JPH0618762A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JPH0618762A
JPH0618762A JP3206077A JP20607791A JPH0618762A JP H0618762 A JPH0618762 A JP H0618762A JP 3206077 A JP3206077 A JP 3206077A JP 20607791 A JP20607791 A JP 20607791A JP H0618762 A JPH0618762 A JP H0618762A
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JP
Japan
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focus
lens
optical system
image pickup
focus lens
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JP3206077A
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Katahide Hirasawa
方秀 平沢
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】ズーム機能を備えた撮影レンズ102と、結像
された被写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像
素子106と、撮像信号中より検出された焦点状態に応
じた信号に基づいて撮影レンズの焦点調節を行なうフオ
ーカスレンズ105と、被写界深度を検出する第1の検
出手段と、フオーカスレンズの移動位置を検出する第2
の検出手段115と、第1の検出手段の出力と前記第2
の検出手段の出力に基づいて、フオーカスレンズの合焦
とみなすことのできる移動範囲を決定する演算手段と、
これによつて演算された移動範囲内の特定の位置あるい
はその近傍にフオーカスレンズを移動させてからズーム
レンズの移動を開始する制御手段119とを備える。 【効果】被写界深度にかかわらず、ズーム開始時からボ
ケのない良好な撮影画像を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学系と撮像素子を介
して得られる映像信号の状態から光学系の撮像面への合
焦状態を把握し、自動的に焦点調節を行う装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型ビデオテープレコー
ダ(VTR)の普及は目覚ましく、機能の上でも、その
小型・軽量化に伴い、レンズ部や自動焦点調節装置が占
めるスペース・重量は急速に減少しつつある。
【0003】このような背景の中で、自動焦点調節装置
に関しては、赤外線の投受光装置を有する所謂アクテイ
ブタイプから、前記投受光装置を用いず、撮像素子を介
した映像信号から合焦点を検出するパツシブ方式へと移
行されつつある。
【0004】一方レンズ部では、変倍による焦点面の移
動を補正するレンズに焦点調節機能を兼ね備え、さらに
前面のレンズを固定して小型化をはかるといつた所謂イ
ンナーフオーカスタイプのレンズが多く導入される様に
なつた。
【0005】図15(a)は上記インナーフオーカスレ
ンズタイプの一例を示したものであり、101は固定の
第1のレンズ群、102は変倍を行う第2のレンズ群
(ズームレンズ)、103は絞り、104は固定の第3
のレンズ群、105は変倍に伴う焦点面の移動を補正す
る機能とピント合わせの機能を兼ね備えた第4のレンズ
群(フオーカスレンズあるいはコンペンセータレンズ)
である。また、106は撮像素子の撮像面である。
【0006】図16は焦点距離の変化、すなわちズーム
レンズ102の位置に対して、各被写体距離に合焦する
ためのフオーカスレンズ105の位置を示したものであ
る。焦点距離の変化がない場合、すなわちズームレンズ
102が停止している場合には、フオーカスレンズ10
5が図16の該当する焦点距離(横軸)上で、縦軸と平
行に移動する事によつて焦点調節を行うことができる。
又、ズーム動作中は各被写体距離に応じて図16の中か
らフオーカスレンズ105の軌跡を選択し、この軌跡に
したがつて焦点距離の変化に対応した駆動制御をフオー
カスレンズ105に施せば、変倍による焦点面の補正と
焦点調節機能をもたせながらズーム動作を行なうことが
でき、ズーム動作中も常にボケのない映像信号を得るこ
とができる。
【0007】図17は、前記フオーカスレンズ105の
ズーム動作中の駆動制御方法の一例について説明するた
めのものであり、座標のとり方は図16と同じである。
図17に示す各カム軌跡をズームレンズの位置(焦点距
離)とフオーカスレンズ位置(被写体距離)によつて複
数の領域に分割し、それぞれの領域についてフオーカス
レンズの代表速度が与えられている。図17中の、角度
が刻々と変化している矢印はフオーカスレンズ105の
速度の変化を表わしている。
【0008】同図ではズームレンズ102の移動領域
(横軸)を16等分し、各領域ごとにレンズ駆動速度を
設定している。ここでこの16等分後の各領域をズーム
ゾーンと称する事にする。さて、各ズームゾーン毎に図
16の曲線を区切ってみると、それぞれのズームゾーン
で傾きのほぼ等しい部分に分割する事が出来る。ズーム
レンズの駆動速度すなわちズームスピードが一定の場
合、各ズームゾーン内のフオーカスレンズの速度すなわ
ち傾きが等しければ、被写体距離が異なつていても、フ
オーカスレンズ105の移動速度を等しくする事ができ
る。そこで図17のように、縦軸を各ズームゾーン毎に
傾きの等しい部分に分割し、各領域ごとに1つの代表速
度をそれぞれ与える。
【0009】こうすることによつて、ズームスタート時
に合焦させておけば、ズームレンズとフオーカスレンズ
の位置を検出してフオーカスレンズの基準の駆動速度を
決定するとともに、たとえばAF装置からの前ピン,後
ピン情報によつてこれに補正をかけながらズーム動作を
行うことができ、常に適切なフオーカスレンズ105の
移動速度で図16の軌跡に追従することが可能となる。
【0010】一方、図15(b)は、前玉フオーカスタ
イプのレンズシステムの構成図であり、図15(a)と
同一構成部分については、同一符号を用いて説明する。
同図において、1501は焦点調節の為のレンズ群、1
502は変倍を行なうレンズ群、1503は変倍レンズ
群1502の移動によつて発生する焦点面の移動を補正
するレンズ群、1504は像を撮像面に正しく結ばせる
