JPH06186336A - 光波距離計と光源手段 - Google Patents
光波距離計と光源手段Info
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Abstract
に、光源部が複数の空間的な発光領域で発光される様に
構成されており、干渉性の低い高出力光源により、最大
測長可能距離を増大させることができる光波距離計を提
供することを目的とする。 [構成] 本発明は光源部が、複数の空間的な発光領域
で基準変調光を発光し、光学手段が光源部からの光を測
定対象物に対して送出し、受光手段が、この測定対象物
からの反射光を受光し、電気信号の受信パルスに変換す
る様になっている。また距離測定手段が、光源部からの
発光から受光手段の受信パルスの受信までの時間差から
測定対象物までの距離を測定する様になっている。そし
て本発明は光源部が、複数の空間的な発光領域で発光す
る様になっている。
Description
に、光源部が複数の空間的な発光領域で発光される様に
構成されており、干渉性の低い高出力光源により、最大
測長可能距離を増大させることができる光波距離計に関
するものである。更に光波距離計に最適な光源手段に関
するものである。
用し、被測定物であるコーナーキューブから反射してき
たエコーパルスを受信して、光パルスの受信時間から距
離を測定していた。従って光波距離計の最大測長可能距
離は、光源部の輝度により決定され、発光ダイオードを
使用した光波距離計の最大測長可能距離は、2〜3Km
程度となっていた。
輝度の高い半導体レーザーを採用することが考えられ
る。連続発光の半導体レーザーは、その大きさ及び消費
電力が従来の発光ダイオードと同程度であり、駆動電流
による直接変調も可能であり、発光ダイオードとの置き
換えも容易となっている。更に連続発光の半導体レーザ
ーは、発光応答速度も発光ダイオードに比較して速いた
め、変調周波数をより高くした高精度の光波距離計を実
現することができる可能性がある。
発振半導体レーザーを採用した光波距離計と測距方式は
異なるが、大きなピークパワーを有するので最大測長可
能距離の増大と、コーナーキューブを使用しないノンプ
リズム測定を行うことができるという特徴がある。
来の光波距離計は、連続発振半導体レーザー及び半導体
パルスレーザーの何れを使用した方式であっても、発光
ダイオードを使用した光波距離計と比較して発光スペク
トルが狭く、可干渉性が高いという問題点がある。
もしくは発光パルス幅に対して、測定距離の要求分解能
は1mm以下と高くなっている。距離1mmは光波距離
計の時間差に換算すると、
振周波数が15MHzであり連続変調デューティが50
%である場合には、
ルス駆動方式の場合には、ドライブ回路、素子特性等の
制限から、実用レベルとして20nsec程度となって
いる。
変調光の基本波成分もしくは発光パルスの重心位置を求
める等の内挿を行う必要があった。
渉が各所に発生するという問題点がある。例えば、マル
チモード光ファイバー内におけるスペックル、マルチモ
ード光ファイバー射出端におけるスペックルによるニア
・フィールド・パターン及びファー・フィールド・パタ
ーンのムラ、そして発光波長のモードジャンプによるス
ペックルの変動、更に強度変調を行った場合の変調波形
の変動等である。
ックルによる波形ムラが発生したり、光源部のモードジ
ャンプ等によるスペックルの変動や、更に射出された光
の干渉状態が大気の揺らぎにより変動して空間的な波形
ムラを発生するという問題点がある。そして、これらの
波形ムラが発生すると、変調波形の重心位置が変動して
測定精度の劣化を招くという問題点があった。
あるが、半導体レーザーはその構造から発光スペクトル
幅がほぼ決定されてしまうため、光源の干渉性を単純に
低下させることができないという問題点があった。
案出されたもので、基準変調光を発光するための光源部
と、この光源部からの光を測定対象物に対して送出する
ための光学手段と、この測定対象物からの反射光を受光
し、電気信号の受信パルスに変換するための受光手段
と、前記光源部の発光から該受光手段の受信パルスの受
信までの時間差から測定対象物までの距離を測定するた
めの距離測定手段とからなり、前記光源部が、複数の空
間的な発光領域で発光される様に構成されている。
変調光をオプチカル・ガイドにより混合させる構成にす
ることもできる。
