JPH0618845B2 - ポリアミド系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリアミド系樹脂組成物の製造方法

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JPH0618845B2
JPH0618845B2 JP59252349A JP25234984A JPH0618845B2 JP H0618845 B2 JPH0618845 B2 JP H0618845B2 JP 59252349 A JP59252349 A JP 59252349A JP 25234984 A JP25234984 A JP 25234984A JP H0618845 B2 JPH0618845 B2 JP H0618845B2
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【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は、電気絶縁ワニス等として有用なポリアミド系
樹脂組成物の製造方法に関する。
[発明の技術的背景とその問題点] 省資源、省エネルギーの必要性と周辺機器の小型化、軽
量化に伴ない電気機器自体の高性能、小型化が進められ
ている近年において、耐熱性、機械的特性、電気的特
性、経済性のバランスのとれているポリアミド系樹脂は
電気絶縁ワニスを始めとする絶縁材料の分野においてそ
の重要性が増大している。
従来、トリメリット酸無水物と芳香族ジイソシアネート
を、例えばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセ
トアミド等の非プロトン系極性溶媒中で反応させること
により高重合度のポリアミドイミド樹脂組成物が得られ
ることは公知である(例えば特公昭44-19274号)。
しかしこの方法は、用いられる極性溶媒の吸湿性が強く
疑似ゲル化現象、白濁現象等がワニス使用時に起り易い
ことからワニスの保管、管理が困難であるという難点を
有していた。さらに特殊な非プロトン系極性溶媒を用い
るためワニスの価格が高くなり工業的有用性に乏しいと
いう難点も有していた。
このため電気絶縁ワニスの溶媒として、極めて一般的に
用いられているフェノール系溶媒を用いたポリアミドイ
ミド樹脂の提案が多くなされている(例えば特公昭51-2
3999号、特公昭56-17374号、特公昭56-22330号、特公昭
56-34210号)。
しかし、単にトリメリット酸無水物と4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネ
ートをフェノール系溶媒中で反応させポリアミドイミド
樹脂を得ようとしても、白濁沈澱してしまうか、または
均一溶媒を得ようとしてフェノール系溶媒の沸点以上の
高温下で反応させても末端にアリールエステル等が生成
してしまい実用的な絶縁ワニスに供しうる高分子量ポリ
マーが得られないのが実情である。
また脂肪族ジカルボン酸、ラクタム等を用いた場合、フ
ェノール系溶媒に対する溶解性は向上するものの、耐熱
性、特に絶縁電線とした時の耐熱軟化温度が芳香族ポリ
アミドイミド樹脂と比較して劣るという難点を有してい
る。
耐熱性を向上させるために脂肪族ジカルボン酸に代えて
芳香族ジカルボン酸またはその誘導体を用いると、その
低い反応性のため実用的な塗膜を生成するのに充分な分
子量を有する樹脂が得られないのが実状である。
このため、芳香族ポリアミド樹脂を得るには、芳香族ジ
カルボン酸ジクロライドを酸成分として用いるのが従来
の方法であるが、この方法は塩化水素を脱離成分とする
ため、特殊な反応器を必要とすること、電気絶縁ワニス
の場合、樹脂を生成後、溶媒に溶解する工程が必要とな
ること等の難点を有していた。
[発明の目的] 本発明者は二塩基酸無水物、三塩基酸無水物と芳香族ポ
リイソシアネートの反応を種々検討したところ、ポリア
ミド樹脂共存下において、これらが極めて高重合度の樹
脂を生成すること、および共存するポリアミド樹脂と生
成した芳香族ポリアミド系樹脂が一体となり、耐熱性、
溶解性に優れた新規なポリアミド系樹脂が得られるこ
と、また該樹脂のフェノール系溶液中にフェノール類で
マスクされた芳香族ポリイソシアネートを配合すること
により、さらに製膜性の優れた樹脂が得られることを見
出した。
本発明はかかる知見に基づきなされたもので、上記の欠
点の解消されたポリアミド系樹脂組成物の製造方法を提
供することを目的としている。
[発明の概要] すなわち、(イ)酸成分全体に対して少なくとも5モル
%以上の芳香族二塩基酸又はその誘導体を含む芳香族三
塩基酸無水物又はその誘導体とからなる芳香族多価カル
ボン酸と、(ロ)芳香族ポリイソシアネート又はその誘
導体とを、当量比で、1.0/1.1〜1.1/1.0の割合で、ポリ
アミド樹脂共存下に反応させることを特徴とするポリア