為の結像用の固定のレンズ群、1505はレンズ群15
02,1503を連動して移動させる為の機械的なカム
環である。同図の様なレンズにおいては、補正レンズ1
503と焦点調節の為のレンズ1501が独立して存在
しているため、図16に示したように複雑なフオーカス
レンズの動きはなく、本来、ズーム中、完全に合焦して
いれば、レンズ群1501は移動せず、ボケのないズー
ム動作が可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例ではフオーカスレンズの位置によつて速度を選択し
ながらズーム動作を行うので、次のような欠点がある。
【0012】すなわちズームスタート時にフオーカスレ
ンズが図16の軌跡上に存在していないと、誤った速度
を選択して、正しく軌跡をトレースしない場合があるこ
と、また特に小絞り時、被写界深度が深くなると合焦時
のフオーカスレンズ位置が不正確となり、図17の速度
データマツプから速度を取り込む際に、誤った位置から
速度を選択しやすいこと、またズーム動作中に被写界深
度をはずれてしまうと、上述したように誤った速度を選
択するばかりか、一度誤った速度を選択すると、次に誤
った速度を引きついで被写界深度外を迷走し、再び深度
内に戻りにくくなること、さらに前玉フオーカスタイプ
のレンズにおいては、フオーカスレンズがズームレンズ
の前に配置されているため、ズームレンズが広角側に移
動すればするほど敏感度が低下して被写界深度が深くな
る。したがつて、絞りのみでなく焦点距離の変化によつ
ても被写界深度が変化するため、たとえ絞りが開放であ
つても広角側では合焦と判断する時のフオーカスレンズ
位置があいまいになり、この位置のまま望遠側へズーム
すると、深度が次第に浅くなつてボケを生じること、等
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するためになされたもので、その特徴とするとこ
ろは、変倍光学系を含む撮影光学系と、前記撮影光学系
によつて結像された被写体像を光電変換して撮像信号を
出力する撮像手段と、前記撮像信号中より検出された焦
点状態に応じた信号に基づいて前記撮影光学系の焦点調
節を行なう焦点調節手段と、被写界深度を検出する第1
の検出手段と、前記焦点調節手段の移動位置を検出する
第2の検出手段と、前記第1の検出手段の出力と前記第
2の検出手段の出力に基づいて、前記焦点調節手段の合
焦とみなすことのできる移動範囲を決定する演算手段
と、前記演算手段によつて演算された前記移動範囲内の
特定の位置あるいはその近傍に前記焦点調節手段を移動
させてから前記変倍光学系の移動を開始する制御手段と
を備えたカメラにある。
【0014】また本発明の他の特徴は、変倍光学系を含
む撮影光学系と、前記撮影光学系によつて結像された被
写体像を光電変換して撮像信号を出力する撮像手段と、
前記変倍光学系の動作に伴う焦点面の変位を補正すると
ともに、前記撮像信号中より検出された焦点状態に応じ
た信号に基づいて前記撮影光学系の焦点調節を行なう焦
点調節手段と、被写界深度を検出する第1の検出手段
と、前記焦点調節手段の移動位置を検出する第2の検出
手段と、前記第1の検出手段の出力と前記第2の検出手
段の出力に基づいて、前記焦点調節手段の合焦とみなす
ことのできる移動範囲を決定する演算手段と、前記変倍
光学系の移動とともに、前記演算手段によつて演算され
た前記移動範囲内の特定の位置あるいはその近傍に前記
焦点調節手段を移動する制御手段とを備えたカメラにあ
る。
【0015】
【作用】これによつて、被写界深度、フオーカスレンズ
の位置、映像信号のボケの程度から被写体距離に対する
真のフオーカスレンズの位置を予測する事が可能となる
とともに、前記予測位置に対応するフオーカスレンズの
ズーム中の軌跡を求め、小絞り時でも被写体距離に対応
した位置にフオーカスレンズを確実に移動させることが
可能となり、撮影状態にかかわらずズーム開始時からボ
ケのない良好な撮影画像を得ることができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の特徴を最も良く表わす第1の
実施例の構成図で、101、102、103、104、
105、106はそれぞれ図15に示したレンズ、絞り
等各種光学系素子と同様である。107、108、10
9はそれぞれズームレンズ102、絞り103、フオー
カスレンズ105を移動させるためのアクチユエータ、
110、111、112はそれぞれアクチユエータ10
7、108、109をシステム全体を制御する後述のシ
ステムコントロール回路119からの信号によつて駆動
するためのドライバー、113、114、115はそれ
ぞれズームレンズ102、絞り103、フオーカスレン
ズ105の機械的な位置を検出して電気信号に変換する
ための位置エンコーダで、113はズームエンコーダ、
114はアイリスエンコーダ、115はフオーカスエン
コーダである。116は撮像素子106の出力を所定の
レベルに増幅する増幅器、117は撮像素子116の出
力信号中より焦点検出に用いられる高域成分を抽出する
バンドパスフイルタ、118は撮像素子116の出力信
号レベルを用いて絞りの状態をコントロールする調整
器、119は本システム全体を総合的に制御するととも
にズームエンコーダ113、アイリスエンコーダ11
4、フオーカスエンコーダ115、バンドパスフイルタ
117の出力信号に基づいて、アクチユエータ107、
109をコントロールするシステムコントロール回路
で、マイクロコンピユータ(マイコン)によつて構成さ
れている。
【0017】図1のように構成されたカメラシステムに
おいては、一般にバンドパスフイルタ117の出力信号
レベルが最大となるようにフオーカスレンズ105を移
動させる事によつて自動焦点調節(AF)を行ってい
る。
【0018】図6は、ある被写体距離に置いた被写体に
対して、フオーカスレンズ105が移動した時のバンド
パスフイルタ117の出力信号レベルを示したものであ
る。図6において、曲線601と602は、それぞれ小
絞り時と絞り開放時のバンドパスフイルタ117の出力
信号レベル、603は合焦位置、604は合焦、非合焦
をシステムコントロール回路119が判別するためのし
きい値、605、606はそれぞれシステムコントロー
ル回路119が曲線601、602に対して合焦と判断
してフオーカスレンズを停止する範囲を示すものであ
る。図1のレンズ構成においては、フオーカスレンズが
ズームレンズの後方に配置されているために、焦点距離
の変化に対する被写界深度の変化は無視でき、絞りのみ
が被写界深度に影響を与える。したがつてここでは、焦
