JPH06182508A - 金属薄帯の製造方法およびその設備 - Google Patents
金属薄帯の製造方法およびその設備Info
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- JPH06182508A JPH06182508A JP34056992A JP34056992A JPH06182508A JP H06182508 A JPH06182508 A JP H06182508A JP 34056992 A JP34056992 A JP 34056992A JP 34056992 A JP34056992 A JP 34056992A JP H06182508 A JPH06182508 A JP H06182508A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 冷却ロールでの薄帯剥離点を一定に保ち、さ
らに冷却ロールから剥離された直後の薄帯を巻取装置側
に確実に誘導、搬送し得る、薄帯の製造方法について提
案する。 【構成】 高速回転する冷却ロール１の表面に溶融金属
３を射出し、急冷凝固させて金属薄帯４としたのち、こ
の金属薄帯４を冷却ロール１から剥離し、次いで金属薄
帯４を巻取装置７まで搬送し、巻取装置７によってコイ
ル状に巻取るに当たり、冷却ロール１の接線方向に圧縮
ガスを吹付けて冷却ロール１から金属薄帯４を剥離し、
次いでこの剥離点の近傍で金属薄帯４を真空吸引式コン
ベヤー６にて吸着し、この吸着状態のまま金属薄帯４を
巻取装置７側に搬送する。
らに冷却ロールから剥離された直後の薄帯を巻取装置側
に確実に誘導、搬送し得る、薄帯の製造方法について提
案する。 【構成】 高速回転する冷却ロール１の表面に溶融金属
３を射出し、急冷凝固させて金属薄帯４としたのち、こ
の金属薄帯４を冷却ロール１から剥離し、次いで金属薄
帯４を巻取装置７まで搬送し、巻取装置７によってコイ
ル状に巻取るに当たり、冷却ロール１の接線方向に圧縮
ガスを吹付けて冷却ロール１から金属薄帯４を剥離し、
次いでこの剥離点の近傍で金属薄帯４を真空吸引式コン
ベヤー６にて吸着し、この吸着状態のまま金属薄帯４を
巻取装置７側に搬送する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、冷却ロールを用いた
急冷プロセスによる金属薄帯の製造方法およびその設備
に関し、特に冷却ロールから剥離された直後の金属薄帯
の誘導、搬送を有利に実現しようとするものである。近
年、冷却ロールを用いた急冷プロセスによる金属薄帯の
製造に関する開発が進められているが、その工業化に当
たっては、急冷凝固した金属薄帯（以下、薄帯と示す）
を高速で搬送しながら誘導してコイル状に巻取る手段
が、重要な開発課題の１つとなっている。
急冷プロセスによる金属薄帯の製造方法およびその設備
に関し、特に冷却ロールから剥離された直後の金属薄帯
の誘導、搬送を有利に実現しようとするものである。近
年、冷却ロールを用いた急冷プロセスによる金属薄帯の
製造に関する開発が進められているが、その工業化に当
たっては、急冷凝固した金属薄帯（以下、薄帯と示す）
を高速で搬送しながら誘導してコイル状に巻取る手段
が、重要な開発課題の１つとなっている。
【０００２】
【従来の技術】この薄帯の誘導、搬送巻取り手段として
は、例えば、特開平１−92176 号、特開昭62−45455
号、同59−27720 号および同55−36029 号各公報が提案
されている。
は、例えば、特開平１−92176 号、特開昭62−45455
号、同59−27720 号および同55−36029 号各公報が提案
されている。
【０００３】特開平１−92176 号公報には、薄帯の貯留
量を検出する貯留装置と巻取りロールの回転数制御装置
とを設けた薄帯の巻取り装置について開示され、その実
施例には、冷却ロールより剥離した薄帯を貯留装置、さ
らには巻取りリールへ搬送する手段として、空気吸引式
のノズルを用いることが記載されている。
量を検出する貯留装置と巻取りロールの回転数制御装置
