JPH0618866A - 可逆性表示媒体 - Google Patents

可逆性表示媒体

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JPH0618866A
JPH0618866A JP30589392A JP30589392A JPH0618866A JP H0618866 A JPH0618866 A JP H0618866A JP 30589392 A JP30589392 A JP 30589392A JP 30589392 A JP30589392 A JP 30589392A JP H0618866 A JPH0618866 A JP H0618866A
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量磁郎 明石
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    • B41M5/28Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used using thermochromic compounds or layers containing liquid crystals, microcapsules, bleachable dyes or heat- decomposable compounds, e.g. gas- liberating
    • B41M5/281Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used using thermochromic compounds or layers containing liquid crystals, microcapsules, bleachable dyes or heat- decomposable compounds, e.g. gas- liberating using liquid crystals only

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 紙のように或いはOHP表示シートとして使
用可能であり、かつ、繰り返し性、表示コントラスト、
保存安定性、経済性に優れた可逆性表示媒体を提供す
る。 【構成】 側鎖型高分子液晶を構成成分とする高分子液
晶層を少なくとも一構成層として設けた可逆性表示媒体
であって、その側鎖型高分子液晶が、下記式(I)およ
び(II)で示される繰り返し単位から構成される共重合
体等から構成される共重合体である。 (式中、k、mおよびnは、1〜30の整数を表わし、
A、B、CおよびDは、それぞれ特定の液晶分子残基を
表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可逆性表示媒体に関す
る。すなわち、本発明は、紙、感熱紙、オーバーヘッド
プロジェクター(OHP)表示シートなどのプロジェク
ター表示媒体や、ホワイトボード状大面積表示用媒体と
して使用可能であり、しかも繰り返し消去/表示可能な
省資源上有利な可逆性表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】人類は、紙を情報の表示、保存のメディ
アとして長く利用している。近年のフラットパネルディ
スプレーの普及に伴うペーパーレス化の流れにおいて
も、その使用量は減らず、むしろ増加する一方である。
これは、紙が目に優しい反射型表示媒体であり、かつフ
レキシブル性やポータブル性に優れた表示、保存メディ
アであることが最大の理由と考えられる。また、紙以外
の表示方法としては、ポリエステルフィルム上にトナー
像を形成し、OHPを使用して大面積表示を得ることも
広く実施されている。しかしながら、これらの表示方法
における紙やプラスチックの大量使用は、資源問題、環
境問題の上から問題視されている。この様な状況の下
で、紙に代わる表示媒体の技術が開示されている。例え
ば、高分子母材に有機低分子化合物を分散し、加える熱
の制御によって光の散乱、透過を制御して表示を行う可
逆性感熱表示媒体(特開昭54−119377号公報、
特開昭55−154198号公報)、複数の高分子をブ
レンドした膜からなり、熱によって相分離をコントロー
ルして表示を行うもの(特開昭60−180887号公
報、特開昭62−116192号公報)、或いは高分子
液晶を用いた同様な原理による可逆性表示媒体(特開平
2−117888号公報、特開平3−53285号公
報)が開示されている。また、二枚の透明電極間にスメ
クチック液晶を封入し、電界と熱の作用によって画像の
形成および消去を繰り返し行なう熱アドレス方式のプロ
ジェクター表示装置も、高解像の表示が得られることか
ら注目されている。(Electronics Let
ters,11(4),73(1975)およびApp
l. Phys. Lett.,22(3),111
(1973)参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高分子
母材に有機低分子化合物を分散した膜からなる可逆性感
熱表示媒体や、複数の高分子をブレンドした膜からなる
可逆性感熱表示媒体は、混合二成分の相溶状態を熱によ
って制御し、光透過状態と光散乱状態を可逆的に繰り返
すものであるが、繰り返しに伴って、上記分散または混
合する二成分の劣化や、表示に際しての二つの状態の不
明瞭化などによってコントラストが低下し、繰り返し回
数が制限されてしまうという問題があった。また、公知
の高分子液晶を用いた可逆性表示媒体においては、表示
コントラストが低く、記録の保存安定性に問題があっ
た。さらにまた、従来使用されているOHPシートに関