ァイバーを採用することもできる。
調光の各発光領域の中心波長を、少なくとも各発光領域
の発光波長幅の1/2以上離す様に構成することもでき
る。
発光領域で発光される光源部と、この光源部により発光
された光を混合するための混合部とからなり、前記光源
部が発光する光は、各発光領域の中心波長の間隔が、少
なくとも各発光領域の発光波長幅の1/2程度離れてい
る様に構成することもできる。
発光領域で発光される光源部と、この光源部により発光
された光を混合するための混合部とからなり、前記光源
部が発光する光は、スペクトル上に配置された何れか1
つの中心波長から、前記スペクトル上で該中心波長と隣
接する波長との間隔の整数倍程度離れている構成にする
こともできる。
を、複数のパルス半導体レーザーにより発生させる様に
構成することもできる。
体レーザーを積み重ねたスタック構造にすることもでき
る。
変調光を発光し、光学手段が、光源部からの光を測定対
象物に対して送出し、受光手段が、この測定対象物から
の反射光を受光し、電気信号の受信パルスに変換する様
になっている。また距離測定手段が、光源部からの発光
から受光手段の受信パルスの受信までの時間差から測定
対象物までの距離を測定する様になっている。そして光
源部が、複数の空間的な発光領域で発光する様になって
いる。
変調光をオプチカル・ガイドにより混合させる様にする
こともできる。
ァイバーにすることもできる。
調光の各発光領域の中心波長を、少なくとも各発光領域
の発光波長幅の1/2以上離すこともできる。
の空間的な発光領域で発光し、混合部が光源部により発
光された光を混合する様になっており、光源部が発光す
る光は、各発光領域の中心波長の間隔が、少なくとも各
発光領域の発光波長幅の1/2程度離れる様になってい
る。
心波長の配置が、スペクトル上に配置された何れか1つ
の中心波長から、スペクトル上で中心波長と隣接する波
長との間隔の整数倍程度離れる様にすることもできる。
を、複数のパルス半導体レーザーにより発生させること
もできる。
体レーザーを積み重ねたスタック構造にすることもでき
る。
る。
は、光源部1と、第1のコンデンサレンズ2と、第2の
コンデンサレンズ3と、一対の分割プリズム41、42
と、光路切り替えチョッパ5と、内部光路6と、APD
71と、光源側光ファイバー81と、発光側光ファイバ
ー82と、受光側光ファイバー83と、プリズム9と、
対物レンズ10から構成されている。そして、コーナキ
ューブ11は、光波距離計本体から離れた位置に配置さ
れる測定対象物に該当するものであり、光を反射する機
能を有している。
されており、本実施例では、第1の半導体レーザー10
1と第2の半導体レーザー102と第3の半導体レーザ
ー103とから構成されている。第1の半導体レーザー
101は中心波長λ1で発光する様になっており、第2
の半導体レーザー102は中心波長λ2で発光し、第3
の半導体レーザー103は中心波長λ3で発光する様に
なっている。そして、これらの第1の半導体レーザー1
01と第2の半導体レーザー102と第3の半導体レー
ザー103とは、同一の駆動手段により同一の駆動を受
ける様になっており、それぞれ基準変調光を射出する様
になっている。なお本実施例の光源部1は3個の半導体
レーザーから構成されているが、3個に限定されるもの
ではなく、適宜の個数を採用することができる。
源用コンデンサレンズ1011が設けられており、第1
の半導体レーザー101から射出された変調光を、光源
側光ファイバー811の端部に結合させる様になってい
る。同様に第2の半導体レーザー102には、光源用コ
ンデンサレンズ1021が設けられており、第2の半導
体レーザー102から射出された変調光を、光源側光フ
ァイバー812の端部に結合させる様になっている。そ
して第3の半導体レーザー103には、光源用コンデン
サレンズ1031が設けられており、第3の半導体レー
ザー103から射出された変調光を、光源側光ファイバ
ー813の端部に結合させる様になっている。
イバー811と光源側光ファイバー812と光源側光フ
ァイバー813のそれぞれの射出端を束ねる様に構成さ
れており、光源部1の3個の半導体レーザーから射出さ
れた変調光を混合した低干渉性の2次光源を、第1のコ
ンデンサレンズ21、22により発光側光ファイバー8
2の受光端82aに結合する様になっている。光源側光