とを設けた薄帯の巻取り装置について開示され、その実
施例には、冷却ロールより剥離した薄帯を貯留装置、さ
らには巻取りリールへ搬送する手段として、空気吸引式
のノズルを用いることが記載されている。
【０００４】特開昭62−45455 号公報には、冷却ロール
から巻取りリールまでの間で薄帯を挟持した状態で搬送
することが提案され、その具体的手段として一対のエン
ドレスベルトが用いられている。
から巻取りリールまでの間で薄帯を挟持した状態で搬送
することが提案され、その具体的手段として一対のエン
ドレスベルトが用いられている。
【０００５】特開昭59−27720 号および同55−36029 号
公報には、同じく冷却ロールから巻取りリールまでの間
における薄帯の搬送に、移動磁界あるいは電磁力を利用
することが提案されている。なお、移動磁界や電磁力を
利用した薄帯の巻取り方法およびその装置に関しては、
上記以外にもいくつかの提案があり、例えば特開昭62−
240264号公報には、巻取りリールに磁石を組み込み、該
リールを冷却ロールに近接させて薄帯の先端を吸引して
巻取りを行う装置が開示されている。
公報には、同じく冷却ロールから巻取りリールまでの間
における薄帯の搬送に、移動磁界あるいは電磁力を利用
することが提案されている。なお、移動磁界や電磁力を
利用した薄帯の巻取り方法およびその装置に関しては、
上記以外にもいくつかの提案があり、例えば特開昭62−
240264号公報には、巻取りリールに磁石を組み込み、該
リールを冷却ロールに近接させて薄帯の先端を吸引して
巻取りを行う装置が開示されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
１−92176 号公報での提案は、冷却ロールより剥離した
薄帯を貯留装置さらには巻取りリールへ搬送する手段と
して、空気吸引式のノズルを用いているが、一般的に冷
却ロールにおける薄帯の剥離点は常に変化していて、特
に薄帯製造開始直後においては冷却ロールの温度、溶融
金属の温度、溶融金属噴射圧および噴射ノズルの条件が
不安定であるから、剥離点が一定することはなく、空気
吸引ノズルによって薄帯を捕捉して搬送することは難し
い。さらに、薄帯の幅が大きくなると、空気吸引式ノズ
ルで捕捉できても誘導パイプあるいは貯留装置の中で薄
帯のばたつきが発生し、容易に搬送できないという問題
もあった。
１−92176 号公報での提案は、冷却ロールより剥離した
薄帯を貯留装置さらには巻取りリールへ搬送する手段と
して、空気吸引式のノズルを用いているが、一般的に冷
却ロールにおける薄帯の剥離点は常に変化していて、特
に薄帯製造開始直後においては冷却ロールの温度、溶融
金属の温度、溶融金属噴射圧および噴射ノズルの条件が
不安定であるから、剥離点が一定することはなく、空気
吸引ノズルによって薄帯を捕捉して搬送することは難し
い。さらに、薄帯の幅が大きくなると、空気吸引式ノズ
ルで捕捉できても誘導パイプあるいは貯留装置の中で薄
帯のばたつきが発生し、容易に搬送できないという問題
もあった。
【０００７】また、特開昭62−45455 号公報に開示され
た、高速で製造される薄帯の先端をエンドレスベルトに
挟持させることは、容易に実現されるとは言い難く、さ
らに薄帯の広幅化に対しては薄帯の破損をまねき易いと
言った問題もあった。
た、高速で製造される薄帯の先端をエンドレスベルトに
挟持させることは、容易に実現されるとは言い難く、さ
らに薄帯の広幅化に対しては薄帯の破損をまねき易いと
言った問題もあった。
【０００８】さらに特開昭55−36029 および同59−2772
0 号公報等にて提案された、移動磁界ならびに電磁力を
利用し薄帯を搬送させる方法は、薄帯が極めて薄いため
薄帯の搬送を安定して行うに足る吸引力を発生し難く、
磁力の与え方によっては斥力を発生させることもある。
0 号公報等にて提案された、移動磁界ならびに電磁力を
利用し薄帯を搬送させる方法は、薄帯が極めて薄いため
薄帯の搬送を安定して行うに足る吸引力を発生し難く、
磁力の与え方によっては斥力を発生させることもある。