しては、実質上一回のみの使用に限定され、省資源や経
済性、さらに環境の点からも問題があった。またスメク
チック液晶を使用した熱アドレス方式のプロジェクター
表示装置においては、表示セルを形成する電極基板がガ
ラスであり、またセルギャップの精度が要求されるため
に、可撓性が無く、また強い光源を使用するプロジェク
ターにおいては発生する熱に対する表示の安定性等に問
題があった。さらにコストが高くなる欠点をも有してい
た。
【0004】本発明は、従来の技術における上記のよう
な問題点に鑑みてなされたものである。すなわち本発明
の目的は、紙やOHP用表示シートのように使用可能で
あり、かつ、従来の技術の問題点である繰り返し性、表
示コントラスト、保存安定性を解決した可逆性表示媒体
を提供することにある。本発明の他の目的は、繰り返し
表示可能であり、熱安定性、コントラスト、経済性に優
れたプロジェクター用表示シートを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の可逆性表示媒体
は、基材上に、熱、電界および磁界から選択される作用
の少なくとも一つによって透明状態および光散乱状態を
繰り返し実現することが可能な、側鎖型高分子液晶を構
成成分とする高分子液晶層を少なくとも一構成層として
設けたものであって、その側鎖型高分子液晶が、下記式
(I)および(II)で示される繰り返し単位から構成さ
れる共重合体、または下記式(III )および(IV)で示
される繰り返し単位から構成される共重合体であること
を特徴とする。
【0006】
【化3】 [式中、Ra およびRb は、それぞれ水素原子、または
メチル基およびハロゲン原子から選択される基を表わ
し、A、CおよびDは、それぞれ下記式(a)〜(j)
で示される液晶分子残基から選ばれる基を表わし、
【0007】
【化4】 (式中、XおよびYは、それぞれ単結合または−N=N
−、−N(→O)=N−、−CH=N−、−N=CH
−、−COO−、−O(C=O)−およびエチニレン基
から選択される基を表わし、R1 はアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、シアノ基、カルボン酸基、アルキル基から選
択される基を表わし、pは1〜5の整数を表わし、pが
2以上の場合、それぞれのR1 は異なるものであっても
よい。)
【0008】Bは、水酸基、ハロゲン原子、アルキル
基、アルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、
複素環基、アミノ基、シアノ基、−COOR2 、−OC
OR2 、および−CONR2 3 から選択される基を表
わし(式中、R2 およびR3 は、それぞれ水素原子、ま
たはハロゲン原子もしくは複素環基で置換されていても
よい炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、肪環
式基、ヒドロキシアルキル基、ヘテロ原子を含むアルキ
ル基および置換されていてもよいフェニル基から選択さ
れる基を表わす。)、k、mおよびnは、それぞれ1〜
30の整数を表わす。ただし、A、B、CおよびDは、
それぞれ二種以上の基より構成されていてもよい。]
【0009】本発明の可逆性表示媒体において、透明基
材上に、熱、電界および磁界から選択される作用の少な
くとも一つによって透明状態および光散乱状態を繰り返
し実現することが可能な、側鎖型高分子液晶を構成成分
とするものは、書き替え可能なプロジェクター用表示シ
ートとして使用することができるが、その場合、側鎖型
高分子液晶が、上記式(III )および(IV)で示される
繰り返し単位から構成される共重合体であることが好ま
しい。
【0010】まず、本発明に使用される側鎖型高分子液
晶について説明する。本発明における側鎖型高分子液晶
は、下記に詳記するアクリル系の重合性基を有する液晶
性モノマーと特定の非液晶性モノマーの少なくとも二成
分を必須成分とした共重合体、または、重合性基として
アクリル酸エステル基を有する液晶性モノマーと重合性
基としてメタクリル酸エステル基を有する液晶性モノマ
ーの二成分を必須成分とする共重合体から構成される。
この構成によってアクリル系液晶ホモポリマーやメタク
リル系液晶ホモポリマーでは実現できなかった表示の熱
安定性や高い表示コントラスト、繰り返し性や記録の安
定性が実現され、プロジェクター表示材料その他の可逆
性表示媒体として最適な特性を有するものとなる。
【0011】本発明における上記の共重合体は、各重合
性モノマーを所定量混合し、通常のラジカル重合やイオ
ン重合を行った後、精製することによって、例えば、ア
ルコールやエーテル等の貧溶媒を用いて精製することに
よって製造することができる。本発明における側鎖型高
分子液晶の製造のために使用可能な液晶性モノマーとし
ては、Makromol.Chem.p273,Vo
l.179(1978),Eur.Poiym.J.,
p651,Vol.18(1982)およびMol.C
ryst.Liq.Cryst.,p167,Vol.
169(1989)等に開示されているものがあげられ
るが、例えばビフェニル系、フェニルベンゾエート系、
シクロヘキシルベンゼン系、アゾキシベンゼン系、アゾ
ベンゼン系、アゾメチン系、フェニルピリミジン系、ジ
フェニルアセチレン系、ビフェニルベンゾエート系、シ
クロヘキシルビフェニル系、ターフェニル系などの剛直
な分子に、所定の長さのアルキルスペーサーを介して、
アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが結合
した種々化合物があげられる。
【0012】これらの化合物の具体的な構造式を下記に
