重量%である請求項10ま
    たは11記載の組成物。
  15. 【請求項15】 透明性が維持される限りにおいて、他
    の元素を10重量%以下の小部添加剤として含む請求項
    1ないし14のいずれか1項記載の組成物。
  16. 【請求項16】 該元素が、水酸化物、ケイ酸塩、炭酸
    塩、硫酸塩、または硝酸塩のような酸化物形成性物質と
    して導入されている請求項2ないし15のいずれか1項
    記載の組成物。
  17. 【請求項17】 骨灰磁器、陶器、陶器、および他の基
    質用のガラス質セラミックコーティングとして使用され
    る請求項2ないし16のいずれか1項記載の組成物。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の組成物で一部または
    全部が被覆された物品。
  19. 【請求項19】 請求項2ないし16のいずれか1項記
    載の組成物で一部または全部が作られたガラス質セラミ
    ック物品。
  20. 【請求項20】 請求項2ないし16のいずれか1項記
    載の組成物で一部または全部が作られ、該組成物が一体
    的形態または粉末形態にあるガラス質セラミック製品。
  21. 【請求項21】 酸化物形成性物質を混合し、該混合物
    を、該元素の溶解を最適化するように溶融/フリット化
    することを特徴とする請求項2ないし19記載のガラス
    質セラミックを製造する方法。
  22. 【請求項22】 酸化物形成性物質をミルで添加するこ
    とを特徴とする請求項2ないし20記載のガラス質セラ
    ミックを製造する方法。
JP5162833A 1992-07-01 1993-06-30 鉛不含有透明ガラス質セラミック組成物および物品 Pending JPH06191890A (ja)

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