JPH0618095U - 車両用ドアのウエザストリップ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 押し出し一体成形の芯金入りガーニッシュタ
イプウエザストリップにおいて、車体側フランジの板厚
の大きな変化に対応してウエザストリップを車体側フラ
ンジに差し込み取付けることができるようにする。 【構成】 ガーニッシュ部２の内側に突設した複数の内
側リップ部３，４，５のうちの第１の内側リップ部３の
付け根部に薄肉断面のノッチ部３ａを形成し、３枚重ね
以上の車体側フランジ１０の部分ではその部分の両端に
切れめを入れ手で引っ張って第１の内側リップ部３をノ
ッチ部３ａより部分的にカットして車体側フランジ１０
に差し込み取付けるようにし、ガーニッシュ部２の外側
に車体外面１０ａに弾接する外側リップ部６を設け、ド
ア当りリップ部７にドアが当ったときのウエザストリッ
プ１の倒れを外側リップ部６により防止するようにし
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は車両用ドアのウエザストリップ構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

車両のドア開口部の車体側フランジにはドア閉時ドア周縁部が弾接するウエザ ストリップが嵌着され、ドア閉状態において雨水等の侵入がないよう密閉シール するようになっている（例えば実開昭６０−３２１５１号公報参照）。上記ウエ ザストリップとしては芯金入りのガーニッシュタイプのものが一般に使用され、 ガーニッシュ内のリップで車体側のフランジを挟持して安定に取付保持されると 共に該フランジを回り込んで水が車室内に侵入するのを防いでいる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の芯金入りガーニッシュタイプのウエザストリップは車体側フランジの板 厚許容範囲は基準厚さの約２倍までであり、板厚が基準厚さの３倍以上の場合に は押し出し一体成形の基準断面形状のウエザストリップでは対応できず、途中に 基準板厚の板材を３枚重ねした部分がある場合には２つの断面形状のウエザスト リップを型でつなぐことにより対応するという手段を採っており、コスト高とな る上に見栄えがあまりよくないという課題を有している。

【０００４】 本考案は上記のような従来の課題に対処することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、押し出し一体成形の芯金入りガーニッシュタイプのウエザストリッ プにおいて、ほぼコ字状断面のガーニッシュ部の内側に突設され車体側フランジ に弾接してこれを挟持する複数の内側リップ部のうち、最もガーニッシュ部の開 放端部に近い１つ又は２つの内側リップ部の付け根部に薄肉断面のノッチ部を形 成して該内側リップ部をカットし易くすると共に、ウエザストリップを車体フラ ンジに取付けた状態において車体外面に弾接しドア当りリップ部にドアが当った ときのウエザストリップの倒れを防止する外側リップ部を上記ガーニッシュ部の 外側に突設したことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

上記において、車体側フランジが１枚の板材又は２枚重ねの範囲は基準断面形 状のままでガーニッシュ部を車体側フランジに差し込むことによりウエザストリ ップの取付けが行われ、３枚重ね以上の車体側フランジの部分では、ガーニッシ ュ部の開放端部に近い内側リップ部の１つ又は２つに切れめを入れて引っ張るこ とにより該内側リップ部はノッチ部から容易に部分的にカットされ、このように 開放端部に近い内側リップ部をカットして３枚重ね以上の車体側フランジに差し 込むことにより、カットされていない残りの内側リップ部にて車体側フランジを 挟持した状態で安定に取付けられ、このようにして単一断面のウエザストリップ にて車体側フランジの板厚の大きな変化に充分対応でき、コストの低廉化及び外 観性の向上をはかることができる。又内側リップ部を部分的にカットした部分は 外側リップ部の車体外面への圧接が他の部分より強くなるので、内側リップ部を カットしてもシール性は充分に確保される。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００８】 図１は本考案の第１の実施例を示すもので、図１（Ａ）に本考案にかかるウエ ザストリップの基準断面形状を示している。