【０００９】そこでこの発明は、上記した問題点を有利
に解決しようとするもので、冷却ロールでの薄帯剥離点
を一定に保ち、さらに冷却ロールから剥離された直後の
薄帯を巻取装置側に確実に誘導、搬送し得る、薄帯の製
造方法について提案することを目的とする。
に解決しようとするもので、冷却ロールでの薄帯剥離点
を一定に保ち、さらに冷却ロールから剥離された直後の
薄帯を巻取装置側に確実に誘導、搬送し得る、薄帯の製
造方法について提案することを目的とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】この発明は、高速回転す
る冷却ロールの表面に溶融金属を注出し、急冷凝固させ
て金属薄帯としたのち、この金属薄帯を冷却ロールから
剥離し、次いで金属薄帯を巻取装置まで搬送し、巻取装
置によってコイル状に巻取るに当たり、冷却ロールの接
線方向に圧縮ガスを吹付けて冷却ロールから金属薄帯を
剥離し、次いでこの剥離点の近傍で金属薄帯を真空吸引
式コンベヤーにて吸着し、この吸着状態のまま金属薄帯
を巻取装置側に搬送することを特徴とする、金属薄帯の
製造方法である。
る冷却ロールの表面に溶融金属を注出し、急冷凝固させ
て金属薄帯としたのち、この金属薄帯を冷却ロールから
剥離し、次いで金属薄帯を巻取装置まで搬送し、巻取装
置によってコイル状に巻取るに当たり、冷却ロールの接
線方向に圧縮ガスを吹付けて冷却ロールから金属薄帯を
剥離し、次いでこの剥離点の近傍で金属薄帯を真空吸引
式コンベヤーにて吸着し、この吸着状態のまま金属薄帯
を巻取装置側に搬送することを特徴とする、金属薄帯の
製造方法である。
【００１１】また、上記の方法は、高速回転する冷却ロ
ールおよびこの冷却ロールの表面に溶融金属の注出を導
くノズルを有する金属薄帯の製造設備であって、冷却ロ
ールの接線方向に圧縮ガスを吹出すスリット状の開口を
そなえるエアーノズルと、このエアーノズルによって冷
却ロールから剥離した薄帯を吸着状態下で搬送する真空
吸引式コンベヤーとを、冷却ロールに近接配置して成る
金属薄帯の製造設備によって、有利に実現される。
ールおよびこの冷却ロールの表面に溶融金属の注出を導
くノズルを有する金属薄帯の製造設備であって、冷却ロ
ールの接線方向に圧縮ガスを吹出すスリット状の開口を
そなえるエアーノズルと、このエアーノズルによって冷
却ロールから剥離した薄帯を吸着状態下で搬送する真空
吸引式コンベヤーとを、冷却ロールに近接配置して成る
金属薄帯の製造設備によって、有利に実現される。
【００１２】ここで、真空吸引式コンベヤーは、通気性
のあるコンベヤーベルトを２本または３本以上のプーリ
で保持して回転させ、コンベヤーの内部に設けた吸引箱
よりコンベヤーベルトを介して空気を吸引する構造のも
のが、有利に適合する。
のあるコンベヤーベルトを２本または３本以上のプーリ
で保持して回転させ、コンベヤーの内部に設けた吸引箱
よりコンベヤーベルトを介して空気を吸引する構造のも
のが、有利に適合する。
【００１３】さて、図１にこの発明の方法に適合する薄
帯の製造設備を示す。図において、符号１は高速で回転
している冷却ロールであり、この冷却ロール１上にスリ
ット状の開口をそなえるノズル２から溶融金属３を注出
し、溶融金属３を冷却ロール１上で急冷凝固させて薄帯
４を形成する。次いで、薄帯４を冷却ロール１から、こ
のロール１の接線方向に圧縮空気を吹出すスリット状の
開口をそなえるエアーノズル５の空気吹付けによって剥
離したのち、この剥離点Ｐ下に設置した真空吸引式コン
ベヤー６の始端に薄帯４の先端部を吸着させ、さらにこ
の吸着状態のまま、すなわち薄帯４を傷付けることな
く、コンベヤー６のベルトとともに移動し、コンベヤー
６の終端に配置した巻取リール７まで搬送し、押付けロ
ール８を介して、薄帯４を巻取リール７にコイル状に巻
付ける。
帯の製造設備を示す。図において、符号１は高速で回転
している冷却ロールであり、この冷却ロール１上にスリ
ット状の開口をそなえるノズル２から溶融金属３を注出
し、溶融金属３を冷却ロール１上で急冷凝固させて薄帯