ファイバー81はオプチカル・ガイドに該当するもので
ある。
011、1021、1022と光源側光ファイバー81
1、812、813とコンデンサレンズ21、22と発
光側光ファイバー82と分割プリズム41とプリズム9
と対物レンズ10とが光学手段に該当する。更に光源部
1は光源手段に該当するものであり、光源側光ファイバ
ー81は混合部に該当するものである。
成されており、発光スペクトル幅は発光ダイオード(L
ED)に比較して狭く、干渉性が高くなっている。光路
切り替えチョッパ5は光束を切り替えるものである。A
PD71は受光手段に該当するものであり、光源部1か
ら発射された光線を受光できる受光素子7であれば足り
る。
411と第2のハーフミラー412とから構成されてお
り、分割プリズム42は、第1のハーフミラー421と
第2のハーフミラー422とからなっている。光源部1
側と分割プリズム41の間は、発光側光ファイバー82
で結ばれている。更に分割プリズム42と受光素子7側
との間は、受光側光ファイバー83で結ばれている。
された変調光は、光源側光ファイバー81を介して第1
のコンデンサレンズ21、22に送られ、第1のコンデ
ンサレンズ21、22により発光側光ファイバー82の
受光端82aに結合される様になっている。そして発光
側光ファイバー82の射出端82bから射出された変調
光は、分割プリズム41に送られる。分割プリズム41
の第1のハーフミラー411を透過した変調光は、光路
切り替えチョッパ5を介して、外部測距光路に射出可能
となっている。分割プリズム41の第1のハーフミラー
411で反射され、更に第2のハーフミラー412で反
射されたパルスは、光路切り替えチョッパ5を介して、
内部測距光路6に射出可能となっている。光路切り替え
チョッパ5は、内部測距光路6と外部測距光路を切り替
えるためのものである。従って、光路切り替えチョッパ
5が外部測距光路を選択した場合には、変調光はプリズ
ム9で反射された後、対物レンズ10により外部に射出
される。
コーナキューブ11で反射され、再び対物レンズ10で
受光されプリズム9に送られる。受光された変調光は、
プリズム9で反射されて分割プリズム42に送られ、分
割プリズム42の第1のハーフミラー421を透過した
受信パルス光は、受光側光ファイバー83の受光端83
aに結合される。
路6を選択した場合には、変調光は、内部測距光路6を
通って分割プリズム42に送られる。そして変調光は、
分割プリズム42に内蔵された第1のハーフミラー42
1と第2のハーフミラー422で反射され、受光側光フ
ァイバー83の受光端83aに結合される様になってい
る。
3bから射出された変調光は、第2のコンデンサレンズ
31、32によりAPD71に結合する様になってお
り、受光素子7で電流パルスに変換される様になってい
る。
ム9と、対物レンズ10と、コーナーキューブ11と、
対物レンズ10と、プリズム9と、第1のハーフミラー
421とから構成される光路が、外部測距光路に該当す
る。また第1のハーフミラー411と、第2のハーフミ
ラー412と、コンデンサレンズ43、44と、第2の
ハーフミラー422と、第1のハーフミラー421とか
ら構成される光路が、内部測距光路6に該当する。
明する。
第1の分周器110とシンセサイザー120と第2の分
周器130と光源部1と半導体レーザードライバー15
0とAPD71とアンプ160と波形整形回路170と
カウンタ180とピークホールド回路190とレベル判
定回路200と、バンドパスフィルタ210とサンプル
ホールド(S/H)220とADコンバータ300とメ
モリ400とCPU500とから構成されている。
1つであり、15MHzの基準信号を発生させている。
この基準信号は、第1の分周器110とシンセサイザー
120とバンドパスフィルタ210とカウンタ180と
に供給されている。第1の分周器110に供給された基
準信号は、第1の分周器110で1/100に分周され
て150KHzとなりシンセサイザー120に送られ
る。シンセサイザー120は、第1の分周器110から
供給された150KHzと水晶発振器100から供給さ
れた15MHzで15.15MHzを作り、第2の分周
器130に送出する様になっている。第2の分周器13
0は、シンセサイザー120から供給された15.15
MHzを1/5000に分周して3030KHzを作
り、ドライバ回路150に送る様になっている。なお、
