JPH0618853B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JPH0618853B2
JPH0618853B2 JP62083439A JP8343987A JPH0618853B2 JP H0618853 B2 JPH0618853 B2 JP H0618853B2 JP 62083439 A JP62083439 A JP 62083439A JP 8343987 A JP8343987 A JP 8343987A JP H0618853 B2 JPH0618853 B2 JP H0618853B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は特に半導体装置封止用等として好適に用いられ
るエポキシ樹脂組成物に関するものである。
従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 エポキシ樹脂成形材料は、一般に他の熱硬化性樹脂に比
べて電気特性、機械特性、接着性、耐湿性等に優れ、か
つ、成形時低圧でも充分な流動性を有しており、インサ
ート物を変形させたり、傷付けることがないなどの特性
を保持しているため、信頼性の高い電気絶縁材料とし
て、IC,LSI,ダイオード,トランジスター,更に
抵抗器等の電子部品の封止や含浸などに広く利用されて
いる。
従来、このエポキシ樹脂成形材料の代表的な硬化剤とし
ては、酸無水物、芳香族アミン、ノボラック型フェノー
ル樹脂等が使用されているが、これらのうちでもノボラ
ック型フェノール樹脂を硬化剤としたエポキシ樹脂成形
材料は、他の硬化剤を使用したエポキシ樹脂成形材料に
比べて耐湿性、信頼性、成形性などの点において最も優
れ、かつ毒性がなく安価であるという特徴を有している
ために、IC,LSI,ダイオード,トランジスター等
の半導体装置の樹脂封止材料として広く用いられてい
る。
しかしながら、ノボラック型フェノール樹脂を硬化剤と
したエポキシ樹脂成形材料は、高温での電気特性が悪い
ため、これを用いて動作温度が80℃以上になるMOS
型半導体装置を封止した場合、この樹脂封止半導体装置
は電極間にリーク電流が流れ、正常な半導体特性を示さ
なくなるという欠点を有している。
一方、近年半導体装置の低価格化が進んでいることや、
素子の集積度が増加し、素子内に蓄積される熱量が増加
する傾向にあることから、半導体装置のフレーム材質も
4.2アロイから熱放散性の良い銅板に銀メッキを施し
たもの、さらに銅板にニッケルめっきを施したものへと
変化している。
しかし、このような材質のフレームを樹脂封止する場
合、ノボラック型フェノール樹脂はニッケルとの接着性
が非常に悪く、従って銅板にニッケルめっきを施したフ
レームをノボラック型フェノール樹脂を硬化剤としたエ
ポキシ樹脂成形材料で封止すると、高温高湿雰囲気下に
おいて樹脂とフレームとの界面から水分が侵入し、チッ
プの配線に使用しているアルミニウム線が短時間で腐食
し、断線が発生するという問題点があり、また、樹脂厚
が非常に薄いフラットパック等では、フレームと樹脂と
の接着力が悪いためにフクレが発生するという欠点を有
している。
そこで、エポキシ樹脂組成物を構成するエポキシ樹脂、
硬化剤は勿論のこと、その他の各種成分についても従来
より種々検討され、硬化促進剤として有機ホスフィン化
合物を使用したエポキシ樹脂組成物が、他のイミダゾー
ル、第3級アミン等の硬化促進剤を使用した場合に比べ
て、高温高湿時の耐湿特性及び高温時の電気特性が改良
されるなどの理由から、有機ホスフィン化合物が半導体
封止用などのエポキシ樹脂組成物の硬化促進剤成分とし
て多く使用されているが、近年、更に耐湿特性や高温電
気特性に優れたエポキシ樹脂組成物が望まれている。
また、本発明者らの検討によると、このように硬化促進
剤としての有機ホスフィン化合物を使用したエポキシ樹
脂組成物は、4.2アロイや銅板に銀めっきを施したフ
レームに対する接着性は良好であり、これら材質フレー
ムの封止用としては優れた特性を有しているが、銅板に
ニッケルめっきを施したフレームに対する接着性がほと
んど改善されず、このニッケルめっきフレームを樹脂封
止した後、プレッシャークッカーテストをすると、極端
に耐湿特性が悪いという最大の欠点を有しているもので
あった。
従って、高温高湿時の耐湿特性や高温時の電気特性に優
れ、しかもニッケルに対する接着性が良好なエポキシ樹
脂組成物の開発が要望された。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、高温高湿時の
耐湿特性や高温時の電気特性に優れ、しかもニッケルに
対する接着性の高いエポキシ樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
問題点を解決するための手段及び作用 本発明者らは、フェノール樹脂硬化エポキシ樹脂組成物
の最大の欠点であるニッケルに対する接着力の弱さを改
善すべく、各種添加剤について鋭意検討を行った結果、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填剤を含有する
