JPH0618314U - パッケージ貯蔵倉庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 倉庫内に無駄なスペースを残すことなく、多
数のパッケージを貯蔵できるようにする。 【構成】 パッケージ搬入口２と搬出口３を有する倉庫
１の両側壁６に沿って２条のチェン８を張設し、両チェ
ン８間に架設した傾斜可能な複数のプレート上にそれぞ
れパッケージＰを載置し、上記チェン８を循環駆動し、
パッケージを上記搬入口から上記プレート上へ搬入し、
プレート上から上記搬出口を介して搬出するようにし
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は精紡機や自動ワインダ等の繊維機械において玉揚げされたパッケージ を保管または貯蔵するための倉庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動ワインダー等で玉揚げされ排出された満巻のパッケージはコンベアにより 順次搬送されていったん倉庫内に保管され、その後適当数だけ取出され箱詰めさ れて出荷される。上記倉庫は多数のパッケージを保管し、またパッケージの搬出 ・搬入を迅速に行うため自動化されているものが多く、パッケージを倉庫内のコ ンベア上に多段に積み重ねて保管するもの、あるいは上下多段に配設された複数 のコンベア上にそれぞれ載置するもの等がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記した従来の倉庫はいずれもパッケージ保管のための設備が複雑で高価であ り、また倉庫内のスペースを充分に活用できるものでなかった。特に１つのコン ベアに多数のパッケージを段積みする場合には、下位のパッケージが上位のパッ ケージの重量によって変形するおそれがあるため、積段数に限りがあるという問 題があった。本考案はこのような問題点を解決することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、パッケージ搬入口とパッケージ搬出口とを有する倉庫の両側壁に沿 って２本のエンドレスチェンを互いに対向させて張設すると共に、両チェン間に 複数のパッケージ支持プレートを一軸中心に揺動自在に架設し、パッケージ搬入 口側には、パッケージ支持プレートの長手方向に沿って設けられるパッケージ搬 入用コンベアと該コンベア上に整列するパッケージをカウントするセンサと該コ ンベア上の所定数のパッケージを一斉に上記支持プレート上へ押し込むパッケー ジ搬入用プレートが設けられ、一方上記パッケージ搬出口位置には、パッケージ 支持プレートの長手方向に沿って設けられるパッケージ搬出用コンベアと、上記 パッケージ支持プレートを上記搬出用コンベア側に傾斜させるカムプレートと、 支持プレート上のパッケージを搬出用コンベア上へ案内するパッケージ搬出プレ ートを設け、上記パッケージ支持プレートとパッケージ搬出プレートは互いにか み合う櫛状の歯が形成され、上記チェンの回動運動によって支持プレート上のパ ッケージが一斉にパッケージ搬出プレートを介してパッケージ搬出用コンベア上 へ転動されるようにしたものである。

【０００５】

【実施例】

図１は本考案に係るパッケージ貯蔵倉庫の内部を概略的に示している。

【０００６】 倉庫（１）の左右にはパッケージ搬入口（２）およびパッケージ搬出口（３） が形成され、上記搬入口（２）および搬出口（３）の各外側にはパッケージ搬入 用コンベア（４）およびパッケージ搬出用コンベア（５）がそれぞれ設置される 。倉庫（１）内にはその側壁（６）に合計７個のスプロケット（７）が軸支され 、図示しない他方の側壁にも同数のスプロケットが図１に示すと同位置に、即ち 側壁（６）の各スプロケット（７）とそれぞれ対向する位置に軸支される。上記 各側壁におけるスプロケットにはそれぞれ１条の無端状のチェン（８）が張設さ れ、両チェン（８）間には断面円弧状のパッケージ支持プレート（９）が多数架 設される。該プレート（９）は各チェン（８）に一定間隔をあけて連結されたピ ン（１１）から連結アーム（１２）を介して揺動自在に吊持されており、パッケ ージ（Ｐ）を図１紙面直交方向にｍ個載置できるだけの大きさを有している。

