JPH0618597B2 - マツサ−ジ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はマッサージ機、特に一対の施療子を回転駆動す
るとともに、レールに沿って移動自在として、もみや背
筋伸ばしのマッサージを行なうマッサージ機に関するも
のである。

〔背景技術〕

従来、一対の輪体から成る施療子を同方向に偏心し、且
つ互いに逆方向に傾斜させて回転軸に取り付け、この一
対の輪体を回転駆動してもみのマッサージを、又レール
に沿って移動させて背筋伸ばしのマッサージを行なうも
のが提供されており、例えば実開昭59-26629号公報で知
られている。この場合、施療子としての輪体の径が大き
い為、人体のつぼへの部分的なマッサージができず、更
に首、肩等の湾曲した複雑な形状の部位へのマッサージ
ができないという問題があった。

〔発明の目的〕

本発明は上記の点に鑑みて成したものであって、その目
的とするところは、人体のつぼへの部分的なマッサージ
が行なえ、更に首、肩等の複雑な形状の部位へのマッサ
ージが可能なマッサージ機を提供することにある。

〔発明の開示〕

以下、本発明の実施例を第１図乃至第７図に基づいて説
明する。これは椅子の背もたれに施療機構部を組み込ん
だものであって、椅子はパイプで組まれるとともに座部
と肘掛けとを備えたアンダーフレーム２と、同じくパイ
プで組まれた背もたれのフレーム１とで枠組されたもの
であり、フレーム１の下端部がアンダーフレーム２に枢
支されて背もたれがリクライニング自在とされている。
前記フレーム１両側には夫々断面がコ字型で開口面が対
向する一対のレール12が固着されており、又フレーム１
の上端にはヘッドレスト13が、前面にはカバーシート14
が取り付けられており、更にカバーシート14の背面両側
には長手方向に支持ベルト99が配設されている。

前記施療機構部は同方向に偏心し、且つ互いに逆方向に
傾斜した状態で回転軸６に取り付けられた一対の施療子
３，３と、前記一対の施療子３，３の両側にそれぞれ配
設された制御ボックス26及びギアボックス27とから構成
されており、前記制御ボックス26とギアボックス27とは
連結プレート28にて連結されている。前記回転軸６は中
空のパイプから成る主軸４に駆動軸５を貫挿して構成さ
れており、又前記各施療子３は主軸４に取り付けられた
偏心内輪20と、この外周にボール22を介して遊転自在に
配設された外輪21とから構成されている。前記外輪21は
回転軸６の径方向に突出した複数本のアーム23を備えて
おり、この各アーム23の先端に夫々ローラ31が遊転自在
に配設されている。前記ローラ31はその中心にローラ軸
受32を備えており、アーム23先端に穿設された孔にかし
め又は溶着にて固定されたローラ軸33に挿入されるとと
もに、ローラ軸33にＥリング34を嵌着して抜け防止がな
されることによって、アーム23に遊転自在に配設されて
いる。前記偏心内輪20には軸部25が一体に形成されてお
り、この軸部25が主軸４に対し周方向に共回転する反
面、軸方向には移動自在となるよう主軸４外周面にスプ
ライン結合されている。前記偏心内輪20の軸部25はスラ
ストベアリング35を介して連結アーム24に挿入され、更
に連結アーム24の内側においてスラストベアリング36、
円盤37及びスプリング38に挿入されるとともに、止め輪
39が嵌着されることによって、連結アーム24に回転自在
に保持れさている。

前記駆動軸４の両端には夫々筒体62が遊転自在に嵌合さ
れており、前記各筒体62は駆動軸５の両端に夫々連結さ
れている。前記筒体62にはフレーム１に設けられたレー
ル12を走行するころ19と、各レール12に付設されたラッ
ク11と噛み合うピニオン18とが設けられている。前記ギ
アボックス27の側面には駆動源である正逆転自在なモー
タＭが設けられ、ギアボックス27内の減速装置を介して
主軸４と駆動軸５とを選択的に駆動する。前記減速装置
は差動減速を行なう遊星機構８で構成されており、モー
タＭの回転動力を減速して主軸４及び駆動軸５へ伝達す
るものであって、主軸４及び駆動軸５への動力伝達の切
り換えはソレノイドSOLによって制御される制動機構部
７にて行なわれる。前記主軸４を回転駆動する時には偏
心傾斜した施療子３も共に回転し、前記施療子３が偏心
していることによって施療子３のカバーシート14側への
突出量を周期的に変化させる。又、一対の施療子３，３
が互いに逆方向に傾斜していることによって、前記一対
の施療子３，３のカバーシート14との接触部における間
隔を周期的に変化させる。この２つの動きの組合せが人
体に対するもみマッサージとなるものである。ここで、
施療子３はその外輪21に備えられた複数本のアーム23に
夫々ローラ31が遊転自在に設けられていることから、各
ローラ31間は凹部となって人体に当たることがなく、ロ
ーラ31によって人体のつぼを部分的にマッサージするこ
とができる。前記主軸４に代えて駆動軸５を回転駆動す
れば、レール12のラック11と噛み合うピニオン18の回転
ところ19による走行ガイドとによって、施療機構部全体
が背もたれの上下方向に自走する。この自走により、施
療子３がレール12に沿って移動されるものであり、これ
によって背筋伸ばしのマッサージが行なわれる。ここで
施療子３はその外輪21が偏心内輪20に遊転自在に配設さ
れていることから、回転軸６に対して回転自在であり、
背筋伸ばしのマッサージの場合は第７図に示す如く、２
つのローラ31,31が人体背面に沿って移動しつつ、人体
背面を転動する。