エポキシ樹脂組成物に、硬化促進剤として有機ホスフィ
ン化合物及び/又は1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウ
ンデセン-7を配合すると共に、更にイミダゾール化合
物とカルボキシル基含有の有機酸との塩化合物を添加す
ること、より好適にはその純度が95%以上であり、か
つ粒径が300メッシュもしくはそれより細径の塩化合
物を添加することにより、硬化特性、高温時の電気特
性、耐湿特性や成形性に優れ、しかもニッケルに対する
接着性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られることを知
見した。
即ち、本発明者らは、単に添加剤としてカルボキシル基
含有の有機酸を使用すると、樹脂のニッケルに対する接
着力は向上するが、有機酸とエポキシ樹脂との反応性が
遅いために成形時間内で両者が硬化せず、トランスファ
ー成形した場合、金型のパーティングライン面に樹脂漏
れが激しく、利用できないものであったが、添加剤とし
てイミダゾール化合物とカルゴキシル基含有の有機酸と
の塩化合物を使用すると、樹脂のニッケルに対する接着
性がよくなり、しかもトランスファー成形後のパーティ
ングラインからの樹脂漏れが少なくなるという知見を得
た。なお、この樹脂漏れが少なくなるのは、上記塩化合
物を添加すると、有機酸及びエポキシ樹脂と有機酸との
反応促進剤であるイミダゾールが分子内に共存するため
に有機酸とエポキシ樹脂との反応が早くなり、有機酸が
そのまま成形時間中に反応して樹脂漏れとして金型のパ
ーティングラインにでることがなくなるためであると考
えられた。
特に、エポキシ樹脂組成物の硬化促進剤として有機ホス
フィン化合物及び/又は1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.
0〕ウンデセン-7を使用すると共に、イミダゾール化合
物とカルボキシル基含有の有機酸との塩化合物を添加す
ること、より好ましくは純度が95%以上であり、かつ
粒径が300メッシュもしくはそれより細粒の塩化合物
を添加する場合には、意外にも有機ホスフィン化合物及
び/又は1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7
の持つ高温高湿時の耐湿特性や高温時の電気特性を損な
うことなく、樹脂のニッケルに対する接着性を向上させ
ること、従って、エポキシ樹脂、フェノール樹脂に硬化
促進剤として有機ホスフィン化合物及び/又は1,8-ジア
ザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7を添加し、更にイ
ミダゾール化合物とカルボキシル基含有の有機酸との塩
化合物を添加することにより、硬化特性、高温時の電気
特性、耐湿特性に優れ、しかもニッケルに対する接着性
に優れたエポキシ樹脂組成物が得られることを知見し、
本発明を完成するに至ったものである。
従って、本発明はエポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノ
ール樹脂と、無機充填剤とを含有するエポキシ樹脂組成
物において、硬化促進剤として有機ホスフィン化合物及
び/又は1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7
を使用すると共に、イミダゾール化合物とカルボキシル
基含有の有機酸との塩化合物を添加したことを特徴とす
るエポキシ樹脂組成物を提供する。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明の組成物を構成するエポキシ樹脂としては、例え
ばグリシジルエーテル型エポキシ樹脂,グリシジルエス
テル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環
式エポキシ樹脂等を使用し得るが、これらの中で、特に
ノボラック型エポキシ樹脂が最適に使用される。なお、
これらエポキシ樹脂は1種を単独で使用しても2種以上
を併用しても差支えない。
更にこの場合、エポキシ樹脂としては、有機酸含有量が
100ppm以下、特に50ppm以下、塩素イオンが2ppm
以下、特に1ppm以下、加水分解性の塩素の含有量が5
00ppm以下、特に100ppm以下、エポキシ当量が18
0〜230、特に180〜200のものを用いることが
好ましく、これにより組成物の耐湿性をより向上させる
ことができる。
なおまた、エポキシ樹脂と共に、モノエポキシ化合物を
適宜併用することは差支えなく、このモノエポキシ化合
物としてはスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシ
ド、プロピレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、
エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、オクチレンオキシド、
ドデセンオキシドなどが例示される。
また、本発明の硬化剤として使用するフェノール樹脂と