第1の分周器110、第2の分周器130、シンセサイ
ザ120の出力信号は、2値化の信号である。
は、第1の半導体レーザー101と第2の半導体レーザ
ー102と第3の半導体レーザー103とを同一に駆動
させるためのものである。
ら発射された変調光は、光学系を通過しAPD71で受
光される。このAPD71は受光素子7の1つであり、
pn接合に深いバイアスを加えてナダレ増倍を誘起さ
せ、利得を得ることのできるダイオードである。APD
71は、内部参照光路を通った変調光と、外部測距光路
を通った変調光を受光する。APD71により変調光は
電気信号に変換され、増幅アンプ160に送られる。
た電気信号を増幅するものであり、増幅された検出信号
は、波形整形回路170とピークポールド回路190と
に供給される。
ルホールド(S/H)220とカウンタ180に供給す
る様になっている。カウンタ180は、変調光が受信さ
れるまでの時間を、水晶発振器100からの15MHz
によりカウントする様になっている。
210に送られた15MHzは正弦波となり、サンプル
ホールド回路220に送出される。このサンプルホール
ド回路220は、波形整形回路170から出力された受
信信号によりサンプルホールドし、更にADコンバータ
300でAD変換された後、変換されたデジタルデータ
は予め定められたメモリ400に記憶される様になって
いる。なおAD変換が終了すると、CPU500に対し
て変換終了信号を出力する様になっている。
ら、AD変換されたデータのメモリ400への格納まで
の処理を、外部測距光路と内部参照光路について行う。
即ち、内部参照光路によるAD変換データと外部測距光
路のAD変換データの波形の位相差φが光路差に相当す
ることになる。各波形にフーリエ変換を施し、基本成分
波の位相情報を求め、その位相差から10m単位以下の
精密測定距離を求めることができる。なお、粗測定距離
についても、外部測距光路と内部参照光路におけるカウ
ンタ180のカウンター差から10mの精度で求めるこ
とができる。そして粗測定距離と精密測定距離を組み合
わせることにより、光波距離計から測定対象物までの実
際の距離を求めることができる。これらの動作を行う構
成が距離測定手段に該当するものである。
る。光源部1は3個の半導体レーザーから構成されてお
り、発光スペクトル幅は発光ダイオード(LED)に比
較して狭く、干渉性が高くなっているので、光学系の各
部分で干渉によるスペックルが発生するという問題があ
る。
82bにおけるスペックルの強度分布の様子を示したも
のである。ここでスペックルとは、レーザービームをプ
ラスチック、金属などの表面に投射した場合に現れる斑
点状の模様のことである。即ち、表面のいろいろな場所
で反射されたレーザー光が干渉し合うために生じるもの
である。光ファイバーのスペックルは、光ファイバーの
直径方向における光の定在波であり、ファイバー径、フ
ァイバーの開口数NA、光の波長等により、その大きさ
が変化する。ここで開口数NAとは、軸上の物点から出
る光線の内、最大の開きを有する光線の光軸となる角を
θとした時、開口数NA=nsinθで表したものであ
る。ここで、nは物点のある物質の屈折率である。なお
ファイバーの開口数NAは、光ファイバに最も能率よく
光を入射させる対物レンズを決定するために用いられる
ものである。
端82bを拡大したものであり、図3(b)は、第1の
半導体レーザー101から射出された中心波長λ1の変
調光のみに注目したものであり、そのスペックルを示し
ている。なお横軸は光の強度I、縦軸はファイバーの直
径方向の位置である。同様に図3(c)は、第2の半導
体レーザー102から射出された中心波長λ2の変調光
のみに注目したものであり、図3(d)は、第3の半導
体レーザー103から射出された中心波長λ3の変調光
のみに注目したものであり、それぞれのスペックルを示
している。
半導体レーザーの個々のスペックルは、各半導体レーザ
ーの発光スペクトルが狭いため、強度パターン(コント
ラスト)が強く現れている。
端82bにおけるスペックルは、それぞれの半導体レー
ザーによって作られるスペックルパターンの和となる。
そして本実施例では、第1の半導体レーザー101と第
2の半導体レーザー102と第3の半導体レーザー10
3とは、それぞれ中心波長が異なっており、強度パター
ンの強弱のピッチが異なるので、図3(e)に示す様