本実施例のマッサージ機には施療子３の位置を検出する
位置検出手段が備えられており、この位置検出手段は施
療子３の上下位置を検出する上下位置検出手段41と、施
療子３の回転位置を検出する回転位置検出手段42とを備
えている。前記上下位置検出手段41は施療子３が椅子の
背もたれ内を上下方向に移動する際に、前記施療子３の
移動上限及び下限を検出して出力するものであり、この
出力信号を受けて制御回路50はモータＭを反転駆動して
施療子３の移動方向を反転させる。前記回転位置検出手
段42は、一対の施療子３，３が偏心して取り付けられた
回転軸６の回転角を検出することによって、施療子３の
回転位置を検出するものであって、第３図及び第４図に
示すように回転軸６に取り付けられた回転板43と、この
回転板43に固着された永久磁石44と、回転板43に対向し
て制御ボックス26の外面に配設された基板46に固着され
たリードスイッチやホール素子等から成る磁気感応型の
センサ45a,45b,45cとで構成されている。前記センサ45
a,45b,45cは夫々回転板43の回転による永久磁石44の回
転軌跡上に配置されており、施療子３と共に回転する回
転板43の永久磁石44にてオンするようになっている。前
記センサ45bは施療子３の突出量が最大となる時にオン
するものであり、センサ45a,45cは施療子３の突出量が
最大となる時から夫々正逆転方向に90度回転した時にオ
ンするものである。前記各センサ45a,45b,45cがオンし
た時、回転位置検出回路42は制御回路50に出力し、前記
制御回路50は制動機構部10を制御して主軸４及び駆動軸
５の回転を切り換える。前記制御回路50は操作器16から
の入力に基づいて、モータＭと制動機構部10用のソレノ
イドSOLとを制御するものであって、第５図のブロック
回路図に示すように制御ボックス26にコード17を介して
接続された操作器16からの信号を受ける信号判別回路5
1、受けた信号に対する認識信号を操作器16に送るため
の信号形成回路52、施療子３の回転数及び上下動の回数
をカウントするカウント回路53、各回路からの信号を受
けてモータＭ及びソレノイドSOLの各負荷をどのように
動かすかを指示する動作指示回路54、前記動作指示回路
54の指示をモータ駆動回路56及び電磁部材駆動回路57に
送るにあたって各負荷の動作タイミングを管理するタイ
ミング設定回路55から構成されており前記上下位置検出
回路41と回転位置検出回路42とが制御回路50に接続され
ている。図中58はリセット回路、60は入力電源を示す。