点距離の変化を考慮せずに、説明を行なう。同図から明
らかなように、小絞りになるほど被写界深度は大きくな
るので合焦時のフオーカスレンズ停止位置が合焦点位置
603に対して広範囲となり不確定となる。
【0019】図3は、絞り103の絞り量とシステムコ
ントロール回路119が合焦とみなしてフオーカスレン
ズ105を停止させる位置関係をさらに詳しく説明する
ものである。
【0020】図3は、図1に示すカメラシステムのワイ
ド端において、フオーカスレンズ105をそれぞれ∞端
と至近端からオートフオーカス動作にて合焦させた場合
のフオーカスレンズ停止位置を、絞り値を横軸にとつて
示したものである。曲線301、302はそれぞれ∞
端、至近端からオートフオーカス動作を行った場合の停
止位置を示し、303は曲線301と302の中間点を
プロツトしたものである。同図から明らかなように、3
01、302とも303を中心としてほぼ対称な曲線を
呈しており、図6を共に参照して明らかなように、30
3で示される位置が、被写体距離に対する真の合焦点の
近傍であるという事は確実である。
【0021】また、301、302間の距離は、絞り値
に対する被写界深度に対応している事になるので、30
1又は302の位置すなわちフオーカスレンズの位置と
被写界深度が明らかになれば、303を決定することが
できることになる。本発明はこの論理を利用して適切な
フオーカスレンズ制御を行うものである。
【0022】また実際の制御においては、フオーカスレ
ンズのそれぞれ∞端、至近端からの停止位置の軌跡30
1、302の中点の軌跡303と被写界深度との関係の
情報テーブルに格納しておき、被写界深度とフオーカス
レンズ105の位置情報に応じてフオーカスレンズの被
写界深度の範囲の中央となる位置を選択するようにする
と、演算を簡略化し、高速化をはかることができる。
【0023】図2は上記の結果により、被写界深度の変
化にかかわらず、フオーカスレンズ105を被写界深度
による合焦範囲の中心303の近傍に移動させるための
システムコントロール回路119内の制御プログラムの
フローチヤートを示したものである。
【0024】図2において、100はプログラム全体を
示し、S101はプログラムの開始を示す処理、S10
2は合焦か否かを判別する処理、S103はバンドパス
フイルタ115の出力信号レベルに基づくオートフオー
カス動作(AF)によつてフオーカスレンズ105を移
動させる処理、S104はS103で決定されたフオー
カスレンズ105の移動方向を取り込んで記憶する処
理、S105はフオーカスレンズ105を停止させ、そ
の停止位置を記憶する処理、S106はアイリスエンコ
ーダ114の出力信号を取り込む処理、S107はS1
05の処理を行なつた結果停止しているフオーカスレン
ズ105の位置とS106の処理の結果から被写界深度
の中心、すなわち図3の曲線303の位置を演算する処
理、S108はS104の処理の結果から、レンズ駆動
方向が至近方向からの合焦か無限方向からの合焦か、す
なわちフオーカスレンズ105が曲線301上にいるの
か302上にいるのかを判定し、曲線303に向けてフ
オーカスレンズ105を移動させる処理、S110はS
105と同様の処理、S109は曲線303上にフオー
カスレンズ105が到達したか否かを判定する処理、S
111はズームエンコーダ113とフオーカスエンコー
ダ115の出力から図17に示すズーム範囲を複数のゾ
ーンに分割したマツプから対応するゾーンを特定し、フ
オーカスレンズ105の移動速度を選択してズーミング
の準備を行なう処理、S112は上記のプログラムの終
了を示す処理である。
【0025】次にフオーカスレンズの動きを示す図4を
参照しながら、本発明の制御動作につき説明する。
【0026】S101で図2のプログラムがスタートす
ると、まずS102の処理で合焦状態にあるか否か、す
なわち図6に示す曲線601や602のレベルが、しき
い値604に達せず合焦していなければ、S103、S
104の処理を実行し、AF動作が行なわれる。この動
作を図4に示す。
【0027】図4はズームレンズ102の移動位置すな
わち焦点距離を横軸に、フオーカスレンズ105の移動
位置を縦軸にそれぞれとり、フオーカスレンズ105の
AF動作を説明するための図である。
【0028】同図において401は上述したように、あ
る焦点距離において、AF動作を行なつた場合における
フオーカスレンズの動きを示すものであり、S102の
処理において合焦と判断されると、S105の処理によ
つてフオーカスレンズ105は停止される。図4におい
て、402、405は被写界深度の幅を示すものであ
り、すなわちフオーカスレンズ105は402で示され
る位置に到達して停止されたことになる。このとき、フ
オーカスレンズ105は非合焦状態から合焦状態に至っ
ており、その位置は、図3において301、302の曲
線のいずれかの上に位置している。この場合、図4に示
すように、至近端から∞端側へとレンズが駆動されてい
るので、曲線302側に位置していることになる。
【0029】次にS106の処理でアイリスエンコーダ
114の出力値を読み取り、S107の処理でアイリス
エンコーダ114の値に対する被写界深度の中心404
すなわち曲線301と302の距離の中心を演算する。
この演算方法は、例えば表1に示すように、アイリスエ
ンコーダの各領域A〜B、B〜C、C〜D、…それぞれ
の出力値から絞り値FNOを特定し、データテーブルによ
つて被写界深度d1 ,d2 ,d3 ,…の中心を対応づけ
る方法がある。
【0030】
【表1】
【0031】次にS108、S109の処理でフオーカ
スレンズ105を図3における被写界深度の中心303
の位置、すなわち図4においては曲線404上に移動さ
せ、移動を完了したところでS110の処理を行なって
フオーカスレンズ105を停止させる。ここでS102
の処理からS110までの処理におけるフオーカスレン
ズの動作はすべて被写界深度すなわち図4においては、
402から405までの間における移動であり、撮像さ
れた映像としてはボケは生じることはほとんどない。ま
たこの状態においてズームレンズおよびフオーカスレン
ズ105に対応するズーム速度を図17に示す分割領域
から割り出して準備しておけば、ズーム動作のスタート
と同時に、被写体距離に対してほぼ正確な位置から正確
な速度でフオーカスレンズを駆動することができるの
で、フオーカスレンズを406で示す軌跡、すなわち各
ズームレンズ位置(焦点距離)における被写界深度の中
心に対応する合焦点を表わす軌跡をズーム動作中正確に
トレースさせることができ、被写界深度に拘らずズーム
動作中のボケの発生を防止することができる。
