JPH06189737A - 残香性酒粕及びその製造方法 - Google Patents

残香性酒粕及びその製造方法

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JPH06189737A
JPH06189737A JP35934092A JP35934092A JPH06189737A JP H06189737 A JPH06189737 A JP H06189737A JP 35934092 A JP35934092 A JP 35934092A JP 35934092 A JP35934092 A JP 35934092A JP H06189737 A JPH06189737 A JP H06189737A
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lees
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sake
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秀夫 山崎
Kokichi Hanaoka
孝吉 花岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生酒粕の芳香が強い乾燥酒粕を提供する。 【構成】 生酒粕を乾燥して得られた乾燥酒粕におい
て、該乾燥酒粕中に、生酒粕に含有されていたエタノー
ル等の低沸点成分がサイクロデキストリンによって包接
されて混在されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は残香性酒粕及びその製造
方法に関し、更に詳細には生酒粕を乾燥して得られる残
香性酒粕及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】乾燥酒粕は、パン類や菓子類に多量に使
用されている。かかる乾燥酒粕は、生酒粕を乾燥し、生
酒粕中に含まれている水分等を蒸発させることによって
製造されている。特に、真空乾燥法によって乾燥された
乾燥酒粕は、水分等を低温で蒸発させることができ、固
形物の熱に因る変性を防止できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様にして得られた
乾燥酒粕は、生酒粕に比較して保存性が良好で且つ軽量
である。しかしながら、水分の蒸発と共に、生酒粕中に
含まれていたエタノール等の低沸点成分も同時に蒸発す
るため、得られた乾燥酒粕は生酒粕特有の芳香が極めて
弱く、味気のないものとなる。このため、従来は、乾燥
酒粕に生酒粕の芳香を補充するため、少量の生酒粕を乾
燥酒粕に添加することを必要としていた。かかる生酒粕
の添加は、パン類や菓子等に使用する乾燥酒粕量を減少
させるため、得られたパン類等において酒粕のうま味が
乏しいものとなる。また、乾燥酒粕を使用する使用者に
おいても、生酒粕を保管しておくことを必要とし、乾燥
酒粕を利用する利便性を損なうことになる。そこで、本
発明の目的は、生酒粕の芳香が強い乾燥酒粕及びその製
造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成するには、生酒粕を真空蒸発した際に、蒸発した
揮発成分を回収した回収溜液を利用することが有効であ
ると考え検討した。その結果、回収溜液中にサイクロデ
キストリンを添加した後、回収溜液をスプレドライ等で
乾燥し粉末状物としても、揮発成分が大量に残留して生
酒粕の香りが強いことが判明し、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、生酒粕を乾燥して得られた乾燥酒粕
において、該乾燥酒粕中に、生酒粕に含有されていたエ
タノール等の低沸点成分がサイクロデキストリンによっ
て包接されて混在されていることを特徴とする残香性酒
粕にある。
【0005】また、本発明は、生酒粕を乾燥して乾燥酒
粕を製造する際に、該乾燥中に蒸発したエタノール等の
低沸点成分を冷却して得られた回収溜液に、サイクロデ
キストリンを添加した後、前記回収溜液をスプレードラ
イ等によって乾燥して粉末状物とし、次いで、得られた
前記粉末状物を乾燥酒粕と混合することを特徴とする残
香性酒粕の製造方法にある。更に、本発明は、生酒粕を
乾燥して乾燥酒粕を製造する際に、該生酒粕中にサイク
ロデキストリンを添加した後、前記生酒粕を乾燥して乾
燥酒粕とすることを特徴とする残香性酒粕の製造方法に
ある。
【0006】
【作用】本発明によれば、シクロデキストリンの有する
分子中の空洞を利用し、エタノール等の低沸点成分を包
接することができる。この様にシクロデキストリンによ
って包接された低沸点成分は、スプレードライ等による
乾燥の際に、蒸発せず粉末状物として回収できる。ま
た、シクロデキストリンによって包接された低沸点成分
は、徐放性を有するため、乾燥酒粕中に添加されて生酒
粕の香りを発することができるのである。
【0007】
【発明の概要】本発明において使用するシクロデキスト
リンとしては、公知のシクロデキストリンを使用するこ
とができる。更に、シクロデキストリンには、α、β、
γの三種が存在するが、本発明においてはα、β、γの
いずれであってもよく、これらの混合物であってもよ
い。かかるシクロデキストリンの添加量は、包接すべき
低沸点成分量によって異なり、予め実験的に求めておく
ことが好ましい。
【0008】また、本発明の乾燥方法としては、従来か
ら生酒粕等のペースト状物の乾燥に採用されていた乾燥
方法を採用することができる。例えば、表面が所定温度
に加温されたドラムを回転させて、ドラム表面に生酒粕
を薄膜状に塗布して乾燥せしめ、乾燥薄膜をスクレバー
で剥離することによって乾燥酒粕を得るドラム乾燥法を