４を形成する。次いで、薄帯４を冷却ロール１から、こ
のロール１の接線方向に圧縮空気を吹出すスリット状の
開口をそなえるエアーノズル５の空気吹付けによって剥
離したのち、この剥離点Ｐ下に設置した真空吸引式コン
ベヤー６の始端に薄帯４の先端部を吸着させ、さらにこ
の吸着状態のまま、すなわち薄帯４を傷付けることな
く、コンベヤー６のベルトとともに移動し、コンベヤー
６の終端に配置した巻取リール７まで搬送し、押付けロ
ール８を介して、薄帯４を巻取リール７にコイル状に巻
付ける。
【００１４】ここで、巻取リール７は、その周面に接着
性物質を塗布し、また薄帯４の製造速度と同期して回転
させるため、薄帯４は巻取リール７に接着した直後に巻
取リールに巻付いて巻取りが開始される。この巻取リー
ル７による巻取りの開始後は、上記真空吸引式コンベヤ
ー６の吸引およびベルト回転を停止してもよく、さらに
冷却ロール１と巻取りリール７との間に測定装置等を配
置する際に、真空吸引式コンベヤー６が干渉するようで
あれば、図示しない退避装置によってコンベヤー６を図
示の位置から退避させることも可能である。
性物質を塗布し、また薄帯４の製造速度と同期して回転
させるため、薄帯４は巻取リール７に接着した直後に巻
取リールに巻付いて巻取りが開始される。この巻取リー
ル７による巻取りの開始後は、上記真空吸引式コンベヤ
ー６の吸引およびベルト回転を停止してもよく、さらに
冷却ロール１と巻取りリール７との間に測定装置等を配
置する際に、真空吸引式コンベヤー６が干渉するようで
あれば、図示しない退避装置によってコンベヤー６を図
示の位置から退避させることも可能である。
【００１５】また、冷却ロール１と巻取りリール７との
間隔が大きい場合は、図２に示すように、真空吸引式コ
ンベヤー６を２台またはそれ以上直列に連結することも
可能であり、さらには真空吸引式コンベヤー６間の薄帯
４の受渡し、あるいはコンベヤーのリトラクトを考慮し
て、図３に示す如くコンベヤー６を上下に千鳥足状に配
置することも有効である。
間隔が大きい場合は、図２に示すように、真空吸引式コ
ンベヤー６を２台またはそれ以上直列に連結することも
可能であり、さらには真空吸引式コンベヤー６間の薄帯
４の受渡し、あるいはコンベヤーのリトラクトを考慮し
て、図３に示す如くコンベヤー６を上下に千鳥足状に配
置することも有効である。
【００１６】なお、薄帯を巻取りリールに巻付ける方法
は図示例に限るものではなく、例えば、胴部にマグネッ
トを取付けた巻取りリールを接近させる方法や、何らか
の押付け装置、あるいは最終コンベヤーの傾動により胴
部にマグネットを取付けた巻取りリールに接触させる方
法等も可能である。
は図示例に限るものではなく、例えば、胴部にマグネッ
トを取付けた巻取りリールを接近させる方法や、何らか
の押付け装置、あるいは最終コンベヤーの傾動により胴
部にマグネットを取付けた巻取りリールに接触させる方
法等も可能である。
【００１７】さらに、図４に示す設備は、冷却ロール１
から剥離された薄帯４を真空吸引式コンベヤー６で吸
着、そして搬送したのち、このコンベヤー６の終端に配
置したピンチロール９で捕捉し、このピンチロール９を
後方に移動して、薄帯４を巻取リール７まで搬送するも
のである。すなわち、コンベヤー６の終端まで進んだ薄
帯４の先端部は、吸引ブロアー10で発生させた気流によ
り、コンベヤー６の終端から搬送台車11上のピンチロー
ル９に到るパスライン上に乗せてピンチロール９の間隙
に誘導し、引き続き薄帯４をピンチロール９で捕捉し、
しかるのちピンチロール９の回転によって薄帯４に適正
張力を付与し、連続送行してくる薄帯４の先端部を吸引
ブロアー10で破砕しながら搬送台車11を移動させ、薄帯
４を巻取リール７まで搬送し、コイルに巻取る。
から剥離された薄帯４を真空吸引式コンベヤー６で吸
着、そして搬送したのち、このコンベヤー６の終端に配
置したピンチロール９で捕捉し、このピンチロール９を
後方に移動して、薄帯４を巻取リール７まで搬送するも
のである。すなわち、コンベヤー６の終端まで進んだ薄
帯４の先端部は、吸引ブロアー10で発生させた気流によ