【0032】上述の実施例は、フオーカスレンズが非合
焦状態から合焦状態に移動する場合の制御動作について
説明したが、次に第2の実施例として、フオーカスレン
ズが被写界深度の範囲内を移動している際におけるフオ
ーカスレンズの制御について説明する。
【0033】図5は本発明の第2の実施例を示すフロー
チヤートである。また回路構成については、図1に示す
ブロツク図と同様であり、異なるのはシステムコントロ
ール回路119内における制御プログラムである。同図
において、S201は制御プログラムの開始を示す処
理、S202はズーームレンズ102が停止したか否か
を判別する処理、S203は合焦状態であるか否かを判
定する処理、S204はフオーカスレンズ105を至近
(又は∞)方向に移動させる処理、S205はバンドパ
スフイルタ117の出力が、図6において合焦点から曲
線の『山』を下り、合焦検出用のしきい値604に近付
いたか否か、すなわち非合焦状態に入る直前に至ったか
どうかを判別する処理、S206〜S211の処理は、
図2の第1の実施例のフローチヤートにおけるS105
〜S110の処理と同様であり、説明は省略する。S2
13は制御プログラムの実行終了を示すものである。ま
た同図においてS212(100)は、図2に示すS1
01〜S112の処理を行なうサブルーチンである。
【0034】S201でフローチヤートの制御動作の実
行が開始されると、まずS202でズームレンズ102
が停止しているかどうかを確認する。S202でズーム
レンズ102の停止が確認されると、203で合焦、非
合焦の判定処理が行なわれる。S203の処理におい
て、非合焦であればS212に示す100の処理すなわ
ち図2に示すフローチヤートのS101〜S112の処
理が実行され、合焦検出後被写界深度の中心へとフオー
カスレンズが移動される。この処理を実行後は、S21
1においてフオーカスレンズ105の停止位置を記憶し
て制御フローを終了する。
【0035】またS202の処理でズームレンズ102
が停止されたとき、合焦状態である場合、すなわち図4
において409に示すように、被写界深度の範囲407
〜408内をフオーカスレンズ105が移動している途
中でズームレンズ102が停止された場合には、S20
4以降の処理を実行し、フオーカスレンズ105を40
9から被写界深度の中心410に移動させる処理が行な
われる。
【0036】すなわちS204、S205において、焦
点電圧すなわちバンドパスフイルタ117の出力信号レ
ベルがしきい値604に至るまでフオーカスレンズ10
5を移動させる。焦点電圧値がしきい値604まで低下
したところで、S206でフオーカスレンズ105を停
止させ、そのときのフオーカスレンズ位置を記憶する。
さらにS207〜S210の処理によつて、図2に示す
第1の実施例と同様にフオーカスレンズを被写界深度の
中心410まで移動させ、S211で停止させる。
【0037】以上の制御動作により、フオーカスレンズ
が被写界深度内のどこにあつても映像にぼけを生じさせ
ることなく、被写体距離に対応した真の合焦点位置すな
わち図4における軌跡406上にフオーカスレンズを位
置させることができるため、次のズーム動作をスタート
する際には、始めから正確に被写体距離に対応する合焦
軌跡上をトレースさせることができ、ズーム動作にした
がつて合焦状態をはずれ、ボケを生じる不都合を防止す
ることができる。
【0038】このように、本発明におけるカメラによれ
ば、被写界深度にかかわらず、ズーム動作中にトレース
すべきその被写体距離に応じた曲線上に、常に正確にフ
オーカスレンズを位置させることができるため、ズーム
動作開始時より前記曲線上を正確にトレースさせること
ができる、ボケを生じることなく、良好なズーム動作を
行なうことができる。
【0039】図7は本発明における第3の実施例を示す
フローチヤートであり、システムのハード構成は図1の
ブロツク図と同様であり、異なるのはシステムコントロ
ール回路119内の制御プログラムである。
【0040】同図において、S301は本実施例におけ
るプログラムの実行を開始するステツプ、ステツプS3
02〜S307の処理は図2に示すフローチヤートにお
けるステツプS102〜107と同一の処理を行なうも
のである。
【0041】S308は本実施例において、合焦状態に
おけるフオーカスレンズとズームレンズの位置から被写
体距離,焦点距離を判別し、図16に示す複数の合焦軌
跡の中から1つの軌跡を特定する処理を行なうプログラ
ムである。この軌跡の特定の仕方は、計算または予めメ
モリに記憶された軌跡データの読み込みによるものとす
る。そしてステツプS308の処理を実行することによ
つて、ズームレンズの位置に対するフオーカスレンズの
位置が一意的に記憶される。
【0042】またS309の処理は図5のステツプS2
02と同様に、ズーム動作が停止されているか否かを判
別するものである。
【0043】S310はズームエンコーダ113の出力
により、ズームレンズ102の移動位置を取り込む処理
を行なうステツプ、S311はステツプS308で記憶
した特定の合焦軌跡に相当するデータのうち、S310
の処理によつて取り込まれたズームレンズ102の位置
に対応したフオーカスレンズ105の位置を読み出す処
理、S312はズームレンズの駆動方向を確認する処
理、S313はフオーカスレンズの移動方向が深度の方
向に向かっているか否かを判別する処理、S314はフ
オーカスレンズ105を停止する処理、S315はフオ
ーカスレンズ駆動速度として補正速度を選択する処理、
S316はズームレンズを駆動する処理、S317はS
314またはS315で選択された速度でフオーカスレ
ンズを駆動する処理、S318はズームエンコーダーか
らのズームレンズ102の位置情報を取り込む処理、S
319はフオーカスレンズ105の位置を取り込む処
理、S320はフオーカスレンズとズームレンズの位置
から図17で説明した速度または図4に示した合焦軌跡
406をトレースする速度をメモリから取り出し、フオ
ーカスレンズを合焦軌跡406上に移動すべく補正また
は停止の速度を選択する処理、S321はS320の処
理における補正動作が完了し、フオーカスレンズが合焦
軌跡406上に到ったか否かを判別する処理、S322
はフオーカスレンズ駆動速度を、ズームレンズ位置及び
フオーカスレンズ位置情報に基づいて図17のマツプよ
り選択される基準フオーカスレンズ駆動速度に切り換え
る処理を行なうステツプである。
【0044】またS323〜S326の処理は、S31
6〜S319と同一の処理を行なうステツプで、S32
7は図17のマツプすなわちメモリより、フオーカスレ
ンズ及びズームレンズ位置に基づいて、フオーカスレン