ミド系樹脂組成物の製造方法に関するものである。
本発明に使用される二塩基酸又はその誘導体、例えば式
(I)で示される芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボ
ン酸エステル等が用いられる。
一般的には、反応性、経済性等の見地よりイソフタル
酸、テレフタル酸が好適である。
本発明に使用される三塩基酸無水物またはその誘導体
は、例えば式(II)、(III)で示される芳香族トリカ
ルボン酸、芳香族トリカルボン酸エステル、芳香族トリ
カルボン酸無水物等が用いられる。
一般的には、耐熱性、高い反応性、経済性等の見地より
トリメリット酸無水物が好適である。
なお本発明においては使用する三塩基酸無水物又はその
誘導体、二塩基酸又はその誘導体の一部を少量、例えば
酸成分全体の5モル%未満の、ピロメリット酸無水物、
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物、3,3′,4,4′−ジフェニルテトラカルボン酸無水
物、ブタンテトラカルボン酸無水物等の四塩基酸無水物
又はその誘導体、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸等の脂肪族二塩基酸又はその誘導体で置換えるこ
ともできる。
本発明に使用されるポリイソシアネート又はその誘導体
としては、脂肪族、脂環族、芳香族のジイソシアネート
が主に用いられる。
適当なジイソシアネートとしては、例えばエチレンジイ
ソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、ベペンタメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペプタメ
チレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネ
ート、ノナメチルジイソシアネート、デカメチレンジイ
ソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、モルフォリンジイソシアネート、シクロヘキサン
ジイソシアネート、3,9−ビス(3−イソシアン酸プロ
ピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデ
カン、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルプロパンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルスルホンジイソシアネート、3,3′−ジフェニルスル
ホンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルスルフィッ
ドジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジクロロ−4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチ
ル−4,4′−ビスフェニルジイソシアネート、3,3′−ジ
メトキシ−4,4′−ビスフェニルジイソシアネート、4,
4′−ビスフェニルジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、P−フェニレンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、m−キシリレンジイソシアネート、P−キ
シリレンジイソシアネート等があり、これらは単独又は
混合して使用できる。
ジイソシアネート以外のポリイソシアネートとしては、
例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
ト、4,4′,4″−トリイソシアネートトリフェニルメ
タン、2,2′,5,5′−テトライソシアネート、4,4′−
ジメチルジフェニルメタン、2,4,4′−ジフェニルエー
テルトリイソシアネート、トリス(4−メチル−4−イ
ソシアネートフェニル)イソシアヌレート等をあげるこ
とができる。
また、ポリイソシアネートのイソシアネート基をフェノ
ール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類でマ
スクしたポリイソシアネート誘導体も使用することがで
きる。
これらのポリイソシアネートは、得られるポリアミド系
樹脂組成物の耐熱性、機械的性質等の要求特性により適
宜選択されるが、電気絶縁ワニスとして特に要求され
る、絶縁皮膜の耐熱性、機械的特性、経済性の点から芳
香族ジイソシアネート類が好ましく、更にその中でも4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、m−キシリレンジイソシアネート、P−キシリレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート又はこれらのジイソシアネートは、フェノー
