JPH06190979A - 積層構造体 - Google Patents

積層構造体

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JPH06190979A
JPH06190979A JP4347364A JP34736492A JPH06190979A JP H06190979 A JPH06190979 A JP H06190979A JP 4347364 A JP4347364 A JP 4347364A JP 34736492 A JP34736492 A JP 34736492A JP H06190979 A JPH06190979 A JP H06190979A
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JP
Japan
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carboxylic acid
copolymer
polyarylene sulfide
laminated structure
group
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Application number
JP4347364A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
Norio Shimasaki
周夫 嶋▲さき▼
Katsuya Ono
勝也 大野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】(a)融点200℃以下且つASTM−D12
38−86に定められたメルトフローレートが315
℃、5000g荷重の条件下で10〜5000g/10
分の範囲内にあるポリアリーレンスルフィド共重合体9
8〜60重量%およびカルボン酸基、カルボン酸エステ
ル基、カルボン酸金属塩基、カルボン酸無水物基、イミ
ド基の中から選ばれた少なくとも一種の官能基を分子中
に有する変性ポリオレフィン2〜40重量%からなる樹
脂組成物で形成される層の片面または両面に(b)ポリ
オレフィン樹脂層を積層して構成されることを特徴とす
る積層構造体。 【効果】本発明により、ガスホールなどに対しても高い
バリヤ性を持ち、しかも強度、耐久性、成形加工性にも
すぐれたプラスチック容器、管状体を与える積層構造体
が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形加工性、ガスバリ
ヤ性のすぐれた、積層構造体に関するものであり、更に
詳しくは特定の融点と溶融粘度を有するポリアリーレン
スルフィド共重合体と特定の変性ポリオレフィンからな
る樹脂組成物をガスバリヤ層に用いることによって得ら
れるオイル、ガソリンなどの薬液運搬用容器、食品用、
医療用包装材や容器などへの適用に好適な積層構造体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料タンク、オイルタンクなど
の容器においては軽量性、成形加工のし易さ、デザイン
の自由度、取扱いの容易さなどの点から金属容器からプ
ラスチック容器への転換が活発に検討されている。この
ような容器の場合、安全性、保存安定性を確保するため
に内容物の漏洩防止、外気の混入防止が重要である。ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製ポ
リ容器は最も一般的なプラスチック容器であるが、ガソ
リンや特定のオイルに対するバリヤ性が不十分であるた
めに自動車の燃料タンク、オイルタンクとしてそのまま
用いることは困難であり、通常はバリヤ性の高い樹脂を
バリヤ層とする積層構造体の形で使用される。このよう
なバリヤ層を形成する樹脂としてはポリアミド樹脂(た
とえば特開昭58−220738号公報)を代表例とし
て挙げることができる。しかし、最近は自動車燃料とし
てガソリンとメチルアルコールとの混合物、いわゆるガ
スホールが用いられる機会も増加しており、このような
場合、上記の従来技術で得られるプラスチック容器では
バリヤ性が不十分であり、更なるバリヤ性の向上技術が
望まれている。一方ポリ−p−フェニレンスルフィドに
代表されるポリアリーレンスルフィドはガソリンや自動
車オイルなどの薬液および水、炭酸ガスに対して極めて
高いバリヤ性を示すことが知られており、これを用いた
ブロー成形中空容器や管状体なども提案されている(た
とえば特開昭62−90216号公報、特開昭61−2
55832号公報、特開平3−32816号公報など)
がその融点が高いためにポリエチレン、ポリプロピレン
などのポリオレフィン系材料との共押し出しやラミネー
ト加工などが困難であった。また、共重合ポリフェニレ
ンスルフィドについては粉末コーティング用材料として
の提案はなされている(たとえば特開平4−12371
4号公報)が、バリヤ性積層体への適用については開示
されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明はガスホ
ールに対しても高いバリヤ性を持ち、しかも成形加工性
にもすぐれたプラスチック容器となり得る積層構造体を
得ることを課題として鋭意検討した結果、特定の融点と
溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィド共重合体と
特定の変性ポリオレフィンからなる樹脂組成物をガスバ
リヤ層とし、ポリオレフィン樹脂と組み合わせた積層構
造体が上記の要求特性を十分に満足するものであること
を見出して本発明に到達した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(a)下記構造式(I)で表わされる構造を有し、融点
200℃以下且つASTM−D1238−86に定めら
れたメルトフローレートが315℃、5000g荷重の
条件下で10〜5000g/10分の範囲内にあるポリ
アリーレンスルフィド共重合体98〜60重量%および
カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属
塩基、カルボン酸無水物基、イミド基の中から選ばれた
少なくとも一種の官能基を分子中に有する変性ポリオレ
フィン2〜40重量%からなる樹脂組成物で形成される
層の片面または両面に(b)ポリオレフィン樹脂層を設
けたことを特徴とする積層構造体を提供するものであ
る。
【0005】
【化2】 (ここでk、m、nのモル比はは0〜50/0〜100
/0〜100の範囲内であり、k+m+nの合計は10
0、mとnの合計は50以上となるものとする。)
【0006】本発明の積層構造体においてガスバリヤ層
として使用するポリアリーレンスルフィド共重合体と
は、上記構造式(I)で示される構造を有し、さらに融
点200℃以下、ASTM−D1238−86に定めら
れたメルトフローレートが315℃、5000g荷重の
条件下で10〜5000g/10分の範囲内という要件
を満足するものであることが必要である。
【0007】ポリアリーレンスルフィド共重合体の融点
が200℃を越えると積層するポリオレフィン樹脂の耐
熱性が劣るために共押し出し成形やラミネート成形の際
の劣化が著しくなるので好ましくない。ポリアリーレン
スルフィド共重合体(A)の融点は190℃以下である
ことが好ましく、更に180℃以下であることが一層好
ましい。このような融点を付与するため、ポリアリーレ
ンスルフィド共重合体(A)におけるk、m、nのモル
比は上記範囲内であることが必要であり、特に10〜4
0/10〜90/10〜90の範囲内であることが好ま
しい。mとnの割合については特に限定されるものでは
なく、いずれか一方が0(2元共重合体)の場合もいず
れも0でない(3元共重合体)場合もある。さらに、m
が100の場合、nが100の場合(単独重合体)の場
合もある。また本発明で使用するポリアリーレンスルフ
ィド共重合体はその特性を損なわない範囲内において下
記の構造式を有する繰り返し単位等を含むことができ
る。
【0008】
【化3】
【0009】ポリアリーレンスルフィド共重合体のメル
トフローレートが10g/10分に満たないと押し出し
成形時の負荷が増大するなどの不都合が生じるので好ま
しくなく、逆にメルトフローレートが5000g/10
分を越えると得られる積層構造体の強度が不十分となる
ので好ましくない。
【0010】ポリアリーレンスルフィドは一般に特公昭
45−3368号公報に記載される比較的分子量の低い
重合体を得る方法或は特公昭52−12240号公報や
特開昭61−7332号公報に記載される比較的分子量
の高い重合体を得る方法などによって製造できる。本発
明で使用するポリアリーレンスルフィド共重合体はモノ
マ原料として所定の比率のp−ジハロベンゼンとm−お
よび/またはo−ジハロベンゼンの混合物を用いること
により同様に製造できる。本発明においてはいかなる方
法によって製造されたポリアリーレンスルフィド共重合
体も上記特性を具備する限り使用可能である。またこの
ようにして得られたポリアリーレンスルフィド共重合体
を空気中加熱による架橋/高分子量化、有機溶媒、熱
水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、イソシアネー
トなどの官能基含有化合物による活性化など種々の処理
を施した上で使用することももちろん可能である。特に
変性ポリオレフィンとの親和性を高めるためには有機溶
媒、熱水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、イソシ
アネートなどの官能基含有化合物による活性化などの処
理を施したものが好ましく使用できる。
【0011】本発明の積層構造体においてガスバリヤ層
を形成する樹脂組成物の他の成分として使用する変性ポ
リオレフィンとはエチレン、プロピレン、ブテン−1、
ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、イソブチレ