以上の構成より、主軸４を回転させた時に、回転位置検
出手段42にて施療子３の回転位置を検出し、制御回路50
にて制動機構部10用のソレノイドSOLを駆動して、主軸
４に代えて駆動軸５を駆動させれば前記施療子３は所定
の回転位置で固定されたまま上下動を開始し、背筋伸ば
しのマッサージを行なう。ここで、施療子３を所定の回
転位置で固定した時の一対の施療子３，３の位置関係を
第６図(a)〜(c)に示す。これは椅子の正面側から一対の
施療子３，３を見た時の状態を示す図であって、回転位
置検出手段42のセンサ45aがオンした時に主軸４に代え
て駆動軸５を駆動して施療子３の回転位置を固定した場
合は、第６図(a)に示す如く一対の施療子３，３はハ字
形状に配置されており、この状態で施療子３を上方に移
動させれば背筋伸ばしのマッサージにおいて背中の筋肉
を横方向に押し拡げて伸ばすことができ、より効果的な
背筋伸ばしのマッサージを行なうことができる。次に、
センサ45cがオンした時に主軸４に代えて駆動軸５を駆
動させた場合は、第６図(c)に示すように一対の施療子
３，３は逆ハ字形状に配置されており、この状態で施療
子３を下方に移動させれば背中の筋肉を横方向に押し拡
げて伸ばすことができる背筋伸ばしのマッサージが行な
える。前記センサ45bがオンした場合は、第６図(b)から
明らかなように、一対の施療子３，３は互いに平行に配
置されている為、通常の背筋伸ばしのマッサージが行わ
れる。この場合は施療子３のカバーシート14側への突出
量が最大となっている為、強いマッサージが得られる。
ここで以上の動作を組み合わせてもよい。即ち、上方に
移動する時は一対の施療子３，３を第６図(a)に示す状
態に配置し、施療子３が移動上限に達すると駆動軸５に
代えて主軸４を駆動して施療子３を回転させる。そして
センサ45cがオンすればモータＭを逆転させるとともに
主軸４に代えて駆動軸５を駆動して施療子３を下方に移
動させ、次に移動下限に達した時は同様に施療子３を回
転させ、センサ45aがオンすればモータＭを逆転させて
施療子３を上方に移動させる。これによって背筋伸ばし
のマッサージにおいて、常に背中の筋肉を横方向に押し
拡げて伸ばすことができる為、筋肉への無理のない効果
的な背筋伸ばしのマッサージが得られる。以上の動作の
制御はワンチップマイコンから成る制御回路50の動作指
示回路54に予め記憶されたブログラムに従って行なえば
よい。

〔発明の効果〕

一対の施療子と、前記一対の施療子を同方向に偏心し、
且つ互いに逆方向に傾斜させて取り付けた回転軸と、前
記回転軸を回転駆動するモータと、前記施療子の回転位
置を検出する回転位置検出手段と、前記一対の施療子を
回転軸と直角方向に形成さたレールに沿って移動自在と
する移動手段とを備えたマッサージ機であって、前記施
療子は回転軸に偏心して取り付けられた偏心内輪に外輪
を遊転自在に取り付け、この外輪に回転軸の径方向に突
出した複数本のアームを形成し、このアームに夫々ロー
ラを遊転自在に設け、各ローラ間に凹部を形成して成
り、この施療子の偏心内輪を任意の回転位置で固定可能
としているので、マッサージ中は、人体に対してローラ
が一つのみが当たるような状態ではなく、ローラは常に
複数個当たることになり、一箇所の局所が痛くなること
がないものであり、そのため人体のつぼに対してローラ
を適当な小さい大きさにできると共に、ローラは人体に
対して遊動状態であるので、人体の凹凸形状に合わせて
遊転して人体に沿うこととなり、ローラが一つで人体に
当たることがなく、マッサージの痛みが一点の局所に集
中することがなくなるものであり、しかも、各ローラ間
は凹部となって人体に当たることがなく、ローラによっ
て人体のつぼを部分的にマッサージすることができ、更
に首、肩等の複雑な形状の部位へのマッサージができる
という効果を奏する。又、施療子を任意の回転位置で固
定可能であることから、背筋伸ばしのマッサージにおい
て背中の筋肉を横方向に押し拡げて伸ばすことができ、
筋肉への無理のない効果的なマッサージを行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の背面側の斜視図、第２図は同
上の施療機構部の破断平面図、第３図は同上の破断背面
図、第４図は同上の分解斜視図、第５図は同上のブロッ
ク回路図、第６図(a)〜(c)は同上の動作説明図、第７図
は同上の使用状態図である。 ３……施療子、６……回転軸、12……レール、23……ア
ーム、31……ローラ、42……回転位置検出手段、Ｍ……
モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の施療子と、 前記一対の施療子を同方向に偏心し、且つ互いに逆方向
   に傾斜させて取り付けた回転軸と、 前記回転軸を回転駆動するモータと、 前記施療子の回転位置を検出する回転位置検出手段と、 前記一対の施療子を回転軸と直角方向に形成さたレール
   に沿って移動自在とする移動手段とを備えた マッサージ機であって、 前記施療子は、回転軸に偏心して取り付けられた偏心内
   輪に外輪を遊転自在に取り付け、この外輪に回転軸の径
   方向に突出した複数本のアームを形成し、このアームに
   夫々ローラを遊転自在に設け、各ローラ間に凹部を形成
   して成り、 この施療子の偏心内輪を任意の回転位置で固定可能とし
   たことを特徴とするマッサージ機。