ル類でマスクされた誘導体の単独又は混合物は、前記特
性を具現化する上で特に好ましい。
三塩基酸無水物又はその誘導体と、二塩基酸又はその誘
導体と、ポリイソシアネート又はその誘導体との反応に
際して共存されるポリアミド樹脂は、ポリマー鎖の主要
な一部分としてアミド基が繰返されていて、かつアルキ
レン基が結合されたものが多数集まってできた線状合成
高分子である通常分子量10,000以上のナイロンが使用で
きる。
そのようなナイロンには、例えばナイロン6、ナイロン
66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、
および2種以上のホモナイロンのモノマーを混合して重
合させることにより得られる共重合ナイロン等があり、
これらは単独又は混合して使用することができる。
(イ)の酸成分の三塩基酸無水物又はその誘導体、二塩
基酸又はその誘導体と、(ロ)のポリイソシアネート又
はその誘導体とのポリアミド樹脂共存下における反応
は、有機溶媒の存在下において150〜250℃の温度で2〜
20時間反応させることにより行なわれる。
本発明に好適な有機溶媒としては、フェノール、O−ク
レゾール、m−クレゾール、P−クレゾール、各種のキ
シレノール酸、各種のクロルフェノール類、ニトロベン
ゼン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、エキサメチルホスホルア
ミド、ジメチルスルホオキサイド等があり、これらと併
用できる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、高沸点炭
化水素類(例えば丸善石油製スワゾール1000、スワゾー
ル1500、日本石油製日石ハイゾール100、等)、エチレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート等がある。
特に好ましい反応溶媒は出発物質に対する溶解性、およ
び得られる樹脂溶液の安定性、製膜性、経済性等の見地
からフェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノ
ール系溶媒であり、電気絶縁ワニスとして用いられる場
合の溶媒には、前記フェノール系溶媒と高沸点の芳香族
炭化水素系溶媒の混合物が好適である。
(イ)の酸成分全体に対して少なくとも5モル%以上の
二塩基酸又はその誘導体を含む三塩基酸無水物又はその
誘導体からなる多価カルボン酸成分と、(ロ)のポリイ
ソシアネート又はその誘導体との使用割合は二塩基酸又
はその誘導体と三塩基酸無水物又はその誘導体をそれぞ
れ2当量として、ポリイソシアネート又はその誘導体の
イソシアネート基当り1当量とした場合、酸成分とイソ
シアネート成分が当量比でほぼ1対1であることが好ま
しい。
しかし、いずれか一方の10当量%以下の過剰は許容され
る範囲である。
(イ)の二塩基酸又はその誘導体と三塩基酸無水物又は
その誘導体の使用割合は絶縁塗膜の可撓性を増加させる
ため、二塩基酸又はその誘導体が酸成分全体に対して少
なくとも5モル以上含まれることが好ましい。可撓性、
導体との密着性、耐クレージング性を改善するためには
20モル%以上の二塩基酸又はその誘導対の使用がより好
適である。
本発明の反応におけるポリアミド樹脂の働きは明確では
ないが、三塩基酸無水物又はその誘導体と二塩基酸又は
その誘導体とポリイソシアネート又はその誘導体との反
応を著るしく促進すること、得られる樹脂が優れた溶解
性を示すこと、および赤外チャート、熱重量分析、ゲル
浸透クロマトグラフフによる分子量分布測定結果等から
生成した芳香族ポリアミドイミド樹脂と合成時に使用し
たポリアミド樹脂が相互に反応し一体化していることが
推測されることから、三塩基酸無水物又はその誘導体と
ポリイソシアネート又はその誘導体との反応においてポ
リアミド樹脂がマトリックス効果を示すと同時にポリア
ミド樹脂のアミド基を中心に高分子化反応が起っている
ものと考えられる。
このためポリアミド樹脂の使用割合は、マトリックス効
果を発現させるのに充分な量又は得られる樹脂の使用目
的、要求特性に応じて変えることができる。例えば電気
絶縁ワニスとして使用する場合、樹脂分全体に対し3〜
40重量%が好適である。3重量%未満であると充分なマ
トリックス効果を示さず、40重量%を越えると絶縁ワニ
スより得られるエナメル線の耐熱性が低下する。
一方、フィルム又は成型品として使用する場合には、ポ
リアミド樹脂を40重量%以上使用することも要求特性に
応じて可能となる。
(イ)の三塩基酸無水物又はその誘導体と二塩基酸又は
その誘導体と、(ロ)のポリイソシアネート又はその誘
導体と、ポリアミド樹脂とは反応開始時に同時に仕込ん
でもよく、一つの成分を溶剤に溶解させておき他の成分
