JP2765468B2 - 可逆性記録媒体 - Google Patents

可逆性記録媒体

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JP2765468B2 JP5349396A JP34939693A JP2765468B2 JP 2765468 B2 JP2765468 B2 JP 2765468B2 JP 5349396 A JP5349396 A JP 5349396A JP 34939693 A JP34939693 A JP 34939693A JP 2765468 B2 JP2765468 B2 JP 2765468B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な可逆性記録媒体
に関する。すなわち、本発明は、繰り返し使用可能な感
熱紙、オーバーヘッドプロジクター(OHP)表示シー
ト等のプロジェクター用表示媒体、或いはホワイトボー
ド状大面積表示用媒体として使用可能であり、省資源上
有利な可逆性記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】人類は、紙を情報の記録、表示、保存の
メデイアとして長い間利用している。近年のフラットパ
ネルディスプレーの普及に伴うペーパーレス化の流れに
おいても、その使用量は減らず、むしろ増加する一方で
ある。これは、紙が目に優しい反射型表示媒体であり、
かつフレキシブル性やポータブル性に優れた表示、記
録、保存メディアあることがその最大の理由と考えられ
る。また、紙を用いる方法以外の表示方法としては、ポ
リエステル等のプラスチックフィルム上にトナー像を形
成することにより、オーバーヘッドプロジェクター(O
HP)を使用して大面積表示を得ることも広く実施され
ている。しかしながら、紙やプラスチックの大量使用は
資源或いは環境上から問題視されている。このような状
況のもとで、紙に代わる記録媒体の技術が種々提案され
ている。例えば、高分子母材に有機低分子化合物を分散
し、加える熱の制御によって光の散乱、透過を制御して
表示を行う可逆性感熱記録媒体(特開昭54−1193
77号公報、特開昭55−154198号公報)や、複
数の高分子化合物をブレンドした膜からなり、熱によっ
て相分離をコントロールして表示を行う記録媒体(特開
昭60−180887号公報、特開昭62−11619
2号公報)や、高分子液晶を用いた同様な原理による可
逆性記録媒体(特開平2−117888号公報、特開平
3−53285号公報)等が提案されている。これらの
記録媒体は、通常、サーマルヘッド等を用いて熱の付与
を制御することにより記録が行われる。
【0003】上記した記録媒体は、一般的にサーマルプ
リンター等を用いて記録・表示や消去が行われるもので
あるが、記録・消去を繰り返すうちに媒体表面が劣化
し、繰り返し性が低下するという欠点があった。これは
サーマルヘッドとの接触による表面の溶融、凹凸の発生
や、記録層と保護層との界面の剥離等によるために生じ
るものである。これらの欠点を防止するために、耐熱性
の高い保護層を設けたり、記録方法を改良することが、
特開平3−292184号公報、特開平3−21508
4号公報、特開平3−180390号公報、特開昭63
−221087号公報等に開示されているが、上記欠点
を改善するには未だ十分なものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、従来技術の上記の問題点を解決することを目的とす
るものである。すなわち、本発明の目的は、優れた耐久
性を持つ可逆性記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも基
材上に、熱、電界および磁界から選択される作用の少な
くとも一つによって透明状態および光散乱状態を繰り返
し実現することが可能な記録層および保護層を順次設け
た記録媒体において、該記録層と保護層との界面を化学
的に結合させたことを特徴とする。本発明の可逆性記録
媒体においては、表示特性の向上のために着色層や光反
射層を設けるのが好ましい。
【0006】本発明の可逆性記録媒体の代表的な構成例
としては、図1および図2に例示するものが好ましい。
図1は、本発明の可逆性記録媒体の基本的な層構成を示
すものであって、基材1上に記録層2と保護層3の少な
くとも二層を順次設けられている。また、図2において
は基材1と記録層2の間に光反射層4が設けられてい
る。
【0007】基材としては、ポリオレフィン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリイミド等の
高分子フィルム、金属膜、セラミック、或いはガラス等
が使用できる。特に、透過型の可逆性記録媒体に使用す
る場合は、透明な基材を使用することが好ましい。
【0008】本発明の可逆性記録媒体の一構成層である
記録層は、熱、電界或いは磁界等の外的な作用によって
繰り返し表示可能な材料からなるものであり、その具体
例としては、有機低分子・高分子複合材料、高分子ブレ
ンド材料、高分子液晶材料等が挙げられる。有機低分子
・高分子複合材料としては、ポリ(メタ)アクリレー
ト、アクリレート−メタクリレート共重合体、ポリスチ
レン、ポリエステル、ポリアミド、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リ塩化ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン系共重合
体、或いはポリフルオロアセトン系共重合体等の高分子
化合物中に、ステアリン酸、ベヘン酸、バルミチン酸、
アラキン酸、ラウリン酸、ラウリン酸ドデシル等の脂肪
酸やそのエステル等の結晶性化合物を分散したものであ
って、熱の制御によって光の散乱状態を変化させるもの
が使用できる。高分子ブレンド材料としては、ポリフッ