しては、平均構造式 で示されるフェノールとホルマリンとを酸触媒を用いて
反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂が好適
に使用できる。
この場合、フェノール樹脂としては、半導体の耐湿性の
点から有利Na,Clを2ppm以下、特に1ppm以下、フリーの
フェノールの量を1%以下、特に0.2%以下、有機酸
の量を100ppm以下、特に50ppm以下、軟化点を50
〜120℃、特に80〜100℃とすることが好まし
い。フェノール樹脂に含まれるモノマーのフェノール、
即ち、フリーのフェノールの量が1%を超えると、耐湿
性に悪影響を及ぼしたり、この組成物で成形品を作る
時、成形品にボイド、未充填、ひげ等の欠陥が発生する
場合があり、また、フェノール樹脂製造時に残存してい
る微量のホルムアルデヒドのカニツアロ反応によって生
じる蟻酸などの有機酸の量が100ppmを超えると、半
導体の耐湿性が劣る場合がある。更に、フェノール樹脂
の軟化点が50℃未満になると、ガラス転移点が低くな
って耐熱性、耐湿性が低下し、120℃を超えるとエポ
キシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなって作業性に劣り、
耐湿性が低下する場合がある。
フェノール樹脂の使用量は特に制限されないが、一般的
にはエポキシ樹脂100重量部に対し15〜70重量部
である。
更にフェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂
に加えて、又はその代りにフェノール−フルフラール樹
脂、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、これらのオル
ガノポリシロキサン変性フェノール樹脂、天然樹脂変性
フェノール樹脂、油変性フェノール樹脂などを適宜併用
しても差支えない。
本発明においては、硬化促進剤として有機ホスフィン化
合物及び/又は1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウンデ
セン-7を使用する。
この場合、有機ホスフィン化合物として具体的には、ト
リフェニルホスフィン,トリシクロヘキシルホスフィ
ン,メチルジフェニルホスフィン,トリパラトリルホス
フィン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用
することができる。なお、本発明においては、有機ホス
フィン化合物の純度等は特に制限されないが、これらの
中で純度が98%以上のトリフェニルホスフィンが好適
に使用される。
また、1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7
(以下、DBUと略す。)としては、その純度が99%
以上、特に99.8%以上のものを使用することが好ま
しい。このような高純度のDBUを使用すると、組成物
の耐湿特性がより良くなる。
ここで、硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂とフェノ
ール樹脂との合計量100重量部当り0.2〜5重量部
とすることが好ましく、特に、硬化促進剤として有機ホ
スフィン化合物を使用する場合は、有機ホスフィン化合
物の配合量をエポキシ樹脂とフェノール樹脂との合計量
100重量部当り0.5〜5重量部、特に0.6〜2重
量部とすることが好ましく、また、硬化促進剤としてD
BUを使用する場合は、DBUの配合量をエポキシ樹脂
とフェノール樹脂との合計量100重量部当り0.2〜
4重量部、特に0.5〜2重量部とすることが好まし
い。硬化促進剤の配合量が上記範囲より少ないと、エポ
キシ樹脂組成物の硬化性や耐湿特性が劣る場合があり、
また上記範囲より多いと耐湿特性や高温時の電気特性が
悪くなる上、成形不良率が増加する場合がある。
なお、DBUを使用する場合、DBUが強塩基であり、
フリーの状態で組成物中に存在すると耐湿特性が悪くな
る傾向があるため、DBUを組成物中のフェノール樹脂
と反応させて室温で固形の塩化合物とし、DBUの塩基
性を下げることが好ましい。このDBUとフェノール樹
脂との塩化合物は、溶液中でも溶融反応でも合成し得る
が、特にDBUを組成物中のフェノール樹脂に対して好
ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜50重
量%配合すると、組成物中でDBUとフェノール樹脂と
の塩化合物が容易に生成し得、耐湿特性の良好なエポキ
シ樹脂組成物を得ることができる。
更に、本発明において添加剤としてイミダゾール化合物
とカルボキシル基含有の有機酸との塩化合物を使用す
る。
ここで、イミダゾール化合物としては種々選択される
が、2−フェニルイミダゾール又は2−メチルイミダゾ
ールが好適である。また、カルボキシル基含有の有機酸
としては、フタル酸,安息香酸,トリメリット酸,無水
トリメリット酸、ピロメリット酸等が例示されるが、特
にトリメリット酸又は無水トリメリット酸を使用するこ
とが好ましい。
なお、この塩化合物の製造方法は適宜選択され、通常の