に、全体としてスペックルのコントラストを低下させる
ことができる。
れ空間的に独立した発光領域であるため、各光源の発光
波長を変化させなくともスペックルのコントラストが低
下する可能性もあるが、各半導体レーザーの発光波長を
意図的にずらすことにより、確実にスペックルのコント
ラストを低下させることができる。
モードに瞬間的にホップするモードジャンプ(モードホ
ップとも言う)が発生することがあるが、3個の半導体
レーザーの内、何れか1つにモードジャンプが発生した
場合でも、その半導体レーザーのスペックルパターンの
変化が、全体のスペックルパターンに与える影響を小さ
くすることができる。
ァイバー82の射出端82bに限らず、対物レンズ10
からコーナーキューブ11に向けて射出される光束にも
スペックルが観察される。図4(a)は発光光学系を拡
大した図であり、図4(b)は、第1の半導体レーザー
101から射出された中心波長λ1の変調光のみに注目
した図であり、そのスペックルを示している。同様に図
4(c)は、第2の半導体レーザー102から射出され
た中心波長λ2の変調光のみに注目したものであり、図
4(d)は、第3の半導体レーザー103から射出され
た中心波長λ3の変調光のみに注目したものであり、そ
れぞれのスペックルを示している。発光側ファイバー8
2の射出端82bと同様に、発光光学系でも全体のスペ
ックルは、それぞれの半導体レーザーによって形成され
るスペックルパターンの和と考えられ、複数の半導体レ
ーザーからなる光源部1を採用することにより、図4
(e)に示す様にスペックルのコントラストを低下させ
ることができる。
大気伝播時の影響を示したものである。大気は温度、気
圧、湿度等により屈折率が変化する。特に日中は太陽光
の影響により、大気に屈折率のムラが生じ、屈折率が時
間的に変動して陽炎が発生している。この大気の屈折率
の変化は、光速に影響を与えるため、発光波長に対する
光学的距離の変化として現れる。コーナーキューブ11
が遠方に配置されている長距離測定の場合には影響が大
きくなるという問題点がある。
に示す様な、コーナーキューブ11で反射される部分の
光束1100を検討する。大気の揺らぎにより、光束1
100の一部の光束の光学的距離が変化したとすると、
この光束1100は、光波距離計本体で受信される段階
で干渉状態を起こすことになる。大気の揺らぎは、時間
的に変動しているため、受光段階での干渉も時間的に変
動することとなり、これが変調波形の変動として測距精
度に影響を与えることになる。
レーザー101と第2の半導体レーザー102と第3の
半導体レーザー103とが、それぞれ中心波長が異なっ
ている。従って陽炎等による光学的距離の変化が干渉パ
ターンに与える影響も、各半導体レーザーで異なってい
るので、受光段階での全体的な波形変動を低下させるこ
とができる。
半導体レーザー101と第2の半導体レーザー102と
第3の半導体レーザー103とを独立に配置し、これら
に対応する光源用コンデンサレンズ1011、102
1、1031を設置し、光源側光ファイバー811、8
12、813を介して結合されて1つに束ねられ、第1
のコンデンサレンズ21、22により発光側光ファイバ
ー82の受光端82aに結合する様に構成されている。
これに対して図6(a)に示す様に、光源部1を各半導
体レーザーを積み重ねたスタック構造とし、一対の第1
のコンデンサレンズ21、22を用いて直接、発光側光
ファイバー82の受光端82aに結合する様に構成して
もよい。
ー内に複数の発光領域を有する半導体レーザーを組み込
んだ構成としてもよい。
駆動電気回路や光学部品を省略することができ、光源の
輝度を向上させることができるという効果がある。
の半導体レーザー102と第3の半導体レーザー103
の中心波長λ1、λ2、λ3と、発光側光ファイバー82
の射出端82bにおける2次光源の干渉性との関連を考
察することとする。光波距離計の光源としてLEDが適
しているのは、その発光スペクトル幅が非常に広く、干
渉性が低いからである。従って発光側ファイバー82内
及び光波距離計外部での大気の揺らぎによる波形変動の
発生が、光波距離計の精度上無視できる程に小さくな
る。
指標として、フーリエ分光法によるインターフェログラ
ムの観測が行われる。これらの測定には図7に示すマイ
ケルソン干渉計2000が使用され、マイケルソン干渉
計2000は、ビームスプリッタ2001と、可動平面