化ビニリデン、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体等と、ポリメチルアクリレート、ポリエチ
ルアクリレート等との種々の組合せによる混合物があげ
られ、熱の制御によって相分離状態を制御し、光の散乱
状態を変化させるものが使用される。また、高分子液晶
材料としては、高分子の主鎖もしくは側鎖に液晶性化合
物が結合した化合物であり、熱、電界や磁界の作用によ
って、液晶性化合物の配列状態を制御し、一般に光の透
過量または光散乱性を変化させるものが使用される。
【0009】本発明において、上記記録層において使用
する上記高分子複合材料、高分子ブレンド材料、高分子
液晶材料等の高分子材料には、保護層との界面で化学的
に結合するための反応性基が含有されていることが必要
である。反応性基としては、水酸基、アミノ基、酸アミ
ド基、カルボキシル基、イソシアネート基、金属アルコ
ラート基、金属フェノラート基、チオール基、ハロゲン
原子、エポキシ基、プロピレンオキシド基等の反応性複
素環基があげられる。高分子材料の上記反応性基の含有
量は、0.01〜50重量%の範囲から好ましく選択さ
れる。反応性基を有する高分子材料は、上記のような反
応性基を有するモノマーを共重合させたり、あるいは高
分子化合物中に化学反応によって上記の反応性基を導入
することにより形成することができる。
【0010】また、記録層を形成した後、高分子化合物
中の反応性基に重合性基を有するシランカップリング剤
やイソシアネート化合物を付加反応させて重合性基を導
入してもよい。そのような化合物としては、ビニルトリ
クロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、シメチル
ビニルクロロシラン、メチルフェニルビニルクロロシラ
ン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシ
ラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、
メトキシジメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニ
ルシラン、ジエトキシジビニルシラン、アリルトリクロ
ロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチ
ルクロロシラン、ジアリルジクロロシラン、アリロキシ
クロロメチルジメチルシラン、アリルトリエトキシシラ
ン、3−アリルチオプロピルトリメトキシシラン、3−
アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシ−3−
グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメチルエトキシ
−3−グリシドキシプロピルシラン、3−(メタ)アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(メ
タ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、メル
カプトメチルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メ
ルカプトプロピルメチルシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラ
ン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−
(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチル
シラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリ
メトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメ
トキシシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジ
エトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエ
チル)トリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノプロピル)
トリメトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノプロ
ピル)トリエトキシシラン等が代表的なものとしてあげ
られる。
【0011】次に、反応性基を有する高分子材料とし
て、高分子液晶材料の場合について詳細に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。最も一般的な
高分子液晶の合成方法としては、重合可能な液晶化合物
(液晶性モノマーと呼ぶ)をラジカル重合やイオン重合
させる方法があげられる。この場合、液晶性モノマーと
反応性基を有するモノマーとを所望の割合で共重合させ
るが、液晶性モノマーとしては、Makromol.Chem., p27
3, 179 (1978), Eur, Polym. J., p651, 18, (1982)、M
ol. Cryst. Liq. Cryst., p167, 169 (1989) 等に開示
されているものが使用できる。例えば、ビフェニル系、
フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゼン系、
アゾキシベンゼン系、アゾベンゼン系、アゾメチン系、
フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレン系、ビフ
ェニルベンゾエート系、シクロヘキシルビフェニル系、
ターフェニル系等の剛直な分子に、所定の長さのアルキ
ルスペーサーを介して、アクリル酸エステル基、メタク
リル酸エステル基またはビニル基が結合した化合物を例
示することができる。
