JPH06187050A - 鋼板の非接触制振装置 - Google Patents

鋼板の非接触制振装置

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JPH06187050A
JPH06187050A JP4353954A JP35395492A JPH06187050A JP H06187050 A JPH06187050 A JP H06187050A JP 4353954 A JP4353954 A JP 4353954A JP 35395492 A JP35395492 A JP 35395492A JP H06187050 A JPH06187050 A JP H06187050A
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Kazuhiro Tsukuda
和弘 佃
Koji Kameda
浩二 亀田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 鋼板表面のメッキ処理、焼鈍等の表面処理・
加工を連続して行なう鋼板の連続処理ラインにおいて、
板厚・張力等の運転条件変化により鋼板振動の周波数が
変化しても制振性能の劣化を防ぎ所定の振動以下に振動
を低減できる非接触制振装置を得る。 【構成】 フロータあるいはロール2,3の間には、電
磁石5a,5bが鋼板1に対向して配設され、ほぼ同じ
位置に変位計4が設置される。変位計4は演算器,制御
演算装置,状態量演算装置,記憶装置及び電磁石駆動装
置よりなる制御装置6に接続され、鋼板振動による鋼板
変位から演算した内部状態量と鋼板変位をもとに、励磁
電流指令値を決定し、電磁石駆動装置に入力し、鋼板の
位置が設定位置となるように電磁石5a,5bに励磁電
流を出力し、鋼板1の振動を電磁力を用いて非接触で低
減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板表面のメッキ処
理、焼鈍等の表面処理・加工を連続して行なう鋼板の連
続処理ラインに適用される鋼板の非接触制振装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】連続鋼板処理ラインにおいては、板厚約
0.5〜5mm,板幅約700〜1900mmの鋼板を
搬送させながら熔融亜鉛メッキや焼鈍などの表面処理、
加工を行なっているが、走行搬送される鋼板を乾燥・冷
却するための冷却風や機械系のガタ等により搬送中の鋼
板が振動すると鋼板表面にメッキむらや傷が発生し、製
品の品質が低下する。
【0003】この振動を低減する従来技術に係わる非接
触制振装置を図5,図6に示す。図5は従来の非接触制
振装置の概略構成図、図6は同装置における制御回路を
示すブロック図である。
【0004】図5に示すように鋼板1は、鋼板処理ライ
ン上に適宜間隔を置いて配置された2個のフロータある
いはロール2,3を介して矢印の方向に搬送されてい
る。
【0005】これら2個のフロータあるいはロール2,
3の間には電磁石5a,5bが走行搬送される鋼板1の
面に対向して配置され、またこれら電磁石5a,5bと
ほぼ同じ位置に冷却風や機械のガタにより発生する鋼板
振動変位を測定する変位計4が設置されている。
【0006】変位計4からの鋼板変位信号は図6に示す
制御装置16に入力され、減算器7によって、別に入力
された鋼板1の位置設定値から減算され、P・I・D
(比例・積分・微分)演算器17を経て、電磁石駆動装
置11に入力される。
【0007】この結果、電磁石駆動装置11は、鋼板の
位置が正しい設定位置になるように電磁石5a,5bに
励磁電流を出力し、鋼板1の振動を電磁力を用いて非接
触で低減している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の従来
技術においては、P・I・D演算器17の比例ゲイン;
積分ゲイン,微分ゲインが一定であるため、板厚,板
幅,張力等の運転条件変化には対応できない。すなわ
ち、ある運転条件では振動を低減できても他の運転条件
では振動を低減できないため、製品にメッキむらができ
る等の品質低下をまねく不具合があった。
【0009】本発明は、上記不具合点を解消し、運転条
件が変化しても鋼板の振動を低減させることを可能とし
た新たな鋼板の非接触制振装置を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の構成として本発明の鋼板非接触制振装置は、鋼板表面
のメッキ処理や焼鈍等の表面加工・処理を連続的に行な
う連続鋼板処理ラインにおいて、該処理ライン上に適宜
間隔をおいて配置した鋼板搬送用ロールあるいはフロー
タ間に、走行搬送される鋼板に対向して配置された電磁
石と、該電磁石と同一位置に鋼板と対向して設けられた
変位計と、該変位計からの変位量を信号として入力し、
予め入力された鋼板の位置設定値から減算する減算器
と、該減算器からの信号及び後述の記憶装置からの信号
を入力し、鋼板の振動変位を低減するための励磁電流指
令値を出力する制御演算装置と、前記減算器からの信号
を入力し内部状態量を演算する状態量演算装置と、該状
態量演算装置からの信号を記憶しておく記憶装置と、前
記制御演算装置からの信号を入力し前記電磁石を駆動す
るための電磁石駆動装置とを具備したことを特徴として
いる。
【0011】
【作用】上述のように構成した本発明の鋼板非接触制振
装置は、電磁石と変位計を用いて鋼板処理ラインを走行
する鋼板の振動を非接触で制振する装置において、冷却
風や機械のガタ等に起因して発生する鋼板振動による鋼
板変位を変位計で測定し、該変位計の信号を制御装置に
入力し、該制御装置内で前記鋼板変位から演算した内部
状態量と鋼板変位をもとに励磁電流指令値を決定し、電
磁石駆動装置に入力し、この結果電磁石駆動装置は、鋼
板の位置が設定位置となるように電磁石に励磁電流を出
力し、鋼板の振動を電磁力を用いて非接触で低減する。
【0012】さらに、板厚・張力等の運転条件が変化し
ても制振性能が劣化せず、鋼板振動との振幅を所定の振
幅以下に抑えることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面により本発明の1実施例について
説明する。図1は本発明の1実施例に係わる非接触制振
装置の構成図、図2は同装置における制御回路のブロッ
ク図、図3及び図4は同装置による制振性能の比較説明
図である。
【0014】図1において1は鋼板処理ラインに沿って
搬送される鋼板、2及び3は同処理ライン上に間隔を置
いて配置されたフロータあるいはロールで、鋼板1は該