挙げることができる。このドラム乾燥法において、生酒
粕中に含まれていたエタノール等の低沸点成分は、冷却
器によって冷却・凝集され溜液として回収されている。
【0009】更に、生酒粕の乾燥方法として、図1に示
す真空ドラム乾燥法も挙げることができる。図1に示す
真空ドラム乾燥法は、内部が高真空度に維持されている
真空乾燥機10が使用される。この真空乾燥機10の内
部には、矢印E方向から矢印F方向に流れる熱水によっ
て加温され且つ互いに反対方向に回転する一対のドラム
12、12が設置されている。かかる一対のドラム1
2、12の表面には、原料供給管Aから送られた生酒粕
が薄膜状に付着し、エタノール等の低沸点成分が蒸発し
つつ乾燥される。乾燥された薄膜状の乾燥酒粕は、スク
レバー18、18によってドラム12、12の表面から
剥離され、受け14に沿って回転粉砕機16方向に移動
し、粉砕されて乾燥酒粕排出口Bから排出される。一
方、生酒粕から蒸発した低沸点成分は、冷却器20で冷
却されて回収溜液タンク22に溜液24として貯留さ
れ、冷却器20で凝縮されなかった非凝縮性ガスはガス
出口Cから真空ポンプ等の真空発生装置に吸引される。
【0010】本発明において、シクロデキストリンは、
回収溜液タンク22等から回収した溜液24に添加す
る。シクロデキストリンが添加された溜液中には、約3
0分間程度の混合によって、低沸点成分とシクロデキス
トリンとの包接化合物が生成する。尚、水分子は、シク
ロデキストリンの有する分子中の空洞よりも小さく、シ
クロデキストリンとの包接化合物を生成しない。この様
な包接化合物は、沸点が水分よりも高く、水分のみを蒸
発させることができるため、低沸点成分を粉末状物とす
ることができる。かかる溜液の粉末状化には、スプレー
ドライ法を好適に採用できる。他方、図1に示す乾燥酒
粕排出口Bから排出された乾燥酒粕には、低沸点成分が
殆ど残留しておらず、生酒粕の芳香が殆どしない。この
乾燥酒粕に、溜液から得られた前記粉末状物を混合する
ことによって、生酒粕の芳香を付与することができる。
つまり、前記粉末状物中のエタノール等の低沸点成分と
シクロデキストリンとの包接化合物は、低沸点成分を徐
々に放出する徐放性を有するためである。
【0011】この様に生酒粕の溜液にシクロデキストリ
ンを添加する他に、予めシクロデキストリンを添加した
生酒粕を乾燥する方法も採用することができる。この場
合、シクロデキストリンと生酒粕とを充分に混合し、低
沸点成分とシクロデキストリンとの包接化合物を生成し
ておくことが好ましい。尚、生酒粕中にシクロデキスト
リンを添加する場合であっても、溜液にシクロデキスト
リンを添加してもよい。本発明の乾燥酒粕は、生酒粕の
芳香を発するため、パン類や菓子等に多量に使用でき、
得られるパン類等に良好な香りとうま味とを付与するこ
とができる。その際に、生酒粕を添加することを要しな
いため、乾燥酒粕の使用者が生酒粕を予め保管しておく
ことを要せず、乾燥酒粕を使用する利便性を損なうこと
がない。
【0012】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明す
る。 実施例1 図1に示す真空ドラム乾燥機を使用し、乾燥酒粕を製造
した。原料供給管Aから水分61.5重量%の生酒粕を
供給し、ドラム12、12の表面温度を130℃に保持
しつつドラムを4.5rpmで回転した。乾燥酒粕排出
口Bから排出された乾燥酒粕の水分は5.4重量%であ
った。得られた乾燥酒粕には、生酒粕の芳香は全く感じ
られなかった。かかる乾燥酒粕中のエタノール成分は
0.3重量%であった。次いで、回収溜液タンク22か
ら抜き出した溜液24にシクロデキストリンを添加し、
約30分間混合した。尚、シクロデキストリンの添加量
は、シクロデキストリン/溜液が1/2となる量であっ
た。その後、溜液をスプレードライ法によって乾燥して
粉末状物とし、この粉末状物を乾燥酒粕中に添加・混合
した。この粉末状物の混合量は、乾燥酒粕に対して4重
量%となる量であった。
【0013】この様にして溜液の粉末状物を混合して得
られた混合物は、生酒粕の芳香が強く感じられるもので
あり、その分析結果を下記に示す。 水分 4.8重量% タンパク質 21.3 脂質 5.0 繊維質 0.6 糖質 66.5 エタノール成分 1.2 得られた混合物中のエタノール成分は、1.2重量%で
あり、乾燥酒粕排出口Bから排出された乾燥酒粕中のエ
タノール成分0.3重量%に比較して著しく高くなって
いる。これは、エタノールとシクロデキストリンとの包
接化合物が生成されていたためである。
【0014】実施例2 実施例1において溜液に添加したシクロデキストリン量
と同一量を生酒粕中に予め添加した後、混合物を約30
分間ほど混練した。次いで、混練物を実施例1と同一条
件で乾燥酒粕を製造した。本実施例では、回収溜液タン
ク22に貯留した溜液にシクロデキストリンは添加しな
かった。乾燥酒粕排出口Bから排出された乾燥酒粕は、
生酒粕の芳香が強く感じられるものであった。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、生酒粕の芳香が強く感
じられる乾燥酒粕を容易に得ることができる。このた
め、生酒粕を使用することを必要とせず、パン類や菓子
等に多量に使用でき、酒粕スパイスとしても利用でき
る。また、この乾燥酒粕は、乾燥状態であるために保存
性が良好あり、且つ軽量であるために扱い易い。更に、
水で酒粕の粘度等を任意に制御することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用可能の乾燥装置の概略を説明する
ための概略図である。
【符号の説明】
10 乾燥機本体 12 ドラム 14 受け 16 粉砕機 18 スクレバー 20 冷却器 22 回収溜液タンク 24 溜液