示す。 CH2 =C(Ra )−COO−(CH2 k −O−A (式中、Ra 、Aおよびkは前記したものと同意義を有
する。)
【0013】また、非液晶性モノマーとしては、種々汎
用のモノマーが使用可能であり、その具体例を列記する
と、(メタ)アクリル酸のC1 〜C30アルキルエステル
およびその誘導体、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミ
ノエチルエステル、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリルアミド、スチレンおよびスチレン誘導体、
(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ンおよびN−ビニルピロリドン等があげられる。次に、
それぞれの共重合体について説明する。先ず、液晶性モ
ノマーと特定の非液晶性モノマーとの少なくとも二成分
を必須成分とする共重合体について説明すると、これら
二成分の共重合比は、目的とする特性によって種々変化
させることができるが、液晶性モノマーの含有量が50
〜99重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは80
〜98重量%の範囲である。
【0014】また、アクリル酸エステル基を有する液晶
性モノマーとメタクリル酸エステル基を有する液晶性モ
ノマーの二成分を必須成分とする共重合体において、共
重合体を製造するための液晶モノマーを選択するに際し
ては、重合性基であるアクリル基およびメタクリル基の
みを異にし、他は同一構造を有する二つの液晶性モノマ
ーを使用してもよいし、全く構造の違う二種の液晶性モ
ノマーを使用しても構わない。さらにアクリル系および
メタクリル系の液晶性モノマーをそれぞれ複数種類使用
することも可能である。
【0015】アクリル酸エステル基を有する液晶性モノ
マーとメタクリル酸エステル基を有する液晶性モノマー
の二成分の共重合比は、目的とするコントラストおよび
熱安定性によって種々変化させることができるが、好ま
しくは、メタクリル酸エステル基を有する液晶性モノマ
ーが5〜95重量%の範囲であり、さらに好ましくは1
0〜80重量%の範囲である。なお、上記二種類の共重
合体における各必須成分の共重合の形態は、ランダム、
グラフト、交互等公知の種々形態をとることが可能であ
り、特に限定されるものではない。
【0016】また共重合体の分子量は、重量平均分子量
で1000〜50万の範囲が好ましいが、成膜性、強度
や応答速度の点から、特に1万〜10万の範囲が好まし
い。重量平均分子量が1000よりも小さい場合は、共
重合体の成膜性や自己保持性が低下し、また、50万よ
りも大きい場合には、電場による応答性や配向性が低下
する。
【0017】上記の二種類の共重合体において、特にア
クリル酸エステル基を有する液晶性モノマーとメタクリ
ル酸エステル基を有する液晶性モノマーの二成分を必須
成分とする共重合体は、記録の熱安定性、透過光コント
ラストが高く、OHP表示シートの如くプロジェクター
表示媒体として有用である。本発明における側鎖型高分
子液晶は、上記した二成分を必須の成分として構成され
る共重合体である、この共重合体に他の成分を加えた組
成物として用いても構わない。
【0018】例えば、耐候性の向上を目的として、ヒン
ダードアミンやヒンダードフェノール等の各種酸化防止
剤を添加してもよく、また、表示のコントラストを向上
させる目的で、アントラキノン系、スチリル系、アゾメ
チン系やアゾ系等の各種二色性色素を添加してもよい。
さらにまた、レーザー光による熱書き込みを効率的に行
うために、各種レーザー光吸収色素(780〜830n
mの一般的に使用される半導体レーザーを用いる場合
は、フタロシアニン、スクワリリウムやアズレニウム等
の近赤外吸収色素が使用可能)を添加するのが好まし
い。上記した種々の成分の添加量は、液晶組成物中に
0.01〜5重量%の範囲が好ましい。以上に述べたほ
かに、表示特性の向上を目的として、低分子液晶を1〜
20重量%の範囲内で添加しても構わない。
【0019】次に、本発明の可逆性表示媒体の構成およ
び記録/消去方法について説明する。本発明の可逆性表
示媒体は、その記録方法および消去方法によって種々の
態様をとることが可能である。図1〜図6にそれらの態
様を示す。図において、1は透明基材、2は透明電極、
3は高分子液晶層、4は電極、5は基材、6は光吸収
層、7は保護層(誘電層)、8は配向膜、9は着色層で
ある。図1および図2に記載のものは、電界初期化方式
に適用できるものであり、図3に記載のものは、静電帯
電初期化方式に適用できるものであり、図4に記載のも
のは、熱配向初期化方式に適用できるものであり、図5
および図6に記載のものは、熱制御記録/消去方式に適
用できるものである。
【0020】(1)電界初期化方式 この方式に使用する可逆性表示媒体のデバイス構成は、
少なくとも一方の電極および基材が透明であり、かつ電
極を備えた二枚の基材の間に高分子液晶層が設けられた
ラミネート構造を有し、少なくとも高分子液晶層に電界
を印加できる形態をとるものである。図1は、その代表
的な可逆性表示媒体の模式的断面図であって、透明電極
2を備えた透明基材1と電極4を備えた基材5の間に高
分子液晶層3が設けられた構造を有している。この場
合、電極4および基材5は透明であっても、また不透明
であってもよい。上記電極および基材が透明である場合
には、具体的には、ガラス基材にITO(インジウム/
錫酸化物)膜や酸化錫を設けた、いわゆる透明導電性ガ
ラスや、ポリエステルフィルムにITO膜を設けた導電
性PETフィルム等が使用される。また、不透明にする
場合には、アルミニウム蒸着フィルム、金蒸着フィル