【0012】これらの化合物の代表的な構成例を下記に
示す。 CH2 =C(Ra )−COO−(CH2 k −O−A (式中、Ra は水素またはメチル基を示し、kは1〜3
0の中から選ばれる整数を示し、Aは下記構造の液晶分
子(メソゲン)を表す。)
【化1】 (式中、XおよびYはそれぞれ単結合、−N=N−、−
N(→O)=N−、−CH=N−、−N=CH−、−C
OO−、−O(C=O)−およびエチニレン基から選択
される基を表し、R1 はアルコキシ基、ハロゲン原子、
シアノ基、カルボキシル基およびアルキル基から選択さ
れる基を表し、pは1〜5の中から選択される整数を示
し、pが2以上の場合、それぞれのR1 は異なるもので
あってもよい。)
【0013】また、上記液晶性モノマーと共重合させる
反応性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−
ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロ
キシ−3−フェノキシプロピル、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォス
フェート、(メタ)アクリル酸グリセリル、ヒドロキシ
置換スチレン、(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン
酸、(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アク
リレ−ト等が代表的なものとして挙げられる。反応性基
を有するモノマーの共重合比は0.01〜20重量%程
度が好ましい。
【0014】本発明においては、上記記録層と保護層と
の界面を化学的に結合させるために、上記記録層の構成
成分である高分子化合物として、反応性基を有する高分
子材料を用い、記録層を形成した後、(1)表面保護層
形成時に記録層表面の反応性基を同時に反応させたり、
(2)表面処理により記録層表面の高分子材料に重合性
基を導入し、保護層を形成するに際して界面で反応させ
る方法が採用される。
【0015】次に、本発明における保護層について説明
する。本発明における保護層に使用される材料は、耐熱
性の高いものが望ましく、しかも記録層中の反応性基と
化学結合するものが使用される。具体的には、エポキシ
系硬化組成物、メラミン系硬化組成物、イソシアネート
系硬化組成物や、紫外線、電子線硬化組成物等が使用さ
れる。これらの材料は、記録層中の反応性基との組み合
わせにより適宜選択される。保護層の形成に際しては、
記録層上に塗布後、熱、光、或いは電子線の付与によっ
て容易に硬化が達成され、同時に記録層中の反応性基と
化学結合を生じる。
【0016】本発明の可逆性記録媒体において、記録層
の厚みは目的とする表示特性によって変化するが、1μ
m〜100μmの範囲が好ましく、特に1μm〜30μ
mの範囲が好ましい。また、保護層の厚みは、好ましく
は0.1〜20μmの範囲から選択され、さらに保護層
は複数層積層されていてもよい。本発明の可逆性記録媒
体においては、所望により光反射層または着色層が設け
られる。光反射層としては、アルミニウムや銀等の金属
膜が、また着色層としては色素を含む高分子膜等が用い
られる。それらの厚みは、好ましくは0.001〜10
0μmの範囲から選択される。
【0017】本発明の可逆性記録媒体は、熱、電界およ
び磁界から選択される作用の少なくとも一つによって記
録・消去ができる。本発明の可逆性記録媒体への代表的
な記録方法の一例について簡単に説明すると、レーザー
光やサーマルヘッドを熱付与の手段とし、付与する熱量
や冷却方法を制御することによって、記録層の光散乱性
が変化し、容易に記録や消去が達成される。本発明の可
逆性表示媒体は、記録層と表面保護層との界面で化学的
に結合されているために、耐久性、繰り返し性に優れた
ものである。可逆性記録媒体は、熱、電界または磁界の
作用によって光の透過・散乱を繰り返し実現することが
可能であり、紙のように薄く、目に優しい反射型表示を
得られ、かつ省資源的にも有用なものである。さらに、
大面積化に制限がないことから、ホワイトボード様大面
積表示装置用シートとしても応用可能なものである。
【0018】
【実施例】次に実施例を例示するが、本発明はこれに限
定されるものではない。各実施例において記述する評価
は以下の方法で実施した。 (記録評価)サーマルヘッド(200dpi)を用い
て、加えるエネルギーおよびパルス幅を制御することに
より、記録と消去を100回繰り返し、初期および10
0回記録後のコントラストを評価した。 (コントラスト評価)光反射濃度測定装置(X−rit
e 968:X−rite社製)を用いて、記録部およ
び未記録部の反射率の比からコントラスト比を算出し
た。
【0019】実施例1 下記構造式(A)で示される高分子液晶モノマー1.9
gおよびアクリル酸0.1gをテトラヒドロフラン(T
HF)2mlを溶媒とし、アゾイソブチロニトリル(A
IBN)4mgを開始剤として共重合させた。メタノー
ルを用いて再沈殿精製を行い、反応性基としてカルボキ
シル基を含む高分子液晶1.8gを得た。その組成はN
MR分析の結果、仕込み時の組成とほぼ同じであること
が確認された。この高分子液晶の重量平均分子量は約3
万であり、液晶相を示す温度範囲は45℃ないし125
℃であった。
【化2】 メチルエチルケトン(MEK)−トルエン(1:1)混
合溶媒を用いて、上記高分子液晶の35重量%溶液を調
製し,塗布液とした。可逆性記録媒体の作製は、まずア
ルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)
フィルム上に、上記塗布液をバーコーターを用いて製膜
し、十分乾燥させて膜厚約6μmの記録層を形成した。
その後、イソシアネート系硬化材料(東亞合成化学社
製:サイマックスUS−270と日本ポリウレタン社
製:コロネートHXの混合物)のメチルイソブチルケト
