JPH06183620A - 刷本搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な揃いを維持したまま自由な方向に刷本
列を連続的に搬送できるようにする。 【構成】 搬送路の両側に沿って支持部材４，６により
所定の間隔で配置された複数の溝付きプーリー１，２か
らなる対向する２列のプーリー群を設け、この２列のプ
ーリー群により対向して走行するように一対のＶベルト
７，８を配設し、各Ｖベルト７，８と平行で且つ向かい
合って配設された刷本ガイド９を設ける。プーリー１，
２の配置の方向と取り付ける傾きを適宜設定することに
より、Ｖベルト７，８がその間に刷本列Ｓを挟持した状
態で曲がりと捻じりを伴って走行するので、刷本が揃っ
たままで自由な方向に刷本列を搬送できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、輪転印刷機から刺身状
の刷本列として排出される刷本を後工程へ搬送するため
の刷本搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に輪転印刷機は刷本を刺身状の刷本
列として排出する。そして、この刷本列はベルトコンベ
アや刷本の端をグリップするキャリアーによって結束機
等の集積装置まで搬送されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ベルトコンベアは水平面内のカーブ以外に搬送方向を曲
げることは困難であった。そこで、床から垂直に立ち上
げるために、両面から複数のベルトで刷本をニップして
搬送するコンベア装置もあるが、同時に横へ曲げること
はできない。一方、グリップ式のキャリアーは搬送方向
を曲げることが可能ではあるものの、搬送後の刺身状態
が乱れることが多く、その結果、集積装置が紙詰まりを
起こしたり、刷本束の不揃いが発生するという欠点があ
った。

【０００４】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、良好な揃
いを維持したまま自由な方向に刷本列を連続的に搬送す
る刷本搬送装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の刷本搬送装置は、搬送路の両側に沿って支
持部材により所定の間隔で配置された複数の溝付きプー
リーからなる対向する２列のプーリー群と、この２列の
プーリー群により対向して走行するように配設された一
対のＶベルトと、各Ｖベルトと平行で且つ向かい合って
配設された刷本ガイドとを具備したことを特徴としてい
る。

【０００６】そして、一方のプーリー群の各プーリーと
他方のプーリー群の各プーリーをそれぞれ向かい合うよ
うにし、向かい合った片側のプーリーの支持部材を弾性
支持した構成としてもよいし、或いは、一方のプーリー
群の各プーリーと他方のプーリー群の各プーリーをチド
リ状に配置するようにしてもよい。

【０００７】また、上記何れのものにおいても、刷本ガ
イドのＶベルトからの距離を変更可能とすることが好ま
しいものである。

【０００８】

【作用】上述の構成からなる刷本搬送装置では、一対の
Ｖベルトがその間に刷本を挟持した状態で搬送する。そ
して、溝付きプーリーはその配置の方向によってその面
内でＶベルトを曲げて走行させるとともに、その傾きに
よってＶベルトを徐々に曲げて走行させることにより捻
じりを生じさせるように作用する。また、刷本ガイドは
その隙間で刷本を支持する役目を果たす。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１０】図１は本発明の一実施例としての刷本搬送
装置を搬送方向と直交する面で切断した断面図、図２は
図１のＡ−Ａ断面図である。

【００１１】これらの図において１，２は互いに向かい
合って配置された溝付きプーリーであり、図示はしない
がプーリー１，２ともに搬送路の両側に沿って所定の間
隔で複数配置されて搬送方向に２列のプーリー群を形成
している。上側のプーリー１は揺動可能な支持部材３を
介して２股の架台４に取り付けられており、支持部材３
は反対側をバネ５により引っ張られてプーリー１を弾性
支持している。一方、下側のプーリー２は２股の架台６
に直に取り付けられている。なお、プーリー群における
プーリー１，２の間隔は刷本の長さと同じ程度にしてい
る。