【０００７】 従って、倉庫（１）は上記プレート（９）を全て含み得るだけの大きさを有し 、また前記搬入口（２）および搬出口（３）はコンベア（４）（５）上のｍ個の パッケージを同時に通過させ得るだけの開口面を有するものとする。（１３）は 無端ベルト（１４）を介して１つのスプロケット（７）を回転駆動するモータで あり、該モータ（１３）の駆動によって各チェン（８）は各側壁（６）に沿って 循環走行し、同時にパッケージ支持プレート（９）も倉庫（１）内を循環する。 このとき各プレート（９）および該プレート上の各パッケージ（Ｐ）が互いに干 渉せず、またこれらの間に余分なスペースが極力残らないようにスプロケット（ ７）の配置が定められ、また各ピン（１１）（１１）間の間隔が設定される。

【０００８】 図２は紡績工場における倉庫（１）の配置例を示している。

【０００９】 （１５）はパッケージ搬入用コンベア（４）と接続された自動ワインダであり 、精紡機あがりの管糸は該ワインダ（１５）で糸欠点を除去されると共に大径の パッケージ（Ｐ）として巻取られ、玉揚げされて上記コンベア（４）上に順次排 出される。各パッケージ（Ｐ）はコンベア（４）上を矢印（１６）方向に一列で 搬送され、先頭のパッケージ（Ｐ）がコンベア端部に設けたストッパ（１７）に よって制止せられることにより、各パッケージ（Ｐ）は倉庫（１）の搬入口（２ ）前方で一列に整列される。（１７）はコンベア（４）近傍に設けられたカウン タ付きの光電センサであり、ストッパ（１６）とは逆側の搬入口（２）端部位置 に配置され、前方を通過するパッケージ（Ｐ）を検出すると共にその数をカウン トする。センサ（１７）のカウント値がｍに達したとき後述するパッケージ搬入 装置が作動し、搬入口（２）前方のｍ個のパッケージ（Ｐ）を倉庫（１）内のパ ッケージ支持プレート（９）に移載する。移載終了と同時にセンサ（１７）のカ ウンタがリセットされ、またモータ（１３）が駆動されて上記プレート（９）の 順送りが行われ、次のｍ個のパッケージ搬入が準備される。プレート（９）上に 載置されたパッケージ（Ｐ）は倉庫（１）内を移動して搬出口（３）の前方に達 し、ここで後述するパッケージ搬出装置によってプレート（９）上からパッケー ジ搬出用コンベア（５）上に移載される。移載されたパッケージ（Ｐ）は該コン ベア（５）上を矢印（１８）方向に搬送され、作業者によって箱（１９）に詰め られて後工程へと運ばれる。

【００１０】 図３には上述したパッケージ搬入装置が示される。 パッケージ搬入口（２）の両端に対応する位置のパッケージ搬入用コンベア（ ４）に門宇形の２つのフレーム（２１）がそれぞれ固着され、該フレーム（２１ ）とコンベア（４）との間にパッケージ通路（２２）が形成される。各フレーム （２１）の近傍にはそれぞれエアーシリンダ（２３）が軸（２４）で軸支され、 両フレーム（２１）間にシャフト（２５）が回転自在に架設される。各シリンダ （２３）のピストンロッド（２６）には上記シャフト（２５）に固着されたレバ ー（２７）がそれぞれ連結され、また両レバー（２７）の内側近傍には略Ｌ字形 のアーム（２８）がそれぞれシャフト（２５）に固着され、更に両アーム（２８ ）間にパッケージ搬入プレート（２９）が固着される。シリンダ（２３）は前記 センサ（１７）のカウンタがカウントアップした時点で駆動され、ピストンロッ ド（２６）を縮退させる。上記アーム（２８）は通常はパッケージ通路（２２） の外に位置しており、上記ピストンロッド（２６）の縮退に伴って２点鎖線で示 す位置まで旋回し、コンベア（４）上のｍ個のパッケージ（Ｐ）を同時に押圧し てパッケージ搬入口（２）から倉庫（１）内に転動させる。