ズ駆動速度を選択し、取り出す処理を行なうステツプで
ある。
【0045】本実施例では、上述したように、特にフオ
ーカスレンズを深度の中心に移動させずに、ズーム動作
を行ないながら図16の合焦軌跡のうち被写体距離に対
応した軌跡にフオーカスレンズを近付けようとするもの
である。
【0046】いまステツプS301で制御動作をスター
トすると、図2と同様にしてステツプS302,S30
3,S304で被写体に対して合焦するようフオーカス
レンズ位置が調整され、レンズ駆動方向も記憶される。
【0047】ステツプS302で合焦と判定されると、
ステツプS305でフオーカスレンズが停止され、その
時のフオーカスレンズ位置が記憶される。次にステツプ
S306でアイリスエンコーダの値を取り込み、S30
7で前述の実施例で説明した方法と同様にして、深度の
中心を割り出し、ステツプS308において、ステツプ
S307で求めた深度の中心を通る合焦軌跡を特定し、
ズームレンズ位置に対応した値としてこの軌跡データを
記憶する。図8に示す軌跡406がステツプS308に
おける軌跡予測値である。また図8における801,8
02は深度の幅である。
【0048】続いてステツプS309へと進み、ズーム
動作命令が発せられるのを待ち、ズーム動作命令が発せ
られた場合には、ステツプS310においてズームレン
ズ位置情報を取り込み、ステツプS311でステツプS
308にて記憶したデータの中からステツプS310で
取り込んだズームレンズ位置に対応する軌跡予測値を取
り込む。またステツプS312ではズームレンズ駆動方
向がテレ(T)→ワイド(W)か、W→Tかが判別され
る。
【0049】そして図8に示すように、深度の∞端側の
805で示す位置にフオーカスレンズが位置し、かつ合
焦と判断されており、かつステツプS312でW→T方
向へのズーム動作が確認されると、フオーカスレンズを
停止したままズーム動作を実行する。これによつてフオ
ーカスレンズが相対的に合焦軌跡406に近付くことに
なる。
【0050】また逆に、たとえばフオーカスレンズがワ
イド端で、図8において802で示される深度の至近端
位置にあるとすると、合焦軌跡406はフオーカスレン
ズの位置から遠ざかる方向であるため、ズーム動作を行
ないながら合焦軌跡406上にフオーカスレンズを移動
させるためには、合焦軌跡406をトレースするよりも
大きい速度をフオーカスレンズ移動速度として設定し、
ズーム動作を開始する必要がある。したがつて、フオー
カスレンズが停止したままズーム動作を開始すると、図
7のステツプS313において、フオーカスレンズが深
度の中心に向かう方向に移動しているのか否かが判別さ
れ、中心に向かうのであればステツプS314でフオー
カスレンズを停止し、中心から遠ざかるのであればステ
ツプS315においてフオーカスレンズに補正速度を与
える。補正速度としては例えば合焦軌跡406をトレー
スする速度のn倍または1/n(nは整数)を選択し、
S313の判別方法は、たとえばフオーカスレンズが合
焦軌跡406より前ピン側にあるのか、後ピン側にある
のか、及びズーム方向によつて合焦軌跡406が前ピン
側に移動するのか、後ピン側に移動するのかで決定され
る。
【0051】以上の設定を行ない、ステツプS316,
S317でズームレンズの駆動を開始する。
【0052】ズーム動作中は、ステツプS318,S3
19でズームレンズ位置とフオーカスレンズ位置を常に
監視し、ステツプS320においてフオーカスレンズを
合焦軌跡406に近付けるべく、フオーカスレンズを停
止するのか、補正速度で移動させるかを選択し、フオー
カスレンズ駆動速度を決定する。
【0053】ステツプS321で補正が完了したと判断
されると、ステツプS322で前記の補正動作用の速度
成分を含まないフオーカスレンズ速度に切り換えられ
る。すなわちフオーカスレンズの位置から、合焦軌跡4
06をトレースする速度を、図17に示す分割領域に対
応して構成されたメモリから取り出す。
【0054】次にステツプS323,S324でズーム
動作を続行し、ステツプS325,S326,S327
を経て合焦軌跡406をトレースするフオーカスレンズ
駆動速度をメモリから取り出し、S328でズーム動作
が終了されるまでズーム動作を継続する。
【0055】以上のアルゴリズムにより、図8における
803,804に示されるように、フオーカスレンズが
ズーム動作中、深度内を移動しながら被写体距離に対応
した合焦軌跡に近付き、これをトレースすることが可能
となる。
【0056】図9は本発明における第4の実施例を示す
フローチヤートであり、システムコントロール回路11
9内に格納されたプログラムのフローチヤートであり、
装置の回路構成自体は図1と同様である。
【0057】本実施例は、フオーカスレンズが深度内の
任意の位置で、合焦状態で停止している場合、ズーム動
作の開始後、ズームレンズの駆動を継続しながら被写体
距離に対応した合焦軌跡を特定し、この合焦軌跡にフオ
ーカスレンズを近付ける方法を示したものである。
【0058】図10に、本実施例を実行したときの、フ
オーカスレンズの動作を示す。フオーカスレンズが、ワ
イド端で深度内の位置1000にあるときから、本実施
例が実行される。
【0059】図9において、ステツプS401で、プロ
グラムの実行が開始されると、ステツプS402でズー
ムレンズが停止しているか否かを判別する。ステツプS
402でズームレンズの停止が確認されると、ステツプ
S403でズームレンズ位置(図10ではワイド側)が
取り込まれ、さらにステツプS404で図10に示すフ
オーカス位置(1000)の情報が取り込まれる。次に
ステツプS405で、上記ズームレンズ及びフオーカス
レンズの位置に対応したフオーカスレンズ駆動速度が、
図17の速度マツプを記憶しているメモリから読み出さ
れる。この速度は、フオーカスレンズ位置1000が合
焦軌跡406上にないことから、合焦軌跡406をトレ
ースする速度とは異なっており、図10では合焦軌跡4
06より前ピン側に移動する速度として描かれている。
ステツプS407で選択した速度でフオーカスレンズを
駆動しながらズーム動作を継続すると、図10に100
4で示したごとく、フオーカスレンズが深度外へと逸脱
し、ボケ始めるという現象が生じる。この現象をステツ
プS408で焦点電圧の低下として捉え、合焦から非合
焦となる現象が生じ始めたら、ステツプS409で、そ
の時点におけるアイリスエンコーダの値を取り込む。ズ
ームエンコーダによるズームレンズ位置とフオーカスエ
ンコーダによるフオーカスレンズ位置は、ステツプS4
02からステツプS408に至るループの中で、常に検