【００１２】７，８はそれぞれプーリー１，２の溝に案
内されるＶベルトで、上記の２列のプーリー群により対
向して走行するように配設されており、図１に示すよう
に刺身状の刷本列Ｓを幅方向の中心部でニップしてい
る。そして、プーリー１，２の配置の方向によってＶベ
ルト７，８を刷本列Ｓの厚み方向に曲げることと、プー
リー１，２の傾きによって刷本列Ｓを少しずつ捻じるこ
とが可能になっている。なお、Ｖベルト７，８の駆動は
搬送方向終端部のプーリーを駆動することで行ってい
る。

【００１３】９は搬送される刷本列ＳがＶベルト７，８
とともに滑らかに向きを変えるようにＶベルト７，８と
平行で且つ向かい合って配設された刷本ガイドで、Ｖベ
ルト７，８の左右にそれぞれ設けられている。本実施例
では、架台４，６の軸を左右に延長したガイド支持材１
０，１１にスライド可能な所定長さの腕部材１２，１３
を介して取り付けられており、刷本の幅と紙質に応じて
そのＶベルト７，８からの距離を変更できるようになっ
ている。

【００１４】上記の構成からなる刷本搬送装置におい
て、印刷機から刺身状の刷本列で排出された刷本は印刷
機出口のコンベアと同一速度で駆動されるＶベルト７，
８により上下両面から幅方向の中央をニップされる。以
後、経路の曲がりによる僅かなズレを除いて、刷本とＶ
ベルト７，８が摩擦をすることはなく、刷本は傷が付か
ない状態で搬送される。そして、所定の間隔で配置され
た溝付きプーリー１，２の案内によってＶベルト７，８
が曲がりと捻じりを適宜行い、平行して設けられた刷本
ガイド９の隙間を刷本が刺身状のまま連続的に搬送され
る。

【００１５】なお、上記実施例では、一方のプーリー群
の各プーリー１と他方のプーリー群の各プーリー２をそ
れぞれ向かい合うようにし、向かい合った片側のプーリ
ー１の支持部材４を弾性支持した構成とし、刷本列Ｓの
厚みが一定でない場合にも両プーリー１，２によるニッ
プを維持するようにしたが、Ｖベルト７，８の張力が十
分な場合には、一方のプーリー群の各プーリー１と他方
のプーリー群の各プーリー２をチドリ状に配置し、刷本
列Ｓの流れをジグザグにすることによってプーリー１の
弾性支持を省略することもできる。なお、この場合にあ
ってもチドリ嬢となるプーリー１，２の配置間隔は刷本
の長さ程度にすることが好ましい。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の刷本搬送
装置によれば、溝付きプーリーの配置の方向と取り付け
る傾きを適宜設定することにより、一対のＶベルトがそ
の間に刷本を挟持した状態で曲がりと捻じりを伴って走
行することができるので、刷本の良好な揃いを維持した
まま自由な方向に刷本列を連続的に搬送することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例としての刷本搬送装置を搬送
方向と直交する面で切断した断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

１，２ プーリー ７，８ Ｖベルト ９ 刷本ガイド

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送路の両側に沿って支持部材により所
   定の間隔で配置された複数の溝付きプーリーからなる対
   向する２列のプーリー群と、この２列のプーリー群によ
   り対向して走行するように配設された一対のＶベルト
   と、各Ｖベルトと平行で且つ向かい合って配設された刷
   本ガイドとを具備したことを特徴とする刷本搬送装置。
2. 【請求項２】 一方のプーリー群の各プーリーと他方の
   プーリー群の各プーリーをそれぞれ向かい合うように
   し、向かい合った片側のプーリーの支持部材を弾性支持
   したことを特徴とする請求項１記載の刷本搬送装置。
3. 【請求項３】 一方のプーリー群の各プーリーと他方の
   プーリー群の各プーリーをチドリ状に配置したことを特
   徴とする請求項１記載の刷本搬送装置。
4. 【請求項４】 刷本ガイドのＶベルトからの距離を変更
   可能としたことを特徴とする請求項１，２又は３記載の
   刷本搬送装置。