鏡2002と、検出器2003と、固定平面鏡2004
と、測定光源2005とから構成されている。
リッタ2001により光路aと光路bに分割される。光
路aの光は固定平面鏡2004で反射され、ビームスプ
リッタ2001を透過して検出器2003に入射する。
また光路bの光は可動平面鏡2002で反射され、ビー
ムスプリッタ2001を反射して検出器2003に入射
する様になっている。そして可動平面鏡2002を移動
させた時の検出器2003で検出される光の強度は、イ
ンターフェログラムと呼ばれ、図7(b)の様な形とな
る。なお図7(b)の横軸は、可動平面鏡2002の移
動による光路長の変化であり、縦軸は検出器2003で
検出される光の強度である。そして図7(b)の波形を
フーリエ変換することにより、図7(c)に示される測
定光源2005のスペクトルを得ることができる。これ
らの方法により、スペクトルの広さによる可干渉性の指
標を得るのが、フーリエ分光法である。
ーフェログラムの関係を示すのが、図7(b)及び図7
(c)となる。なお、測定光源2005が単色光の場合
には、インターフェログラムは余弦関数の形となり、白
色光に近づくに従いsinc関数の形となる。
ーフェログラムとは、明確な関係があり、インターフェ
ログラムは光源の可干渉性を表しているので、インター
フェログラムから光源の可干渉性を評価することができ
る。
と、スペクトル幅(デルタλ)との関係は、スペクトル
の広がりがガウス分布である場合には、図7(b)、図
7(c)に示す様に、
=850nm、スペクトル幅(デルタλ)=50nmと
すれば、第3式に代入して、
波長λ=850nm、スペクトル幅(デルタλ)=5n
mとすれば、第3式に代入して、
ンターフェログラムの関係を示すことにする。光源に複
数の半導体レーザーを使用した場合において、各光源の
中心波長の配置によりインターフェログラムが如何に変
化するかを知るには、スペクトル分布を逆フーリエ変換
すればよい。図8(a)はLED単体の場合の関係であ
り、図8(b)は半導体レーザーを複数採用し、各半導
体レーザーの中心波長が全て一致している場合の関係で
あり、図8(c)は半導体レーザーを複数採用し、各半
導体レーザーの中心波長が、各半導体レーザー(光源)
の波長の広がり程度に離れている場合の関係である。
のみを描いている。
の場合(図8(a))に比較して、半導体レーザーを複
数採用し、各半導体レーザーの中心波長が全て一致して
いる場合(図8(b))は、かなり広範囲に干渉するこ
とができる。
致している場合(図8(b))に比較して、半導体レー
ザーを複数採用し、各半導体レーザーの中心波長が、各
半導体レーザー(光源)の波長の広がり程度に離れてい
る場合(図8(c))には、2次的な干渉を生じるが、
第1次的な干渉の範囲は小さな範囲となり、その範囲は
各半導体レーザーの中心波長が全て一致している場合の
5分の1程度となっている。
2次光源を使用し、各光源の中心波長間隔が各光源の発
光波長幅の1/2以下となっている場合(スペクトルが
一部重なり合っている場合)を説明する。
源の中心波長が一致している場合を示す図である。図9
(b)は各光源の中心波長間隔が、均等に各光源の波長
の広がりの1/2程度離れている場合である。更に第9
図(c)は、各光源の中心波長間隔が、均等になってい
ない場合の図である。
る場合に比較して、スペクトルが一部重なり合っている
場合には、部分的な干渉のピークはあるものの、干渉性
は低下している。そして各光源の発光領域の中心波長の
配置が、スペクトル上に配置された何れか1つの中心波
長から、前記スペクトル上で該中心波長と隣接する波長
との間隔の整数倍程度離れている時には、干渉性の低下
が著しくなっている。
く、例えば図10に示す様に、5個の光源からの光を混
合することもできる。図10(a)は、各光源の中心波
長間隔が、均等に各光源の波長の広がりの1/2程度離
れている場合を示す場合である。図10と図9とを比較
して明かな様に、光源の個数を増加させることにより干
渉性を更に低下させることができる。更に図10(b)
は、各光源の中心波長間隔が、均等になっていない場合
の図である。
ける同一モード内での光路差はほとんどなく、また、大
気伝播中における光路差は特定することができない。従
って第1次の可干渉範囲をできるだけ小さくした方が有
利となり、更に、第2次的な干渉が生じる様な光路差が
