JPH0618399U - 荷昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 荷台の昇降時、吊り索条の荷台側とバランス
ウェイト側との重量のアンバランスを補償し、モータの
負荷変動を小さくすること。 【構成】 荷昇降装置Ａの荷台６およびバランスウェイ
ト７にバランス索条９を止着したことにより、荷台６の
昇降時の吊り索条５の荷台６側とバランスウェイト７側
との重量のアンバランスが、バランス索条９の荷台６側
とバランスウェイト７側との重量の変動により相殺さ
れ、モータ８に掛る負荷変動が小さくなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、倉庫等で使用される荷昇降装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４は従来の荷昇降装置(Ａ)を示す縦断側面図であって、門型の支持体(01)に おける両側壁(02)の上端部間には、左右１対のプーリー(03)を固嵌した水平な軸 (04)が枢支されている。

【０００３】 プーリー(03)には、鎖、チェーン、ワイヤ、ロープ等とした吊り索条(05)が掛 け回され、その一端には荷台(06)が、他端にはバランスウェイト(07)が吊支され ている。

【０００４】 (08)は、一方の側壁(02)に固定されて、軸(04)とともに、両プーリー(03)を同 期して回転させるモータである。

【０００５】 荷台(06)及びバランスウェイト(07)は、両側壁(02)に設けた適宜のガイド手段 (図示略)により、前後、左右に揺動しないように案内されている。 この荷台(06)に荷を載置した後、モータ(08)を正逆回転させることにより、荷 台(06)を昇降させるようにしてある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述のような従来の装置においては、荷台(06)を上昇させたときと、 下降させたときとで、吊り索条(05)における荷台(06)側の垂下長(L1)とバランス ウェイト(07)側の垂下長(L2)とが、互いに反比例の関係で変動し、その両垂下長 の差(L1-L2)に吊り索条(05)の単位長さあたりの重量を積算した重量分だけ、プ ーリー(03)の前後に掛る重量バランスが崩れるという問題点がある。

【０００７】 このような問題点は、吊り索条が、単位長さあたりの重量が大きい鎖やチェー ンである場合、および荷台(06)の昇降距離が著しく長い場合等に特に顕著に現わ れ、その重量アンバランスが、荷台やその上に載置される荷の重量等と比較して 、無視できない値となると、モータの負荷が大となり、モータの耐久性を悪くし たり、荷台の昇降速度に悪影響を及ぼす等の問題点がある。

【０００８】 本考案は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、荷台の昇降時にお ける吊り索条の荷台側とバランスウェイト側との重量のアンバランスを補償する ことにより、モータの負荷変動を極力小さくしうるようにした荷昇降装置を提供 することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために、本考案は、支持体の上端に水平な軸をもって 枢着されたプーリーに掛け回された吊り索条の一端に荷台を、他端にバランスウ ェイトを吊支し、支持体に固定されたモータによりプーリーを回転させて荷台を 昇降しうるようにした荷昇降装置において、前記吊り索条と単位長さあたりの重 さを等しくしたバランス索条の中間部を垂下させ、かつ一端を荷台に、他端をバ ランスウェイトに止着したことを特徴としている。

【００１０】

【作用】

荷昇降装置の荷台およびバランスウェイトにバランス索条を止着したことによ り、荷台の昇降時の吊り索条の荷台側とバランスウェイト側との重量のアンバラ ンスが、バランス索条の荷台側とバランスウェイト側との重量の変動により相殺 され、モータに掛る負荷変動が小さくなる。

【００１１】

【実施例】

次に、本考案の第１実施例を図１及び図２を参照して説明する。 なお、各実施例において、上記した従来例に示した部材と同一の部材には、そ の符号から冒頭の０を除いた符号を付し、その詳細な説明は省略する。

【００１２】 この第１実施例においては、従来例と同一の構成とした荷昇降装置(Ａ)に、２ 本の吊り索条(５)と単位長さあたりの重さを等しくした２本のバランス索条(９) の中間部を垂下させ、かつ一端を荷台(６)の各側端部に、他端をバランスウェイ ト(７)の各側端部にそれぞれ止着した構成としてある。バランス索条(９)は、吊 り索条(５)と同様の鎖、チェーン、ワイヤ等を用いるのがよい。

