JPH06188766A - 回路装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 データ信号に対する干渉信号による悪影響を
軽減し、正確にデータ信号を受信できる回路装置を提供
する。 【構成】 データ信号に対する干渉信号による悪影響を
軽減するための整合フィルタを含む回路装置であって、
整合フィルタ７の出力が、データ信号の急速な変化を補
償するためにメジアン・フィルタに結合されており、か
つ、メジアン・フィルタ９の出力が計算回路１４に結合
され、そこで、干渉信号による影響に対してデータ信号
を補償することができるように、整合フィルタの出力に
おいて干渉信号の信号特性が決定されるよう構成されて
なることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、データ信号に対する干
渉信号による悪影響を軽減するための回路装置に関す
る。

【０００２】データ信号という語は、電気通信データを
含む、データまたは情報を伝送するすべての信号を意味
するものである。

【０００３】

【従来の技術】たとえば電気通信においては、整合フィ
ルタが信号を検出するために使用される。実現可能な整
合フィルタのインパルス応答は、スケール(scale) さ
れ、遅延(delay) され、時間反転される(inverted in t
ime)信号である。信号に整合したフィルタの出力におい
て、信号の受信完了時に最大レベルがえられる。

【０００４】フィルタの出力波形は、この信号自体の自
己相関関数(autocorrelation function)に比例する。付
加ガウス型白色雑音（Additive Gaussian White Noise:
ＡＧＷＮ）チャネルにおいて、整合フィルタは瞬間の信
号対雑音比（ＳＮ比）を最大限にし、送信システムに誤
りが生じる可能性を最小限にする。また、送信チャネル
の信号に干渉が加わったばあいには、受信機はもはや最
良の状態では作動せず、その性能は低下する。

【０００５】整合フィルタは、分散スペクトル型電気通
信システム(distributed spectrumtelecommunication s
ystem) にも使用される。それから、このフィルタはデ
ータ信号検出に、また、たとえば、受信機のコードの同
期化のための検索段階において使用することができ、そ
れによって、フィルタのインパルス応答は分散コード(d
istribution code) またはその一部を、時間反転し、ス
ケールし、また、遅延したものとなる。

【０００６】従来の技術を、添付図面の図５〜７を参照
して以下に説明する。

【０００７】図５には、従来のコード同期化システムが
示されている。コード同期化システムには、分散コード
に整合するフィルタ１、閾値比較手段２、およびモニタ
リング開始手段３が含まれる。

【０００８】分散コードまたはその一部が受信される
と、フィルタ１の出力において最大値がえられ、この最
大値は閾値比較ののちコード発振器または発生機を同期
化させることができる。

【０００９】図６には、従来の整合フィルタの出力信号
の典型的な例が示されている。この典型的な例は理想的
なものであり、コードはＬチップ(L chip)を含み、チッ
プ周期はＴ秒である。この出力信号４は、その高さが受
信信号のレベルのＬ倍であるインパルスを含む理想的な
自己相関関数であり、繰り返し周期はコード長Ｌ×Ｔ秒
である。

【００１０】図７に、閾値比較ブロックによりえられた
信号を示す。整合フィルタの出力信号４が閾値レベルを
超えると、閾値比較ブロック２の信号５の値は“１”と
なる。

【００１１】たとえば、決定的エラー(deterministic e
rror) が大きな損害となることがあるが、これはフィル
タ１の出力において残留干渉の存在が明らかになるから
である。このとき同期化能力は低下し、とくにコードの
自己相関関数形が理想的なものでなくサイドローブを含
むばあい、干渉応答と相まって、閾値レベルを超えるこ
とがある。整合フィルタ１によって干渉は確かに減衰す
るが、たとえば、分散コードのバランスが増加するとき
や、あるいは２進コードのばあい(binary case) におい
て１と０の数が増えるときには、フィルタの平均周波数
における連続的な干渉の減衰効果は減少する。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】通常、干渉の除去は、
異なる減衰あるいは補正アルゴリズムによって行われ
る。これらの方法はしばしば複雑であり、干渉特性やチ
ャネル状態を判断するための計算時間を必要とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段および作用】本発明によっ
て、データ信号に対する干渉信号による悪影響を軽減す
る回路装置が提供される。この回路装置には整合フィル
タが含まれており、整合フィルタの出力がメジアン・フ
ィルタに結合されてデータ信号の急速な変化を補償し、
メジアン・フィルタの出力が計算回路に結合され、そこ
で、整合フィルタの出力における干渉信号の信号特性が
決定されて干渉信号による影響に対してデータ信号を補
償することを特徴としている。