を一時に、または数回に分けて仕込むことも出来、特に
仕込方法について制限はない。
しかしながら、ポリアミド樹脂は反応開始時から仕込む
ことが高分子量ポリアミドイミド樹脂を得るためには特
に好ましい。
一方、電気絶縁ワニスとして用いる場合には、エナメル
皮膜を形成する焼付工程においても反応が進行するの
で、ワニス合成段階においては比較的反応の後半にポリ
アミド樹脂を加えることも出来る。
前記反応は無触媒下において十分に進行するが、イソシ
アネートの反応に通常用いられる触媒により本発明の反
応を促進することができる。
適当な触媒の例としては、一酸化鉛、ホウ酸、ナフテン
酸鉛、亜鉛等のナフテン酸の金属塩、リン酸、ポリリン
酸、トリエチルアミン等があり、好適な使用量は仕込時
の固型分に対して0.01〜5重量%である。
フェノール系溶媒中での反応は70℃付近から脱炭酸ガス
の発泡を伴ないながら始まり、通常は180〜210℃、3〜
12時間の反応条件で実用的な高分子量ポリアミド系樹脂
が得られる。
かくして得られたポリアミド系樹脂組成物は、そのまま
電気絶縁ワニス等として使用することが出来るが、特に
エナメル線製造用の電気絶縁ワニスとして近年の高線
速、高能率的な焼付機に使用する場合製線時において発
泡しやすいという難点を有している。
これらの問題につき検討を進めたところ前述のポリアミ
ド系樹脂溶液にフェノール類がマスクさた芳香族ポリイ
ソシアネートを配合することにより、前記難点が大巾に
改善させることが見出された。
フェノール類でマスクされた芳香族ポリイソシアネート
は前記芳香族ポリアミドイミド合成時に使用される材料
をそのまま使用出来る。使用割合は樹脂全体に対しポリ
イソシアネートとして3〜40重量%が好適である。3重
量%未満であると発泡しやすくなり、40重量%を越える
とエナメル線としての可撓性、耐摩擦性が低下する。
また、マスクされた芳香族ポリイソシアネートを加える
時の温度は特に制限はないが、200℃付近で長時間攪拌
を続けると樹脂溶液が一部不透明、沈澱を生ずることが
あるので、加える温度は140℃以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物は必要に応じ他の樹脂をブレンドす
ることもできる。また他の多官能性化合物、例えばポリ
オール、ポリアミン、ポリカルボン酸を加えて更に反応
させることにより変性ポリアミド系樹脂組成物を作るこ
ともできる。
[発明の実施例] 以下実施例により本発明を詳述する。
実施例1 温度計、攪拌器、冷却管、窒素導入管をつけた34ツ
口フラスコにトリメリット酸無水物96g(0.5モル)、
イソフタル酸83g(0.5モル)、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート250g(1.0モル)、ナイロン6(東
レ社製アミランCM1007)40g、m−クレゾール酸(J
IS K2451、メタクレゾール酸1号相当品)300gを
仕込み、窒素気流中で室温より200℃まで約1時間かけ
て昇温させた。脱炭酸ガスの発泡が80〜130℃にかけて
多く発生し、さらに200℃付近まで継続して見られた。
発泡がほぼ終了した後、反応温度を200〜205℃に設定
し、クレゾールを還流しながら常圧で反応させた。内容
物は最初やや混濁不透明であったが、205℃で3時間経
過後、透明溶液となった。その後、さらにクレゾールを
還流しながら反応を7時間継続し、合計10時間後m−ク
レゾール590gを加え反応を停止させた。内容物の温度
が100℃以下になった時点でマスクされた芳香族ポリイ
ソシアネート(日本ポリウレタン社製、MS−50、4,
4′ジフェニルメタンジイソシアネートとして約50重量
%含有)80gを加え充分攪拌し均一溶液とした。
この樹脂溶液は赤褐色透明で粘度45ポイズ(30℃)にク
ゾールで調整したところ27.0%の不揮発分を有してい
た。
この樹脂溶液を縦10cm、横3cm、厚0.1mmの銅板に塗膜
厚さ約15μmとなるよう均一に塗布し、230℃で30分間
加熱すると、銅板を180°折曲げてもクラックを生じな
い可撓性ある塗膜が得られた。
さらに炉長7m、炉温430−380−300℃(上部から下
部)線速11m/minで、1.0mmφの銅線上に7回塗布焼付を
行ない皮膜厚35μmの絶縁電線を得た。
JISC3003、NEMA MW1000に準じて測定した特
性は第1表の通りであった。
次にこの電線皮膜の赤外スペクトルを測定したところ、
1660cm-1、1530cm-1付近のアミド吸収帯が1780cm-1、17
20cm-1のイミド環の吸収帯の強度より非常に強く出てお
り、アミド結合主体の樹脂組成物であると認められた。
さらに皮膜の熱重量分析を昇温速度10℃/分、空気中で
測定したところ、10重量%減量点440℃、50重量%減量
点535℃の単一な熱分解曲線を示した。
実施例2 実施例1と同じ装置を用い、イソフタル酸166g(1.0モ