ある場合には、多数の光路差が存在することを意味する
ので、結果的に平均化させることが可能となる。
レーザーの様に発光スペクトルが狭い場合であっても、
複数の半導体レーザーの中心波長が、少なくとも各発光
領域の発光波長幅の1/2以上離間させることにより、
効果的に干渉性を下げることができ、光波距離計の光源
として使用可能とすることができる。
ついて説明しているが、半導体レーザーに限られるもの
でなく、その他の発光原に適用することもできる。
発光するための光源部と、この光源部からの光を測定対
象物に対して送出するための光学手段と、この測定対象
物からの反射光を受光し、電気信号の受信パルスに変換
するための受光手段と、前記光源部の発光から該受光手
段の受信パルスの受信までの時間差から測定対象物まで
の距離を測定するための距離測定手段とからなり、前記
光源部が、複数の空間的な発光領域で発光される様に構
成されているので、スペクトル幅の狭い光源を使用しな
がら、干渉性の低い高出力の光源を得ることができ、最
大測長可能距離を増大させることができるという卓越し
た効果がある。
光の各発光領域における中心波長が、少なくとも各発光
領域の発光波長幅の1/2以上離間されているので、干
渉性を下げることができ、光波距離計の光源として最適
であるという効果がある。
領域で発光される光源部と、この光源部により発光され
た光を混合するための混合部とからなり、前記光源部が
発光する光は、各発光領域の中心波長の間隔が、少なく
とも各発光領域の発光波長幅の1/2程度離れているの
で、少ない光源数でも干渉性の低い光源を提供すること
ができるという効果がある。
長の配置が、スペクトル上に配置された何れか1つの中
心波長から、前記スペクトル上で該中心波長と隣接する
波長との間隔の整数倍程度離れているので、低干渉性光
源を得ることができ、光波距離計に応用すれば高精度で
最大測長可能距離を飛躍的に延ばすことができるという
卓越した効果がある。
るスペックルの強度分布を示した図である。
した図である。
影響を説明する図である。
る。
係を示す図である。
グラムの関係を示す図である。
ログラムの関係を示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 基準変調光を発光するための光源部と、
この光源部からの光を測定対象物に対して送出するため
の光学手段と、この測定対象物からの反射光を受光し、
電気信号の受信パルスに変換するための受光手段と、前
記光源部の発光から該受光手段の受信パルスの受信まで
の時間差から測定対象物までの距離を測定するための距
離測定手段とからなり、前記光源部が、複数の空間的な
発光領域で発光される様に構成されていることを特徴と
する光波距離計。 - 【請求項2】 光源部から発光された基準変調光が、オ
プチカル・ガイドにより混合される請求項1記載の光波
距離計。 - 【請求項3】 オプチカル・ガイドが、光ファイバーで
ある請求項2記載の光波距離計。 - 【請求項4】 光源部が発光する基準変調光は、各発光
領域の中心波長が、少なくとも各発光領域の発光波長幅
の1/2以上離れている請求項1〜3記載の光波距離
計。 - 【請求項5】 複数の空間的な発光領域で発光される光
源部と、この光源部により発光された光を混合するため
の混合部とからなり、前記光源部が発光する光は、各発
光領域の中心波長の間隔が、少なくとも各発光領域の発
光波長幅の1/2以上離れている光源手段。 - 【請求項6】 複数の空間的な発光領域で発光される光
源部と、この光源部により発光された光を混合するため
の混合部とからなり、前記光源部が発光する光は、各発
光領域の中心波長の配置が、スペクトル上に配置された
何れか1つの中心波長から、前記スペクトル上で該中心
波長と隣接する波長との間隔の整数倍程度離れている光
源手段。 - 【請求項7】 光源部に、請求項5又は請求項6記載の
光源手段を使用した請求項1〜3記載の光波距離計。 - 【請求項8】 光源部が発光する基準変調光は、複数の
パルス半導体レーザーにより発生される請求項1〜4及
び請求項7記載の光波距離計。 - 【請求項9】 光源部が、複数のパルス半導体レーザー
を積み重ねたスタック構造である請求項8記載の光波距
離計。
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