【００１４】本発明によって、前記不利益および諸課題
を解決する回路装置が提供される。

【００１５】

【実施例】本発明の実施例を、添付した図１〜４を参照
しつつ、例示として説明する。

【００１６】メジアン・フィルタを用いて、急速な変化
またはインパルスを信号から除去することができること
はよく知られている。このことは図４に示されており、
そこにはメジアン・フィルタにより濾波された整合フィ
ルタの出力信号が仮想的に示されている。メジアン・フ
ィルタによる濾波においては、信号または信号からえら
れるサンプルが処理され、その結果、メジアン（ＭＥ
Ｄ）が（２ｋ＋１）個（ｋは整数）のサンプルのそれぞ
れに対して計算される。そして、メジアン・フィルタの
出力信号６は、 ｙ（ｎ）＝ＭＥＤ［ｘ（ｎ−ｋ）、ｘ（ｎ−ｋ＋１）、
…、ｘ（ｎ）、…、ｘ（ｎ＋ｋ）］である。

【００１７】ｘ（ｎ）は入力信号であり、整数ｎはサン
プリング間隔の倍数としてサンプリング積率(sampling
mament) を表わす。

【００１８】本発明による解決法によって、従来技術と
異なる回路装置が提供され、メジアン・フィルタを使用
して干渉が判断され除去される。本発明の回路装置の利
点は、整合フィルタの出力信号のインパルス特性に基づ
いている。

【００１９】図１は、本発明の回路装置の一実施例のブ
ロックダイヤグラムを示している。回路装置には、信号
に整合するフィルタ７、遅延素子８、メジアン・フィル
タ９、および、閾値比較器１１があとに続く加算器１０
が含まれる。従来は、サンプルは整合フィルタ７の出力
から取りだされ、これらのサンプルは閾値比較器11内で
閾値レベルと比較され、そののち、信号の存在が決定さ
れる。とくに、決定に関するエラー(deterministic err
or) が生じたばあい、サンプルのインパルスピーク間に
おけるベース・レベルが閾値を超えることがあり、それ
によって誤った決定が連続的に行なわれることが起りう
る。

【００２０】前記回路装置においては、整合フィルタ７
からえられた信号またはサンプルは、メジアン・フィル
タ９で濾波され、その結果、（２ｋ＋１）個のサンプル
のメジアンが計算される。

【００２１】ｙ（ｎ）＝ＭＥＤ［ｘ（ｎ−ｋ）、ｘ（ｎ
−ｋ＋１）、…、ｘ（ｎ）、…、ｘ（ｎ＋ｋ）］ 同時に、整合フィルタ７の出力においてえられたサンプ
ルは、遅延手段（遅延素子）８内においてｋサンプルだ
け遅延され、そののち、遅延信号とメジアン・フィルタ
９によって与えられる一連のサンプルとの差が、加算手
段（加算器）１０内で計算される。それから差の信号だ
けが比較手段（比較器）１１において閾値レベルと比較
される。

【００２２】このように、この回路装置は、干渉によっ
て引き起こされるベース・レベルからのオフセットを信
号から除去することができ、同時に干渉に関する情報が
えられるという利点がある。メジアン・フィルタ９は基
本的には低域フィルタである。差信号の計算は、干渉を
除去するために高域フィルタにおける処理に一致してお
り、この処理は現実に有用な信号のインパルスのような
特性に基づいている。

【００２３】図６は、本発明の回路装置による他の解決
法のブロックダイヤグラムを示している。この回路装置
においては、信号つまりフィルタ７からえられたサンプ
ルはメジアン・フィルタ９において濾波され、（２ｋ＋
１）個のサンプルのメジアンが計算される。同時に、整
合フィルタ７の出力においてえられたサンプルは、遅延
手段８内においてｋサンプルだけ遅延され、そのあと、
遅延信号は決定回路１３へ送られる。決定回路１３にお
いて、出力信号が基本データに基づいて決定される。