【００１１】 このとき搬入口（２）に近い（９ｂ）で示す位置には空のパッケージ搬入プレ ート（９）が位置しており、上記パッケージ（Ｐ）は全て上記プレート（９）上 に移載される。プレート（９）は上面が凹の円弧状をしており、また該プレート （９）からパッケージ（Ｐ）の直径に近い距離だけ離れた位置にあるピン（１１ ）から吊持されており、更にパッケージ（Ｐ）が円筒または円錐形状をしている ため、プレート（９）は少し揺動しながらパッケージ（Ｐ）を中心位置に安定し て位置させる。シリンダ（２３）はピストンロッド（２６）を縮退させた後直ち に実線で示す元の伸長状態に復し、これによりアーム（２８）が元の位置まで退 避すると共にフレーム（２１）に設けたリミットスイッチ（３１）がピストンロ ッド（２６）の伸長を検出し、倉庫（１）内のモータ（１３）を駆動させる。モ ータ（１３）の駆動によってチェン（８）が矢印（３２）方向に走行を開始し、 位置（９ｂ）より次の下位置（９ａ）にあるプレート（９）が上昇して位置（９ ｂ）に達したとき、倉庫側壁（６）から図示しないフレームを介して固定された リミットスイッチ（３３）が該位置（９ｂ）のピン（１１）に当接し、プレート （９）が位置（９ｂ）に到達したことを検出する。

【００１２】 リミットスイッチ（３３）と同じフレームには（３４）で示す反射型の光電セ ンサが設けられており、該センサ（３４）は位置（９ｂ）におけるプレート（９ ）上にパッケージ（Ｐ）が存在するか否かを検出する。スイッチ（３３）および センサ（３４）が同時にＯＮしたときはプレート（９）上に既にパッケージ（Ｐ ）が載置されているのでパッケージ搬入不可と判断してモータ（１３）の駆動を 継続し、スイッチ（３３）がＯＮでセンサ（３４）がＯＦＦであるときはプレー ト（９）上にパッケージ（Ｐ）が存在しないのでパッケージ搬入可能と判断し、 モータ（１３）の駆動を停止して次のパッケージ搬入まで待機する。

【００１３】 図４および図５はパッケージ支持プレート（９）およびパッケージ搬出装置の 構造を示している。

【００１４】 パッケージ搬出口（３）両端の倉庫側壁（６）にはＬ字形のフレーム（３６） が固着され、両フレーム（３６）間にシャフト（３７）が回転自在に支持される 。該シャフト（３７）には倉庫内に位置する端部に櫛状の歯（３８）を形成した パッケージ搬出プレート（３９）が固着され、シャフト（３７）の一方の端部に はアーム（４１）が固着される。該アーム（４１）の端部にはスプリング（４２ ）で図５下方に付勢されたストッパ（４３）が摺動自在に支持され、該ストッパ （４３）の先端には錐状の係止片（４４）が固着される。該係止片（４４）はパ ッケージ搬出プレート（３９）が図４実線で示す水平位置（３９ａ）にあるとき 側壁（６）に形成した穴（４５）にスプリング（４２）の力によって嵌入し、上 記プレート（３９）が下方に回動することを防止している。（４６）はパッケー ジ搬出プレート（３９）の両側に配設されたカムプレートであり、上下に傾斜縁 （４６ａ）（４６ｃ）を、またその間に垂直縁（４６ｂ）を有している。

【００１５】 パッケージ支持プレート（９）はその左半部が図５に示すようにパッケージ搬 出プレート（３９）の歯（３８）と一定の間隙を介して互いに噛み合う櫛状の歯 （４７）となっており、パッケージ搬出口（３）の前方を矢印（４８）方向に通 過するとき両端の歯（４７）が上記カムプレート（４６）の第１傾斜縁（４６ａ ）に当接し、図４に（９ｃ））で示す如く傾斜する。パッケージ支持プレート（ ９）が更に下降してパッケージ搬出プレート（３９）と交差する位置に来たとき 歯（４７）は垂直縁（４６ｂ）と接触し、パッケージ支持プレート（９）は（９ ｄ）で示す最大傾斜姿勢をとり、該プレート（９）の傾斜によってパッケージ（ Ｐ）はその下面を上記歯（４７）により支承される。パッケージ支持プレート（ ９）の歯（４７）とパッケージ搬出プレート（３９）の歯（３８）とが互いに交 差した後更にパッケージ支持プレート（９）が下降すると、搬出プレート（３９ ）の歯（３８）が支持プレート（９）の歯に代わってパッケージ（Ｐ）を支承し 、パッケージ支持プレート（９）は（９ｅ）で示すように空の状態で第２傾斜縁 （４６ｃ）に沿って姿勢を元に復しながら下降する。

