JPH0618625B2 - 乳化剤 - Google Patents
乳化剤Info
- Publication number
- JPH0618625B2 JPH0618625B2 JP61305369A JP30536986A JPH0618625B2 JP H0618625 B2 JPH0618625 B2 JP H0618625B2 JP 61305369 A JP61305369 A JP 61305369A JP 30536986 A JP30536986 A JP 30536986A JP H0618625 B2 JPH0618625 B2 JP H0618625B2
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- JP
- Japan
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- water
- emulsifier
- weight
- fuel
- emulsion fuel
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Colloid Chemistry (AREA)
- Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
- Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ボイラー等の液体燃料と水とをエマルジョン
燃料化する乳化剤に関する。
燃料化する乳化剤に関する。
[従来の技術とその問題点] 従来、種々の液体燃料と水とを乳化剤を用いて乳化分散
させ、所謂エマルジョン燃料が作られている。すなわ
ち、エマルジョン燃料は、重油等の液体燃料、水、乳化
剤を比例混合した油中水滴形の安定した燃料を形成して
いる。このようなエマルジョン燃料をボイラー等のバー
ナーから噴霧して燃焼すると、通常、炉内温度は約10
00℃に達し、重油の沸点前に噴霧重油中の水粒子が燃
焼雰囲気の体積膨張エネルギーで破壊し、油滴が再微細
化して、水粒子及び油滴の酸素と接触する面積が増大し
て、燃焼を促進させることができる。また、水の水性ガ
ス反応によっても燃焼が促進される。
させ、所謂エマルジョン燃料が作られている。すなわ
ち、エマルジョン燃料は、重油等の液体燃料、水、乳化
剤を比例混合した油中水滴形の安定した燃料を形成して
いる。このようなエマルジョン燃料をボイラー等のバー
ナーから噴霧して燃焼すると、通常、炉内温度は約10
00℃に達し、重油の沸点前に噴霧重油中の水粒子が燃
焼雰囲気の体積膨張エネルギーで破壊し、油滴が再微細
化して、水粒子及び油滴の酸素と接触する面積が増大し
て、燃焼を促進させることができる。また、水の水性ガ
ス反応によっても燃焼が促進される。
しかしながら、従来の乳化剤では、液体燃料と水とを十
分に分散させることができず、燃焼の際に発生するばい
じんの量が多く、しかも、バナジウムやナトリウムに起
因する高温腐食を起こす問題があった。
分に分散させることができず、燃焼の際に発生するばい
じんの量が多く、しかも、バナジウムやナトリウムに起
因する高温腐食を起こす問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、液体
燃料と水とを極めて良好に乳化分散し、燃焼時のばいじ
んの減少及び防食効果を発揮することができる乳化剤を
提供するものである。
燃料と水とを極めて良好に乳化分散し、燃焼時のばいじ
んの減少及び防食効果を発揮することができる乳化剤を
提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、水酸化カルシウム2〜3重量%、ノニオン系
界面活性剤7〜30重量%、キレート剤0.5〜1重量
%、多価アルコール3〜7重量%及び残部水からなる乳
化剤である。
界面活性剤7〜30重量%、キレート剤0.5〜1重量
%、多価アルコール3〜7重量%及び残部水からなる乳
化剤である。
ここで、水酸化カルシウムの量を2〜3重量%としたの
は、2重量%に満ない場合には、本乳化剤を混入して得
たエマルジョン燃料の燃焼効率の向上、ばいじん減少、
及び防食効果を十分に発揮できず、また、3重量%を越
えるとこれらの効果が水酸化カルシウムの量を増加して
もさほど高められない。
は、2重量%に満ない場合には、本乳化剤を混入して得
たエマルジョン燃料の燃焼効率の向上、ばいじん減少、
及び防食効果を十分に発揮できず、また、3重量%を越
えるとこれらの効果が水酸化カルシウムの量を増加して
もさほど高められない。
ノニオン系界面活性剤としては、アルキルフェノール等
があり、混合する液体燃料の種類等に応じて適宜これら
の中から選択するのが好ましい。ノニオン系界面活性剤
の量を7〜30重量%としたのは以下の理由による。油
種即ち、各種油の比重差により水と油を混合した後の水
粒径(5〜10μ)が、分離拡大する事を防止すると同
時に油中の水粒径を保持安定化する必要があるからであ
る。また、キレート剤としては、混合する液体燃料の種
類等に応じて適宜選択するのが望ましい。キレート剤の
量を0.5〜1重量%としたのは、以下の理由による。各
種水の中には若干鉄配管等を腐食させる事があるので、
鉄イオン封鎖剤として、乳化剤に対して、1%〜0.5
%程度で充分だからである。また、多価アルコールとし
ては、混合する液体燃料の種類等に応じてIPA(イソプ
リペルアルコール)等の中から適宜選択するのが好まし
い。多価アルコールの量を3〜7重量%としたのは、以
下の理由による。油に対する相容性と、水に対する相容