フロータあるいはロール2,3を介して矢印方向に搬送
される。
【0015】これらフロータあるいはロール2,3の間
には、前述の従来装置と同様に電磁石5a,5bが鋼板
1に対向して配設されると共に、そのほぼ同じ位置に変
位計4が設置される。
【0016】変位計4は制御装置6に接続されており、
該制御装置6は、図2に示すように減算器7,制御演算
装置8,状態量演算装置9,記憶装置10及び電磁石駆
動装置11で構成されている。
【0017】次に図2に示す制御回路ブロック図により
本装置の動作について説明する。
【0018】冷却風や機械のガタ等に起因して発生する
鋼板振動による鋼板位置の変化は変位計4により測定さ
れ、該変位計4の信号は制御装置6に入力され、同制御
装置内の減算器7によって、別に入力された鋼板1の位
置設定値から減算され、鋼板の位置偏差u(i) が求めら
れる。
【0019】この位置偏差信号u(i) 及び後述の記憶装
置10に記憶されている内部状態量X(i) は制御演算装
置8に入力され、次に示す(1)式を用いて励磁電流指
令値y(i) を決定する。
【0020】 y(i) =C・X(i) +d・u(i) ……(1) ここで、X(i) はn次元ベクトル,、Cは1行n列の行
列、dは定数であり、(i)は現在時刻の値を表わす。
【0021】この励磁電流指令値y(i) は電磁石駆動装
置11に入力され、電磁石5a,5bに励磁電流が出力
される。
【0022】また、位置偏差信号u(i) は状態量演算装
置9にも入力され、次に示す(2)式を用いて1サンプ
リング後の状態量X(i+1) を予測し、記憶装置10に記
憶させる。
【0023】 X(i+1) =A・X(i) +B・u(i) ……(2) ここで、Aはn行n列の行列、Bはn行1列の行列であ
る。
【0024】なお、(1),(2)式におけるn,A,
B,C,dは例えばH∞最適制御理論を用いて決定す
る。
【0025】以上の結果、鋼板1の振動を電磁石を用い
て非接触で低減できる。
【0026】次に、図3及び図4により本発明の制振性
能の効果を説明する。図3は、鋼板に正弦波状の加振力
が加わった場合の鋼板振動の大きさを示したもので、縦
軸は加振力の振幅に対する鋼板変位の振幅の比、横軸は
周波数である。
【0027】図に実線で示す本発明の振幅比13は、点
線で示す従来装置の振幅比12に比べ、全ての周波数で
小さくなっており、この結果、図4に示すように鋼板の
振動変位を従来の点線で示す14から実線で示す15に
低減することができる。
【0028】また、周波数変化に対する振幅比の変化率
は図3に示すように本発明の振幅比13の方が従来装置
の場合の振幅比12よりも小さいことから、板厚,張力
等の運転条件変化にともなう鋼板の固有振動数変化に対
して、制振性能があまり変化せず鋼板振動の振幅を一定
値以下に抑えることができる。
【0029】以上本発明の1実施例につき縷々説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、本発
明技術思想の範囲内において種々設計変更し得るもので
あり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に属するも
のであることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】本発明の鋼板非接触制振装置によれば、
従来の非接触制振装置に比べ冷却風や機械のガタ等に起
因して発生する鋼板の振動を極めて有効に低減すること
ができる。
【0031】また、板厚・張力等の運転条件変化により
鋼板振動の周波数が変化しても制振性能が劣化せず所定
の振幅以下に振動を低減することができる。
【0032】この結果、従来の装置における振動が原因
となる製品のメッキむらや傷がなくなり製品の品質を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る非接触制振装置の構
成図である。
【図2】同装置における制御装置の制御回路ブロック図
である。
【図3】同装置による制振性能の比較説明図である。
【図4】同装置による制振性能の比較説明図で、鋼板の
振動変位を示すものである。
【図5】従来の非接触制振装置の構成図である。
【図6】同従来装置における制御回路のブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 鋼板 2,3 フロータ又はロール 4 変位計 5a,5b 電磁石 6 制御装置 7 減算器 8 制御演算装置 9 状態量演算装置 10 記憶装置 11 電磁石駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 15/03 A 9138−3J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面のメッキ処理や焼鈍等の表面加
    工・処理を連続的に行なう連続鋼板処理ラインにおい
    て、該処理ライン上に適宜間隔をおいて配置した鋼板搬
    送用ロールあるいはフロータ間に、走行搬送される鋼板
    に対向して配置された電磁石と、該電磁石と同一位置に
    鋼板と対向して設けられた変位計と、該変位計からの変
    位量を信号として入力し、予め入力された鋼板の位置設
    定値から減算する減算器と、該減算器からの信号及び後
    述の記憶装置からの信号を入力し、鋼板の振動変位を低
    減するための励磁電流指令値を出力する制御演算装置
    と、前記減算器からの信号を入力し内部状態量を演算す
    る状態量演算装置と、該状態量演算装置からの信号を記
    憶しておく記憶装置と、前記制御演算装置からの信号を
    入力し前記電磁石を駆動するための電磁石駆動装置とを
    具備したことを特徴とする鋼板の非接触制振装置。
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Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2797277A1 (fr) * 1999-08-05 2001-02-09 Lorraine Laminage Procede et dispositif de realisation en continu d'un revetement de surface metallique sur une tole en defilement
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