出しているので、これらとステツプS409の結果によ
つて、ステツプS410で深度の中心を演算して割り出
す。
【0060】深度の中心が割り出されれば、この中心を
通る合焦軌跡は一意的に決定されるので、これをステツ
プS411で選択し、ステツプS412でズームレンズ
位置に対応した値として記憶する。
【0061】ズーム動作中は、ズームレンズ、フオーカ
スレンズとも、刻々と位置を変えている。そこで、ステ
ツプS413、ステツプS414で常にこれらのレンズ
の位置を監視し、ステツプS415で、ステツプS41
2の記憶データの中からズームレンズ位置に対応したフ
オーカスレンズの、深度の中心を通るであろう予測位置
を読出す。ステツプS416では、ステツプS414で
取り込んだフオーカスレンズ位置と、ステツプS415
で取り込んだフオーカスレンズ予測位置を比較し、フオ
ーカスレンズが予測位置に十分近付いたか否かを確認す
る。
【0062】深度を逸脱した当初は、フオーカスレンズ
駆動速度としてステツプS405で選択された値が入っ
ているので、図10の1002で示す通り、フオーカス
レンズ駆動速度は補正がかかつていない。
【0063】ステツプS416でフオーカスレンズの位
置が十分補正されていないと判別されると、ステツプS
417で、フオーカスレンズを合焦軌跡406に近付け
る速度が選択され、フオーカスレンズはその駆動速度が
補正され、1003で示すように動き方を変える。ステ
ツプS417で補正速度が選択された後、ステツプS4
18、ステツプS419が実行され、ズーム動作は継続
する。
【0064】この補正動作は、ステツプS420でズー
ム動作停止が確認されるまで実行され、その途中、ステ
ツプS416で補正が完了したとみなされると、ステツ
プS402にプログラムがジヤンプし、以後同じ動作が
くり返し行なわれる。
【0065】以上のようにして、ズーム動作の開始前に
フオーカスレンズが深度内の任意の点にあつても、違和
感あるボケを生じさせずにズーム動作を行ないながら被
写体距離に対応した合焦軌跡を選択し、これにフオーカ
スレンズを近付け、良好なズーム動作を行なうことが可
能となる。
【0066】図11は、本発明の第5の実施例における
構成図であり、図1に示すブロツク図と同等の機能を有
するブロツクには、同一の符号を付してある。
【0067】同図において、1401,1402,14
03はそれぞれ光軸と並行に移動するレンズ群であつ
て、1401はフオーカシングを行なう第1のレンズ群
(フオーカスレンズ)、1402は変倍を行なう第2の
レンズ群(ズームレンズ)、1403はズームレンズ1
402の移動によつて生じる焦点面の移動を補正する第
3のレンズ群(コンペンセータレンズ)、1404は撮
像面106に正確に像を結ばせるために設けられた固定
の第4のレンズ群(結像レンズ)、1405はレンズの
駆動制御を行なうマイクロコンピユータよりなるシステ
ムコントロール回路、1406、1407はそれぞれフ
オーカスレンズ1401、ズームレンズ群を所定の連動
関係に保つカム環1412を駆動するためのアクチユエ
ータ、1408と1409は、システムコントロール回
路1405からの駆動命令によつて、それぞれ1406
と1407に駆動電力を供給するドライバ、1410、
1411は、フオーカスレンズ1401、カム環141
2の位置情報を検出するフオーカスエンコーダ、ズーム
エンコーダ、またカム環1412は、1402と140
3を連動して光軸と並行に移動させるための機械的なカ
ム環である。
【0068】次に図11のシステムにおいて、その光学
系を制御するための、システムコントロール回路140
5内のプログラムのフローチヤートを図12を用いて説
明する。
【0069】図12において、500は本実施例におけ
るシステムコントロール回路1405内の処理ルーチン
全体を示すもので、S501はプログラムの実行開始を
示す処理、S502は合焦、非合焦を判定する処理、S
503,S504はオートフオーカス動作を行なうとと
もに、レンズの移動方向を記憶する処理、S505はズ
ーム動作を禁止する処理、S506はフオーカスレンズ
を停止し、その時のフオーカスレンズの位置をフオーカ
スエンコーダ1410から読み取って記憶する処理、S
507はアイリスエンコーダの出力から絞り値を取り込
む処理、S508はズームレンズの位置をズームエンコ
ーダ1411から読み取って記憶する処理を行なうステ
ツプである。
【0070】ところで、図11に示される第1のレンズ
群を駆動する前玉フオーカスレンズシステムでは、フオ
ーカスレンズがバリエータレンズ(ズームレンズ)と称
されるレンズ群1402の前部に置かれているため、ズ
ームレンズの位置が変化するにつれて敏感度も図14の
ように変化する。すなわち、第1のレンズ群の移動量に
対するデフオーカス量が焦点距離に応じて変化するとい
う現象が生じ、同じ移動量フオーカスレンズを移動して
も、その時の焦点距離によつてボケの変化量が異なる
(第1、第2、第3、第4の実施例は、フオーカスレン
ズがバリエータの後にあるインナーフオーカスタイプの
レンズシステムに対するものであるため、敏感度はほぼ
一定であり、敏感度を特に考慮せずに説明した)。
【0071】S503で行なわれるAFアルゴリズムの
動作において、合焦と判断する深度の幅を撮像面上の最
大錯乱円径δに直して、1401の合焦範囲での移動量
xを求めると、焦点距離に対する敏感度Sと絞り値FNO
の2つの要因より、以下に示す(1)式のようになる。
【0072】 x=(FNO/S)×δ ……… (1) 表2は、(1)式をもとに、焦点距離とFNOに応じて変
化するフオーカスレンズの合焦深度内の移動量を表わし
た一例である。この表では、フオーカスレンズの移動量
を距離環の周長に換算して表現した。また表2は、距離
環の最大回転角度に対する周長がたとえば157mmの
レンズを想定して作成したものであり、計算上、周長が
157mmを越えるもの(表中*印のデータ)に対して
は、すべて157mmとして表わしている。
【0073】
【表2】
【0074】S507,S508の処理の結果から、表
2を用いてS509において合焦と判定できる第1のレ
ンズ群の回転範囲が決定される。
【0075】S510は、S509の処理の結果が距離
環の最大回転範囲より小さいか否かを判別する処理、S
511は深度の中心に対応する距離環の位置を割り出す
処理、S512は距離環の全回転範囲の中心を設定する
処理、S513はS511またはS512の処理の結
果、設定された位置にフオーカスレンズ1401を移動
させる処理、S514はS513の移動が完了したか否
かを判定する処理、S515はS505にて禁止されて
いたズーム動作を許可する処理、S516は図示されて