【００１３】 上記したように、２本のバランス索条(９)の一端を荷台(６)に、他端をバラン スウェイト(７)に止着したことにより、荷台(６)の昇降時の吊り索条(５)の荷台 (６)側とバランスウェイト(７)側との重量のアンバランスが、バランス索条(９) の荷台(６)側とバランスウェイト(７)側との重量の変動により相殺され、モータ (８)に掛る負荷の変動がほとんどなくなる。したがって、モータ(８)の耐久性が よくなるとともに、低出力のモータ(８)によっても荷台(６)を昇降させることが でき、しかも荷台の昇降速度を常に一定に維持することができ、荷台が上部にあ るときと、下部にあるときとで、昇降速度が変るといった不都合が生じることは ない。

【００１４】 次に、本考案の第２実施例を図３を参照して説明する。 この第２実施例においては、１本のバランス索条(9')の中間部を垂下させ、か つ一端を荷台(６)のほぼ中央に、他端をバランスウェイト(７)のほぼ中央に、そ れぞれ止着した構成としてある。

【００１５】 また、１本のバランス索条(9')の単位長さあたりの重さは、２本の吊り索条( ５)の単位長さあたりの重さの和とほぼ同等としてある。さらにバランス索条(9' )の下端部を、支持体(２)に水平な軸(4')をもって枢着したガイドプーリー(3') に掛け回してある。

【００１６】 第２実施例のような構成とすると、第１実施例のものと同様の作用及び効果を 奏することができる他に、２本の吊り索条(５)に対して、バランス索条(9')を１ 本とすることができ、部品点数を削減できるという利点がある。

【００１７】 また、バランス索条(9')の下端部を、ガイドプーリー(3')に掛け回すことによ り、荷台(６)の昇降時におけるバランス索条(9')の揺動を防止することができる 。

【００１８】 なお、第１実施例の各バランス索条(９)の下端部を、第２実施例におけるガイ ドプーリー(3')と同様の左右１対のガイドプーリー(図示略)に掛け回し、バラン ス索条(９)の揺動を防止するようにしてもよい。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は下記の効果を奏する。 (ａ) 荷昇降装置において、バランス索条の一端を荷台に、他端をバランスウ ェイトに止着したことにより、荷台の昇降の際の吊り索条の荷台側とバランスウ ェイト側との重量のアンバランスが、バランス索条の荷台側とバランスウェイト 側との重量の変動により相殺され、モータに掛る負荷変動が小さくなる。

【００２０】 (ｂ) したがって、モータの寿命が延びるとともに、モータを低出力の小型の ものとすることができる。

【００２１】 (ｃ) また、荷台の昇降速度を常に一定に維持することができ、従来のように 、荷台が上方に位置しているときと下方に位置しているときとで荷台の昇降速度 が変るといった不都合を生じることはない。

【００２２】 (ｄ) さらに、荷台の昇降速度を常に一定に維持することができることから、 荷台を、上下方向の複数の荷受渡し位置に停止させるための制御が楽になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の縦断側面図である。

【図２】同じく正面図である。

【図３】本考案の第２実施例の正面図である。

【図４】従来の荷昇降装置の一例を示す縦断側面図であ
る。

【符号の説明】

(１)支持体 (２)側壁 (３)(3')プーリー (４)(4')軸 (５)吊り索条 (６)荷台 (７)バランスウェイト (８)モータ (９)(9')バランス索条 (Ａ)荷昇降装置

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持体の上端に水平な軸をもって枢着さ
   れたプーリーに掛け回された吊り索条の一端に荷台を、
   他端にバランスウェイトを吊支し、支持体に固定された
   モータによりプーリーを回転させて荷台を昇降しうるよ
   うにした荷昇降装置において、 前記吊り索条と単位長さあたりの重さを等しくしたバラ
   ンス索条の中間部を垂下させ、かつ一端を荷台に、他端
   をバランスウェイトに止着したことを特徴とする荷昇降
   装置。
2. 【請求項２】 プーリー及び吊り索条をそれぞれ２個と
   し、各プーリーに掛け回した吊り索条の一端を荷台の各
   側端部に、他端をバランスウェイトの側端部にそれぞれ
   止着し、かつ１本のバランス索条の単位長さあたりの重
   さを、両吊り索条の単位長さあたりの重さの和にほぼ等
   しくするとともに、前記バランス索条の一端を荷台のほ
   ぼ中央に、他端をバランスウェイトのほぼ中央にそれぞ
   れ止着したことを特徴とする請求項１記載の荷昇降装
   置。
3. 【請求項３】 バランス索条の下端部を、支持体に水平
   な軸をもって枢着したガイドプーリーに掛け回したこと
   を特徴とする請求項１又は２記載の荷昇降装置。