ム、銀蒸着フィルム或いはアルミニウム板等が使用され
る。
【0021】二つの電極および基材が透明なものである
場合、例えば導電性PETフィルムを使用した場合に
は、可逆性表示媒体をOHPシート等のプロジェクター
用表示媒体として使用することができる。また、一方の
電極および基材として、アルミニウム蒸着フィルム等の
金属膜を使用した場合には、アルミニウム層が光反射層
も兼ねるために、反射型表示媒体として使用することが
できる。この場合、コントラストの高い良好な表示が得
られる。また、二つの透明電極および基材を用い、それ
らとは別に光反射層を設けてもよく、それによりコント
ラストの向上をはかることができる。さらにまた、表示
媒体の背面に着色層を一構成層として設けてもよく、表
示コントラストが向上するので好ましい。その場合、着
色した背景に白濁した表示を得ることが可能であり、高
分子液晶に前記した如く二色性色素を添加した場合に
は、マルチカラー表示を得ることができる。
【0022】レーザーを用いて記録を行う可逆性表示媒
体の場合には、液晶層に光吸収色素を添加してもよい
が、図2に示すようにCdTe等に代表される光吸収層
6を設けてもよい。本発明の可逆性表示媒体において
は、さらに、電極層と高分子液晶層との間に、表面性や
接着性の向上を目的とした層を設けてもよく、また、高
分子液晶層の厚みを一定とするために、樹脂またはガラ
ス製のスペーサーを高分子液晶層に設けることも可能で
ある。
【0023】次に、記録/消去方法について説明する。 (初期化)液晶に電界を印加しながら加熱して、液晶分
子を電界方向に配向させ、次いで、液晶分子を配向させ
た状態のまま室温まで冷却して、透明な状態(初期化)
にする。 (記録)液晶の相転移点以上の温度まで部分加熱し、冷
却することにより、透明部分を光散乱状態(白濁)に変
化させる。この場合、透明な背景に白濁した表示を与え
ることが可能である。加熱手段としては、サーマルヘッ
ドあるいはレーザー等を使用することができる。 (消去)初期化と同様な方法で透明状態に戻すことによ
り実施される。また、部分的に加熱しながら電界を印加
して部分消去することも可能である。以上の操作を繰り
返すことにより、何度も繰り返し記録/消去が実現され
る。また、これとは逆に、白濁した光散乱状態を初期状
態として、部分加熱しながら電界を印加することによ
り、加熱部分を透明状態にすることもでき、その場合に
は、白濁した背景に透明に印字したポジ型表示を得るこ
とが可能である。その場合、背景に着色層を設けて、印
字部分を着色させると、コントラストを向上させること
ができるので好ましい。
【0024】(2)静電帯電初期化方式 この方式は、電極を一枚とした簡素な構成のものであっ
て、その代表的な構成を示す可逆性表示媒体は、図3に
示す模式的断面図を有するものである。電極4を設けた
一枚の基材5上に高分子液晶層3を積層したものを基本
構造として、所望により、表面強度、耐熱性や帯電性の
改善を目的として、保護層7(誘電層を兼ねたものが好
ましい)を設けてもよい。この場合、使用できる基材、
電極材料は、上記方式(1)に示したものと同様なもの
が使用でき、また、光反射層、光吸収層、着色層につい
ても方式(1)におけると同様に設けることができる。
初期化は、方式(1)の場合と異なり、電界の印加を静
電帯電を利用することによって行う。静電帯電には、一
般的なコロナ放電が採用できる。具体的には、加熱した
可逆性表示媒体上にコロナ放電を施して、一様に帯電さ
せ、内部電界により液晶分子を配向させる。この場合、
電極側は、一般的にはアースとする。また、帯電極性
は、正、負のいずれでもよい。記録は、方式(1)の場
合と同様な方法で実施され、消去は、上記初期化を繰り
返すことにより実施される。
【0025】(3)熱配向初期化方式 この方式は、初期化に電界を使用しないで熱処理のみで
行うシンプルな形態のものであって、その代表的な構成
を示す可逆性表示媒体は、図4に示す模式的断面図を有
するものである。基材5上に配向膜8を形成し、高分子
液晶層3を積層したものを基本構造とし、所望により、
表面強度或いは耐熱性の改善を目的として保護層7を設
けてもよい。また、方式(1)および(2)の場合と同
様に、光反射層、光吸収層或いは着色層を設けることも
可能である。さらに、保護層と高分子液晶層との間に
も、他の配向膜を形成してもよい。さらにまた、透明基
材と配向膜との間に接着性等の向上を目的とする層を設
けてもよい。ここで使用可能な配向膜としては、水平配
向の場合は、ポリビニルアルコール膜、ポリイミド膜、
ナイロン−エポキシ−有機チタン系膜やSiO2 膜をラ
ビング処理したものがあげられ、垂直配向の場合は、レ
シチン、有機シランやヘキサデシルアミン等が一般的に
使用できる。また、延伸処理した高分子膜が良好な水平
配向膜となるために、例えば、延伸処理したPETフィ
ルム等を基材として用いると、配向膜を省略することが
できる。
【0026】初期化は、この可逆性表示媒体を、液晶を
示す温度範囲、好ましくは相転移点直下の温度で加熱
(アニール)することにより実施することができ、それ
により高分子液晶層が透明状態になる。この場合、液晶
分子が水平配向、垂直配向のいずれの場合にも、光学的
には透明になるが、二色性色素を添加する場合は、垂直
配向である必要がある。記録は、方式(1)の場合と同
様に実施される。消去は初期化を繰り返すことにより実
施される。
【0027】(4)熱制御記録/消去方式 この方式も、熱のみの制御によって記録/消去を行う方
式であり、方式(3)と類似するが、液晶分子を配向さ
せる必要がない最もシンプルな方式である。その代表的
な構成を示す可逆性表示媒体は、図5および6に示す模
式的断面図を有するものである。基材5上に高分子液相