いないズームスイツチが押圧され、ズーム命令が出力さ
れたときに、ズーム動作を開始する処理、S517は本
制御プログラムの実行を終了する処理である。
【0076】いまS501でレンズ制御動作を、開始す
ると、S502で合焦、非合焦が判定され、合焦してい
なければ、上述の第1の実施例と同様に、S503、S
504の処理を実行してAF動作を行ない、フオーカス
レンズの移動方向が記憶される。
【0077】S502で合焦と判定された場合には、S
505へと進んでズーム動作を禁止し、S506でフオ
ーカスレンズの駆動停止と位置の記憶が行なわれる。
【0078】さらにS507、S508において絞り値
とズームレンズ位置に対する焦点距離情報が取り込ま
れ、これらの情報をもとにして、S509で深度に対す
る距離環の回転量を確定する。
【0079】S509の処理の結果、距離環の回転量が
全回転量より小さければ、S511で現在のフオーカス
レンズ位置を基準として深度の中心を割り出す。またS
509の演算処理の結果が全回転量と等しければ、すな
わち表2で*印のついたデータであれば、深度の中心を
割り出さずに、S512で全移動範囲の中心を設定す
る。次にS513で、設定された位置にフオーカスレン
ズを移動し、S514で移動の完了を確認する。
【0080】S509の処理の結果、表2の*印のデー
タが選別されていない場合、上記の処理によつてフオー
カスレンズ1401は深度の中心にほぼ近い位置(すな
わち被写体距離に対応した前玉位置)に移動する。また
*印のデータをS509で選別した場合、表2から明ら
かなように、焦点距離がテレ側に変化してもフオーカス
レンズ移動範囲は比較的大きく、フオーカスレンズを全
移動範囲の中心に設定しておけば、深度をはずれる可能
性は低く、ボケを生じることはない。
【0081】以上の処理を行なった後は、S515でズ
ーム動作を許可し、S516でズーム命令を待機し、本
制御プログラムの動作を終了する。
【0082】以上の処理を実行することにより、ズーム
動作中に深度が変化しても、フオーカスレンズは常に深
度の中心付近に存在することになるので、ワイドからテ
レ、テレからワイドどちらの方向にズーム動作を行なっ
てもボケを生じることはなく、良好なズーム動作を行な
うことが可能となる。
【0083】次に本発明における第6の実施例について
説明する。
【0084】図13は本発明におけるレンズ制御装置の
第6の実施例を示すもので、フオーカスレンズが深度内
で合焦状態にて停止している場合、深度の中心位置を割
り出してズームをスタートさせる方法を説明するための
フローチヤートである。なお回路構成は図11のものと
同様である。
【0085】同図において、S603,S604の処理
は、第5の実施例である図12のフローチヤートにおけ
る処理ステツプS502,S505と同様であり、S6
07〜S617の処理は、同じく図12のS506〜S
516の処理と同様である。図13において、S601
は本フローチヤートに示す制御動作の実行を開始する処
理、S602はズーム動作が行なわれているか否かを判
別する処理、S605はフオーカスレンズ1401を至
近(または無限∞)方向に移動させる処理、S619は
本実施例の動作を終了する処理ステツプ、またS618
の処理は、図12のフローチヤートに示す一連の処理5
00を実行するルーチンである。 同図において、S6
01で制御をスタートすると、S602でズーム動作中
であるか否かを判定し、ズームレンズが停止しているこ
とが確認されると、S603で合焦状態にあるか否かを
判定する。非合焦と判定された場合には、S618の処
理すなわち図12のフローチヤートに示す処理を実行
し、第5の実施例において説明した方法にしたがい、フ
オーカスレンズを深度または全移動範囲の中心に移動さ
せる。
【0086】S603で合焦と判定された場合には、S
604へと進み、深度内にあるフオーカスレンズを深度
の境界へ移動させるべく、至近または無限方向に移動さ
せる。深度の境界にフオーカスレンズが到達すると、図
4及び図9の第4の実施例において説明したように、焦
点電圧が低下するので、これをS606で検出する。そ
して、S607においてフオーカスレンズを停止し、そ
の時点における停止位置を記憶する。さらにS608、
S609を実行して絞り値とズームレンズ位置に関する
情報を取り込む。
【0087】S610以降は、S611〜S615の処
理を実行し第5の実施例と同様にしてフオーカスレンズ
を深度または全移動領域の中心に移動する。続いてS6
16でズーム動作を許可し、S617でズームレンズ駆
動命令を待機してプログラムの実行を完了する。
【0088】以上の処理を行なうことにより、フオーカ
スレンズが深度の中の任意の点にあつても、深度の中
心、すなわち被写体距離に対応した前玉位置のほぼ近く
に、フオーカスレンズを移動させることが可能なので、
ワイドからテレ、テレからワイドいずれの方向にズーム
動作を行なっても、ボケを生じることなく良好なズーム
動作を行なうことができる。
【0089】
【発明の効果】以上述べたように、本発明におけるレン
ズ制御装置によれば、合焦したときの深度幅と、被写体
距離に対する深度の境界をフオーカスレンズの位置に対
応して検出することにより、 1) ズーム開始前に、深度に関係なく被写体距離に対
応したフオーカスレンズの位置を予測すること。
【0090】2) ズーム開始前に、フオーカスレンズ
を深度の中心へと移動すること。
【0091】3) ズーム動作中に深度の境界を検出し
て、フオーカスレンズの被写体距離に対応した位置を予
測すること。
【0092】等が可能となり、深度に影響されず、また
ズーム中か否かにかかわらずに被写体距離に対応したフ
オーカスレンズ位置にフオーカスレンズを移動させ、ワ
イドからテレ、テレからワイドいずれの方向のズームに
おいても、ボケを生じることなく変倍動作を行なうこと
ができるという作用効果を有する。
【0093】さらに本発明によれば、合焦状態からボケ
たことを検出してフオーカスレンズが深度の境界に存在
していることを検出するので、ズーム中に深度を逸脱す
る事を積極的に利用して、深度内の領域を迷走すること
がなく、深度の中心へと確実に復帰できるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるカメラをビデオカメラに適用し
た場合の一実施例を示すブロツク図である。
【図2】本発明におけるカメラの図1の実施例の制御動
作を示すフローチヤートである。
【図3】被写界深度と合焦可能範囲の関係を示す特性図
である。
【図4】レンズの焦点距離に対するフオーカスレンズの
合焦動作を説明するための特性図である。