塩化合物の製造方法を採用することができる。
例えば、カルボキシル基含有の有機酸をアセトンに溶解
した後、このアセトン溶液に等モルのイミダゾール化合
物のアセトン溶液を徐々に滴下する方法を採用し得、こ
の滴下により白色塩が析出してくるので、滴下終了後、
更に1時間程度撹拌し、未反応物をアセトンで洗浄して
除去することにより、目的とする粉末状の塩化合物を容
易に得ることができる。
また、イミダゾール化合物とカルボキシル基含有の有機
酸との塩化合物はその純度が95%以上、特に98%以
上で、かつその粒径が300メッシュもしくはそれより
細径のもの、特に325メッシュもしくはそれより細径
のものを使用することが好ましい。塩化合物の純度が9
5%より低い場合や粒径が300メッシュより大きいと
樹脂組成物の成形性や耐湿特性が劣り、特に粒径が30
0メッシュより大きくなると塩化合物の樹脂組成物内で
の分散性が低くなる場合がある。
ここで、イミダゾール化合物とカルボキシル基含有の有
機酸との塩化合物は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂と
の合計量100重量部当り、0.05〜5重量部、特に
0.1〜2重量部の配合量で添加することが好ましく、
配合量が0.05重量部より少ないと樹脂組成物のニッ
ケルに対する接着力が低下して耐湿特性が劣り、5重量
部より多いと樹脂組成物の高温での電気特性や成形性が
悪くなる場合がある。
本発明において使用する無機充填剤としては、例えば石
英粉末、アルミナ粉末、タルク、ガラス繊維、三酸化ア
ンチモン等が挙げられ、これらの中で石英粉末が最も好
ましい。
この石英粉末は、非結晶性、結晶性のいずれであって
も、これらの混合物であってもよく、また天然、合成の
いずれであってもよいが、エポキシ樹脂組成物をVLS
Iメモリ用の半導体装置についてα線対策を行う時に使
用する場合には、ウラン、トリウムなどの含有量の少な
い粉末状や球形の合成石英を用いることが好ましく、更
にはSiO含有量が98%以上の結晶性又はSiO
を一度溶融させた溶融石英等が好ましい。なお、石英粉
末の好ましい平均粒子径の範囲は1〜50μm、より好
ましい範囲は10〜40μmである。このような粒径分
布を有する石英粉末は硅石又は硅石を溶融したものを粉
砕し、分級することによって得ることができる。また、
球形シリカは硅石又は合成石英を粉砕したものを酸水素
炎中で処理することにより得ることができ、必要に応じ
て分級を行い粒度調製することができる。
これら無機充填剤の配合量は種々選択されるが、エポキ
シ樹脂とフェノール樹脂との合計量100重量部当り2
00〜800重量部、より好ましくは230〜600重
量部とすることが望ましい。
更に本発明の組成物には、可撓性付与剤を添加すること
が好ましく、この可撓性付与剤としては種々選択される
が、特に下記一般式(1) (但し、式中Rは水素原子又は はCH等の二価の有機基、Rは二価の有機基、
〜Rは一価の有機基を示す。) で示されるシリコーン系の可撓性付与剤を添加すること
が好ましい。また、その配合量は、本発明組成物中のエ
ポキシ樹脂とフェノール樹脂との合計量100重量部当
り好ましくは4〜60重量部、特に6〜30重量部とす
る。このような配合量でシリコーン系の可撓性付与剤を
添加すると、エポキシ樹脂組成物とフレームとの接着性
がより良くなり、耐クラック性が向上し、半導体封止用
としてより好適なエポキシ樹脂組成物を得ることができ
る。
本発明の組成物には、更に必要によりその目的、用途な
どに応じ、各種の添加剤を配合することができる。例え
ば、ワックス類、ステアリン酸などの脂肪酸及びその金
属塩等の離型剤、カーボンブラック等の顔料、染料、難
燃化剤、表面処理剤(γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン等)、老化防止剤、その他の添加剤を配合
することは差支えない。
なおここで、離型剤としてよく精製されたカルボキシル
基ナバワックスを使用すると、本発明組成物のニッケル
に対する接着力を高めるのに効果的である。
本発明の組成物は、上述した成分の所用量を均一に撹
拌、混合し、予め70〜95℃に加熱してあるロール、
ニーダーなどにより混練、冷却し、粉砕するなどの方法
で得ることができる。なお、成分の配合順序に特に制限
はない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、IC,LSI,トラン
ジスタ,サイリスタ,ダイオード等の半導体装置の封止
用、プリント回路板の製造などに使用される。なお、半
導体装置の封止を行う場合は、従来より採用されている
成形法、例えばトランスファ成形、インジェクション成
形、注型法などを採用して行うことができる。この場
合、エポキシ樹脂組成物の成形温度は150〜180
℃、ポストキュアーは150〜180℃で2〜16時間
行うことが望ましい。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、耐湿性、高温電
気特性に優れ、しかもニッケル等に対する接着性に優