り、コンベヤー６の終端から搬送台車11上のピンチロー
ル９に到るパスライン上に乗せてピンチロール９の間隙
に誘導し、引き続き薄帯４をピンチロール９で捕捉し、
しかるのちピンチロール９の回転によって薄帯４に適正
張力を付与し、連続送行してくる薄帯４の先端部を吸引
ブロアー10で破砕しながら搬送台車11を移動させ、薄帯
４を巻取リール７まで搬送し、コイルに巻取る。
【００１８】ここで、ピンチロール９には、ソリッドロ
ール9aおよびブラシロール9bの対になるものを用いて、
ピンチロール９の回転数あるいは押付け力を調整するこ
とで、ピンチロールによって薄帯４に付与する張力を適
切な大きさに保持する。なお、図においてはブラシロー
ル9bをピンチロールの上側のロールとしているが、下側
のロールをブラシロールとしても何ら問題はなく、さら
には薄帯の保持力を大きくする目的でピンチロールを複
数並べて設けることも可能である。
ール9aおよびブラシロール9bの対になるものを用いて、
ピンチロール９の回転数あるいは押付け力を調整するこ
とで、ピンチロールによって薄帯４に付与する張力を適
切な大きさに保持する。なお、図においてはブラシロー
ル9bをピンチロールの上側のロールとしているが、下側
のロールをブラシロールとしても何ら問題はなく、さら
には薄帯の保持力を大きくする目的でピンチロールを複
数並べて設けることも可能である。
【００１９】
【作用】この発明では、冷却ロールの外周の一点にエア
ーノズルによる圧縮ガスを噴射して冷却ロールから薄帯
を剥離し、さらに剥離点の近傍に真空吸引式コンベヤー
を設置し、剥離直後の薄帯をコンベヤーのベルト面に吸
着させつつコンベヤーの回転によって薄帯を順次搬送す
るため、薄帯の幅方向に均一な張力を付与することが可
能となり、剥離点は一定の位置に保持される。
ーノズルによる圧縮ガスを噴射して冷却ロールから薄帯
を剥離し、さらに剥離点の近傍に真空吸引式コンベヤー
を設置し、剥離直後の薄帯をコンベヤーのベルト面に吸
着させつつコンベヤーの回転によって薄帯を順次搬送す
るため、薄帯の幅方向に均一な張力を付与することが可
能となり、剥離点は一定の位置に保持される。
【００２０】そして、真空吸引式コンベヤー上の薄帯は
吸着された状態でコンベヤー終端まで搬送されるため、
搬送中における薄帯のしわ、折れおよび破断等の損傷が
発生することはない。さらに、コンベヤーを複数台直列
に連結すると、コンベヤー出側にて次のコンベヤーに薄
帯をばたつきのない状態で移送させつつ、巻取りリール
近傍まで搬送することが可能となる。
吸着された状態でコンベヤー終端まで搬送されるため、
搬送中における薄帯のしわ、折れおよび破断等の損傷が
発生することはない。さらに、コンベヤーを複数台直列
に連結すると、コンベヤー出側にて次のコンベヤーに薄
帯をばたつきのない状態で移送させつつ、巻取りリール
近傍まで搬送することが可能となる。
【００２１】このように薄帯は、真空吸引式コンベヤー
を介して、安定した姿勢で確実に搬送されるため、薄帯
の製造速度に同期して回転する巻取りリールに容易に巻
付けることが可能である。薄帯の搬送に、さらにピンチ
ロールを用いる場合においても、コンベヤー終端にてピ
ンチロールに薄帯をばたつきのない状態で噛み込ませる
ことができる。さらに、薄帯の搬送が安定であるから、
巻取りリールへの巻付けに失敗した場合にも、別のリー
ルを用いるか、一旦巻取りに失敗したリールの手直しを
行った後再度巻き付けを行うことも可能になる。
を介して、安定した姿勢で確実に搬送されるため、薄帯
の製造速度に同期して回転する巻取りリールに容易に巻
付けることが可能である。薄帯の搬送に、さらにピンチ
ロールを用いる場合においても、コンベヤー終端にてピ
ンチロールに薄帯をばたつきのない状態で噛み込ませる
ことができる。さらに、薄帯の搬送が安定であるから、
巻取りリールへの巻付けに失敗した場合にも、別のリー
ルを用いるか、一旦巻取りに失敗したリールの手直しを
行った後再度巻き付けを行うことも可能になる。
【００２２】