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生酒粕を乾燥して得られた乾燥酒粕にお
    いて、該乾燥酒粕中に、生酒粕に含有されていたエタノ
    ール等の低沸点成分がサイクロデキストリンによって包
    接されて混在されていることを特徴とする残香性酒粕。
  2. 【請求項2】 生酒粕を乾燥して乾燥酒粕を製造する際
    に、該乾燥中に蒸発したエタノール等の低沸点成分を冷
    却して得られた回収溜液に、サイクロデキストリンを添
    加した後、前記回収溜液をスプレードライ等によって乾
    燥して粉末状物とし、次いで、得られた前記粉末状物を
    乾燥酒粕と混合することを特徴とする残香性酒粕の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 生酒粕を乾燥して乾燥酒粕を製造する際
    に、該生酒粕中にサイクロデキストリンを添加した後、
    前記生酒粕を乾燥して乾燥酒粕とすることを特徴とする
    残香性酒粕の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003044143A1 (fr) * 2001-11-22 2003-05-30 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo Procede servant a entretenir un arome et sa mise en application
WO2010044394A1 (ja) * 2008-10-15 2010-04-22 株式会社シームス アルコール濃度検知素子、アルコール濃度検知装置及びアルコール濃度検知方法

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JPH04152868A (ja) * 1990-10-17 1992-05-26 Keiji Fujine 酒粕の粉末品または顆粒品の製法および酒粕の粉末品または顆粒品を用いた加工食品

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