【００２４】図３は、本発明の回路装置によるさらに別
の解決法のブロックダイヤグラムを示している。この第
２の解決法においては、信号つまり整合フィルタ７から
えられたサンプルはメジアン・フィルタ９で濾波され、
（２ｋ＋１）個のサンプルのメジアンが計算される。え
られた信号は、出力信号を計算する計算回路１４に送ら
れる。

【００２５】以上の説明から、本発明の範囲を逸脱せず
に変更を行ないうることは、当業者には明らかであろ
う。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、整合フィルタのあとに
メジアン・フィルタが結合されてデータ信号の急速な変
化を補償しているため、干渉信号による悪影響を軽減す
ることができる。その結果、簡単な構成でデータまたは
情報を誤りなく正確に伝送し、受信することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の回路装置のブロックダイヤグラムであ
る。

【図２】本発明の他の回路装置のブロックダイヤグラム
である。

【図３】本発明のさらに他の回路装置のブロックダイヤ
グラムである。

【図４】メジアンフィルタによって濾波された整合フィ
ルタの出力信号を原理的に示す説明図である。

【図５】従来の同期化システムの一例を示す説明図であ
る。

【図６】図１に示された従来の整合フィルタの出力信号
を示す説明図である。

【図７】閾値比較ブロックによりえられた信号を示す説
明図である。

【符号の説明】

７ 整合フィルタ ８ 遅延素子 ９ メジアン・フィルタ １０ 加算器 １１ 比較器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レッペンネン ペンチ フィンランド共和国、エスエフ−90570 オウル、リッナンマー エックス ２、ケ ア オブ オウルン ユリオピスト チエ トトリーケッネラボラトリオ (72)発明者 イーナッチ ジャリ フィンランド共和国、エスエフ−90570 オウル、リッナンマー エックス ２、ケ ア オブ オウルン ユリオピスト チエ トトリーケッネラボラトリオ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 データ信号に対する干渉信号による悪影
   響を軽減するための整合フィルタを含む回路装置であっ
   て、整合フィルタの出力が、データ信号の急速な変化を
   補償するためにメジアン・フィルタに結合されており、
   かつ、メジアン・フィルタの出力が計算回路に結合さ
   れ、そこで、干渉信号による影響に対してデータ信号を
   補償することができるように、整合フィルタの出力にお
   いて干渉信号の信号特性が決定されるよう構成されてな
   ることを特徴とする回路装置。
2. 【請求項２】 前記整合フィルタの出力が、遅延手段を
   含む第２回路を介して、前記計算回路にさらに結合され
   てなる請求項１記載の回路装置。
3. 【請求項３】 前記遅延手段が、整合フィルタからの出
   力信号を前記計算回路に送る前に“ｋ”サンプルだけ遅
   延させる請求項２記載の回路装置。
4. 【請求項４】 前記遅延手段の出力と前記整合フィルタ
   の出力との差が前記計算回路において計算され、干渉信
   号の信号特性が提供される請求項２または３記載の回路
   装置。
5. 【請求項５】 加算器を含み、その加算器の正の入力が
   前記遅延手段を介して前記整合フィルタの出力を受信
   し、負の入力がメジアン・フィルタを介して前記整合フ
   ィルタの出力を受信する請求項２、３または４記載の回
   路装置。
6. 【請求項６】 信号つまり整合フィルタからえられたサ
   ンプルが前記メジアン・フィルタにおいて濾波され、
   （２ｋ＋１）個のサンプルのメジアンが計算され、か
   つ、前記整合フィルタの出力においてえられるサンプル
   が実質的に同時に前記遅延手段においてｋサンプルだけ
   遅延される請求項２、３、４または５記載の回路装置。
7. 【請求項７】 遅延信号が決定回路に送られ、メジアン
   ・フィルタによって与えられる差が、閾値を計算する前
   記計算回路に送られ、そのあと前記差を出力信号を決定
   する前記決定回路に送る請求項２、３、４、５または６
   記載の回路装置。
8. 【請求項８】 信号つまり整合フィルタからえられたサ
   ンプルがメジアン・フィルタにおいて濾波され、（２ｋ
   ＋１）個のサンプルのメジアンが計算され、えられた信
   号が出力信号を計算する計算回路に送られる請求項１、
   ２、３、４、５、６または７記載の回路装置。