層3を積層したものを基本構造とし、所望により、表面
強度或いは耐熱性の改善を目的として、保護層7を設け
てもよい。また、方式(1)および(2)の場合と同様
に、光反射層、光吸収層或いは着色層9を設けることも
可能である。
【0028】記録/消去の方法を説明する。この高分子
液晶層の塗布後の性状は、微小に分散された液晶ドメイ
ンによる光散乱状態(白濁)を呈する。これにサーマル
ヘッドやレーザー等により部分加熱し、等方性状態とし
た後、急冷することによって、加熱部分が等方性状態に
固定されるために、記録部分は透明になる。この記録に
要する加熱手段は、方式(1)〜(3)と基本的に同様
であるが、冷却速度を方式(1)〜(3)と比べて速く
する点が異なる。この様な記録時における加熱手段とし
ては、例えば、サーマルヘッドを用いることができ、そ
の場合、短いパルス幅の高いエネルギーをサーマルヘッ
ドに印加することにより達成される。一方、消去する場
合は、長いパルス幅の弱いエネルギーをサーマルヘッド
に印加することにより達成される。なお、これらの記
録、消去の手段はサーマルヘッドに限定されるものでは
ない。
【0029】上記方式(1)〜(4)の可逆性表示媒体
において、高分子液晶層の厚みは、特に限定されない
が、目的とするコントラストによって種々変化する。好
ましくは1〜100μmの範囲から選択され、特に好ま
しくは5〜50μmの範囲から選択される。
【0030】前記した高分子液晶層の上に所望により形
成される保護層(誘電層)は、耐熱性の高いものが望ま
しく、フッ素系ポリマー、シリコーン系ポリマーや、各
種熱硬化性ポリマー等が使用可能である。保護層は複数
層積層されていてもよく、また、保護層の厚みは、好ま
しくは0.1〜20μmの範囲から選択される。
【0031】また、配向膜の膜厚は、0.001〜5μ
mの範囲から一般に選択される。基材の素材や厚みも特
に限定されないが、フィルムの場合は、一般的には1〜
1000μmの範囲から選択され、透過光による表示を
行うOHP表示シートの如く、プロジェクター表示媒体
においては、光学的に透明であることが望ましい。
【0032】前記したように、コントラストの向上を目
的として、反射層や着色層を一構成層として設けること
も実施され、反射層としては、前記したような金属膜
が、また、着色層としては色素を含むポリマー膜などが
一般的に使用可能である。その厚みは、好ましくは0.
1〜100μmの範囲から選択される。
【0033】
【実施例】次に、実施例を例示するが、本発明はこれに
限定されるものではない。 (コントラスト評価)以下の各実施例および比較例にお
いて記述するコントラストは以下の方法で算出した。 1)透過光コントラスト:透明部分と不透明部分を有す
る試料に、ハロゲン光を平行光線として試料面に垂直に
入射し、透明光をレンズを用いて、最大見開き角約±1
0度の透過光として集光し、フォトダイオードにより電
流に変換して光強度として読取り、(透明部分の透過光
強度)/(不透明部分の透過光強度)の比として算出し
た。 2)反射光コントラスト:透明部分と不透明部分を有す
る試料を分光光度計(日立U−4000)を用いて、透
明部分と不透明部分のそれぞれの反射光(λ=500n
m)強度を測定し、その比として算出した。
【0034】実施例1 厚み100μmのPETフィルム(延伸したもの)上
に、下記構造式(1)で示される高分子液晶の30重量
%トリクロロエタン溶液を、ブレードコーターを用いて
塗布し、乾燥させて、膜厚約20μmの高分子液晶層を
形成した。さらに、メラミン系熱硬化性ポリマー(商品
名:ユーバン、三井東圧社製)のブチルアルコール溶液
を塗布し、130℃で1時間硬化させて、膜厚約3μm
の保護層を形成し、可逆性表示媒体を作製した。
【化5】 (重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算):
35000、Tg(ガラス転移点):34℃、相転移
点:89℃) 上記可逆性表示媒体を、85℃の温度で10分間加熱
(アニール)して、初期化し、透明状態にした。透明化
した可逆性表示媒体に、サーマルヘッド(約200dp
i)を用いて印字することにより、透明な背景に白い文
字を書き込むことができた。ハロゲン光を用いて透過光
コントラストを測定したところ、約40であることが確
認された。また、初期化を繰り返すことにより書き込ま
れた文字を消去することができた。印字と消去を100
回繰り返した後も、コントラストは初期値と同様であ
り、何等の劣化も認められなかった。
【0035】実施例2 片面にアルミニウムを蒸着して形成した反射層を有する
厚み100μmのPETフィルム(延伸したもの)上、
PET面側に、実施例1と同様にして、上記構造式
(1)で示される高分子液晶よりなる高分子液晶層(約
20μm)および保護層を形成し、可逆性表示媒体を作
製した。この可逆性表示媒体に、実施例1と同様にサー
マルヘッドを用いて印字を行った。この時の印字部分の
反射光コントラストは約60であり、実施例1と比べ
て、向上した値を示した。これは、反射層の形成によっ
て、光散乱部分(印字部分)の光散乱性が向上したため
と考えられる。すなわち、光散乱部分で散乱されずに透
過した入射光が、反射層で反射され、再び散乱されるた
めに、散乱効率が向上したものと考えられる。
【0036】実施例3 下記構造式(2)で示される高分子液晶に、二色性色素
(BDH社:D5)を0.8重量部加えて得られた30
重量%のトリクロロエタン溶液を、実施例1と同様な方
法で、透明導電性PETフィルム(帝人社製:T−co
at)上に塗布し、乾燥させて、膜厚約20μmの高分
子液晶層を形成した。さらに、もう一枚の透明導電性P
ETフィルムを重ねて、110℃で加熱しながら減圧下