【０００９】 この図１（Ａ）において、１は芯金入りガーニッシュタイプのウエザストリッ プで、該ウエザストリップ１は、芯金２ａが埋設されたほぼコ字状断面のガーニ ッシュ部２と、該コ字状断面のガーニッシュ部２の開放端部から内側に向けて突 設した第１と第２の内側リップ部３，４と、第１の内側リップ部３の奥において 該第１の内側リップ部３とほぼ平行に突設され先端が上記第２の内側リップ部４ の先端と対向する第３の内側リップ部５と、ガーニッシュ部２の上記第１の内側 リップ部３を設けた側の開放端部から外側に向けて突設した外側リップ部６と、 ガーニッシュ部２の外側面に突設したドア当りリップ部７とをもった断面形状に 押し出し一体成形にて形成される。上記第１の内側リップ部３の付け根部には断 面薄肉のノッチ部３ａが形成され、必要に応じ第１の内側リップ部３を容易にカ ットできるようになっている。

【００１０】 このウエザストリップ１は車両のドア開口部周縁の車体側フランジ１０にガー ニッシュ部２を差し込むことにより取付けられるが、例えば図４に示すように、 ワゴン型で前後のサンルーフを装備した車両において、フロントサイドドア１１ の前縁及び上縁からその後方のリヤサイドドア（スライドドア）１２の上縁にか けて内外２重シールを行うものでは、外側のウエザストリップ１を取付けるため の車体側フランジ１０は、フロントサイドドア１１の前縁部では図４（Ｂ）に示 すように１枚の板材であり、該フロントサイドドア１１の上縁では車体側フラン ジ１０は板材の３枚或は４枚重ねとなり、リヤサイドドア１２の上縁では車体側 フランジ１０は板材の２枚重ねとなり、図１（Ａ）に示す基準断面形状のままで は板材１枚及び２枚重ねの車体側フランジ１０にはガーニッシュ部２を差し込み 取付けることができるが、３枚重ね以上となるとガーニッシュ部２の開放端部が 拡開変形して安定した取付けができなくなる。

【００１１】 このような場合、本考案のウエザストリップ１においては、３枚重ね以上の車 体側フランジに嵌着される部分のみ第１のリップ部３を部分的にカットして図１ （Ｂ）に示すようにガーニッシュ部２を差し込む。するとガーニッシュ部２の開 放端部が拡開変形することなく差し込まれ、第２と第３の互いに対向する内側リ ップ部４，５が弾性変形して車体側フランジ１０をしっかりと挟持した状態で安 定に取付けられ、外側リップ部６が車体外面１０ａに弾接してドア当りリップ部 ７にドアが当ったときの矢印ａ方向の倒れを上記外側リップ部６にて踏ん張り支 持する。又第１の内側リップ部３がカットされた部分はその弾性反力がないので 外側リップ部６の車体外面１０ａへの圧接は第１の内側リップ部３をカットしな い部分より強くなり、該外側リップ部６によるシール性が向上し、該第１の内側 リップ部３を部分的にカットしたことによるシール性の低下は生じない。上記第 １の内側リップ部３の部分的なカットは、カットすべき範囲の両端部に切れめを 入れておいて手で引っ張ることによりノッチ部３ａから容易にカットでき、ウエ ザストリップ１の取付作業性が悪くなるようなこともない。

【００１２】 車体側フランジ１０が２枚重ね以下の場合は、図１（Ａ）に示すように第１， 第２及び第３の内側リップ部３，４及び５が車体側フランジ１０を挟持し外側リ ップ部６が車体外面１０ａに弾接して取付けられる。

【００１３】 このように車体側フランジ１０の板厚が大きく変化しても、単一の押し出し成 形品であるウエザストリップ１にて充分対応でき、従来のように異なる２つの断 面のものを型でつないだウエザストリップを用いるものに比し、大幅なコストダ ウンをはかり得ると共に、つなぎ型部がないので外観的に見栄えがよいという効 果をもたらし得る。

【００１４】 図２は本考案の第２の実施例を示すもので、外側リップ部６の形状とドア当り リップ部７の形状及び突設位置が図１の第１実施例と異なるだけでその他の構造 は図１の第１実施例と同じであり、図１と同一の符号は図１と同一の部分を表し ている。この第２の実施例のものは例えば図４において内側のシール用として用 いられるものであり、２枚重ね以下の車体側フランジ１０に取付ける部分は第１ の内側リップ部３をカットせず基準断面形状のままで車体側フランジ１０に差し 込み取付け、３枚重ね以上の車体側フランジ１０に取付ける部分は第１の内側リ ップ部３を図１の場合と同様にカットして車体側フランジ１０に差し込み取付け るものである。