性を持たせる為3〜7%添加すれば充分で、尚乳化剤全
体としては、不引火となるからである。
があり、混合する液体燃料の種類等に応じて適宜これら
の中から選択するのが好ましい。ノニオン系界面活性剤
の量を7〜30重量%としたのは以下の理由による。油
種即ち、各種油の比重差により水と油を混合した後の水
粒径(5〜10μ)が、分離拡大する事を防止すると同
時に油中の水粒径を保持安定化する必要があるからであ
る。また、キレート剤としては、混合する液体燃料の種
類等に応じて適宜選択するのが望ましい。キレート剤の
量を0.5〜1重量%としたのは、以下の理由による。各
種水の中には若干鉄配管等を腐食させる事があるので、
鉄イオン封鎖剤として、乳化剤に対して、1%〜0.5
%程度で充分だからである。また、多価アルコールとし
ては、混合する液体燃料の種類等に応じてIPA(イソプ
リペルアルコール)等の中から適宜選択するのが好まし
い。多価アルコールの量を3〜7重量%としたのは、以
下の理由による。油に対する相容性と、水に対する相容
性を持たせる為3〜7%添加すれば充分で、尚乳化剤全
体としては、不引火となるからである。
また、水の量は、混合する液体燃料の種類、量に応じて
適宜設定するのが好ましい。
適宜設定するのが好ましい。
また、本発明の乳化剤と混合する液体燃料としては、A
重油、B重油、C重油等がある。
重油、B重油、C重油等がある。
[作用] 本発明にかかる乳化剤によれば、所定量の水及び液体燃
料とをこの乳化剤によって乳化分散させ、エマルジョン
燃料を得る。得られたエマルジョン燃料を燃焼させる
と、エマルジョン燃料中のカルシウムは次のような反応
を行う。先ず、水酸化カルシウムとして高温下で次の反
応を行う。
料とをこの乳化剤によって乳化分散させ、エマルジョン
燃料を得る。得られたエマルジョン燃料を燃焼させる
と、エマルジョン燃料中のカルシウムは次のような反応
を行う。先ず、水酸化カルシウムとして高温下で次の反
応を行う。
このように加熱によって脱水されて生じた酸化カルシウ
ムは、重油等の液体燃料から分解遊離したカーボンと次
式のように反応し、カルシウムカーバイドを生成する。
ムは、重油等の液体燃料から分解遊離したカーボンと次
式のように反応し、カルシウムカーバイドを生成する。
CaO+3C→CaC2+CO-114.8Kcal (2) カルシウムカーバイドは、水と反応して次式のようにア
セチレンと酸化カルシウムを生成する。
セチレンと酸化カルシウムを生成する。
CaC2+H2O→CaO+C2H2 (3) アセチレンは、空気中の酸素と反応し、最終的には、次
式のように炭酸ガスと水になって大気中に放出される。
式のように炭酸ガスと水になって大気中に放出される。
2C2H2+5O2→4CO2+2H2O (4) このようにカルシウムは、比較的早期にカーボンを捕え
てアセチレンに変化し、エマルジョン燃料の燃焼を促進
させる。また、アセチレン発生の際に式(3)に示すよう
に酸化カルシウムが再生され、これが式(2)に戻って再
びカーボンを捕えるため、カルシウム1分子が1回反応
するだけでなく、リサイクルして数回反応に寄与する。
その結果、エマルジョン燃料の燃焼効率を増大させるこ
とができる。
てアセチレンに変化し、エマルジョン燃料の燃焼を促進
させる。また、アセチレン発生の際に式(3)に示すよう
に酸化カルシウムが再生され、これが式(2)に戻って再
びカーボンを捕えるため、カルシウム1分子が1回反応
するだけでなく、リサイクルして数回反応に寄与する。
その結果、エマルジョン燃料の燃焼効率を増大させるこ
とができる。
また、本発明の乳化剤には、ノニオン系界面活性剤が含
まれているので、水溶液を油中に所謂W/O型(油中水滴
型)エマルジョンとして微粒子の状態で乳化分散させる
ことができる。このためエマルジョン燃料の噴霧を良好
にして均一な燃焼状態を得ることができる。
まれているので、水溶液を油中に所謂W/O型(油中水滴
型)エマルジョンとして微粒子の状態で乳化分散させる
ことができる。このためエマルジョン燃料の噴霧を良好
にして均一な燃焼状態を得ることができる。
また、本発明の乳化剤中のカルシウム分は、水、液体燃
料と混ぜ合せた際に分子状態及び原子状態で存在し、そ
の大きさは0.5〜1mμであり、従来使用されていた水
酸化カルシウム超微粒子の場合(約40μ)に比べて約
4万分の1の大きさである。このため重油等の液体燃料
と極めて効率よく接触して化学結合をし、長鎖状あるい
は壊状カーボンの発生を抑えて、燃焼時のばいじんを激
減させることができる。
料と混ぜ合せた際に分子状態及び原子状態で存在し、そ
の大きさは0.5〜1mμであり、従来使用されていた水
酸化カルシウム超微粒子の場合(約40μ)に比べて約
4万分の1の大きさである。このため重油等の液体燃料
と極めて効率よく接触して化学結合をし、長鎖状あるい
は壊状カーボンの発生を抑えて、燃焼時のばいじんを激
減させることができる。
また、乳化剤中のカルシウムが硫酸分を中和して低温腐
食を防止すると共に、バナジウム、ナトリウム等の低融
点成分と結合して高融点化合物を作る。その結果、高温
腐食を防止することができる。
食を防止すると共に、バナジウム、ナトリウム等の低融
点成分と結合して高融点化合物を作る。その結果、高温
腐食を防止することができる。
[実施例] 下記の組成を有する乳化剤と水とA重油を乳化分散させ
てエマルジョン燃料を得た。このエマルジョン燃料を用
いてボイラーを運転し、燃料排ガス中のばいじんの量を
調べたところ80mg/m3Nであった。因みに、本乳化剤
を使用しない場合のばいじん量は350mg/m3Nであっ
た。更に、下記に併記した組成の従来の乳化剤を用いた