れ、半導体装置封止用等としては好適に用いられるエポ
キシ樹脂組成物が得られるものである。
以下に重量及び比較例を示し、本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〜12,比較例1〜4〕 下記配合物をよく混合し、100℃に加熱した8インチ
ロールで3分間混練した後、冷却、粉砕してエポキシ樹
脂組成物(実施例1〜12,比較例1〜4)を得た。
なお、イミダゾール化合物とカルボキシル基含有の有機
酸との塩化合物としては、下記方法で調製した2−フェ
ニルイミダゾールと無水トリメリット酸との塩化合物I
(実施例1〜4,7〜10)及び2−メチルイミダゾー
ルとトリメリット酸との塩化合物II(実施例5,6,11,1
2)をそれぞれを使用した。
2−フェニルイミダゾールと無水トリメリット酸との塩
化合物Iの調製 2−フェニルイミダゾール144g(1モル)を1の
アセトンに溶解したものを無水トリメリット酸192g
(1モル)を1のアセトンに溶かした溶液に徐々に滴
下した。滴下終了後、2時間攪拌を続け、生じた白色の
沈殿物を過して取り出した後、この白色沈殿を再度フ
ラスコに入れて更に1のアセトンを入れ、1時間攪拌
後に再度過して白色沈殿物を取り出すという洗浄工程
を3回繰り返した(収量319g)。沈殿物を50℃の
乾燥機中で乾燥し、300メッシュのフルイをつけた粉
砕機で粉砕し、これを塩化合物(純度98%)とした
(実施例1〜4,7〜10)。
2−メチルイミダゾールとトリメリット酸との塩化合物
IIの調製 2−メチルイミダゾール82g(1モル)を1のアセ
トンに溶解したものをトリメリット酸210g(1モ
ル)を1のアセトンに溶解した溶液に徐々に滴下し
た。滴下終了後、生じた白色沈殿物を過、洗浄回数を
調製して第1表に示す純度とし、更に300メッシュ
(以下、#と略す。)のフルイを通し、これを塩化合物
とした(実施例5,6,11,12)。
以上のように得られたエポキシ樹脂組成物につき、下記
A〜Eの諸特性を評価した。
A.接着性 第1表に併記する材質からなる6mm幅×11mm長×20
0μm厚の金属片2枚を用い、第1,2図に示すよう
に、これら金属片m,mをエポキシ樹脂組成物nにより
封止して測定用サンプルを得た。この場合、両金属片
m,mはその先端6mmを互に対向するようにエポキシ樹
脂組成物nで封止した。また、エポキシ樹脂組成物nの
成形条件は成形温度180℃、成形時間2分であり、成
形後、180℃で16時間ポストキュアーした。
得られた測定用サンプルの左右の金属片を引張り試験機
に固定して引張り、接着力を測定した。
B.体積抵抗率の測定 成形温度160℃,成形圧力70kg/cm2,成形時間2分
の条件でエポキシ樹脂組成物を成形して直径6cm,厚さ
2mmの円板を作り、これを180℃で4時間ポストキュ
アーしたテストピースについて、150℃での体積抵抗
率をJIS−K−6911に準じて測定した。
C.成形性 260キャビティーの14ピンICを成形し、金型に残
る成形物の個数を測定した。
この場合、金型に残る個数が多いものほど離型性が悪い
ことを示す。
D.耐湿特性(Al腐食テスト) 銅にニッケルめっきした材質のフレームを使用した14
ピンDIPのIC形状に成形したサンプルを高圧釜に入
れて121℃,2気圧の高温高湿雰囲気に1000時間
放置し、アルミニウム配線のオープン不良が生じたサン
プル数を測定し、配線のオープン不良率を算出した。得
られた配線のオープン不良率から耐湿特性を評価した。
E.バリ 260キャビティー14ピンICの金型を用い、金型温
度175℃、成形時間2.5分、射出圧力70kg/cm2
の条件で成形し、バリの発生を調べた。ICの足から1
mm以上バリがでた場合を不良として数えた。
以上の結果を第1表に示す。
第1表の結果より、純度が95%以上でかつ粒径が30
0メッシュより細粒のイミダゾール化合物とカルボキシ
ル基含有の有機酸との塩化合物を添加したエポキシ樹脂
組成物は、塩化合物を添加しない組成物に比べて高温で
の体積抵抗率が低下することなく、かつニッケルめっき
した銅に対する接着力が向上し、耐湿特性における不良
率が極端に減少することが確認された。
これに対し、イミダゾール化合物とカルボキシル基含有
の有機塩化合物を配合しない場合(比較例1、3)は、
ニッケルに対する接着力が悪く、有機酸(トリメリット
酸)のみを配合した場合(比較例2、4)は、ニッケル
に対する接着性は良好であるものの、バリの発生が顕著
であり、イミダゾール化合物のみを配合した場合(比較
例5、6)は、ニッケルに対する接着性が悪く、このた
め耐湿特性も悪いことが認められる。
〔実施例13〜18〕 純度99.5%のDBUを使用し、DBU及びトリフェ
ニルホスフィンの配合量を第2表に示すようにした以外
は実施例1と同様の配合、製造条件でエポキシ樹脂組成
物を調製した。
これらエポキシ樹脂組成物について、前述のD及び下記
に示すF,G,Hの諸特性を評価した。
F.成形不良率の測定 トランスファー成形機で100個取りの14ピンIC用
金型を用いて10ショット成形し、この時の外観不良率
(ボイド,未充填,スネークアイ等の不良)を測定した。