ン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、
2,5−ノルボルナジエン、5−エチリデンノルボルネ
ン、5−エチル−2,5−ノルボルナジエン、5−(1
´−プロペニル)−2−ノルボルネン、スチレンの中か
ら選ばれた少なくとも一種のオレフィンをラジカル重合
して得られるポリオレフィン、またはスチレンと共役ジ
エンとのブロック共重合体の水添物にカルボン酸基、カ
ルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩基、カルボン酸
無水物基、イミド基の中から選ばれた少なくとも一種の
官能基を分子中に有する単量体成分(以下官能基含有成
分と称する)を導入して得られる変性ポリオレフィンで
ある。
【0012】官能基含有成分の例を挙げると、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、
メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸およびこれら
カルボン酸の金属塩、マレイン酸水素メチル、イタコン
酸水素メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタク
リル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコ
ン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸、エンドビシクロ−(2・2・1)−5−
ヘプテン−2・3−ジカルボン酸、エンドビシクロ−
(2・2・1)−5−ヘプテン−2・3−ジカルボン酸
無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどがある。
【0013】これらの官能基含有成分を導入する方法
は、特に制限なく、主成分のオレフィン類と混合して共
重合せしめたり、ポリオレフィンにラジカル開始剤を用
いてグラフト導入するなどの方法を用いることができ
る。官能基含有成分の導入量は変性ポリオレフィン全体
に対して0.001〜40モル%、好ましくは0.01
〜35モル%、更に好ましくは0.1〜30モル%の範
囲内である。
【0014】本発明で特に有用な変性ポリオレフィンの
具体例としてはエチレン/アクリル酸共重合体、エチレ
ン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカ
ルボン酸部分の一部またはすべてをナトリウム、リチウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛との塩
としたもの、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/アク
リル酸グリシジル共重合体、エチレン/メタクリル酸グ
リシジル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル−g−無水マレイン酸
共重合体(“g”はグラフトを表す、以下同じ)、エチ
レン/メタクリル酸メチル−g−無水マレイン酸共重合
体、エチレン/アクリル酸エチル−g−マレイミド共重
合体、エチレン/アクリル酸エチル−g−N−フェニル
マレイミド共重合体およびこれら共重合体の部分ケン化
物、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合
体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合
体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン−g
−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピレン/
1,4−ジシクロペンタジエン−g−無水マレイン酸共
重合体、エチレン/プロピレン/2,5−ノルボルナジ
エン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/プロピ
レン−g−N−フェニルマレイミド共重合体、エチレン
/ブテン−1−g−N−フェニルマレイミド共重合体、
スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/ブタジ
エン共重合体の水添物に無水マレイン酸をグラフト共重
合せしめた共重合体、スチレン/イソプレン共重合体の
水添物に無水マレイン酸をグラフト共重合せしめた共重
合体などを挙げることができる、これらは各々単独或い
は混合物の形で用いることができる。また、樹脂組成物
の特性を損なわない範囲でこれら変性ポリオレフィンに
加えてエチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテ
ン−1共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの
ポリオレフィン類を添加することもできる。
【0015】本発明の積層構造体においてバリヤ層とし
て用いられる樹脂組成物中に占める変性ポリオレフィン
の割合は2〜40重量%の範囲内であり、変性ポリオレ
フィンの割合が2重量%に満たないと、樹脂組成物の溶
融成形時の粘度不足によるバリヤ層の厚みムラが起こる
ことがあるので好ましくなく、逆に変性ポリオレフィン
の割合が40重量%を越えると樹脂組成物のガスバリヤ
性が低下するので好ましくない。
【0016】ポリアリーレンスルフィド共重合体とこれ
らの変性ポリオレフィンからなる樹脂組成物の製造方法
については特に限定はなく、各樹脂の粉末、ペレットの
混合物を単軸または2軸の押し出し機、バンバリーミキ
サー、ニーダー、ミキシングロールなど通常公知の溶融
混練機に供給して200〜350℃の温度で混練する方
法などを例として挙げることができる。
【0017】本発明の積層構造体において用いられるポ
リオレフィン樹脂の具体的な例としては低、中および高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピ
レン共重合体、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチルペ
ンテン−1などを挙げることができ、通常単独でプラス
チック容器用に使用されるものを用いることができる。
【0018】本発明のポリアリーレンスルフィド共重合
体層/ポリオレフィン層からなる積層構造体の製造方法
としては、構造体の形状がフィルム状またはシート状の
場合には各々のポリマを別個の押し出し機で溶融した
後、多層構造のダイに供給し、ポリアリーレンスルフィ
ド共重合体とポリオレフィンを共押し出し成形する方
法、予めポリオレフィン層を成形した後、両層の間にポ
リアリーレンスルフィド共重合体を溶融押し出しするい
わゆるラミネート成形法などが挙げられる。また、積層
構造体の形状が瓶、樽、タンクなどの中空容器やパイ
プ、チューブなどの管状体である場合には上記同様の共
押し出し成形法を用いて成形することができる。これら
の方法の中では層間接着力の点で共押し出し成形法を用
いて成形することが好ましい。
【0019】また上記積層構造体製造の際、各層間の接
着力をさらに向上する目的で各層の間に接着層を適宜導
入しても良い。このような接着層となり得るものとして
はポリオレフィン層およびポリアリーレンスルフィド共
重合体層に対して接着性を示し、これらとの共押し出し
が可能なものであれば構造を特に限定されるものではな
い。具体的な例を挙げれば、エチレン、プロピレンなど
のα−オレフィンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、クロトン酸などのα,β−不飽和カルボン酸、こ
れらのエステル、無水物、ハロゲン化物、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、亜鉛などとの塩などの誘導体
から選ばれた少なくとも1種の化合物とのランダム、ブ
ロック、グラフト共重合体などの変性ポリオレフィン
類、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンと酢酸
ビニル、ビニルアルコール、スチレン類の中から選ばれ
る少なくとも1種の化合物とのランダム、ブロック、グ
ラフト共重合体、共重合ポリアミド系接着剤、共重合ポ
リエステル系接着剤などを挙げることができる。したが
ってこれら接着層の使い方によって本発明の積層構造体
は2種2層、2種3層、3種3層、3種4層、3種5層
などいくつかの形を取り得るのである。
【0020】本発明においては必要に応じて積層構造体
の各層を形成する樹脂に繊維状および/または非繊維状
充填材を添加することも可能である。かかる繊維状およ
び/または非繊維状充填材の具体例としては、ガラス繊
維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィス
カ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、ア
スベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填
剤、ワラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、
クレー、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナ
シリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マ
グネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄な
どの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ムなどの硫酸塩、ガラス・ビーズ、セラミックビーズ、
窒化ホウ素、炭化珪素、燐酸カルシウムおよびシリカな