ル)、トリレンジイソシアネート174g(1.0モル)、ナ
イロン6(東レ社製アミランCM1007)28g、m−クレ
ゾール酸(JISK2451メタクレゾール酸1号相当品)
250gを仕込み、窒素気流中で室温より200℃で約1時間
かけて昇温させた。脱炭酸ガスの発泡が160℃付近から
見られ、発泡がほぼ終わるとともに内容物も透明となっ
た。
さらに200〜205℃で4時間30分、合計で6時間30分反応
させ、m−クレザール400gを加え反応を停止させ、内
容物が100℃になった時点でマスクされた芳香族ポリイ
ソシアネート(日本ポリウレタン社製MS−50、4,4′
−ジフェニルメタンジイソシアネートとして約50重量%
含有)120gを加え、均一溶液となるまで充分攪拌し
た。
次いでm−クレゾール/ソルベントナフサ=7/3の混
合溶媒を用い粘度44ポイズ(30℃)となるよう希釈し
たところ、30.1重量%の不揮発分を有する赤褐色透明な
溶液が得られた。
実施例1と同様の条件で得られた焼付電線の特性は第3
表に示す。
実施例3〜8 実施例1と同一の装置を用い、第3表に示す出発原料合
成条件で、いずれも赤褐色透明な樹脂溶液を得た。実施
例1と同様の条件で得られた焼付電線の特性は第3表の
通りであった。
[発明の効果] 以上の実施例からも明らかなように、本発明の製造方法
は、ポリアミド樹脂が共存することにより、芳香族二塩
基酸を使用しても高分子量のポリアミド系樹脂組成物を
得るとができる。また、得られるポリアミド系樹脂組成
物は、耐熱性が良好であり、高分子量の機械的特性の優
れた被膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 宏明 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番1 号 昭和電線電纜株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−94016(JP,A) 特開 昭54−149738(JP,A) 特開 昭47−12444(JP,A) 特開 昭60−72912(JP,A) 特開 昭60−72913(JP,A) 特開 昭60−99123(JP,A) 特公 昭45−147380(JP,B1)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)酸成分全体に対して少なくとも5モ
    ル%以上の芳香族二塩基酸又はその誘導体を含む芳香族
    三塩基酸無水物又はその誘導体とからなる芳香族多価カ
    ルボン酸と、(ロ)芳香族ポリイソシアネート又はその
    誘導体とを、当量比で1.0/1.1〜1.1/1.0の割合で、ポリ
    アミド樹脂共存下に反応させることを特徴とするポリア
    ミド系樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記芳香族三塩基酸無水物がトリメリット
    酸無水物である特許請求の範囲第1項記載のポリアミド
    系樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】前記芳香族ジイソシアネート又はその誘導
    体が4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′
    −ジフェニルエーテルジイソシアネート、トリレンジイ
    ソシアネート、キシリレンジイソシアネートおよびこれ
    らのジイソシアネートがフェノール類でマスクされた誘
    導体から選ばれた1種または2種以上からなる特許請求
    の範囲第1項記載のポリアミド系樹脂組成物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記ポリアミド樹脂がナイロン6、ナイロ
    ン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12
    または共重合ナイロンから選ばれた1種または2種以上
    からなる特許請求の範囲第1項記載のポリアミド系樹脂
    組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載のポリアミド系
    樹脂組成物の製造方法において、(イ)前記芳香族多価
    カルボン酸と、(ロ)前記芳香族ポリイソシアネート又
    はその誘導体との反応をフェノール系溶媒中で行うこと
    を特徴とするポリアミド系樹脂組成物の製造方法。
JP59252349A 1984-11-29 1984-11-29 ポリアミド系樹脂組成物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0618845B2 (ja)

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