エマルジョン燃料の場合は、ばいじんの量は180mg/m
3Nであった。
てエマルジョン燃料を得た。このエマルジョン燃料を用
いてボイラーを運転し、燃料排ガス中のばいじんの量を
調べたところ80mg/m3Nであった。因みに、本乳化剤
を使用しない場合のばいじん量は350mg/m3Nであっ
た。更に、下記に併記した組成の従来の乳化剤を用いた
エマルジョン燃料の場合は、ばいじんの量は180mg/m
3Nであった。
また、実施例の乳化剤を用いた場合は、A重油との乳化
分散は極めて良好であり、得られたエマルジョン燃料の
燃焼効率も高いものであった。更に、エマルジョン燃料
の燃焼に際しても高温腐食は全く見られなかった。これ
に対して、従来の乳化剤を用いたものでは、A重油との
乳化分散も不十分であり、得られたエマルジョン燃料の
燃焼効率も実施例のものの約50%以下であった。更に
その燃焼の際には、高温腐食が発生した。
分散は極めて良好であり、得られたエマルジョン燃料の
燃焼効率も高いものであった。更に、エマルジョン燃料
の燃焼に際しても高温腐食は全く見られなかった。これ
に対して、従来の乳化剤を用いたものでは、A重油との
乳化分散も不十分であり、得られたエマルジョン燃料の
燃焼効率も実施例のものの約50%以下であった。更に
その燃焼の際には、高温腐食が発生した。
[発明の効果] 本発明にかかる乳化剤によれば、液体燃料と水とを極め
て良好に乳化分散し、燃焼時のばいじんの減少及び防食
効果を発揮することができるエマルジョン燃料を容易に
得ることができるものである。
て良好に乳化分散し、燃焼時のばいじんの減少及び防食
効果を発揮することができるエマルジョン燃料を容易に
得ることができるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】水酸化カルシウム2〜3重量%、ノニオン
系界面活性剤7〜30重量%、キレート剤0.5〜10重
量%、多価アルコール3〜7重量%及び残部水からなる
ことを特徴とする乳化剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61305369A JPH0618625B2 (ja) | 1986-12-23 | 1986-12-23 | 乳化剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61305369A JPH0618625B2 (ja) | 1986-12-23 | 1986-12-23 | 乳化剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63158123A JPS63158123A (ja) | 1988-07-01 |
JPH0618625B2 true JPH0618625B2 (ja) | 1994-03-16 |
Family
ID=17944280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61305369A Expired - Lifetime JPH0618625B2 (ja) | 1986-12-23 | 1986-12-23 | 乳化剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0618625B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0247194A (ja) * | 1988-08-08 | 1990-02-16 | Intevep Sa | 粘性炭化水素/水乳濁液 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3941552A (en) * | 1974-10-29 | 1976-03-02 | Eric Charles Cottell | Burning water-in-oil emulsion containing pulverized coal |
JPS5227641A (en) * | 1975-08-25 | 1977-03-02 | Xerox Corp | Tonor particle distributor |
JPS5310610A (en) * | 1976-06-15 | 1978-01-31 | Convair Investments Ltd | Method of making fuel consisting of fine coal and water and oil dispersion |
JPS56115629A (en) * | 1980-02-19 | 1981-09-10 | Nippon Saafuakutanto Kogyo Kk | Emulsion composition |
JPS56159291A (en) * | 1980-05-12 | 1981-12-08 | Hirakawa Tekkosho:Kk | Removal of sulfur oxide and nitrogen oxide |
-
1986
- 1986-12-23 JP JP61305369A patent/JPH0618625B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63158123A (ja) | 1988-07-01 |
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Legal Events
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