実施例１ 図１に示したところに従って、Ｃ：１at％、Si：９at％
およびＢ：10at％を含み残部実質的に鉄の成分組成にな
る溶融合金を1300℃の温度に保持した後、50〜250mm 幅
のスリット状開口を有するノズル２から、高速回転 (25
ｍ／ｓ）する銅合金製の冷却ロール１周面上に注出し、
板厚25μm の薄帯４を作成した。次いでエアーノズル５
の空気吹付け（40ｍ／ｓ）によって、冷却ロール１から
薄帯４を剥離したのち、この剥離点Ｐ下に設置した真空
吸引式コンベヤー６の始端に薄帯４の先端部を、100cm2
当たり 0.5〜2.0kgfの吸引力で吸着させ、さらにこの吸
着状態のまま、コンベヤー６のベルトとともに移動し、
コンベヤー６の終端に配置した巻取リール７まで搬送
し、押付けロール８を介して、薄帯４を巻取リール７に
コイル状に巻付けた。その結果、薄帯４の剥離点位置は
常に一定で、安定して薄帯を剥離することができ、また
薄帯４にしわ、折れおよびばたつきが発生することもな
く、従って巻取リール７での巻付けも容易であった。
およびＢ：10at％を含み残部実質的に鉄の成分組成にな
る溶融合金を1300℃の温度に保持した後、50〜250mm 幅
のスリット状開口を有するノズル２から、高速回転 (25
ｍ／ｓ）する銅合金製の冷却ロール１周面上に注出し、
板厚25μm の薄帯４を作成した。次いでエアーノズル５
の空気吹付け（40ｍ／ｓ）によって、冷却ロール１から
薄帯４を剥離したのち、この剥離点Ｐ下に設置した真空
吸引式コンベヤー６の始端に薄帯４の先端部を、100cm2
当たり 0.5〜2.0kgfの吸引力で吸着させ、さらにこの吸
着状態のまま、コンベヤー６のベルトとともに移動し、
コンベヤー６の終端に配置した巻取リール７まで搬送
し、押付けロール８を介して、薄帯４を巻取リール７に
コイル状に巻付けた。その結果、薄帯４の剥離点位置は
常に一定で、安定して薄帯を剥離することができ、また
薄帯４にしわ、折れおよびばたつきが発生することもな
く、従って巻取リール７での巻付けも容易であった。
【００２３】実施例２ 図４に示したところに従って、実施例１と同様の条件で
同様の薄帯４を作成した。次いでエアーノズル５の空気
吹付け（40ｍ／ｓ）によって、冷却ロール１から薄帯４
を剥離したのち、この剥離点Ｐ下に設置した真空吸引式
コンベヤー６の始端に薄帯４の先端部を、100cm2当たり
0.5〜2.0kgfの吸引力で吸着させ、さらにこの吸着状態
のまま、コンベヤー６のベルトとともに移動し、吸引ブ
ロア10により25ｍ／ｓ以上の気流を発生させ、この気流
に乗せて薄帯４をコンベヤー６の終端に配置した、ピン
チロール９の間隙に誘導し、ピンチロール９により捕捉
後、搬送台車11を移動させてピンチロール９を巻取リー
ル７まで搬送し、ここで薄帯３をコイル状に巻取った。
その結果、薄帯４の剥離点位置は常に一定で、安定して
薄帯を剥離することができ、また薄帯４にしわ、折れお
よびばたつきが発生することもなく、従ってピンチロー
ル９での捕捉も容易であった。
同様の薄帯４を作成した。次いでエアーノズル５の空気
吹付け（40ｍ／ｓ）によって、冷却ロール１から薄帯４
を剥離したのち、この剥離点Ｐ下に設置した真空吸引式
コンベヤー６の始端に薄帯４の先端部を、100cm2当たり
0.5〜2.0kgfの吸引力で吸着させ、さらにこの吸着状態
のまま、コンベヤー６のベルトとともに移動し、吸引ブ
ロア10により25ｍ／ｓ以上の気流を発生させ、この気流
に乗せて薄帯４をコンベヤー６の終端に配置した、ピン
チロール９の間隙に誘導し、ピンチロール９により捕捉
後、搬送台車11を移動させてピンチロール９を巻取リー
ル７まで搬送し、ここで薄帯３をコイル状に巻取った。
その結果、薄帯４の剥離点位置は常に一定で、安定して
薄帯を剥離することができ、また薄帯４にしわ、折れお
よびばたつきが発生することもなく、従ってピンチロー
ル９での捕捉も容易であった。
【００２４】
【発明の効果】この発明によれば、冷却ロールから薄帯
を剥離後、その剥離点の近傍で真空吸引式コンベヤーで
薄帯を吸着するため、薄帯の剥離位置が安定し、従来は