で圧着し、可逆性表示媒体を作製した。
【化6】 (重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算):
29000、Tg(ガラス転移点):34℃、相転移
点:110℃) 上記可逆性表示媒体を、40Vの交流電界を印加しなが
ら、110℃まで加熱した後、室温まで冷却することに
より、可逆性表示媒体全体を透明状態にした。書き込み
は、10mWアルゴンレーザーを用いて実施され、約1
0μm線幅の解像度で青色の印字を行うことができた。
また、この時の透過光コントラストは、約100であっ
た。消去は、全体を加熱して電界を印加するか、または
レーザー光を照射しながら電界を印加する方法で実施す
ることができた。
【0037】実施例4 実施例3で使用したものと同じ透明導電性PETフィル
ム(帝人社製:T−coat)上に、上記構造式(2)
で示される高分子液晶よりなる高分子液晶層(約20μ
m)を同様な方法で形成し、さらに保護層兼誘電層とし
て、膜厚約3μmのメラミン系熱硬化性ポリマー層を形
成し、可逆性表示媒体を作製した。この可逆性表示媒体
をホットプレート上で110℃に加熱し、電極側をアー
スとしてコロナ帯電を行った後、室温まで冷却したとこ
ろ、初期化して透明状態になった。このものは、実施例
1と同様な方法で印字を行うことが可能であり、印字部
分の透過光コントラストは約50であった。消去は加熱
/コロナ帯電を行うことにより実施可能であった。ま
た、この印字、消去は、繰り返し実施することが可能で
あった。
【0038】実施例5 厚み100μmのPETフィルム上に、下記構造式
(3)で示される高分子液晶の30重量%トリクロロエ
タン溶液を、ブレードコーターを用いて塗布し、乾燥さ
せて、膜厚約20μmの高分子液晶層を形成した。さら
に、メラミン系熱硬化性ポリマー(商品名:ユーバン、
三井東圧社製)のブチルアルコール溶液を塗布し、13
0℃で1時間硬化させて、膜厚約0.5μmの熱硬化層
を形成し、さらに、シリコーン系ポリマー(商品名:サ
イマックUS−350、東亜合成化学社製)のメチルエ
チルケトン溶液を塗布し、100℃で1時間乾燥させ
て、膜厚約2μmの耐熱層を順次積層して保護層を設
け、可逆性表示媒体を作製した。
【化7】 (重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算):
33000、Tg(ガラス転移点):34℃、相転移
点:113℃) 上記可逆性表示媒体を、120℃のオーブン中で加熱し
た後、取り出して冷却し、全面を白濁した状態にした。
この可逆性表示媒体にサーマルヘッド(東芝社製ワード
プロセッサー:ルポ)を用いて印字を行ったところ、印
字部分は透明になった。印字後の可逆性表示媒体の背景
に、黒色のシートを設置すると、白濁した背景に黒い印
字として良好な表示を得ることができた。この時の反射
光コントラストは約40であった。消去は、再び120
℃に加熱した後、冷却するか、または加熱ロール中を通
過させることにより実施可能であった。この様な印字と
消去を100回繰り返した後も、コントラストは初期値
と同様であり、何等の劣化もみとめられなかった。
【0039】実施例6 厚み100μmのPETフィルム上に、カーボンブラッ
クを分散したポリメチルメタクリレート樹脂のトルエン
溶液を塗布し、乾燥させて、膜厚約5μmの黒色の着色
層を形成した。さらに、PETフィルムの反対面に、実
施例5におけると同様に、上記構造式(3)で示される
高分子液晶よりなる層および保護層を、実施例5と同様
にして順次積層し、可逆性表示媒体を作製した。この可
逆性表示媒体を用い、実施例5と同様にして、印字を行
ったところ、白濁した背景に黒色の文字を印字すること
ができた、消去も同様に実施可能であった。
【0040】実施例7 下記構造式(4)で示される高分子液晶共重合体をトル
エンに溶解して40%溶液とした。この溶液を透明導電
性PETフィルム(帝人社製;T−coat)上にブレ
ードコーターを用いて塗布し乾燥させて、膜厚約30μ
mの高分子液晶層を形成した。さらに直径30μmの樹
脂製スペーサを散布した後、もう一枚の透明導電性PE
Tフィルムを重ね、減圧下で110°Cに加熱しながら
一様に圧力を加え、圧着して表示シートを作製した。
【化8】 (重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算):
20000、Tg(ガラス転移点):40℃、相転移
点:109℃)
【0041】この可逆性表示媒体は、作製後は白濁して
いたが、110°Cに加熱し、電極間に30V/50H
zの交流電界を印加しながら室温まで冷却することによ
り、初期化され、透明な状態になった。この時のハロゲ
ン光透過率は86%であった。この透明な可逆性表示媒
体に、サーマルヘッド(約200dpi)を用いて印字
することにより、透明な背景に白濁した文字を書き込む
ことができた。ハロゲン光を用いて透過光コントラスト
を測定したところ、約40であることが確認された。O
HPを用いてこの表示シートを投影すると、書き込み部
分が黒い文字となって鮮明に表示された。また、初期化
を繰り返すことにより、書き込まれた文字を消去するこ
とができた。印字と消去を100回繰り返した後も、コ
ントラストは初期値と同様であり、何等の劣化も認めら
れなかった。なお、上記構造式(4)で示される高分子
液晶共重合体の合成例を以下に示す。
【0042】(高分子液晶共重合体の合成)下記構造式
(A)および(B)で示される液晶モノマーの各2.0
gをテトラヒドロフラン(THF)20mlに溶解し、
開始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)0.