【図5】本発明におけるカメラの第2の実施例における
動作を示すフローチヤートである。
【図6】フオーカスレンズ位置に対する焦点電圧の変位
を示す特性図である。
【図7】本発明におけるフオーカスレンズ速度制御アル
ゴリズムの第3の実施例を示すフローチヤートである。
【図8】図10におけるフローチヤートに基づいたズー
ムレンズとフオーカスレンズの制御動作を説明するため
の図である。
【図9】本発明におけるフオーカスレンズ速度制御アル
ゴリズムの第4の実施例を示すフローチヤートである。
【図10】図12におけるフローチヤートに基づいたズ
ームレンズとフオーカスレンズの制御動作を説明するた
めの図である。
【図11】本発明におけるカメラをビデオカメラに適用
した場合の第5の実施例を示すブロツク図である。
【図12】本発明におけるカメラの第5の実施における
フオーカスレンズ速度制御アルゴリズムを示すフローチ
ヤートである。
【図13】本発明におけるフオーカスレンズ速度制御ア
ルゴリズムの第6の実施例を示すフローチヤートであ
る。
【図14】ズームレンズと敏感度の関係を示す特性図で
ある。
【図15】一般的なインナーフオーカスレンズシステム
の構成(a)及び前玉フオーカスレンズシステムの構成
(b)を示す図である。
【図16】ズームレンズによる焦点距離の変化に対して
合焦状態を保ちながら追従するためのフオーカスレンズ
の軌跡を示す特性図である。
【図17】ズームレンズの移動範囲を複数のゾーンに分
割し、その各ゾーンに代表されるフオーカスレンズ移動
速度を割り当てた状態を示す図である。
【符号の説明】
102 ズームレンズ 103 絞り 105 フォーカスレンズ 106 撮像素子 107〜109 アクチュエータ 110〜112 ドライバ 113 ズームエンコーダ 114 アイリスエンコーダ 115 フォーカスエンコーダ 116 増幅器 117 バンドパスフィルタ 118 アイリス調整器 119 システムコントロール回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 5/232 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変倍光学系を含む撮影光学系と、 前記撮影光学系によつて結像された被写体像を光電変換
    して撮像信号を出力する撮像手段と、 前記撮像信号中より検出された焦点状態に応じた信号に
    基づいて前記撮影光学系の焦点調節を行なう焦点調節手
    段と、 被写界深度を検出する第1の検出手段と、 前記焦点調節手段の移動位置を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1の検出手段の出力と前記第2の検出手段の出力
    に基づいて、前記焦点調節手段の合焦とみなすことので
    きる移動範囲を決定する演算手段と、 前記演算手段によつて演算された前記移動範囲内の特定
    の位置あるいはその近傍に前記焦点調節手段を移動させ
    てから前記変倍光学系の移動を開始する制御手段と、を
    備えたことを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記制御手段は、前
    記焦点調節手段の前記移動範囲内の特定の位置への移動
    を、前記変倍光学系の移動中に実行可能に構成されてい
    ることを特徴とするカメラ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記特定の位置は、
    前記移動範囲内の中心であることを特徴とするカメラ。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記移動範囲内の前
    記特定の位置は、任意に選択された被写体距離に対し
    て、前記撮像面で合焦する位置に設定されていることを
    特徴とするカメラ。
  5. 【請求項5】 変倍光学系を含む撮影光学系と、 前記撮影光学系によつて結像された被写体像を光電変換
    して撮像信号を出力する撮像手段と、 前記変倍光学系の動作に伴う焦点面の変位を補正すると
    ともに、前記撮像信号中より検出された焦点状態に応じ
    た信号に基づいて前記撮影光学系の焦点調節を行なう焦
    点調節手段と、 被写界深度を検出する第1の検出手段と、 前記焦点調節手段の移動位置を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1の検出手段の出力と前記第2の検出手段の出力
    に基づいて、前記焦点調節手段の合焦とみなすことので
    きる移動範囲を決定する演算手段と、 前記変倍光学系の移動とともに、前記演算手段によつて
    演算された前記移動範囲内の特定の位置あるいはその近
    傍に前記焦点調節手段を移動する制御手段と、を備えた
    ことを特徴とするカメラ。
  6. 【請求項6】変倍光学系を含む撮影光学系と、 前記撮影光学系によつて結像された被写体像を光電変換
    して撮像信号を出力する撮像手段と、 前記撮像信号中より検出された焦点状態に応じた信号に
    基づいて前記撮影光学系の焦点調節を行なう焦点調節手
    段と、 絞りの状態と前記撮影光学系の敏感度から被写界深度を
    検出する第1の検出手段と、 前記焦点調節手段の移動位置を検出する第2の検出手段
    と、 前記第1の検出手段の出力と前記第2の検出手段の出力
    に基づいて、前記焦点調節手段の合焦とみなすことので
    きる移動範囲を決定する演算手段と、 前記演算手段によつて演算された前記移動範囲内の特定
    の位置あるいはその近傍に前記焦点調節手段を移動させ
    てから前記変倍光学系の移動を開始する制御手段と、を
    備えたことを特徴とするカメラ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010010796A (ko) * 1999-07-22 2001-02-15 조재섭 키토산 성장촉진제를 이용한 김의 재배법
JP2010164680A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Canon Inc レンズ制御装置、光学機器及びレンズ制御方法
JP2014174362A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Canon Inc レンズ装置及びそれを有する撮影装置

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