G.スパイラルフロー EMMI規格に準じた金型にエポキシ樹脂を充填し、成
形温度175℃,成形圧力70kg/cm2の条件下で測定
した。
H.バーコール硬度 エポキシ樹脂を成形温度175℃,成形圧力70kg/cm
2,成形時間90秒で成形し、成形金型解体後バーコー
ル硬度935にて成形物の熱時硬度を測定した。
以上の結果を第2表に示す。
第2表の結果から、効果促進剤として有機ホスフィン化
合物のトリフェニルホスフィン又は高純度1,8-ジアザ−
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7を配合したエポキシ樹
脂組成物は、スパイラルフロー、バーコール硬度、耐湿
特性、成形不良率の諸特性がいずれも良好であることが
確認された。
【図面の簡単な説明】
第1,2図はエポキシ樹脂組成物の接着力を評価するた
めの金属片を封止したエポキシ樹脂組成物サンプルを示
し、第1図は平面図、第2図は正面図である。 m……金属片、n……エポキシ樹脂組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31 (72)発明者 白石 初二 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内 (56)参考文献 特開 昭60−53524(JP,A) 特開 昭49−32999(JP,A) 特開 昭57−100128(JP,A) 特開 昭50−6408(JP,A)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノール
    樹脂と、無機充填剤とを含有するエポキシ樹脂組成物に
    おいて、硬化促進剤として有機ホスフィン化合物及び/
    又は1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン-7を使
    用すると共に、イミダゾール化合物とカルボキシル基含
    有の有機酸との塩化合物を添加したことを特徴とするエ
    ポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】有機ホスフィン化合物として、純度98%
    以上のトリフェニルホスフィンを使用した特許請求の範
    囲第1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
    ン-7の純度が99%以上である特許請求の範囲第1項
    又は第2項記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】1,8-ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ
    ン-7が、フェノール樹脂との室温で固体の塩化合物と
    して存在する特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれ
    か1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】イミダゾール化合物とカルボキシル基含有
    の有機酸との塩化合物の純度が95%以上である特許請
    求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】イミダゾール化合物とカルボキシル基含有
    の有機酸との塩化合物の粒径が300メッシュもしくは
    それより細粒である特許請求の範囲第1項乃至第5項の
    いずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】イミダゾール化合物とカルボキシル基含有
    の有機酸との塩化合物を該エポキシ樹脂と該フェノール
    樹脂との合計量100重量部当り0.05〜5重量部添
    加する特許請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか1項
    に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】カルボキシル基含有の有機酸が無水トリメ
    リット酸又はトリメリット酸である特許請求の範囲第1
    項乃至第7項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】イミダゾール化合物が2−フェニルイミダ
    ゾール又は2−メチルイミダゾールである特許請求の範
    囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載のエポキシ樹
    脂組成物。
  10. 【請求項10】無機充填剤の配合量がエポキシ樹脂とフ
    ェノール樹脂との合計量100重量部当り200〜80
    0重量部である特許請求の範囲第1項乃至第9項のいず
    れか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
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