【００１５】 図３は本考案の第３の実施例を示すもので、第２の内側リップ部４をその先端 が第１の内側リップ部３の先端に対向するよう突設すると共に、その奥に先端が 第３の内側リップ部５の先端に対向する第４の内側リップ部８を第２の内側リッ プ部４とほぼ平行に突設し、上記第２の内側リップ部４の付け根部に薄肉断面の ノッチ部４ａを設け、第１と第２の内側リップ部３，４を共に容易にカットでき るようにしたものであり、その他の構造は図１の第１実施例と同じであり、図１ と同一の符号は図１と同一の部分を表している。

【００１６】 この第３の実施例のものは、例えば２枚重ね以下の車体側フランジに取付ける 部分は図３（Ａ）の基準断面形状のままで差し込み取付け、３枚重ねに差し込む 部分は図３（Ｂ）のように第１内側リップ部３をカットし、４枚重ね以上の車体 側フランジに差し込む部分は図３（Ｃ）のように第１と第２の内側リップ部３， ４を双方ともカットするというように、車体側フランジの厚さの度合いに応じて 第１と第２の内側リップ部３，４の片側又は両方のカットの何れかを選択するこ とができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、芯金入りガーニッシュタイプのウエザストリッ プで車体側フランジに差し込み取付けるものにおいて、１断面の押し出し成形品 よりなるウエザストリップにて車体側フランジの板厚が大きく変化してもその板 厚の変化に容易に対応でき、異なる２つの断面のウエザストリップを型でつない で構成したウエザストリップにて車体側フランジの板厚の大きな変化に対応して いた従来のものに比し、コストの低廉化及び外観性の向上をはかることができる もので、ウエザストリップ取付作業性がよく又シール性も充分に確保できること と相俟って実用上多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す断面図で、（Ａ）
は基準断面形状のウエザストリップで車体側フランジの
板厚が比較的薄い部分に適用する場合を示し、（Ｂ）は
車体側フランジの板厚が厚い部分に適用する場合を示し
ている。

【図２】本考案の第２の実施例を示す断面図で、車体側
フランジの板厚が厚い部分に適用した場合を示してい
る。

【図３】本考案の第３の実施例を示す断面図で、（Ａ）
は基準断面形状のウエザストリップで車体側フランジの
板厚が比較的薄い部分に適用する場合を示しており、
（Ｂ）は車体側フランジの板厚が比較的厚い場合，
（Ｃ）は更に板厚が厚い車体側フランジに適用する場合
をそれぞれ示している。

【図４】本考案を適用する車両の１例を示す図で、
（Ａ）は車両の側面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ断面
図、（Ｃ）は（Ａ）のＣ−Ｃ断面図、（Ｄ）は（Ａ）の
Ｄ−Ｄ断面図である。

【符号の説明】

１ ウエザストリップ ２ ガーニッシュ部 ３ 第１の内側リップ部 ３ａ ノッチ部 ４ 第２の内側リップ部 ４ａ ノッチ部 ５ 第３の内側リップ部 ６ 外側リップ部 ７ ドア当りリップ部 ８ 第４の内側リップ部 １０ 車体側フランジ １０ａ 車体外面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ほぼコ字状断面をなす芯金入りガーニッ
   シュ部の内側に複数の内側リップ部を突設すると共に該
   ガーニッシュ部の外側にドアが弾接するドア当りリップ
   部を突設し、車体側フランジにガーニッシュ部を差し込
   むことにより内側リップ部が車体側フランジを挟持した
   状態で取付けられる押し出し一体成形の芯金入りガーニ
   ッシュタイプのウエザストリップにおいて、上記複数の
   内側リップ部のうちのガーニッシュ部開放端部に近い内
   側リップ部の１つ又はその内側リップ部とそれに対向す
   る内側リップ部との２つの付け根部に断面薄肉のノッチ
   部を形成して該１つ又は２つの内側リップ部をカットし
   易くすると共に、ウエザストリップを車体側フランジに
   差し込み取付けた状態で車体外面に弾接しドア当りリッ
   プ部にドアが当ったときのウエザストリップの倒れを防
   止する外側リップ部をガーニッシュ部の外側に一体に突
   設したことを特徴とする車両用ドアのウエザストリップ
   構造。