どの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であって
もよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用するこ
とも可能である。また、これら繊維状および/または非
繊維状充填材をシラン系あるいはチタネート系などのカ
ップリング剤で予備処理して使用することは、機械的強
度などの面からより好ましい。
【0021】また本発明においては積層構造体の各層を
形成する樹脂に本発明の目的と効果を損なわない範囲内
で、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、結晶核剤、
紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの通常の添加剤を添
加することができる。また、本発明の積層構造体の各層
を形成する樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で、
ポリアミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、
四フッ化ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリアミ
ドイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリ
エステル、ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラス
トマ等の樹脂を含んでも良い。
【0022】さらに本発明においては積層構造体の各層
を形成する樹脂に各層間の接着力向上、成形性などの改
良を目的として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウ
レイドプロピルトリメトキシシシランおよびγ−(2−
ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イ
ソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシア
ナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナ
トプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナト
プロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプ
ロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロ
ピルトリクロロシランなどの有機シラン化合物を添加す
ることもできる。
【0023】本発明により得られる積層構造体はすぐれ
たガスバリヤ性、耐薬品性、耐透湿性、成形加工性を有
するものであり、オイル、ガソリンなどの薬液運搬用容
器、食品用、医療用包装材や容器などに好適に用いるこ
とができる。
【0024】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明する。
【0025】
【実施例】実施例および比較例の中で述べられる諸特性
は各々次の方法にしたがって測定した。
【0026】(1)融点:パーキン・エルマー社製DS
C−7型示差差動熱量計を用い、20℃/分の昇温速度
で測定した。
【0027】(2)ガスホールバリヤ性:バリヤ層を形
成するポリアリーレンスルフィド共重合体と変性ポリオ
レフィンからなる樹脂組成物を溶融プレス成形して得ら
れた直径約50mm、厚さ約0.2mmのシートを盲パ
ッキンとして、ガソリン/メタノール=85/15%の
混合物からなるガスホールを満たした内径約40mm、
深さ約40mmの円筒状金属容器を密封し、これを40
℃/24h処理した際に失われたガスホールの量を重量
で求めても、ガスホールバリヤ性の目安とした。
【0028】(3)落下耐久性:ブロー成形して得られ
た中空瓶に水を満たし、これを8mの高さから落下させ
た。この操作を2回繰り返した後瓶の破損、クラックの
有無を肉眼観察した。
【0029】実施例1 オートクレーブに硫化ナトリウム3.26Kg(25モ
ル、結晶水40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢
酸ナトリウム三水和物1.36Kg(約10モル)およ
びN−メチルピロリドン(以下NMPと略す)7.9K
gを仕込み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、
水1.36Kgを含む留出水約1.5リットルを除去し
た。残留混合物に1,3−ジクロロベンゼン2.998
Kg(20.4モル)、1,4−ジクロロベンゼン0.
75Kg(5.10モル)、1,2,4−トリクロロベ
ンゼン18.2g(0.1モル)およびNMP2Kgを
加え、265℃で4時間加熱した。反応生成物を70℃