【００１６】 パッケージ搬出プレート（３９）は（３９ａ）位置にあるとき搬出コンベア（ ５）に向けて少し傾斜しており、パッケージ（Ｐ）はパッケージ支持プレート（ ９）から離反した時点で上記搬出プレート（３９）上を転動し、搬出口（３）を 介して搬出コンベア（５）上に移載されて搬送される。（４８）はパッケージ（ Ｐ）の転落を防止するため搬出コンベア（５）に固着されたパネルであり、（４ ９）はチェン（８）の走行を案内するガイドレールである。倉庫（１）からのパ ッケージ搬出を要しないとき、作業者は前記ストッパ（４３）を引いてアーム（ ４１）を旋回させ、パッケージ搬出プレート（３９）を（３９ｂ）で示す垂直位 置としておけば良い。パッケージ搬出の際、モータ（１３）は連続的に駆動して も良いが、作業者のスイッチ操作により所定数だけ回転してパッケージ支持プレ ート（９）を１ピッチずつ間欠送りできるようにしても良い。なお、パッケージ 搬出を行う場合、パッケージ搬入動作との干渉を避けるためセンサ（３４）およ びシリンダ（２３）を予め非作動としておく必要があり、上記スイッチ操作によ り自動的に非作動となるようにしても良い。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によれば、倉庫内のパッケージ支持プレートへのパッケージ搬入用プレ ートがパッケージ通路の外にあり、支持プレート上のパッケージ払出しも固定の カムプレートにより行うようにしたので、プッシャー等を倉庫内に設ける必要が なく、倉庫内に無駄なスペースを残すこともなく、多数のパッケージを貯蔵でき る。

【００１８】 また、パッケージ搬出口においては、チェンを駆動させるのみで、パッケージ が転動して排出されるので、パッケージ取出しのための駆動機構が不要であり、 また複雑なコントロール制御も不要である。さらに異種のパッケージを貯蔵した 場合でも、チェンを循環駆動することにより所望のパッケージのみを取出すこと もでき、更に構造簡単なため設備が安価であるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る倉庫の概略側面図である。

【図２】同倉庫のレイアウトを示す平面図である。

【図３】パッケージ搬入装置の側面図である。

【図４】パッケージ搬出装置の側面図である。

【図５】パッケージ搬出装置の平面図である。

【符号の説明】

１ 倉庫 ２ パッケージ搬入口 ３ パッケージ搬出口 ４ パッケージ搬入用コンベア ５ パッケージ搬出用コンべア ６ 側壁 ８ チェン ９ パッケージ支持プレート １７ センサ ２９ パッケージ搬入プレート ３９ パッケージ搬出プレート ４６ カムプレート Ｐ パッケージ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パッケージ搬入口とパッケージ搬出口と
   を有する倉庫の両側壁に沿って２本のエンドレスチェン
   を互いに対向させて張設すると共に、両チェン間に複数
   のパッケージ支持プレートを一軸中心に揺動自在に架設
   し、パッケージ搬入口側には、パッケージ支持プレート
   の長手方向に沿って設けられるパッケージ搬入用コンベ
   アと該コンベア上に整列するパッケージをカウントする
   センサと該コンベア上の所定数のパッケージを一斉に上
   記支持プレート上へ押し込むパッケージ搬入用プレート
   が設けられ、一方上記パッケージ搬出口位置には、パッ
   ケージ支持プレートの長手方向に沿って設けられるパッ
   ケージ搬出用コンベアと、上記パッケージ支持プレート
   を上記搬出用コンベア側に傾斜させるカムプレートと、
   支持プレート上のパッケージを搬出用コンベア上へ案内
   するパッケージ搬出プレートを設け、上記パッケージ支
   持プレートとパッケージ搬出プレートは互いにかみ合う
   櫛状の歯が形成され、上記チェンの回動運動によって支
   持プレート上のパッケージが一斉にパッケージ搬出プレ
   ートを介してパッケージ搬出用コンベア上へ転動される
   ようにしたことを特徴とするパッケージ貯蔵倉庫。