ン(MIBK)10%溶液をバーコーターを用いて塗布
し、乾燥した後、60℃で10時間硬化させ、膜厚約3
μmの保護層を形成した。
【0020】実施例2 実施例1と同様に液晶モノマー(A)1.9gおよびヒ
ドロキシエチルメタクリレート0.1gを、THF中で
AIBNを開始剤として共重合させた。n−ヘキサンを
用いて再沈殿精製を行い、反応性基としてOH基を含む
高分子液晶を得た。その組成は、NMR分析の結果、仕
込み時の組成とほぼ同じであることが確認された。この
高分子液晶の重量平均分子量は約3万であり、液晶相を
示す温度範囲は41℃ないし110℃であった。可逆性
記録媒体の作製は、まずアルミニウム蒸着PETフィル
ム上に、上記塗布液をバーコーター系硬化材料(東亞合
成化学社製:サイマックスUS−350と日本ポリウレ
タン社製:コロネート2513の混合物)のMIBK1
0%溶液をバーコーターを用いて塗布し、乾燥後100
℃で2時間硬化させ、約3μmの保護層を形成した。
【0021】実施例3 実施例2で合成したOH基を含む高分子液晶の塗布液
を、アルミニウム蒸着PETフィルム上にバーコーター
を用いて製膜し、十分乾燥させて、膜厚約6μmの記録
層を形成させた後、形成された記録層を有するフィルム
を、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン
の10%n−ヘキサン溶液中に浸し、高分子液晶層表面
のOH基と反応させて、重合可能な重合性基を形成させ
た。さらにアクリル系紫外線硬化樹脂(東亞合成化学社
製:アロニックスUV−3700)のエタノール10%
溶液をバーコーターを用いて塗布し、乾燥後、64Wブ
ラックライトを用いて5分間紫外線照射を行い硬化させ
て、膜厚約3μmの保護層を形成した。
【0022】比較例1〜3 実施例1で使用した構造式(A)で示される液晶モノマ
ーのみを同様にして重合し、単独重合体よりなる高分子
液晶を得た。得られた高分子液晶の重量平均分子量は約
3万であり、液晶相を示す温度範囲は35℃ないし12
2℃であった。この高分子液晶を記録層として用いた以
外は、実施例1〜3と同様な方法で実施例1〜3と同様
な保護層を形成し、可逆性記録媒体を作製した。
【0023】(評価結果)実施例1〜3および比較例1
〜3で作製した可逆性記録媒体の評価結果を表1に示
す。実施例1〜3の場合は、100回記録・消去を繰り
返した後も初期とコントラストの変化がなく、優れた耐
久性を示した。一方、比較例1〜3の場合は、100回
記録・消去を繰り返すと保護層と記録層との界面が剥離
し、透明状態における光散乱の影響によってコントラス
トが大幅に低下した。以上の結果から、本発明の可逆性
記録媒体は、保護層と記録層との界面における化学的な
結合によって高い耐久性を示すものとなっていることが
明らかである。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の可逆性記録媒体は、記録層と表
面保護層との界面で化学的に結合したデバイス構成から
なり、耐久性、繰り返し性、コントラスト、記録の安定
性や加工性に優れている。また、本発明の可逆性記録媒
体は、熱、電界および磁界の少なくともいずれかの作用
によって、光の透過・散乱を繰り返し実現することが可
能であり、紙のように薄く、目に優しい反射型表示が得
られ、省資源にも有用である。さらに、大面積化に制限
がないことから、ホワイトボードのような大面積表示装
置用の表示媒体としても応用可能である。さらにまた、
OHP表示シートのようなプロジェクター表示媒体とし
ても、高透過光コントラストを得ることから利用可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の可逆性記録媒体の一実施例の模式的
断面図である。
【図2】 本発明の可逆性表示媒体の他の実施例の模式
的断面図である。
【符号の説明】
1…基材、2…記録層、3…保護層、4…光反射層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−566(JP,A) 特開 平5−85051(JP,A) 特開 平7−32735(JP,A) 特開 平3−53285(JP,A) 特開 平2−219025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/36 G09F 9/00 - 9/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基材上に、熱、電界および磁
    界から選択される作用の少なくとも一つによって透明状
    態および光散乱状態を繰り返し実現することが可能な記
    録層および保護層を順次設けた記録媒体において、該記
    録層と保護層との界面を化学的に結合させたことを特徴
    とする可逆性記録媒体。
  2. 【請求項2】 該記録層を構成する高分子材料として、
    反応性基を有する高分子材料を用いることにより、保護
    層の形成時に該記録層と保護層との界面を化学的に結合
    させたことを特徴とする請求項1記載の可逆性記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 該記録層の形成後、該記録層の表面に反
    応性基を形成することにより、保護層の形成時に該記録
    層と保護層との界面を化学的に結合させたことを特徴と
    する請求項1記載の可逆性記録媒体。
  4. 【請求項4】 可逆性記録媒体の一構成層として着色層
    を設けたことを特徴とする請求項1記載の可逆性記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 可逆性記録媒体の一構成層として光反射
    層を設けたことを特徴とする請求項1記載の可逆性記録
    媒体。
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