の温水で5回洗浄し、続いてpH=4の60℃酢酸水溶
液で洗浄し、更に70℃の温水で4回洗浄した後80℃
で24時間減圧乾燥して、融点120℃、メルトフロー
レート1900g/10(315℃、5000g荷重)
の粉末状ポリアリーレンスルフィド(PAS−1)約
1.8Kgを得た。
【0030】このPAS−1とエチレン/グリシジルメ
タクリレート(88/12重量%)共重合体を90:1
0(重量比)の割合でドライブレンドし、30mmφ2
軸押し出し機を用い、シリンダー温度250℃、スクリ
ュー回転数150rpmの条件で溶融混練を行って均一
性良好な樹脂組成物を得た。
【0031】ここで得られた樹脂組成物を溶融プレス成
形した後、上記の方法でガスホールバリヤ性を測定した
ところ表1に示す結果が得られ、このものが高いガスホ
ールバリヤ性を有していることが判明した。
【0032】メルトインデックス0.3、密度0.94
5を有するブロー成形用高密度ポリエチレンを図1に示
す3層プラスチック容器の成形装置の押し出し機3(シ
リンダー口径40mm、L/D=18)に投入し、18
0〜220℃に加熱溶融して内層および外層を形成せし
める。また押し出し機1には上記PAS−1を投入して
180〜220℃に加熱溶融して中間層を形成せしめ
る。この2種の樹脂が190〜220℃に加熱されたダ
イ本体6中合体してできた3層プラスチック管状体を3
層パリソンとして形成せしめ、市販の吹き込み成形装置
により通常の方法で内容積約500mlの円筒瓶を成形
した。図1は実施例で使用した吹き込み成形装置の断面
図であり、1および3は押し出し機、2および4は押し
出し機のスクリュー、6はダイ本体、5は押し出し機
(3)とダイ本体(6)を接続する接続環、7は中間ダ
イ、8および10は内径ダイ、9は外径ダイ、11は吹
き込み容器金型、12は圧縮空気吹き込み管をそれぞれ
示す。得られた瓶はポリエチレン層の劣化もなく、外観
が良好であり、落下耐久性も表1に示すとおり十分高い
ものであった。
【0033】比較例 1 ポリアリーレンスルフィドとして市販のポリフェニレン
スルフィド(PPS,東レ・ピーピーエス社製M258
8、融点=280℃、MFR=300g/10分)を用
い、樹脂組成物調製時の押し出し機温度を320℃に、
ブロー成形時の押し出し機1およびダイ本体6の溶融加
熱温度を320〜340℃に変えたこと以外は実施例1
と全く同様の手順で内容積約500mlの3層円筒瓶を
成形した。この場合には溶融PPSの温度が高すぎるた
めに内外層を形成するポリエチレンの溶融粘度の低下お
よび熱劣化が起こり、パリソンのドローダウンが大きく
なり、肉厚ムラが大きく、外観の劣る成形品しか得られ
なかった。またこの成形瓶を用いて実施例1と同様に落
下耐久性を評価したところ1回の落下試験で壁にクラッ
クが発生して耐久性も不十分であることが判明した。
【0034】比較例 2 実施例1で用いた樹脂組成物の代わりにナイロン6樹脂
(東レ(株)製CM1041)を使用したこと以外は実
施例1と全く同様の手順で溶融プレス成形およびガスホ
ールバリヤ性を測定したところ表1に示す結果が得ら
れ、このものはガスホールバリヤ性が不十分であった。
【0035】実施例 2 オートクレーブに硫化ナトリウム3.26Kg(25モ
ル、結晶水40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢
酸ナトリウム三水和物1.36Kg(約10モル)およ
びN−メチルピロリドン(以下NMPと略す)7.9K
gを仕込み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、
水1.36Kgを含む留出水約1.5リットルを除去し
た。残留混合物に1,3−ジクロロベンゼン2.998
Kg(20.4モル)、1,4−ジクロロベンゼン0.
75Kg(5.10モル)およびNMP2Kgを加え、
255℃で6時間加熱した。反応生成物を70℃の温水
で5回洗浄し、80℃で24時間減圧乾燥して、融点1
30℃、メルトフローレート2400g/10(315
℃、5000g荷重)の粉末状ポリアリーレンスルフィ
ド(PAS−2)約1.3Kgを得た。
【0036】このPAS−2とエチレン/グリシジルメ
タクリレート(88/12重量%)共重合体およびエチ
レン/プロピレン共重合体を80:15:5(重量比)
の割合でドライブレンドし、実施例1と同様の方法で3
0mmφ2軸押し出し機を用いて溶融混練を行い、均一
性良好な樹脂組成物を得た。
【0037】ここで得られた樹脂組成物を溶融プレス成
形した後、実施例1と同様の方法でガスホールバリヤ性
を測定したところ表1に示す結果が得られ、このものも
高いガスホールバリヤ性を有していることが判明した。
【0038】続いて実施例1で用いたブロー成形用高密
度ポリエチレンおよび実施例1で用いた成形装置を使っ
て実施例1と全く同様の手順で内容積約500mlの3
層円筒瓶を成形した。ここで得られた瓶もポリエチレン
層の劣化がなく、外観が良好であり、落下耐久性も表1