薄帯のばたつきによって多発していた、薄帯に損傷を大
幅に減少するとともに、薄帯の安定した巻取りを実現で
きる。
を剥離後、その剥離点の近傍で真空吸引式コンベヤーで
薄帯を吸着するため、薄帯の剥離位置が安定し、従来は
薄帯のばたつきによって多発していた、薄帯に損傷を大
幅に減少するとともに、薄帯の安定した巻取りを実現で
きる。
【図１】この発明に従う薄帯の製造設備を示す模式図で
ある。
ある。
【図２】この発明に従う薄帯の製造設備を示す模式図で
ある。
ある。
【図３】この発明に従う薄帯の製造設備を示す模式図で
ある。
ある。
【図４】この発明に従う薄帯の製造設備を示す模式図で
ある。
ある。
１ 冷却ロール ２ ノズル ３ 溶融金属 ４ 薄帯 ５ エアースリットノズル ６ 真空吸引式コンベヤー ７ 巻取りリール ８ 押付けロール ９ ピンチロール 10 吸引ブロアー 11 搬送台車 Ｐ 剥離点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森脇 三郎 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 渋谷 清 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 須原 俊 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内
Claims (2)
- 【請求項１】 高速回転する冷却ロールの表面に溶融金
属を注出し、急冷凝固させて金属薄帯としたのち、この
金属薄帯を冷却ロールから剥離し、次いで金属薄帯を巻
取装置まで搬送し、巻取装置によってコイル状に巻取る
に当たり、冷却ロールの接線方向に圧縮ガスを吹付けて
冷却ロールから金属薄帯を剥離し、次いでこの剥離点の
近傍で金属薄帯を真空吸引式コンベヤーにて吸着し、こ
の吸着状態のまま金属薄帯を巻取装置側に搬送すること
を特徴とする、金属薄帯の製造方法。 - 【請求項２】 高速回転する冷却ロールおよびこの冷却
ロールの表面に溶融金属の注出を導くノズルを有する金
属薄帯の製造設備であって、冷却ロールの接線方向に圧
縮ガスを吹出すスリット状開口をそなえるエアーノズル
と、このエアーノズルによって冷却ロールから剥離した
薄帯を吸着状態下で搬送する真空吸引式コンベヤーと
を、冷却ロールに近接配置して成る金属薄帯の製造設
備。
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|---|---|---|---|
| JP4340569A JP3002068B2 (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 金属薄帯の製造方法およびその設備 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP4340569A JP3002068B2 (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 金属薄帯の製造方法およびその設備 |
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| JP3002068B2 JP3002068B2 (ja) | 2000-01-24 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2013073513A1 (ja) * | 2011-11-14 | 2013-05-23 | Ｊｆｅスチール株式会社 | 金属薄帯の製造方法および製造設備 |
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-
1992
- 1992-12-21 JP JP4340569A patent/JP3002068B2/ja not_active Expired - Fee Related
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