01gを添加した後、窒素雰囲気下において60°Cで
48時間重合した。重合終了後、エタノールを沈殿溶媒
として再沈殿によって精製し、乾燥して、液晶ポリマー
3.7gを白色固体として得た。この液晶ポリマーは、
偏光顕微鏡観察および熱分析により、液晶性を示す温度
領域が40°Cから109°Cの範囲であることを確認
した。
【0043】
【化9】
【0044】実施例8 厚み100μmのPETフィルム(延伸したもの)上
に、実施例7と同様な方法で構造式(4)で示される高
分子液晶よりなる膜厚約30μmの層を形成し、実施例
5と同様な保護層を積層した可逆性表示媒体を作製し
た。この可逆性表示媒体を105℃の温度で10分間加
熱(アニール)して、初期化し、透明状態にした。透明
にした可逆性表示媒体上にサーマルヘッド(約200d
pi)を用いて印字することにより、透明な背景に白色
の文字を書き込むことができた。ハロゲン光を用いて透
過光コントラストを測定したところ、約40であること
が確認された。また、初期化を繰り返すことにより書き
込まれた文字を消去することができた。印字と消去を1
00回繰り返した後も、コントラストは初期値と同様で
あり、何等の劣化も認められなかった。
【0045】実施例9 厚み100μmのPETフィルムの一面に、実施例6と
同様な方法で黒色の着色層を形成した。さらに、PET
フィルムの他面に上記構造式(4)で示される高分子液
晶よりなる膜厚約30μmの高分子液晶層および保護層
を、実施例8と同様に順次積層して形成し、可逆性表示
媒体を作製した。この可逆性表示媒体を実施例5と同様
に120°Cのオーブン中で加熱した後、取り出して冷
却し、全面を白濁状態にした。この可逆性表示媒体にサ
ーマルヘッド(東芝社製ワードプロセッサ:ルポ)を用
いて印字を行った結果、白濁した背景に黒い印字として
良好な表示を得ることができた。この時の反射光コント
ラストは約40であった。消去は、再び120℃に加熱
した後、冷却するか、または加熱ロール中を通過させる
ことにより実施可能であった。この様に印字と消去を1
00回繰り返した後も、コントラストは初期値と同様で
あり、何等の劣化も認められなかった。
【0046】実施例10 厚み50μmのPETフィルム上に垂直配向剤であるオ
クタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロ
ピル]アンモニウムクロライド(チッソ(株)製)の5
%メタノール溶液をブレードコーターを用いて塗布し、
乾燥させて、膜厚約0.5μmの垂直配向膜を設けた。
続いて実施例1の高分子液晶を用いて実施例2と同様な
方法で高分子液晶層(約30μm)を形成した。この状
態では可逆性表示媒体は白濁していた。この可逆性表示
媒体を105°C〜110°Cで20分間加熱すると白
濁状態が透明状態に変化した。この時のハロゲン光透過
率は70%であった。実施例8と同様にサーマルヘッド
を利用して、透明な背景に白濁した文字を書き込むこと
ができた。さらにOHPを用いてこの可逆性表示媒体を
投影すると、書き込み部分は黒い文字となって鮮明に表
示された。消去は、再び105°C〜110°Cで20
分間加熱することにより行うことができ、それによって
書き込み部分が透明状態に戻った。したがって、繰り返
し書き込み/消去が可能であった。
【0047】評価試験例(コントラストおよび熱安定性
の比較) 実施例7で使用した構造式(4)で示される高分子液
晶、およびそれぞれ下記構造式(5)および(6)で示
される構造単位よりなる高分子液晶の3種類のものを、
それぞれテトラヒドロフランを溶媒としてITOガラス
(25×30mm)上に塗布し、乾燥して高分子液晶層
を形成し、さらに直径30μmのガラススペーサを散布
した後、もう一枚のITOガラスを熱圧着して、評価用
の試料を作製した。
【化10】 (重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算):
28000、Tg(ガラス転移点):35℃、相転移
点:122℃)
【化11】 (重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算):
25000、Tg(ガラス転移点):46℃、相転移
点:106℃)
【0048】これらの試料をそれぞれ加熱し、40Vの
交流電界を印加しながら冷却し、初期化して透明状態に
した。さらに送風加熱装置を用いて部分的に加熱し、冷
却することによって、各試料に白濁したスポットを形成
し、透過光コントラストを測定した。また、熱安定性の
評価としては、評価試料を60℃の温度で1時間加熱保
存し、保存前後の透過光コントラストの変化を測定して
評価した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】コントラストは、実施例7における構造式
(4)で示される高分子液晶の場合が最も優れており、
構造式(5)で示される高分子液晶の場合がそれに次い
で良かった。この二種類の試料をOHPプロジェクター
を用いていて投影すると、書き込み部分は黒い影となっ
てはっきり確認できた。一方、構造式(6)で示される
高分子液晶を用いた試料のコントラストは低く、OHP
プロジェクターを用いて投影すると、書き込み部分は、
黄色い影となり、視認性が低かった。これは書き込み部
分の液晶ドメイン径が細かいために、長波長の光を透過