に示すとおり十分高いものであった。
【0039】実施例 3 オートクレーブに硫化ナトリウム3.26Kg(25モ
ル、結晶水40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢
酸ナトリウム三水和物1.36Kg(約10モル)およ
びN−メチルピロリドン(以下NMPと略す)7.9K
gを仕込み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、
水1.36Kgを含む留出水約1.5リットルを除去し
た。残留混合物に1,2−ジクロロベンゼン2.437
Kg(16.58モル)、1,4−ジクロロベンゼン
1.311Kg(8.92モル)、1,2,4−トリク
ロロベンゼン36.3g(0.2モル)およびNMP2
Kgを加え、265℃で4.5時間加熱した。反応生成
物を70℃の温水で5回洗浄し、80℃で24時間減圧
乾燥して、融点135℃、メルトフローレート450g
/10(315℃、5000g荷重)の粉末状ポリアリ
ーレンスルフィド(PAS−3)約1.8Kgを得た。
【0040】このPAS−3とエチレン/アクリル酸エ
チル(85/15重量%)共重合体を70:30(重量
比)の割合でドライブレンドし、実施例1と同様の方法
で30mmφ2軸押し出し機を用いて溶融混練を行い、
均一性良好な樹脂組成物を得た。
【0041】ここで得られた樹脂組成物を溶融プレス成
形した後、実施例1と同様の方法でガスホールバリヤ性
を測定したところ表1に示す結果が得られ、このものも
高いガスホールバリヤ性を有していることが判明した。
【0042】続いて実施例1で用いたブロー成形用高密
度ポリエチレンおよび実施例1で用いた成形装置を使っ
て実施例1と全く同様の手順で内容積約500mlの3
層円筒瓶を成形した。ここで得られた瓶もポリエチレン
層の劣化がなく、外観が良好であり、落下耐久性も表1
に示すとおり十分高いものであった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の積層構造体はガスホールなどに
対しても高いバリヤ性を持ち、しかも強度、耐久性、成
形加工性にもすぐれたプラスチック容器、管状体を与え
るものであり、自動車のガソリンタンク、薬液運搬用容
器、食品用、医療用包装材や容器などへの適用に好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例で使用した吹き込み成形装置の断
面図である。
【符号の説明】
1.押し出し機 2.押し出し機1のスクリュー 3.押し出し機 4.押し出し機3のスクリュー 5.接続環、 6.ダイ本体 7.中間ダイ 8.内径ダイ 9.外径ダイ 10.内径ダイ 11.吹き込み容器金型 12.圧縮空気吹き込み管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 65/40 A 9028−3E C08L 81/04 LRL 7308−4J // C08L 23/26 LDA 7107−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記構造式(I)で表わされる構
    造を有し、融点200℃以下且つASTM−D1238
    −86に定められたメルトフローレートが315℃、5
    000g荷重の条件下で10〜5000g/10分の範
    囲内にあるポリアリーレンスルフィド共重合体98〜6
    0重量%およびカルボン酸基、カルボン酸エステル基、
    カルボン酸金属塩基、カルボン酸無水物基、イミド基の
    中から選ばれた少なくとも一種の官能基を分子中に有す
    る変性ポリオレフィン2〜40重量%からなる樹脂組成
    物で形成される層の片面または両面に(b)ポリオレフ
    ィン樹脂層を設けたことを特徴とする積層構造体。 【化1】 (ここでk、m、nのモル比は0〜50/0〜100/
    0〜100の範囲内であり、k+m+nの合計は10
    0,mとnの合計は50を越えるものとする。)
  2. 【請求項2】 積層構造体が共押し出し成形法を用いて
    成形されたものである請求項1記載の積層構造体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998026922A1 (fr) * 1996-12-16 1998-06-25 Toray Industries, Inc. Piece soufflee multicouche conductrice et composition de resine conductrice

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR100588588B1 (ko) * 1996-12-16 2006-12-19 도레이 가부시끼가이샤 도전성다층중공성형체및도전성수지조성물

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