しやすいことに起因すると考えられる。
【0051】熱安定性の評価の結果、構造式(4)およ
び構造式(6)で示される高分子液晶を用いたものは、
加熱前後においてコントラストの変化がなく、高い熱安
定性を示した。一方、構造式(5)で示される高分子液
晶を用いたものは、加熱後、コントラストが大幅に低下
し、熱安定性が低かった。以上の結果から、実施例7に
おける構造式(4)で示される高分子液晶を用いた場合
は、コントラストおよび熱安定性の両方において優れて
いることが明かとなった。
【0052】
【発明の効果】本発明の可逆性表示媒体は、上記特定の
構造を有する高分子液晶共重合体を記録層とした構成か
らなり、繰り返し性、記録保存安定性、表示コントラス
トや加工性に優れたものである。また、本発明の可逆性
表示媒体は、熱、電界または磁界の作用によって、光の
透過/散乱を繰り返し実現することが可能であり、紙の
ように薄く、目に優しい反射型表示が得られ、かつ省資
源の面でも有用なものである。さらに大面積化に制限が
ないことから、ホワイトボード様大面積表示装置用シー
トとしても応用可能なものである。さらにまた、高い透
過光コントラストを有するものが得られるため、OHP
表示シートのようなプロジェクター表示媒体としても有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可逆性表示媒体の一実施例の断面図
である。
【図2】 本発明の可逆性表示媒体の他の一実施例の断
面図である。
【図3】 本発明の可逆性表示媒体の他の一実施例の断
面図である。
【図4】 本発明の可逆性表示媒体の他の一実施例の断
面図である。
【図5】 本発明の可逆性表示媒体の他の一実施例の断
面図である。
【図6】 本発明の可逆性表示媒体の他の一実施例の断
面図である。
【符号の説明】
1…透明基材、2…透明電極、3…高分子液晶層、4…
電極、5…基材、6…光吸収層、7…保護層(誘電
層)、8…配向膜、9…着色層。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、熱、電界および磁界から選択
    される作用の少なくとも一つによって透明状態および光
    散乱状態を繰り返し実現することが可能な、側鎖型高分
    子液晶を構成成分とする高分子液晶層を少なくとも一構
    成層として設けた可逆性表示媒体において、該側鎖型高
    分子液晶が、下記式(I)および(II)で示される繰り
    返し単位から構成される共重合体、または下記式(III
    )および(IV)で示される繰り返し単位から構成され
    る共重合体であることを特徴とする可逆性表示媒体。 【化1】 [式中、Ra およびRb は、それぞれ水素原子、または
    メチル基およびハロゲン原子から選択される基を表わ
    し、A、CおよびDは、それぞれ下記式(a)〜(j)
    で示される液晶分子残基から選ばれる基を表わし、 【化2】 (式中、XおよびYは、それぞれ単結合または−N=N
    −、−N(→O)=N−、−CH=N−、−N=CH
    −、−COO−、−O(C=O)−およびエチニレン基
    から選択される基を表わし、R1 はアルコキシ基、ハロ
    ゲン原子、シアノ基、カルボン酸基、アルキル基から選
    択される基を表わし、pは1〜5の整数を表わし、pが
    2以上の場合、それぞれのR1 は異なるものであっても
    よい。)Bは、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    ルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、複素環
    基、アミノ基、シアノ基、−COOR2 、−OCO
    2 、および−CONR2 3 から選択される基を表わ
    し(式中、R2 およびR3 は、それぞれ水素原子、また
    はハロゲン原子もしくは複素環基で置換されていてもよ
    い炭素数1〜30のアルキル基、アルケニル基、肪環式
    基、ヒドロキシアルキル基、ヘテロ原子を含むアルキル
    基および置換されていてもよいフェニル基から選択され
    る基を表わす。)、k、mおよびnは、それぞれ1〜3
    0の整数を表わす。ただし、A、B、CおよびDは、そ
    れぞれ二種以上の基より構成されていてもよい。]
  2. 【請求項2】 透明基材上に、熱、電界および磁界から
    選択される作用の少なくとも一つによって透明状態およ
    び光散乱状態を繰り返し実現することが可能な、側鎖型
    高分子液晶を構成成分とする層を少なくとも一構成層と
    して設けた書き換え可能なプロジクター用表示シートに
    おいて、該側鎖型高分子液晶が、上記式(III )および
    (IV)で示される繰り返し単位から構成される共重合体
    であることを特徴とする書き換え可能なプロジクター用
    表示シート。
  3. 【請求項3】 可逆性表示媒体の一構成層として、光反
    射層を設けたことを特徴とする請求項1記載の可逆性表
    示媒体。
  4. 【請求項4】 可逆性表示媒体の一構成層として、着色
    層を設けたことを特徴とする請求項1記載の可逆性表示
    媒体。
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